再帰スタティック ルートでは、ネクスト ホップだけが指定されます。 出力インターフェイスはネクスト ホップから取得されます。 次に、このような定義の例を示します。
ipv6 route 2001:DB8::/32 2001:DB8:3000:1
この例では、アドレス プレフィックス 2001:DB8::/32 を持つすべての宛先が、アドレス 2001:DB8:3000:1 を持つホストを介して到着可能であることを指定しています。
再帰スタティック ルートが有効である(つまり、IPv6 ルーティング テーブルに挿入される候補である)のは、指定したネクスト ホップが直接的または間接的に有効な IPv6 出力インターフェイスに解決され、ルートが自己再帰型ではなく、再帰深度が IPv6 転送の最大再帰深度を超えていない場合だけです。
自身のネクスト ホップ解決に使用されるのがそのルート自身である場合、ルートは自己再帰します。 たとえば、IPv6 ルーティング テーブルに次のルートがあるとします。
IPv6 Routing Table - 9 entries
Codes: C - Connected, L - Local, S - Static, R - RIP, B - BGP
U - Per-user Static route
I1 - ISIS L1, I2 - ISIS L2, IA - ISIS interarea
O - OSPF intra, OI - OSPF inter, OE1 - OSPF ext 1, OE2 - OSPF ext 2
R 2001:DB8::/32 [130/0]
via ::, Serial2/0
B 2001:DB8:3000:0/16 [200/45]
Via 2001:DB8::0104
次の例では、再帰 IPv6 スタティック ルートを定義します。
ipv6 route
2001:DB8::/32 2001:0BD8:3000:1
このスタティック ルートは、自己再帰型であるため、IPv6 ルーティング テーブルには挿入されません。 スタティック ルートのネクスト ホップ 2001:DB8:3000:1 は、自身が再帰ルートである(つまり、ネクスト ホップだけを指定する)BGP ルート 2001:DB8:3000:0/16 を介して解決されます。 BGP ルートのネクスト ホップ 2001:DB8::0104 はスタティック ルートを介して解決されます。 したがって、スタティック ルートは、スタティック ルート自身のネクスト ホップを解決するために使用されることになります。
一般に、自己再帰型スタティック ルートの手動設定は禁止されていませんが、有用ではありません。 ただし、IPv6 ルーティング テーブルに挿入された再帰スタティック ルートが、ダイナミック ルーティング プロトコルを介して学習された、ネットワークでの何らかの一時的変更の結果として自己再帰になる場合があります。 このような状況が発生すると、スタティック ルートが自己再帰になった事実が検出され、そのスタティック ルートは IPv6 ルーティング テーブルから削除されます(設定からは削除されません)。 以降のネットワーク変更によって、スタティック ルートが自己再帰でなくなる場合があります。この場合、そのスタティック ルートは IPv6 ルーティング テーブルに再挿入されます。