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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
目次
Access Node Control Protocol(ANCP)機能は、デジタル加入者線アクセス マルチプレクサ(DSLAM)とブロードバンド リモート アクセス サーバ(BRAS)間の通信を強化し、マルチプレクサ側とサーバ側の間でのイベント、アクション、および情報要求の交換をイネーブルにします。 これにより、どちらの側でも適切なアクションを実装できます。
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の警告および機能情報については、『Bug Search Tool』およびご使用のプラットフォームとソフトウェア リリースに対応したリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
伝送制御プロトコル(TCP)で ANCP を実行するには、ブロードバンド リモート アクセス サーバ(BRAS)で IP をイネーブルにする必要があります。 RADIUS から BRAS への相互作用は ANCP には必要なく、RADIUS サーバに依存します。
リリースおよびプラットフォーム サポートの詳細については、Access Node Control Protocol の機能情報を参照してください。
Cisco IOS XE Release 2.4 はブロードバンド リモート アクセス サーバ(BRAS)からの RADIUS サーバとの相互作用をサポートします。 RADIUS から BRAS への相互作用は ANCP には必要なく、RADIUS サーバに依存します。
ANCP は、複数の加入者からのトラフィックを集約し、アプリケーションから独立した状態を保ちながら、任意のアプリケーションへの情報を渡します。 ANCP は、現在、デジタル加入者線(DSL)のブロードバンド環境の、DSLAM とブロードバンド リモート アクセス サーバ間のアプリケーションで使用されます。
ANCP 機能により、DSL Aggregation Multiplexer(DSLAM)とネットワーク エッジ デバイス間での閉じた通信が可能になります。 DSLAM と BRAS 間で ANCP を使用すると、イベント、アクション、および情報要求の交換が可能になり、その結果、適切なアクションが DSLAM および BRAS で行われるようになります。
ANCP のアーキテクチャは、ANCP の次の使用をサポートします。
レート アダプティブ モードは、特定の回線の回線ビット レートの最大化を支援します。このレートは回線で達成される信号の質に依存します。 レート アダプティブ モードは、DSLAM からブロードバンド リモート アクセス サーバに DSL モデム回線レートを伝送します。
ANCP を実行している BRAS は ANCP ネイバー(DSLAM)からの TCP 要求をリッスンします。
レート アダプティブ DSL は回線速度を調整するために信号品質を使用します。 BRAS は、通常、サブスクライバ インターフェイスをサービス ライセンス契約(SLA)で同意した最大帯域幅に設定します。
顧客宅内機器(CPE)が、回線速度よりも遅いデータ レートに同期されると、セルまたはパケット損失が DSLAM で発生します。 これを防ぐために、DSLAM は新しく調整された回線レートの BRAS を通知するために ANCP を使用できます。
カスタマー側のポートの状態に応じて、次のようになります。
ブロードバンド リモート アクセス サーバと RADIUS サーバ間の相互作用は、ルータから RADIUS に向けられます。
BRAS は RADIUS サーバに次の属性および属性値ペア(AVP)を送信します。
ANCP ライン レート |
アップストリーム データ レート |
ダウンストリーム データ レート |
出力ポリシー名 |
---|---|---|---|
VSA 39 |
属性 197(Ascend-Data-Rate) |
属性 255(Ascend-Xmit-Rate) |
属性 77(Connect-Speed-Info) |
属性タイプ 38(Rx 接続速度 AVP) |
属性タイプ 24(Tx 接続速度 AVP) |
BRAS は、認証、許可、アカウンティング(AAA)モジュールとのやり取りに、ポイントツーポイント プロトコル(PPPoE)を使用します。 RADIUS は情報を処理し、適切なアクションを実行します。
ポート マッピングは、BRAS の VLAN サブインターフェイスと DSLAM の顧客宅内機器(CPE)のクライアントを関連付けます。 VLAN には 802.1Q または queue-in-queue(Q-in-Q)階層型 VLAN が含まれます。 ポート マッピングは、特定の DSLAM ネイバーで CPE クライアント ID をグループ化して、BRAS でグローバル コンフィギュレーション モードで設定されます。
ポートをマッピングするために使用するための 2 つの方法があります。すべての VLAN サブインターフェイスを最初に設定し、ANCP ネイバー マッピングを次に設定する方法と、 インターフェイスでマッピングを直接設定する方法があります。
たとえば、次のコマンドは、Q-in-Q VLAN サブインターフェイスのポート マッピングを設定します。
ancp neighbor name dslam-name id dslam-id dot1q outer-vlanid second-dot1q inner-vlanid [interface type number ] client-id " client-id "
または
ancp neighbor name dslam-name id dslam-id dot1q outer-vlanid client-id " client-id "
client-id は、DSLAM が各ポートのために BRAS に送信する一意の access-loop-circuit-id です。 DSLAM は、ANCP Port Up イベント メッセージのこの ID を送信します。 access-loop-circuit-id は、次に示すように、アクセス ノード識別子およびデジタル加入者線(DSL)の情報から構成される定義された形式を使用します。
" access-node-identifier atm slot/module/port . subinterface : vpi . vci "
" access-node-identifier ethernet slot / module / port . subinterface [: vlan-id]"
BRAS は、DSLAM が Port Up メッセージを送るまで、ルータのすべてのポートのデフォルト ステートを Down に設定します。
ANCP は、ブロードバンド リモート アクセス サーバから運用、管理、および保守(OAM)の非インタラクティブ操作を実行するように、アウトオブバンド制御チャネルを提供します。 このチャネルにより、特定の DSLAM ポートの ANCP ポートの状態をルータ オペレータが確認できるようになります。 ANCP ポート ステート情報は、BRAS の ANCP ダイナミック データベースに保存されます。
インタラクティブ OAM およびスケーリング強化機能は、運用とトラブルシューティングのために ANCP にオンデマンド ping 機能を追加します。
(注) |
この機能はデフォルトでイネーブルになり、設定は必要ありません。 |
ANCP は、General Switch Management Protocol(GSMP)を拡張したものです。 GSMP はマスタースレーブ ネイバー関係を定義します。ここで、マスターはスレーブへの接続を開始します。 ANCP では、このマスタースレーブ関係が反転します。BRAS(マスター)は DSLAM(スレーブ)からの着信 ANCP 接続をリッスンして受け入れます。 DSLAM はイベント メッセージを使用して、トポロジの変更や、ポート ダウン イベントまたはポート アップ イベントなどの BRAS への非同期イベントでの通信を行います。
BRAS と DSLAM 間の GSMP 接続は TCP/IP(RFC 3293)経由で発生します。 DSLAM はルータへの接続を開始し、ルータは、適切なインターフェイスで ANCP がイネーブルな場合は接続を受け入れます。
GSMP 隣接プロトコルは GSMP のネイバー関係を確立します。
http://tools.ietf.org/id/draft-wadhwa-gsmp-l2control-configuration-02.txt
ANCP を設定するには、次のグローバルまたはインターフェイス コンフィギュレーション タスクを実行します。
イーサネット インターフェイスで ANCP をイネーブルにするには、この作業を実行します。
1. enable
2. configure terminal
3. ancp adjacency timer interval
4. interface type number
5. ip address address mask
6. ancp enable
7. interface type number . subinterface
8. encapsulation dot1q vlanid [second-dot1q second-vlanid]
9. exit
ancp enable コマンドは、DSLAM から ANCP メッセージを送信する制御 VC に対してのみ設定する必要があります。 ATM インターフェイス上で ANCP をイネーブルにするには、次の作業を行います。
1. enable
2. configure terminal
3. ancp adjacency timer interval
4. interface atm slot / subslot / port . subinterface
5. ip address ip-address mask
6. pvc vpi / vci
7. ancp enable
8. exit
BRAS の VLAN インターフェイスに DSLAM ポートをマッピングするには、この作業を実行します。
1. enable
2. configure terminal
3. ancp atm shaper percent-factor factor
4. interface type number.subinterface
5. encapsulation dot1q vlan-id
6. ancp neighbor name dslam-name [id dslam-id] client-id client-id
7. exit
ancp neighbor name コマンドは、pvc および pvc-in-range コマンド モードで使用可能です。 このコマンドは、PVC と DSLAM ポート間の 1 対 1 マッピングを作成します。 BRAS の PVC インターフェイスに DSLAM ポートをマッピングするには、この作業を実行します。
1. enable
2. configure terminal
3. ancp atm shaper percent-factor factor
4. interface atm slot / subslot / port . subinterface
6. pvc-in-range vpi / vci
7. ancp neighbor name dslam-name [id dslam-id] client-id client-id
8. end
次に、イーサネット サブインターフェイス 2/0/1 で ANCP をイネーブルにする例を示します。
interface GigabitEthernet 2/0/1 ip address 192.168.64.16 255.255.255.0 ancp enable ! interface GigabitEthernet 2/0/1.1 encapsulation dot1q 100 second-dot1q 200 ! ancp adjacency timer 100
次に、ATM サブインターフェイス 2/0/1.1 で ANCP をイネーブルにする例を示します。
interface ATM2/0/0.1 point-to-point description ANCP Link to one DSLAM no ip mroute-cache ip address 192.168.0.2 255.255.255.252 pvc 254/32 protocol ip 192.168.0.1 ancp enable no snmp trap link-status
次に、DSLAM の CPE クライアント ポートを BRAS の Q-in-Q VLAN サブインターフェイスにマッピングする例を示します。 例では、192.68.10.5 の IP アドレスの dslam1 という名前の DSLAM ネイバーに、イーサネット インターフェイス 1/0/0.2 に設定された Q-in-Q VLAN 100 および 200 にマッピングされた CPE クライアント ポートがあります。 別の CPE クライアント ポートは、イーサネット インターフェイス 1/0/0.1 に設定された Q-in-Q VLAN 100 および 100 にマッピングされています。
interface GigabitEthernet1/0/0.1 encapsulation dot1q 100 second-dot1q 100 ancp neighbor name dslam1 id 192.168.10.5 client-id "192.168.10.5 ethernet1/0/0.2" ! interface GigabitEthernet1/0/0.2 encapsulation dot1q 100 second-dot1q 200 ancp neighbor name dslam1 id 192.168.10.5 client-id "192.168.10.5 ethernet1/0/0.1" ! ancp atm shaper percent-factor 95 !
上の例は、サブインターフェイス レベルでポートを直接マッピングします。 また、次の例に示すように、すべての VLAN サブインターフェイスを最初に設定して、次に ANCP ネイバーでマッピングを実行します。
interface GigabitEthernet1/0/0.1 encapsulation dot1q 100 second-dot1q 100 ! interface GigabitEthernet1/0/0.2 encapsulation dot1q 100 second-dot1q 200 ! ancp atm shaper percent-factor 95 ! ancp neighbor name dslam1 id 192.168.10.5 dot1q 100 second-dot1q 100 interface GigabitEthernet1/0/0.1 client-id "192.168.10.5 ethernet1/0/0.2" ! ancp neighbor name dslam1 id 192.168.10.5 dot1q 100 second-dot1q 200 interface GigabitEthernet1/0/0.2 client-id "192.168.10.5 ethernet1/0/0.2"
ancp neighbor name コマンドは、DSLAM の CPE クライアント ポートを BRAS の PVC インターフェイスにマッピングします。 このコマンドは、グローバルに設定することも、または PVC/PVC-in-Range モードで設定することもできます。
この例で、ルータは、2 つのポートまたはクライアントを持つ 1 つの DSLAM と接続されます。
interface ATM2/0/0.1 point-to-point description ANCP Link to one DSLAM no ip mroute-cache ip address 192.168.0.2 255.255.255.252 pvc 254/32 protocol ip 192.168.0.1 255.255.255.252 ancp neighbor name dslam1 id 192.168.10.5 client-id "dslam-port-x-identifier" no snmp trap link-status ! interface ATM1/0/0.1 multipoint description TDSL clients - default TDSL 1024 class-int speed:ubr:1184:160:10 range pvc 10/41 10/160 service-policy input SET-PRECEDENCE-0 service-policy output premium-plus:l2c:25088 pvc-in-range 10/103 description TDSL client 16 Mbps with ANCP class-vc speed:ubr:17696:1184:05 ancp neighbor name dslam1 id 192.168.10.5 client-id "dslam-port-x-identifier" ! range pvc 11/41 11/160 service-policy input SET-PRECEDENCE-0 service-policy output premium-plus:l2c:25088 pvc-in-range 11/108 description TDSL client 16 Mbps with ANCP class-vc speed:ubr:17696:1184:05 ancp neighbor name dslam1 id 192.168.10.5 client-id "dslam-port-y-identifier" !
ancp neighbor コマンドがグローバルに設定される場合、次の例のように、ATM インターフェイスの PVC 情報も指定する必要があります。
interface ATM1/0/0.1 multipoint description TDSL clients - default TDSL 1024 class-int speed:ubr:1184:160:10 range pvc 10/41 10/160 service-policy input SET-PRECEDENCE-0 service-policy output premium-plus:l2c:25088 pvc-in-range 10/103 description TDSL client 16 Mbps with ANCP class-vc speed:ubr:17696:1184:05 ! range pvc 11/41 11/160 service-policy input SET-PRECEDENCE-0 service-policy output premium-plus:l2c:25088 pvc-in-range 11/108 description TDSL client 16 Mbps with ANCP class-vc speed:ubr:17696:1184:05 ! ancp neighbor name dslam1 id 192.168.10.5 atm 10/103 interface ATM1/0/0.1 client-id "dslam-port-x-identifier" atm 11/108 interface ATM1/0/0.1 client-id "dslam-port-y-identifier"
関連項目 |
マニュアル タイトル |
---|---|
Cisco IOS コマンド |
|
ANCP コマンド |
『Cisco IOS Access Node Control Protocol Command Reference』 |
IEEE 802.1Q VLAN |
『Configuring Routing Between VLANs with IEEE 802.1Q Encapsulation』 |
Queue-in-Queue VLAN タグ |
『IEEE 802.1Q-in-Q VLAN Tag Termination』 |
RFC |
タイトル |
---|---|
ANCP 拡張ドラフト |
http://tools.ietf.org/id/draft-wadhwa-gsmp-l2control-configuration-02.txt 『GSMP Extensions for Access Node Control Mechanism』(インターネット ドラフト) |
RFC 3292 |
『General Switch Management Protocol (GSMP) V3』 |
RFC 3293 |
『General Switch Management Protocol (GSMP), Packet Encapsulations for Asynchronous Transfer Mode (ATM), Ethernet and Transmission Control Protocol (TCP)』 |
説明 |
リンク |
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次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。
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機能名 |
リリース |
機能情報 |
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Access Node Control Protocol |
Cisco IOS XE Release 2.4 |
Cisco IOS XE Release 2.4 では、この機能が Cisco ASR 1000 に導入されました。 次のコマンドが導入されました。ancp vdsl ethernet shaper。 |
インタラクティブ OAM およびスケーリング強化 |
Cisco IOS XE Release 2.4 |
インタラクティブ OAM およびスケーリング強化機能は、運用とトラブルシューティングのために ANCP にオンデマンド ping 機能を追加します。 Cisco IOS XE Release 2.4 では、この機能が Cisco ASR 1000 に導入されました。 次のコマンドが導入または変更されました。ping ancp、show ancp neighbor port、show ancp port、show ancp session、show ancp session adjacency、show ancp session event、および show ancp statistics。 |