標準の警告文
ここでは、警告の定義について説明し、重要な安全上の警告をトピック別に示します。
警告 「危険」の意味です。人身事故を予防するための注意事項が記述されています。機器の取り扱い作業を行うときは、電気回路の危険性に注意し、一般的な事故防止対策に留意してください。各警告の最後にある宣言番号を使用して、この装置に付属している各国語の安全上の警告で、対応する翻訳を見つけてください。
(注 : これらの注意事項を保存しておいてください。
ステートメント 1071)
一般的な安全上の警告
警告 インストレーション手順を読んでから、システムを電源に接続してください。ステートメント 1004
警告 この製品を廃棄処分する際には、各国の法律または規制に従って取り扱ってください。ステートメント 1040
警告 内部にユーザが保守できる部品はありません。開けないでください。ステートメント 1040
警告 この装置は、地域および国の電気規格に適合するように設置する必要があります。ステートメント 1074
警告 クラス A エミッション要件に適合するために、Cisco ASR 1006、ASR 1004、および ASR 1002 の SPA-8 ポート チャネル化 T1/E1 SPA(SPA-8XCHT1/E1)には、シールド付きツイスト ペア T1/E1 ケーブルを使用する必要があります。EN55022/CISPR22 警告文
警告 クラス A エミッション要件に適合するために、Cisco ASR 1002 ルータの管理 Ethernet、CON、および AUX ケーブルは必ずシールドされたものを使用してください。
警告 電源コードおよび AC アダプタ - 製品を設置するときには、付属のまたは指定された接続ケーブル、電源コード、および AC アダプタを使用してください。他のケーブルまたはアダプタを使用すると、誤動作や発火を引き起こすことがあります。Electrical Appliance and Material Safety Law により、シスコが指定した製品以外の電気機器に認定ケーブル(コードに「UL」の表示)を使用することは禁止されています。Electrical Appliance and Material Safety Law によって認定されたケーブル(コードに「PSE」の表示)の使用は、シスコ指定の製品に限定されません。ステートメント 371
警告 この装置の設置または交換は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。ステートメント 1030
警告 この製品は設置する建物に回路短絡(過電流)保護機構が備わっていることを前提に設計されています。保護装置の定格が次の値を超えないようにしてください。Cisco ASR 1004 ルータ、Cisco ASR 1006 ルータ、および Cisco ASR 1002 ルータの AC 電源の場合は 120 VAC、最大 20A(米国) 。Cisco ASR 1004 ルータの DC 電源では最大 40A(米国) 、Cisco ASR 1006 ルータの DC 電源では最大 50A(米国) 、Cisco ASR 1002 ルータの DC 電源では最大 30A(米国) 。ステートメント 1005
警告 この製品は、設置する建物にショート(過電流)保護機構が備わっていることを前提に設計されています。一般および地域の電気規格に準拠するように設置する必要があります。ステートメント 1045
警告 この装置には複数の電源コードが取り付けられている場合があります。装置への通電を遮断するには、すべての接続部を外す必要があります。ステートメント 1028
警告 いつでも装置の電源を切断できるように、プラグおよびソケットにすぐに手が届く状態にしておいてください。ステートメント 1019
警告 DC 電源端子には、危険な電圧またはエネルギーが存在している可能性があります。未使用の端子には、必ずカバーを取り付けてください。カバーを取り付けた状態で、絶縁されていない導体に接触するおそれがないことを確認してください。ステートメント 1075
警告 必ず、銅の導体を使用してください。ステートメント 1025
警告 この機器はアース接続する必要があります。絶対にアース導体を無効にしたり、アース線が正しく取り付けられていない装置を稼動させたりしないでください。アースが適切かどうかがはっきりしない場合には、電気検査機関または電気技術者に確認してください。ステートメント 1024
警告 システム稼動中のバックプレーンには、人体に危険な電圧またはエネルギーがかかっています。保守する際には注意してください。ステートメント 1034
警告 クラス 1 レーザー製品です。ステートメント 1008
警告 クラス 1 LED 製品です。ステートメント 1027
警告 システムの開口部からは、レーザー光が放射されています。ステートメント 1009
警告 レーザー光を直視しないでください。ステートメント 1010
警告 クラス I(CDRH)およびクラス 1M(IEC)レーザー製品です。ステートメント 1055
警告 未終端の光ファイバの末端またはコネクタから、目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。光学機器で直接見ないでください。ある種の光学機器(ルーペ、拡大鏡、顕微鏡など)を使用し、100 mm 以内の距離でレーザー出力を見ると、目を傷める可能性があります。ステートメント 1056
警告 バッテリが適正に交換されなかった場合、爆発の危険があります。製造元が推奨するものと同じまたは同等のバッテリだけを使用してください。使用済みのバッテリは、製造元の指示に従って廃棄してください。ステートメント 1015
警告 バッテリの金属製接点に触れたり、ブリッジしたりしないでください。想定外のバッテリ放電によって、深刻な火災を引き起こす可能性があります。ステートメント 341
警告 けがまたはシャーシの破損を防ぐために、モジュール(電源モジュール、ファン、またはカードなど)のハンドルを持ってシャーシを持ち上げたり、傾けたりすることは絶対に避けてください。これらのハンドルは、シャーシの重さを支えるようには設計されていません。ステートメント 1032
警告 システムの過熱を防止するために、最大推奨周囲温度の 40 ℃を超える環境では使用しないでください。ステートメント 1047
警告 この装置は、通電する前に、ユーザ側で用意したアース線を使用して、外部でアースする必要があります。アースが適切かどうかがはっきりしない場合には、電気検査機関または電気技術者に確認してください。ステートメント 366
警告 ブランクの前面プレート(フィラー パネル)には、3 つの重要な役割があります。シャーシ内の危険な電圧および電流による感電を防ぐこと、他の装置への EMI の影響を防ぐこと、およびシャーシ内の空気の流れを適切な状態に保つことです。必ずすべてのカード、前面プレート、前面カバー、および背面カバーをスロットに正しく取り付けた状態で、システムを運用してください。
設置環境
ここでは、設置環境に関する情報を扱います。Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの設置準備に活用してください。説明する内容は、次のとおりです。
• 「一般的な注意事項」
• 「設置場所の選択に関する注意事項」
• 「床荷重に関する考慮事項」
• 「設置場所の電源に関する注意事項」
• 「設置場所のケーブル配線に関する注意事項」
• 「ラックマウントおよび配置に関する注意事項」
• 「設置環境のチェックリスト」
一般的な注意事項
Cisco ASR 1000 シリーズ システムの使用または作業時には、次の注意事項に従ってください。
• システム コンポーネントをラジエータや熱源から離し、冷却ベントを妨げないようにしてください。
• システム コンポーネントに食べ物や飲み物をこぼさないようにしてください。また、濡れた環境で製品を動作させてはなりません。
• システム コンポーネントの開口部には、何も押し込んではなりません。何かを押し込むと、内部部品がショートして、発火や感電の原因になることがあります。
• システム ケーブルおよび電源コードの位置に気を配る必要があります。踏みつけたり、つまずいたりすることがないように、システム ケーブルおよび電源コードを引き回して接続する必要があります。システム コンポーネントのケーブルや電源コードの上に、何も乗っていないようにする必要があります。
• 電源コードまたはプラグを改変してはなりません。設置場所の改造については、資格のある電気技師または電力会社に相談してください。必ず、地域および国の配線規則に従ってください。
• システム電源の切断後、再投入する場合は、システム コンポーネントの損傷を防ぐために、30 秒以上の間隔を置いてください。
設置場所の選択に関する注意事項
Cisco ASR 1000 シリーズ ルータは、環境面で固有の動作条件があります。温度、湿度、高度、および振動がルータのパフォーマンスおよび信頼性を左右する可能性があります。次に、適切な動作環境を準備できるように、固有の情報を示します。
Cisco ASR 1000 シリーズ ルータは、『Regulatory, Safety, and Compliance Information for Cisco ASR 1000 Series Aggregation Services Routers』に記載されている EMC、安全性、および環境規格に適合するように設計されています。
設置環境の条件
Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの環境モニタによって、過電圧や過熱状態による損傷からシステムおよびコンポーネントが保護されます。正常なシステム動作を維持し、不要なメンテナンスの手間を省くには、設置作業を行う 前に 、設置環境の条件を整えておく必要があります。設置後は、設置場所で 表 3-3 の環境特性が維持されるようにしてください。
表 3-3 Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの環境許容値
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安定した動作 |
0 ℃ |
50 ℃ (10,000 フィートで 50 ℃) |
保管 |
-20 ℃ |
+70 ℃ |
動作時の湿度(結露しないこと) |
10% |
90% |
非動作時の湿度(結露しないこと) |
5% |
95% |
動作時の高度:許容温度範囲(0 ~ 50 ℃)内 |
-500 フィート |
10,000 フィート |
非動作時の高度:許容温度範囲内 |
-1000 フィート |
50,000 フィート |
3 分間における熱衝撃:非動作時 |
-25 ℃ |
+70 ℃ |
熱衝撃:動作時、1 分間に 2.5 ℃ |
0 ℃ |
+50 ℃ |
物理特性
適切な場所にシステムを配置できるように、Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの物理特性を理解しておいてください。
表 3-4 に、Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの重量および寸法を示します。
表 3-4 Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの物理特性
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Cisco ASR 1002 および Cisco ASR 1002-F ルータ *
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高さ |
10.47 インチ (26.543 cm) - EIA RS-310 規格に基づく 6RU ラックマウント |
6.95 インチ (17.653 cm) - EIA RS-310 規格に基づく 4RU ラックマウント |
3.47 インチ (8.813 cm) - EIA RS-310 規格に基づく 2RU ラックマウント |
幅 |
17.25 インチ (43.815 cm) - 19 インチ ラックマウント |
17.25 インチ(43.815 cm) - 19 インチ ラックマウントまたはオプションの 23 Telco ラックマウント |
17.25 インチ (43.815 cm) - 19 インチ ラックマウントまたはオプションの 23 Telco ラックマウント |
奥行き |
22.50 インチ (57.15 cm)(カード ハンドル、ケーブル管理ブラケット、電源ハンドルを含む) |
22.50 インチ(57.15 cm)(カード ハンドル、ケーブル管理ブラケット、電源モジュール ハンドルを含む) |
22.50 インチ (57.15 cm)600 mm の閉じたキャビネットにマウントする場合(カード ハンドル、ケーブル管理ブラケット、および電源モジュール ハンドルを含む) |
フル構成のシャーシ重量 |
75 ポンド(34.019 kg) |
50 ポンド(22.679 kg) |
40 ポンド(18.143 kg) |
* 特に記載がない限り、Cisco ASR 1002-F ルータの仕様は、Cisco ASR 1002-F ルータではスループットの上限が 2.5G である点以外は既存の Cisco ASR 1002 ルータと同じです。 |
Cisco ASR 1000 シリーズ シャーシのその他の特性は、次のとおりです。
• Cisco ASR 1006 ルータ:
– シャーシの高さは EIA-310 ラック スペースの 6 RU(10.47/266 mm)、ユニバーサル ラックマウントに対応します。
– シャーシの幅は EIA-310 19 インチ(17.25/438.15 mm)幅、ラック ブラケット使用に対応します。
– 各 Cisco ASR 1000 シリーズ SPA Interface Processor(SIP)位置のケーブル管理ブラケットで、STP/UTP JR 45 ケーブルの 16 ポートを支えることができます。
– ケーブル管理ブラケットでは、ケーブルを半径 1.5 インチ曲げることができます。
– 調節可能なラックマウント ブラケットによって、前後のレールの距離を 15.50/394 ~ 19.00/482.6 mm にできます。
• Cisco ASR 1004 ルータ:
– シャーシの高さは EIA-310 ラック スペースの 4 RU(6.95 インチ/176.53 mm)、ユニバーサル ラックマウントに対応します。
– シャーシの幅は EIA-310 19 インチ(17.25/438.15 mm)幅、ラック ブラケット使用に対応します。
– 各 Cisco ASR 1000 シリーズ SPA Interface Processor(SIP)位置のケーブル管理ブラケットで、STP/UTP JR 45 ケーブルの 16 ポートを支えることができます。
– ケーブル管理ブラケットでは、ケーブルを半径 1.5 インチ曲げることができます。
– 調節可能なラックマウント ブラケットによって、前後のレールの距離を 15.50/394 ~ 19.00/482.6 mm にできます。
• Cisco ASR 1002 ルータ:
– シャーシの高さは EIA-310 ラック スペースの 2 RU(3.47 インチ/88.138 mm)、ユニバーサル ラックマウントに対応します。
– シャーシの幅は EIA-310 19 インチ(17.25/438.15 mm)幅、ラック ブラケット使用に対応します。
– Cisco ASR 1002 ルータのケーブル管理ブラケットで、STP/UTP JR 45 ケーブルの 16 ポートを支えることができます。
– ケーブル管理ブラケットでは、ケーブルを半径 1.5 インチ曲げることができます。
– 調節可能なラックマウント ブラケットによって、前後のレールの距離を 15.50/394 ~ 19.00/482.6 mm にできます。
床荷重に関する考慮事項
Cisco 1000 シリーズ ルータを支えるラック下の床は、ラックとその他すべての搭載機器の合計重量を支えることが可能であることを確認してください。
フル構成の各 Cisco 1000 シリーズ ルータの重量については、 表 3-4 を参照してください。
床荷重要件の詳細については、『 GR-63-CORE, Network Equipment Building System (NEBS) Requirements: Physical Protection 』を参照してください。
設置場所の電源に関する注意事項
Cisco 1000 シリーズ ルータには、電源および電気配線について、固有の要件があります。これらの要件を満たすことによって、信頼できるシステム動作が保証されます。Cisco ASR 1000 シリーズ ルータのために設置場所を準備するときには、次の注意事項および推奨事項に従ってください。
• 冗長電源オプションでは、同一の第 2 電源モジュールを用意し、一方の電源モジュールが故障した場合、またはあるラインで入力電源障害が発生した場合に、電力がシャーシに途切れることなく、連続して供給されるようにします。
• 冗長電源オプションが含まれるシステム構成では、2 台の電源モジュールをそれぞれ独立した入力電源に接続します。これを怠ると、外部配線の障害または回路ブレーカのトリップが原因で、システムが全面的な電源障害を被る可能性があります。
• 入力パワー損失を防止するために、電源モジュールに供給する各回路の合計最大負荷が配線およびブレーカの電流定格の範囲内に収まるようにする必要があります。
• 設置前に設置場所の電源を確認し、設置後も定期的に確認して、クリーンな電力が供給されるようにしてください。必要に応じて電力調整器を取り付けてください。
• 電力線への落雷や電力サージを原因とするけがや機器の損傷を防ぐために、適切なアースを施してください。シャーシ アースは、セントラル オフィスまたはその他の内部アース システムに接続する必要があります。
注意 この製品は、設置する建物に回路短絡(過電流)保護機構が備わっていることを前提に設計されています。一般および地域の電気規格に準拠するように設置する必要があります。
(注) Cisco 1000 シリーズ ルータの設置は、該当する規格に準拠する必要があります。また、使用が認められるのは、銅の導体と組み合わせた場合に限られます。金具を固定するアース ボンドは、適合性のある材料にする必要があります。また、金具や結合材料の緩み、劣化、電食が起きないものにする必要があります。シャーシ アースとセントラル オフィスまたはその他の内部アース システムとの結合は、最低限、AWG 6 番ゲージのワイヤ、銅のアース導体を使用して行う必要があります。
電気回路の要件
各 Cisco 1000 シリーズ ルータには、専用の電気回路が必要です。二重化電源にする場合は、電源モジュールごとに別々の回路を用意し、電源冗長機能が損なわれないようにする必要があります。
Cisco ASR 1000 シリーズ ルータは、DC または AC 電源で動作します。機器がアースされていて、パワー ストリップ定格に従っていることを確認してください。パワー ストリップに接続する全製品の合計アンペア定格が、定格の 80% を超えないようにしてください。
表 3-5 に、すべての Cisco ASR 1000 シリーズ ルータについて、DC 電源システムの仕様を示します。
表 3-5 Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの DC 電源の入力要件
Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの DC 電源
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最小 |
最大 |
最小 |
最大 |
Cisco ASR 1006 |
40 |
必ず 50 |
必ず AWG #6 |
Cisco ASR 1004 |
24 |
30 |
40 |
10 |
8 |
Cisco ASR 1002 |
16 |
20 |
30 |
12 |
10 |
たとえば、入力定格が 16A の Cisco ASR 1002 ルータの DC 電源では、20A の回路ブレーカーには AWG #12 ゲージのケーブル、30A の回路ブレーカーには AWG #10 ゲージのケーブルを使用する必要があります。 |
(注) Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの AC 電源には 20A の回路ブレーカーが必要です。
Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの AC および DC 電源モジュールは、さまざまなタイプの電源スイッチをサポートします。 表 3-6 で、Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの電源モジュールがサポートするスタンバイまたはオン/オフ スイッチを示します。
表 3-6 Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの AC および DC 電源スイッチ
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Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの電源モジュール
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オン/オフ回路 |
I/O |
ASR 1006 DC ASR 1004 DC ASR 1002 AC |
スタンバイ スイッチ |
上から縦線が入った不完全な円 |
ASR 1006 AC ASR 1004 AC ASR 1002 DC |
表 3-7 に、すべての Cisco ASR 1000 シリーズ ルータに必要な AC および DC 電源システム定格を示します。
表 3-7 Cisco ASR 1000 シリーズ ルータの AC および DC 電源システム定格仕様
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電源申告定格 |
AC = 100 ~ 240 VAC DC = -48/-60 VDC |
ライン周波数定格 |
50/60 Hz |
設置場所のケーブル配線に関する注意事項
ここでは、設置場所の配線およびケーブル接続に関する注意事項を取り上げます。Cisco 1000 シリーズ ルータをネットワークに接続できるように設置場所を準備するときには、各コンポーネントに必要なケーブルのタイプとともに、ケーブルの制限事項を考慮してください。シグナリングの距離制限、EMI、およびコネクタの適合性を検討します。使用できるケーブル タイプは光ファイバ、太いまたは細い同軸、ホイル ツイストペア、シールドなしツイストペアです。
さらに、トランシーバ、ハブ、スイッチ、モデム、CSU(チャネル サービス ユニット)、DSU(データ サービス ユニット)など、必要なその他のインターフェイス機器も検討してください。
作業を開始する前に、ケーブル配線に関する次の重要注意事項を読んでください。
• Cisco 8 ポート チャネル化 T1/E1 SPA インターフェイスの E1 インターフェイスでは、RJ-45 コネクタを備えた E1(120 Ω)ケーブルに RJ-48c レセプタクルを使用します。すべてのポートは同時に使用できます。各 E1 接続は、G.703 規格に適合したインターフェイスをサポートします。RJ-45 接続には、外部トランシーバは必要ありません。E1 ポートは、120 Ω の STP(シールド付きツイストペア)ケーブルを使用する E1 インターフェイスです。
• AC 電源モジュールと DC 電源モジュールのいずれでも、DB-25 アラーム コネクタの接続にはシールド ケーブルを使用してください。これは、FCC、EN55022、CISPR22 の各規格で定められているクラス A の不要輻射基準を満足するために必要な措置です。電源モジュールの DB-25 アラーム コネクタ およびアラーム LED の詳細は、「Cisco ASR1000-RP アラーム モニタの動作の仕組み」 を参照してください。
警告 8 ポート チャネル化 T1/E1 SPA インターフェイスの FCC/EN55022/CISPR22 クラス A エミッション要件を満たすために、シールド付き T1/E1 ケーブルを使用する必要があります。
Cisco 1000 シリーズ ルータを設置する前に、ほかに必要なすべての外部機器およびケーブルを手元に用意してください。発注については、製品を購入した代理店にお問い合わせください。
ネットワークの規模およびネットワーク インターフェイス接続間の距離は、次の要因にも左右されます。
• 信号タイプ
• 信号速度
• 伝送メディア
次の項に示す距離および速度制限は、シグナリング目的の場合に IEEE が推奨する最大速度および距離です。Cisco 1000 シリーズ ルータを設置する 前 に、この情報を参考にしてネットワーク接続のプランニングを行ってください。
推奨距離を超えた場合、または複数の建物にまたがって配線する場合は、施設付近における落雷の影響を十分に考慮する必要があります。雷またはその他の高エネルギー現象がもたらす電磁パルスは、電子装置を破壊できるだけのエネルギーをシールドなしの導体に容易に結合する可能性があります。過去にこの種の問題を経験した場合は、電気サージ抑制およびシールドの専門家に相談してください。
非同期端末の接続
RP(ルート プロセッサ)は、ローカル コンソール アクセス用の端末またはコンピュータを接続するコンソール ポートを提供します。ルート プロセッサは、リモート ダイヤルイン コンソール アクセス用にモデムを接続する補助ポートも提供します。
どちらのポートも RJ-45 コネクタを使用し、RS-232 非同期データをサポートします。推奨距離は、IEEE-RS-232 規格で指定されています。
干渉に関する考慮事項
ある程度の距離にわたって配線する場合は、干渉として遊離信号が配線に誘導されるリスクがあります。干渉信号が強い場合、データ エラーや機器の損傷を引き起こすことがあります。
次に、干渉の原因および Cisco 1000 シリーズ ルータ システムへの影響を最小限に抑える方法について説明します。
EMI
AC 電流を動力とするすべての機器は、EMI(電磁干渉)を引き起こす可能性のある電気エネルギーを伝達し、他の機器の動作に影響を与えることがあります。EMI の代表的な発生源は、機器の電源コードおよび電力会社からの電力供給ケーブルです。
強力な EMI は、Cisco 1000 シリーズ ルータの信号ドライバおよびレシーバを破壊し、電力線を通じて設置機器に電力サージを発生させることにより、電気事故を引き起こすこともあります。このような問題が起きることはめったにありませんが、いったん起きると深刻な事態になります。
これらの問題を解決するには、専門知識および特殊な機器が必要であり、時間もコストも相当かかる場合があります。しかし、電気環境のアースおよびシールドが適切であることを確認し、電力サージを抑制する必要性に十分配慮することは必要です。
表 3-8表 3-8 表 3-8 に、Cisco ASR 1000 シリーズ Aggregation Services Router の電極磁気に関する準拠規格を示します。
表 3-8 EMC 規格
EMC 規格 |
FCC 47 CFR Part 15 クラス A |
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VCCI クラス A |
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AS/NSZ クラス A |
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ICES-003 クラス A |
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EN55022/CISPR 22 Information Technology Equipment (Emissions) |
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EN55024/CISPR 24 Information Technology Equipment (Immunity) |
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EN300 386 Telecommunications Network Equipment (EMC) |
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EN50082-1/EN61000-6-1 Generic Immunity Standard |
CE マーキング |
UL60950-1 |
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CSA C22.2 No.60950-1-03 |
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EN 60950-1 |
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IEC 60950-1 |
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AS/NZS 60950.1 |
無線周波数干渉
電磁場が長距離に及ぶ場合、RFI(無線周波数干渉)が伝達される可能性があります。建物の配線がしばしばアンテナの役割を果たし、RFI 信号を受信して、配線上で EMI をさらに増やします。
アース導体が適切に分散されたプラント配線でツイストペア ケーブルを使用すると、プラント配線が無線干渉を放射することはまずありません。推奨距離を超える場合は、データ信号ごとにアース導体を 1 つずつ使用し、高品質のツイストペア ケーブルを使用してください。
雷および AC 電源障害の干渉
信号線が推奨ケーブル距離を超える場合、または信号線が複数の建物にまたがる場合は、施設付近への落雷が Cisco 1000 シリーズ ルータに与える影響を検討する必要があります。
雷またはその他の高エネルギー現象がもたらすEMP(電磁パルス)は、電子機器を損傷または破壊できるだけのエネルギーをシールドなしの導体に結合する可能性があります。過去にこの種の問題を経験している場合は、RFI/EMI の専門家に相談し、Cisco 1000 シリーズ ルータの運用環境において、適切な電力サージ抑制および信号ケーブルのシールドを確保する必要があります。
ラックマウントおよび配置に関する注意事項
Cisco 1000 シリーズ ルータは、独立型として、または 2 支柱 19 インチ ラックマウント、4 支柱 19 インチ ラックマウント、および前後に扉のある閉鎖型キャビネット システムで使用できます。Cisco 1000 シリーズ ルータは装置シェルフまたは台上に設置できます。
次に、Cisco 1000 シリーズ ルータを搭載するラックの選択基準、動作の信頼性が得られるラック配置のガイドライン、および Cisco ASR 1000 シリーズ システムのラックマウント時にけがを予防するための、安全上の注意事項について説明します。
ラックマウントに関する注意事項
安全を確保するために、ラックマウントに関する次の注意事項を守ってください。
• 一人で大型ラックを移動させてはなりません。ラックは高さと重量があるので、最低限二人がかりで移動作業を行う必要があります。
• ラックからコンポーネントを引き出す前に、ラックが水平で安定していることを確認してください。
• ラック内のコンポーネントに適切なエアーフローが確保されていることを確認してください。
• ラック内のシステムまたはコンポーネントを保守するときに、他のコンポーネントまたはシステムの上に足をかけたり、乗ったりしてはなりません。
• 空きがあるラックに Cisco 1000 シリーズ ルータを設置する場合は、最も重い装置を一番下に設置して、ラックの下から順番に取り付けます。
• ラックにスタビライザが付いている場合は、スタビライザを取り付けてから、ラックに装置を設置したり、ラック内の装置を保守したりしてください。
ラックの選択に関する注意事項
Cisco 1000 シリーズ ルータは、米国電子工業会(EIA)の装置ラックに関する規格(EIA-310-D 19-inch)に適合する 2 支柱または 4 支柱の 19 インチ装置ラックに搭載できます。ラックは最低 2 支柱で、シャーシをマウントするための取り付けフランジを備えている必要があります。
注意 いずれのタイプであっても、ラック装置にシャーシをマウントするときには、シャーシに取り入れる空気が 55 ℃を超えないようにする必要があります。
2 本の取り付け支柱の取り付け穴の中心線間の距離は、18.31 ± 0.06 インチ(46.50 ± 0.15 cm)にする必要があります。シャーシに付属しているラックマウント金具は、大部分の 19 インチ装置ラックに適しています。
Cisco 1000 シリーズ ルータは、大部分の 19 インチ装置ラックに対応する、必要なラックマウント金具が付属している装置ラックに搭載することを推奨します。
Cisco 1000 シリーズ ルータは、次の特性または機能を備えたラックに設置することを検討してください。
• NEBS に準拠した 19 インチ(48.3 cm)幅のラック。
• 取り付けレールの EIA または ETSI 穴パターン。必要な取り付け金具は、Cisco 1000 シリーズ ルータに付属しています。システムの設置を予定しているラックに、メートル ネジ用のレールがある場合は、独自にメートル取り付け金具を用意する必要があります。
• 過熱防止の換気用に穴が空いた天板と開放型の底面。
• 安定性を確保するための水平調節脚
(注) Cisco 1000 シリーズ ルータを閉鎖型ラックに設置してはなりません。内蔵コンポーネントの動作温度を許容範囲内で維持するために、シャーシの冷気の流れが妨げられないようにする必要があるからです。前後の扉を取り外したとしても、閉鎖型ラックにルータを設置した場合は、空気の流れが妨げられ、シャーシの横に熱がこもり、ルータ内部が過熱状態になる可能性があります。閉鎖型ラックを使用する場合は、ラックのすべての側面にエアー ベントがあり、十分な換気が行われることを確認してください。
装置ラックに関する注意事項
ラックの配置は、人の安全、システムのメンテナンス、およびシステムが 表 3-3 に記載された環境特性の範囲内で動作できるかどうかを左右します。次のガイドラインに従って、Cisco 1000 シリーズ ルータに適した場所を選択してください。
安全な場所の選択
Cisco 1000 シリーズ ルータがラック内で最も重量がある場合、または唯一の装置の場合は、最下部または最下部近くに設置し、ラックの重心をできるだけ低くしてください。
電子機器の適切な配置の詳細については、『GR-63-CORE, Network Equipment Building System (NEBS) Requirements: Physical Protection』を参照してください。
メンテナンスが容易な場所の選択
ラックの前後に 3 フィート以上のスペースを確保してください。このスペースによって、Cisco 1000 シリーズ ルータ コンポーネントを取り外し、日常の保守またはアップグレードを容易に行うことができます。
混み合ったラックには Cisco 1000 シリーズ ルータを設置しないでください。また、同じラック内の他の装置から引き回されたケーブルが、ルータ カードのアクセスにどのように影響するかを検討してください。
十分なエアーフローを確保し、シャーシ内部の過熱を防止するために、シャーシの前面および上部を遮るものがないようにしておく必要があります。
通常のシステム メンテナンスに必要なスペースは、次のとおりです。
• シャーシ上部 - 3 インチ(7.6 cm)以上
• シャーシ前面 - 3 ~ 4 フィート(91.44 ~ 121.92 cm)
設置時および動作時に問題が起きないように、機器の位置および接続を考えるときには、次の一般的な注意事項に従ってください。
• 定期的に show environment all コマンドを使用し、システム内部の状態を確認してください。環境モニタがシャーシ内部の環境をたえず確認し、高温になった場合は警告を出し、そのつどリポートを作成します。警告メッセージが表示された場合は、ただちに問題の原因を突き止めて解消してください。
• Cisco 1000 シリーズ ルータは、床から離し、埃のたまりやすい場所から遠ざけて配置してください。
• 静電気防止手順に従い、機器が損傷しないようにしてください。静電気による損傷は、ただちに機器の故障につながることもあれば、間欠的な障害となって現れることもあります。
十分なエアーフローを確保できる場所の選択
システム動作が環境特性の範囲内で維持されるように、また、システムの熱放散を補える温度の空気が得られるように、Cisco 1000 シリーズ ルータには十分なエアーフローを確保してください。
シャーシの空気取り入れ口に隣接機器の排気が流れ込むような場所には、Cisco 1000 シリーズ ルータを配置しないでください。Cisco 1000 シリーズ ルータ内をどのように空気が流れるかを検討してください。Cisco 1000 シリーズ ルータのエアーフローの方向は前方から後方であり、シャーシ前方側面の取り入れ口から周囲の空気が取り込まれます。
設置環境のチェックリスト
ここで説明した設置環境に関する作業を行ったり確認したりするときには、 表 3-9 を利用してください。
表 3-9 設置環境のチェックリスト
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設置場所が環境条件を満たしている。 |
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設置場所の空調システムで、Cisco ASR 1000 シリーズの熱放散を補うことができる。 |
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Cisco ASR 1000 シリーズ ルータが位置する部分の床がシステムの重量を支えられる。 |
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設置場所の供給電力が要件に適合している。 |
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Cisco ASR 1000 シリーズで使用する電気回路が要件に適合している。 |
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TIA/EIA-232F に従って、コンソール ポートの配線および関係するケーブル接続の制限事項が配慮されている。 |
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Cisco 1000 シリーズ ルータのイーサネット ケーブル接続距離が制限の範囲内である。 |
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Cisco ASR 1000 シリーズ シャーシの設置を予定している装置ラックが、要件に適合している。 |
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ラック位置の選択において、安全性、メンテナンスの容易さ、適切なエアーフローが十分に考慮されている。 |
電気を扱う場合の安全上の注意
すべてのシステム コンポーネントがホットスワップ可能です。システムの動作中に取り外しおよび取り付けを行っても、電気的事故やシステムの故障を引き起こさない設計になっています。
電気機器を取り扱う際には、次の基本的な注意事項に従ってください。
• シャーシ内部の作業を行う前に、室内の緊急電源遮断スイッチがどこにあるかを確認しておきます。
• シャーシの取り付けや取り外しを行う前に、すべての電源コードおよび外部ケーブルを外してください。
• 危険を伴う作業は、一人では行わないでください。
• 回路の電源が切断されていると思い込まず、必ず確認してください。
• 人身事故や装置障害を引き起こす可能性のある作業は行わないでください。故障していると思われる機器は取り付けないでください。
• 床が濡れていないか、アースされていない電源延長コードや保護アースの不備などがないかどうか、作業場所の安全を十分に確認してください。
さらに、電源から切断されていても、電話回線またはネットワーク配線に接続されている装置を扱う場合には、次の注意事項に従ってください。
• 雷が発生しているときには、電話線の接続を行わないでください。
• 防水設計されていない電話ジャックは、湿気の多い場所に取り付けないでください。
• 電話回線がネットワーク インターフェイスから切り離されている場合以外、絶縁されていない電話ケーブルや端子には、触れないでください。
• 電話回線の設置または変更は、十分注意して行ってください。
警告 雷が発生しているときには、システムに手を加えたり、ケーブルの接続や取り外しを行わないでください。ステートメント 1001