トラブルシューティングの概要
初期システム起動時、次の事項を確認します。
• 外部電源ケーブルが接続されており、正しい電源が供給されている。詳細については、「電源に関する考慮事項」、「Cisco ISE 3300 シリーズ アプライアンスの電源投入」、および「電源および冷却システムのトラブルシューティング」を参照してください。
• アプライアンスのファンとブロワーが稼働していることを確認する。「通気に関するガイドライン」および「電源および冷却システムのトラブルシューティング」を参照してください。
• アプライアンスのソフトウェアが正常に起動している。
• アダプタ カード(インストールされている場合)がスロット内に正しく設置されており、それぞれのカードが問題なく初期化(およびアプライアンス ソフトウェアによってイネーブル化)されている。
以上の条件がそれぞれ満たされており、ハードウェアの設置が完了している場合は、基本設定に移ります。Cisco ISE のこのリリースが提供する機能を理解するには、『 Cisco Identity Services Engine User Guide, Release 1.1 』を参照してください。Cisco ISE の機能を正しく設定するには、「Cisco ISE 3300 シリーズ アプライアンスの設定」を参照してください。
問題の原因を特定できない場合は、問題の解決の最善の進め方についてシスコ カスタマー サービス担当者にお問い合わせください。Cisco Technical Assistance Center(TAC)の詳細については、アプライアンスに付属の『Cisco Information Packet』マニュアルを参照するか、次の Web サイトにアクセスしてください。
http://www.cisco.com/tac/
Cisco TAC にお問い合わせいただく前に、次の情報をお手元にご用意ください。
• アプライアンスのシャーシ タイプおよびシリアル番号。
• 保守契約または保証書(『Cisco Information Packet』を参照)。
• ソフトウェアの名前、タイプ、およびバージョンまたはリリース番号(該当する場合)。
• 新規アプライアンスの入手日。
• 発生した問題または状況の簡単な説明、問題の特定または再現のために行った手順、および問題解決のために行った手順の説明。
(注) カスタマー サービス担当者には、必ず Cisco ISE 3300 シリーズ アプライアンスの初期インストール後に行ったアップグレードまたはメンテナンスの情報をすべてお伝えください。サイト ログ情報については、「サイト ログの作成」を参照してください。
問題解決
問題解決のキーは、問題を特定の箇所またはタスクに絞り込むことです。Cisco ISE 3300 シリーズ アプライアンスの動作と実行されるべき動作とを比較します。トラブルシューティングを行う場合は、特定の症状を定義し、症状を引き起こしうる潜在的な問題を認識する必要があります。次に、それぞれの潜在的な問題を体系的に実行し、症状や状況が消えるまでその問題を(最も起こりやすいものから最も起こりにくいものまで)排除することを試みます。
トラブルシューティングを実行する際は、次の手順を実行してこれらのガイドラインに従ってください。
ステップ 1 問題を分析し、明確に問題を記述したものを定義します。症状と潜在的な原因を定義します。
ステップ 2 考えられる原因または潜在的な原因を特定するための事実を収集します。
ステップ 3 収集した事実に基づいて考えられる原因または潜在的な原因を検討します。
ステップ 4 それらの原因に基づいて処置プランを作成します。最も起こりうる問題から始めて、1 つの変数だけをテストする計画を考えます。
ステップ 5 実行計画を実施します。各手順を慎重に実行し、症状が消えたか確かめます。
ステップ 6 結果を分析し、問題が解決したかどうかを確認します。問題が解決していれば、プロセスは完了です。
問題が解決していない場合は、リストで次に可能性の高い原因に基づいて処置プランを作成します。
ステップ 4 に戻り、問題が解決するまでプロセスを繰り返します。処置プランを実施するときは、変更をすべて元に戻してください。
ヒント 一度に変更する変数は、1 つだけです。
(注) アプライアンスの前面および背面パネルにある LED は、アプライアンスのパフォーマンスと動作を確認するためのものです。これら LED の詳細については、「LED の読み取り方」を参照してください。
トラブルシューティングの際は、まず、次に示すアプライアンスのサブシステムを確認してください。
• 電源および冷却システム:外部電源、電源ケーブル、およびアプライアンス ファンを確認してください。さらに、不十分な通気、阻害された換気、過度の埃や汚れ、ファン障害、または電源および冷却システムに影響を与える可能性のある環境条件を確認してください。
• アダプタ カード:アダプタ カードの LED を確認することで、障害を検知できます。
• ケーブル:アプライアンスをネットワークに接続している外部ケーブルがすべてしっかりと順序正しく装着されているかを確認します。
電源および冷却システムのトラブルシューティング
電源 LED およびファンは、電源の問題のトラブルシューティングを行う際に役立ちます。次の項目を確認し、問題を特定します。
• Cisco ISE 3300 シリーズ アプライアンスが電源に接続されているとき、アプライアンスの前面パネルにある電源 LED が点灯しているかを確認します。点灯していない場合、AC 電源コードの接続を確認します。それでも電源 LED が消灯している場合は、電源に障害が発生している可能性があります。
• アプライアンスがオンになっても、すぐにシャットダウンする場合は、
– これが環境的に誘発されたシャットダウンかどうかを確認します。詳細については、「環境レポート機能」の項を参照してください。
– 冷却ファンを確認します。冷却ファンが動作していない場合、アプライアンスは過熱されて自動的にシャットダウンします。
冷却ファンが動作していないのであれば、冷却ファンの電源接続を確認します。
電源接続を確認する際は、アプライアンスをシャットダウンして外部ケーブルを取り除いてから、アプライアンスを開けます。
– アプライアンスの吸気口と排気口に何もないことを確認します。
– 環境に関連する設置場所の要件を満たしているかを確認します(「温度と湿度に関するガイドライン」を参照)。
• アプライアンスの一部は起動しても、LED が点灯しない場合は、アプライアンスの前面パネルにある電源 LED を確認して電源障害の有無を確認します。
– LED が点灯している場合は、電源は機能しています。
– LED が点灯していない場合は、『Cisco Information Packet』で保証情報を確認するか、シスコ カスタマー サービス担当者にお問い合わせください。
環境レポート機能
Cisco ISE 3300 シリーズ アプライアンスは、過度の電流、電圧、および温度の状態をモニタして検出する保護回線を備えています。
電源がシャットダウンまたは停止状態になった場合、AC 電源の再投入は 15 秒間オフの状態になってから、1 秒間オンの状態になって電源をリセットします。次の条件によって、アプライアンスが異常な高温状態になる可能性があります。
• 冷却ファンの障害
• アプライアンスが設置されている室内の空調の障害
• 冷却ベントへの通気の阻害(吸気または排気)
発見した問題を修正するための手順を実行します。環境における動作条件の情報については、「温度と湿度に関するガイドライン」を参照してください。
アダプタ カード、ケーブル、接続のトラブルシューティング
ネットワーク障害は、アダプタ カード、ケーブルまたはケーブル接続、もしくはハブやウォール ジャック、WAN インターフェイス、ターミナルなどの外部デバイスが原因になることがあります。次の症状を確認して、問題を特定します。
• Cisco ISE 3300 シリーズ アプライアンスがアダプタ カードを認識しない。
– アダプタ カードがスロット内に確実に挿入されているかを確認する。
– アダプタ カードの LED を確認する。各アダプタ カードにはそれぞれ固有の LED のセットが当てられています。
– ソフトウェア リリースがアダプタ カードをサポートしているかを確認する。アダプタ カード付属の資料を参照してください。
• アダプタ カードは認識されるが、インターフェイス ポートが初期化されない。
– アダプタ カードがスロット内に確実に挿入されているかを確認する。
– 外部ケーブルの接続を確認する。
– ソフトウェア リリースがアダプタ カードをサポートしているかを確認する。アダプタ カード付属の資料を参照してください。
• Cisco ISE 3300 シリーズ アプライアンスが正常に起動しない、または常時もしくは断続的に再起動する。
– アダプタ カードがスロット内に確実に挿入されているかを確認する。
– アプライアンス シャーシまたはアプリケーション ソフトウェアを確認する。保証情報については、アプライアンスに付属の『Cisco Information Packet』マニュアルを参照するか、シスコ カスタマー サービス担当者にお問い合わせください。
• ターミナルでコンソール ポートを使用しており、Cisco ISE 3300 シリーズ アプライアンスが起動してもコンソール画面がフリーズする。
– 外部コンソールの接続を確認する。
– ターミナルのパラメータが次のとおり設定されていることを確認する。
(a)ターミナルとアプライアンスのデータ レートが同じに設定されている(デフォルトは 9600 bps)
(b)8 データ ビット
(c)パリティ生成またはパリティ チェックを実行していない
(d)1 ストップ ビット
• Cisco ISE 3300 シリーズ アプライアンスでは、アダプタ カードが取り除かれた場合にだけ、電源がオンになり、起動します。アダプタ カードを確認してください。保証情報については、アプライアンスに付属の『Cisco Information Packet』マニュアルを参照するか、カスタマー サービス担当者にお問い合わせください。
• Cisco ISE 3300 シリーズ アプライアンスでは、特定のケーブルが切断された場合にだけ、電源がオンになり、起動します。ケーブルに問題がある可能性があります。保証情報については、アプライアンスに付属の『Cisco Information Packet』マニュアルを参照するか、シスコ カスタマー サービス担当者にお問い合わせください。