Cisco Unified IP Phone がサポートするテレフォニー機能
Cisco Unified IP Phone を Cisco Unified CallManager に追加した後、その電話機に機能を追加することができます。表5-1 は、サポート対象のテレフォニー機能のリストを示しています。これらの機能の多くは、Cisco Unified CallManager の管理ページを使用して設定できます。「参照先」の欄は、設定手順や関連情報が記載されている Cisco Unified CallManager のマニュアルおよびその他のマニュアルを示しています。
電話機でテレフォニー機能を使用する方法については、『 Cisco Unified IP Phone 7960G and 7940G Phone Guide for Cisco Unified CallManager 5.0 (SIP) 』を参照してください。電話機の機能を網羅したリストについては、『 Cisco Unified IP Phone Features A-Z 』を参照してください。
(注) Cisco Unified CallManager の管理ページでは、各種テレフォニー機能の設定に使用できるいくつかのサービス パラメータも用意しています。サービス パラメータの詳細、およびサービス パラメータによって制御される機能の詳細については、『Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
表5-1 Cisco Unified IP Phone のテレフォニー機能
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匿名コール ブロック |
ユーザが匿名の発信者からのコールを拒否できるようにします。 |
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「SIP プロファイルの設定」の章を参照してください。 |
自動応答(インターコム) |
着信コールがあったときに自動的に接続します。スピーカフォンおよびヘッドセットで機能します。 |
この機能は設定する必要はありません。 |
番号の自動入力 |
番号を途中までダイヤルすると、残りの部分が自動的に補完されます。 |
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「SIP プロファイルの設定」の章を参照してください。 |
コール保留時の呼び出し音 |
コールを終了したが、別に保留中のコールがある場合、コールが保留中であることを知らせるために電話機の呼び出し音が鳴ります。 |
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「SIP プロファイルの設定」の章を参照してください。 |
すべてのコールの転送 |
電話機に送信されたすべてのコールを、指定の番号に転送します。 |
この機能は設定する必要はありません。 |
コール待機 |
ユーザのコール中に別のコールが着信したことを知らせます(ユーザはそのコールに応答できます)。 さらに、着信コールの情報が電話スクリーンに表示されます。 |
詳細については、次のマニュアルを参照してください。 • 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone の設定」の章 • 『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone サービス」の章 |
発信者 ID ブロック |
発信者 ID が有効になっている電話機から、ユーザが自分の電話番号または電子メール アドレスをブロックできるようにします。 |
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「SIP プロファイルの設定」の章を参照してください。 |
会議 |
ユーザが各参加者を個別に呼び出すことによって、最大 2 人の他の参加者と対話できるようにします(つまり、合計 3 人の参加者が対話できます)。 |
この機能は設定する必要はありません。 |
サイレント(DND) |
ユーザが電話機の着信コールをビジー音でブロックできるようにします。有効な値は次のとおりです。 • ユーザ コントロール(デフォルト):ユーザは電話機で DND のオン/オフを切り替えることができます。 • 管理者コントロール:ユーザは電話機で DND のオン/オフを切り替えることができません。 |
設定については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「SIP プロファイルの設定」の章を参照してください。 |
Private Line Automated Ringdown(PLAR) |
Cisco Unified CallManager の管理者は、受話器が外されるとすぐに Cisco Unified IP Phone によってダイヤルされる電話番号を設定できます。この機能は、緊急番号または「ホットライン」番号を呼び出すための電話機に役立ちます。 |
詳細については、『Cisco Unified CallManager システム ガイド』の「ダイヤル規則の概要」の章を参照してください。 |
リダイヤル |
ボタンを押すと前回ダイヤルした番号にリダイヤルします。 |
この機能は設定する必要はありません。 |
サービス |
Cisco Unified CallManager の管理ページで、システム管理者が[IP Phoneサービスの設定(IP Phone Services Configuration)]メニューを使用して、ユーザが登録できる電話サービスのリストを定義および管理できるようにします。
(注) この電話機は、エクステンション モビリティ、ファースト ダイヤル、個人アドレス帳、Web Dialer のいずれのサービスもサポートしていません。
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詳細については、次のマニュアルを参照してください。 • 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone の設定」の章 • 『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone サービス」の章 |
サービス URL ボタン |
電話機のサービス メニューを使わなくてもプログラマブル ボタンからサービスにアクセスできるようにします。 |
詳細については、次のマニュアルを参照してください。 • 『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone の設定」の章 • 『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone サービス」の章 |
シェアドライン |
ユーザが、同じ電話番号を共有する複数の電話機を使用したり、1 つの電話番号を同僚と共用したりすることができるようにします。 |
詳細については、『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone」の章を参照してください。 |
短縮ダイヤル回線 |
ユーザが、電話機の各プログラマブル ボタンの隣に表示されるラベルを入力できるようにします。また、ユーザが、対応するプログラマブル ボタンを押すと電話機によってダイヤルされる番号を指定できるようにします。 |
詳細については、『 Cisco Unified IP Phone 7960G and 7940G Phone Guide for Cisco Unified CallManager 5.0 (SIP) 』を参照してください。 |
スタッタ メッセージ待機 |
電話機がオフフックになったときにメッセージが待機していた場合、スタッタ トーンが再生されるかどうかを示します。 |
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「SIP プロファイルの設定」の章を参照してください。 |
転送 |
自分の電話機から接続コールを別の電話番号にリダイレクトできます。 |
この機能は設定する必要はありません。 |
社内ディレクトリの設定
Cisco Unified IP Phone 7960G/7940G では、ユーザが ディレクトリ ボタンを使用して社内ディレクトリにアクセスし、社内従業員の電話番号を検索できます。この機能を使用するには、システム管理者が社内ディレクトリを設定する必要があります。
Cisco Unified CallManager では、LDAP(Lightweight Directory Access Protocol)ディレクトリを使用して、Cisco Unified CallManager とインターフェイスする Cisco Unified CallManager アプリケーションのユーザに関する認証と許可の情報が保存されます。認証によって、システムにアクセスするためのユーザ権限が確立されます。一方、許可は、ユーザが使用許可を持つテレフォニー リソース(特定の内線番号など)を指定するものです。
これらの機能のインストールと設定方法については、『 Installing and Configuring the Cisco Unified Customer Directory Configuration Plugin 』を参照してください。このマニュアルでは、Cisco Unified CallManager を Microsoft Active Directory および Netscape Directory Server に統合する設定手順について説明しています。
LDAP ディレクトリの設定が完了すると、Cisco Unified IP Phone 7960G/7940G の社内ディレクトリ サービスを使用して、社内ディレクトリからユーザを検索できます。
個人ディレクトリ
Cisco Unified IP Phones 7960G および 7940G は、SIP バージョンの個人ディレクトリをサポートしています。ユーザは、電話機で、発信履歴、不在履歴、または着信履歴にあるコールを個人ディレクトリに追加できます。詳細については、『 Cisco Unified IP Phone 7960G and 7940G Phone Guide for Cisco Unified CallManager 5.0 (SIP) 』を参照してください。
(注) Cisco Unified IP Phone 7960G/7940G(SIP)は、ファースト ダイヤルおよび個人アドレス帳を含む Cisco Unified CallManager 個人ディレクトリ機能をサポートしていません。
電話ボタン テンプレートの変更
Cisco Unified IP Phone 7960G および 7940G では、ほぼ同じ機能がサポートされていますが、その機能の実装方法は、それぞれの電話機で変えることができます。機能を電話機のボタンに割り当てたり、電話機のモデルに合せてカスタマイズしたりするには、電話ボタン テンプレートを変更します。
テンプレートを変更してから電話機をネットワークに登録するのが、適切な方法です。この方法によって、登録時に Cisco Unified CallManager の管理ページから、カスタマイズ済みの電話ボタン テンプレート オプションにアクセスできます。
電話ボタン テンプレートを変更するには、Cisco Unified CallManager の管理ページで、 [デバイス]>[デバイスの設定]>[電話ボタンテンプレート] の順に選択します。電話ボタン テンプレートを電話機に割り当てるには、Cisco Unified CallManager の管理ページの[電話の設定(Phone Configuration)]ページの[電話ボタンテンプレート(Phone Button Template)]フィールドを使用します。詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』および『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』を参照してください。
カスタマイズ可能なボタンと機能の数は、Cisco Unified IP Phone のモデルによって異なります。 表5-2 で設定オプションを確認してください。
表5-2 標準の電話ボタン テンプレートのモデル別リスト
Cisco Unified IP Phone のモデル
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Cisco Unified IP Phone 7960G |
Cisco Unified IP Phone 7960G の標準テンプレートでは、回線用にボタン 1 と 2 を使用し、短縮ダイヤル用またはサービス利用のためにボタン 3 ~ 6 を割り当てています。 |
Cisco Unified IP Phone 7940G |
Cisco Unified IP Phone 7940G には、事前に設定済みの電話ボタン テンプレートが付属しています。 • 7940(2-Line):回線用にボタン 1 および 2 を使用します。 • 7940(1-Line):回線 1 用にボタン 1、短縮ダイヤル用にボタン 2 を使用します。 |
サービスの設定
Cisco Unified IP Phone 7960G および 7940G では、 サービス ボタンを使用することによって、ユーザは各種の Cisco Unified IP Phone サービスにアクセスできます。これらのサービスは、XML アプリケーションで構成されているので、電話機でテキストとグラフィックスを使用した対話型のコンテンツの表示が可能です。たとえば、株価情報や天気予報のようなサービスがあります。システム管理者は、自分のサイト用にカスタマイズしたアプリケーションを作成できます。
ユーザがサービスにアクセスできるようにするには、次の作業を行っておく必要があります。
• システム管理者は、Cisco Unified CallManager の管理ページを使用して、利用可能なサービスを設定します。
• ユーザは、Cisco Unified CallManager のユーザ オプション アプリケーションを使用して、ほとんどのサービスに登録します。この Web ベースのアプリケーションが提供する GUI(グラフィカル ユーザ インターフェイス)を使用すると、エンド ユーザは IP Phone のアプリケーションの設定を一部行うことができます。
サービスを設定する前に、設定するサイトの URL アドレスをすべて入手し、ユーザが社内 IP テレフォニー ネットワークからこれらのサイトにアクセスできるかどうかを確認してください。
これらのサービスを設定するには、Cisco Unified CallManager の管理ページで、 [デバイス]>[デバイスの設定]>[IP Phone サービス] の順に選択します。詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』および『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』を参照してください。
これらのサービスを設定した後、ユーザが Cisco Unified CallManager IP Phone Options の Web ベースのアプリケーションにアクセスできるかどうかを確認してください。このアプリケーションでは、ユーザは設定済みのサービスを選択し、登録することができます。システム管理者がエンド ユーザに提供する必要のある情報については、「サービスへの登録方法と電話機能の設定方法」を参照してください。
Cisco Unified CallManager へのユーザの追加
Cisco Unified CallManager にユーザを追加すると、ユーザに関する情報を表示および管理することができます。また、各ユーザは次のタスクを実行できるようになります。
• Cisco Unified IP Phone から、社内ディレクトリやその他のカスタマイズされたディレクトリにアクセスする。
• Cisco Unified IP Phone からアクセスできるサービスに登録する。
次のいずれかの方法を使用して、Cisco Unified CallManager にユーザを追加できます。
• ユーザを個別に追加するには、Cisco Unified CallManager の管理ページを使用し、 [ユーザ管理]>[新規ユーザの追加] の順に選択します。
ユーザの追加の詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。ユーザ情報の詳細については、『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』を参照してください。
• ユーザを一括して追加するには、Bulk Administration Tool を使用します。この方法では、すべてのユーザに対して同じデフォルト パスワードを設定することもできます。
詳細については、『 Cisco Unified CallManager Bulk Administration ガイド 』を参照してください。
ユーザ オプション Web ページを使用した管理
ユーザは、ユーザ オプション Web ページから、電話機のいくつかの機能や設定(Incoming Call Forwarding、Line Text Label、IP Phone Services など)をカスタマイズしたり制御したりできます。ユーザ オプション Web ページの詳細については、『 Cisco Unified IP Phone 7940G/7960G 電話ガイド 』を参照してください。
ユーザ オプション Web ページへのユーザによるアクセスの許可
ユーザがユーザ オプション Web ページにアクセスするためには、Cisco Unified CallManager の管理ページを使用して、そのユーザをエンド ユーザとして事前に設定しておく必要があります。また、該当する電話機をこのユーザに関連付ける必要があります。これを行うには、Cisco Unified CallManager の管理ページから、 [ユーザ管理]>[エンドユーザ] の順に選択します。
詳細については、『 Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「エンド ユーザの設定」の項を参照してください。
ユーザ オプション Web ページに表示されるオプションの指定
デフォルトでは、ユーザ オプション Web ページの大部分のオプションが表示されます。
(注) Show Line Text Label Settings は、デフォルトでは表示されません。この機能を True に設定して有効にする必要があります。
Cisco Unified CallManager の管理ページで設定したエンタープライズ パラメータを使用すると、ユーザ オプション Web ページに表示されるオプションを制御することができます。
(注) ここで行った設定は、ご使用のサイトのすべてのユーザ オプション Web ページに適用されます。
ユーザ オプション Web ページに表示されるオプションを指定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco Unified CallManager の管理ページで、 [システム]>[エンタープライズパラメータ] の順に選択します。
[エンタープライズパラメータ設定(Enterprise Parameters Configuration)]ページが表示されます。
ステップ 2 CCMUser Parameters エリアで、各パラメータ値のドロップダウン リストから次の値のどちらかを選択して、そのパラメータをユーザ オプション Web ページに表示するかどうかを指定します。
True :ユーザ オプション Web ページにオプションが表示されます(デフォルト)。
False :ユーザ オプション Web ページにオプションが表示されません。