ネットワーク インターフェイスの設定
初期設定中、初期のインターフェイスを選択し、DHCP 用に設定したり、固定 IP アドレスを指定しました。 この項では、冗長性、負荷分散、および性能最適化用のオプションを使用して、追加のインターフェイスを設定する方法について説明します。
ここで説明する内容は、次のとおりです。
• 「スタンバイ インターフェイスの設定」
• 「インターフェイスの優先順位の設定」
• 「1 つのインターフェイスへの複数の IP アドレスの設定」
• 「ギガビット イーサネット インターフェイス設定の変更」
• 「ポート チャネル設定の構成」
• 「DHCP 用のインターフェイスの設定」
WAAS CLI でなく、WAAS Central Manager GUI を使用して、ネットワーク設定を構成することをお勧めします。ただし、CLI を使用したい場合は、『 Cisco Wide Area Application Services コマンド リファレンス 』で次のコマンドを参照してください。 interface 、 ip address 、 port-channel 、および primary-interface 。
スタンバイ インターフェイスの設定
この手順では、「スタンバイ インターフェイス」と呼ばれる論理インターフェイスを設定します。 この論理インターフェイス用のパラメータを設定した後で、物理インターフェイスをスタンバイ インターフェイスに関連付けて、スタンバイ グループを作成する必要があります (スタンバイ グループは、物理インターフェイスから構成されます)。 WAAS Central Manager GUI で、スタンバイ グループの優先順位を物理インターフェイスに割り当てて、スタンバイ グループを作成します (「インターフェイスの優先順位の設定」 を参照してください)。
スタンバイ インターフェイスは、アクティブなインターフェイスが故障するまで、非アクティブな状態に留まります。 アクティブ ネットワーク インターフェイスに障害(ケーブル問題、レイヤ2 スイッチの障害、多数のエラー カウント、またはその他の障害が原因で)が発生し、そのインターフェイスがスタンバイ グループに属している場合は、スタンバイ インターフェイスがアクティブになり、障害の生じたインターフェイスの負荷を担うことができます。 スタンバイ インターフェイスを設定すると、ある時点でただ 1 つのインタフェースだけがアクティブになります。
スタンバイ インターフェイスを設定するには、各物理インターフェイスをスタンバイ グループに割り当てる必要があります。 次のルールにしたがい、スタンバイ グループの関係が定義されています。
• スタンバイ グループは、物理インターフェイスから構成されます。
• WAAS デバイス上のスタンバイ グループの最大数は 4 です。
• 各スタンバイ グループには、グループのすべてのメンバーが共有する固有のスタンバイ IP アドレスが割り当てられます。
• スタンバイ グループに属するインターフェイスの二重性と速度を設定すると、信頼性が向上します。
• スタンバイ グループに属する物理インターフェイスで、IP ACL を設定できます。
• スタンバイ グループに属する各インタフェースに、優先順位が割り当てられます。 スタンバイ グループで最も高い優先順位を持つ動作状態のインターフェイスが、アクティブなインターフェイスです。 アクティブなインターフェイスだけが、グループ IP アドレスを使用します。
• アクティブなインターフェイスが故障すると、スタンバイ グループの中で次の優先順位を持つ動作状態のインターフェイスがアクティブになります。
• スタンバイ グループのすべてのメンバーで障害が生じ、その後、回復した場合、WAFS ソフトウェアは、動作状態のインターフェイスでスタンバイ グループを起動します。
• スタンバイ グループ内のインターフェイスの優先順位は、実行時に変更できます。 変更の後で最も高い優先順位を持つインターフェイスが、新しいアクティブ インターフェイスになります (デフォルトの動作では、優先順位が高いインターフェイスが存在する場合、現在アクティブなインターフェイスが優先的に使用されます)。
• errors オプション(デフォルトは無効)は、アクティブ インターフェイスがシャットダウンされ、スタンバイ インターフェイスが起動される前にアクティブなインターフェイスで許可されるエラーの最大数を定義します。
スタンバイ インターフェイスを設定するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices]、[Devices] を選択します。 [Devices] ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 スタンバイ インターフェイスを設定したいデバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。 [Device Home] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 [Show Advanced] をクリックして、[Contents] ペインにすべてのメニュー項目を表示します。
ステップ 4 [Contents] ペインで、 [General Settings]、[Network]、[Network Interfaces] を選択します。 デバイス用の [Network Interfaces] ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 タスクバーで、 [Create New Interface] アイコンをクリックします。 [Creating New Network Interface] ウィンドウが表示されます。
ステップ 6 [Port Type] ドロップダウン リストから、 [Standby] を選択します。 ウィンドウが更新され、スタンバイ グループ設定を構成するためのフィールドが表示されます。
ステップ 7 [Standby Group Number] ドロップダウン リストから、インターフェイス用のグループ番号(1 ~ 4)を選択します。
ステップ 8 [Address] フィールドで、スタンバイ グループの IP アドレスを指定します。
ステップ 9 [Netmask] フィールドで、スタンバイ グループのネットマスクを指定します。
ステップ 10 [Number of Errors] フィールドで、このインターフェイスに許可するエラーの最大数を入力します。 範囲は、0 ~ 4294967295 です。
ステップ 11 [Shutdown] チェック ボックスを選択して、ハードウェア インタフェースを停止します。 デフォルトで、このオプションは無効になっています。
ステップ 12 [Gateway] フィールドで、デフォルト ゲートウェイ IP アドレスを入力します。 インターフェイスが DHCP 用に設定されている場合、このフィールドは読取り専用です。
ステップ 13 [Submit] をクリックします。
ステップ 14 「インターフェイスの優先順位の設定」の説明に従って、インターフェイスの優先順位を設定します。
インターフェイスの優先順位の設定
WAAS Central Manager GUI を使用して論理スタンバイ インターフェイスを設定した後で、スタンバイ グループに関連付けたい各物理インターフェイスに優先順位を設定して、スタンバイ グループを設定します。 インターフェイス優先順位の設定は、特定のスタンバイ グループ内のアクティブ インターフェイスと、アクティブ インターフェイスが故障した場合にスタンバイ グループ内の他のインタフェースアクティブになる順序を定義します。 スタンバイ グループで最も高い優先順位を持つ動作状態のインターフェイスが、アクティブなインターフェイスです。 アクティブなインターフェイスだけが、スタンバイ グループ IP アドレスを使用します。 WAAS Central Manager GUI で優先順位設定を入力する前に、スタンバイ インターフェイスを設定する必要があります (「スタンバイ インターフェイスの設定」 を参照してください)。
インターフェイスの優先順位を設定し、特定のスタンバイ グループに関連付けるには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices]、[Devices] を選択します。 [Devices] ウィンドウが表示されます
ステップ 2 スタンバイ インターフェイスを設定したいデバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。 [Device Home] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 [Show Advanced] をクリックして、[Contents] ペインにすべてのメニュー項目を表示します。
ステップ 4 [Contents] ペインで、 [General Settings]、[Network]、[Network Interfaces] を選択します。 デバイス用の [Network Interfaces] ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 スタンバイ優先順位を割り当てたい物理インターフェイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。 [Modifying Network Interface] ウィンドウが表示されます (図5-1 を参照してください)。
(注) この手順で、論理インターフェイス(standby または portchannel)を選択しないでください。 論理インターフェイスには、スタンバイ優先順位を割り当てることができません。
図5-1 [Modifying Network Interface] ウィンドウ--スタンバイ グループ優先順位設定
ステップ 6 このインターフェイスのグループと優先順位番号を指定するには、次の手順に従ってください。
a. [Join Standby Group] チェック ボックスが表示されるまで、ウィンドウを下方向に移動します。
b. このインターフェイスを参加させたい [Join Standby Group] チェック ボックスを選択します。
c. 優先順位番号(0 ~ 4294967295)を入力して、スタンバイ グループ内のインターフェイスの優先順位を設定します。
[Standby Group Priority] フィールドは、スタンバイ グループがすでに設定されている場合のみ使用できます (「スタンバイ インターフェイスの設定」 を参照してください)。 WAAS デバイスごとに最大 4 つのスタンバイ グループを設定できます。
(注) インターフェイスが複数のスタンバイ グループに属する場合、負荷分散を改善するために、スタンバイ グループごとに異なる優先順位を持つインターフェイスを設定できます。 たとえば、インターフェイス GE0/0 と GE0/1 の両方が、スタンバイ グループ 1 とスタンバイ グループ 2 に属すると仮定します。 スタンバイ グループ 1 で GE 0/0 に最も高い優先順位を設定し、スタンバイ グループ 2 で GE 0/1 に最も高い優先順位を設定すると、スタンバイ グループ 1 はアクティブ インターフェイスとして GE 0/0 を使用し、スタンバイ グループ 2 はアクティブ インターフェイスとして GE0/1 を使用します。 この設定により、各インターフェイスが、他のインターフェイスが故障した場合のバックアップになります。
ステップ 7 [Submit] をクリックします。 インターフェイスは、指定したスタンバイ グループに参加します。
1 つのインターフェイスへの複数の IP アドレスの設定
1 つのインターフェイスに、最大 4 つのセカンダリ IP アドレスを設定できます。 この設定により、デバイスが複数のサブネットに存在でき、データをルータでリダイレクションせずに、WAAS デバイスから、情報を要求するクライアントへ直接転送できるので、デバイスを使用して応答時間を最適化できます。 また、WAAS デバイスとクライアントは同じサブネット上に設定されるため、クライアントから WAAS デバイスを認識できます。
1 つのインターフェイスに複数の IP アドレスを設定するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices]、[Devices] を選択します。 [Devices] ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 インターフェイスを設定したいデバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。 [Device Home] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 [Show Advanced] をクリックして、[Contents] ペインにすべてのメニュー項目を表示します。
ステップ 4 [Contents] ペインで、 [General Settings]、[Network]、[Network Interfaces] を選択します。 [Network Interfaces] リスト ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 変更したい GigabitEthernet 物理インターフェイス用の [Edit] アイコンをクリックします。 [Modifying Network Interface] ウィンドウが表示されます。
(注) この手順で、論理インターフェイス(standby または portchannel)を選択しないでください。 論理インターフェイスには、複数のインターフェイスを設定できません。
ステップ 6 [Secondary Address] および [Secondary Netmask] フィールド 1 ~ 4 で、インターフェイス用の最大 4 つの IP アドレスとセカンダリ ネットマスクを入力します。
ステップ 7 [Submit] をクリックします。
ギガビット イーサネット インターフェイス設定の変更
既存のギガビット イーサネット インターフェイスの設定を変更するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices]、[Devices] を選択します。
WAAS ネットワークに設定されているすべてのデバイス タイプを表示する [Devices] ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 インターフェイス設定を変更したいデバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
[Device Home] ウィンドウが表示され、左側に [Contents] ペインが表示されます。
ステップ 3 [Show Advanced] をクリックして、[Contents] ペインにすべてのメニュー項目を表示します。
ステップ 4 [Contents] ペインで、 [General Settings]、[Network]、[Network Interfaces] を選択します。
[Network Interfaces] ウィンドウが表示され、特定のスロットとポートに設定されているネットワーク インターフェイスが表示されます。
(注) NME-WAE デバイスでは、ルータへの内部インターフェイスはスロット 1、ポート 0 に指定され、外部インターフェイスはスロット 2、ポート 0 に指定されます。 NME-WAE の詳細な設定については、『Configuring Cisco WAAS Network Modules for Cisco Access Routers』を参照してください。
ステップ 5 変更したいギガビット イーサネット インターフェイスの横にある [Edit Network Interface] アイコンをクリックします。
[Modifying Network Interface] ウィンドウが表示され、特定のスロットとポート上のインターフェイス設定が表示されます。
(注) ウィンドウの一部のフィールドは、使用できません。 スロット、ポート、およびポートの種類用のインターフェイス設定は、最初の起動時または WAAS CLI を使用して物理インターフェイス用に設定されます。 ポート チャネル インターフェイス用のポート チャネル番号は、WAAS Central Manager GUI でこのようなインターフェイスを作成するときに設定できます。ただし、このフィールドは、物理インターフェイスを変更するときには使用できません (「ポート チャネル設定の構成」 を参照してください)。
(注) NME-WAE デバイスで内部インターフェイス(GigabitEthernet 1/0)を設定するときは、次のフィールドまたはチェック ボックスを変更できません。AutoSense、Speed、Mode、Address、Netmask、および Use DHCP。 これらの値を変更して [Submit] をクリックすると、Central Manager はエラーを表示します。 内部インターフェイスのこれらの設定は、ホスト ルータ CLI を使用しないと設定できません。 詳細については、『Configuring Cisco WAAS Network Modules for Cisco Access Routers』を参照してください。
ステップ 6 インターフェイスで Cisco Discovery Protocol (CDP)を有効にするには、 [Use CDP] チェック ボックスを選択します。
有効にすると、CDP は、隣接するデバイスのプロトコル アドレスを取得し、それらのデバイスのプラットフォームを検出します。 また、ルータが使用するインターフェイスに関する情報を表示します。
[CDP Settings] ウィンドウから CDP を設定すると、CDP がすべてのインターフェイスでグローバルに有効になります。 CDP 設定を構成する方法については、「CDP 設定の構成」 を参照してください。
ステップ 7 [Shutdown] チェック ボックスを選択して、ハードウェア インタフェースを停止します。
ステップ 8 速度とモードを自動交渉するようにインターフェイスを設定するには、[AutoSense] チェック ボックスを選択します。
このチェック ボックスを選択すると、手動の [Speed and Mode] ドロップダウン リスト設定が無効になります。
(注) 自動感知が有効の場合、手動設定が変更されます。 自動感知を開始するには、WAAS デバイスをリブートする必要があります。
ステップ 9 インターフェイスの伝送速度設定とモード設定を手動で構成するには、次の手順に従ってください。
a. [AutoSense] チェック ボックスの選択を解除します。
b. [Speed] ドロップダウン リストから、伝送速度( 10 、 100 、または 1000 Mbps)を選択します。
c. [Mode] ドロップダウン リストから、送信モード([full-duplex] または[half-duplex])を選択します。
全二重送信では、インターフェイスまたはケーブルを通じて、データを同時に両方の方向に伝送できます。 半二重設定では、ある時点でデータが片方の方向だけに伝送されることが保証されます。 全二重の方が高速ですが、インターフェイスがこのモードで効果的に動作できない場合があります。 過度の衝突やネットワーク エラーが発生する場合は、インターフェイスを全二重でなく、半二重に設定してください。
ステップ 10 [MTU] フィールドに値(バイト数)を指定して、インターフェイス最大伝送ユニット(MTU)サイズを設定します。
範囲は、88 ~ 1500 バイトです。 MTU は、特定のデータ リンク接続を使用して転送できる IP データグラムの最大サイズです。
ステップ 11 [Address] フィールドに新しい IP アドレスを入力して、インターフェイス IP アドレスを変更します。
ステップ 12 [Netmask] フィールドに新しいネットマスクを入力して、インターフェイス ネットマスクを変更します。
ステップ 13 [Submit] をクリックします。
ポート チャネル設定の構成
WAFS ソフトウェアでは、最大 4 個の同じ速度のネットワーク インターフェイスを 1 つの仮想インターフェイスにグループ化することができます。 このグループ化機能によって、2 つのギガビット イーサネット インターフェイスから構成される 1 つの仮想インターフェイスを設定または削除することができます。 また、この機能は、シスコ製のルータ、スイッチ、およびその他のネットワーキング デバイスやホストと相互運用可能で、各インターフェイスの現在のリンク ステータスに基づいて、EtherChannel、負荷分散、障害の自動検出と回復をサポートします。 EtherChannel は、「ポート チャネル」とも呼びます。
ポート チャネル設定を構成するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices]、[Devices] を選択します。 [Devices] ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 インターフェイスを設定したいデバイス グループの横にある [Edit] アイコンをクリックします。 [Device Home] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 [Show Advanced] をクリックして、[Contents] ペインにすべてのメニュー項目を表示します。
ステップ 4 [Contents] ペインで、 [General Settings]、[Network]、[Network Interfaces] を選択します。 [Network Interfaces] ウィンドウが表示され、選択したデバイス用のすべてのインターフェイスが表示されます。
ステップ 5 タスクバーで、 [Create New Interface] アイコンをクリックします。 [Creating New Network Interface] ウィンドウが表示されます。
ステップ 6 [Port Type] ドロップダウン リストから、 [Port Channel] を選択します。
ウィンドウが更新され、ネットワーク インターフェイス設定を構成するためのフィールドが表示されます。
ステップ 7 [Port Channel Number] フィールドに、ポート チャネル インターフェイス番号 1 または 2 を入力します。
ステップ 8 [Shutdown] チェック ボックスを選択して、このインターフェイスを停止します。 デフォルトで、このオプションは無効になっています。
ステップ 9 [Gateway] フィールドで、デフォルト ゲートウェイ IP アドレスを入力します。
ステップ 10 [Address] フィールドで、インターフェイスの IP アドレスを指定します。
ステップ 11 [Netmask] フィールドで、インターフェイスのネットマスクを指定します。
ステップ 12 (オプション) [Inbound ACL] ドロップダウン リストから、着信パケットに適用する IP ACL を選択します。
ドロップダウン リストには、システムに設定されているすべての IP ACL が入っています。
ステップ 13 (オプション) [Outbound ACL] ドロップダウン リストから、発信パケットに適用する IP ACL を選択します。
ステップ 14 [Submit] をクリックします。
DHCP 用のインターフェイスの設定
(注) 手動で DHCP 用にインターフェイスを設定する前に、自動登録を無効にする必要があります。
WAAS デバイスは、ネットワーク情報を要求するときに、設定されているクライアント ID とホスト名を DHCP サーバへ送信します。 WAAS デバイスが送信しているクライアント ID 情報とホスト名情報を識別し、WAAS デバイスに割り当てられている特定のネットワーク設定を返信するように、DHCP サーバを設定できます。
DHCP 用のインターフェイスを有効にするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices]、[Devices] を選択します。 [Devices] ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 インターフェイスを設定したいデバイスの名前の横にある [Edit] アイコンをクリックします。 [Device Home] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 [Show Advanced] をクリックして、[Contents] ペインにすべてのメニュー項目を表示します。
ステップ 4 [Contents] ペインで、 [General Settings]、[Network]、[Network Interfaces] を選択します。 [Network Interfaces] リスト ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 変更したい GigabitEthernet 物理インターフェイス用の [Edit] アイコンをクリックします。 [Modifying Network Interface] ウィンドウが表示されます。
(注) 論理インターフェイスには DHCP を設定できないため、この手順では論理インターフェイス(スタンバイまたはポートチャネル)を選択しないでください。 また、内部インターフェイスはホスト ルータ CLI を使用しないと設定できないため、NME-WAE デバイスでは内部インターフェイス(GigabitEthernet1/0)を選択しないでください。詳細については、『Configuring Cisco WAAS Network Modules for Cisco Access Routers』を参照してください。
ステップ 6 ウィンドウを下方向へ移動し、 [Use DHCP] チェック ボックスを選択します。
このチェック ボックスを選択すると、セカンダリ IP アドレスとネットマスクのフィールドが無効になります。
ステップ 7 [Hostname] フィールドで、WAAS デバイスまたは他のデバイスのホスト名を指定します。
ステップ 8 [Client Id] フィールドで、デバイス用に設定されているクライアント ID を指定します。
DHCP サーバは、WAAS デバイスがデバイス用のネットワーク情報を要求するとき、この ID を使用します。
ステップ 9 [Submit] をクリックします。
TCP 設定の構成
クライアントとサーバ間のデータ トランザクションや照会では、ウィンドウとバッファのサイズが重要であるため、 TCP スタック パラメータを調整してキャッシュ性能を最大化します。 TCP メモリ制限を設定すると、TCP サブシステムの送信バッファと受信バッファが使用できるメモリの量を制御できます。
TCP パラメータは複雑であるため、これらのパラメータを調整するときは注意してください。 ほとんどすべての環境で、デフォルトの TCP 設定は適切です。 TCP 設定の調整は、適切な経験を持ち、TCP の動作を完全に理解しているネットワーク管理者が行ってください。
注意 行う変更について完全に理解していない場合は、デフォルトの TCP メモリ制限の値を変更しないでください。 デフォルトの値はデバイスに依存し、厳格なテストの後で選択されています。 通常の条件では変更すべきではありません。 これらの値を増やすと、TCP サブシステムが使用するメモリが増え、システムが応答しなくなる場合があります。 これらの値を減らすと、応答時間が長くなり、性能が低下する場合があります。
TCP 設定を構成するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices]、[Devices] または [Devices]、[Device Groups] を選択します。
ステップ 2 TCP 設定を構成する WAAS デバイスまたはデバイス グループの横にある [Edit] アイコンをクリックします。 [Device Home] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 [Show Advanced] をクリックして、[Contents] ペインにすべてのメニュー項目を表示します。
ステップ 4 [Contents] ペインで、 [General Settings]、[Network]、[TCP] を選択します。 [TCP Settings] ウィンドウが表示されます (図5-2 を参照してください)。
図5-2 [TCP Settings] ウィンドウ
ステップ 5 TCP 設定に必要な変更を行います。
このウィンドウの各 TCP フィールドの説明については、 表5-1 を参照してください。
ステップ 6 [Submit] をクリックします。
デフォルトまたはデバイス グループ設定を適用した後でまだ保存されていない変更があると、[Current Settings] 行の横に、"Click Submit to Save" メッセージが赤い色で表示されます。 また、 [Reset] をクリックすると、以前の設定に戻すことができます。 [Reset] ボタンは、デフォルトまたはグループ設定を適用して現在のデバイス設定を変更し、まだ変更を送信していない場合だけ表示されます。
表5-1 TCP 設定
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一般的な TCP 設定 |
Enable Explicit Congestion Notification |
データ送信の待ち時間とパケット損失を軽減します。 RFC 2581 用の TCP サポートを提供します。 デフォルトで、このオプションは無効になっています。 詳細については、「ECN (明示的輻輳通知)について」 を参照してください。 |
Initial Send Congestion Window Size |
初期の輻輳ウィンドウ サイズの値(セグメント数)。 範囲は、1 ~ 10 セグメントです。 デフォルトは、2 セグメントです。 詳細については、「輻輳ウィンドウについて」 を参照してください。 |
ReTransmit Time Multiplier |
TCP アルゴリズムが決定する基数を 1 ~ 3 倍して、再送信タイマの長さを変更するために使用する係数。 デフォルトは 1 です。再送信タイマの長さは変更されません。 範囲は、1 ~ 3 です。 詳細については、「再送信時間倍率について」 を参照してください。
(注) この係数の変更には、注意が必要です。 信頼性の高い低速の接続で TCP を使用するときはスループットが向上しますが、信頼性の低いパケット配信環境では変更しないでください。
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Initial Slow Start Threshold |
低速起動用のしきい値(セグメント数)。 範囲は、2 ~ 10 セグメントです。 デフォルトは、2 セグメントです。 詳細については、「TCP 低速起動について」 を参照してください。 |
Keepalive Probe Count |
接続が失敗と見なされる前に WAAS デバイスが接続を再試行できる回数。 範囲は、1 ~ 120 回です。 デフォルトは、4 回です。 |
Keepalive Probe Interval |
WAAS デバイスがアイドル状態の接続を開いておく時間の長さ。 デフォルトは 75 秒です。 |
Keepalive Timeout |
WAAS デバイスが切断する前に接続を開いておく時間の長さ。 指定できる範囲は、1 ~ 120 秒です。 デフォルトは 90 秒です。 |
TCP メモリ制限の設定 |
TCP Limit Low Water Mark |
それより下がると TCP が通常のメモリ割り当てモードに入るメモリ圧力モードの下限(MB)。 範囲は、4 ~ 600 です。 下限値は、圧力設定の上限値より小さい値である必要があります。 |
TCP Memory Limit High Water Mark-Pressure |
それを超えると TCP がメモリ圧力モードに入る通常のメモリ割り当てモードの上限(MB)。 範囲は、5 ~ 610 です。 圧力の上限値は、絶対上限値の設定より小さい値である必要があります。 |
TCP Memory Limit High Water Mark-Absolute |
TCP メモリ使用量の絶対制限値(MB)。 範囲は、6 ~ 620 です。 |
表5-2 に、デバイス用のメモリ総量に基づく各 TCP メモリ制限設定のデフォルト値を示します。
表5-2 TCP メモリ制限設定のデフォルト値
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1GB、2GB、または 4GB |
360MB |
360MB |
400MB |
512MB |
180MB |
190MB |
200MB |
256MB |
25MB |
28MB |
30MB |
CLI から TCP 設定を構成するには、 tcp グローバル設定コマンドを使用できます。
ECN (明示的輻輳通知)について
TCP の ECN (明示的輻輳通知)機能では、中間のルータが末端のホストに差し迫ったネットワーク輻輳を通知できます。 また、この機能は、遅延やパケット損失に敏感なアプリケーションに関連する TCP セッションのサポートを強化します。 ECN に関する主な問題は、ECN の動作に対応するために、ルータと TCP ソフトウェア スタックの両方の動作を変更する必要があることです。
輻輳ウィンドウについて
輻輳ウィンドウ(cwnd)は、TCP 送信側が、TCP 伝送の受信側から受信確認(ACK)を受信する前に、ネットワークへ送信できるデータ量を制限する TCP 状態変数です。 TCP cwnd 変数は、TCP 輻輳回避アルゴリズムによって実装されます。 輻輳回避アルゴリズムの目的は、送信側がデータの流れ全体の中で使用できるネットワーク容量の増減を自動的に感知して、送信速度を継続的に変更することです。 (パケット損失として)輻輳が発生すると、送信速度が引き下げられ、送信側がネットワークの追加容量を継続的に検査しながら次第に引き上げられます。
再送信時間倍率について
TCP 送信側は、タイマを使用して、データ セグメントを送信してから、TCP 伝送の受信側から対応する ACKを受信するまでに経過する時間を測定します。 この再送信タイマがタイムアウトすると、送信側は、(TCP 輻輳制御に関する RFC 規格に従って)送信速度を下げる必要があります。 ただし、送信側は、ネットワーク輻輳に応えて送信速度を下げないため、ネットワークの現在の状態に関する有効な仮定を行うことができません。 したがって、必要以上に大量のデータを送信してネットワークが輻輳するのを防止するために、送信側は、1 回の送信当たりの送信速度を 1 セグメントに下げる低速起動アルゴリズムを実装します (「インターフェイスの優先順位の設定」 を参照してください)。
WAAS Central Manager GUI の [Retransmit Time Multiplier] フィールドを使用して、送信側の再送信タイマを変更できます。 再送信時間倍率は、輻輳制御用に使用している TCP アルゴリズム決定に従って、基数の 1 ~ 3 倍の範囲で再送信タイマの長さを変更します。
再送信タイマを調整するときは、性能と効率に影響することに注意してください。 再送信タイマが短すぎると、送信側は必要以上にネットワークに重複データを送信し、再送信タイマが長すぎると、送信側は必要以上にアイドル状態に留まり、データの流れが遅くなります。
TCP 低速起動について
低速起動は、TCP が使用する 4 つの輻輳制御アルゴリズムの中の 1 つです。 低速起動アルゴリズムは、ネットワークの容量が不明なときに、TCP セッションの開始時にネットワークに送信するデータ量を制御します。
たとえば、TCP セッションの開始時にネットワークに大量のデータを送信すると、そのほとんどが失われる場合があります。 その代わりに、TCP は、最初に控えめな量のデータを送信するので、送信が成功する確率が高くなります。 次に、TCP は、ネットワークが輻輳している徴候がない限り、送信するデータ量を増やしてネットワークを検査します。
低速起動アルゴリズムは、最初に輻輳ウィンドウ(または cwnd )変数で決定される速度でパケットを送信します。 アルゴリズムは、低速起動しきい値("「輻輳ウィンドウについて」ssthresh")変数で設定された制限値に到達するまで、送信速度を上げていきます。 ssthresh 変数の値は、受信側の最大セグメント サイズ(RMSS)に初期設定されます。 ただし、輻輳が発生すると、 ssthresh 変数は、 cwnd 変数の現在の値の半分に設定され、ネットワーク輻輳の新しい指標になります。
cwnd 変数の値は、送信側が送信できる最大セグメントのサイズである送信側の最大セグメント サイズ(SMSS)に初期設定されます。 送信側は 1 つのデータ セグメントを送信し、輻輳ウィンドウは 1 セグメントのサイズに等しいため一杯になります。 次に、送信側は、伝送の受信側からの対応する ACK を待ちます。 ACK を受信すると、送信側は、1 SMSS だけ cwnd 変数の値を増やして、輻輳ウィンドウ サイズを増やします。 これで、送信側は、輻輳ウィンドウは再び一杯になる前に 2 つのセグメントを送信でき、これらのセグメントに対応する ACK を待ちます。 低速起動アルゴリズムは、ACK を受信するたびに 1 SMSS だけ cwnd 変数の値を増やして、輻輳ウィンドウのサイズを増やしていきます。 cwnd 変数の値が ssthresh 変数の値を超えると、TCP フロー制御アルゴリズムが、低速起動アルゴリズムから輻輳回避アルゴリズムへ変化します。
MTU 検出ユーティリティの有効化
Cisco WAAS ソフトウェアは、RFC 1191 に規定されている IP パス最大伝送ユニット(MTU)検出方式をサポートしています。 有効にすると、パス MTU 検出機能は、転送パスに沿うさまざまなリンクの間で許容される最大 IP パケット サイズを検出し、パケット サイズに適した値を自動的に設定します。 リンクが処理できる最大 MTU を使用することで、送信側デバイスは、送信する必要があるパケットの数を最小限に抑えることができます。
IP パス MTU 検出は、ネットワークでリンクが停止し、別の異なる MTU サイズのリンクを使用しなければならない場合に有用です。 また、IP パス MTU 検出は、接続が初めて確立され、送信側が中間に存在するリンクに関する情報を持っていない場合にも有用です。
(注) IP パス MTU 検出は、送信側デバイスが開始するプロセスです。 サーバが IP パス MTU 検出をサポートしていない場合、受信側デバイスは、サーバが生成する分断されたデータグラムを防止する手段を使用できません。
デフォルトで、この機能は無効になっています。 この機能を無効にすると、送信側デバイスは、576 バイト少ないパケット サイズと次のホップ MTU を使用します。 この機能を有効または無効にしても、既存の接続に影響しません。
MTU 検出機能を有効にするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices]、[Devices] または [Devices]、[Device Groups] を選択します。
ステップ 2 設定したいデバイスまたはデバイス グループの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
ステップ 3 [Show Advanced] をクリックして、[Contents] ペインにすべてのメニュー項目を表示します。
ステップ 4 [Contents] ペインで、 [General Settings]、[Network]、[IP General Settings] を選択します。 [IP General Settings] ウィンドウが表示されます
ステップ 5 [IP General Settings] 列で、 [Enable Path MTU Discovery] チェック ボックスを選択して MTU 検出機能を有効にします。 デフォルトで、このオプションは無効になっています。
ステップ 6 「Submit」 をクリックして、設定を保存します。
CLI から MTU 検出ユーティリティを有効にするには、 ip path-mtu-discovery enable グローバル設定コマンドを使用できます。
CDP 設定の構成
Cisco Discovery Protocol(CDP)は、すべてのシスコ製デバイス上で稼働するデバイス検出プロトコルです。 CDP を使用すると、ネットワーク内の各デバイスは、ネットワーク内のその他のすべてのデバイスに定期的にメッセージを送信します。 すべてのデバイスは、その他のデバイスが送信した定期的なメッセージを受信して、隣接デバイスについて学習し、それらのインターフェイスのステータスを判断します。
CDP を使用して、ネットワーク管理アプリケーションは、隣接デバイスのデバイス タイプと Simple Network Management Protocol(SNMP)エージェント アドレスを学習できます。 アプリケーションは、ネットワーク内に SNMP クエリーを送信できます。 また、CiscoWorks2000 は、起動後に WAAS デバイスが送信した CDP パケットを使用して、WAAS デバイスを検出します。
デバイス関連の作業では、WAAS デバイス プラットフォームの存在、種類、およびバージョンをシステム マネージャに通知できるように、WAAS デバイス プラットフォームが CDP をサポートしている必要があります。
CDP 設定を構成するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices]、[Devices] または [Devices]、[Device Groups] を選択します。
ステップ 2 設定したいデバイスまたはデバイス グループの横にある [Edit] アイコンをクリックします。 [Contents] ペインが左側に表示されます。
ステップ 3 [Show Advanced] をクリックして、[Contents] ペインにすべてのメニュー項目を表示します。
ステップ 4 [Contents] ペインで、 [General Settings]、[Network]、[CDP] を選択します。 [CDP Settings] ウィンドウが表示されます (図5-3 を参照してください)。
図5-3 [CDP Settings] ウィンドウ
ステップ 5 [Enable] チェック ボックスを選択して、CDP サポートを有効にします。 デフォルトで、このオプションは有効になっています。
ステップ 6 [Hold Time] フィールドに、受信側が CDP パケットを保持する時間の長さを指定する時間(秒)を入力します。
指定できる範囲は、10 ~ 255 秒です。 デフォルトは 180 秒です。
ステップ 7 [Packet Send Rate] フィールドに、CDP アドバタイズメントの間隔(秒)を入力します。
指定できる範囲は、5 ~ 254 秒です。 デフォルトは 60 秒です。
ステップ 8 [Submit] をクリックします。
CLI から CDP 設定を構成するには、 cdp グローバル設定コマンドを使用できます。
DNS サーバの設定
DNS を使用すると、ネットワークは、要求に入っているドメイン名をそれに関連する IP アドレスに変換できます。 WAAS デバイスで DNS を設定するには、次の作業を完了する必要があります。
• ネットワークが、要求されたドメイン名を、WAAS デバイスがドメイン名を解決するために使用する必要がある IP アドレスに変換するために使用する、DNS サーバのリストを指定します。
• WAAS デバイスで DNS を有効にします。
WAAS デバイス用の DNS サーバ設定を構成するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices]、[Devices] または [Devices]、[Device Groups] を選択します。
ステップ 2 設定したいデバイスまたはデバイス グループの横にある [Edit] アイコンをクリックします。 [Contents] ペインが左側に表示されます。
ステップ 3 [Contents] ペインで、 [General Settings]、[Network]、[DNS] を選択します。 [DNS Settings] ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 [Local Domain Name] フィールドに、ローカル ドメインの名前を入力します。 最大 3 つのローカル ドメイン名を設定できます。 リスト内の項目をスペースで区切ります。
ステップ 5 [List of DNS Servers] フィールドに、ネットワークがホスト名を IP アドレスに解決するために使用する DNS サーバのリストを入力します。
最大 3 台の DNS サーバを設定できます。 リスト内の項目をスペースで区切ります。
ステップ 6 [Submit] をクリックします。
デフォルトおよびデバイス グループ設定を適用した後でまだ保存されていない変更があると、[Current Settings] 行の横に、"Click Submit to Save" メッセージが赤い色で表示されます。 以前のウィンドウ設定に戻すには、 [Reset] をクリックします。 [Reset] ボタンは、デフォルトまたはグループ設定を適用して現在のデバイス設定を変更し、まだ変更を送信していない場合だけ表示されます。
CLI から DNS ネーム サーバを設定するには、 ip name-server グローバル設定コマンドを使用できます。