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この章では、3G CDMA ブロードバンド データ ネットワーク アーキテクチャ、CDMA データ コールの確立方法、および CDMA モデムのアクティブ化とネットワーク接続について説明します。
「3G CDMA ブロードバンド データ ネットワーク アーキテクチャの概要」
CDMA ベースのワイヤレス ブロードバンド データ ネットワークは IETF 中心型です。これは、IP データ接続/モビリティに使用されるプロトコルが、これらの標準、あるいは標準をわずかに変更したものに基づいていることを意味します。
図 3-1 は、CDMA ネットワークのアーキテクチャを示しています。3G HWIC は BTS と無線で通信します。ネットワーク側の CDMA は BTS で終了します。
Base Station Controller/Packet Control Function(BSC/PCF)はビジター ロケーション レジスタ(VLR)およびホーム ロケーション レジスタ(HLR)と組み合わされており、モバイル機能を実行します。従来の BSC に追加された PCF の機能によって、3G 高速データをサポートするために必要な IP 機能が提供されます。レガシー BSC は高速データ サービスをサポートできません。これは、MSC を介した回線交換、非 IP の音声サービスのサポートを提供します。
PCF、パケット データ サービング ノード(PDSN)、および HA(ホーム エージェント)は、特に高速データ アクセス用のオーバーレイ ネットワークを提供します。
ISR ベースの 3G HWIC は PPP を一端では IOS/モデム内で終了し、ネットワーク側では PDSN で終了します。PDSN によって PPP が固定されるため、Simple IP(SIP)モードのアクセスを使用するときに、PPP を再確立しなくても、関連する BSC/PCF と、それに関連する BTS にわたって、モバイル ノードのモビリティが提供されます。
通常、Simple IP は使用されず、Mobile IP(MIP)が PDSN とともに使用されて Foreign Agent(FA)として機能します。ホーム エージェント(HA)は、サービス プロバイダー ネットワーク内に配置されます。この場合、HA はモバイル ノード(3G HWIC ベースの ISR)に IP アドレスを提供するアンカー ポイントとして機能します。HA によって提供されるアンカー ポイントを使用すると、モバイル端末の IP 接続を失うことなく、複数の PDSN にわたって(理論上は、ネットワーク全体にわたって)モビリティを拡張しながら、移動中に別の PDSN に接続することができます。
図 3-1 CDMA 3G IP ワイヤレス データ ネットワーク
図 3-2 は、CDMA ネットワークでのデータ コール フローを示しています。関連する ACL によって定義されているように、 interesting traffic 基準を満たす最初のパケットによってセルラー インターフェイスを介したダイヤル アウトが生じます。これにより、PPP が IOS とモデムの間で開始します。Cisco IOS とモデムの間で LCP フェーズが完了した後、CHAP/PAP をバイパスして、IOS は PPP IPCP(CONFREQ)フェーズを開始します。CHAP/PAP は IOS に必要ないためバイパスされます。このため、セルラー インターフェイスでは設定されません。
LCP/IPCP メッセージが Cisco IOS から受信されると、モデムが開始し、ネットワークとの PPP 接続(PDSN)が完了します。モデムは、モデムの NVRAM に保存されたパラメータを使用して PPP フェーズ中にネットワークによって認証されます。これらの認証パラメータは、モデムがアクティブ化/プロビジョニングされると、モデムの NVRAM にロードされます。モデムのアクティブ化/プロビジョニングは 1 回のみのプロセスです。ネットワークを使用した IPCP フェーズの間に、モデムによって IP アドレスが要求されることはありません。PPP は、IP アドレスなしで確立され、モデム/IOS に割り当てられます。
(注) この時点で、PPP(IPCP)は IOS とモデム間でまだ保留中です。
PPP がモデムとネットワークの間で確立された後、モデムはモバイル IP フェーズを開始します。これにより、ネットワーク アドレス識別子(NAI)、MN-AAA、MN-HA 共有秘密、HA IP アドレスを含む「Mobile IP Registration Request」メッセージが送信され、モデム/IOS(ホーム IP アドレス)の IP アドレスが要求されます。NAI、MN-AAA、MN-HA 共有秘密、および HA IP アドレスは、すべてモデムのアクティブ化またはプロビジョニングの一環としてモデムの NVRAM にロードされます。
「Mobile IP Registration Request」メッセージは PDSN によってインターセプトされ、HA IP アドレスによって示されているとおりに、該当する HA に転送されます。受信 HA は AAA を使用してユーザ NAI を検証し、「Registration Reply」メッセージを返します。これにより、ホーム IP アドレスである IP アドレスがユーザ モデムに割り当てられます。図 3-2 に示されているように、PDSN はこのメッセージを受け取ると、モデムに転送します。
最後に、モデムは PPP IPCP(CONFACK)メッセージを IOS に送信し、IOS とモデム間の保留中の PPP 接続を完了します。モデムは HA からセルラー インターフェイスの IP アドレスを受け取るとその ID アドレスを返し、DNS などの他の IP アドレスが要求されている場合は、その IP アドレスを受け取るとそれを返します。
アドレスはセルラー インターフェイスに割り当てられ、ルーティング テーブルにルートが組み込まれます。
(注) IOS は、モデムおよび HA を経由するモバイル IP プロトコルを認識しません。
新しくインストールされた 3G CDMA ワイヤレス HWIC がワイヤレス ネットワークに接続するには、一連の特定のステップを実行する必要があります。これらの手順を次に示します。詳細については、後続のセクションで説明します。
ステップ 2 HWIC のセルラー モデムがワイヤレス サービス プロバイダーのネットワークに登録されていることを確認します。
ステップ 3 サービス プロバイダーのサポート内容に応じて、インターネット地上波(IOTA)または地上波サービス プロビジョニング(OTASP)を介して、サービス プロバイダーのネットワークでモデムをアクティブ化します。
3G HWIC は、サービス プロバイダーのネットワークで使用できる最適なネットワークに接続します。
3G HWIC をサービス プロバイダーのネットワークでアクティブ化するには、それをサービス プランに関連付ける必要があります。以下の URL には、3G HWIC を保証しているモバイル オペレータがリストされており、記載されているこれらのキャリアの Web サイトへのリンクを使用して、サービスに関する追加情報を入手できます。モバイル オペレータに応じて、無制限、従量制、またはプール式など、複数のモバイル ブロードバンド データ プランを使用できます。3G HWIC サービスを既存の企業ワイヤレス契約と組み合わせて、月ごとの継続費用(MRC)を抑えることができます。
http://www.cisco.com/en/US/products/hw/routers/networking_solutions_products_generic_content0900aecd80601f7e.html
3G HWIC は、サービス プロバイダーのネットワークで使用できる最適なネットワークに接続しようとします。EVDO Rev A を使用できない場合、3G HWIC は次に使用可能な最良の無線ネットワークにダウンシフトし、2.5G テクノロジーにダウンします。たとえば、EVDO Rev A を使用できない場合、3G HWIC は EVDO Rev 0 に対応するようにネゴシエーションし、これを使用できない場合は、1xRTT を介して接続します。
3G CDMA HWIC のアクティブ化は、サービス プロバイダーによってサポートされているアクティブ化方法によって異なります。アクティベーション方法には次のタイプがあります。
サポートされているアクティベーション方法をサービス プロバイダーに確認してください。米国では、Sprint は IOTA をサポートし、Verizon Wireless は OTASP をサポートしています。
アクティブ化を行う前に、HWIC が 無線接続 レベルでネットワークと 通信 できることを確認します。モデムが通信できることを確認するには、 show cellular x/x/x コマンドを発行します。
この設定内で青色の斜体で記載されたテキストは コメント を示すために使用されており、通常のコンソール出力を表示した場合には表示されません。太字のテキストは、エラーが発生した場合に戻って参照するための重要なコマンドを示すために使用されています。デバッグする場合は、太字で示されているすべてのコマンドがコンソール出力でも同じであることを確認します。
特に明記されていない限り、太字のテキストは基本セルラー コマンドに関連付けられているコマンドを示します。太字のテキストは暗号化 IPsec 設定、バックアップ設定、IP SLA 設定、およびモバイル IP の設定など、他の設定にも使用されます。これらの各設定に関連付けられているコマンドはサンプル全体にわたって呼び出されるため、デバッグ時に簡単に参照できます。
IOTA の手順を使用して HWIC をアクティブにするには、次のコマンドを使用します。
(注) 次にリストされている変数の値を取得するには、sh cellular x/x/x all コマンドを使用します。
• Mobile Directory Number(MDN):10 桁の数
• Mobile Subscriber Identification Number(MSIN):10 桁の数
この設定内で青色の斜体で記載されたテキストは コメント を示すために使用されており、通常のコンソール出力を表示した場合には表示されません。太字のテキストは、エラーが発生した場合に戻って参照するための重要なコマンドを示すために使用されています。デバッグする場合は、太字で示されているすべてのコマンドがコンソール出力でも同じであることを確認します。
特に明記されていない限り、太字のテキストは基本セルラー コマンドに関連付けられているコマンドを示します。太字のテキストは暗号化 IPsec 設定、バックアップ設定、IP SLA 設定、およびモバイル IP の設定など、他の設定にも使用されます。これらの各設定に関連付けられているコマンドはサンプル全体にわたって呼び出されるため、デバッグ時に簡単に参照できます。
OTASP の手順を使用して HWIC をアクティブにするには、次のコマンドを使用します。
(注) phone number 変数には、サービス プロバイダーによって提供された電話番号を使用します。
この設定内で青色の斜体で記載されたテキストは コメント を示すために使用されており、通常のコンソール出力を表示した場合には表示されません。太字のテキストは、エラーが発生した場合に戻って参照するための重要なコマンドを示すために使用されています。デバッグする場合は、太字で示されているすべてのコマンドがコンソール出力でも同じであることを確認します。
特に明記されていない限り、太字のテキストは基本セルラー コマンドに関連付けられているコマンドを示します。太字のテキストは暗号化 IPsec 設定、バックアップ設定、IP SLA 設定、およびモバイル IP の設定など、他の設定にも使用されます。これらの各設定に関連付けられているコマンドはサンプル全体にわたって呼び出されるため、デバッグ時に簡単に参照できます。
3G HWIC がアクティブ化された後、モバイル ネットワークに最初にダイヤルするときに、エンドツーエンドの無線および IP 接続の確立に 2 秒から 5 秒かかる場合があります。モデムがリダイヤルする必要がある場合は、5 秒より長くかかる場合があります。また、前のセクションで説明したように、ネットワーク上でモデムが最初にアクティブ化されたときに、いくつかのプロビジョニング プロセスがバックグラウンドで開始され、これによって最初のエンドツーエンドの接続により長い時間を要する場合があります。
HWIC がネットワーク導入要件に従ってアクティブ化されて設定された後、3G ワイヤレス ネットワーク経由の接続に ISR を使用できるようになります。アンテナを HWIC に接続し、RSSI 信号レベルがマイナス 90 dBm より良いことを確認します。 show cellular x/x/x all コマンドの出力によって示されるネットワークへの接続が、「 Configuring the 3G Wireless High-Speed WAN Interface Card for Cisco 1841, and 2800 and 3800 Series Routers (HWIC-3G-CDMA-x) 」に表示されているものと同じであることを確認します。