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目次
このモジュールでは、スイッチド イーサネット ネットワークで Cisco Group Management Protocol(CGMP)を使用して、レイヤ 2 スイッチ ポートに対するマルチキャスト トラフィックを制御するための、および Router-Port Group Management Protocol(RGMP)を使用して、デバイスのみのネットワーク セグメントで IP マルチキャスト トラフィックを抑制するための、デバイスの設定方法について説明します。
レイヤ 2 スイッチのデフォルト動作では、スイッチ上の宛先 LAN に属する各ポートに、すべてのマルチキャスト トラフィックが転送されます。 この動作では、スイッチの効率が低下します。その目的は、データを受信する必要があるポートへのトラフィックを制限することです。 この動作では、不要なマルチキャスト トラフィックを減らす抑制メカニズムが必要です。これによって、スイッチのパフォーマンスが改善されます。
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、使用するプラットフォームおよびソフトウェア リリースの Bug Search Tool およびリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
このモジュールの作業を実行する前に、「IP Multicast Technology Overview」モジュールで説明している概念をよく理解しておく必要があります。
レイヤ 2 スイッチのデフォルト動作では、スイッチ上の宛先 LAN に属する各ポートに、すべてのマルチキャスト トラフィックが転送されます。 この動作では、スイッチの効率が低下します。その目的は、データを受信する必要があるポートへのトラフィックを制限することです。 この動作では、不要なマルチキャスト トラフィックを減らす抑制メカニズムが必要です。これによって、スイッチのパフォーマンスが改善されます。
CGMP は、IGMP によって実行される作業と同様の作業を実行するために、Catalyst スイッチに接続されたデバイスで使用される、シスコが開発したプロトコルです。 IP マルチキャスト データ パケットと IGMP レポート メッセージ(いずれも MAC レベルで同じグループ アドレスにアドレス指定されます)を区別しない Catalyst スイッチの場合、CGMP が必要になります。 スイッチは IGMP パケットを区別できますが、スイッチ上でソフトウェアを使用する必要があり、これがパフォーマンスに大きな影響を与えます。
マルチキャスト デバイスとレイヤ 2 スイッチで CGMP を設定する必要があります。 結果的に CGMP では、該当するレシーバに接続されている Catalyst スイッチのポートにだけ IP マルチキャスト トラフィックが提供されます。 トラフィックを明示的に要求していない他のすべてのポートは、これらのポートがマルチキャスト ルータに接続されていない限り、トラフィックを受信しません。 マルチキャスト ルータ ポートは、すべての IP マルチキャスト データ パケットを受信する必要があります。
マルチキャスト グループに加入するとき、ホストは CGMP を使用して、送信要求されなくてもターゲット グループへの IGMP メンバーシップ レポート メッセージをマルチキャストします。 通常の IGMP 処理では、IGMP レポートが、スイッチを介してルータに渡されます。 ルータ(このインターフェイス上で CGMP がイネーブルにされている必要がある)では、IGMP レポートを受信し、通常どおりに処理されますが、CGMP Join メッセージも作成され、スイッチに送信されます。 Join メッセージには、エンド ステーションの MAC アドレスと加入したグループの MAC アドレスが含まれます。
スイッチは、CGMP Join メッセージを受信し、そのマルチキャスト グループ用の連想メモリ(CAM)テーブルにポートを追加します。 以後、このマルチキャスト グループに対するすべての後続のトラフィックは、そのホストのポートに転送されます。
レイヤ 2 スイッチは、いくつかの宛先 MAC アドレスを 1 つの物理ポートに割り当てることができるよう、設計されています。 この設計により、スイッチを階層構造で接続できるようになります。また、多数のマルチキャスト宛先アドレスを単一ポートに転送できます。
デバイス ポートは、マルチキャスト グループのエントリにも追加されます。 IGMP コントロール メッセージもマルチキャスト トラフィックとして送信されるため、マルチキャスト デバイスは、各グループに対するすべてのマルチキャスト トラフィックをリッスンします。 その他のマルチキャスト トラフィックは、CGMP で作成された新しいエントリを含む CAM テーブルを使用して転送されます。
IGMP スヌーピングは、レイヤ 2 LAN スイッチで実行される IP マルチキャスト抑制メカニズムです。 IGMP スヌーピングでは、ホストとルータとの間で送信される IGMP パケットで、一部のレイヤ 3 情報(IGMP Join/Leave メッセージ)を調査、すなわち「スヌープ」します。 スイッチでは、特定のマルチキャスト グループに対するホストから IGMP ホスト レポートを受信するときに、関連付けられているマルチキャスト テーブル エントリにホストのポート番号が追加されます。 スイッチがホストから IGMP グループ脱退メッセージを受信すると、スイッチはホストのテーブル エントリを削除します。
IGMP 制御メッセージはマルチキャスト パケットとして送信されるので、レイヤ 2 ではマルチキャスト データと区別できません。 IGMP スヌーピングを実行しているスイッチでは、各マルチキャスト データ パケットを検査し、永続的な IGMP コントロール情報が含まれているかどうかを特定できます。 低速の CPU を搭載したローエンドのスイッチに IGMP スヌーピングを実装すると、データが高速で送信される場合に、パフォーマンスに重大な影響を与える可能性があります。 解決策として、ハードウェアで IGMP チェックを実行できる特別な ASIC(特定用途向け集積回路)を備えたハイエンドのスイッチに IGMP スヌーピングを実装します。 CGMP は特別なハードウェアを使用しない、ローエンドのスイッチのための新しいオプションです。
CGMP および IGMP スヌーピングは、アクティブなレシーバがあるルーティング対象ネットワーク セグメントで動作するように設計されている、IP マルチキャスト抑制メカニズムです。 両方とも、ホストとルータとの間で送信される IGMP コントロール メッセージに依存して、該当する受信先に接続されているスイッチ ポートが特定されます。
スイッチド イーサネット バックボーン ネットワーク セグメントは、通常、そのセグメント上にホストなしでスイッチに接続されているいくつかのルータで構成されています。 ルータでは IGMP ホスト レポートが生成されないため、CGMP および IGMP スヌーピングによって、マルチキャスト トラフィックを抑制することができず、VLAN 上の各ポートにフラッディングされます。 ルータでは、代わりに、Protocol Independent Multicast(PIM)メッセージが生成され、レイヤ 3 レベルで、マルチキャスト トラフィック フローに加入またはマルチキャスト トラフィック フローがプルーニングされます。
Router-Port Group Management Protocol(RGMP)は、ルータのみのネットワーク セグメントに対する、IP マルチキャスト抑制メカニズムです。 RGMP は、ルータ上およびレイヤ 2 スイッチ上でイネーブルにする必要があります。 マルチキャスト ルータは、特定のグループに RGMP Join メッセージを送信することによって、データ フローを受信したいことを示します。 次に、CGMP Join メッセージの処理方法と同様に、スイッチによって、そのマルチキャスト グループに対する転送テーブルに、適切なポートが追加されます。 IP マルチキャスト データ フローは、関連するルータ ポートにのみ転送されます。 ルータがそのデータ フローを必要としなくなった場合、RGMP Leave メッセージを送信し、スイッチは転送エントリを削除します。
RGMP 対応されていないルータがある場合は、すべてのマルチキャスト データを受信し続けます。
マルチキャスト ネットワークにスイッチングがある場合、IP マルチキャストの設定方法の詳細について、使用しているスイッチのマニュアルを参照してください。
ルータでの設定は必要ありません。 IGMP スヌーピングをイネーブルにする方法について、使用しているスイッチのマニュアルを参照し、指示に従ってください。
CGMP は、IGMP によって実行される作業と同様の作業を実行するために、Catalyst スイッチに接続されたデバイス上で使用されるプロトコルです。 CGMP が必要となるのは、Catalyst スイッチで IP マルチキャスト データ パケットと IGMP レポート メッセージを区別できないためです。これらはともに MAC レベルで、同じグループ アドレスにアドレス指定されます。
(注) |
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. ip cgmp [proxy | router-only]
5. end
6. clear ip cgmp [interface-type interface-number]
RGMP を使用してレイヤ 2 スイッチド イーサネット ネットワークで IP マルチキャストを設定するには、この作業を実行します。
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. ip rgmp
5. end
6. debug ip rgmp
7. show ip igmp interface
次の例は、マルチキャスト ソースとマルチキャスト レシーバが同じ VLAN にある基本的なネットワーク環境向けです。 目的とする動作は、スイッチ上でのマルチキャストの転送を、そのマルチキャスト ストリームを要求しているポート宛てに限定することです。
4908G-L3 ルータは、VLAN 50 のポート 3/1 で Catalyst 4003 に接続されます。 次の設定は、GigabitEthernet1 インターフェイスに適用されます。 ルータがインターフェイスでマルチキャスト トラフィックをルーティングしないため、ip multicast-routing コマンドが設定されないことに注意してください。
interface GigabitEthernet1 ip address 192.168.50.11 255.255.255.0 ip pim dense-mode ip cgmp
次に、ルータ上で RGMP を設定する方法の例を示します。
ip multicast-routing ip pim sparse-mode interface ethernet 0 ip rgmp
ここでは、スイッチド イーサネット ネットワークでの IP マルチキャストの抑制に関連する参考資料を示します。
関連項目 |
マニュアル タイトル |
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Cisco IOS コマンド |
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Cisco IOS IP SLA コマンド |
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IGMP スヌーピング |
『IP Multicast: IGMP Configuration Guide』の「IGMP Snooping」モジュール |
RGMP |
『IP Multicast: IGMP Configuration Guide』の「Configuring Router-Port Group Management Protocol」モジュール |
MIB |
MIB のリンク |
---|---|
なし |
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットに関する MIB を探してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 |
説明 |
リンク |
---|---|
TAC のホームページでは、製品、テクノロジー、ソリューション、技術的なヒント、およびツールへのリンクなどの、3 万ページに及ぶ技術情報が検索可能です。 Cisco.com に登録済みのユーザは、このページから詳細情報にアクセスできます。 |
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフトウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを示しています。 その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェア リリースでもサポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
機能名 |
リリース |
機能の設定情報 |
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Cisco IOS |
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