Cisco NX-OS を使用した MST の設定

MST について


Note


レイヤ 2 インターフェイスの作成の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Interfaces Configuration Guide』を参照してください。


IEEE 802.1s 標準の MST を使用すると、スパニングツリー インスタンスに複数の VLAN を割り当てることができます。MST は、デフォルトのスパニングツリー モードではありません。Rapid per VLAN Spanning Tree(Rapid PVST+)がデフォルト モードです。MST インスタンスは、同じ名前、リビジョン番号、VLAN からインスタンスへのマッピングと組み合わされて、MST 領域が形成されます。MST 領域は、領域外のスパニングツリー設定への単一のブリッジとして表示されます。MST がネイバー デバイスから IEEE 802.1D スパニングツリー プロトコル(STP)メッセージを受信すると、該当するインターフェイスとの境界が形成されます。


Note


このマニュアルでは、IEEE 802.1w および IEEE 802.1s を指す用語として、「スパニングツリー」を使用します。このマニュアルで IEEE 802.1D スパニングツリー プロトコルに関して説明する場合は、具体的に 802.1D と表記されます。


MST の概要


Note


MST をイネーブルにする必要があります。Rapid PVST+ は、デフォルトのスパニングツリー モードです。


MST は、複数の VLAN をスパニングツリー インスタンスにマッピングします。各インスタンスには、他のスパニングツリー インスタンスとは別のスパニングツリー トポロジがあります。このアーキテクチャでは、データ トラフィックに対して複数のフォワーディング パスがあり、ロード バランシングが可能です。これによって、非常に多数の VLAN をサポートする際に必要な STP インスタンスの数を削減できます。MST では、1 つのインスタンス(転送パス)で障害が発生しても他のインスタンス(転送パス)に影響しないため、ネットワークのフォールト トレランスが向上します。

MST では、各 MST インスタンスで IEEE 802.1w 規格を採用することによって、明示的なハンドシェイクによる高速収束が可能なため、802.1D 転送遅延がなくなり、ルート ブリッジ ポートと指定ポートが迅速にフォワーディング ステートに変わります

デバイスでは常に MAC アドレス リダクションがイネーブルです。この機能はディセーブルにはできません。

MST ではスパニング ツリーの動作が改善され、次の STP バージョンとの下位互換性を維持しています。

  • 元の 802.1D スパニング ツリー

  • Rapid per-VLAN スパニングツリー(Rapid PVST+)


Note


  • IEEE 802.1 は、Rapid Spanning Tree Protocol(RSTP)で定義されて、IEEE 802.1D に組み込まれました。

  • IEEE 802.1 は MST で定義され、IEEE 802.1Q に組み込まれました。


MST 領域

MST インスタンスにデバイスを参加させるには、常に同じ MST 設定情報を使用してデバイスを設定する必要があります。

同一の MST 設定を持つ、相互接続されたデバイスの集合を MST 領域といいます。MST リージョンは、同じ MST 設定で MST ブリッジのグループとリンクされます。

MST 設定により、各デバイスが属する MST 領域が制御されます。この設定には、領域名、リビジョン番号、VLAN/MST インスタンス割り当てマッピングが含まれます。

リージョンには、同一の MST コンフィギュレーションを持った 1 つまたは複数のメンバが必要です。各メンバには、802.1w Bridge Protocol Data Unit(BPDU:ブリッジ プロトコル データ ユニット)を処理する機能が必要です。ネットワーク内の MST リージョンには、数の制限はありません。

各デバイスは、単一の MST 領域内で、インスタンス 0 を含む最大 65 個の MST インスタンスをサポートできます。インスタンスは、1 ~ 4094 の範囲の任意の番号によって識別されます。インスタンス 0 は、特別なインスタンスである IST 用に予約されています。VLAN は、一度に 1 つの MST インスタンスに対してのみ割り当てることができます。

MST 領域は、隣接の MST 領域、他の Rapid PVST+ 領域、802.1D スパニングツリー プロトコルへの単一のブリッジとして表示されます。


Note


ネットワークを、非常に多数の領域に分けることは推奨しません。


MST BPDU

各デバイスで使用できる MST BPDU は、インターフェイスごとに 1 つだけです。この BPDU が、デバイス上の各 MSTI の M レコードを伝達します。IST だけが MST リージョンの BPDU を送信します。すべての M レコードは、IST が送信する 1 つの BPDU でカプセル化されています。MST BPDU はすべてのインスタンスの情報を伝送するため、MST をサポートするために処理しなければならない BPDU の数は、Rapid PVST+ と比べて大幅に削減されます。

Figure 1. MSTI の M レコードが含まれる MST BPDU

MST 設定情報

単一の MST 領域内にあるすべてのデバイスで MST 設定を同一にする必要がある場合は、ユーザ側で設定します。

MST 設定では、次の 3 つのパラメータを設定できます。

  • 名前:32 文字の文字列。MST リージョンを指定します。ヌルで埋められ、ヌルで終了します。

  • リビジョン番号:現在の MST 設定のリビジョンを指定する 16 ビットの符号なし数字。


Note


MST 設定の一部として必要な場合、リビジョン番号を設定する必要があります。MST 設定をコミットするたびにリビジョン番号が自動的に増加することはありません。


  • VLAN/MST インスタンス マッピング:要素が 4096 あるテーブルで、サポート対象の、存在する可能性のある各 VLAN が該当のインスタンスに関連付けられます。最初(0)と最後(4095)の要素は 0 に設定されています。要素番号 X の値は、VLAN X がマッピングされるインスタンスを表します。


Note


VLAN/MSTI マッピングを変更すると、MST が再コンバージェンスされます。


MST BPDU には、これらの 3 つの設定パラメータが含まれています。MST ブリッジは、これら 3 つの設定パラメータが厳密に一致する場合、MST BPDU をそのリージョンに受け入れます。設定属性が 1 つでも異なっていると、MST ブリッジでは、BPDU が別の MST リージョンのものであると見なされます。

IST、CIST、CST

IST、CIST、CST の概要

すべての STP インスタンスが独立している Rapid PVST+ と異なり、MST は IST、CIST、および CST スパニングツリーを次のように確立して、維持します。

  • IST は、MST 領域で実行されるスパニングツリーです。

    MST は、それぞれの MST 領域内で追加のスパニングツリーを確立して維持します。このスパニングツリーは、Multiple Spanning Tree Instance(MSTI)と呼ばれます。

    インスタンス 0 は、IST という、領域の特殊インスタンスです。IST は、すべてのポートに必ず存在します。IST(インスタンス 0)は削除できません。デフォルトでは、すべての VLAN が IST に割り当てられます。その他すべての MSTI には、1 ~ 4094 の番号が付きます。

    IST は、BPDU の送受信を行う唯一の STP インスタンスです。他の MSTI 情報はすべて MST レコード(M レコード)に含まれ、MST BPDU 内でカプセル化されます。

    同じリージョン内のすべての MSTI は同じプロトコル タイマーを共有しますが、各 MSTI には、ルート ブリッジ ID やルート パス コストなど、それぞれ独自のトポロジ パラメータがあります。

    MSTI は、リージョンに対してローカルです。たとえば、リージョン A とリージョン B が相互接続されている場合でも、リージョン A にある MSTI 9 は、リージョン B にある MSTI 9 には依存しません。領域の境界をまたいで使用されるのは、CST 情報だけです。

  • CST は、MST リージョンと、ネットワーク上で実行されている可能性がある 802.1D および 802.1w STP のインスタンスを相互接続します。CST は、ブリッジ型ネットワーク全体で 1 つ存在する STP インスタンスで、すべての MST リージョン、802.1w インスタンスおよび 802.1D インスタンスを含みます。

  • CIST は、各 MST リージョンの IST の集合です。CIST は、MST リージョン内部の IST や、MST リージョン外部の CST と同じです。

MST 領域で計算されるスパニングツリーは、スイッチ ドメイン全体を含んだ CST 内のサブツリーとして認識されます。CIST は、802.1w、802.1s、802.1D 標準をサポートするデバイスで動作するスパニングツリー アルゴリズムによって形成されます。MST リージョン内の CIST は、リージョン外の CST と同じです。

MST 領域内でのスパニングツリーの動作

IST は領域内のすべての MST デバイスを接続します。IST が収束すると、IST のルートは CIST リージョナル ルートになります。ネットワークに領域が 1 つしかない場合、CIST リージョナル ルートは CIST ルートにもなります。CIST ルートが領域外にある場合、領域の境界にある MST デバイスの 1 つが CIST リージョナル ルートとして選択されます。

MST デバイスは、初期化されると、CIST のルートおよび CIST リージョナル ルートとして自分自身を識別する BPDU を送信します。BPDU では、CIST ルートのパス コストおよび CIST リージョナル ルートへのパス コストの両方がゼロに設定されます。このデバイスはすべての MSTI も初期化し、そのすべてのルートであることを申告します。このデバイスは、ポートで現在保存されている情報よりも優位の MSTI ルート情報(低いスイッチ ID や低いパス コストなど)を受信すると、CIST リージョナル ルートとしての申告を放棄します。

初期化中に、MST リージョン内に独自の CIST リージョナル ルートを持つ多くのサブ リージョンが形成される場合があります。デバイスは、同一領域のネイバーから優位 IST 情報を受信すると、古いサブ領域を離れ本来の CIST リージョナル ルートを含む新しいサブ領域に加わります。このようにして、真の CIST リージョナル ルートが含まれているサブ リージョン以外のサブ領域はすべて縮小します。

MST 領域内のすべてのデバイスは、同一 CIST リージョナル ルートで合意する必要があります。領域内の任意の 2 つのデバイスは、共通 CIST リージョナル ルートに収束する場合、MSTI のポート ロールのみを同期化します。

MST 領域間のスパニングツリー動作

領域または 802.1w か 802.1D の STP インスタンスがネットワーク内に複数ある場合、MST は CST を確立して維持します。これには、ネットワークのすべての MST 領域およびすべての 802.1w と 802.1D の STP デバイスが含まれます。MSTI は、リージョンの境界で IST と結合して CST になります。

IST は領域内のすべての MST デバイスを接続し、スイッチド ドメイン全体を網羅する CIST でサブツリーのように見えます。サブツリーのルートは CIST リージョナル ルートです。隣接する STP デバイスおよび MST 領域には、MST 領域が仮想デバイスのように見えます。

Figure 2. MST リージョン、CIST リージョナル ルート、CST ルート. 次の図に、3 つの MST 領域と 1 台の 802.1D デバイス(D)を含むネットワークを示します。リージョン 1 の CIST リージョナル ルート(A)は、CIST ルートでもあります。リージョン 2 の CIST リージョナル ルート(B)、およびリージョン 3 の CIST リージョナル ルート(C)は、CIST 内のそれぞれのサブツリーのルートです。

BPDU を送受信するのは CST インスタンスのみです。MSTI は自身のスパニングツリー情報を BPDU に(M レコードとして)追加し、同じ MST 領域内のネイバー デバイスと相互作用して、最終的なスパニングツリー トポロジを計算します。BPDU の送信に関連するスパニングツリー パラメータ(hello タイム、転送時間、最大エージング タイム、最大ホップ カウントなど)は、CST インスタンスにのみ設定されますが、すべての MSTI に影響します。スパニングツリー トポロジに関連するパラメータ(スイッチ プライオリティ、ポート VLAN コスト、ポート VLAN プライオリティなど)は、CST インスタンスと MSTI の両方に設定できます。

MST デバイスは、バージョン 3 BPDU を使用します。802.1D STP にフォール バックした MST デバイスは、802.1D 専用デバイスと通信する場合、802.1D BPDU だけを使用します。MST デバイスは、MST デバイスと通信する場合、MST BPDU を使用します。

MST 用語

MST の命名規則には、内部パラメータまたはリージョナル パラメータの識別情報が含まれます。これらのパラメータは MST 領域内だけで使用され、ネットワーク全体で使用される外部パラメータと比較されます。CIST だけがネットワーク全体に広がるスパニングツリー インスタンスなので、CIST パラメータだけに外部修飾子が必要になり、修飾子またはリージョン修飾子は不要です。MST 用語を次に示します。

  • CIST ルートは CIST のルート ブリッジで、ネットワーク全体にまたがる一意のインスタンスです。

  • CIST 外部ルート パス コストは、CIST ルートまでのコストです。このコストは MST 領域内で変化しません。CIST には、MST 領域が単一のデバイスのように見えます。CIST 外部ルート パス コストは、この仮想デバイス、およびどの領域にも属さないデバイスの間で計算されるルート パス コストです。

  • CIST ルートが領域内にある場合、CIST リージョナル ルートは CIST ルートです。CIST ルートが領域内にない場合、CIST リージョナル ルートは領域内の CIST ルートに最も近いデバイスです。CIST リージョナル ルートは、IST のルート ブリッジとして動作します。

  • CIST 内部ルート パス コストは、領域内の CIST リージョナル ルートまでのコストです。このコストは、IST つまりインスタンス 0 だけに関連します。

ホップ カウント

MST リージョン内の STP トポロジを計算する場合、MST はコンフィギュレーション BPDU のメッセージ有効期間と最大エージング タイムの情報は使用しません。代わりに、ルートへのパス コストと、IP の存続可能時間(TTL)メカニズムに類似したホップ カウント メカニズムを使用します。

spanning-tree mst max-hops グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、領域内の最大ホップ数を設定し、IST およびその領域のすべての MSTI に適用できます。

ホップ カウントは、メッセージ エージ情報と同じ結果になります(再設定を開始)。インスタンスのルート ブリッジは、コストが 0 でホップ カウントが最大値に設定された BPDU(M レコード)を常に送信します。デバイスは、この BPDU を受信すると、受信した残存ホップ カウントから 1 を差し引き、生成する BPDU の残存ホップ カウントとしてこの値を伝播します。カウントがゼロに達すると、デバイスは BPDU を廃棄し、ポート用に維持されている情報をエージングします。

BPDU の 802.1w 部分に格納されているメッセージ有効期間および最大エージング タイムの情報は、領域全体で同じです(IST の場合のみ)。同じ値が、境界にある領域の指定ポートによって伝播されます。

最大エージング タイムは、デバイスがスパニングツリー設定メッセージを受信せずに再設定を試行するまで待機する秒数です。

境界ポート

境界ポートは、LAN に接続されたポートで、その代表ブリッジは、MST 設定が異なるブリッジ(つまり、別の MST 領域)、または Rapid PVST+ や 802.1D STP スイッチのいずれかです。指定ポートは、STP ブリッジを検出するか、設定が異なる MST ブリッジまたは Rapid PVST+ ブリッジから合意提案を受信すると、境界にあることを認識します。この定義では、領域内部の 2 つのポートが、別の領域に属するポートとセグメントを共有でき、そのため内部メッセージおよび外部メッセージの両方をポートで受信する可能性があります。

Figure 3. MST 境界ポート

境界では、MST ポートのロールは問題ではなく、そのステートは強制的に IST ポート ステートと同じに設定されます。境界フラグがポートに対してオンに設定されている場合、MST ポートのロールの選択処理では、ポートのロールが境界に割り当てられ、同じステートが IST ポートのステートとして割り当てられます。境界にある IST ポートでは、バックアップ ポートのロール以外のすべてのポートのロールを引き継ぐことができます。

単方向リンク障害の検出:MST

現在、IEEE MST 標準に単方向リンク障害の検出機能はありませんが、標準に準拠した実装には組み込まれています。この機能のベースとなるのは、異議メカニズムです。ソフトウェアは、受信した BPDU でポートのロールおよびステートの一貫性をチェックし、ブリッジング ループの原因となることがある単方向リンク障害を検出します。この機能は、異議メカニズムに基づいています。


Note


単方向リンク検出(UDLD)の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Interfaces Configuration Guide』を参照してください。


指定ポートは、矛盾を検出すると、そのロールを維持しますが、廃棄ステートに戻ります。一貫性がない場合は、接続を中断した方がブリッジング ループを解決できるからです。

Figure 4. 単一方向リンク障害の検出.

次の図に、ブリッジング ループの一般的な原因となる単方向リンク障害を示します。スイッチ A はルート ブリッジであり、スイッチ B へのリンクで BPDU は失われます。Rapid PVST+ (802.1w)および MST BPDU には、送信側ポートの役割と状態が含まれます。この情報により、スイッチ B は送信される上位 BPDU に対して反応せず、スイッチ B はルート ポートではなく指定ポートであることが、スイッチ A によって検出できます。この結果、スイッチ A は、そのポートをブロックし(またはブロックし続け)、ブリッジング ループが防止されます。

ポート コストとポート プライオリティ

スパニングツリーはポート コストを使用して、指定ポートを決定します。値が低いほど、ポート コストは小さくなります。スパニングツリーでは、最小のコスト パスが選択されます。デフォルト ポート コストは、次のように、インターフェイス帯域幅から取得されます。

  • 1 ギガビット イーサネット:20,000

  • 10 ギガビット イーサネット:2,000

  • 40 ギガビット イーサネット:500

ポート コストを設定すると、選択されるポートが影響を受けます。


Note


MST では常にロング パスコスト計算方式が使用されるため、有効値は 1 ~ 200,000,000 です。


コストが同じポートを差別化するために、ポート プライオリティが使用されます。値が小さいほど、プライオリティが高いことを示します。デフォルトのポートの優先順位は 128 です。プライオリティは、0 ~ 224 の間の値に、32 ずつ増やして設定できます。

IEEE 802.1D との相互運用性

MST を実行するデバイスでは組み込みプロトコル移行機能がサポートされ、802.1D STP デバイスとの相互運用が可能になります。このデバイスで 802.1D コンフィギュレーション BPDU(プロトコル バージョンが 0 に設定されている BPDU)を受信する場合、そのポート上の 802.1D BPDU のみが送信されます。また、MST デバイスは、802.1D BPDU、別の領域に関連する MST BPDU(バージョン 3)、802.1w BPDU(バージョン 2)のうちいずれかを受信すると、ポートが領域の境界にあることを検出できます。

ただし、このデバイスは、802.1D BPDU を受信しなくなっても、MST モードに自動的に戻りません。802.1D デバイスが指定デバイスでない場合、802.1D デバイスがリンクから削除されたかどうかを検出できないからです。このデバイスの接続先デバイスが領域に加わったとき、デバイスは境界ロールをポートに割り当て続けることもあります。

プロトコル移行プロセスを再開する(強制的に隣接デバイスと再ネゴシエーションさせる)には、clear spanning-tree detected-protocols コマンドを入力します。

リンク上にあるすべての Rapid PVST+ スイッチ(およびすべての 8021.D STP スイッチ)では、MST BPDU を 802.1w BPDU の場合と同様に処理できます。MST デバイスは、バージョン 0 設定とトポロジ変更通知(TCN)BPDU、またはバージョン 3 MST BPDU のどちらかを境界ポートで送信できます。境界ポートは LAN に接続します。つまり、単一スパニングツリー デバイスまたは MST 設定が異なるデバイスのいずれかである指定デバイスに接続します。

MST は、MST ポート上で先行標準 MSTP を受信するたびに、シスコの先行標準 MSTP と相互に動作します。明示的な設定は必要ありません。

また、インターフェイスを設定して、先行標準の MSTP メッセージを事前に送信することもできます。

MST のハイ アベイラビリティ

ソフトウェアは MST に対してハイ アベイラビリティをサポートしています。ただし、MST を再起動した場合、統計情報およびタイマーは復元されません。タイマーは最初から開始され、統計情報は 0 にリセットされます。

デバイスは、MST に対して中断のない完全アップグレードをサポートします。中断のないアップグレードとハイ アベイラビリティ機能の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide』を参照してください。

MST の前提条件

MST には次の前提条件があります。

  • デバイスにログインしていること。

MST の設定に関するガイドラインおよび制約事項


(注)  


VLAN/MSTI マッピングを変更すると、MST が再コンバージェンスされます。


MST 設定時のガイドラインと制約事項は次のとおりです。

  • MST 設定制限については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Verified Scalability Guide』を参照してください。

  • show コマンド(internal キーワード付き )はサポートされていません。

  • MST をイネーブルにする必要があります。Rapid PVST+ は、デフォルトのスパニングツリー モードです。

  • VLAN は、一度に 1 つの MST インスタンスに対してのみ割り当てることができます。

  • VLAN 3968 ~ 4095 は MST インスタンスにマッピングできません。これらの VLAN は、デバイスによる内部使用のために予約されています。

  • 1 つのデバイスに最大 65 個の MST インスタンスを設定できます。

  • デフォルトでは、すべての VLAN が MSTI 0(IST)にマッピングされます。

  • ロード バランスは、MST 領域の内部でのみ実行できます。

  • MSTI にマッピングされたすべての VLAN が、トランクによって伝送されているか、または伝送から除外されていることを確認します。

  • STP は常にイネーブルのままにしておきます。

  • タイマーは変更しないでください。ネットワークの安定性が低下することがあります。

  • ユーザ トラフィックを管理 VLAN から切り離し、管理 VLAN をユーザ データから分離します。

  • プライマリおよびセカンダリ ルート スイッチの場所として、ディストリビューション レイヤおよびコア レイヤを選択します。

  • ポート チャネリング:ポート チャネル バンドルは、単一ポートと見なされます。ポート コストは、そのチャネルに割り当てられている設定済みのすべてのポート コストの合計です。

  • VLAN を MSTI にマッピングすると、この VLAN が以前の MSTI から自動的に削除されます。

  • 1 つの MSTI に任意の個数の VLAN をマッピングできます。

  • Rapid PVST+ と MST クラウド、または PVST+ と MST クラウドとの間でロード バランシングを実現するには、すべての MST 境界ポートがフォワーディング ステートでなければなりません。MST クラウドの CIST リージョナル ルートが CST のルートでなければなりません。MST クラウドが複数の MST 領域で構成されている場合、MST 領域の 1 つに CST ルートが含まれていなければならず、その他のすべての MST 領域では MST クラウド内に含まれるルートへのパスが、Rapid PVST+ または PVST+ クラウドよりも良好なものでなければなりません。

  • ネットワークを多数の領域に分割しないでください。ただしこの状況を避けられない場合は、レイヤ 2 デバイスによって相互接続された、より小さい LAN にスイッチド LAN を分割することを推奨します。

  • MST 設定サブモードの場合、次の注意事項が適用されます。

    • 各コマンド参照行により、保留中のリージョン設定が作成されます。

    • 保留中のリージョン設定により、現在のリージョン設定が開始されます。

    • 変更をコミットすることなく MST コンフィギュレーション サブモードを終了するには、abort コマンドを入力します。

    • MST コンフィギュレーション サブモードを終了し、サブモードを終了する前に行ったすべての変更をコミットするには、exit または end コマンドを入力するか、または Ctrl + Z キーを押します。


(注)  


このソフトウェアは、MST に対して中断のない完全アップグレードをサポートします。


MST のデフォルト設定

次の表に、MST パラメータのデフォルト設定を示します。

Table 1. デフォルトの MST パラメータ

パラメータ

デフォルト

スパニングツリー

有効(Enabled)

スパニング ツリー モード

Rapid PVST+ がデフォルトでイネーブル

Caution

 

スパニングツリー モードを変更すると、すべてのスパニングツリー インスタンスが前のモードで停止して新規モードで開始されるため、トラフィックが中断されます。

名前

空の文字列

VLAN マッピング

すべての VLAN を CIST インスタンスにマッピング

改定

0

[インスタンス ID(Instance ID)]

インスタンス 0。VLAN 1 ~ 3967 はデフォルトでインスタンス 0 にマッピングされます。

MST 領域あたりの MSTI 数

65

ブリッジ プライオリティ(CIST ポート単位で設定可能)

32768

スパニングツリー ポート プライオリティ(CIST ポート単位で設定可能)

128

スパニングツリー ポート コスト(CIST ポート単位で設定可能)

Auto

デフォルトのポート コストは、次のように、ポート速度から判別されます。

  • 1 ギガビット イーサネット:20,000

  • 10 ギガビット イーサネット:2,000

  • 40 ギガビット イーサネット:500

hello タイム

2 秒

転送遅延時間

15 秒

最大エージング タイム

20 秒

最大ホップ カウント

20 ホップ

リンク タイプ

Auto

デフォルト リンク タイプは、次のようにデュプレックスから判別されます。

  • 全二重:ポイントツーポイント リンク

  • 半二重:共有リンク

MST の設定


Note


Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能のシスコ ソフトウェア コマンドは従来の Cisco IOS コマンドと異なる点があるため注意が必要です。


MST のイネーブル化(CLI バージョン)

MST をイネーブルにできます。デフォルトは、Rapid PVST+ です。


Note


スパニングツリー モードを変更すると、すべてのスパニングツリー インスタンスが前のモードで停止して新規モードで再開されるため、トラフィックが中断されます。


SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mode mst または no spanning-tree mode mst .
  3. exit
  4. (Optional) show running-config spanning-tree all
  5. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mode mst または no spanning-tree mode mst .

Example:

switch(config)# spanning-tree mode mst
  • spanning-tree mode mst

    デバイスの MST をイネーブルにします。

  • no spanning-tree mode mst

    デバイス上で MST をディセーブルにして、Rapid PVST+ に戻します。

Step 3

exit

Example:

switch(config)# exit
switch#

コンフィギュレーション モードを終了します。

Step 4

(Optional) show running-config spanning-tree all

Example:

switch# show running-config spanning-tree all
(Optional)

現在稼働している STP コンフィギュレーションを表示します。

Step 5

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次に、デバイス上で MST をイネーブルにする例を示します。

switch# config t
switch(config)# spanning-tree mode mst
switch(config)# exit
switch#

MST コンフィギュレーション モードの開始

デバイスに MST 名、VLAN/インスタンス マッピング、および MST リビジョン番号を設定するには、MST コンフィギュレーション モードを開始します。

複数のデバイスが同じ MST 領域内にある場合は、これらのデバイスの MST 名、VLAN/インスタンス マッピング、および MST リビジョン番号を同一にする必要があります。


Note


各コマンド参照行により、MST コンフィギュレーション モードで保留中の領域設定が作成されます。さらに、保留中の領域設定により、現在の領域設定が開始されます。


SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst configuration または no spanning-tree mst configuration
  3. exit または abort
  4. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst configuration または no spanning-tree mst configuration

Example:

switch(config)# spanning-tree mst configuration
switch(config-mst)#
  • spanning-tree mst configuration

    システム上で、MST 設定サブモードを開始します。次の MST 設定パラメータを割り当てるには、MST 設定サブモードを開始しておく必要があります。

    • MST 名

    • VLAN/MSTI マッピング

    • MST リビジョン番号

  • no spanning-tree mst configuration

    MST リージョン設定を次のデフォルト値に戻します。

    • 領域名は空の文字列になります。

    • VLAN は MSTI にマッピングされません(すべての VLAN は CIST インスタンスにマッピングされます)。

    • リビジョン番号は 0 です。

Step 3

exit または abort

Example:

switch(config-mst)# exit
switch(config)#
  • exit

    すべての変更をコミットし、MST 設定サブモードを終了します。

  • abort

    いずれの変更もコミットすることなく、MST 設定サブモードを終了します。

Step 4

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次に、デバイスで MST コンフィギュレーション サブモードを開始する例を示します。

switch# config t
switch(config)# spanning-tree mst configuration
switch(config-mst)# exit
switch(config)#

MST の名前の指定

ブリッジに領域名を設定できます。複数のブリッジが同じ MST 領域内にある場合は、これらのブリッジの MST 名、VLAN/インスタンス マッピング、および MST リビジョン番号を同一にする必要があります。

SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst configuration
  3. name name
  4. exit または abort
  5. (Optional) show spanning-tree mst configuration
  6. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst configuration

Example:

switch(config)# spanning-tree mst configuration
switch(config-mst)#

MST コンフィギュレーション サブモードを開始します。

Step 3

name name

Example:

switch(config-mst)# name accounting

MST 領域の名前を指定します。name 文字列の最大の長さは 32 文字であり、大文字と小文字が区別されます。デフォルトは空の文字列です。

Step 4

exit または abort

Example:

switch(config-mst)# exit
switch(config)#
  • exit

    すべての変更をコミットし、MST 設定サブモードを終了します。

  • abort

    いずれの変更もコミットすることなく、MST 設定サブモードを終了します。

Step 5

(Optional) show spanning-tree mst configuration

Example:

switch# show spanning-tree mst configuration
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 6

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次の例は、MST リージョンの名前の設定方法を示しています。

switch# config t
switch(config)#  spanning-tree mst configuration
switch(config-mst)# name accounting
switch(config-mst)# exit
switch(config)#

MST 設定のリビジョン番号の指定

リビジョン番号は、ブリッジ上に設定します。複数のブリッジが同じ MST 領域内にある場合は、これらのブリッジの MST 名、VLAN/インスタンス マッピング、および MST リビジョン番号を同一にする必要があります。

SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst configuration
  3. revision version
  4. exit または abort
  5. (Optional) show spanning-tree mst configuration
  6. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst configuration

Example:

switch(config)# spanning-tree mst configuration
switch(config-mst)#

MST コンフィギュレーション サブモードを開始します。

Step 3

revision version

Example:

switch(config-mst)# revision 5

MST リージョンのリビジョン番号を指定します。範囲は 0 ~ 65535 で、デフォルト値は 0 です。

Step 4

exit または abort

Example:

switch(config-mst)# exit
switch(config)#
  • exit

    すべての変更をコミットし、MST 設定サブモードを終了します。

  • abort

    いずれの変更もコミットすることなく、MST 設定サブモードを終了します。

Step 5

(Optional) show spanning-tree mst configuration

Example:

switch# show spanning-tree mst configuration
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 6

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次に、MSTI 領域のリビジョン番号を 5 に設定する例を示します。

switch# config t
switch(config)# spanning-tree mst configuration
switch(config-mst)# revision 5
switch(config-mst)# 

MST リージョンでの設定の指定

2 台以上のデバイスを同一 MST 領域内に存在させるには、同じ VLAN からインスタンスへのマッピング、同じ構成リビジョン番号、および同じ MST の名前が設定されている必要があります。

領域には、同じ MST 設定の 1 つのメンバまたは複数のメンバを存在させることができます。各メンバでは、IEEE 802.1w RSTP BPDU を処理できる必要があります。ネットワーク内の MST リージョンには、数の制限はありませんが、各リージョンでは、最大 65 までのインスタンスをサポートできます。VLAN は、一度に 1 つの MST インスタンスに対してのみ割り当てることができます。

SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst configuration
  3. instance instance-id vlan vlan-range
  4. name name
  5. revision version
  6. exit または abort
  7. show spanning-tree mst configuration
  8. copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst configuration

Example:

switch(config)# spanning-tree mst configuration
switch(config-mst)#

MST コンフィギュレーション サブモードを開始します。

Step 3

instance instance-id vlan vlan-range

Example:

switch(config-mst)# instance 1 vlan 10-20

VLAN を MST インスタンスにマッピングする手順は、次のとおりです。

  • instance-id の範囲は 1 ~ 4094 です。

  • vlan の場合 vlan-range の範囲は 1 ~ 3967 です。VLAN を MSTI にマップする場合、マッピングは増加され、コマンドに指定した VLAN は、以前マッピングした VLAN に追加されるか、そこから削除されます。

VLAN 範囲を指定する場合は、ハイフンを使用します。たとえば、instance 1 vlan 1-63 とコマンドを入力すると、MST インスタンス 1 に VLAN 1 ~ 63 がマッピングされます。

複数の VLAN を指定する場合はカンマで区切ります。たとえば、instance 1 vlan 10, 20, 30 と指定すると、MST インスタンス 1 に VLAN 10、20、および 30 がマッピングされます。

Step 4

name name

Example:

switch(config-mst)# name region1

インスタンス名を指定します。name ストリングには最大 32 文字まで使用でき、大文字と小文字が区別されます。

Step 5

revision version

Example:

switch(config-mst)# revision 1

設定リビジョン番号を指定します。範囲は 0 ~ 65535 です。

Step 6

exit または abort

Example:

switch(config-mst)# exit
switch(config)#
  • exit

    すべての変更をコミットし、MST 設定サブモードを終了します。

  • abort

    いずれの変更もコミットすることなく、MST 設定サブモードを終了します。

Step 7

show spanning-tree mst configuration

Example:

switch# show spanning-tree mst configuration

(任意)MST 設定を表示します。

Step 8

copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config

(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次の例は、MST コンフィギュレーション モードを開始し、VLAN 10 ~ 20 を MSTI 1 にマッピングし、リージョンに region1 という名前を付けて、設定リビジョンを 1 に設定し、保留中の設定を表示し、変更を適用してグローバル コンフィギュレーション モードに戻る方法を示しています。

switch# config t
switch(config)# spanning-tree mst configuration
switch(config-mst)# instance 1 vlan 10-20
switch(config-mst)# name region1
switch(config-mst)# revision 1
switch(config-mst#) exit
switch(config)# show spanning-tree mst configuration

Name      [region1]
Revision  1
Instances configured 2
Instance  Vlans Mapped
--------  ---------------------
0         1-9,21-4094
1         10-20
-------------------------------
switch(config)# 

VLAN と MST インスタンスのマッピングおよびマッピング解除(CLI バージョン)

複数のブリッジが同じ MST 領域内にある場合は、これらのブリッジの MST 名、VLAN/インスタンス マッピング、および MST リビジョン番号を同一にする必要があります。

VLAN 3968 ~ 4095 は MST インスタンスにマッピングできません。これらの VLAN は、デバイスによる内部使用のために予約されています。


Note


VLAN/MSTI マッピングを変更すると、MST が再コンバージェンスされます。



Note


MSTI はディセーブルにできません。


SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst configuration
  3. instance instance-id vlan vlan-range or no instance instance-id vlan vlan-range
  4. exit または abort
  5. (Optional) show spanning-tree mst configuration
  6. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst configuration

Example:

switch(config)# spanning-tree mst configuration
switch(config-mst)#

MST コンフィギュレーション サブモードを開始します。

Step 3

instance instance-id vlan vlan-range or no instance instance-id vlan vlan-range

Example:

switch(config-mst)# instance 3 vlan 200
  • instance instance-id vlan vlan-range

    VLAN を MST インスタンスにマッピングする手順は、次のとおりです。

    • instance_id の範囲は 1 ~ 4094 です。インスタンス 0 は、各 MST リージョンでの IST 用に予約されています。

    • vlan-range の範囲は 1 ~ 3967 です。

      VLAN を MSTI にマッピングすると、マッピングは差分で実行され、コマンドで指定された VLAN が、以前マッピングされた VLAN に追加または VLAN から削除されます。

  • no instance instance-id vlan vlan-range

    指定したインスタンスを削除し、VLAN を、デフォルト MSTI である CIST に戻します。

Step 4

exit または abort

Example:

switch(config-mst)# exit
switch(config)#
  • exit

    すべての変更をコミットし、MST 設定サブモードを終了します。

  • abort

    いずれの変更もコミットすることなく、MST 設定サブモードを終了します。

Step 5

(Optional) show spanning-tree mst configuration

Example:

switch# show spanning-tree mst configuration
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 6

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次の例は、VLAN 200 を MSTI 3 にマッピングする方法を示しています。

switch# config t 
switch(config)# spanning-tree mst configuration
switch(config-mst)# instance 3 vlan 200
switch(config-mst)# exit
switch(config)# 

ルート ブリッジの設定

MST ルート ブリッジになるデバイスを設定できます。

spanning-tree vlan vlan_ID primary root ルート ブリッジになるために必要な値が 4096 より小さい場合は、このコマンドは機能しません。ソフトウェアでブリッジ プライオリティをそれ以上低くできない場合、デバイスは次のメッセージを返します。

Error: Failed to set root bridge for VLAN 1
It may be possible to make the bridge root by setting the priority
for some (or all) of these instances to zero.

Note


各 MSTI のルート ブリッジは、バックボーンまたはディストリビューション デバイスである必要があります。アクセス デバイスは、スパニングツリーのプライマリ ルート ブリッジとして設定しないでください。


diameterを入力します レイヤ 2 ネットワークの直径(レイヤ 2 ネットワーク上の任意の 2 台の端末間における最大レイヤ 2 ホップ カウント)を指定するには、MSTI 0(IST)専用のキーワードを入力します。ネットワーク直径を指定すると、デバイスは、その直径のネットワークで最適な hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムを自動的に設定し、これによって収束時間が大幅に短縮されます。hello キーワードを使用して、自動的に計算される hello タイムをオーバーライドできます。


Note


ルート ブリッジとして設定されたデバイスで、以下のコマンドを使用して、hello タイム、転送遅延時間、最大エージング タイムを手動で設定しないでください。spanning-tree mst hello-timespanning-tree mst forward-time、および spanning-tree mst max-age グローバル コンフィギュレーション コマンド。


SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst instance-id root {primary | secondary} [diameter dia [hello-time hello-time]] or no spanning-tree mst instance-id root
  3. exit または abort
  4. (Optional) show spanning-tree mst
  5. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst instance-id root {primary | secondary} [diameter dia [hello-time hello-time]] or no spanning-tree mst instance-id root

Example:

switch(config)# spanning-tree mst 5 root primary
  • spanning-tree mst instance-id root {primary | secondary} [diameter dia [hello-time hello-time]]

    次のようにルート ブリッジとしてデバイスを設定します。

    • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定します。範囲は 1 ~ 4094 です。

    • diameter net-diameter には、任意の 2 つのエンド ステーション間にレイヤ 2 ホップの最大数を指定します。デフォルトは 7 です。このキーワードは、MSTI インスタンス 0 の場合にのみ使用できます。

    • hello-time には seconds には、ルート ブリッジが設定メッセージを生成するインターバルを秒単位で指定します。有効範囲は 1 ~ 10 秒で、デフォルトは 2 秒です。

  • no spanning-tree mst instance-id root

    スイッチのプライオリティ、範囲、hello タイムをデフォルト値に戻します。

Step 3

exit または abort

Example:

switch(config)# exit
switch#
  • exit

    すべての変更をコミットし、MST 設定サブモードを終了します。

  • abort

    いずれの変更もコミットすることなく、MST 設定サブモードを終了します。

Step 4

(Optional) show spanning-tree mst

Example:

switch# show spanning-tree mst
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 5

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次に、デバイスを MSTI 5 のルート スイッチに設定する例を示します。

switch# config t
switch(config)# spanning-tree mst 5 root primary
switch(config)# exit
switch(config)# 

MST セカンダリ ルート ブリッジの設定

複数のバックアップ ルート ブリッジを設定するには、複数のデバイスでこのコマンドを使用します。spanning-tree mst root primary グローバル コンフィギュレーション コマンドでプライマリ ルート ブリッジを設定したときに使用したのと同じネットワーク直径と hello タイムの値を入力します。

SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst instance-id root {primary | secondary} [diameter dia[hello-time hello-time]] or no spanning-tree mst instance-id root
  3. exit
  4. (Optional) show spanning-tree mst
  5. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst instance-id root {primary | secondary} [diameter dia[hello-time hello-time]] or no spanning-tree mst instance-id root

Example:

switch(config)# spanning-tree mst 5 root secondary
  • spanning-tree mst instance-id root {primary | secondary} [diameter dia[hello-time hello-time]]

    次のようにセカンダリ ルート ブリッジとしてデバイスを設定します。

    • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。範囲は 1 ~ 4094 です。

    • diameter net-diameter には、任意の 2 つのエンド ステーション間にレイヤ 2 ホップの最大数を指定します。デフォルトは 7 です。このキーワードは、MSTI インスタンス 0 の場合にのみ使用できます。

    • hello-time には seconds には、ルート ブリッジが設定メッセージを生成するインターバルを秒単位で指定します。有効範囲は 1 ~ 10 秒で、デフォルトは 2 秒です。

  • no spanning-tree mst instance-id root

    スイッチのプライオリティ、範囲、hello タイムをデフォルト値に戻します。

Step 3

exit

Example:

switch# exit
switch(config)#

コンフィギュレーション モードを終了します。

Step 4

(Optional) show spanning-tree mst

Example:

switch# show spanning-tree mst
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 5

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次に、デバイスを MSTI 5 のセカンダリ ルートスイッチに設定する例を示します。

switch# config t
switch(config)# spanning-tree mst 5 root secondary
switch(config)# exit
switch#

MST スイッチ プライオリティの設定

MST インスタンスのスイッチ プライオリティを設定し、指定デバイスがルート ブリッジとして選択される可能性を高めることができます。


Note


spanning-tree mst priority コマンドを使用するときは注意してください。 コマンドを使用します。ほとんどの場合、spanning-tree mst root primaryを入力することを推奨します。 および spanning-tree mst root secondary スイッチ プライオリティを変更するためにグローバル設定コマンドを使用します。


SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst instance-id priority priority-value
  3. exit
  4. (Optional) show spanning-tree mst
  5. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst instance-id priority priority-value

Example:

switch(config)# spanning-tree mst 5 priority 4096

次のようにデバイス プライオリティを設定します。

  • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。範囲は 1 ~ 4094 です。

  • priority-value の範囲は 0 ~ 61440 で、4096 ずつ増加します。デフォルト値は 32768 です。数値を小さくすると、ルート ブリッジとしてデバイスが選択される可能性が高くなります。

    使用可能な値は、0、4096、8192、12288、16384、20480、24576、28672、32768、36864、40960、45056、49152、53248、57344、61440 です。システムでは、他のすべての値が拒否されます。

Step 3

exit

Example:

switch(config)# exit
switch#

コンフィギュレーション モードを終了します。

Step 4

(Optional) show spanning-tree mst

Example:

switch# show spanning-tree mst
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 5

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次の例は、MSTI 5 のブリッジのプライオリティを 4096 に設定する方法を示しています。

switch# config t
switch(config)# spanning-tree mst 5 priority 4096
switch(config)# exit
switch# 

MST ポート プライオリティの設定

ループが発生する場合、MST は、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択するとき、ポート プライオリティを使用します。最初に選択させるインターフェイスには低いプライオリティの値を割り当て、最後に選択させるインターフェイスには高いプライオリティの値を割り当てることができます。すべてのインターフェイスのプライオリティ値が同一である場合、MST はインターフェイス番号が最も低いインターフェイスをフォワーディング ステートにして、その他のインターフェイスをブロックします。

SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. interface {{type slot/port} | {port-channel number}}
  3. spanning-tree mst instance-id port-priority priority
  4. exit
  5. (Optional) show spanning-tree mst
  6. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

interface {{type slot/port} | {port-channel number}}

Example:

switch(config)# interface ethernet 3/1
switch(config-if)# 

設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

Step 3

spanning-tree mst instance-id port-priority priority

Example:

switch(config-if)# spanning-tree mst 3 port-priority 64

次のように、ポートのプライオリティを設定します。

  • instance-id には、1 つの MSTI、それぞれをハイフンで区切った MSTI の範囲、またはカンマで区切った一連の MSTI を指定できます。範囲は 1 ~ 4094 です。

  • priority の範囲は 0 ~ 224 で、32 ずつ増加します。デフォルト値は 128 です。値が小さいほど、プライオリティが高いことを示します。

    プライオリティ値は、0、32、64、96、128、160、192、224 です。システムでは、他のすべての値が拒否されます。

Step 4

exit

Example:

switch(config-if)# exit
switch(config)#

インターフェイス モードを終了します。

Step 5

(Optional) show spanning-tree mst

Example:

switch# show spanning-tree mst
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 6

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次の例は、イーサネット ポート 3/1 で MSTI 3 の MST インターフェイス ポート プライオリティを 64 に設定する方法を示しています。

switch# config t
switch(config)# interface ethernet 3/1
switch(config-if)# spanning-tree mst 3 port-priority 64
switch(config-if)# exit
switch(config)# 

MST ポート コストの設定

MST ポート コストのデフォルト値は、インターフェイスのメディア速度から抽出されます。ループが発生した場合、MST は、コストを使用して、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択します。最初に選択させるインターフェイスには小さいコストの値を割り当て、最後に選択させるインターフェイスの値には大きいコストを割り当てることができます。すべてのインターフェイスのコスト値が同一である場合、MST はインターフェイス番号が最も低いインターフェイスをフォワーディング ステートにして、その他のインターフェイスをブロックします。


Note


MST はロング パスコスト計算方式を使用します。


SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. interface {{type slot/port} | {port-channel number}}
  3. spanning-tree mst instance-id cost {cost | auto}
  4. exit
  5. (Optional) show spanning-tree mst
  6. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

interface {{type slot/port} | {port-channel number}}

Example:

switch# config t
switch(config)# interface ethernet 3/1
switch(config-if)# 

設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

Step 3

spanning-tree mst instance-id cost {cost | auto}

Example:

switch(config-if)# spanning-tree mst 4 cost 17031970

コストを設定します。

ループが発生した場合、MST はパス コストを使用して、フォワーディング ステートにするインターフェイスを選択します。パス コストが小さいほど、送信速度が速いことを示します。

  • instance-id には、単一のインスタンス、ハイフンで区切られた範囲のインスタンス、またはカンマで区切られた一連のインスタンスを指定できます。範囲は 1 ~ 4094 です。

  • cost の範囲は 1 ~ 200000000 です。デフォルト値は auto で、インターフェイスのメディア速度から取得されるものです。

Step 4

exit

Example:

switch(config-if)# exit
switch(config)#

インターフェイス モードを終了します。

Step 5

(Optional) show spanning-tree mst

Example:

switch# show spanning-tree mst
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 6

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次の例は、イーサネット ポート 3/1 で MSTI 4 の MST インターフェイス ポート コストを設定する方法を示しています。

switch# config t
switch(config)# interface ethernet 3/1
switch(config-if)# spanning-tree mst 4 cost 17031970
switch(config-if)# exit
switch(config)# 

MST hello タイムの設定

デバイス上のすべてのインスタンスに対してルート ブリッジが作成する設定メッセージの間隔を設定するには、hello タイムを変更します。


Note


spanning-tree mst hello-time コマンドを使用するときは注意してください。ほとんどの場合、hello タイムを変更するには、spanning-tree mst instance-id root primary および spanning-tree mst instance-id root secondary のグローバル コンフィギュレーション コマンドの使用を推奨します。


SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst hello-time seconds
  3. exit
  4. (Optional) show spanning-tree mst
  5. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst hello-time seconds

Example:

switch(config)# spanning-tree mst hello-time 1

すべての MST インスタンスについて、hello タイムを設定します。hello タイムは、ルート ブリッジが設定メッセージを生成する時間です。これらのメッセージは、デバイスが動作していることを示します。seconds の範囲は 1 ~ 10 で、デフォルトは 2 秒です。

Step 3

exit

Example:

switch(config)# exit
switch#

コンフィギュレーション モードを終了します。

Step 4

(Optional) show spanning-tree mst

Example:

switch# show spanning-tree mst
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 5

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次に、デバイスの hello タイムを 1 秒に設定する例を示します。

switch# config t
switch(config)# spanning-tree mst hello-time 1
switch(config)# exit
switch# 

MST 転送遅延時間の設定

デバイスのすべての MST インスタンスの転送遅延時間を 1 つのコマンドで設定できます。

SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst forward-time seconds
  3. exit
  4. (Optional) show spanning-tree mst
  5. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst forward-time seconds

Example:

switch(config)# spanning-tree mst forward-time 10

すべての MST インスタンスについて、転送時間を設定します。転送遅延は、スパニングツリー ブロッキング ステートとラーニング ステートからフォワーディング ステートに変更する前に、ポートが待つ秒数です。seconds の範囲は 4 ~ 30 で、デフォルトは 15 秒です。

Step 3

exit

Example:

switch(config)# exit
switch#

コンフィギュレーション モードを終了します。

Step 4

(Optional) show spanning-tree mst

Example:

switch# show spanning-tree mst
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 5

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次に、デバイスの転送遅延時間を 10 秒に設定する例を示します。

switch# config t
switch(config)# spanning-time mst forward-time 10
switch(config)# exit
switch# 

MST 最大エージング タイムの設定

デバイスのすべての MST インスタンスの最大エージング タイマーを 1 つのコマンドで設定できます(最大エージング タイムが適用されるのは IST のみです)。

最大エージング タイマーは、デバイスがスパニングツリー設定メッセージを受信せずに再設定を試行するまで待機する秒数です。

SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst max-age seconds
  3. exit
  4. (Optional) show spanning-tree mst
  5. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst max-age seconds

Example:

switch(config)# spanning-tree mst max-age 40

すべての MST インスタンスについて、最大経過時間を設定します。最大エージング タイムは、デバイスがスパニングツリー設定メッセージを受信せずに再設定を試行するまで待機する秒数です。seconds の範囲は 6 ~ 40 で、デフォルトは 20 秒です。

Step 3

exit

Example:

switch(config)# exit
switch#

コンフィギュレーション モードを終了します。

Step 4

(Optional) show spanning-tree mst

Example:

switch# show spanning-tree mst
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 5

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次に、デバイスの最大エージング タイマーを 40 秒に設定する例を示します。

switch# config t
switch(config)# spanning-tree mst max-age 40
switch(config)# exit
switch# 

MST 最大ホップ カウントの設定

領域内の最大ホップを設定し、それをその領域内にある IST およびすべての MST インスタンスに適用できます。MST では、IST リージョナル ルートへのパス コストと、IP の存続可能時間(TTL)メカニズムに類似したホップ カウント メカニズムが、使用されます。ホップ カウントを設定すると、メッセージ エージ情報を設定するのと同様の結果が得られます(再構成の開始時期を決定します)。

SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. spanning-tree mst max-hops hop-count
  3. exit
  4. (Optional) show spanning-tree mst
  5. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

spanning-tree mst max-hops hop-count

Example:

switch(config)# spanning-tree mst max-hops 40

BPDU が廃棄され、ポートに維持されていた情報が期限切れになるまでの、領域内でのホップ カウントを指定します。hop-count の範囲は 1 ~ 255 で、デフォルト値は 20 ホップです。

Step 3

exit

Example:

switch(config-mst)# exit
switch#

コンフィギュレーション モードを終了します。

Step 4

(Optional) show spanning-tree mst

Example:

switch# show spanning-tree mst
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 5

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次の例は、最大ホップ カウントを 40 に設定する方法を示しています。

switch# config t
switch(config)# spanning-tree mst max-hops 40
switch(config)# exit
switch# 

先行標準 MSTP メッセージを事前に送信するインターフェイスの設定(CLI バージョン)

デフォルトで、MST を実行中のデバイス上のインターフェイスは、別のインターフェイスから先行標準 MSTP メッセージを受信したあと、標準ではなく先行標準の MSTP メッセージを送信します。インターフェイスを設定して、先行標準の MSTP メッセージを事前に送信できます。つまり、指定されたインターフェイスは、先行標準 MSTP メッセージの受信を待機する必要がなく、この設定のインターフェイスは常に先行標準 MSTP メッセージを送信します。

SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. interface type slot/port
  3. spanning-tree mst pre-standard
  4. exit
  5. (Optional) show spanning-tree mst
  6. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

interface type slot/port

Example:

switch(config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)#

設定するインターフェイスを指定します。インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

Step 3

spanning-tree mst pre-standard

Example:

switch(config-if)# spanning-tree mst pre-standard

インターフェイスが MSTP 標準形式ではなく、先行標準形式の MSTP メッセージを常に送信するように指定します。

Step 4

exit

Example:

switch(config-if)# exit
switch(config)#

インターフェイス モードを終了します。

Step 5

(Optional) show spanning-tree mst

Example:

switch# show spanning-tree mst
(Optional)

MST の設定を表示します。

Step 6

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次に、MSTP メッセージを常に先行標準形式で送信するように、MST インターフェイスを設定する例を示します。

switch# config t                    
switch (config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)# spanning-tree mst pre-standard
switch(config-if)# exit 
switch(config)#

MST のリンク タイプの指定(CLI バージョン)

Rapid の接続性(802.1w 規格)は、ポイントツーポイントのリンク上でのみ確立されます。リンク タイプは、デフォルトでは、インターフェイスのデュプレックス モードから制御されます。全二重ポートはポイントツーポイント接続であると見なされ、半二重ポートは共有接続であると見なされます。

リモート デバイスの単一ポートに、ポイントツーポイントで物理的に接続されている半二重リンクがある場合、リンク タイプのデフォルト設定を上書きして高速移行をイネーブルにできます。

リンクを共有に設定すると、STP は 802.1D にフォール バックします。

SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. interface type slot/port
  3. spanning-tree link-type {auto | point-to-point | shared}
  4. exit
  5. (Optional) show spanning-tree
  6. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

interface type slot/port

Example:

switch(config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)#

設定するインターフェイスを指定します。インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

Step 3

spanning-tree link-type {auto | point-to-point | shared}

Example:

switch(config-if)# spanning-tree link-type point-to-point

リンク タイプを、ポイントツーポイント インクまたは共有リンクに設定します。デフォルト値はデバイス接続から読み取られ、半二重リンクは共有、全二重リンクはポイントツーポイントです。リンク タイプが共有の場合、STP は 802.1D にフォール バックします。デフォルトは auto で、インターフェイスのデュプレックス設定に基づいてリンク タイプが設定されます。

Step 4

exit

Example:

switch(config-if)# exit
switch(config)#

インターフェイス モードを終了します。

Step 5

(Optional) show spanning-tree

Example:

switch# show spanning-tree
(Optional)

STP の設定を表示します。

Step 6

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

Example

次の例は、リンク タイプをポイントツーポイント リンクとして設定する方法を示しています。

switch# config t
switch (config)# interface ethernet 1/4
switch(config-if)# spanning-tree link-type point-to-point
switch(config-if)# exit
switch(config)# 

MST 用のプロトコルの再初期化

MST ブリッジでは、レガシー BPDU または異なるリージョンに関連付けられている MST BPDU を受信するときに、ポートがリージョンの境界にあることを検出できます。ただし、STP プロトコルを移行しても、レガシー デバイス(IEEE 802.1D だけが稼働するデバイス)が代表スイッチでないかぎり、レガシー デバイスがリンクから削除されたかどうかを判別することはできません。デバイス全体で、または指定されたインターフェイスでプロトコル ネゴシエーションを再初期化する(ネイバー デバイスとの再ネゴシエーションを強制的に行う)には、次のコマンドを入力します。

SUMMARY STEPS

  1. clear spanning-tree detected-protocol [interface interface [interface-num | port-channel]]

DETAILED STEPS

Command or Action Purpose

clear spanning-tree detected-protocol [interface interface [interface-num | port-channel]]

Example:

switch# clear spanning-tree detected-protocol

デバイス全体または指定されたインターフェイスで、MST を再初期化します。

Example

次に、スロット 2 のイーサネット インターフェイスのポート 8 で、MST を再初期化する例を示します。

switch# clear spanning-tree detected-protocol interface ethernet 2/8

MST の設定の確認

MST 設定情報を表示するには、次のいずれかの作業を実行します。

コマンド

目的

show running-config spanning-tree [all]

STP 情報を表示します。

show spanning-tree mst configuration

MST 情報を表示します。

show spanning-tree mst [detail]

MST インスタンスの情報を表示します。

show spanning-tree mstinstance-id [detail]

指定された MST インスタンスに関する情報を表示します。

show spanning-tree mst instance-id interface {ethernet slot/port | port-channel channel-number} [detail]

指定したインターフェイスおよびインスタンスの MST 情報を表示します。

show spanning-tree summary

STP の概要を表示します。

show spanning-tree detail

STP の詳細を表示します。

show spanning-tree {vlan vlan-id | interface {[ethernet slot/port] | [port-channel channel-number]}} [detail]

VLAN またはインターフェイス単位の STP 情報を表示します。

show spanning-tree vlan vlan-id bridge

STP ブリッジの情報を表示します。

MST 統計情報の表示およびクリア(CLI バージョン)

MST 設定情報を表示するには、次のいずれかの作業を実行します。

コマンド

目的

clear spanning-tree counters [ interface type slot/port | vlanvlan-id]

STP のカウンタをクリアします。

show spanning-tree {vlan vlan-id | interface {[ethernet slot/port] | [port-channelchannel-number]}} detail

送受信された BPDU などの STP 情報を、インターフェイスまたは VLAN 別に表示します。

MST の設定例

次に、MST を設定する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# spanning-tree mode mst
switch(config)# spanning-tree port type edge bpduguard default
switch(config)# spanning-tree port type edge bpdufilter default
switch(config)# spanning-tree port type network default
switch(config)# spanning-tree mst 0-64 priority 24576
switch(config)# spanning-tree mst configuration
switch(config-mst)# name cisco_region_1
switch(config-mst)# revision 2
switch(config-mst)# instance 1 vlan 1-21
switch(config-mst)# instance 2 vlan 22-42
switch(config-mst)# instance 3 vlan 43-63
switch(config-mst)# instance 4 vlan 64-84
switch(config-mst)# instance 5 vlan 85-105
switch(config-mst)# instance 6 vlan 106-126
switch(config-mst)# instance 6 vlan 106-126
switch(config-mst)# instance 7 vlan 127-147
switch(config-mst)# instance 8 vlan 148-168
switch(config-mst)# instance 9 vlan 169-189
switch(config-mst)# instance 10 vlan 190-210
switch(config-mst)# instance 11 vlan 211-231
switch(config-mst)# instance 12 vlan 232-252
switch(config-mst)# instance 13 vlan 253-273
switch(config-mst)# instance 14 vlan 274-294
switch(config-mst)# instance 15 vlan 295-315
switch(config-mst)# instance 16 vlan 316-336
switch(config-mst)# instance 17 vlan 337-357
switch(config-mst)# instance 18 vlan 358-378
switch(config-mst)# instance 19 vlan 379-399
switch(config-mst)# instance 20 vlan 400-420
switch(config-mst)# instance 21 vlan 421-441
switch(config-mst)# instance 22 vlan 442-462
switch(config-mst)# instance 23 vlan 463-483
switch(config-mst)# instance 24 vlan 484-504
switch(config-mst)# instance 25 vlan 505-525
switch(config-mst)# instance 26 vlan 526-546
switch(config-mst)# instance 27 vlan 547-567
switch(config-mst)# instance 28 vlan 568-588
switch(config-mst)# instance 29 vlan 589-609
switch(config-mst)# instance 30 vlan 610-630
switch(config-mst)# instance 31 vlan 631-651
switch(config-mst)# instance 32 vlan 652-672
switch(config-mst)# instance 33 vlan 673-693
switch(config-mst)# instance 34 vlan 694-714
switch(config-mst)# instance 35 vlan 715-735
switch(config-mst)# instance 36 vlan 736-756
switch(config-mst)# instance 37 vlan 757-777
switch(config-mst)# instance 38 vlan 778-798
switch(config-mst)# instance 39 vlan 799-819
switch(config-mst)# instance 40 vlan 820-840
switch(config-mst)# instance 41 vlan 841-861
switch(config-mst)# instance 42 vlan 862-882
switch(config-mst)# instance 43 vlan 883-903
switch(config-mst)# instance 44 vlan 904-924
switch(config-mst)# instance 45 vlan 925-945
switch(config-mst)# instance 46 vlan 946-966
switch(config-mst)# instance 47 vlan 967-987
switch(config-mst)# instance 48 vlan 988-1008
switch(config-mst)# instance 49 vlan 1009-1029
switch(config-mst)# instance 50 vlan 1030-1050
switch(config-mst)# instance 51 vlan 1051-1071
switch(config-mst)# instance 52 vlan 1072-1092
switch(config-mst)# instance 53 vlan 1093-1113
switch(config-mst)# instance 54 vlan 1114-1134
switch(config-mst)# instance 55 vlan 1135-1155
switch(config-mst)# instance 56 vlan 1156-1176
switch(config-mst)# instance 57 vlan 1177-1197
switch(config-mst)# instance 58 vlan 1198-1218
switch(config-mst)# instance 59 vlan 1219-1239
switch(config-mst)# instance 60 vlan 1240-1260
switch(config-mst)# instance 61 vlan 1261-1281
switch(config-mst)# instance 62 vlan 1282-1302
switch(config-mst)# instance 63 vlan 1303-1323
switch(config-mst)# instance 64 vlan 1324-1344
switch(config-mst)# exit

switch(config)# interface ethernet 3/1
switch(config-if)# switchport
switch(config-if)# no shutdown
switch(config-if)# spanning-tree port type edge
switch(config-if)# exit

switch(config)# interface ethernet 3/2
switch(config-if)# switchport
switch(config-if)# switchport mode trunk
switch(config-if)# no shutdown
switch(config-if)# spanning-tree guard root
switch(config-if)# exit
switch(config)#

MST の追加情報(CLI バージョン)

関連資料

関連項目

マニュアル タイトル

レイヤ 2 インターフェイス

『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Interfaces Configuration Guide』

NX-OS の基礎

『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide』

高可用性

『Cisco Nexus 9000 Series High Availability and Redundancy Guide』

システム管理

『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS System Management Configuration Guide』

標準

標準

タイトル

IEEE 802.1Q-2006(旧称 IEEE 802.1s)、IEEE 802.1D-2004(旧称 IEEE 802.1w)、IEEE 802.1D、IEEE 802.1t

MIB

MIB

MIB のリンク

CISCO-STP-EXTENSION-MIB

BRIDGE-MIB

MIB を検索およびダウンロードするには、次の URL にアクセスしてください。

ftp://ftp.cisco.com/pub/mibs/supportlists/nexus9000/Nexus9000MIBSupportList.html