VTP の設定

VTP の概要

サポートされている VTP は、VTP バージョン 1 および 2 です。


(注)  


実際に VLAN を作成せずに VLAN を設定できます。詳細については、VLAN 作成前の VLAN 設定を参照してください。


VTP

VTP は、VTP ドメイン内の VLAN の追加、削除、名前変更を管理することで VLAN の一貫性を維持する、レイヤ 2 メッセージング プロトコルです。VTP ドメインは、同じ VTP ドメイン名を共有し、トランク インターフェイスを使用して接続される、1 つ以上のネットワーク装置で構成されます。各ネットワーク装置は、1 つの VTP ドメインだけに属することができます。

レイヤ 2 トランク インターフェイス、レイヤ 2 ポート チャネル、および仮想ポート チャネル(vPC)は、VTP 機能をサポートしています。

VTP は、デフォルトではデバイスでディセーブルになっています。VTP をイネーブルにして設定するには、コマンドライン インターフェイス(CLI)を使用します。VTP をディセーブルにすると、デバイスで VTP プロトコル パケットが中継されません。


Note


VTP は Cisco Nexus 9000 シリーズ デバイスでトランスペアレント モードだけで動作し、デバイス全体に VTP ドメインを拡張できます。


デバイスが VTP トランスペアレント モードの場合、デバイスはトランク ポート上で受信したすべての VTP プロトコル パケットを他のすべてのトランク ポートに中継します。VTP トランスペアレント モードの VLAN を作成または変更するとき、それらの VLAN の変更は、ローカル デバイスだけに影響します。VTP トランスペアレント ネットワーク デバイスは、VLAN 設定をアドバタイズせず、受信したアドバタイズに基づいて同期化することもありません。


Note


ネットワークで VTP がサポートされている場合、スイッチの相互接続に使用されるすべてのトランク ポートで VLAN 1 が必要です。これらのポートのいずれかから VLAN 1 をディセーブルにすると、VTP は正常に機能しなくなります。


VTP の概要

VTP は、各ルータまたは LAN デバイスがトランク ポートのフレームでアドバタイズメントを送信することを可能にします。これらのフレームは、すべてのネイバー デバイスで受信できるマルチキャスト アドレスに送信されます。これらは通常のブリッジングの手順では転送されません。アドバタイズメントは、送信側デバイスの VTP 管理ドメイン、設定のリビジョン番号、認識している VLAN、既知の各 VLAN の特定のパラメータを示します。これらのアドバタイズメントの検知によって、同じ管理ドメイン内のすべてのデバイスは、送信デバイスで設定されている新しい VLAN について学習します。このプロセスは、管理ドメイン内の 1 台の装置だけに新しい VLAN を作成し、設定できます。またその後、同じ管理ドメイン内の他のすべてのデバイスによって情報が自動的に学習されます。

デバイスが VLAN について学習すると、デバイスはデフォルトでトランク ポートからその VLAN 上のすべてのフレームを受信し、必要に応じて、他のトランク ポートへそれらを転送します。このプロセスは、不要な VLAN のトラフィックがデバイスに送信されるのを防ぎます。

VTP は、Cisco Discovery Protocol(CDP)など他のプロセスで読み取ることができる共有ローカル データベースで、ドメインおよびモードに関する情報をパブリッシュします。

VTP モード

VTP は次のモードでサポートされます。

  • トランスペアレント:他のすべてのトランク ポートにトランク ポート上で受信したすべての VTP プロトコル パケットを中継することが可能です。VTP トランスペアレント モードの VLAN を作成または変更するとき、それらの VLAN の変更は、ローカル デバイスだけに影響します。VTP トランスペアレント ネットワーク デバイスは、VLAN 設定をアドバタイズせず、受信したアドバタイズに基づいて同期化することもありません。

VTP がトランスペアレント モードの場合、最大 128 文字の VLAN ロング ネームを設定できます。

インターフェイス単位の VTP

VTP では、VTP トラフィックを制御するために、ポート単位で VTP プロトコルをイネーブル、またはディセーブルにすることができます。トランクがスイッチまたはエンド デバイスに接続されている場合、着信 VTP パケットをドロップし、この特定のトランクで VTP アドバタイズメントを防ぎます。デフォルトでは、VTP はすべてのスイッチ ポートでイネーブルになります。

VTP の設定に関する注意事項および制約事項

VTP 設定時の注意事項と制約事項は次のとおりです。

  • show コマンド(internal キーワード付き )はサポートされていません。

  • SNMP では、VTP 機能がイネーブルかどうかが vlanTrunkPortVtpEnabled オブジェクトによって示されます。vlanTrunkPortVtpEnabledオブジェクトのステータスは、 show vtp trunk interface eth a/b コマンドを使用します。

  • VTP アドバタイズメントは、Cisco Nexus ファブリック エクステンダのポートからは送信されません。

  • VTP プルーニングは、透過的なデバイスでは実行できません。VTP ドメインに透過的なデバイスがある場合は、VTP プルーニングを無効にする必要があります。ネイバー デバイスで VTP プルーニングが無効になっていない場合、Cisco Nexus デバイスは、Nexus を指すリンクで VLAN がプルーニング/無効になるため、ネイバー デバイスから MAC を学習しません。

デフォルト設定

次の表に、VTP パラメータのデフォルト設定を示します。

Table 1. デフォルトの VTP パラメータ

パラメータ

デフォルト

VTP

ディセーブル

VTP モード

トランスペアレント

VTP ドメイン

空白

VTP バージョン

1

インターフェイス単位の VTP

有効(Enabled)

VTP の設定

CiscoNexus 9000 デバイスで VTP を設定できます。


Note


VTP がネットワークのトランスペアレント モードで使用されている場合、スイッチの相互接続に使用されるすべてのトランク ポートで VLAN 1 が必要です。これらのポートのいずれかから VLAN 1 をディセーブルにすると、VTP はトランスペアレント モードで適切に機能しなくなります。



Note


VTP が機能するのは、トランスペアレント モードだけです。


SUMMARY STEPS

  1. config t
  2. feature vtp
  3. vtp domain domain-name
  4. vtp version {1 | 2}
  5. vtp file file-name
  6. vtp password password-value
  7. exit
  8. (Optional) show vtp status
  9. (Optional) show vtp counters
  10. (Optional) show vtp interface
  11. (Optional) show vtp password
  12. (Optional) copy running-config startup-config

DETAILED STEPS

  Command or Action Purpose

Step 1

config t

Example:

switch# config t
switch(config)#

コンフィギュレーション モードに入ります。

Step 2

feature vtp

Example:

switch(config)# feature vtp
switch(config)#

デバイスの VTP をイネーブルにします。デフォルトでは無効になっています。

Step 3

vtp domain domain-name

Example:

switch(config)# vtp domain accounting

このデバイスを追加する VTP ドメインの名前を指定します。デフォルトは空白です。

Step 4

vtp version {1 | 2}

Example:

switch(config)# vtp version 2

使用する VTP バージョンを設定します。デフォルトはバージョン 1 です。

Step 5

vtp file file-name

Example:

switch(config)# vtp file vtp.dat

VTP 設定を保存する IFS ファイル システム ファイルの ASCII ファイル名を指定します。

Step 6

vtp password password-value

Example:

switch(config)# vtp password cisco

VTP 管理ドメイン用のパスワードを指定します。

Step 7

exit

Example:

switch(config)# exit
switch#

コンフィギュレーション サブモードを終了します。

Step 8

(Optional) show vtp status

Example:

switch# show vtp status
(Optional)

バージョン、モード、リビジョン番号など、デバイス上の VTP 設定に関する情報を表示します。

Step 9

(Optional) show vtp counters

Example:

switch# show vtp counters
(Optional)

デバイス上の VTP アドバタイズメントに関する統計情報を表示します。

Step 10

(Optional) show vtp interface

Example:

switch# show vtp interface
(Optional)

VTP-enabled インターフェイスのリストを表示します。

Step 11

(Optional) show vtp password

Example:

switch# show vtp password
(Optional)

管理 VTP ドメイン用のパスワードを表示します。

Step 12

(Optional) copy running-config startup-config

Example:

switch(config)# copy running-config startup-config
(Optional)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。