Session Manager の設定

この章では、Cisco NX-OS デバイスで Session Manager を設定する方法について説明します。

この章は、次の内容で構成されています。

セッション マネージャについて

Session Manager を使用すると、設定変更をバッチ モードで実行できます。Session Manager は次のフェーズで機能します。

  • コンフィギュレーション セッション:Session Manager モードで実行するコマンドのリストを作成します。

  • 検証:設定の基本的なセマンティック チェックを行います。Cisco NX-OS は、設定の一部でセマンティクス検査が失敗した場合にエラーを返します。

  • 検証:既存のハードウェア設定、ソフトウェア設定、およびリソースに基づいて、設定全体を確認します。Cisco NX-OS は、設定がこの確認フェーズで合格しなかった場合にエラーを返します。

  • コミット:Cisco NX-OS はコンフィギュレーション全体を確認して、デバイスに対する変更を実行します。エラーが発生すると、Cisco NX-OS は元の設定に戻ります。

  • 打ち切り:設定変更を実行しないで廃棄します。

任意で、変更をコミットしないでコンフィギュレーション セッションを終了できます。また、コンフィギュレーション セッションを保存することもできます。

高可用性

Session Manager セッションは、スーパーバイザのスイッチオーバー後も引き続き使用できます。セッションはソフトウェア リロード後までは維持されません。

セッション マネージャの前提条件

使用する予定の Session Manager コマンドをサポートする権限があることを確認してください。

Session Manager の注意事項および制約事項

Session Manager には、次の注意事項および制限事項があります。

  • 1 つのセッションを使用して実行できるサービス アクセス ポイント(SAP)は 1 つだけです。

  • 設定セッションは、リロード後に保持されません。

  • Session Manager は、アクセス コントロール リスト(ACL)および Quality of Service(QoS)機能だけをサポートします。

  • 作成できるコンフィギュレーション セッションの最大数は 32 です。

  • すべてのセッションで設定できるコマンドの最大数は 20,000 です。

  • 複数のコンフィギュレーション セッションまたはコンフィギュレーション ターミナル モードで、コンフィギュレーション コマンドを同時に実行することはできません。パラレル コンフィギュレーション(例えば 1 つのコンフィギュレーション セッションと 1 つのコンフィギュレーション ターミナル)は、コンフィギュレーション セッションで確認または検証が失敗する原因になります。

  • コンフィギュレーション セッションで、あるインターフェイスを設定中にそのインターフェイスをリロードすると、そのときにインターフェイスがデバイス上になくても、セッション マネージャがコマンドを受け取ることになります。

Session Manager の設定


(注)  


Cisco NX-OS コマンドは Cisco IOS コマンドと異なる場合があるので注意してください。

セッションの作成

作成できるコンフィギュレーション セッションの最大数は 32 です。

Procedure

  Command or Action Purpose

Step 1

configure session name

Example:

switch# configure session myACLs
switch(config-s)#

コンフィギュレーション セッションを作成し、セッション コンフィギュレーション モードを開始します。名前は任意の英数字ストリングです。

セッションの内容を表示します。

Step 2

(Optional) show configuration session [name]

Example:

switch(config-s)# show configuration session myACLs
(Optional)

セッションの内容を表示します。

Step 3

(Optional) save location

Example:

switch(config-s)# save bootflash:sessions/myACLs
(Optional)

セッションをファイルに保存します。保管場所には bootflash:、slot0:、または volatile: を指定できます。

セッションでの ACL の設定

コンフィギュレーション セッションで ACL を設定できます。

Procedure

  Command or Action Purpose

Step 1

configure session name

Example:

switch# configure session myacls
switch(config-s)#

コンフィギュレーション セッションを作成し、セッション コンフィギュレーション モードを開始します。名前は任意の英数字ストリングです。

Step 2

ip access-list name

Example:

switch(config-s)# ip access-list acl1
switch(config-s-acl)#

ACL を作成し、その ACL のコンフィギュレーション モードを開始します。

Step 3

(Optional) permit protocol source destination

Example:

switch(config-s-acl)# permit tcp any any
(Optional)

ACL に許可文を追加します。

Step 4

interface interface-type number

Example:

switch(config-s-acl)# interface ethernet 2/1
switch(config-s-if)#

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

Step 5

ip access-group name {in | out}

Example:

switch(config-s-if)# ip access-group acl1 in

アクセス グループを適用するトラフィックの方向を指定します。

Step 6

(Optional) show configuration session [name]

Example:

switch(config-s-if)# show configuration session myacls
(Optional)

セッションの内容を表示します。

セッションの確認

セッション モードで次のコマンドを使用して、セッションを確認します。

コマンド

目的

verify [verbose]

例:

switch(config-s)# verify

既存のハードウェアおよびソフトウェアのコンフィギュレーションおよびリソースに基づいて、コンフィギュレーション全体を確認します。Cisco NX-OS は、設定がこの確認で合格しなかった場合にエラーを返します。

セッションのコミット

セッション モードで次のコマンドを使用して、セッションをコミットします。

コマンド

目的

commit [verbose]

例:

switch(config-s)# commit

現在のセッションで行われたコンフィギュレーションの変更を検証し、有効な変更をデバイスに適用します。検証に失敗した場合、Cisco NX-OS は元の設定に戻ります。

セッションの保存

セッション モードで次のコマンドを使用して、セッションを保存します。

コマンド

目的

save location

例:

switch(config-s)# save bootflash:sessions/myACLs

(任意)セッションをファイルに保存します。保管場所には bootflash:、slot0:、または volatile: を指定できます。

セッションの廃棄

セッション モードで次のコマンドを使用して、セッションを廃棄します。

コマンド

目的

abort

例:

switch(config-s)# abort
switch#

コマンドを適用しないで、コンフィギュレーション セッションを廃棄します。

Session Manager 設定の確認

Session Manager のコンフィギュレーション情報を表示するには、次の作業のいずれかを行います。

コマンド

目的

show configuration session [name]

コンフィギュレーション ファイルの内容を表示します。

show configuration session status [name]

コンフィギュレーション セッションのステータスを表示します。

show configuration session summary

すべてのコンフィギュレーション セッションのサマリーを表示します。

Session Manager のコンフィギュレーション例

Session Manager を使用して ACL コンフィギュレーションを作成し、コミットする例を示します。

switch# configure session ACL_tcp_in
Config Session started, Session ID is 1
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
switch(config-s)# ip access-list ACL1
switch(config-s-acl)# permit tcp any any
switch(config)# interface e 7/1
switch(config-if)# ip access-group ACL1 in
switch(config-if)# exit
switch(config)# exit
switch# config session ACL_tcp_in
Config Session started, Session ID is 1
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
switch(config-s)# verify
Verification Successful
switch(config-s)# commit
Commit Successful
switch#

その他の参考資料

関連資料

関連項目 マニュアル タイトル
コンフィギュレーション ファイル Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide