SPAN の概要
SPAN は、外付けアナライザが接続された宛先ポートに SPAN セッション トラフィックを送ることで、送信元ポート間のすべてのトラフィックを分析します。
ローカル デバイス上で、SPAN セッションでモニタする送信元と宛先を定義できます。
SPAN ソース
トラフィックを監視できる監視元インターフェイスのことを SPAN 送信元と呼びます。送信元では、監視するトラフィックを指定し、さらに入力(Rx)、出力(Tx)、または両方向のトラフィックをコピーするかどうかを指定します。SPAN 送信元には次のものが含まれます。
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イーサネット ポート(ただしサブインターフェイスではない)
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コントロール プレーン CPU への帯域内インターフェイス。
Note
SPAN 送信元としてスーパーバイザ インバンド インターフェイスを指定すると、デバイスはスーパーバイザ CPU により送信されたすべてのパケットをモニタします。
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VLAN
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VLAN を SPAN 送信元として指定する場合は、VLAN 内でサポートされているすべてのインターフェイスが SPAN ソースになります。
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VLAN は、入力方向にのみ SPAN 送信元となることができます。
Note
これは、Cisco Nexus 9300-EX/-FX/-FX2/-FX3/-GX プラットフォームスイッチ、および -EX/-FX ライン カードを搭載する Cisco Nexus 9500 シリーズ プラットフォームスイッチを除くすべてのスイッチに適用されます。
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Cisco Nexus 2000 シリーズ ファブリック エクステンダ(FEX)のサテライト ポートおよびホスト インターフェイス ポート チャネル
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これらのインターフェイスは、レイヤ 2 アクセス モードおよびレイヤ 2 トランク モードでサポートされます。レイヤ 3 モードではサポートされず、レイヤ 3 サブインターフェイスはサポートされません。
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Cisco Nexus 9300 および 9500 プラットフォーム スイッチは、FEX ポートを SPAN 送信元としてサポートします。この場合、入力方向については、すべてのトラフィックを対象としますが、出力方向については、スイッチと FEX を通る既知のレイヤ 2 ユニキャスト トラフィック フローに限られます。ルーティングされたトラフィックは FEX HIF 出力 SPAN で表示されないことがあります。
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Note |
1 つの SPAN セッションに、上述の送信元を組み合わせて使用できます。 |
送信元ポートの特性
SPAN 送信元ポートには、次の特性があります。
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送信元ポートとして設定されたポートを宛先ポートとしても設定することはできません。
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スーパーバイザ インバンド インターフェイスを SPAN 送信元として使用する場合、スーパーバイザ ハードウェア(出力)によって生成されたすべてのパケットがモニタされます。
Note
Rx は ASIC の観点から見たものです(トラフィックはインバンドを介してスーパーバイザから出力され、ASIC / SPAN で受信されます)。
SPAN 宛先
SPAN 宛先とは、送信元ポートを監視するインターフェイスを指します。宛先ポートは SPAN 送信元からコピーされたトラフィックを受信します。SPAN 宛先には、次のものが含まれます。
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アクセス モードまたはトランク モードのイーサネット ポート
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アクセス モードまたはトランク モードのポート チャネル
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宛先ポートとしての CPU
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Cisco Nexus 9300 シリーズ スイッチのアップリンク ポート
Note |
FEX ポートは SPAN 宛先ポートとしてサポートされません。 |
宛先ポートの特性
SPAN 宛先元ポートには、次の特性があります。
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宛先ポートとして設定されたポートは、送信元ポートとして設定できません。
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同じ宛先インターフェイスを、複数の SPAN セッションに使用することはできません。ただし、インターフェイスは SPAN および ERSPAN セッションの宛先として機能できます。
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宛先ポートはスパニングツリー インスタンスに関与しません。SPAN 出力には、ブリッジ プロトコル データ ユニット(BPDU)スパニング ツリー プロトコル hello パケットを含みます。
SPAN セッション
SPAN セッションを作成し、送信元と宛先をモニタに指定できます。
サポートされる SPAN セッション数に関する情報については、『Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS 検証済みスケーラビリティ ガイド』を参照してください。
この図では、SPAN 設定を示します。3 つのイーサネット ポート上のパケットが宛先ポートのイーサネット 2/5 にコピーされます。コピーされるのは、指定した方向のトラフィックだけです。
ローカライズされた SPAN セッション
すべての送信元インターフェイスが同じライン カード上にある場合、SPAN セッションはローカライズされます。セッション宛先インターフェイスは、任意のライン カードに配置できます。
(注) |
VLAN 送信元との SPAN セッションはローカライズされません。 |
SPAN 切り捨て
Cisco NX-OS Release 7.0(3)I7(1) 以降では、MTU のサイズに基づいて各 SPAN セッションの送信元パケットの切り捨てを設定できます。切り捨てにより、モニタするパケットのサイズを減らすことで、SPAN の帯域幅を効果的に軽減できます。設定された MTU サイズよりも大きい SPAN パケットはすべて、設定されたサイズに切り捨てられます。たとえば、MTU を 300 バイトに設定すると、300 バイトを超えるパケットは 300 バイトに切り捨てられます。
SPAN 切り捨てはデフォルトでディセーブルです。切り捨てを使用するには、個々の SPANセッションで有効にしておく必要があります。
ACL TCAM リージョン
ハードウェアの ACL Ternary Content Addressable Memory(TCAM)リージョンのサイズを変更できます。SPAN セッションで使用される TCAM リージョンの詳細については、『Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS セキュリティ設定ガイド』の「IP ACL の設定」のセクションを参照してください。
高可用性
SPAN 機能はステートレスおよびステートフル リスタートをサポートします。リブートまたはスーパーバイザ スイッチオーバー後に、実行コンフィギュレーションを適用します。ハイ アベイラビリティの詳細については、『Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS ハイ アベイラビリティおよび冗長性ガイド』を参照してください。