AppQoE サービス用の外部サービスノード

簡素化と一貫性を実現するために、Cisco SD-WAN ソリューションは Cisco Catalyst SD-WAN としてブランド名が変更されました。さらに、Cisco IOS XE SD-WAN リリース 17.12.1a および Cisco Catalyst SD-WAN リリース 20.12.1 以降、次のコンポーネントの変更が適用されます。Cisco vManage から Cisco Catalyst SD-WAN Manager への変更、Cisco vAnalytics から Cisco Catalyst SD-WAN Analytics への変更、Cisco vBond から Cisco Catalyst SD-WAN Validator への変更、Cisco vSmart から Cisco Catalyst SD-WAN コントローラへの変更、および Cisco コントローラから Cisco Catalyst SD-WAN 制御コンポーネントへの変更。すべてのコンポーネントブランド名変更の包括的なリストについては、最新のリリースノートを参照してください。新しい名前への移行時は、ソフトウェア製品のユーザーインターフェイス更新への段階的なアプローチにより、一連のドキュメントにある程度の不一致が含まれる可能性があります。

表 1. 機能の履歴

機能名

リリース情報

説明

複数の外部 AppQoE サービスノードのサポート

Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.4.1a

Cisco vManage リリース 20.4.1

この機能を使用すると、代行受信するエッジルータまたは AppQoE サービスコントローラの外部にある複数の AppQoE サービスノードを設定できます。AppQoE のサポートを、AppQoE を統合サービスノードとして実行できないエッジルータまで拡張します。この機能により、統合された AppQoE ではスループットと接続数に制限がある場合に、AppQoE を拡張することもできます。複数の AppQoE サービスノードを設定するための機能は、データセンターなどの大規模な企業サイトのスケールとスループットの要件を満たすのに役立ちます。

AppQoE サービスノードのコントローラとしての追加プラットフォームのサポート

Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.5.1a

Cisco vManage リリース 20.5.1

このリリースでは、サービスコントローラのロールが追加のデバイスモデル(C8500L-8S4X および ASR1006-X)まで拡張されています。

トンネル隣接関係に関する自動 MTU 設定のサポート

Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.5.1a

この機能により、サービスコントローラとサービスノードを接続するネットワークの最大伝送ユニット(MTU)サイズを 1500 にプログラム設定できます。この自動化により、スループット要件を低下させる可能性があるパケットのフラグメンテーションによる通信の中断が防止されます。

AppQoE サービスの IPv6 サポート

Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.14.1a

Cisco Catalyst SD-WAN Manager リリース 20.14.1

この機能により、AppQoE クラスタは IPv4 と IPv6 の両方のトラフィックを処理できます。

AppQoE コントローラおよび外部サービスノードでサポートされるデバイス

サービスコントローラとしてサポートされるデバイス

リリース

サポートされるデバイス数

Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.4.1a 以降

  • Cisco ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ

    • ASR1001X

    • ASR1002X

    • ASR1001-HX

    • ASR1002-HX

  • Cisco Catalyst 8500 シリーズ エッジ プラットフォーム:

    • C8500-12X4QC

    • C8500-12X

  • Cisco Catalyst 8000V Edge ソフトウェアCisco Catalyst 8000V

    (注)  

     

    Cisco Catalyst 8000V をサービスコントローラとして設定する場合、同じインスタンスをサービスノードとして使用することはできません。

Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.5.1a 以降

  • Cisco Catalyst 8500 シリーズ エッジプラットフォーム

    • C8500L-8S4X

  • Cisco ASR 1000 シリーズ アグリゲーション サービス ルータ

    • ASR1006-X

Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.10.1a

Cisco Catalyst 8500 シリーズ エッジプラットフォーム

  • C8500-20X6C—Cisco Catalyst 8500 シリーズ 20 ポート SFP+、6 ポート QSFP+

外部サービスノードとしてサポートされるデバイス

リリース

サポートされるプラットフォーム

Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.4.1a 以降

  • Cisco Catalyst 8000V

    • 最小 RAM 要件:16 GB(service plane heavy として設定)

    • 最小 CPU:8 コア

(注)  

 

Cisco Catalyst 8000V をサービスノードとして設定する場合、同じインスタンスをサービスコントローラとして使用することはできません。


(注)  


Cisco Catalyst 8000V をサービスノードとして設定する場合、同じインスタンスをサービスコントローラとして使用することはできません。



(注)  


データ冗長性排除(DRE)用の外部サービスノードとしてサポートされるプラットフォームの詳細については、「Traffic Optimization with DRE」[英語] を参照してください。


外部 AppQoE サービスノードの制約事項

  • サービスノードロールを設定できるのは Cisco Catalyst 8000V インスタンスのみです。

  • Cisco Catalyst 8000V がサービスノードとして設定されている場合、Cisco Catalyst 8000V がサービスコントローラロールをサポートしていても、サービスコントローラの役割を果たすことはできません。

  • サイトごとにサポートされるサービスクラスタは 1 つのみです。

  • サイトごとにサポートされるサービス コントローラ グループは 1 つのみで、サービス コントローラ グループには 8 つまでのサービスコントローラを含めることができます。サイトあたり最大 8 つのサービスコントローラがサポートされ、各サービスコントローラには最大 64 のサービスノードを接続できます。

  • AppQoE クラスタごとにサポートされるサービスノードグループは 1 つのみです。

  • VRRP は、サービスコントローラからサービスノードへの接続ではサポートされていません。

  • サービスノードとサービスコントローラに専用の VRF を設定する必要があります。

  • 非対称フローの処理機能は AppQoE に組み込まれていませんが、Cisco SD-WAN Manager のすべてのステートフル機能に対してフロー対称性を設定する必要があります。

  • サービスコントローラに障害が発生すると、そのサービスコントローラによって処理されるフローがリセットされます。

  • AppQoE サービスノードは CSP デバイス上の Cisco Enterprise Network Function Virtualization Infrastructure Software(NFVIS)に展開されている場合、Cisco Catalyst 8000V ではサポートされません。

  • AppQoE サービスノードとして設定されている Cisco Catalyst 8000V インスタンスのブートストラップ設定が次のように変更されていることを確認します。

    • TLOC インターフェイスからコントローラグループを除外(exclude-controller-group 0

    • 設定に omp shutdown が含まれていることを確認


    (注)  


    この設定により、AppQoE サービスノードは SD-WAN データプレーンに参加できなくなります。ブートストラップ設定でこの変更が行われていない場合、Cisco SD-WAN Manager で OMP および制御接続がダウンしていることを示すアラームが生成されます。ただし、このアラームは無害であり、推奨される設定がブートストラップ設定に含まれていない場合は無視できます。


IPv6 アドレスを使用した AppQoE サービスの制約事項

サポートされている最小リリース:Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.14.1aCisco Catalyst SD-WAN Manager リリース 20.14.1

IPv6 アドレスを使用した AppQoE サービスノードの制限事項は次のとおりです。

  • AppQoE クラスタのコントロールプレーンは、IPv4 または IPv6 トラフィックで動作します。

  • IPv6 トラフィックで動作する AppQoE クラスタのコントロールプレーンは、外部サービスノードのみをサポートします。

  • 内部サービスノード(ISN)の IPv6 トラフィックは UTD をサポートしていません。

外部 AppQoE サービスノードに関する情報

外部 AppQoE サービスノードの概要

複数の外部 Application Quality of Experience(AppQoE)サービスノードの設定のサポートにより、TCP および DRE の最適化に高可用性が提供されます。AppQoE サービスノードがサービスコントローラとして機能するエッジルータの外部にある場合、この代行受信ルータへの依存性が低下します。この機能がリリースされる前は、AppQoE サービスインスタンスをサービスコントローラ自体で設定する必要がありました。サポートされているデバイスに AppQoE サービスノードロールを設定して、サイトとアプリケーションに基づいてトラフィックを最適化できるようになりました。このソリューションは、より高いスループットとより多くの接続を必要とする大企業の要件に対応します。


(注)  


サポートされる Application Optimization Interconnect Manager(AOIM)ピアの最大数は 255 です。DRE ノードが接続できるピアの最大数は 255 です。


AppQoE サービスの IPv6 サポート

Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.14.1a および Cisco Catalyst SD-WAN Manager リリース 20.14.1 以降、すべての AppQoE クラスタ(統合サービスノード、外部サービスノード、およびハイブリッドサービスノード)は IPv6 トラフィックをサポートします。

外部サービスノードを使用した AppQoE ソリューションのコンポーネント

  • AppQoE クラスタ:サイトの AppQoE コントローラと、AppQoE サービスノードのグループ。

    通常、より高い集約スループットを必要とするデータセンターまたは地域のデータセンターサイトには、TCP および DRE 最適化のための外部サービスノードを含む AppQoE クラスタがあります。

  • AppQoE コントローラ:ネットワークトラフィックを代行受信するサポート対象 Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN デバイス。このデバイスは、AppQoE ポリシーに基づいて、ネットワークトラフィックを 1 つ以上の AppQoE サービスノードに分散させます。

  • AppQoE サービスノード:AppQoE サービスノードとして設定されたデバイスで、トラフィックを最適化および高速化する TCP 最適化インスタンスです。最適化は、制御ポリシーの設定に基づいています。

    Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.5.1a 以降、サービスノードは、DRE 機能を実行して、データの冗長性を排除し、帯域幅の使用範囲を削減することもできます。詳細については、「Traffic Optimization with DRE」[英語] を参照してください。

外部サービスノードとスタンドアロンコントローラの動作の仕組み

Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.4.1a からの外部サービスノードの作成をサポートする Cisco Catalyst SD-WAN を使用すると、サービスノードは代行受信エッジルータまたはサービスコントローラから分離されます。サポート対象のデバイスをスタンドアロン サービス コントローラとして設定し、サービスノードロールで設定されたデバイスに接続するオプションが追加されました。

Cisco SD-WAN Manager デバイステンプレートを使用すると、サポート対象のデバイスで次のロールを設定できます。

  • サービスノード

  • サービスコントローラ

サービスコントローラとサービスノードの連携方法

  • Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.4.1a では、Cisco Catalyst 8000V Edge ソフトウェアCisco Catalyst 8000V)のみにサービスノードロールを設定できます。Cisco Catalyst 8000V インスタンスにサービスノードロールを設定すると、デフォルトの AppQoE テンプレートがインスタンスにアタッチされます。これは変更できません。

  • サイト内のサービスノードと、サービスクラスタを形成するために接続されているサービスコントローラ。

  • サービスノードは相互に通信せず、クラスタ内の他のサービスノードを認識しません。

  • サービスコントローラは、接続されているサービスノードとの通信を開始します。この設定は、サービスコントローラロールが定義されているデバイステンプレートに関連付けられた AppQoE 機能テンプレートで設定されます。

  • サービスコントローラとサービスノードは、互いに隣接していたり、ネクストホップだったり、複数ホップ離れていたりする場合があります。

  • サービスコントローラは、サービス VPN を介してサービスノードと通信します。他方、サービスノードは、トランスポート VPN または VPN 0 を介してサービスコントローラと通信します。

  • サービスノードは、接続されているサービスコントローラにのみ応答します。

  • Cisco SD-WAN Manager では、各 AppQoE サービスノードの正常性が緑色または黄色で表示されます。ステータスが緑色のノードのみが、新しいフローの配信対象と見なされます。黄色で表示されているサービスノードへの進行中のフローはリダイレクトされます。

トポロジの例

図 1. 外部サービスノードを使用したトポロジの例

*SN:サービスノード(コントローラあたり最大 64)

*SC:サービスコントローラ(サイトあたり最大 8)

上の図は、サービスコントローラの外部にあるサービスノードを使用した Cisco Catalyst SD-WAN 展開の例を示しています。この図は、ブランチサイトとデータセンター両方での展開を示しています。データセンターとブランチの Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN デバイスは、それぞれのサイトのサービスノードで AppQoE クラスタを形成します。

ベストプラクティスと推奨事項

  • サービスノードで AppQoE サービスに十分なキャパシティを確保するため、サービスノードロールが設定されているデバイスに他の機能を設定しないでください。

  • サービスコントローラとサービスノードを含む AppQoE クラスタを作成する場合は、すべてのクラスタメンバーがサイトと同じ ID を持っていることを確認します。

  • クラスタを形成するサービスコントローラとサービスノードが同じ Cisco Catalyst SD-WAN サイト ID を共有していることを確認します。サイト ID に不一致がある場合、コントローラ上で該当するサービスノードが黄色の表示付きで報告されます。その後、これらのサービスノードは最適化のためのフロー分散で無視されるようになります。

  • サービスコントローラとサービスノードを接続するネットワークの最大伝送ユニット(MTU)サイズが、トラフィックパス全体で均一であることを確認します。均一でない場合、パケット フラグメンテーションが原因で通信が切断される可能性があります。

Cisco SD-WAN Manager での AppQoE コントローラおよびサービスノードの設定

AppQoE サービスノードの設定

  1. Cisco SD-WAN Manager メニューから、[Configuration] > [Templates] を選択します。

  2. [デバイステンプレート(Device Template] で、[テンプレートの作成(Create Template)] をクリックし、[機能テンプレートから選択(From Feature Template)] を選択します。


    (注)  


    Cisco vManage リリース 20.7.1 以前のリリースでは、[デバイステンプレート(Device Templates)] は [デバイス(Device)] と呼ばれます。


  3. [デバイスモデル(Device Model)] フィールドで、[C8000v] を選択します。


    (注)  


    Cisco Catalyst 8000V インスタンスのみを AppQoE サービスノードとして設定できます。他のデバイスを選択した場合、[デバイスロール(Device Role)] フィールドで [サービスノード(Service Node)] オプションは選択できません。


  4. [デバイスロール(Device Role)] フィールドで、ドロップダウンリストから [サービスノード(Sevice Node)] を選択します。

  5. [テンプレート名(Template Name)] と [説明(Description)] に入力します。

  6. [Additional Templates] をクリックします。[AppQoE] フィールドで、工場出荷時のデフォルトとして [AppQoE外部サービスノード(AppQoE External Service Node)] テンプレートがアタッチされていることに注意してください。

    AppQoE サービスノードとして設定されたデバイスに、これ以上の設定は必要ありません。サービスノードをサービスノードコントローラに接続するための追加設定は、Cisco SD-WAN Manager の AppQoE コントローラ設定画面で行います。

  7. デバイステンプレートをデバイスに添付します。

AppQoE サービスコントローラの設定

  1. Cisco SD-WAN Manager メニューから、[Configuration] > [Templates] を選択します。

  2. [デバイステンプレート(Device Template] で、[テンプレートの作成(Create Template)] をクリックし、[機能テンプレートから選択(From Feature Template)] を選択します。


    (注)  


    Cisco vManage リリース 20.7.1 以前のリリースでは、[デバイステンプレート(Device Templates)] は [デバイス(Device)] と呼ばれます。


  3. [デバイスモデル(Device Model)] フィールドで、サービスコントローラロールをサポートするデバイスのいずれかを選択します。サービスコントローラロールをサポートするデバイスの完全なリストについては、この章の「サポートされているプラットフォーム」セクションを参照してください。

  4. [デバイスロール(Device Role)] フィールドで、ドロップダウンリストから [SDWANエッジ(SDWAN Edge)] を選択します。


    (注)  


    [SDWANエッジ(SDWAN Edge)] オプションは、サービスコントローラロールをサポートするデバイスにのみ表示されます。


  5. [テンプレート名(Template Name)] と [説明(Description)] に入力します。

  6. [Additional Templates] をクリックします。[AppQoE] フィールドで、既存の AppQoE 機能テンプレートを選択するか、新しいテンプレートを作成できます。この手順には、サービスコントローラロールで設定されているデバイス用の新しい AppQoE テンプレートを作成する手順が含まれています。

  7. [AppQoE] フィールドのドロップダウンリストをクリックしてから、[テンプレートの作成(Create Template)] をクリックします。

  8. [テンプレート名(Template Name)] フィールドと [説明(Description)] フィールドに、テンプレートの名前と説明をそれぞれ入力します。

  9. [コントローラ(Controller)] エリアで、要求される詳細情報を入力します。

    1. [Controller IP Address]:コントローラのサービス側インターフェイスの IPv4 または IPv6 アドレスを入力します。これは、コントローラがサービスクラスタ内で接続されているサービスノードと通信するために使用するIPアドレスです。

    2. [サービスVPN(Service VPN)]:サービスノードの LAN 側接続が存在するサービス VPN ID を指定します。VPN ID は、1 ~ 511、または 513~65527 の範囲で任意に指定できます。

    3. [Service Node IP 1]:サービスノードの IPv4 または IPv6 を入力して、サービスコントローラがサービスノードと通信できるようにします。


      (注)  


      [サービスノードIP(Service Node IP)] フィールドの横にある [+] をクリックして、サービスノードをさらに追加します。1 つのサービスコントローラに最大 64 のサービスノードを追加できます。



      (注)  


      Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.14.1a 以降、AppQoE クラスタはコントロールプレーンの IPv4 プロトコルまたは IPv6 プロトコルのいずれかで動作できます。



      (注)  


      Cisco vManage リリース 20.6.1 から AppQoE 機能テンプレートを使用して、複数のサービスノードグループを設定し、設定したグループに外部サービスノードを追加できます。クラスタごとに最大 32 のサービスノードグループを設定できます。サービスノードグループの名前の範囲は、SNG-APPQOE0 ~ SNG-APPQOE31 です。

      ただし、サービスコントローラとして設定しているデバイスのバージョンが Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.6.1a 未満で、該当するデバイスの AppQoE テンプレートの設定に Cisco vManage リリース 20.6.1 を使用している場合、そのテンプレートで複数のサービスノードグループを設定可能な場合でも、設定できるのは 1 つのサービスノードグループのみになります。


  10. デバイステンプレートをデバイスに添付します。

CLI を使用した AppQoE サービスコントローラおよびノードの設定

このセクションでは、外部サービスノードと、外部サービスノードに接続されたスタンドアロン サービス コントローラを使用して、TCP 最適化を CLI 設定する例を示します。

外部サービスノードの設定

  1. TCP 最適化を有効にします。

    
    config-transaction 
     sdwan appqoe tcpopt enable  
     no sslproxy enable 
    
  2. 仮想ポート グループ インターフェイスを作成します。

    Cisco IOS XE Catalyst SD-WAN リリース 17.14.1a 以降、AppQoE クラスタは IPv6 と IPv4 の両方のトラフィックを処理します。

     interface VirtualPortGroup virtual-port-group-number 
     service-insertion appqoe 
     ip address ip-address mask  
  3. サービスノードグループを作成します。

    
     service-insertion service-node-group appqoe  service-node-group-name 
     service-node service-node-ip-address 
    
  4. サービスノードを service plane heavy として設定します。

    
     platform resource service-plane-heavy  
    

    (注)  


    Cisco Catalyst 8000V を service plane heavy として設定する場合は、リロードしてサービスプレーンを有効にする必要があります。


IPv4 アドレスを使用しているサービスノードを作成するための完全な設定例を次に示します。



 sdwan appqoe tcpopt enable
  no sslproxy enable
  !

 service-insertion service-node-group appqoe SNG-APPQOE

  device-role service-node
  service-node 192.168.2.2 
  !
 
 interface VirtualPortGroup1
  ip address 192.168.2.1 255.255.255.0
  service-insertion appqoe
  !

  interface GigabitEthernet 2
   description SN_LAN_Interface in VPN0 
   ip address 192.0.2.1 255.255.255.0
   !

 platform resource service-plane-heavy

 system
  system-ip 198.51.100.1
  site-id 78200
 !
IPv6 アドレスを使用しているサービスノードを作成するための完全な設定例を次に示します。


 sdwan appqoe tcpopt enable
  no sslproxy enable
  !

interface VirtualPortGroup2
 ip address 192.168.2.1 255.255.255.0
 ipv6 address FDF8::1/126
 service-insertion appqoe

service-insertion service-node-group appqoe SNG-APPQOE
 device-role service-node
 service-node 192.168.2.2
! 
interface GigabitEthernet2  
 ip address 172.16.200.35 255.255.255.0
 ipv6 address 2001:AA8:1234:200::35/64

 platform resource service-plane-heavy

サービスコントローラの設定

  1. サービスコントローラを作成し、サービス コントローラ グループに割り当てます。

    config-transaction  
    service-insertion appnav-controller-group appqoe  appqoe-controller-group-name 
    D appnav-controller controller-ip-address 
    
  2. サービスノードグループを作成し、サービスノードを追加します。

    
     service-insertion service-node-group appqoe  service-node-group-name 
     service-node service-node-ip-address 

    (注)  


    1つのサービスノードグループに複数の外部サービスノードを設定できます。


  3. コントローラとサービスノードグループのサービスコンテキストを設定します。

    
     service-insertion service-context appqoe/1   
     appnav-controller-group appqoe-controller-group-name 
    service-node-group service-node-group-name  enable  
     vrf default  
    

IPv4 アドレスを使用しているサービスコントローラを作成するための完全な設定例を次に示します。



 service-insertion appnav-controller-group appqoe Test-ACgroup 
  appnav-controller 198.51.100.1 vrf 200 
  ! 

 service-insertion service-node-group appqoe Test-SNGroup 
  service-node 192.0.2.2 
  service-node 192.0.2.3
  service-node 192.0.2.4
  service-node 192.0.2.5
  ! 

 service-insertion service-context appqoe/1 
  appnav-controller-group ACG-APPQOE 
  service-node-group SNG-APPQOE 
  cluster-type service-controller
  enable 
  vrf default 
  ! 

  interface GigabitEthernet 1 
   description SC_To_SN_LAN_Interface in VPN200
   ip address 192.0.2.1 255.255.255.0
   vrf forwarding 200
   !

  system
   sytem-ip 198.51.100.10
   site-id 78200
   !
IPv6 アドレスを使用しているサービスコントローラを作成するための完全な設定例を次に示します。
interface GigabitEthernet3   
 vrf forwarding 2
 ip address 172.16.200.32 255.255.255.0
 ipv6 address 2001:AA8:1234:200::32/64
!

service-insertion service-node-group appqoe SNG-APPQOE
service-node 2001:AA8:1234:200::35
! 
service-insertion appnav-controller-group appqoe ACG-APPQOE
 appnav-controller 2001:AA8:1234:200::32 vrf 2
! 
service-insertion service-context appqoe/1
 cluster-type service-controller
 appnav-controller-group ACG-APPQOE
 service-node-group SNG-APPQOE
 vrf global
 enable

AppQoE サービスコントローラおよびノードのモニター

デバイスロールの確認

デバイステンプレートを使用してロールを設定した後、デバイスのデバイスロール(サービスコントローラまたはサービスノード)を確認するには、次の手順に従います。

  1. Cisco SD-WAN Manager メニューから、[Configuration] > [Templates] を選択します。

  2. [デバイステンプレート(Device Templates)] エリアが表示されていることを確認します。


    (注)  


    Cisco vManage リリース 20.7.1 以前のリリースでは、[デバイステンプレート(Device Templates)] は [デバイス(Device)] と呼ばれます。


    使用可能なすべてのデバイステンプレートのリストが表示されます。

  3. デバイスのロールを把握するには、[デバイスロール(Device Role)] 列を確認します。[SDWANエッジ(SDWAN Edge)] は、デバイスがサービスコントローラとして設定されていることを意味します。

サービスコントローラでのトラフィックのモニター

アラームおよびイベント

クラスタが形成されていない、または動作していない場合、デバイスは Cisco SD-WAN Manager に通知を送信します。このようなイベント通知は、Cisco SD-WAN Manager の [モニター(Monitor)] ページで確認できます。これらのイベントの一部について、Cisco SD-WAN Manager もアラームを生成します。デバイスのアラームとイベントを表示する方法については、「Alarms, Events, and Logs」[英語] を参照してください。

CLI を使用した AppQoE サービスコントローラおよびノードのモニター

AppQoE サービスコントローラ、サービスノード、およびクラスタの統計情報を表示するには、次の CLI コマンドを使用します。

IPv4 アドレス上の AppQoE サービスコントローラおよびノードの設定例

次の出力例は、サービスノードグループ内の IPv4 アドレスを使用しているサービスノードの設定詳細を示しています。

Device# show service-insertion type appqoe service-node-group
Service Node Group name : SNG-APPQOE
Service Context : appqoe/1
Member Service Node count : 2


Service Node (SN) : 10.1.1.1
Auto discovered : No
SN belongs to SNG : SNG-APPQOE
Current status of SN : Alive
System IP : 192.168.1.11
Site ID : 101
Time current status was reached : Wed Sep 23 11:01:49 2020

Cluster protocol VPATH version : 1 (Bitmap recvd: 1)
Cluster protocol incarnation number : 1
Cluster protocol last sent sequence number : 1601432656
Cluster protocol last received sequence number: 715749
Cluster protocol last received ack number : 1601432655

次の出力例は、サービスノードグループ内の IPv4 アドレスを使用しているサービスノードのトラフィック統計情報を示しています。

Device# show service-insertion type appqoe statistics service-node-group
Service Node Group: SNG-APPQOE
Number of Service Node(s): 2
Member Service Nodes:
IP Address
10.1.1.1
10.1.1.2

Aggregate of statistics from all SNs of the SNG:
------------------------------------------------
Time since statistics were last reset/cleared:

Aggregate number of probe requests sent to SN : 1435070
Aggregate number of probe responses received from SN: 715915
Aggregate number of invalid probe responses received
Total : 0
Incompatible version : 0
Authentication failed : 0
Stale response : 0
Malformed response : 0
Unknown response : 0
Aggregate number of times liveliness was lost with the SN : 1
Aggregate number of times liveliness was regained with the SN:2
Aggregare number of version probes sent to SN: 719033
Aggregate number of version probes received from SN: 2
Aggregate number of healthprobes sent to SN: 716037
Aggregate number of healthprobes received from SN: 715913


Aggregate traffic distribution statistics
-----------------------------------------
Packet and byte counts-
----------------------
Redirected Bytes : 1558757923174
Redirected Packets : 1945422189
Received Bytes : 1582477555093
Received Packets : 1908965233

次の出力例は、IPv4 アドレスを使用しているサービスコントローラの設定詳細を示しています。

Device# show service-insertion type appqoe appnav-controller-group
All AppNav Controller Groups in service context
Appnav Controller Group : ACG-APPQOE
Member Appnav Controller Count : 1
Members:
IP Address
10.1.1.100

AppNav Controller : 99.1.1.100
Local AppNav Controller : Yes
Current status of AppNav Controller : Alive
Time current status was reached : Mon Sep 21 19:09:08 2020
Current AC View of AppNav Controller
IP Address
10.1.1.100

Current SN View of AppNav Controller
IP Address
10.1.1.1

IPv6 アドレス上の AppQoE サービスコントローラおよびノードの設定例

次の出力例は、サービスノードグループ内の IPv6 アドレスを使用しているサービスノードの設定詳細を示しています。

Device# show service-insertion type appqoe service-node-group
Service Node Group name : SNG-APPQOE
Service Context : appqoe/1
Member Service Node count : 2


Service Node (SN) : 2001:DB8:1::1
Auto discovered : No
SN belongs to SNG : SNG-APPQOE
Current status of SN : Alive
System IP : 192.168.1.11
Site ID : 101
Time current status was reached : Wed Sep 23 11:01:49 2020

Cluster protocol VPATH version : 1 (Bitmap recvd: 1)
Cluster protocol incarnation number : 1
Cluster protocol last sent sequence number : 1601432656
Cluster protocol last received sequence number: 715749
Cluster protocol last received ack number : 1601432655

次の出力例は、サービスノードグループ内の IPv6 アドレスを使用しているサービスノードのトラフィック統計情報を示しています。

Device# show service-insertion type appqoe statistics service-node-group
Service Node Group: SNG-APPQOE
Number of Service Node(s): 2
Member Service Nodes:
IP Address
2001:DB8:1::1
2001:DB8:0:ABCD::1

Aggregate of statistics from all SNs of the SNG:
------------------------------------------------
Time since statistics were last reset/cleared:

Aggregate number of probe requests sent to SN : 1435070
Aggregate number of probe responses received from SN: 715915
Aggregate number of invalid probe responses received
Total : 0
Incompatible version : 0
Authentication failed : 0
Stale response : 0
Malformed response : 0
Unknown response : 0
Aggregate number of times liveliness was lost with the SN : 1
Aggregate number of times liveliness was regained with the SN:2
Aggregare number of version probes sent to SN: 719033
Aggregate number of version probes received from SN: 2
Aggregate number of healthprobes sent to SN: 716037
Aggregate number of healthprobes received from SN: 715913


Aggregate traffic distribution statistics
-----------------------------------------
Packet and byte counts-
----------------------
Redirected Bytes : 1558757923174
Redirected Packets : 1945422189
Received Bytes : 1582477555093
Received Packets : 1908965233

次の出力例は、コントローラグループ内の IPv6 アドレスを使用しているサービスコントローラの設定詳細を示しています。

Device# show service-insertion type appqoe appnav-controller-group
All AppNav Controller Groups in service context
Appnav Controller Group : ACG-APPQOE
Member Appnav Controller Count : 1
Members:
IP Address
2001:DB8:0:ABCD::1

AppNav Controller : 99.1.1.100
Local AppNav Controller : Yes
Current status of AppNav Controller : Alive
Time current status was reached : Mon Sep 21 19:09:08 2020
Current AC View of AppNav Controller
IP Address
2001:DB8:0:ABCD::1

Current SN View of AppNav Controller
IP Address
2001:DB8:0:ABCD::1

次の出力例は、AppQoE クラスタ内の IPv6 アドレスを使用しているサービスノードの設定詳細を示しています。


Device# show service-insertion type appqoe cluster-summary
Service Context                             : appqoe/1
 Enabled                                    : TRUE
 Cluster type                               : Service-controller

 Service Controller Group      : ACG-APPQOE
   Service Controller IP       : 2001:40:92::1   VRF : 5
   Service Controller System IP: 192.168.1.11
   Service Controller Site ID  : 220

 Service Node Group : SNG-APPQOE ID: 32

 ---------------------------------------------------------------------------------------
|   Service Node IP    |    System IP    |  Site Id  |  Status |         Error          |
 ---------------------------------------------------------------------------------------
| 2001:40:92::5        | 192.168.1.11  | 220       | GREEN   |                        |
 ---------------------------------------------------------------------------------------

次の出力例は、IPv6 アドレスを使用している AppQoE サービスに関する情報を示しています。


Device# show service-insertion type appqoe service-context
Service Context                             : appqoe/1
Cluster protocol VPATH version              : 2
Time service context was enabled            : Sun Dec 17 18:47:51 2023
Current FSM state                           : Operational
Time FSM entered current state              : Sun Jan  7 18:27:08 2024
Last FSM state                              : Converging
Time FSM entered last state                 : Sun Jan  7 18:26:58 2024
Cluster operational state                   : Operational
Tunnel interface GRE                        : Tunnel2000000001
Tunnel interface VxLAN                      : Tunnel2000000002

Stable AppNav controller View:
   2001:40:92::1

Stable SN View:
   2001:40:92::5

Current AppNav Controller View:
   2001:40:92::1

Current SN View:
   2001:40:92::5