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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
ROM モニタ は、ルータの電源を投入またはリロードしたときに、ハードウェアを初期化して Cisco IOS XE ソフトウェア をブートするブートストラップ プログラムです。ROM モニタ モードのルータに端末を接続すると、ROM モニタの Command-Line Interface(CLI)プロンプトが表示されます。
通常の動作中は ROM モニタ プロンプトは表示されず、ROM モニタ モードを使用しません。ROM モニタ モードは、ソフトウェア セット全体の再インストール、ルータのパスワードのリセット、または起動時に使用するコンフィギュレーション ファイルの指定などの、特殊な場合だけ使用されます。
ROM モニタ ソフトウェア は多くの名前で呼ばれます。ROM モニタ モードの CLI プロンプトにちなんで ROMMON と呼ばれることもあります。また、ROM モニタ ソフトウェアは ブート ソフトウェア 、 ブート イメージ 、 ブート ヘルパー と呼ばれることもあります。ROM モニタは、Cisco IOS XE ソフトウェアを使用するルータとともに配布されますが、Cisco IOS XE ソフトウェアとは別のプログラムです。通常の起動中に、ROM モニタはルータを初期設定した後、Cisco IOS XE ソフトウェアに制御を渡します。Cisco IOS XE ソフトウェアに引き継がれた後、ROM モニタは使用されなくなります。
2 つのプライマリ接続は、ROM モニタと Cisco IOS XE ソフトウェアの間にあります。これは、ROM モニタ環境変数およびコンフィギュレーション レジスタです。
ROM モニタ環境変数は、Cisco IOS XE ソフトウェアのロケーションを定義して、ロードする方法を説明します。ROM モニタがルータを初期設定した後、環境変数を使用して、Cisco IOS XE ソフトウェアの位置確認とロードを行います。
コンフィギュレーション レジスタ は、カードの起動方法を制御するソフトウェア設定です。コンフィギュレーション レジスタの主な用途の 1 つは、ルータを ROM モニタ モードで開始するか、それとも管理 EXEC モードで開始するかを制御することです。必要に応じて、コンフィギュレーション レジスタは ROM モニタ モードまたは管理 EXEC モードで設定されます。通常、ROM モニタ モードを使用する必要がある場合、プロンプトCisco IOS XE ソフトウェアを使用してコンフィギュレーション レジスタを設定します。ROM モニタ モードのメンテナンスが完了したら、Cisco IOS XE ソフトウェアでルータがリブートするように、コンフィギュレーション レジスタを変更します。
ルータが ROM モニタ モードになっている場合、カードのコンソール ポートに直接接続された端末からだけ ROM モニタ ソフトウェアにアクセスできます。Cisco IOS XE ソフトウェア(EXEC モード)が動作していないため、nonmanagement インターフェイスを利用できません。基本的には、すべての Cisco IOS XE ソフトウェアリソースを使用できません。ハードウェアが存在しますが、ハードウェアを使用できるようにするコンフィギュレーションはありません。
ROM モニタ モードの使用の開始時に、混乱するユーザがいます。ROM モニタ モードは、Cisco IOS XE ソフトウェア内のモードではなく、ルータ モードであることを覚えておくことが重要です。ROM モニタ ソフトウェアと Cisco IOS XE ソフトウェアは、同じルータで稼働している 2 つの別個のプログラムであることを覚えておくことを推奨します。常に、ルータはこれらのプログラムの 1 つを実行していますが、同時に両方を実行することはありません。
ROM モニタと Cisco IOS XE ソフトウェアの使用時に混乱させる可能性がある 1 つの領域は、管理イーサネット インターフェイスの IP コンフィギュレーションを定義する領域です。ほとんどのルータのユーザは、Cisco IOS XE ソフトウェアでの管理イーサネット インターフェイスの設定に慣れています。ルータが ROM モニタ モードになっていても、ルータは Cisco IOS XE ソフトウェアを実行していないため、管理イーサネット インターフェイスのコンフィギュレーションは使用不可です。
ルータで ROM モニタ モードになっているときに TFTP サーバなどの他のデバイスにアクセスするには、IP アクセス情報を使って ROM モニタ変数を設定する必要があります。
ここでは、ROMMON モードに入る方法について説明します。次のセクションが含まれています。
ルータで実行中の ROMmon のバージョンを表示するには、 show rom-monitor コマンドまたは show platform コマンドを使用します。
表 5-1 に、ROM モニタでよく使用されるコマンドを要約します。これらのコマンドの使用に関する詳細については、このマニュアルの該当する手順を参照してください。
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一時的な代替管理コンフィギュレーション ファイルを使用して Cisco IOS XE ソフトウェアを手動でブートします。 |
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表 5-2 で、ROM モニタ モードで使用できる help コマンドについて説明します。
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(注) コマンドの大文字と小文字は区別されます。Ctrl+C キーを押すと、任意のコマンドを停止できます。
Cisco ASR 9000 シリーズ ルータで ? コマンドを入力したときの表示例を次に示します。ルータ のコマンド
次の例に示すように PS1= コマンドを使用して、ROM モニタ モードのプロンプトを変更できます。
プロンプトを変更すると、ROM モニタの複数のルータを同時に処理する場合に役立ちます。この例は、プロンプトが「ISR4400 rommon」で、次に行番号、さらに「>」が続くことを示しています。
現在のコンフィギュレーション レジスタ設定を表示するには、次のようにパラメータを使用せずに confreg コマンドを入力します。
コンフィギュレーション レジスタ設定には、 仮想コンフィギュレーション レジスタ のラベルが付いています。コンフィギュレーション レジスタ設定の変更を回避するには、 no コマンドを入力します。
ROM モニタ 環境変数は、ROM モニタの属性を定義します。環境変数は、コマンドのように入力し、常にその後に等号(=)が続きます。環境変数の設定は大文字で入力し、その後に定義を続けます。次に例を示します。
正常な動作状態では、これらの変数を変更する必要はありません。ROM モニタの動作方法を変更する必要がある場合だけ、クリアまたは設定します。
表 5-3 は、主要な ROM モニタ環境変数を示しています。これらの変数を使用する方法については、このマニュアルの関連する手順を参照してください。
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現在の環境変数の設定を表示するには、 set コマンドを次のように入力します。
環境変数の設定は大文字で入力し、その後に定義を続けます。次に、ルータでのコントロール イーサネット ポートの設定に使用される環境変数の例を示します。
現在の環境変数の設定を保存するには、 sync コマンドを入力します。
(注) sync コマンドを使用して保存されていない環境値は、システムがリセットされる、またはブートされるたびに廃棄されます。
ROM モニタ モードを終了するには、コンフィギュレーション レジスタを 変更し、 をリセットする必要があります。
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ルータ上の ROMmon のアップグレードの手順は、次のとおりです。
ステップ 1 (オプション)ハードウェア上の ROMmon の現在のリリース番号を表示するには、ルータで show platform コマンドまたは show rom-monitor slot コマンドを実行します。実行するコマンドの出力の解釈については、「現在の ROMmon バージョンの確認」を参照してください。
ステップ 2 ROMmon イメージがルータにコピー済みでない場合は、copy source-location destination-location コマンドを使用して、この ROMmon リリースの一部として用意されている PKG ファイルを bootflash: または usb[0-1]: ファイル システムにコピーします。たとえば、Release 15.2(1r)S にアップグレードする場合は、isr4400-rommon-154-3r.S.pkg ファイルをコピーします。
ステップ 3 ROMmon ファイルが指定のディレクトリにコピーされていることを確認するには、 dir file-system コマンドを実行します。
ステップ 4 upgrade rom-monitor filename location all コマンドを実行して、ROMmon イメージのアップグレードを開始します。 location は、ROMmon ファイルへのパスです。
ステップ 5 アップグレードに関するメッセージがコンソールに表示されます。これらのメッセージの表示が停止し、ルータ プロンプトが使用可能になったら、 reload コマンドを実行してルータをリロードします。
ステップ 6 config-register 0x2102 コマンドを使用しても自動ブートがイネーブルにならない場合、ROMmon プロンプトで boot filesystem:/file-location コマンドを実行して Cisco IOS XE イメージをブートします。 filesystem:/file-location は、統合パッケージ ファイルへのパスです。ROMmon のアップグレードは、Cisco IOS XE イメージが起動されるまで、いずれのハードウェアにとっても永続的なものではありません。
ステップ 7 起動が完了したら、ユーザ プロンプトに enable コマンドを実行して特権 EXEC モードを開始します。
ステップ 8 ROMmon がアップグレードされたかどうかを確認するには、 show platform コマンドまたは show rom-monitor slot コマンドを実行します。