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このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この付録では、ISDN回線およびスイッチ、使用できる機能、およびISDN回線の契約方法について説明します。
プロビジョニング とは、契約によりISDN回線に付加できる機能を意味します。
北米のユーザでNI1スイッチを使用していない場合は、電話会社との交渉をスムーズに進めるために、他のスイッチ タイプに関連するプロビジョニング用語について理解しておくことをお勧めします。
ISDN回線契約を結ぶ前に、次の事項を決定しておく必要があります。
• データ アプリケーションだけを契約するか、それともデータ アプリケーションと音声アプリケーションの両方を契約するか。 データ アプリケーション は、Cisco 800シリーズ ルータのBチャネル上で稼働するアプリケーションです。 音声アプリケーション は、Cisco 803またはCisco 804ルータの電話インターフェイス上で稼働するアプリケーションです。
• National ISDN-1(NI1)スイッチを使用する場合、どの機能パッケージ(ある場合)を使用するか。 機能パッケージ は、ISDN回線の設定作業を簡単に行えるよう標準化された、ISDN回線機能のセットです。
データ アプリケーションだけを契約するか、それともデータ アプリケーションと音声アプリケーションの両方を契約するかを決定する必要があります。
• Cisco 800シリーズ ルータはすべて、データ アプリケーションをサポートしています。
• Cisco 803ルータおよびCisco 804ルータは、音声アプリケーションもサポートしています。
• 電話会社によっては、データ アプリケーション専用のISDN回線については料金を低く設定している場合があります。
(注) ISDN回線上で音声機能が不要の場合には、ISDN回線をデータ アプリケーション専用にプロビジョニングすることをお勧めします。
契約するアプリケーションを決定したあと、必要な機能を決定します。表 D-1に、ISDN BRI回線でサポートされるデータ アプリケーションの機能を示します。 表 D-2 に、音声アプリケーションの機能を示します。
これらの機能が有料かどうか、およびその料金については、電話会社に問い合わせてください。
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2つのデータ コールが進行中のとき、Additional Call Offering(ACO)をプロビジョニングしていれば、ルータは音声コールを無視するか、またはデータ コールを切断して音声コールを受け付けます(音声プライオリティともいいます)。 |
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ここで説明するデータ アプリケーションおよび音声アプリケーションは、電話会社によってさまざまな名称が使用されており、国内でも名称が異なる場合があります。表 D-3に、北米以外の電話会社が使用している名称およびコードをいくつか紹介します。
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Anklopfen1 |
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使用できるスイッチ タイプは、地域によって決まります。ここでは、北米および北米以外の地域で使用可能なスイッチ タイプについて説明します。
Cisco 800シリーズ ルータは、北米の次のスイッチをサポートします。
• ISDN規格に準拠するNI1スイッチ。Lucent、Northern Telecom(Nortel)、およびその他の製造元がこれらの規格をサポートしています。
(注) NI1規格に準拠するスイッチは、コール中断機能を使用する場合に最良のパフォーマンスを提供します。この機能を使用する場合には、NI1スイッチの使用を推奨します。
• Lucent 5ESSカスタム スイッチは、カスタム モードまたはNI1モードで稼働させることができます。カスタム モードでは、スイッチはポイントツーポイント構成またはマルチポイント構成のどちらでも動作できます。ポイントツーポイント構成の場合は、BRI回線上で1台の端末装置がサポートされ、SPID(サービス プロファイル識別子)は不要です。マルチポイント構成の場合は、同一のBRI回線上で複数の端末装置がサポートされ、SPIDが必要になります。
(注) 複数の音声コールをサポートする目的でLucent 5ESS ISDN回線契約を結ぶ場合には、call appearance 1および2用の回線をプロビジョニングしてください。
Cisco 800シリーズ ルータは北米以外の地域で使用されている大部分のISDN BRI回線をサポートします。これらの回線は、一般に次のいずれかのスイッチ タイプをサポートします。
(注) 1TR6スイッチに関しては、Cisco 800シリーズ ルータはデータ アプリケーションに限りサポートします。ルータは音声アプリケーション用には1TR6スイッチをサポートしません。
機能パッケージ は、NI1スイッチに接続するISDN回線の設定作業を簡単に行えるよう標準化された、回線機能のセットです。ここでは、NI1スイッチに対応する機能パッケージの発注コード(別名IOC [ISDN Ordering Code])について説明します。
(注) Cisco 803ルータおよびCisco 804ルータでは、電話ポートを同時に作動させてデータ コールと音声コールを一度に処理できるようにするには、2つのSPIDが必要です。回線にSPIDが1つしか割り当てられていない場合は、2つのアナログ電話ポートが同時に動作することはできません。
NI1スイッチを使用しない場合は、この付録で後述する「 その他のスイッチ 」に記載された設定のISDN回線を準備する必要があります。
パッケージRは、両方のBチャネル上で回線交換データを提供します(音声機能はありません)。データ機能には発信電話番号の識別機能が含まれます。Cisco 801ルータおよびCisco 802ルータには、このNI1機能パッケージを推奨します。
パッケージSは、追加機能なしで音声データおよび回線交換データを交互に提供します。Cisco 803ルータおよびCisco 804ルータでフィーチャ セットがすべて必要な場合には、このNI1機能パッケージを推奨します。
パッケージEZ-1は、ルータの全機能を使用できる状態で、音声データおよび回線交換データを交互に提供します。Cisco 803ルータおよびCisco 804ルータでフィーチャ セットがすべて必要な場合には、このNI1機能パッケージを推奨します。これらの機能には、フレキシブル コール(三者通話、コール トランスファ、コール ホールディングおよびリトリービング)、ACO(コール ウェイティング)、およびCall Forward Variable(CFV)が含まれます。
ここでは、その他のスイッチのプロビジョニングについて概要を説明します。各スイッチについて、電話会社が回線を敷設および設定するときに使用するコードのリストを示します。ISDN回線契約を結ぶ際、使用するISDNスイッチ タイプに該当するリストを複写して発注書に添付すれば、確実に正しい契約内容を指示することができます。
プロビジョニング とは、端末装置(ルータなど)で特定の機能を使用するために、ISDN BRI回線を契約する際に指定して回線に付加する機能をいいます。
BRI Bチャネル上で音声プライオリティをサポートするには、この付録の「 Lucent 5ESSカスタム スイッチのプロビジョニング 」および「 Nortel DMS-100カスタム スイッチのプロビジョニング 」に記載されているBRIスイッチ プロビジョニングを推奨します。
表 D-4に、よく使われるISDN用語とその意味を示します。ISDN回線のプロビジョニング方法を決定し、ISDN回線契約の内容を指定するときに、この表を参考にしてください。
表 D-5 に、Lucent 5ESSカスタム スイッチ用のプロビジョニングの概要を示します。
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2B1Q回線コード2 |
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回線交換データまたは音声/データ3 |
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回線交換データまたは音声/データ4 |
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2.ルータをUインターフェイスに接続する場合は、この回線プロビジョニングを指定します。 |
(注) Lucent 5ESSカスタム スイッチでは、着信音声プライオリティは使用できません。
表 D-6 に、DMS-100カスタム スイッチ用のプロビジョニングの概要を示します。電話会社によっては、Additional Call Offering U(ACOU)をサポートしていない場合があります。契約先の電話会社がACOUをサポートしていない場合は、表 D-7に示すプロビジョニング方法を使用してください。
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ISDN BRI回線契約を結ぶには、電話会社に連絡し、次の手続きを行います。
ステップ 1 ルータ用に1つの128 kbps ISDN BRI回線を発注します。
ISDN BRIサービスでは、2つのベアラ チャネル(Bチャネル)および1つのデータ チャネル(Dチャネル)が提供されます。Bチャネル サービスは64 kbpsで動作し、ユーザ データを伝送します。Dチャネル サービスは16 kbpsで動作し、制御情報およびシグナリング情報を伝送しますが、ユーザ データの伝送もサポートできます。
ステップ 2 希望するデータ機能および音声機能を指定します。
NI1スイッチを使用する予定の場合は、この付録の「NI1機能パッケージおよび北米でのISDN発注コード」に記載されている機能パッケージを指定できます。NI1以外のスイッチを使用する予定の場合は、この付録の「 Lucent 5ESSカスタム スイッチ 」および「 Nortel DMS-100カスタム スイッチのプロビジョニング 」に記載されているプロビジョニング方法を参照して、機能を選択してください。
ステップ 3 Cisco 803ルータまたはCisco 804ルータを使用する場合は、必要に応じて追加のコール オファリング オプションを指定します。
この機能を使用すると、ルータの使用中に音声コールを処理できます。
ステップ 4 電話会社から次の情報を入手し、記録しておきます。
b. SPID(サービス プロファイル識別子)。SPIDは、北米の電話会社だけが割り当てる番号です。SPIDは、ISDN Bチャネルを識別します。SPIDのフォーマットは一般に、ISDN電話番号の後ろに数字を付加したものです(例:40855512340101)。ISDN BRI回線をサポートするスイッチ タイプに応じて、ISDN回線に0、1、または2個のSPIDが割り当てられる場合があります。
ここでは、各種のBRIスイッチ タイプを使用する場合にCisco 800シリーズ ルータ上で必要なコンフィギュレーションについて説明します。
次の表に、マルチポイント構成でCisco 800シリーズ ルータをLucent 5E NI1スイッチと併用する場合に必要なルータ コンフィギュレーションを示します。
(注) NI1スイッチでは、ポイントツーポイント構成はサポートされません。
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isdn switch-type basic-ni1 7 |
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Cisco 801および802ルータの場合、SPIDは1つ必要です。 |
isdn spid1 spid-number ldn 8 |
7.ISDNスイッチ タイプの自動検出機能が有効になっている場合は、このコマンドを入力する必要はありません。 8.SPIDの自動検出機能が有効になっている場合は、電話会社によって提供された実際のSPID番号を指定する必要はありません。番号の代わりに、任意の数字または数字列(例:0)を指定できます。 |
ここでは、Cisco 800シリーズ ルータをLucent 5ESSカスタム スイッチと併用する場合に必要なルータ コンフィギュレーションについて説明します。
ポイントツーポイント構成でLucent 5ESSカスタム スイッチを使用する場合には、 表 D-9 に示すルータ コンフィギュレーションが必要です。
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isdn switch-type basic-5ess9 |
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isdn spid1 spid-number ldn 10 |
9.ISDNスイッチ タイプの自動検出機能が有効になっている場合は、このコマンドを入力する必要はありません。 10.SPIDを使用しない場合、またはSPIDの自動検出機能が有効になっている場合は、電話会社によって提供された実際のSPID番号を指定する必要はありません。番号の代わりに、任意の数字または数字列(例:0)を指定できます。 |
マルチポイント構成でLucent 5ESSカスタム スイッチを使用する場合には、 表 D-10 に示すルータ コンフィギュレーションが必要です。
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isdn switch-type basic-5ess11 |
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Cisco 801およびCisco 802ルータの場合は、SPIDは1つ必要です。Cisco 803およびCisco 804ルータの場合は、SPIDは2つ必要です。ディレクトリ番号の使用を推奨します。 |
isdn spid1 spid-number ldn 12 |
11.ISDNスイッチ タイプの自動検出機能が有効になっている場合は、このコマンドを入力する必要はありません。 12.SPIDの自動検出機能が有効になっている場合は、電話会社によって提供された実際のSPID番号を指定する必要はありません。番号の代わりに、任意の数字または数字列(例:0)を指定できます。 |
ここでは、Cisco 800シリーズ ルータをDMS-100カスタム スイッチと併用する場合に必要なルータ コンフィギュレーションについて説明します。
Nortel DMS-100回線上でルータだけを使用する場合には、表 D-11に示すルータ コンフィギュレーションが必要です。
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isdn switch-type basic-dms10013 |
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isdn spid1 spid-number ldn14 |
13.ISDNスイッチ タイプの自動検出機能が有効になっている場合は、このコマンドを入力する必要はありません。 14.SPIDの自動検出機能が有効になっている場合は、電話会社によって提供された実際のSPID番号を指定する必要はありません。番号の代わりに、任意の数字または数字列(例:0)を指定できます。 |
ISDN回線上でルータおよび1台の装置をNortel DMS-100スイッチと併用する場合には、表 D-12に示すルータ コンフィギュレーションが必要です。
(注) この構成では、ルータはBチャネルを1つしか使用できません。
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isdn switch-type basic-dms10015 |
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isdn spid1 spid-number ldn16 |
15.ISDNスイッチ タイプの自動検出機能が有効になっている場合は、このコマンドを入力する必要はありません。 16.SPIDの自動検出機能が有効になっている場合は、電話会社によって提供された実際のSPID番号を指定する必要はありません。番号の代わりに、任意の数字または数字列(例:0)を指定できます。 |
北米以外で使用されているISDN BRI回線には、SPIDの割り当てはありません。SPIDを使用しない回線に接続する場合、一部のソフトウェア コマンドに見られる省略可能な引数 spid-number は、省略してください。
1TR6回線には、複数の加入者番号(ドイツでは一般に[extended addressing]といいます)を設定することができます。通常、この回線には、BRI回線上の端末装置ごとに使用できる8つのディレクトリ番号グループ(連番)が割り当てられます。これらの番号は、コール ルーティング用にアナログ電話ポート別の割り当てにも使用します。