この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
目次
IPv6 ルート再配布では、ルート マップのプレフィックス リストを使用してプレフィックスでルートを指定したり、ルート マップの「タグの照合」機能を使用してタグでルートを指定したりできます。
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、バグ検索ツールとプラットフォームおよびソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコ ソフトウェア イメージのサポートに関する情報を検索するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IPv6 RIP は、IPv4 の RIP と同様に機能し、同じ利点を提供します。 RFC 2080 で詳述されている IPv6 用の RIP 拡張には、IPv6 アドレスとプレフィックスのサポート、および RIP アップデート メッセージの宛先アドレスとして、すべての RIP デバイスのマルチキャスト グループ アドレス FF02::9 を使用することが含まれています。
IPv6 RIP のシスコ ソフトウェア実装では、IPv6 RIP プロセスごとにルーティング情報データベース(RIB)と呼ばれるローカル ルーティング テーブルが維持されます。 IPv6 RIP RIB には、隣接するすべてのネットワーク デバイスから学習した最良コストの IPv6 RIP ルート セットが格納されます。 IPv6 RIP が 2 つの異なるネイバーから同じルートを学習し、それぞれのルートのコストが異なる場合、コストの安いルートだけがローカル RIB に格納されます。 また、RIB には、RIP プロセスが RIP を実行しているネイバーにアドバタイズしている期限切れのルートも格納されます。 IPv6 RIP は、期限の切れていないすべてのルートを、そのローカル RIB からマスター IPv6 RIB に挿入しようと試みます。 同じルートが別のルーティング プロトコルから学習されており、そのルートのアドミニストレーティブ ディスタンスが IPv6 RIP よりも優れている場合、その RIP ルートは IPv6 RIB には追加されませんが、IPv6 RIP RIB にはそのまま残ります。
RIP でアドバタイズできる最大メトリックは 16 であり、メトリック 16 は到達不能なルートを示します。 そのため、16 以上のメトリックでルートを再配布すると、RIP はデフォルトでこれらを到達不能としてアドバタイズします。 これらのルートは、隣接ルータでは使用されません。 ユーザはこれらのルートに 15 よりも小さい再配布メトリックを設定する必要があります。
(注) |
ルートは 15 以下のメトリックでアドバタイズする必要があります。 RIP ルータは常にインターフェイス コスト(デフォルトは 1)を受信されたルートのメトリックに追加します。 ルートをメトリック 15 でアドバタイズすると、ネイバーがこれに 1 を追加し、メトリックは 16 になります。 メトリック 16 は到達不能であるため、ネイバーはルーティング テーブルにそのルートをインストールしません。 |
メトリックを指定しなかった場合、ルートの現在のメトリックが使用されます。 ルートの現在のメトリックを確認するには、show ipv6 route コマンドを入力します。
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. ipv6 rip word enable
5. redistribute protocol [process-id] {level-1 | level-1-2| level-2} [metric metric-value] [metric-type{internal | external}] [route-map map-name]
ルート再配布の実行時に、数値タグをルートに関連付けることができます。 タグは RIP によってルートとともにアドバタイズされ、隣接するルートのルーティング テーブルにルートとともにインストールされます。
タグ付きルート(たとえば、すでにタグが付いている IPv6 ルーティング テーブル内のルート)を RIP に再配布すると、RIP は自動的にタグとルートをアドバタイズします。 再配布ルート マップを使用してタグを指定した場合、RIP はルーティング テーブル タグよりもルート マップ タグを優先して使用します。
1. enable
2. configure terminal
3. route-map map-tag [permit | deny] [sequence-number]
4. match ipv6 address {prefix-list prefix-list-name | access-list-name
5. set tag tag-value
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | enable 例: Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
|
ステップ 2 | configure terminal 例: Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 | route-map map-tag [permit | deny] [sequence-number] 例: Router(config)# route-map bgp-to-rip permit 10 |
ルート マップを定義し、ルート マップ コンフィギュレーション モードを開始します。
|
ステップ 4 | match ipv6 address {prefix-list prefix-list-name | access-list-name 例: Router(config-route-map)# match ipv6 address prefix-list bgp-to-rip-flt |
照合される IPv6 プレフィックスのリストを指定します。 |
ステップ 5 | set tag tag-value 例: Router(config-route-map)# set tag 4 |
再配布されるルートに関連付けるタグ値を設定します。 |
配布リストを使用したルート フィルタリングにより、RIP が受信およびアドバタイズするルートを制御できます。 この制御は、グローバルに実行することも、インターフェイスごとに実行することもできます。
フィルタリングは、配布リストによって制御されます。 入力配布リストはルート受信を制御し、入力フィルタリングはネイバーから受信されたアドバタイズメントに適用されます。 入力フィルタリングをパスしたルートだけが RIP ローカル ルーティング テーブルに挿入され、IPv6 ルーティング テーブルへの挿入候補となります。
出力配布リストはルート アドバタイズメントを制御します。出力フィルタリングは、ネイバーに送信されるルート アドバタイズメントに適用されます。 出力フィルタリングをパスしたルートだけがアドバタイズされます。
グローバル配布リスト(特定のインターフェイスに適用されるのではない配布リスト)は、すべてのインターフェイスに適用されます。 配布リストでインターフェイスを指定している場合、その配布リストはそのインターフェイスにしか適用されません。
インターフェイス配布リストが常に優先されます。 たとえば、インターフェイス上でルートが受信されると、インターフェイス フィルタが deny に設定され、グローバル フィルタが permit に設定されている場合、ルートはブロックされます。また、インターフェイス フィルタでは渡され、グローバル フィルタではブロックされる場合、ルートは渡されます。
IPv6 プレフィックス リストは、permit 文または deny 文を適用する前に照合が必要な特定のプレフィックスまたはプレフィックスの範囲を指定するために使用されます。 2 つのオペランド キーワードを使用して、照合するプレフィックス長の範囲を指定できます。 ある値以下のプレフィックス長は、le キーワードで設定します。 ある値以上のプレフィックス長は、ge キーワードを使用して指定します。 ge および le キーワードを使用すると、通常の ipv6-prefix / prefix-length 引数よりも詳細に、照合するプレフィックス長の範囲を指定できます。 プレフィックス リストのエントリと照合される候補プレフィックスに対して、次の 3 つの条件が存在する可能性があります。
(注) |
最初の条件は、他の条件が有効になる前に一致している必要があることに注意してください。 |
ge または le キーワードを指定しなかった場合は、完全一致であると想定されます。 1 つのキーワード オペランドだけを指定した場合、そのキーワードの条件が適用され、もう 1 つの条件は適用されません。 prefix-length 値は、ge 値よりも小さい必要があります。 ge 値は、le 値以下である必要があります。 le 値は、128 以下である必要があります。
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 prefix list prefix-list-name seq seq-number ] {deny ipv6-prefix/prefix-length | description text} [ge ge-value] [le le-value
4. ipv6 prefix list prefix-list-name seq seq-number ] {deny ipv6-prefix/prefix-length | description text} [ge ge-value] [le le-value
5. プレフィックス リストの構築に必要な数だけ、ステップ 3 および 4 を繰り返します。
6. ipv6 router rip name
7. distribute-list prefix-list prefix-list-name in | out} [interface-type interface-number
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | enable 例: Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
|
ステップ 2 | configure terminal 例: Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 | ipv6 prefix list prefix-list-name seq seq-number ] {deny ipv6-prefix/prefix-length | description text} [ge ge-value] [le le-value 例: Router(config)# ipv6 prefix-list abc permit 2001:DB8::/16 |
IPv6 プレフィックス リストのエントリを作成します。 |
ステップ 4 | ipv6 prefix list prefix-list-name seq seq-number ] {deny ipv6-prefix/prefix-length | description text} [ge ge-value] [le le-value 例: Router(config)# ipv6 prefix-list abc deny ::/0 |
IPv6 プレフィックス リストのエントリを作成します。
|
ステップ 5 | プレフィックス リストの構築に必要な数だけ、ステップ 3 および 4 を繰り返します。 | -- |
ステップ 6 | ipv6 router rip name 例: Router(config)# ipv6 router rip process1 |
IPv6 RIP ルーティング プロセスを設定します。 |
ステップ 7 | distribute-list prefix-list prefix-list-name in | out} [interface-type interface-number 例: Router(config-rtr-rip)# distribute-list prefix-list process1 in gigabitethernet 0/0/0 |
インターフェイス上で受信または送信される IPv6 RIP ルーティング アップデートに、プレフィックス リストを適用します。 |
次の例では、process1 という名前の IPv6 RIP プロセスをルータおよびギガビット イーサネット インターフェイス 0/0/0 上でイネーブルにしています。 ギガビット イーサネット インターフェイス 0/0/0 で送信されるルータ アップデート内の他のすべてのルートに加えて、IPv6 デフォルト ルート(::/0)がアドバタイズされます。 また、プレフィックス リストと一致するルートがタグ付けされるルート マップに応じて、BGP ルートが process1 という名前の RIP プロセスに再配布されます。 パラレル パスの数は、ルート タギングを実行できるように 1 に設定され、IPv6 RIP タイマーが調整されます。 eth0/0-in-flt という名前のプレフィックス リストによって、ギガビット イーサネット インターフェイス 0/0/0 のインバウンド ルーティング アップデートがフィルタリングされます。
ipv6 router rip process1 maximum-paths 1 redistribute bgp 65001 route-map bgp-to-rip distribute-list prefix-list eth0/0-in-flt in Gigabitethernet0/0/0 ! interface Gigabitethernet0/0/0 ipv6 address 2001:DB8::/64 eui-64 ipv6 rip process1 enable ipv6 rip process1 default-information originate ! ipv6 prefix-list bgp-to-rip-flt seq 10 deny 2001:DB8:3::/16 le 128 ipv6 prefix-list bgp-to-rip-flt seq 20 permit 2001:DB8:1::/8 le 128 ! ipv6 prefix-list eth0/0-in-flt seq 10 deny ::/0 ipv6 prefix-list eth0/0-in-flt seq 15 permit ::/0 le 128 ! route-map bgp-to-rip permit 10 match ipv6 address prefix-list bgp-to-rip-flt set tag 4
次の例では、show ipv6 rip コマンドを使用して、現在のすべての IPv6 RIP プロセスに関する出力情報を表示しています。
Device> show ipv6 rip RIP process "process1", port 521, multicast-group FF02::9, pid 62 Administrative distance is 120. Maximum paths is 1 Updates every 5 seconds, expire after 15 Holddown lasts 10 seconds, garbage collect after 30 Split horizon is on; poison reverse is off Default routes are generated Periodic updates 223, trigger updates 1 Interfaces: Gigabitethernet0/0/0 Redistribution: Redistributing protocol bgp 65001 route-map bgp-to-rip
次の例では、show ipv6 rip コマンドで name 引数および database キーワードを指定して、指定した IPv6 RIP プロセス データベースに関する出力情報を表示しています。 次に示す process1 という名前の IPv6 RIP プロセスの出力には、タイマー情報が表示されており、ルート 2001:DB8::16/64 にはルート タグが設定されています。
Device> show ipv6 rip process1 database RIP process "process1", local RIB 2001:DB8::/64, metric 2 Gigabitethernet0/0/0/FE80::A8BB:CCFF:FE00:B00, expires in 13 secs 2001:DB8::/16, metric 2 tag 4, installed Gigabitethernet0/0/0/FE80::A8BB:CCFF:FE00:B00, expires in 13 secs 2001:DB8:1::/16, metric 2 tag 4, installed Gigabitethernet0/0/0/FE80::A8BB:CCFF:FE00:B00, expires in 13 secs 2001:DB8:2::/16, metric 2 tag 4, installed Gigabitethernet0/0/0/FE80::A8BB:CCFF:FE00:B00, expires in 13 secs ::/0, metric 2, installed Gigabitethernet0/0/0FE80::A8BB:CCFF:FE00:B00, expires in 13 secs
次の例では、show ipv6 rip コマンドで name 引数および next-hops キーワードを指定して、指定した IPv6 RIP プロセスに関する出力情報を表示しています。
Device> show ipv6 rip process1 next-hops RIP process "process1", Next Hops FE80::A8BB:CCFF:FE00:A00/Gigabitethernet0/0/0 [4 paths]
関連項目 |
マニュアル タイトル |
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IPv6 アドレッシングと接続 |
『IPv6 Configuration Guide』 |
Cisco IOS コマンド |
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IPv6 コマンド |
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Cisco IOS IPv6 機能 |
『Cisco IOS IPv6 Feature Mapping』 |
標準/RFC |
タイトル |
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IPv6 に関する RFC |
『IPv6 RFCs』 |
MIB |
MIB のリンク |
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選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットに関する MIB を探してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 |
説明 |
リンク |
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機能名 |
リリース |
機能情報 |
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IPv6 ルーティング:ルート再配布 |
Cisco IOS XE Release 2.1 |
ルートは、ルート マップのプレフィックス リストを使用してプレフィックスで指定することも、ルート マップの「タグの照合」機能を使用してタグで指定することもできます。 次のコマンドが導入または変更されました。distribute-list prefix-list、ipv6 prefix list、ipv6 rip enable、ipv6 router rip、match ipv6 address、redistribute、route-map、set tag、show ipv6 rip |