ASA 5550 の取り付け
注意 これらの手順を実行するときは、『
Regulatory Compliance and Safety Information for the Cisco ASA 5500 Series』の安全に関する警告を読み、適切な安全手順に従ってください。
警告 この機器の設置、交換、保守は、訓練を受けた相応の資格のある人が行ってください。ステートメント 49
この章では、ASA 5550 適応型セキュリティ アプライアンスについて説明し、適応型セキュリティ アプライアンスのラックマウントと設定の手順について示します。この章は、次の項で構成されています。
• 「パッケージ内容の確認」
• 「シャーシの設置」
• 「SFP モジュールの取り付け」
• 「ポートと LED」
• 「インターフェイス ケーブルの接続」
• 「次の手順」
パッケージ内容の確認
図 3-1 に示すように、梱包箱の内容を確認し、Cisco ASA 5550 の設置に必要なすべての品目を受領したことを確認します。
図 3-1 ASA 5550 パッケージの内容
シャーシの設置
ここでは、適応型セキュリティ アプライアンスのラックマウントおよび設置の方法について説明します。適応型セキュリティ アプライアンスは、19 インチ ラック(17.5 インチまたは 17.75 インチ(約 45 cm)の開口部)にマウントできます。
警告 ラックにこの装置をマウントしたり、ラック上の装置の作業を行うときは、ケガをしないように、装置が安定した状態に置かれていることを十分に確認してください。安全のために、次のガイドラインに従ってください。
次の情報は、ラックへの機器の取り付けを計画する場合に役立ちます。
• メンテナンスのためにラックの周囲にすき間を空けます。
• 閉鎖型ラックに装置をマウントする場合は、換気が十分に行われるようにします。閉鎖型ラックに装置を詰め込みすぎないようにしてください。 各装置で熱が発生するため、ラック内に装置を詰め込みすぎないように注意が必要です。
• 開放型ラックに装置をマウントする場合は、ラックのフレームで吸気口や排気口をふさがないように注意します。
• ラックに装置を 1 つしか取り付けない場合は、ラックの一番下に装置をマウントします。
• すでに別の装置がこのラックに取り付けられている場合は、最も重い装置をラックの一番下に取り付け、重い順に下から上へと設置するようにします。
• ラックにスタビライザが付属している場合は、スタビライザを取り付けてから、ラックへの装置の取り付けまたはラックでの作業を行います。
警告 次のいずれかの手順を実行する前に、電源が切断されていることを確認してください(AC または DC)。電源を DC 回路から確実に切断するには、パネル ボード上で DC 回路に対応している回路ブレーカーを確認して、回路ブレーカーを OFF の位置に切り替え、回路ブレーカーのスイッチ ハンドルを OFF の位置のままテープで固定します。
シャーシのラックマウント
シャーシをラックマウントするには、次の手順に従います。
ステップ 1 付属のネジを使用して、シャーシにラックマウント ブラケットを取り付けます。ブラケットを穴に取り付けます(図 3-2 を参照してください)。ブラケットをシャーシに固定すると、ラックマウントできるようになります。
図 3-2 右ブラケットと左ブラケットの取り付け
ステップ 2 付属のネジを使用して、シャーシをラックに取り付けます(図 3-3 を参照してください)。
図 3-3 シャーシのラックマウント
ラックからシャーシを取り外すには、シャーシをラックに取り付けているネジを外してから、シャーシを取り外します。
SFP モジュールの取り付け
適応型セキュリティ アプライアンスは、現場交換可能な SFP モジュールを使用して、ファイバ ギガビット イーサネット接続を確立します。
この項では、適応型セキュリティ アプライアンスに対する SFP モジュールの取り付けと取り外しの方法について説明します。この項では、次のトピックについて取り上げます。
• 「SFP モジュール」
• 「SFP モジュールの取り付け」
SFP モジュール
SFP(着脱可能小型フォーム ファクタ)モジュールは、ホットスワップ可能な入力/出力デバイスで、ファイバ ポートに接続されます。
(注) スイッチの電源を入れた後で SFP モジュールを取り付ける場合は、適応型セキュリティ アプライアンスをリロードして、SFP モジュールをイネーブルにする必要があります。
表3-1 に、適応型セキュリティ アプライアンスによってサポートされる SFP モジュールを示します。
表3-1 サポートされる SFP モジュール
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1000BASE-LX/LH |
ファイバ |
GLC-LH-SM= |
1000BASE-SX |
ファイバ |
GLC-SX-MM= |
1000BASE-LX/LH と 1000BASE-SX の SFP モジュールは、ファイバ接続の確立に使用されます。SFP モジュールに接続するには、LC コネクタにファイバ ケーブルを使用します。SFP モジュールは、850 ~ 1550 nm の公称波長をサポートします。ケーブルの長さは、信頼できる通信の要件であるケーブル長を超えることはできません。 表3-2 に、ケーブル長の要件を示します。
表3-2 光ファイバ SFP モジュールのケーブル要件
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62.5/125 ミクロン マルチモード 850 nm
ファイバ
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50/125 ミクロン マルチモード 850 nm
ファイバ
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62.5/125 ミクロン マルチモード 1310 nm
ファイバ
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50/125 ミクロン マルチモード 1310 nm
ファイバ
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9/125 ミクロン シングルモード 1310 nm
ファイバ
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- |
500 Mhz-km で 550 m |
400 Mhz-km で 550 m |
10 km |
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200 Mhz-km で 275 m |
500 Mhz-km で 550 m |
- |
- |
- |
適応型セキュリティ アプライアンスには、シスコ認定の SFP モジュールのみを使用します。SFP モジュールにはそれぞれ、セキュリティ情報で符号化された内部シリアル EEPROM があります。この符号化によって、SFP モジュールが適応型セキュリティ アプライアンスの要件を満たしていることを、シスコが識別して検証できます。
(注) 適応型セキュリティ アプライアンスでサポートされるのは、シスコによって認定された SFP モジュールのみです。
注意 SFP からケーブルを外した後は、清潔なポート プラグを SFP に差し込んで SFP モジュールを保護します。別の SFP モジュールの光ボアにファイバ ケーブルを再接続する前に、ケーブルの受光面が汚れていないことを確認してください。SFP モジュールの光ボアが埃などで汚れないようにします。光学機器は、埃が付着すると正しく動作しません。
警告 ケーブルが接続されていない場合、ポートの開口部からは目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光に当たらないようにし、開口部をのぞきこまないでください。ステートメント 70
SFP モジュールの取り付け
SFP モジュールをスロット 1 のファイバ ポートに取り付けるには、次の手順を実行します。
ステップ1 SFP モジュールをポートの位置に合せ、ロックする位置までポート スロット内にスライドさせます(図 3-4 を参照してください)。
図 3-4 SFP モジュールの取り付け
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ポート プラグ |
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SFP モジュール |
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ポート スロット |
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注意 ケーブル接続の準備ができるまではポート プラグを SFP モジュールから取り外さないでください。
ステップ2 ポート プラグを取り外し、ネットワーク ケーブルを SFP モジュールに接続します。
ステップ3 ケーブルのもう一方の端をネットワークに接続します。ケーブル接続の詳細については、「インターフェイス ケーブルの接続」を参照してください。
注意 多くの SFP モジュールで使用されているラッチ メカニズムによって、ケーブルが接続されると SFP がロックされます。SFP モジュールを取り外す際にはケーブルを引っ張らないようにしてください。
ポートと LED
ここでは、前面パネルと背面パネルについて説明します。図 3-5 に前面パネルの LED を示します。この項では、次のトピックについて取り上げます。
• 「前面パネルの LED」
• 「背面パネルの LED およびスロット 0 のポート」
• 「ポートおよびスロット 1 の LED」
前面パネルの LED
図 3-5 は、適応型セキュリティ アプライアンスの前面パネルの LED を示しています。
図 3-5 前面パネルの LED
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電源 |
緑 |
点灯 |
システムは通電状態です。 |
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ステータス |
緑 |
点滅 |
電源投入診断を実行中か、システムがブート中です。 |
点灯 |
システムは電源投入診断に合格しました。 |
オレンジ |
点灯 |
電源投入診断に合格しませんでした。 |
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アクティブ |
緑 |
点滅 |
ネットワーク アクティビティが発生しています。 |
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VPN |
緑 |
点灯 |
VPN トンネルが確立されました。 |
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フラッシュ |
緑 |
点灯 |
CompactFlash がアクセスされています。 |
背面パネルの LED およびスロット 0 のポート
図 3-6 は、背面パネルの LED およびスロット 0 のポートを示しています。
図 3-6 背面パネルの LED とスロット 0 のポート(AC 電源モジュール モデルの場合)
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管理ポート |
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USB 2.0 インターフェイス |
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VPN LED |
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外部 CompactFlash スロット |
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ネットワーク インターフェイス |
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フラッシュ LED |
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シリアル コンソール ポート |
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電源インジケータ LED |
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補助ポート |
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電源スイッチ |
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ステータス インジケータ LED |
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電源コネクタ |
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電源インジケータ LED |
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アクティブ LED |
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管理ポートの詳細については、『 Cisco Security Appliance Command Reference 』のmanagement-only コマンドを参照してください。
図 3-7 に適応型セキュリティ アプライアンスの背面パネルの LED を示します。
図 3-7 背面パネルのリンクおよび速度のインジケータ LED
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MGMT インジケータ LED |
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ネットワーク インターフェイス LED |
表3-3 に、背面の MGMT およびネットワーク インターフェイスの LED を示します。
表3-3 リンクおよび速度の LED
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左側 |
緑(点灯) 緑(点滅) |
物理リンク ネットワーク アクティビティ |
右側 |
消灯 緑 オレンジ |
10 Mbps 100 Mbps 1000 Mbps |
ポートおよびスロット 1 の LED
図 3-8 は、ポートおよびスロット 1 の LED を示しています。
図 3-8 ポートおよびスロット 1 の LED
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銅線イーサネット ポート |
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ステータス LED |
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RJ-45 リンク LED |
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ファイバ イーサネット ポート |
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RJ-45 速度 LED |
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SFP リンク LED |
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電源 LED |
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SFP 速度 LED |
(注) 図 3-8 は、ファイバ イーサネット ポートに取り付けられている SFP モジュールを示しています。ファイバ イーサネット接続を確立する場合は、SFP モジュールを注文して取り付ける必要があります。ファイバ ポートおよび SFP モジュールの詳細については、「SFP モジュールの取り付け」を参照してください。
表3-4 は、スロット 1 の LED について説明しています。
表3-4 バス G1 の LED
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リンク |
緑 |
点灯 |
イーサネット リンクがあります。 |
点滅 |
イーサネット アクティビティが発生しています。 |
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速度 |
消灯 緑 オレンジ |
10 MB |
ネットワーク アクティビティは発生していません。 |
100 MB |
100 Mbps でネットワーク アクティビティが発生しています。 |
1000 MB (GigE) |
1000 Mbps でネットワーク アクティビティが発生しています。 |
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電源 |
緑 |
点灯 |
システムは通電状態です。 |
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ステータス |
緑 緑 オレンジ |
点滅 |
システムはブート中です。 |
点灯 |
システムは正常にブートされました。 |
点灯 |
システムの診断が失敗しました。 |
インターフェイス ケーブルの接続
この項では、コンソール ポート、補助ポート、管理ポート、銅線イーサネット ポート、およびファイバ イーサネット ポートに適切なケーブルを接続する方法について説明します。
ケーブルをネットワーク インターフェイスに接続するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 シャーシを平坦で安定した場所に置くか、またはラックに設置します(ラックマウントの場合)。
ステップ 2 管理ポートに接続します。
適応型セキュリティ アプライアンスには、管理 0/0 ポートと呼ばれる、デバイス管理のための専用インターフェイスがあります。管理 0/0 ポートは、ファースト イーサネット インターフェイスです。このポートはコンソール ポートと類似していますが、管理 0/0 ポートは適応型セキュリティ アプライアンスへの着信トラフィックのみを受け入れます。
(注) インターフェイスを管理専用インターフェイスとして設定するには、management-only コマンドを使用します。管理インターフェイスの管理専用モードをディセーブルにすることもできます。このコマンドの詳細については、『Cisco Security Appliance Command Reference』の management-only コマンドの説明を参照してください。
a. 両端に RJ-45 コネクタがついているイーサネット ケーブルを見つけます。
b. RJ-45 コネクタの一方を管理 0/0 ポートに接続します(図 3-9 を参照してください)。
c. イーサネット ケーブルのもう一方の端を、コンピュータのイーサネット ポート、または管理ネットワークに接続します。
図 3-9 管理ポートへの接続
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管理ポート |
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RJ-45/RJ-45 イーサネット ケーブル |
ステップ 3 コンソール ポートに接続します。
a. コンピュータまたはターミナルをポートに接続する前に、シリアル ポートのボー レートを確認します。コンピュータまたはターミナルのボー レートは、適応型セキュリティ アプライアンスのコンソール ポートのデフォルト ボー レート(9600 ボー)と一致している必要があります。
ターミナルの設定は次のとおりです:9600 ボー(デフォルト)、8 データ ビット、パリティなし、1 ストップ ビット、およびフロー制御(FC)= ハードウェア。
b. シリアル コンソール ケーブルを見つけます。シリアル コンソール ケーブルには、一方の端に RJ-45 コネクタがあり、もう一方の端にコンピュータのシリアル ポート用の DB-9 コネクタがあります。
c. RJ-45 コネクタを適応型セキュリティ アプライアンスのコンソール ポートに接続します(図 3-10 を参照してください)。
d. DB-9 コネクタをコンピュータのコンソール ポートに接続します。
図 3-10 コンソール ケーブルの接続
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RJ-45 コンソール ポート |
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RJ-45/DB-9 コンソール ケーブル |
ステップ 4 補助ポート(AUX というレベルがあるポート)に接続します。
a. シリアル コンソール ケーブルを見つけます。シリアル コンソール ケーブルには、一方の端に RJ-45 コネクタがあり、もう一方の端にコンピュータのシリアル ポート用の DB-9 コネクタがあります。
b. ケーブルの RJ-45 コネクタを適応型セキュリティ アプライアンスの補助ポート(AUX というラベルがあるポート)に接続します(図 3-11 を参照してください)。
c. ケーブルのもう一方の端(DB-9 コネクタ)を、コンピュータのシリアル ポートに接続します。
図 3-11 補助ポートへの接続
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RJ-45 補助ポート |
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RJ-45/DB-9 コンソール ケーブル |
ステップ 5 ネットワーク接続に使用する銅線イーサネット ポートに接続します。銅線イーサネット ポートは、スロット 0 およびスロット 1 の両方を使用できます。
(注) 内部インターフェイスにはスロット 0 のポートを、外部インターフェイスにはスロット 1 のポートを使用する必要があります。
a. イーサネット ケーブルの一方の端を、銅線イーサネット ポートに接続します(図 3-12 および 図 3-13 を参照してください)。
図 3-12 スロット 0 の銅線イーサネット インターフェイスへの接続
図 3-13 スロット 1 の銅線イーサネット インターフェイスへの接続
b. イーサネット ケーブルのもう一方の端をネットワーク デバイス(ルータ、スイッチ、ハブなど)に接続します。
ステップ 6 ネットワーク接続に使用するファイバ イーサネット ポートに接続します。
(注) スロット 1 には、4 つの銅線イーサネット ポートと 4 つのファイバ イーサネット ポートがあります。両方のポートを使用できますが、一度に使用できるのは合計で 4 つのスロット 1 ポートだけです。たとえば、2 つの銅線イーサネット ポートと 2 つのファイバ イーサネット ポートを使用できます。
使用するファイバ ポートごとに、次の手順を実行します。
a. SFP モジュールを次の手順で取り付けます。
–SFP モジュールを、カチッという音が聞こえるまでファイバ ポートに差し込み、スライドさせます。カチッという音は、SFP モジュールがポートにロックされたことを示します。
–取り付けた SFP からポート プラグを取り外します(図 3-14 を参照してください)。
図 3-14 ファイバ ポート プラグの取り外し
b. LC コネクタを SFP モジュールに接続します(図 3-15 を参照してください)。
図 3-15 LC コネクタの接続
c. ケーブルのもう一方の端をネットワーク デバイス(ルータ、スイッチ、ハブなど)に接続します。
ステップ 7 電源コードを適応型セキュリティ アプライアンスに接続して、もう一方の端を電源に差し込みます。
ステップ 8 シャーシの電源を入れます。