この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
以下のトピックでは、侵入ルール エディタの使用方法について説明します。
侵入ルールは、ネットワークの脆弱性を不正利用する試みを検出するために使用するキーワードや引数です。ネットワーク トラフィックの分析では、パケットを各ルールで指定した条件と比較します。パケットのデータがルールで指定したすべての条件に一致すると、そのルールがトリガーされます。アラート ルールであれば、侵入イベントが生成されます。通過ルールであれば、トラフィックを無視します。インライン展開の廃棄ルールでは、システムがパケットを破棄してイベントを生成します。侵入イベントは、Firepower Management Center の Web インターフェイスから表示して評価できます。
Firepower システムの侵入ルールには、共有オブジェクト ルールと標準テキスト ルールの 2 種類があります。Cisco Talos Security Intelligence and Research Group(Talos) では、共有オブジェクト ルールを使うことにより、従来の標準テキスト ルールではできなかった方法で脆弱性に対する攻撃を検出できます。共有オブジェクト ルールを作成することはできません。独自の侵入ルールを作成する場合は、標準テキスト ルールを作成します。
発生する可能性のあるイベントのタイプを調整するために、カスタム標準テキスト ルールを作成することができます。このマニュアルでは特定のエクスプロイトの検出を目的とするルールについて説明することもありますが、優秀なルールのほとんどは、特定の既知のエクスプロイトではなく既知の脆弱性を悪用しようとするトラフィックをターゲットとすることに注意してください。ルールを作成してルールのイベント メッセージを指定することにより、攻撃とポリシー回避を示唆するトラフィックをより簡単に識別できます。
カスタム侵入ポリシーでカスタム標準テキスト ルールを有効にすると、一部のルール キーワードと引数では、トラフィックを特定の方法で最初に復号化または前処理する必要があることに留意してください。この章では、前処理を制御するネットワーク分析ポリシーで設定する必要があるオプションについて説明します。注意点として、必要なプリプロセッサを無効にすると、システムは自動的に現在の設定でプリプロセッサを使用します。ただし、ネットワーク分析ポリシーの Web インターフェイスではプリプロセッサは無効のままになります。
注意 | 作成した侵入ルールを実稼働環境で使用する前に、制御されたネットワーク環境で必ずテストしてください。不適切に作成された侵入ルールは、システムのパフォーマンスに重大な影響を与える可能性があります。 |
マルチドメイン展開では、現在のドメインで作成されたルールが表示されます。これは編集できます。先祖ドメインで作成されたルールも表示されますが、これは編集できません。下位のドメインで作成されたルールを表示および編集するには、そのドメインに切り替えます。 システム提供の侵入ルールはグローバル ドメインに属します。子孫ドメインの管理者は、これらのシステム ルールをローカルにコピーして編集できます。
すべての標準テキスト ルールには、ルール ヘッダーとルール オプションという 2 つの論理セクションが含まれています。ルール ヘッダーの内容は次のとおりです。
ルールのオプション セクションは、カッコで囲まれたセクションであることに注意してください。侵入ルール エディタは、標準テキスト ルールの作成を支援する使いやすいインターフェイスを備えています。
すべての標準テキスト ルールおよび共有オブジェクト ルールに、パラメータと引数を含むルール ヘッダーがあります。ルール ヘッダーの構成要素を以下に示します。
次の表では、上記のルール ヘッダーの各部分について説明します。
(注) | 前述の例では、ほとんどの侵入ルールの場合と同様に、デフォルト変数が使用されています。 |
各ルール ヘッダーには、パケットがルールをトリガーとして使用したときにシステムで行われるアクションを指定するパラメータが 1 つ含まれています。アクションが [アラート(alert)] に設定されたルールは、それをトリガーとして使用したパケットに関する侵入イベントを生成し、そのパケットの詳細をログに記録します。アクションが pass に設定されたルールは、それをトリガーとして使用したパケットに関するイベントを生成せず、そのパケットの詳細も記録しません。
(注) | インライン展開において、ルール状態が [ドロップしてイベントを生成する(Drop and Generate Events)] に設定されたルールは、それをトリガーとして使用したパケットに関する侵入イベントを生成します。また、パッシブ展開で廃棄ルールを適用した場合は、ルールがアラート ルールとして機能します。 |
デフォルトでは、パス ルールがアラート ルールをオーバーライドします。パス ルールを作成することで、アラート ルールを無効にする代わりに、パス ルールで定義された基準を満たすパケットが特定の状況でアラート ルールをトリガーとして使用しないことを指定できます。たとえば、ユーザ "anonymous" として FTP サーバにログインする試行を検索するルールをアクティブのままにする必要があるとします。ただし、1 つ以上の正式な匿名 FTP サーバがネットワークに存在する場合、そのような特定のサーバで匿名ユーザにより最初のルールがトリガーとして使用されないことを指定するパス ルールを作成し、アクティブにすることができます。
各ルール ヘッダーで、ルールにより検査されるトラフィックのプロトコルを指定する必要があります。次のネットワーク プロトコルを分析対象として指定できます。
TCP、UDP、ICMP、IGMP など、IANA によって割り当てられたすべてのプロトコルを検査するには、プロトコル タイプとして IP を使用します。
(注) | 現在のところ、IP ペイロード内の次のヘッダー(TCP ヘッダーなど)でパターンを照合するルールを作成することはできません。代わりに、最後にデコードされたプロトコルからコンテンツ照合が始まります。次善策として、ルール オプションを使用して TCP ヘッダー内のパターンを照合できます。 |
ルールによる検査対象となるパケットが進むべき方向を、ルール ヘッダー内で指定できます。以下の表は、それらのオプションを示しています。
パケット検査の対象を、特定の IP アドレスから発信されたパケットまたは特定の IP アドレスに向かうパケットに制限すると、システムが実行しなければならないパケット検査の量が減ります。さらに、ルールをより具体化し、送信元および宛先 IP アドレスが疑わしい動作を示していないパケットに対してルールがトリガーとして使用される可能性をなくすと、誤検出も減ります。
ヒント | システムは IP アドレスのみを認識し、送信元/宛先 IP アドレスのホスト名を受け入れません。 |
侵入ルール エディタの [送信元 IP(Source IPs)] フィールドと [宛先 IP(Destination IPs)] フィールドで、送信元および宛先の IP アドレスを指定します。
標準テキスト ルールの作成時には、必要に応じて、さまざまな方法で IPv4 アドレスと IPv6 アドレスを指定できます。単一の IP アドレス、any、IP アドレス リスト、CIDR 表記、プレフィクス長、ネットワーク変数、ネットワーク オブジェクトあるいはネットワーク オブジェクト グループを指定できます。加えて、1 つの特定の IP アドレスまたは IP アドレスのセットを除外するよう指定できます。IPv6 アドレスを指定するときには、RFC 4291 で定義された任意のアドレス指定規則を使用できます。
マルチドメイン展開では、この設定でリテラル IP アドレスを使用すると、予期しない結果になる可能性があります。たとえば、グローバル ドメイン内にリテラル送信元 IP アドレス(192.0.2.2)の侵入ルールを作成し、子孫ドメインで使用する侵入ポリシーでそのルールを有効にするとします。この場合、発生したイベントは子孫ドメイン A(192.0.2.2 が DeviceA を表すドメイン)と子孫ドメイン B(192.0.2.2 が DeviceB を表すドメイン)の両方で確認されることになりますが、侵入に対する脆弱性を確実に示すのは、いずれか一方のイベントのセットだけです。上書き対応オブジェクトを使用すると、子孫ドメインの管理者は、グローバル コンフィギュレーションを自分のローカル環境に調整できます。
次の表では、送信元と宛先の IP アドレスを指定するさまざまな方法を要約します。
プリプロセッサ ルールは、侵入ルールで使われているネットワーク変数で定義されたホストとは無関係に、イベントをトリガーできることに注意してください。 |
||
ネットワーク オブジェクトまたはネットワーク オブジェクト グループで定義されたアドレスを除く、すべての IP アドレス |
任意の IPv4 または IPv6 アドレスを示す「any」という単語を、ルールの送信元 IP アドレスまたは宛先 IP アドレスとして指定できます。
たとえば、次のルールでは [Source IPs] フィールドと [Destination IPs] フィールドで引数 any を使用して、任意の IPv4 または IPv6 の送信元または宛先アドレスを持つパケットを評価します。
alert tcp any any -> any any
次の例に示すように、カンマを使って複数の IP アドレスを区切り、オプションで、非拒否リストを大カッコで囲むことにより、個別の IP アドレスを列挙できます。
[192.168.1.100,192.168.1.103,192.168.1.105]
IPv4 アドレスと IPv6 アドレスのいずれかだけを列挙することも、任意に組み合わせて列挙することもできます(次の例を参照)。
[192.168.1.100,2001:db8::1234,192.168.1.105]
以前のソフトウェア リリースでは IP アドレス リストを大カッコで囲む必要がありましたが、現在ではこれが必須でないことに注意してください。また、オプションで、リストを入力するときに各カンマの前または後にスペースを含めることができます。
(注) |
また、IPv4 クラスレス ドメイン間ルーティング(CIDR)表記または IPv6 プレフィクス長を使用してアドレス ブロックを指定することもできます。次に例を示します。
192.168.1.0/24 は、サブネット マスク 255.255.255.0 の 192.168.1.0 ネットワーク内の IPv4 アドレス、つまり 192.168.1.0 ~ 192.168.1.255 を指定します。
2001:db8::/32 は、プレフィクス長 32 ビットの 2001:db8:: ネットワーク内の IPv6 アドレス、つまり 2001:db8:: ~ 2001:db8:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff:ffff を指定します。
ヒント | IP アドレスのブロックを指定する必要があるが、CIDR またはプレフィクス長表記を単独で使ってそれを表現できない場合は、1 つの IP アドレス リスト内でいくつかの CIDR ブロックとプレフィクス長を使用できます。 |
次の構文を使用して、ネットワーク オブジェクトまたはネットワーク オブジェクト グループを指定できます。
${object_name | group_name}
192.168sub16 という名前のネットワーク オブジェクトと all_subnets という名前のネットワーク オブジェクト グループをすでに作成済みであるとします。ネットワーク オブジェクトを使用して IP アドレスを特定するには、たとえば次のように指定できます。
${192.168sub16}
ネットワーク オブジェクト グループを使用するには、次のように指定できます。
${all_subnets}
さらに、ネットワーク オブジェクトとネットワーク オブジェクト グループで否定を使用することもできます。次に例を示します。
!${192.168sub16}
特定の IP アドレスを否定するために感嘆符(!)を使用できます。つまり、1 つ以上の特定の IP アドレスを除く、すべての IP アドレスに一致させることができます。たとえば、!192.168.1.1 は 192.168.1.1 以外の任意の IP アドレスを、!2001:db8:ca2e::fa4c は 2001:db8:ca2e::fa4c 以外の任意の IP アドレスを指定します。
一連の IP アドレスを拒否するには、大かっこで囲んだ IP アドレスのリストの前に「!」記号を付けます。たとえば、![192.168.1.1,192.168.1.5] は 192.168.1.1 と 192.168.1.5 を除くすべての IP アドレスを定義します。
(注) | IP アドレスのリストを否定するには、大カッコを使用する必要があります。 |
否定文字と一緒に IP アドレス リストを使用する場合は注意が必要です。たとえば、192.168.1.1 と 192.168.1.5 を除くすべてのアドレスと一致させるために [!192.168.1.1,!192.168.1.5] を使用した場合、システムはこの構文を「192.168.1.1 以外のすべて、または 192.168.1.5 以外のすべて」と解釈します。
192.168.1.5 は 192.168.1.1 ではなく、192.168.1.1 は 192.168.1.5 ではないため、この両方の IP アドレスが [!192.168.1.1,!192.168.1.5] という IP アドレス値に一致します。つまり、実質的に「any」を使用するのと同じです。
代わりに ![192.168.1.1,192.168.1.5] を使用してください。システムはこの構文を「192.168.1.1 でなく、しかも 192.168.1.5 でない」と解釈し、大カッコ内に列挙されたものを除くすべての IP アドレスに一致します。
論理的に言って、any を除外(negation)と同時に使用できないことに注意してください。any を除外すると「アドレスなし」を意味することになります。
侵入ルール エディタの [送信元ポート(Source Port)] フィールドと [宛先ポート(Destination Port)] フィールドで、送信元および宛先ポートを指定します。
Firepower System では、特定のタイプの構文を使用して、ルール ヘッダーで使用されるポート番号を定義できます。
(注) | プロトコルが ip に設定されている場合、システムは侵入ルール ヘッダー内のポート定義を無視します。 |
次の例に示すように、カンマでポートを区切ることによって、ポートのリストを指定できます。
80, 8080, 8138, 8600-9000, !8650-8675
任意により、次の例は、ポート リストを括弧で囲む方法を示します。この方法は旧バージョンのソフトウェアでは必要でしたが、今後は括弧で囲む必要ありません。
[80, 8080, 8138, 8600-9000, !8650-8675]
次の例に示すように、否定されたポート リストは括弧で示す必要がある点にご注意ください:
![20, 22, 23]
-21 |
||
80- |
||
!20 |
||
標準のテキスト ルールを作成するときには、ルールでエクスプロイト試行を検出する対象となる脆弱性についてのコンテキスト情報を含めることができます。また、脆弱性データベースへの外部参照を含めたり、組織内でイベントに設定するプライオリティを定義したりすることもできます。アナリストがイベントを認識すると、そのプライオリティ、エクスプロイト、および既知の対策についての情報をすぐに入手できます。
ルールのトリガー時にメッセージとして表示される、意味のあるテキストを指定できます。メッセージを読むと、ルールで攻撃試行を検出する対象となった脆弱性の特性をすぐに理解できます。中カッコ({})を除く、印字可能な任意の標準 ASCII 文字を使用できます。システムは、メッセージ全体を囲んでいる引用符を取り除きます。
ヒント | ルール メッセージの指定は必須です。また、空白文字のみ、1 つ以上の引用符のみ、1 つ以上のアポストロフィのみ、あるいは空白文字/引用符/アポストロフィだけの組み合わせでメッセージを構成することはできません。 |
侵入ルール エディタでイベント メッセージを定義するには、[メッセージ(Message)] フィールドにイベント メッセージを入力します。
ルールごとに、イベントのパケット表示に含める攻撃分類を指定できます。次の表に、それぞれの分類の名前と番号を示します。
定義したルールによって生成されるイベントのパケット表示記述の内容をもっとカスタマイズする必要がある場合には、カスタム分類を作成できます。
分類の名前。40 文字を超える文字を使用すると、ページが読みにくくなります。<>()\'"&$; 文字および空白文字はサポートされていません。 |
|
デフォルトでは、ルールのイベント分類からルールのプライオリティが派生します。ただし、priority キーワードをルールに追加し、高、中、または低のプライオリティを選択することで、ルールの分類優先度を上書きすることができます。たとえば、Web アプリケーション攻撃を検出するルールに高プライオリティを割り当てるには、priority キーワードをルールに追加して、プライオリティとして [高(high)] を選択します。
reference キーワードを使用すると、イベントに関する外部 Web サイトや追加情報への参照を追加できます。参照を追加すると、アナリストは参照情報をすぐに利用できるため、パケットがルールをトリガーとして使用した理由を特定するのに役立ちます。次の表に、既知のエクスプロイトや攻撃についてのデータを提供する外部システムをいくつか示します。
bugtraq |
8550 |
|
cve |
CAN-2003-0702 |
|
mcafee |
98574 |
|
url |
www.example.com?exploit=14 |
|
msb |
MS11-082 |
|
nessus |
10039 |
|
secure-url |
intranet/exploits/exploit=14 |
id_system,id
ここで、id_system はプレフィックスとして使用されるシステム、id は Bugtraq ID、CVE 番号、Arachnids ID、または URL(http://なし)です。
たとえば、Bugtraq ID 17134 に記載されている Microsoft Commerce Server 2002 サーバ上の認証バイパス脆弱性を指定するには、次の値を入力します。
bugtraq,17134
スマート ライセンス |
従来のライセンス |
サポートされるデバイス |
サポートされるドメイン |
アクセス(Access) |
---|---|---|---|---|
脅威(Threat) |
Protection |
任意(Any) |
任意(Any) |
Admin/Intrusion Admin |
マルチドメイン展開では、現在のドメインで作成されたカスタム分類がシステムで表示されます。これらの分類には、優先度を設定できます。先祖ドメインで作成されたカスタム分類も表示されますが、これらの分類には優先度は設定できません。下位のドメインで作成されたカスタム分類を表示および編集するには、そのドメインに切り替えます。
ステップ 1 | ルールの作成または編集時に、[分類(Classification)] ドロップダウン リストから [分類の編集(Edit Classifications)] を選択します。
代わりに [分類の表示(View Classifications)] が表示される場合、設定は先祖ドメインに属しており、設定を変更する権限がありません。 |
ステップ 2 | 侵入イベント詳細 の説明に従い、[分類名(Classification Name)] と [分類の説明(Classification Description)] を入力します。 |
ステップ 3 | [優先度(Priority)] ドロップダウン リストから分類の優先度を選択します。 |
ステップ 4 | [追加(Add)] をクリックします。 |
ステップ 5 | [完了(Done)] をクリックします。 |
スマート ライセンス |
従来のライセンス |
サポートされるデバイス |
サポートされるドメイン |
アクセス(Access) |
---|---|---|---|---|
脅威(Threat) |
Protection |
任意(Any) |
任意(Any) |
Admin/Intrusion Admin |
スマート ライセンス |
従来のライセンス |
サポートされるデバイス |
サポートされるドメイン |
アクセス(Access) |
---|---|---|---|---|
脅威(Threat) |
Protection |
任意(Any) |
任意(Any) |
Admin/Intrusion Admin |
ステップ 1 | ルールの作成または編集時に、[検出オプション(Detection Options)] ドロップダウン リストから [参照(reference)] を選択します。 |
ステップ 2 | [Add Option] をクリックします。 |
ステップ 3 | 侵入イベント詳細の説明に従って、[参照(reference)] フィールドに値を入力します。 |
ステップ 4 | [保存(Save)] をクリックします。 |
独自の標準テキスト ルールを作成する
既存の標準テキスト ルールを新規ルールとして保存する
システムが提供する共有オブジェクト ルールを新規ルールとして保存する
先祖ルールを子孫ドメインにおける新規ルールとして保存する(マルチドメイン展開の場合)
ローカル ルール ファイルをインポートする
作成方法に関わらず、システムはカスタム ルールをローカル ルールに分類して保存します。
カスタム侵入ルールを作成すると、システムは一意のルール番号(番号の形式は GID:SID:Rev)を割り当てます。この番号には次の要素が含まれます。
ジェネレータ ID。標準テキスト ルールでは、値は 1 です。すべての共有オブジェクト ルールを新規ルールとして保存する場合、値は 3 です。
Snort ID。ルールがシステム ルールのローカル ルールであるかどうかを示します。新しいルールを作成すると、システムは次に使用可能なローカル ルール SID 番号を割り当てます。
改訂番号。新しいルールのリビジョン番号は 1 です。カスタム ルールを変更するたびに、リビジョン番号が 1 ずつ増えます。
カスタム標準テキスト ルールでは、ルール ヘッダー設定、ルール キーワード、およびルール引数を設定できます。特定のプロトコルを使用する、特定の IP アドレスまたはポートを行き来するトラフィックだけをルールで照合するよう、ルール ヘッダーを設定できます。
システムが提供する標準テキスト ルールまたは共有オブジェクト ルールのカスタム ルールで変更できるルール ヘッダー情報は、送信元と宛先ポートと IP アドレスなどの情報に限られます。ルール キーワードやルール引数は変更できません。
共有オブジェクト ルールのヘッダー情報を変更して変更内容を保存すると、ルールの新しいインスタンスが作成され、ジェネレータ ID(GID)3 、およびカスタム ルールとして次に使用可能な SID が割り当てられます。システムは、共有オブジェクト ルールの新しいインスタンスを予約済み soid キーワードにリンクします。これにより、新しく作成したルールが Cisco Talos Security Intelligence and Research Group(Talos) 作成のルールにマップされます。ユーザが作成した共有オブジェクト ルールのインスタンスは削除できますが、Talos が作成した共有オブジェクト ルールは削除できません。
スマート ライセンス |
従来のライセンス |
サポートされるデバイス |
サポートされるドメイン |
アクセス(Access) |
---|---|---|---|---|
脅威(Threat) |
Protection |
任意(Any) |
任意(Any) |
Admin/Intrusion Admin |
該当する侵入ポリシー内の新規または変更されたルールを有効にします(侵入ポリシー内の侵入ルールの表示を参照)。
設定変更を展開します。設定変更の導入を参照してください。
スマート ライセンス |
従来のライセンス |
サポートされるデバイス |
サポートされるドメイン |
アクセス(Access) |
---|---|---|---|---|
脅威(Threat) |
Protection |
任意(Any) |
任意(Any) |
Admin/Intrusion Admin |
カスタム侵入ルールは変更できます。マルチドメイン展開では、現在のドメインに属しているカスタム侵入ルールのみを変更できます。
システム提供のルールと先祖ドメインに属しているルールは、新しいカスタム ルールとしてローカル ルール カテゴリに保存してから変更できます。
ステップ 1 | 次のいずれかの方法を使用して侵入ルールにアクセスします。 | ||
ステップ 2 | 変更するルールを見つけます。次の選択肢があります。
| ||
ステップ 3 | ルールの横にある編集アイコン()をクリックします。 | ||
ステップ 4 | ルール タイプに応じて、ルールを変更します。
| ||
ステップ 5 | 次の選択肢があります。 |
スマート ライセンス |
従来のライセンス |
サポートされるデバイス |
サポートされるドメイン |
アクセス(Access) |
---|---|---|---|---|
脅威(Threat) |
Protection |
任意(Any) |
任意(Any) |
Admin/Intrusion Admin |
任意の侵入ルールにコメントを追加できます。コメントにより、環境や条件の説明と、ルールやルールが検出する悪意あるプログラム、スクリプト(エクスプロイト)やポリシー違反の詳細を示すことができます。
マルチドメイン展開では、現在のドメインで作成されたコメントが表示されます。これは削除できます。先祖ドメインで作成されたコメントも表示されますが、これは削除できません。下位のドメインで作成されたコメントを表示するには、そのドメインに切り替えます。
ステップ 1 | 次のいずれかの方法を使用して侵入ルールにアクセスします。 | ||
ステップ 2 | 注釈を付けるルールを探します。次の選択肢があります。
| ||
ステップ 3 | ルールの横にある編集アイコン()をクリックします。
代わりに表示アイコン()がルールの横に表示される場合、ルールは先祖ポリシーに属しており、ルールを変更する権限がありません。 | ||
ステップ 4 | [Rule Comment] をクリックします。 | ||
ステップ 5 | テキスト ボックスにコメントを入力します。 | ||
ステップ 6 | [コメントを追加(Add a Comment)] をクリックします。
|
スマート ライセンス |
従来のライセンス |
サポートされるデバイス |
サポートされるドメイン |
アクセス(Access) |
---|---|---|---|---|
脅威(Threat) |
Protection |
任意(Any) |
任意(Any) |
Admin/Intrusion Admin |
侵入ポリシーで現在有効になっていないカスタム ルールを削除することができます。システムにより提供されている標準テキスト ルールおよび共有オブジェクト ルールは削除できません。マルチドメイン導入では、現在のドメインで作成されたローカル ルールのみを削除できます。
削除されたルールは削除済みカテゴリに保存されます。削除済みのルールを、新しいルールの基準として使用することができます。侵入ポリシーの [Rules] ページには削除済みカテゴリが表示されないため、削除したカスタム ルールを有効にすることはできません。
ヒント | カスタム ルールには、変更されたヘッダー情報で保存する共有オブジェクト ルールが含まれます。また、これらはローカル ルール カテゴリに保存され、3の GID を使用してリストされます。変更した共有オブジェクト ルールは削除できますが、元の共有オブジェクト ルールは削除できません。 |
スマート ライセンス |
従来のライセンス |
サポートされるデバイス |
サポートされるドメイン |
アクセス(Access) |
---|---|---|---|---|
脅威(Threat) |
Protection |
任意(Any) |
任意(Any) |
Admin/Intrusion Admin |
Firepower システムには、数千もの標準テキスト ルールが用意されています。また、Cisco Talos Security Intelligence and Research Group(Talos) は新しい脆弱性およびエクスプロイトが見つかったときのルールを追加を継続します。特定のルールを簡単に検索して、そのルールをアクティブ化、非アクティブ化、または編集することができます。
次の表には、利用可能な検索オプションについて説明しています。
Snort ID(SID)に基づいて 1 つのルールを検索するには、SID 番号を入力します。複数のルールを検索するには、SID 番号リストをコンマで区切って入力します。このフィールドは、80 文字以内です。 |
|
標準テキスト ルールを検索するには、[1] を選択します。共有オブジェクトのルールを検索するには、[3] を選択します。 |
|
特定のメッセージのあるルールを検索するには、[メッセージ(Message)] フィールドのルール メッセージから単語を 1 つ入力します。たとえば、DNS エクスプロイトを検索するには、DNS を入力します。バッファ オーバーフロー エクスプロイトを検索するには、overflow と入力します。 |
|
特定のプロトコルのトラフィックを評価するルールを検索するには、そのプロトコルを選択します。プロトコルを選択しない場合、検索結果に、すべてのプロトコルのフールが表示されます。 |
|
特定の IP アドレスから発信されるパケットを調べるルールを検索するには、送信元 IP アドレスまたは IP アドレス関連変数を入力します。 |
|
特定の IP アドレスに送信するパケットを調べるルールを検索するには、宛先 IP アドレスまたは IP アドレス関連変数を入力します。 |
|
特定のキーワードを検索するには、キーワード検索オプションを使用できます。キーワードを選択して、検索するキーワード値を入力します。特定値以外の任意の値に一致させるには、キーワードの前に疑問符(!)を入力します。 |
|
特定のポリシー内のルールや特定のルール状態を検索するには、最初のルール状態リストからポリシーを選択し、第 2 のリストから状態を選択して、イベントの作成、イベントのドロップ、作成、無効に設定されたルールを検索します。 |
侵入ルール エディタ ページ上でルールをフィルタリングして、ルールのサブセットを表示することができます。たとえば、あるルールまたはその状態を変更したいが、数千ものルールの中からそれを見つけるのが困難な場合に、この機能が役立つことがあります。
フィルタを入力すると、1 つ以上の一致するルールを含むフォルダがページに表示され、一致するルールがない場合はメッセージが表示されます。
フィルタには、特殊なキーワードとその引数、文字列、引用符で囲んだリテラル文字列、さらに複数のフィルタ条件を区切るスペースを含めることができます。ただし、正規表現、ワイルドカード文字、および否定文字(!)、「大なり」記号(>)、「小なり」記号(<)などの特殊な演算子をフィルタに含めることはできません。
すべてのキーワード、キーワード引数、および文字列では大文字と小文字が区別されません。gid キーワードと sid キーワードを除くすべての引数と文字列が部分文字列として扱われます。gid と sid の引数は、完全一致のみを返します。
フィルタ処理前の元のページで 1 つのフォルダを展開すると、その後のフィルタ処理でそのフォルダ内の一致が返されるときにフォルダが展開したままになります。探しているルールが多数のルールを含むフォルダ内に存在する場合には、これが役立つことがあります。
1 つのフィルタを後続の別のフィルタで制約することはできません。入力されたフィルタは、ルール データベース全体を検索して、一致するすべてのルールを返します。前回のフィルタ結果がページに表示されている状態でフィルタを入力すると、そのページの内容が消去され、代わりに新しいフィルタの結果が返されます。
フィルタ処理されている場合もされていない場合も、リスト内のルールで同じ機能を使用できます。たとえば、侵入ルール エディタ ページでは、リストがフィルタ処理されているかどうかに関わらず、リスト内のルールを編集できます。また、ページのコンテキスト メニューの任意のオプションを使用することもできます。
ヒント | すべてのサブグループ内のルールの合計数が多い場合は、フィルタリングに長い時間がかかることがあります。これは、個別のルールの数がかなり少なくても、1 つのルールが複数のカテゴリに出現することがあるためです。 |
各ルール フィルタに、次の形式で 1 つ以上のキーワードを含めることができます。
keyword:argument
ここで、keyword は次の表のいずれかのキーワード、argument はキーワードに関連する特定のフィールドで検索される単一の、大文字/小文字を区別しない英数字文字列です。
gid と sid を除くすべてのキーワードの引数が部分文字列として扱われます。たとえば、引数 123 によって "12345"、"41235"、"45123" などが返されます。gid と sid の引数は完全一致のみを返します。たとえば、sid:3080 は SID 3080 のみを返します。
ヒント | 部分的な SID を検索するには、1 つ以上の文字列を使ってフィルタ処理できます。 |
次の表に、ルールのフィルタ処理に使用できる特定のフィルタリング キーワードと引数を示します。
arachnids |
arachnids:181 |
|
bugtraq |
bugtraq:2120 |
|
cve |
cve:2003-0109 |
|
gid |
gid:3 |
|
mcafee |
mcafee:10566 |
|
msg |
ルールの [メッセージ(Message)] フィールド(イベント メッセージとも呼ばれる)の全体またはその一部分に基づいて 1 つ以上のルールを返します。 |
msg:chat |
nessus |
nessus:10737 |
|
ref |
ルール参照内またはルールの [メッセージ(Message)] フィールド内の単一の英数字文字列の全体または一部分に基づいて、1 つ以上のルールを返します。 |
ref:MS03-039 |
sid |
sid:235 |
|
url |
url:faqs.org |
各ルール フィルタに 1 つ以上の英数字文字列を含めることができます。文字列により、ルールの [メッセージ(Message)] フィールド、Snort ID ID(SID)、およびジェネレータ ID が検索されます。たとえば、文字列 123 を指定すると、ルール メッセージ内の文字列「Lotus123」や「123mania」などが返され、さらに、SID 6123、SID 12375 なども返されます。
すべての文字列では大文字と小文字が区別されず、部分的な文字列として扱われます。たとえば、文字列 ADMIN、admin、または Admin はすべて、"admin"、"CFADMIN"、"Administrator" などを返します。
文字列を引用符で囲むと、完全一致を返すことができます。たとえば、引用符付きのリテラル文字列 "overflow attempt" は完全一致のみを返しますが、引用符なしの 2 つの文字列 overflow と attempt で構成されるフィルタは "overflow attempt"、"overflow multipacket attempt"、"overflow with evasion attempt" などを返します。
複数のキーワード、文字列、またはその両方をスペースで区切って任意に組み合わせて入力することで、フィルタリングの結果を絞り込むことができます。結果には、すべてのフィルタ条件に一致するルールが含まれます。
スマート ライセンス |
従来のライセンス |
サポートされるデバイス |
サポートされるドメイン |
アクセス(Access) |
---|---|---|---|---|
脅威(Threat) |
Protection |
任意(Any) |
任意(Any) |
Admin/Intrusion Admin |
[侵入ルール(Intrusion Rules)] ページで、ルールをサブセットにフィルタ処理すると、より簡単に特定のルールを見つけることができます。その後で、いずれかのページ機能を使用できます。これには、コンテキスト メニューで使用可能な機能の選択も含まれます。
ルール言語では、キーワードを組み合わせることによってルールの動作を指定できます。キーワードとそれに関連する値(引数と呼ばれる)は、ルール エンジンによって検査されるパケットおよびパケット関連値をシステムがどのように評価するかを決定します。Firepower システムでは現在、コンテンツ マッチング、プロトコル固有のパターン マッチング、状態固有のマッチングなどのインスペクション機能を実行するためのキーワードがサポートされています。キーワードあたり最大 100 個の引数を定義し、互換性のある任意の数のキーワードを組み合わせて非常に具体的なルールを作成できます。これにより、誤検出や検出漏れの可能性が減少し、受け取った侵入情報に集中的に取り組むことができます。
また、パッシブ展開でアダプティブ プロファイルを使用すると、ルール メタデータとホスト情報に基づいて特定のパケットに対するアクティブ ルール処理を動的に調整できます。
ここに記載されているキーワードは、ルール エディタの検出オプションとして表示されます。
content キーワードまたは protected_content キーワードを使用すると、パケット内から検出するコンテンツを指定できます。
ほとんどの場合、content または protected_content キーワードの後ろに修飾子を付けて、コンテンツを検索すべき場所、検索で大文字/小文字を区別するかどうか、およびその他のオプションを指定する必要があります。
ルールでイベントがトリガーとして使用されるためには、すべてのコンテンツ マッチングが真でなければならないことに注意してください。つまり、各コンテンツ マッチングは相互に AND 関係にあります。
また、インライン展開では、有害なコンテンツを照合した後でそれを同じ長さの独自のテキスト文字列に置き換えるルールをセットアップできることにも注意してください。
content キーワードを使用すると、ルール エンジンはパケット ペイロードまたはストリームでその文字列を検索します。たとえば、いずれかの content キーワードの値として /bin/sh と入力した場合、ルール エンジンはパケット ペイロード内で文字列 /bin/sh を検索します。
ASCII 文字列、16 進コンテンツ(バイナリ バイト コード)、またはその両方の組み合わせを使用してコンテンツを照合できます。キーワード値の中で 16 進コンテンツをパイプ文字(|)で囲みます。たとえば、|90C8 C0FF FFFF|/bin/sh のように 16 進コンテンツと ASCII コンテンツを混在させることができます。
1 つのルール内で複数のコンテンツ マッチングを指定できます。これを行うには、content キーワードの追加のインスタンスを使用します。コンテンツ マッチングごとに、ルールをトリガーとして使用させるにはパケット ペイロードまたはストリームでコンテンツ一致が見つからなければならないことを指定できます。
注意 | Not オプションが選択された 1 つの content キーワードだけを含むルールを作成した場合、侵入ポリシーの効果がなくなる可能性があります。 |
protected_content キーワードを使用すると、ルール引数を設定する前に、検索コンテンツ文字列をエンコードすることができます。キーワードを設定する前に、ルール作成者がハッシュ関数(SHA-512、SHA-256、または MD5)を使用して文字列をエンコードします。
content キーワードの代わりに protected_content キーワードを使用した場合でも、ルール エンジンがパケット ペイロードまたはストリームの中で文字列を検索する方法に違いはなく、ほとんどのキーワード オプションが想定どおりに機能します。次の表は、protected_content キーワード オプションと content キーワード オプションの間の例外的な相違点を要約しています。
高速パターン マッチ機能オフセットおよび長さ(Fast Pattern Matcher Offset and Length) |
Cisco では、protected_content キーワードを含むルールに 1 つ以上の content キーワードを含めることを推奨しています。こうすると、ルール エンジンが常に高速パターン マッチ機能を使用することで処理速度が上がり、パフォーマンスが向上します。ルール内の protected_content キーワードの前に content キーワードを配置します。ルールに 1 つ以上の content キーワードが含まれている場合は、content キーワードの Use Fast Pattern Matcher 引数が有効になっているかどうかに関係なく、ルール エンジンが高速パターン マッチ機能を使用することに注意してください。
注意 | Not オプションが選択された 1 つの protected_content キーワードだけを含むルールを作成した場合、侵入ポリシーの効果がなくなる可能性があります。 |
content または protected_content キーワードを変更するパラメータを使用すると、コンテンツ検索の位置や大文字/小文字の区別を制約できます。content または protected_content キーワードを変更するオプションを設定して、検索対象となるコンテンツを指定します。
(注) | このオプションは protected_content キーワードの設定ではサポートされません。 |
ASCII 文字列でコンテンツ一致を検索するときに大文字/小文字の区別を無視するようルール エンジンに指示できます。検索で大文字と小文字を区別しないようにするには、コンテンツ検索の指定時に [大文字小文字の区別なし(Case Insensitive)] をオンにします。
(注) | このオプションは protected_content キーワードでのみ設定できます。 |
[ハッシュ タイプ(Hash Type)] ドロップダウンを使用して、検索文字列のエンコードに使用されたハッシュ関数を特定します。protected_content 検索文字列のハッシュ方式として、SHA-512、SHA-256、および MD5 がサポートされています。選択したハッシュ タイプとハッシュされたコンテンツの長さが一致しない場合、システムはルールを保存しません。
自動的に Cisco 設定のデフォルト値が選択されます。[デフォルト(Default)] が選択される場合、ルールに特定のハッシュ関数は含まれず、SHA-512 がハッシュ関数であると見なされます。
[raw データ(Raw Data)] オプションを使用すると、ルール エンジンは、正規化されたペイロード データ(ネットワーク分析ポリシーによってデコードされたデータ)を分析する前にオリジナルのパケット ペイロードを分析します。引数値は使用されません。正規化の前に、ペイロード内の Telnet ネゴシエーション オプションを検査するために Telnet トラフィックを分析する場合に、このキーワードを使用できます。
同じ content または protected_content キーワードで、Raw Data オプションを HTTP コンテンツ オプションと一緒に使用することはできません。
ヒント | HTTP トラフィックで raw データを検査するかどうか、また、どの程度の量の raw データを検査するかを決定するため、HTTP 検査プリプロセッサの [クライアント フローの深さ(Client Flow Depth)] オプションと [サーバ フローの深さ(Server Flow Depth)] オプションを設定することができます。 |
指定したコンテンツと一致しないコンテンツを検索するには、[一致しない(Not)] オプションを選択します。[一致しない(Not)] オプションが選択された content または protected_content キーワードを含むルールを作成する場合には、そのルール内に、[一致しない(Not)] オプションが選択されていない別の content または protected_content キーワードを 1 つ以上含める必要があります。
注意 | content または protected_content キーワードに対して Not オプションをオンにした場合は、そのキーワードだけを含むルールを作成しないでください。侵入ポリシーの効果がなくなる可能性があります。 |
たとえば、SMTP ルール 1:2541: 9 に 3 つの content キーワードが含まれており、そのうちの 1 つで [一致しない(Not)] オプションが選択されているとします。[一致しない(Not)] オプションが選択されているキーワード以外のすべての content キーワードを削除すると、このルールに基づくカスタム ルールが無効になります。このようなルールを侵入ポリシーに追加すると、そのポリシーの効果がなくなる可能性があります。
ヒント | 同じ content キーワードで、[Not] チェック ボックスと [Use Fast Pattern Matcher] チェック ボックスを同時に選択することはできません。 |
次のように、2 つの content 位置ペアのいずれかを使用すると、指定したコンテンツの検索をどこから開始するか、どこまで検索するかを指定できます。
パケット ペイロードの先頭を基準にして検索する場合は、[オフセット(Offset)] と [奥行き(Depth)] を一緒に使用します。
現在の検索位置を基準にして検索する場合は、[距離(Distance)] と [次の範囲内(Within)] を一緒に使用します。
ペアに含まれるオプションのどちらか 1 つだけを指定した場合は、そのペアのもう 1 つのオプションのデフォルトが想定されます。
Offset および Depth オプションと、Distance および Within オプションを混合することはできません。たとえば、Offset と Within をペアにすることはできません。1 つのルール内で任意の数の位置オプションを使用できます。
位置が指定されない場合は、[オフセット(Offset)] と [奥行き(Depth)] のデフォルトが想定されます。つまり、コンテンツ検索はパケット ペイロードの先頭から始まってパケットの末尾まで続きます。
また、既存の byte_extract 変数を使用して位置オプションの値を指定することもできます。
ヒント |
次のように、必須の [長さ(Length)] protected_content 位置オプションを [オフセット(Offset)] または [距離(Distance)] 位置オプションと組み合わせて使用すると、指定されたコンテンツの検索をどこから開始するか、どこまで検索するかを指定できます。
パケット ペイロードの先頭を基準にして、保護された文字列を検索するには、[長さ(Length)] と [オフセット(Offset)] を一緒に使用します。
現在の検索位置を基準にして、保護された文字列を検索するには、[長さ(Length)] と [距離(Distance)] を一緒に使用します。
ヒント | 1 つのキーワード設定内で [オフセット(Offset)] オプションと [距離(Distance)] オプションを併用することはできませんが、1 つのルール内では任意の数の位置オプションを使用できます。 |
位置が指定されない場合は、デフォルトが想定されます。つまり、コンテンツ検索はパケット ペイロードの先頭から始まってパケットの末尾まで続きます。
(注) | このオプションは、content キーワードを設定する場合にのみサポートされます。 |
オフセット値の先頭からの(またはオフセットが設定されていない場合はパケット ペイロード先頭からの)コンテンツ検索の最大の深さをバイト単位で指定します。
たとえば、ルールのコンテンツ値が cgi-bin/phf、offset 値が 3、depth 値が 22 である場合、ルール ヘッダーで指定されたパラメータを満たすパケット内で、cgi-bin/phf 文字列との一致の検索がバイト位置 3 から始まり、22 バイト処理した後(バイト位置 25 で)停止します。
以前に見つかったコンテンツ一致から数えて、指定されたバイト数の後に出現する後続のコンテンツ一致を見つけるようルール エンジンに指示します。
Distance(距離)カウンタはバイト 0 から始まるため、最後に見つかったコンテンツ一致から順方向に移動すべきバイト数よりも 1 つ少ない数値を指定してください。たとえば 4 を指定した場合、5 番目のバイトから検索が始まります。
-65535 ~ 65535 バイトを値として指定できます。負の Distance 値を指定した場合は、検索を開始するバイト位置がパケットの先頭から外れる可能性があります。実際にはパケットの第 1 バイトから検索が開始されますが、計算ではパケットの外側のバイトも考慮されます。たとえば、パケット内の現在の位置が第 5 バイトで、次のコンテンツ ルール オプションで Distance 値 -10 および Within 値 20 が指定された場合、検索はペイロードの先頭から開始され、[Within] オプションが 15 に調整されます。
(注) | このオプションは protected_content キーワードを設定する場合にのみサポートされます。 |
Length protected_content キーワード オプションは、ハッシュされていない検索文字列の長さをバイト単位で示します。
たとえば、コンテンツ Sample1 を使ってセキュア ハッシュを生成した場合には、Length 値として 7 を使用します。このフィールドに値を入力することは必須です。
パケット ペイロードの先頭を基準とする、コンテンツの検索を開始するパケット ペイロード内の位置をバイト単位で指定します。65535 ~ 65535 バイトを値として指定できます。
オフセット カウンタはバイト 0 から始まるため、パケット ペイロードの先頭から順方向に移動すべきバイト数よりも 1 つ少ない数値を指定してください。たとえば 7 を指定した場合は、8 番目のバイトから検索が始まります。
(注) | このオプションは、content キーワードを設定する場合にのみサポートされます。 |
[次の範囲内(Within)] オプションを使用すると、ルールをトリガーとして使用させるには、最後に見つかったコンテンツ一致の末尾以降、指定のバイト数以内に次のコンテンツ一致が発生する必要があることを指示できます。たとえば Within 値として 8 を指定した場合、次のコンテンツ一致がパケット ペイロードの次の 8 バイト以内に発生する必要があります。発生しない場合は、ルールをトリガーとして使用する基準が満たされません。
HTTP content または protected_content キーワード オプションを使用すると、HTTP Inspect プリプロセッサによってデコードされた HTTP メッセージ内でコンテンツ一致を検索する位置を指定できます。
次の 2 つのオプションは、HTTP 応答内のステータス フィールドを検索します。
ルール エンジンは未加工の正規化されていないステータス フィールドを検索しますが、ここでは、他の Raw HTTP フィールドと正規化された HTTP フィールドを併用する際に考慮すべき制限についての説明を簡略化するために、これらのオプションが別個に列挙されていることに注意してください。
次の 5 つのオプションは、必要に応じて HTTP 要求、応答、またはその両方の中で正規化フィールドを検索します。
次の 3 つのオプションは、必要に応じて HTTP 要求、応答、またはその両方の中で未加工の(正規化されていない)非ステータス フィールドを検索します。
HTTP content オプションを選択する場合は、次のガイドラインに従ってください。
パフォーマンスへの悪影響を避けるために、指定したコンテンツが出現する可能性のあるメッセージ部分だけを選択してください。
たとえば、ショッピング カート メッセージの場合のように大きな cookie がトラフィックに含まれている可能性がある場合は、HTTP cookie ではなく HTTP ヘッダーの中で指定のコンテンツを検索することができます。
HTTP Inspect プリプロセッサの正規化機能を活用し、パフォーマンスを向上させるには、作成するすべての HTTP 関連ルールの中に少なくとも 1 つの content または protected_content キーワードを含め、それに対して HTTP URI、HTTP Method、HTTP Header、または HTTP Client Body オプションを選択します。
単一の正規化された HTTP オプションまたはステータス フィールドを指定できます。または、複数の正規化 HTTP オプションとステータス フィールドを任意に組み合わせて、コンテンツ領域をマッチング対象にすることもできます。ただし、HTTP フィールド オプションを使用する場合には次の制限事項に注意してください。
同じ content または protected_content キーワードの中で、[生データ(Raw Data)] オプションを HTTP オプションと一緒に使用することはできません。
Raw HTTP フィールド オプション([HTTP Raw URI]、[ HTTP Raw ヘッダー(HTTP Raw Header)]、または [HTTP Raw Cookie])と、それぞれに対応する正規化されたオプション([HTTP URI]、[HTTP ヘッダー(HTTP Header)]、または [HTTP Cookie])を同じ content または protected_content キーワード内で一緒に使用することはできません。
[高速パターン マッチ機能を使用(Use Fast Pattern Matcher)] を、次の 1 つ以上の HTTP フィールド オプションと組み合わせて選択することはできません。
[HTTP Raw URI]、[HTTP raw ヘッダー(HTTP Raw Header)]、[HTTP Raw Cookie]、[HTTP Cookie]、[HTTP メソッド(HTTP Method)]、[HTTP ステータス メッセージ(HTTP Status Message)]、[HTTP ステータス コード(HTTP Status Code)]
ただし、次のいずれかの正規化フィールドを検索するために高速パターン マッチ機能を使用する content または protected_content キーワードでは、上記のオプションを含めることができます。
[HTTP URI]、[HTTP ヘッダー(HTTP Header)]、[HTTP クライアント ボディ(HTTP Client Body)]
たとえば、[HTTP Cookie]、[HTTP ヘッダー(HTTP Header)] 、[高速パターン マッチ機能を使用(Use Fast Pattern Matcher)] を選択した場合、ルール エンジンは HTTP cookie と HTTP ヘッダーの両方でコンテンツを検索しますが、高速パターン マッチ機能は HTTP cookie ではなく、HTTP ヘッダーにのみ適用されます。
正規化された要求 URI フィールド内でコンテンツ一致を検索するには、このオプションを選択します。
このオプションと pcre キーワードの HTTP URI(U)オプションを一緒に使用して、同じコンテンツを検索できないことに注意してください。
(注) | パイプライン処理された HTTP 要求パケットには複数の URI が含まれています。[HTTP URI] が選択されている場合、パイプライン処理された HTTP 要求パケットをルール エンジンが検出すると、そのパケット内のすべての URI でコンテンツ一致が検索されます。 |
正規化された要求 URI フィールド内でコンテンツ一致を検索するには、このオプションを選択します。
このオプションと pcre キーワードの HTTP URI(U)オプションを一緒に使用して、同じコンテンツを検索できないことに注意してください。
(注) | パイプライン処理された HTTP 要求パケットには複数の URI が含まれています。[HTTP URI] が選択されている場合、パイプライン処理された HTTP 要求パケットをルール エンジンが検出すると、そのパケット内のすべての URI でコンテンツ一致が検索されます。 |
(URI で識別されるリソースに対して行う GET や POST などのアクションを特定する)要求メソッド フィールド内のコンテンツ一致を検索するには、このオプションを選択します。
HTTP 要求内の(cookie を除く)正規化されたヘッダー フィールドでコンテンツ一致を検索するには、このオプションを選択します。また、HTTP Inspect プリプロセッサの [Inspect HTTP Responses] オプションが有効になっている場合は応答内でも検索されます。
このオプションと pcre キーワードの HTTP 見出し(H)オプションを一緒に使用して、同じコンテンツを検索できないことに注意してください。
HTTP 要求内の(cookie を除く)raw ヘッダー フィールドでコンテンツ一致を検索するには、このオプションを選択します。また、HTTP Inspect プリプロセッサの [Inspect HTTP Responses] オプションが有効になっている場合は応答内でも検索されます。
このオプションと pcre キーワードの HTTP 未加工見出し(D)オプションを一緒に使用して、同じコンテンツを検索できないことに注意してください。
正規化された HTTP クライアント要求見出し内で識別される cookie でコンテンツ一致を検索するには、このオプションを選択します。また、HTTP Inspect プリプロセッサの [HTTP 応答の検査(Inspect HTTP Responses)] オプションが有効になっている場合は応答 set-cookie データ内でも検索されます。システムは、メッセージ本文に含まれる cookie を本文の内容として扱うことに注意してください。
cookie 内だけで一致を検索するには、HTTP Inspect プリプロセッサの [HTTP Cookie の検査(Inspect HTTP Cookies)] オプションを有効にする必要があります。これを有効にしない場合、ルール エンジンは cookie を含む見出し全体を検索します。
未加工 HTTP クライアント要求見出し内で識別される cookie でコンテンツ一致を検索するには、このオプションを選択します。また、HTTP Inspect プリプロセッサの [HTTP 応答の検査(Inspect HTTP Responses)] オプションが有効になっている場合は応答 set-cookie データ内でも検索されます。システムは、メッセージ本文に含まれる cookie を本文の内容として扱うことに注意してください。
cookie 内だけで一致を検索するには、HTTP Inspect プリプロセッサの [HTTP Cookie の検査(Inspect HTTP Cookies)] オプションを有効にする必要があります。これを有効にしない場合、ルール エンジンは cookie を含む見出し全体を検索します。
HTTP クライアント要求内のメッセージ本文でコンテンツ一致を検索するには、このオプションを選択します。
このオプションが機能するためには、HTTP Inspect プリプロセッサの [HTTP クライアント ボディの抽出の深さ(HTTP Client Body Extraction Depth)] オプションで 0 ~ 65535 の値を指定する必要があることに注意してください。
HTTP 応答内の 3 桁のステータス コードでコンテンツ一致を検索するには、このオプションを選択します。
このオプションで一致が返されるようにするには、HTTP Inspect プリプロセッサの [HTTP 応答の検査(Inspect HTTP Responses)] オプションを有効にする必要があります。
HTTP 応答のステータス コードに付加されるテキスト記述の中でコンテンツ一致を検索するには、このオプションを選択します。
このオプションで一致が返されるようにするには、HTTP Inspect プリプロセッサの [HTTP 応答の検査(Inspect HTTP Responses)] オプションを有効にする必要があります。
(注) | これらのオプションは、protected_content キーワードの設定ではサポートされません。 |
高速パターン マッチ機能は、パケットをルール エンジンに渡す前に、評価するルールをすばやく決定します。この初期決定により、パケット評価で使用されるルール数が大幅に減るため、パフォーマンスが向上します。
デフォルトで、高速パターン マッチ機能は、ルールで指定された最長のコンテンツをパケットで検索します。これは、不必要なルール評価をできるだけ減らすためです。次の例のようなルール フラグメントがあるとします。
alert tcp any any -> any 80 (msg:"Exploit"; content:"GET";
http_method; nocase; content:"/exploit.cgi"; http_uri;
nocase;)
ほとんどすべての HTTP クライアント要求にはコンテンツ GET が含まれていますが、コンテンツ/exploit.cgi を含む要求は稀です。GET を高速パターン コンテンツとして使用した場合、ルール エンジンはほとんどのケースでこのルールを評価し、一致はほとんど検出されないでしょう。しかし、/exploit.cgi を使用するとほとんどのクライアントの GET 要求は評価されないため、パフォーマンスが向上します。
指定されたコンテンツが高速パターン マッチ機能で検出された場合にのみ、ルール エンジンはパケットをルールに照らして評価します。たとえば、ルール内の 1 つの content キーワードでコンテンツ short を指定し、別のキーワードで longer、さらに 3 番目のキーワードで longest を指定した場合、高速パターン マッチ機能はコンテンツ longest を使用し、ルール エンジンがペイロード内で longest を検出した場合にのみ、ルールが評価されます。
使用する高速パターン マッチ機能の短い検索パターンを指定するには、このオプションを使用します。理論的には、指定したパターンの方が最長パターンよりもパケット内で見つかる可能性が低いため、より的を絞って対象のエクスプロイトを識別できます。
[高速パターン マッチ機能を使用(Use Fast Pattern Matcher)] と他のオプションを同じ content キーワード内で選択する場合は、次の制限事項に注意してください。
ルールごとに 1 回だけ、[高速パターン マッチ機能を使用(Use Fast Pattern Matcher)] を指定できます。
[高速パターン マッチ機能を使用(Use Fast Pattern Matcher) ] と [一致しない(Not)] を組み合わせて選択した場合は、[距離(Distance)]、[次の範囲内(Within)]、[オフセット(Offset)]、または [奥行き(Depth)] を使用できません。
[高速パターン マッチ機能を使用(Use Fast Pattern Matcher)] を、次のいずれかの HTTP フィールド オプションと組み合わせて選択することはできません。
[HTTP Raw URI]、[HTTP raw ヘッダー(HTTP Raw Header)]、[HTTP raw クッキー(HTTP Raw Cookie)]、[HTTP クッキー(HTTP Cookie)]、[HTTP メソッド(HTTP Method)]、[HTTP ステータス メッセージ(HTTP Status Message)]、または [HTTP ステータス コード(HTTP Status Code)]
ただし、次のいずれかの正規化フィールドを検索するために高速パターン マッチ機能を使用する content キーワードでは、上記のオプションを含めることができます。
[HTTP URI]、[HTTP ヘッダー(HTTP Header)]、または [HTTP クライアント ボディ(HTTP Client Body)]
たとえば、[HTTP Cookie]、[HTTP Header]、および [Use Fast Pattern Matcher] を選択した場合、ルール エンジンは HTTP cookie と HTTP ヘッダーの両方でコンテンツを検索しますが、高速パターン マッチ機能は HTTP cookie ではなく、HTTP ヘッダーにのみ適用されます。
未加工 HTTP フィールド オプション([HTTP Raw URI]、[HTTP raw ヘッダー(HTTP Raw Header)]、または [HTTP raw クッキー(HTTP Raw Cookie)])と、それぞれに対応する正規化されたオプション([HTTP URI]、[HTTP ヘッダー(HTTP Header)]、または [HTTP クッキー(HTTP Cookie)])を同じ content キーワード内で一緒に使用できないことに注意してください。
制限付きオプションと制限なしオプションを併用した場合、高速パターン マッチ機能は、指定された制限なしフィールドのみを検索することで、ルール エンジンにパケットを渡して(制限付きフィールドの評価を含む)完全な評価を行うべきかどうかを検査します。
このオプションを使用すると、content キーワードをルール オプションとしてではなく、高速パターン マッチ機能オプションとしてのみ使用できます。指定したコンテンツをルール エンジンで評価する必要がない場合、このオプションを使ってリソースを節約できます。たとえば、ペイロード内のいずれかの場所にコンテンツ 12345 が存在することだけを必要とするルールがあるとします。高速パターン マッチ機能でパターンが検出された場合に、ルール内の追加のキーワードに照らしてパケットを評価できます。パターン 12345 が含まれているかどうかを判断するために、ルール エンジンがパケットを再評価する必要はありません。
指定されたコンテンツに関連する他の条件がルールに含まれている場合は、このオプションを使用しないでください。たとえば、別のルール条件で abcd が 1234 の前に出現するかどうかを判断する場合には、このオプションを使ってコンテンツ 1234 を検索しないでください。[高速パターン マッチ機能のみ(Fast Pattern Matcher Only)] を指定すると、指定されたコンテンツがルール エンジンによって検索されないため、このケースではルール エンジンが相対的な位置を判断できません。
このオプションを使用するときには、次の条件に注意してください。
指定されたコンテンツは位置に依存しない、つまり、ペイロードのどこにでも出現する可能性があるため、位置オプション([距離(Distance)]、[次の範囲内(Within)]、[オフセット(Offset)]、[奥行き(Depth)]、[高速パターン マッチ機能オフセットおよび長さ(Fast Pattern Matcher Offset and Length)])を使用することはできません。
このオプションを [高速パターン マッチ機能オフセットおよび長さ(Fast Pattern Matcher Offset and Length)] と組み合わせて使用することはできません。
大文字/小文字を区別しない方法ですべてのパターンが高速パターン マッチ機能に挿入されるため、指定したコンテンツは「大文字/小文字の区別なし」として扱われます。これは自動的に処理されるため、このオプションの選択時に [大文字小文字の区別なし(Case Insensitive)] を選択する必要はありません。
[高速パターン マッチ機能のみ(Fast Pattern Matcher Only)] オプションを使用する content キーワードの直後に、現在の検索位置を基準にして検索位置を設定する次のキーワードを続けないようにしてください。
[高速パターン マッチ機能オフセットおよび長さ(Fast Pattern Matcher Offset and Length)] オプションを使用すると、検索するコンテンツの一部分を指定できます。これにより、パターンが非常に長く、ルールの一致の可能性を判断するのにパターンの一部分だけで十分な場合に、メモリ消費を抑えることができます。高速パターン マッチ機能によってルールが選択されたときに、パターン全体がルールに照らして評価されます。
次の構文に従い、検索を開始する位置(オフセット)およびコンテンツ内をどれほど検索するか(長さ)をバイト単位で指定することにより、高速パターン マッチ機能で使用する部分を決定します。
offset,length
1234567
1,5
インライン導入で replace キーワードを使用すると、指定したコンテンツを置き換えることができます。
(注) | Cisco SSL アプライアンスによって検出された SSL トラフィック内のコンテンツを置き換えるために replace キーワードを使用することはできません。置換データではなく、元の暗号化データが送信されます。詳細については、『Cisco SSL Appliance Administration and Deployment Guide』を参照してください。 |
replace キーワードを使用するには、content キーワードを使って特定の文字列を検索するカスタムの標準テキスト ルールを作成します。その後、replace キーワードを使用して、コンテンツを置き換える文字列を指定します。置換値とコンテンツ値は同じ長さである必要があります。
(注) | protected_content キーワード内でハッシュされたコンテンツを置き換えるために replace キーワードを使用することはできません。 |
オプションで、以前の Firepower システム ソフトウェア バージョンとの下位互換性を維持するために、置換文字列を引用符で囲むことができます。引用符を含めない場合は、それらが自動的にルールに追加されるため、構文的に正しいルールになります。置換テキストの一部として先行引用符または後続引用符を含めるには、次の例に示すように、バックスラッシュを使ってエスケープする必要があります。
"replacement text plus \"quotation\" marks""
1 つのルール内に複数の replace キーワードを含めることができますが、content キーワードごとに 1 つずつしか含めることができません。ルールによって検出されたコンテンツの最初のインスタンスだけが置き換えられます。
エクスプロイトを含んでいる着信パケットをシステムが検出した場合、有害な文字列を無害な文字列に置き換えることができます。このテクニックは、有害なパケットを単に破棄するよりも効果的である場合があります。破棄されたパケットを攻撃者が単に再送信し続け、やがてネットワーク防御を通り抜けるか、ネットワークを氾濫させるという攻撃シナリオがあります。パケットを破棄する代わりに別の文字列に置換することで、脆弱ではないターゲットに対して攻撃が実行されたと攻撃者に思い込ませることができます。
(たとえば Web サーバの)脆弱なバージョンが稼働しているかどうかを調べる偵察攻撃が懸念される場合は、発信パケットを検出して、バナーを独自のテキストに置換できます。
(注) | 置換ルールを使用するインライン侵入ポリシー内でルール状態が [イベントを生成する(Generate Events)] に設定されていることを確認してください。ルールを [ドロップしてイベントを生成する(Drop and Generate Events)] に設定した場合はパケットが破棄され、コンテンツが置き換えられません。 |
文字列置換プロセスでは、宛先ホストがエラーなしでパケットを受信できるように、パケット チェックサムがシステムによって自動的に更新されます。
replace キーワードは、HTTP 要求メッセージの content キーワード オプションと組み合わせて使用できないことに注意してください。
byte_jump キーワードは、指定されたバイト セグメントで定義されるバイト数を計算し、指定したオプションに応じて、指定されたバイト セグメントの末尾から、パケット ペイロードの先頭から、あるいは最後のコンテンツ一致に対して相対的なポイントから順方向に、パケット内でそのバイト数だけスキップします。パケットの特定のバイト セグメントが、パケット内の可変データに含まれるバイト数を示す場合には、これが役立ちます。
次の表では、byte_jump キーワードで必要な引数を説明します。
DCE/RPC を指定せずに使用する場合、許可される値は 1 ~ 10 ですが、次の制限があります。
DCE/RPC とともに使用する場合、許可される値は 1、2、および 4 です。 |
|
ペイロード内で処理を開始するバイト数。offset カウンタはバイト 0 から始まるため、パケット ペイロードの先頭、または最後に見つかったコンテンツ一致から順方向にジャンプさせるバイト数から 1 を差し引いて offset 値を計算してください。 -65535 ~ 65535 バイトを指定できます。 |
次の表で説明するオプションを使用すると、必須の引数に指定された値をシステムがどのように解釈するかを定義できます。
ルール エンジンで最終的な byte_jump 値を算出するために、パケットから得られた byte_jump 値に掛ける値を示します。 つまり、ルール エンジンは、指定されたバイト セグメントで定義されるバイト数だけスキップする代わりに、Multiplier 引数で指定される整数を乗算したバイト数だけスキップします。 |
|
他の byte_jump 引数を適用した後に、順方向または逆方向にスキップするバイト数(-65535 ~ 65535)。正の値は順方向にスキップし、負の値は逆方向にスキップします。無効にするには、フィールドを空白のままにするか、0 を入力します。 |
|
ルール エンジンが、パケット内の現在の位置からではなく、パケット ペイロードの先頭からペイロード内の指定されたバイト数をスキップする必要があることを示します。 |
DCE/RPC、Endian、または Number Type のうち 1 つだけを指定できます。
バイト数を byte_extract キーワードでどのように計算するか定義するには、次の表の中から引数を選択します。バイト順引数を選択しなかった場合、ルール エンジンはビッグ エンディアンのバイト順を使用します。
DCE/RPC プリプロセッサで処理されるトラフィック用に byte_jump キーワードを指定します。 DCE/RPC プリプロセッサがビッグ エンディアンまたはリトル エンディアン バイト順を決定します。Number Type 引数と Endian 引数は適用されません。 この引数を有効にした場合は、他の特定の DCE/RPC キーワードと組み合わせて byte_jump を使用することもできます。 |
次の表に示すいずれか 1 つの引数を使用して、パケット内のストリング データをシステムがどのように表示するかを定義します。
たとえば、次のような値を byte_jump に設定した場合、
ルール エンジンは、最後に見つかったコンテンツ一致から 13 バイト後に出現する 4 つのバイトで記述される数値を計算して、そのバイト数だけパケット内を順方向にスキップします。たとえば、ある特定のパケット内で計算される 4 つのバイトが 00 00 00 1F である場合、ルール エンジンはこれを 31 に変換します。align が指定されている(次の 32 ビット境界まで移動するようエンジンに指示する)ため、ルール エンジンはパケット内を 32 バイト先までスキップします。
あるいは、次のような値を byte_jump に設定した場合、
ルール エンジンは、パケットの先頭から 13 バイト後に出現する 4 つのバイトで記述される数値を計算します。その後、その数値に 2 を掛けてスキップする総バイト数を計算します。たとえば、ある特定のパケット内で計算される 4 つのバイトが 00 00 00 1F である場合、ルール エンジンはこれを 31 に変換し、それに 2 を掛けて 62 にします。[From Beginning] が有効になっているため、ルール エンジンはパケット内の最初の 63 バイトをスキップします。
byte_test キーワードは、指定されたバイト セグメントを Value 引数およびその演算子に対してテストします。
次の表に、byte_test キーワードで必要な引数を説明します。
DCE/RPC を指定せずに使用する場合、許可される値は 1 ~ 10 です。ただし、1、2、または 4 以外のバイト数を指定する場合は、番号タイプ(16 進数、8 進数、または 10 進数)を指定する必要があります。 DCE/RPC とともに使用する場合、許可される値は 1、2、および 4 です。 |
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サポートされている演算子:<、>、=、!、&、^、!>、!<、!=、!&、または !^。 たとえば !1024 と指定した場合、byte_test は指定された数値を変換し、それが 1024 と等しくなければイベントが生成されます(他のすべてのキーワード パラメータが一致する場合)。 |
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ペイロード内で処理を開始するバイト数。offset カウンタはバイト 0 から始まるため、パケット ペイロードの先頭、または最後に見つかったコンテンツ一致から順方向にカウントするバイト数から 1 を差し引いて offset 値を計算してください。 |
次の表に示す引数を使用すると、システムで byte_test 引数がどのように使用されるかをさらに定義できます。
DCE/RPC、Endian、または Number Type のうち 1 つだけを指定できます。
検査対象となるバイトを byte_test キーワードでどのように計算するか定義するには、次の表の中から引数を選択します。バイト順引数を選択しなかった場合、ルール エンジンはビッグ エンディアンのバイト順を使用します。
DCE/RPC プリプロセッサで処理されるトラフィック用に byte_test キーワードを指定します。 DCE/RPC プリプロセッサがビッグ エンディアンまたはリトル エンディアン バイト順を決定します。Number Type 引数と Endian 引数は適用されません。 この引数を有効にした場合は、他の特定の DCE/RPC キーワードと組み合わせて byte_test を使用することもできます。 |
次の表に示すいずれか 1 つの引数を使用して、パケット内のストリング データをシステムがどのように表示するかを定義できます。
たとえば、次のような値を byte_test に指定した場合、
ルール エンジンは、最後に見つかったコンテンツ一致から(それを基準にして)9 バイト後に出現する 4 つのバイトで記述される数値を計算し、その計算値が 128 バイトを超えた場合に、ルールがトリガーとして使用されます。
byte_extract キーワードを使用すると、指定したバイト数をパケットから変数の中に読み込むことができます。後で、その変数を、同じルール内で他の検出キーワードの特定の引数の値として使用できます。
たとえば、パケット データに含まれるバイト数が特定のバイト セグメントで記述されている場合、パケットからデータ サイズを抽出するには、これが役立ちます。たとえば、特定のバイト セグメントにおいて、後続データが 4 バイト構成であると記述されている場合、データ サイズ 4 バイトを抽出して変数値として使用できます。
byte_extract を使用するとき、1 つのルール内で最大 2 つの異なる変数を同時に作成できます。byte_extract 変数を何回でも再定義できます。同じ変数名と別の変数定義を使って新しい byte_extract キーワードを入力した場合、その前の変数定義がオーバーライドされます。
次の表で、byte_extract キーワードで必要な引数について説明します。
1、2、または 4 以外のバイト数を指定する場合は、番号タイプ(16 進数、8 進数、または 10 進数)を指定する必要があります。 |
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ペイロード内でデータの抽出を開始するバイト数。-65535 ~ 65535 バイトを指定できます。オフセット カウンタはバイト 0 から始まるため、順方向に数えるバイト数から 1 を差し引いてオフセット値を計算してください。たとえば、順方向に 8 バイト数えるには 7 を指定します。ルール エンジンは、パケット ペイロードの先頭から(Relative も一緒に指定した場合は最後に見つかったコンテンツ一致の後から)順方向に数えます。負の数は、Relative も指定した場合にのみ指定できます。 |
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抽出対象のデータを見つける方法をさらに詳しく定義するには、次の表に示す引数を使用できます。
抽出された値を最も近い 2 バイトまたは 4 バイト境界に切り上げます。Multiplier も一緒に選択した場合、システムはこの調整の前に乗数を適用します。 |
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DCE/RPC、Endian、または Number Type のうち 1 つだけを指定できます。
検査対象となるバイトを byte_extract キーワードでどのように計算するか定義するには、次の表の中から引数を選択できます。バイト順引数を選択しなかった場合、ルール エンジンはビッグ エンディアンのバイト順を使用します。
DCE/RPC プリプロセッサで処理されるトラフィック用に byte_extract キーワードを指定します。 DCE/RPC プリプロセッサがビッグ エンディアンまたはリトル エンディアン バイト順を決定します。Number Type 引数と Endian 引数は適用されません。 この引数を有効にした場合は、他の特定の DCE/RPC キーワードと組み合わせて byte_extract を使用することもできます。 |
データを読み取るときの数値タイプを ASCII 文字列として指定できます。パケット内のストリング データをシステムがどのように認識するかを定義するには、次の表のいずれかの引数を選択できます。
たとえば、byte_extract の値を次のように指定した場合、
ルール エンジンは、最後に見つかったコンテンツ一致から(それを基準にして)9 バイト後に出現する、4 バイトで表現される数値を var という名前の変数の中に読み込みます。後でこの変数を、特定のキーワード引数の値としてルール内で指定できます。
byte_extract キーワードで定義した変数を指定できるキーワード引数を、次の表に列挙します。
pcre キーワードを使用すると、指定されたコンテンツをパケット ペイロード内で検査するために Perl 互換正規表現(PCRE)を使用できます。PCRE を使用すると、同じ内容のわずかなバリエーションにそれぞれ一致する複数のルールを作成する手間が省けます。
正規表現は、さまざまな方法で表現されることのあるコンテンツを検索する場合に役立ちます。パケットのペイロード内でコンテンツを検索するときには、コンテンツがさまざまな属性を持つ可能性があることを考慮すべき場合があります。
侵入ルールで使われる正規表現構文は完全な正規表現ライブラリのサブセットであり、完全なライブラリ内のコマンドで使用される構文とはいくつかの点で異なることに注意してください。侵入ルール エディタを使用して pcre キーワードを追加するときには、次の形式で完全な値を入力します。
!/pcre/ ismxAEGRBUIPHDMCKSY
また、次の表に示す文字をエスケープする必要があることに注意してください。これにより、パケット ペイロード内で特定のコンテンツを検索するために PCRE でこれらの文字を使用した場合、ルール エンジンがそれを正しく解釈するようになります。
m?regex? を使用することもできます。ここで、? は「/」以外のデリミタです。正規表現内でスラッシュと一致させる必要があり、バックスラッシュを使ってそれをエスケープしたくない場合には、これを使用できます。たとえば、「m?regex? ismxAEGRBUIPHDMCKSY」のように使用できます。regex は Perl 互換正規表現、ismxAEGRBUIPHDMCKSY は修飾子オプションの任意の組み合わせです。
ヒント | オプションで、Perl 互換正規表現を引用符で囲むこともできます(例:pcre_expression または “pcre_expression“)。引用符が任意ではなく必須であった旧バージョンに慣れている経験豊富なユーザのために、引用符を使用するオプションが提供されています。保存後のルールを侵入ルール エディタで表示すると、引用符が表示されません。 |
pcre キーワードでは、標準の Perl 互換正規表現(PCRE)構文を使用できます。以下の項では、この構文について説明します。
ヒント | ここでは PCRE で使用可能な基本的な構文について説明しますが、Perl および PCRE 専用のオンライン リファレンスやブックで、さらに詳しい情報を参照することもできます。 |
メタ文字は正規表現内で特別な意味を持つリテラル文字です。メタ文字を正規表現内で使用するときには、その前にバックスラッシュを付けて「エスケープする」必要があります。
次の表に、PCRE で使用可能なメタ文字について説明し、それぞれの例を示します。
^in は、info 内の「in」と一致しますが、bin では一致しません。[^a] は、a を含まない任意の文字列と一致します。 |
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\. はピリオドと一致し、\* はアスタリスクと一致し、\\ はバックスラッシュと一致します。\d は数字と一致し、\w は英数字と一致します。 |
文字クラスには、英字、数字、英数字、および空白文字があります。大カッコで囲んで独自の文字クラスを作成できます。また、事前定義のクラスをさまざまな文字タイプのショートカットとして使用することもできます。追加の修飾子なしで文字クラスを使用すると、1 つの文字クラスは 1 桁または 1 文字に一致します。
次の表に、PCRE で使用できる事前定義の文字クラスの説明と例を示します。
pcre キーワードの値の中で正規表現構文を指定した後、修飾オプションを使用できます。これらの修飾子は、Perl、PCRE、および Snort 固有の処理機能を実行します。修飾子は、常に PCRE 値の末尾に、次の形式で出現します。
/pcre/ismxAEGRBUIPHDMCKSY
ここで、ismxAEGRBUPHMC には、次の表に示す任意の修飾オプションを含めることができます。
ヒント | オプションで、正規表現と修飾オプションを引用符で囲むことができます(たとえば “/pcre/ismxAEGRBUIPHDMCKSY”)。引用符が任意ではなく必須であった旧バージョンに慣れている経験豊富なユーザのために、引用符を使用するオプションが提供されています。保存後のルールを侵入ルール エディタで表示すると、引用符が表示されません。 |
次の表に、Perl 処理機能を実行するために使用できるオプションを説明します。
ドット文字(.)は、改行または \n 文字を除くすべての文字を表します。オプションとして "s" を使用すると、これをオーバーライドして、改行文字を含むすべての文字をドット文字に一致させることができます。 |
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デフォルトで、1 つの文字列は複数文字からなる単一行として扱われ、^ と $ は特定の文字列の先頭および末尾に一致します。オプションとして "m" を使用すると、^ および $ はバッファの先頭または末尾だけでなく、バッファ内の改行文字の直前または直後のコンテンツとも一致します。 |
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エスケープされた(バックスラッシュが先行する)場合、および文字クラスに含まれる場合を除き、空白データ文字がパターン内に出現してもそれを無視します。 |
次の表に、正規表現の後ろに使用できる PCRE 修飾子の説明を示します。
対象の文字列の末尾でのみ一致するように $ を設定します。(E を伴わない $ は、それが改行である場合には最後の文字の直前とも一致しますが、他の改行文字の直前とは一致しません)。 |
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デフォルトでは、* + と ? は「最長マッチ」を実行します。つまり、複数の一致が見つかった場合は最も長い一致が選択されます。G 文字を使用するとこの動作が変更され、常に最初の一致がこれらの文字で選択されます。ただし後ろに疑問符(?)が続く場合を除きます。たとえば、*? +? と ?? は G 修飾子を使った構造内で最長マッチを実行し、疑問符が付いていない *、+、または ? は最長マッチではありません。 |
次の表に、正規表現の後ろに使用できる Snort 固有の修飾子の説明を示します。
プリプロセッサによってデコードされる前のデータ内のコンテンツを検索します(このオプションは、content または protected_content キーワードとともに 生データ(Raw Data) 引数を使用する場合に似ています)。 |
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HTTP Inspect プリプロセッサによってデコードされた正規化済み HTTP 要求メッセージの URI 内のコンテンツを検索します。このオプションと content または protected_content キーワードの HTTP URI オプションを一緒に使用して、同じコンテンツを検索することはできません。 パイプライン処理された HTTP 要求パケットには複数の URI が含まれていることに注意してください。U オプションを含む PCRE 式を使用すると、ルール エンジンは、パイプライン処理された HTTP 要求パケット内の最初の URI でのみコンテンツ一致を検索します。パケット内のすべての URI を検索するには、U オプションを使った PCRE 式を一緒に使用するかどうかに関係なく、[HTTP URI] を選択した content または protected_content キーワードを使用してください。 |
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HTTP Inspect プリプロセッサによってデコードされた raw HTTP 要求メッセージの URI 内のコンテンツを検索します。このオプションと content または protected_content キーワードの HTTP Raw URI オプションを一緒に使用して、同じコンテンツを検索することはできません。 |
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HTTP Inspect プリプロセッサによってデコードされた正規化済み HTTP 要求メッセージ本文の中でコンテンツを検索します。 |
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HTTP Inspect プリプロセッサによってデコードされた HTTP 要求または応答メッセージの(cookie を除く)ヘッダー内のコンテンツを検索します。このオプションと content または protected_content キーワードの HTTP Header オプションを一緒に使用して、同じコンテンツを検索することはできません。 |
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HTTP Inspect プリプロセッサによってデコードされた未加工の HTTP 要求または応答メッセージの(cookie を除く)ヘッダー内のコンテンツを検索します。このオプションと content または protected_content キーワードの HTTP Raw Header オプションを一緒に使用して、同じコンテンツを検索することはできません。 |
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HTTP Inspect プリプロセッサによってデコードされた正規化済み HTTP 要求メッセージのメソッド フィールド内のコンテンツを検索します。メソッド フィールドは、URI で識別されるリソースに対して実行すべきアクション(GET、PUT、CONNECT など)を特定します。 |
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HTTP Inspect プリプロセッサの [HTTP Cookie の検査(Inspect HTTP Cookies)] オプションが有効になっている場合は、HTTP 要求見出しの cookie 内の正規化済みコンテンツを検索します。さらに、プリプロセッサの [HTTP 応答の検査(Inspect HTTP Responses)] オプションが有効になっている場合は、HTTP 応答見出しの set-cookie 内も検索します。[HTTP Cookie の検査(Inspect HTTP Cookies)] が有効になっていない場合は、cookie または set-cookie データを含む見出し全体を検索します。 |
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HTTP Inspect プリプロセッサの [HTTP Cookie の検査(Inspect HTTP Cookies)] オプションが有効になっている場合は、HTTP 要求見出しの cookie 内の未加工コンテンツを検索します。さらに、プリプロセッサの [HTTP 応答の検査(Inspect HTTP Responses)] オプションが有効になっている場合は、HTTP 応答見出しの set-cookie 内も検索します。[HTTP Cookie の検査(Inspect HTTP Cookies)] が有効になっていない場合は、cookie または set-cookie データを含む見出し全体を検索します。 |
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(注) | U オプションと R オプションを組み合わせて使用しないでください。パフォーマンスの問題が発生する可能性があります。また、他の HTTP コンテンツ オプション(I、P、H、D、M、C、K、S または Y)と組み合わせて U オプションを使用しないでください。 |
次に、pcre で入力できる値の例を示し、それぞれの例で何が一致するかを説明します。
この例では、URI データにのみ配置された、feedback の後に 0 個または 1 個の数字、さらに .cgi が続くインスタンスをパケット ペイロード内で検索します。
この例では、先頭の ez の後に 3 ~ 5 文字の単語、さらに .cgi が続く文字列をパケット ペイロード内で検索します。この検索では大文字と小文字を区別せず、URI データだけを検索します。
この例では、URI データ内の mail の後に file と seek のどちらかが続く文字列をパケット ペイロードで検索します。
この例では、任意の数の文字の後ろにある、HTTP 要求内のタブまたは改行文字を示す URI コンテンツをパケット ペイロード内で検索します。この例では、式で m?regex? を使用して、http\:\/\/ を使用しないようにしています。コロンの前にバックスラッシュがあることに注意してください。
この例では、(改行を含む)任意の数の文字の後に 1 つの等号、さらに任意の数の文字または空白を含むパイプ文字が続くという構成の URL をパケット ペイロード内で検索します。この例では、式で m?regex? を使用して、http\:\/\/ を使用しないようにしています。
この例では、MAC アドレスをパケット ペイロード内で検索します。コロン文字がバックスラッシュでエスケープされていることに注意してください。
metadata キーワードを使用すると、記述情報をルールに追加できます。また、metadata キーワードを service 引数とともに使用すると、ネットワーク トラフィック内のアプリケーションとポートを特定することができます。追加する情報を使用して、要件に適合するルールを編成または識別することができ、追加する情報や service 引数についてルールを検索することができます。
key value
ここで、key と value は、スペースで区切られた記述の組み合わせです。これは、Cisco 提供のルールにメタデータを追加するために Cisco Talos Security Intelligence and Research Group(Talos) VRT で使用されている形式です。
key = value
たとえば、key value 形式で次のようにカテゴリとサブカテゴリを使用し、作成者と日付によってルールを識別できます。
author SnortGuru_20050406
1 つのルール内で複数の metadata キーワードを使用できます。また、以下の例に示すように、単一の metadata キーワード内で複数の key value 引数をカンマで区切ることもできます。
author SnortGuru_20050406, revised_by SnortUser1_20050707,
revised_by SnortUser2_20061003,
revised_by SnortUser1_20070123
使用できる形式は key value と key=value だけに限定されません。ただし、これらの形式に基づく検証に起因する制限事項を把握しておく必要があります。
metadata キーワードでは、次の単語を単一の引数として、または key value 引数内の key として使用しないでください。これらは Talos 用に予約されています。
application engine impact_flag os policy rule-type rule-flushing soid
(注) | ローカル ルールを適切に機能させるために制限付きメタデータをどうしても追加する必要がある場合は、サポート担当にお問い合わせください。 |
metadata キーワードでは、次に示す予約済み key value 引数を使用できます。
impact_flag red
この key value 引数は、インポートしたローカル ルールまたは侵入ルール エディタを使って作成したカスタム ルールに関する影響フラグを赤(レベル 1)に設定します。
「送信元または宛先のホストがウイルス、トロイの木馬、その他の有害ソフトウェアによって侵害されている可能性があることを、ルールをトリガーしているパケットが示している」と Talos が判断した場合、Talos は Cisco 提供のルールに impact_flag red 引数を含めます。
システムは、ネットワークのホストで動作しているアプリケーションを検出し、ネットワーク トラフィックにアプリケーション プロトコル情報を挿入します。これは、検出ポリシーの設定に関係なく実行されます。TCP または UDP ルールで metadata キーワード service 引数を使用して、ネットワーク トラフィックのアプリケーション プロトコルとポートを照合することができます。ルールで 1 つ以上の service アプリケーション引数を単一のポート引数と組み合わせることができます。
metadata キーワードとともに service を key として、アプリケーションを value として使用し、パケットを識別されたアプリケーション プロトコルと一致させることができます。たとえば、次に示す metadata キーワード内の key value 引数は、ルールを HTTP トラフィックに関連付けます。
service http
複数のアプリケーションをカンマで区切って指定することもできます。次に例を示します。
service http, service smtp, service ftp
注意 | 侵入ルールでサービス メタデータを使用するためには、適応型プロファイルの設定 で説明されているように、アダプティブ プロファイルを有効にする必要があります。 |
次の表に、service キーワードとともに使用される最も一般的なアプリケーション値を示します。
(注) | 表にないアプリケーションを特定することが難しい場合は、サポートにお問い合わせください。 |
cvs |
Concurrent Versions System(バージョン管理システム) |
mysql |
My Structured Query Language(構造化照会言語) |
shell |
OS Shell |
snmp |
簡易ネットワーク管理プロトコル |
sunrpc |
Sun リモート プロシージャ コール プロトコル |
Metadata キーワードとともに service を key として、指定したポート引数を value として使用し、ルールがアプリケーションと組み合わせてポートを照合する方法を定義できます。
次の表の任意のポート値を、ルールごとに 1 つ指定できます。
値 |
説明 |
---|---|
else-ports または unknown |
次の条件のいずれかが満たされるとルールが適用されます。
else-ports および unknown の値では、service がポート修飾子なしでアプリケーション プロトコルを指定する場合にシステムで使用されるデフォルトの動作が生成されます。 |
and-ports |
パケット アプリケーションが既知で、ルール アプリケーションと一致し、パケット ポートがルール ヘッダーのポートと一致する場合、ルールが適用されます。アプリケーションを指定しないルールで and-ports を使用することはできません。 |
or-ports |
次の条件のいずれかが満たされるとルールが適用されます。 |
and-ports 値を除き、1 つ以上の service アプリケーション引数の有無にかかわらず、service ポート引数を含めることができます。次に例を示します。
service or-ports, service http, service smtp
次の図は、侵入ルールでサポートされるアプリケーションとポートの組み合わせ、およびパケット データにこれらのルール制約を適用した結果を示しています。
metadata キーワードを service 引数とともに使用した次のサンプル ルールを、一致するデータおよび一致しないデータの例とともに示します。
alert tcp any any -> any [80,8080] (metadata:service and-ports, service http, service smtp;)
一致する例 |
一致しない例 |
---|---|
alert tcp any any -> any [80,8080] (metadata:service or-ports, service http;)
一致する例 |
一致しない例 |
---|---|
次のいずれかの規則:
alert tcp any any -> any [80,8080] metadata:service else-ports, service http;)
alert tcp any any -> any [80,8080] metadata:service http;)
一致する例 |
一致しない例 |
---|---|
metadata キーワードを使用するルールを検索するには、ルールの [検索(Search)] ページで metadata キーワードを選択して、オプションで、メタデータの一部分を入力します。たとえば次のように入力できます。
search http と入力すると、key として search、value として http がそれぞれ使用されているすべてのルールが表示されます。
author snortguru と入力すると、key として author、value として SnortGuru がそれぞれ使用されているすべてのルールが表示されます。
author s と入力すると、key として author、さらに value として SnortGuru、SnortUser1、SnortUser2 などの語が使用されているすべてのルールが表示されます。
ヒント | key と value の両方を検索するときには、ルール内の key value 引数で使用されているのと同じ接続演算子(等号 [=] または空白文字)を検索で使用してください。key の後に等号(=)と空白文字のどちらを入力するかに応じて、異なる結果が検索で返されます。 |
なお、メタデータ追加のために使用する形式とは無関係に、システムはメタデータ検索語を key value または key=value 引数の全部または一部として解釈します。たとえば、次に示すメタデータは key value または key=value 形式に従っていませんが、有効なメタデータです。
ab cd ef gh
ただし、この例に含まれる各スペースは key と value の間の区切り文字としてシステムで解釈されます。次に示す並列語や単一語を検索で使用すると、この例のメタデータを含むルールを正しく検出できます。
cd ef ef gh ef
一方、次の検索を使用した場合、単一の key value 引数としてシステムによって解釈されるため、ルールを検出できません。
ab ef
fragbits キーワードは、IP 見出し内のフラグメント ビットと予約ビットを検査します。パケットごとに、予約ビット、More Fragments ビット、および Don't Fragment ビットを任意に組み合わせて検査できます。
fragbits キーワードを使ってルールを微調整するために、次の表に示す演算子をルール内の引数値の後ろに指定できます。
たとえば、(他のビットの有無とは無関係に)少なくとも予約済みビットが設定されたパケットに対してイベントを生成するには、fragbits 値として R+ を使用します。
id キーワードは、キーワード引数で指定される値に照らして IP 見出しフラグメント識別フィールドを検査します。一部のサービス拒否ツールやスキャナは、このフィールドを、容易に検出できる特定の番号に設定します。たとえば、Synscan ポートスキャンを検出する SID 630 では、id 値が 39426(スキャナから伝送されるパケットの ID 番号として使われる静的な値)に設定されます。
(注) |
IPopts キーワードを使用すると、指定された IP 見出しオプションをパケット内で検索できます。次の表に、使用可能な引数値を示します。
アナリストが最も頻繁に監視するのは、厳密な送信元ルーティングと厳密でない送信元ルーティングです。これらのオプションは送信元 IP アドレスのスプーフィングを示している可能性があるためです。
ip_proto キーワードを使用すると、キーワードの値として指定された IP プロトコルを含むパケットを識別できます。IP プロトコルは 0 ~ 255 の数値として指定できます。これらの番号を、<、>、または ! 演算子と組み合わせることができます。たとえば、ICMP 以外のプロトコルを使用しているトラフィックを検査するには、ip_proto キーワードの値として !1 を使用します。1 つのルール内で ip_proto キーワードを複数回にわたって使用できます。ただし、ルール エンジンはキーワードの複数インスタンスをブール和関係(AND)と解釈することに注意してください。たとえば、ip_proto:!3; ip_proto:!6 を含むルールを作成した場合、このルールは GGP プロトコルおよび TCP プロトコルを使用するトラフィックを無視します。
一部のネットワークでは、ネットワーク上を移動するパケットの優先度を設定するタイプ オブ サービス(ToS)値が使用されます。tos キーワードを使用すると、キーワードの引数で指定された値に照らしてパケットの IP 見出し ToS 値を検査できます。tos キーワードを使用するルールは、ToS が指定の値に設定され、しかもルール内の残りの基準を満たすパケットに対してトリガーとして使用されます。
(注) |
[ToS] フィールドは IP ヘッダー プロトコルでは非推奨になり、[Differentiated Services Code Point (DSCP)] フィールドに置き換えられています。
パケットの存続可能時間(time-to-live、ttl)値は、パケットが破棄される前に生成できるホップ数を示します。ttl キーワードを使用すると、キーワードの引数として指定された値または値の範囲に照らしてパケットの IP 見出し ttl 値を検査できます。ttl キーワード パラメータを 0 や 1 などの低い値に設定すると役立つことがあります。これは、低い存続可能時間値がトレースルートや侵入回避の試みを示している場合があるためです。(ただし、このキーワードの適切な値は、管理対象デバイスの配置やネットワーク トポロジによって異なります)。次のように構文を使用します。
TTL 値に特定の 1 つの値を設定するには、0 ~ 255 の整数を使用します。値の前に等号(=)を付けることもできます(たとえば 5 または =5 を指定できます)。
TTL 値の範囲を指定するには、ハイフン(-)を使用します(たとえば、0-2 は 0 ~ 2 のすべての値、-5 は 0 ~ 5 のすべての値、5- は 5 ~ 255 のすべての値をそれぞれ指定します)。
特定の値より大きい TTL 値を指定するには、「大なり」記号(>)を使用します(たとえば、>3 は 3 より大きいすべての値を指定します)。
特定の値以上の TTL 値を指定するには、「大なりイコール」記号(>=)を使用します(たとえば、>=3 は 3 以上のすべての値を指定します)。
特定の値より小さい TTL 値を指定するには、「小なり」記号(<)を使用します(たとえば、<3 は 3 より小さいすべての値を指定します)。
特定の値以下の TTL 値を指定するには、「小なりイコール」記号(<=)を使用します(たとえば、<=3 は 3 以下のすべての値を指定します)。
Firepower システムでサポートされるキーワードを使用すると、ICMP パケット ヘッダー内の攻撃やセキュリティ ポリシー違反を識別できます。なお、ほとんどの ICMP タイプおよびコードを検出する事前定義ルールがあることに注意してください。既存のルールを有効にするか、既存のルールに基づいてローカル ルールを作成することを考慮してください。ICMP ルールを最初から作成するよりも、ニーズを満たすルールを見つける方が時間の節約になる可能性があります。
ICMP の識別番号とシーケンス番号は、ICMP 応答と ICMP 要求を関連付けるうえで役立ちます。通常のトラフィックでは、これらの値はパケットに動的に割り当てられます。一部のコバート チャネルおよび Distributed Denial of Server(DDoS)プログラムは、静的な ICMP ID およびシーケンス値を使用します。次のキーワードを使用すると、静的な値を含む ICMP パケットを識別できます。
ICMP エコー要求または応答パケットの ICMP ID 番号を検査します。ICMP ID 番号に対応する数値を icmp_id キーワードの引数として使用します。 |
|
icmp_seq キーワードは、ICMP エコー要求または応答パケットの ICMP シーケンスを検査します。ICMP シーケンス番号に対応する数値を icmp_seq キーワードの引数として使用します。 |
itype キーワードを使用して、特定の ICMP メッセージ タイプ値を含むパケットを検索します。有効な ICMP タイプ値と無効な ICMP タイプ値のいずれかを指定して、さまざまなタイプのトラフィックを検査できます。たとえば、サービス拒否攻撃やフラッディング攻撃を発生させるために攻撃者が範囲外の ICMP タイプ値を設定することがあります。
ICMP メッセージには、宛先が到達不能である場合の詳細を示すコード値が含まれることがあります。
icode キーワードを使用すると、特定の ICMP コード値を含むパケットを識別できます。有効な ICMP コード値と無効な ICMP コード値のいずれかを指定することにより、さまざまなタイプのトラフィックを検査できます。
「小なり」(<)と「大なり」(>)を使用して icode 引数値の範囲を指定できます。
ヒント | icode キーワードと itype キーワードを一緒に使用すると、両方に一致するトラフィックを識別できます。たとえば、ICMP 宛先到達不能コード タイプと ICMP ポート到達不能コード タイプを含む ICMP トラフィックを特定するには、値 3 の itype キーワード(宛先到達不能)と、値 3 の icode キーワード(ポート到達不能)を指定します。 |
Firepower システムでは、パケットの TCP ヘッダーと TCP ストリーム サイズを使って試行される攻撃を識別するためのキーワードを使用できます。
ack キーワードを使用すると、パケットの TCP 確認応答番号と特定の値を比較できます。パケットの TCP 確認応答番号が、ack キーワードに指定された値と一致した場合に、ルールがトリガーとして使用されます。
flags キーワードを使用すると、複数の TCP フラグを任意に組み合わせて指定できます。検査対象のパケットでこれらが設定されている場合、ルールがトリガーとして使用されます。
(注) | 従来、flags の値として A+ を使用していたケースでは、代わりに flow キーワードおよび値 established を使用してください。一般に、フラグのすべての組み合わせが検出されるようにするには、フラグの使用時に flow キーワードおよび値 stateless を使用する必要があります。 |
次の表に示す flags キーワードの値を確認または無視することができます。
flags キーワードを使用する場合、複数のフラグに対する照合方法をシステムに指示するための演算子を使用できます。次の表に、これらの演算子の説明を示します。
Urg と all を選択すると、パケットが緊急フラグを含んでいる必要があること、および他のフラグが含まれる可能性があることを指定できます。 |
||
Ack、Psh、および any を選択すると、ルールをトリガーとして使用するためには Ack と Psh のどちらか(または両方)のフラグが設定される必要があること、およびパケット内で他のフラグも設定されている可能性があることを指定できます。 |
||
Urg と not を選択すると、このルールをトリガーとして使用するパケットに関して緊急フラグが設定されないことを指定できます。 |
flow キーワードを使用すると、セッション特性に基づいてルールで検査されるパケットを選択できます。flow キーワードを使用することで、ルールの適用対象となるトラフィック フロー方向を指定して、クライアント フローとサーバ フローのどちらかにルールを適用できます。flow キーワードによるパケット検査の方法を指定するには、分析すべきトラフィックの方向、検査するパケットの状態、およびパケットが再構築ストリームの一部かどうかを設定できます。
ルールの処理時に、パケットのステートフル インスペクションが実行されます。ステートレス トラフィック(セッション コンテキストが確立されていないトラフィック)を TCP ルールで無視するには、flow キーワードをルールに追加して、そのキーワードで Established 引数を選択する必要があります。UDP ルールでステートレス トラフィックを無視するには、flow キーワードをルールに追加して、Established 引数と方向引数のどちらか(または両方)を選択する必要があります。これにより、TCP または UDP ルールでパケットのステートフル インスペクションが実行されます。
方向引数を追加した場合、ルール エンジンは、指定された方向と一致するフローを伴う確立された状態のパケットだけを検査します。たとえば、TCP または UDP 接続が検出されたときトリガーとして使用されるルールに、flow キーワードおよび established 引数と From Client 引数を追加した場合、ルール エンジンはクライアントから送信されたパケットだけを検査します。
ヒント | パフォーマンスを最大にするには、必ず TCP ルールまたは UDP セッション ルールに flow キーワードを含めてください。 |
次の表に、flow キーワードで指定できるストリーム関連引数の説明を示します。
次の表に、flow キーワードで指定できる方向オプションの説明を示します。
From Server と To Client の機能が同じであること、および To Server と From Client の機能も同じであることに注意してください。これらのオプションは、ルールに文脈と読みやすさを加味するために提供されています。たとえば、サーバからクライアントへの攻撃を検出するよう設計されたルールを作成する場合は、From Server を使用します。一方、クライアントからサーバへの攻撃を検出するように設計されたルールを作成する場合は、From Client を使用します。
次の表に、flow キーワードで指定できるストリーム関連引数の説明を示します。
たとえば、flow キーワードの値として To Server, Established, Only Stream Traffic を使用すると、ストリーム プリプロセッサで再構築された、確立済みセッションでクライアントからサーバに移動するトラフィックを検出できます。
seq キーワードを使用すると、静的なシーケンス番号値を指定できます。パケットのシーケンス番号が、指定された引数と一致する場合、そのキーワードを含むルールがトリガーとして使用されます。このキーワードはあまり使用されませんが、静的シーケンス番号付きの生成済みパケットを使用する攻撃やネットワーク スキャンを識別するうえでこれが役立ちます。
window キーワードを使用すると、特定の TCP ウィンドウ サイズを指定できます。このキーワードを含むルールは、指定された TCP ウィンドウ サイズのパケットが検出されるたびにトリガーされます。このキーワードはあまり使用されませんが、静的 TCP ウィンドウ サイズ付きの生成済みパケットを使用する攻撃やネットワーク スキャンを識別するうえでこれが役立ちます。
次に示す形式で、stream_size キーワードとストリーム プリプロセッサを組み合わせて使用すると、TCP ストリームのサイズをバイト単位で特定できます。
direction,operator,bytes
ここで、bytes はバイト数です。引数内の各オプションをカンマ(,)で区切る必要があります。
次の表は、stream_size キーワードで指定できる大文字/小文字を区別しない方向オプションを示しています。
指定されたストリーム サイズに一致するクライアントからのトラフィックとサーバからのトラフィックの両方によってトリガーとして使用されます。 たとえば both, >, 200 という引数は、クライアントからのトラフィックが 200 バイトを超え、しかもサーバからのトラフィックが 200 バイトを超えている場合にトリガーとして使用されます。 |
|
指定されたストリーム サイズに一致するクライアントまたはサーバからのトラフィック(どちらか先に出現した方)によってトリガーとして使用されます。 たとえば both, >, 200 という引数は、クライアントからのトラフィックが 200 バイトを超え、しかもサーバからのトラフィックが 200 バイトを超えている場合にトリガーとして使用されます。 |
次の表に、stream_size キーワードで使用できる演算子の説明を示します。
たとえば、クライアントからサーバに移動する 5001216 バイト以上の TCP ストリームを検出するには、stream_size キーワードの引数として client, >=, 5001216 を使用できます。
stream_reassemble キーワードを使用すると、接続での検査対象トラフィックがルールの条件と一致した場合に、1 つの接続の TCP ストリーム再構築を有効/無効にすることができます。オプションで、このキーワードを 1 つのルール内で複数回使用することができます。
ストリーム再構築を有効または無効にするには、次の構文を使用します。
enable|disable, server|client|both, option, option
次の表に、stream_reassemble キーワードで使用できるオプション引数の説明を示します。
たとえば、次のルールは、HTTP 応答で 200 OK ステータス コードが検出される接続に対してイベントを生成せずに、TCP クライアント側ストリーム再構築を無効にします。
alert tcp any 80 -> any any (flow:to_client, established; content: “200 OK”; stream_reassemble:disable, client, noalert
SSL ルール キーワードを使用すると、Secure Sockets Layer(SSL)プリプロセッサを呼び出し、暗号化セッションのパケットから SSL のバージョンとセッション状態に関する情報を抽出できます。
SSL または Transport Layer Security(TLS)を使用する暗号化セッションを確立するためにクライアントとサーバが通信するとき、ハンドシェイク メッセージが交換されます。セッション中に伝送されるデータは暗号化されますが、ハンドシェイク メッセージは暗号化されません。
SSL プリプロセッサは、特定のハンドシェイク フィールドから状態とバージョンの情報を抽出します。ハンドシェイク内の 2 つのフィールドは、セッション暗号化に使われる SSL または TLS のバージョンとハンドシェイクのステージを示します。
ssl_state キーワードを使用すると、暗号化されたセッションの状態情報と照合することができます。同時に使用される複数の SSL バージョンを検査するには、1 つのルール内で複数の ssl_version キーワードを使用します。
ルールで ssl_state キーワードが使用されている場合、ルール エンジンは SSL プリプロセッサを呼び出して、トラフィック内の SSL 状態情報を検査します。
たとえば、チャレンジ長が非常に長く、データが多すぎる ClientHello メッセージを送信することによってサーバ上のバッファ オーバーフローを引き起そうとする攻撃者の試みを検出するには、ssl_state キーワードと引数 client_hello を使用し、異常に大きなパケットを検査することができます。
SSL 状態に関する複数の引数を指定するには、カンマ区切りのリストを使用します。複数の引数を列挙した場合、システムは OR 演算子を使ってそれらを評価します。たとえば、引数として client_hello および server_hello を指定すると、システムは client_hello または server_hello のどちらかを含むトラフィックに照らしてルールを評価します。
!client_hello, !unknown
接続が一連の状態のそれぞれに到達したことを確認するには、ssl_state ルール オプションを使用する複数のルールを使う必要があります。ssl_state キーワードは、次の識別子を引数として受け入れます。
目的 |
|
---|---|
クライアントが暗号化セッションを要求する、メッセージ タイプ ClientHello のハンドシェイク メッセージを照合します。 |
|
クライアントからの暗号化セッション要求に対してサーバが応答する、メッセージ タイプ ServerHello のハンドシェイク メッセージを照合します。 |
|
サーバからのキーの受信を確認するためにクライアントがサーバにキーを伝送する、メッセージ タイプ ClientKeyExchange のハンドシェイク メッセージを照合します。 |
|
サーバからのキーの受信を確認するためにクライアントがサーバにキーを伝送する、メッセージ タイプ ServerKeyExchange のハンドシェイク メッセージを照合します。 |
|
ssl_version キーワードを使用すると、暗号化されたセッションのバージョン情報と照合することができます。ルールで ssl_version キーワードが使用されている場合、ルール エンジンは SSL プリプロセッサを呼び出して、トラフィック内の SSL バージョン情報を検査します。
たとえば、SSL バージョン 2 にバッファ オーバーフロー脆弱性があることがわかっている場合、ssl_version キーワードで sslv2 引数を使用して、その SSL バージョンを使用するトラフィックを識別できます。
SSL バージョンに関する複数の引数を指定するには、カンマ区切りのリストを使用します。複数の引数を列挙した場合、システムは OR 演算子を使ってそれらを評価します。たとえば、SSLv2 を使用していない暗号化トラフィックを識別するには、ssl_version:ssl_v3,tls1.0,tls1.1,tls1.2 をルールに追加できます。このルールは、SSL バージョン 3、TLS バージョン 1.0、TLS バージョン 1.1、または TLS バージョン 1.2 を使用するトラフィックを評価します。
ssl_version キーワードは、次の SSL/TLS バージョン識別子を引数として受け入れます。
目的 |
|
---|---|
Transport Layer Security(TLS)バージョン 1.0 を使用してエンコードされたトラフィックを照合します。 |
|
Transport Layer Security(TLS)バージョン 1.1 を使用してエンコードされたトラフィックを照合します。 |
|
Transport Layer Security(TLS)バージョン 1.2 を使用してエンコードされたトラフィックを照合します。 |
パケットからアプリケーションプロトコル、クライアントアプリケーション、Web アプリケーションを特定するために appid キーワードを使用できます。たとえば、ある脆弱性をもつことが知られている特定のアプリケーションを検出することを考えます。
侵入ルールの appid キーワードの中で、[AppID の設定(Configure AppID)] をクリックし、検出するアプリケーションを 1 つまたは複数選択します。
条件の作成を初めて開始するときは、[使用可能なアプリケーション(Available Applications)] リストは制約されておらず、システムが検出するすべてのアプリケーションをページごとに 100 個ずつ表示します。
照合するアプリケーションを見つけやすくするために、[使用可能なアプリケーション(Available Applications)] リストを次のように制約できます。
アプリケーションを検索するには、リスト上部にある [名前で検索(Search by name)] プロンプトをクリックし、名前を入力します。入力すると、リストが更新されて一致するアプリケーションが表示されます。
フィルタを適用してアプリケーションを制約するには、[アプリケーション フィルタ(Application Filters)] リストを使用します。フィルタを適用すると、[使用可能なアプリケーション(Available Applications)] リストが更新されます。便宜上、システムはロック解除アイコン()を使用して、復号化されたトラフィック(暗号化されているトラフィックまたは暗号化されていないトラフィックではなく)でのみ識別できるアプリケーションをマークします。
(注) | [アプリケーション フィルタ(Application Filters)] リストで 1 つ以上のフィルタを選択し、しかも [使用可能なアプリケーション(Available Applications)] リストを検索した場合、選択内容と検索フィルタ適用後の [使用可能なアプリケーション(Available Applications)] リストが AND 演算を使って結合されます。 |
アプリケーションを 1 つだけ選択するには、そのアプリケーションを選択し、[ルールへの追加(Add to Rule)] をクリックします。フィルタで限定されている現在の表示のすべてのアプリケーションを選択するには、右クリックして [すべて選択(Select All)] を選択します。
アプリケーション層プロトコル値の正規化と検査はほとんどがプリプロセッサによって実行されますが、種々のプリプロセッサ オプションを使用して、アプリケーション層値をさらに検査できます。
rpc キーワードは、TCP または UDP パケットでオープン ネットワーク コンピューティング リモート プロシージャ コール(ONC RPC)サービスを識別します。これにより、ホスト上の RPC プログラムの識別試行を検出することができます。ネットワークで実行中のいずれかの RPC サービスを悪用できるかどうか判断するために、侵入者は RPC ポートマッパーを使用できます。また、ポートマッパーを使用せずに RPC を実行中の他のポートへのアクセスを試みることもできます。次の表に、rpc キーワードで使用できる引数を列挙します。
rpc キーワードの引数を指定するには、次の構文を使用します。
application,procedure,version
ここで、application は RPC アプリケーション番号、procedure は RPC プロシージャ番号、version は RPC バージョン番号です。rpc キーワードのすべての引数を指定する必要があります。引数のいずれかを指定できない場合は、アスタリスク(*)で置き換えてください。
たとえば、任意のプロシージャまたはバージョンの RPC ポートマッパー(100000 という番号で示される RPC アプリケーション)を検索するには、引数として 100000,*,* を使用します。
asn1 キーワードを使用すると、さまざまな有害エンコードを検索しながら、パケットまたはパケットの一部分をデコードできます。
標準バッファより大きい二重 ASCII エンコードを検出します。これは Microsoft Windows の悪用可能な機能であることが知られていますが、現時点でどのサービスが悪用可能であるかは不明です。 |
|
指定された引数より大きい ASN.1 タイプ長を検出します。たとえば Oversize Length を 500 に設定した場合、500 を上回る ASN.1 タイプによってルールがトリガーとして使用されます。 |
|
パケット ペイロードの先頭からの絶対オフセットを設定します(offset カウンタがバイト 0 から始まることに注意してください)。たとえば SNMP パケットをデコードするには、Absolute Offset を 0 に設定し、Relative Offset を設定しません。Absolute Offset として正または負の値が可能です。 |
|
これは、最後に見つかったコンテンツ一致、pcre、または byte_jump からの相対オフセットです。コンテンツ "foo" の直後の ASN.1 シーケンスをデコードするには、Relative Offset を 0 に設定し、Absolute Offset を設定しません。Relative Offset として正または負の値が可能です。(オフセット カウンタが 0 から始まることに注意してください。) |
たとえば、Microsoft ASN.1 ライブラリにおける既知の脆弱性ではバッファ オーバーフローが発生し、攻撃者は特別に細工した認証パケットを使ってその状態を悪用できます。システムが asn.1 データをデコードするとき、パケット内の exploit コードは、システム レベル特権付きでホスト上で動作したり、DoS 状態を引き起したりすることができます。次のルールは、asn1 キーワードを使用して、この脆弱性を悪用する試みを検出します。
alert tcp $EXTERNAL_NET any -> $HOME_NET 445
(flow:to_server, established; content:”|FF|SMB|73|”;
nocase; offset:4; depth:5;
asn1:bitstring_overflow,double_overflow,oversize_length 100,
relative_offset 54;)
上記のルールの場合、任意のポートおよび $EXTERNAL_NET 変数で定義された任意の IP アドレスから発信され、ポート 445 を使用する $HOME_NET 変数で定義された任意の IP アドレスに向かう TCP トラフィックに対して、イベントが生成されます。加えて、サーバへの TCP 接続が確立された時点でのみルールを実行します。その後、ルールは特定の位置にある特定のコンテンツを検査します。最後に、ルールは asn1 キーワードを使用して、ビットストリング エンコードと二重 ASCII エンコードを検出し、最後に見つかったコンテンツ一致の末尾から 55 バイト目以降、長さ 100 バイトを超える asn.1 タイプ長を識別します。(offset カウンタがバイト 0 から始まることに注意してください。)
urilen キーワードと HTTP Inspect プリプロセッサを組み合わせて使用すると、特定の長さ、最大長を下回る、最小長を上回る、または指定された範囲内の URI を HTTP トラフィック内で検査できます。
HTTP Inspect プリプロセッサがパケットを正規化して検査した後、ルール エンジンはルールに照らしてそのパケットを評価し、urilen キーワードで指定された長さ条件に URI が一致するかどうか判断します。このキーワードを使用すると、URI 長の脆弱性をエクスプロイトしようとする試みを検出できます。たとえばバッファ オーバーフローを発生させて、攻撃者が DoS 状態を引き起こしたり、システム レベル特権付きでホスト上でコードを実行したりしようと試みる可能性があります。
ルール内で urilen キーワードを使用するときには、次の点に注意してください。
URI 長を指定するときには、10 進のバイト数、「小なり」(<)、および「大なり」(>)を使用します。
たとえば、Novell の eDirectory バージョン 8.8 に付属のサーバ モニタリングおよび診断ユーティリティ iMonitor バージョン 2.4 には、脆弱性があることが知られています。長すぎる URI を含むパケットはバッファ オーバーフローを発生させるため、攻撃者はシステム レベル特権付きでホスト上で動作したり、DoS 状態を引き起こしたりできる特別に細工したパケットを使ってその状態をエクスプロイトできます。次のルールは、urilen キーワードを使用して、この脆弱性を悪用する試みを検出します。
alert tcp $EXTERNAL_NET any -> $HOME_NET $HTTP_PORTS
(msg:"EXPLOIT eDirectory 8.8 Long URI iMonitor buffer
overflow attempt"; flow:to_server,established;
urilen:> 8192; uricontent:"/nds/"; nocase;
classtype:attempted-admin; sid:x; rev:1;)
上記のルールの場合、任意のポートおよび $EXTERNAL_NET 変数で定義された任意の IP アドレスから発信され、$HTTP_PORTS 変数で定義されたポートを使用して、$HOME_NET 変数で定義された任意の IP アドレスに向かう TCP トラフィックに対して、イベントが生成されます。加えて、サーバへの TCP 接続が確立された時点でのみ、パケットがルールに照らして評価されます。ルールは、urilen キーワードを使用して、長さ 8192 バイトを超える URI を検出します。最後に、ルールは URI を検索して、大文字/小文字を区別しない特定のコンテンツ /nds/ を探します。
次の表で説明する 3 つの DCE/RPC キーワードを使用して、DCE/RPC セッション トラフィックのエクスプロイトをモニタできます。これらのキーワードを含むルールを処理するとき、システムは DCE/RPC プリプロセッサを呼び出します。
表に示されているように、dce_opnum の前に必ず dce_iface を配置し、dce_stub_data の前に必ず dce_iface + dce_opnum を配置する必要があることに注意してください。
また、これらの DCE/RPC キーワードを他のルール キーワードと組み合わせて使用することもできます。DCE/RPC ルールでは、DCE/RPC の引数が選択された状態で byte_jump、byte_test、byte_extract の各キーワードを使用することに注意してください。
シスコでは、DCE/RPC キーワードを含むルールに 1 つ以上の content キーワードを含めることを推奨しています。こうすると、ルール エンジンが常に高速パターン マッチ機能を使用することで処理速度が上がり、パフォーマンスが向上します。ルールに 1 つ以上の content キーワードが含まれている場合は、content キーワードの [高速パターン マッチ機能を使用(Use Fast Pattern Matcher)] 引数が有効になっているかどうかに関係なく、ルール エンジンが高速パターン マッチ機能を使用することに注意してください。
次のケースでは、DCE/RPC バージョンおよび隣接ヘッダー情報を一致コンテンツとして使用できます。
次に示すバージョンおよび隣接情報コンテンツ一致のいずれか 1 つを使用して、ルール限定を終了する必要があります。
コネクション型 DCE/RPC ルールでは、コンテンツ |05 00 00|(メジャー バージョン 05、マイナー バージョン 00、および要求 PDU(プロトコル データ ユニット)タイプ 00)を使用します。
コネクションレス型 DCE/RPC ルールでは、コンテンツ |04 00|(バージョン 04、要求 PDU タイプ 00)を使用します。
いずれの場合も、DCE/RPC プリプロセッサで完了済みの処理を繰り返すことなく高速パターン マッチ機能を呼び出すために、ルール内の最後のキーワードとしてバージョンおよび隣接情報の content キーワードを配置してください。ルールの末尾に配置される content キーワードは、高速パターン マッチ機能を呼び出す手段として使われるバージョン コンテンツに当てはまりますが、ルール内の他のコンテンツ一致には必ずしも当てはまらないことに注意してください。
dce_iface キーワードを使用すると、特定の DCE/RPC サービスを識別できます。
オプションで、dce_iface キーワードを dce_opnum キーワードおよび dce_stub_data キーワードと組み合わせて使用すると、検査する DCE/RPC トラフィックをさらに限定することができます。
固定型 16 バイト Universally Unique Identifier(UUID)は、それぞれの DCE/RPC サービスに割り当てられるアプリケーション インターフェイスを識別します。たとえば、UUID 4b324fc8-670-01d3-1278-5a47bf6ee188 は、srvsvc サービスとしても知られる DCE/RPC lanmanserver サービスを識別します。このサービスは、ピアツーピア プリンタ、ファイル、および SMB 名前付きパイプを共有するためのさまざまな管理機能を提供します。DCE/RPC プリプロセッサは UUID および関連するヘッダー値を使用して DCE/RPC セッションを追跡します。
インターフェイス UUID は、次のように、ハイフンで区切られた 5 つの 16 進文字列で構成されます。
<4hexbytes>-<2hexbytes>-<2hexbytes>-<2hexbytes>-<6hexbytes>
次に示す netlogon インターフェイスの UUID のように、ハイフンを含む UUID 全体を入力することで、インターフェイスを指定します。
12345678-1234-abcd-ef00-01234567cffb
UUID 内の最初の 3 つの文字列はビッグ エンディアン バイト順で指定される必要があることに注意してください。通常、公開されたインターフェイス リストやプロトコル アナライザには UUID が正しいバイト順で表示されますが、それを入力する前に UUID バイト順を変更しなければならない場合もあります。次に示すメッセンジャー サービス UUID の場合、リトル エンディアン バイト順の最初の 3 つの文字列を含む未加工 ASCII テキストで表示されることがあります。
f8 91 7b 5a 00 ff d0 11 a9 b2 00 c0 4f b6 e6 fc
この同じ UUID を dce_iface キーワードに指定するには、次のようにハイフンを挿入し、最初の 3 つの文字列をビッグ エンディアン バイト順で配置できます。
5a7b91f8-ff00-11d0-a9b2-00c04fb6e6fc
1 つの DCE/RPC セッションに複数のインターフェイスへの要求を含めることができますが、1 つのルールには 1 つの dce_iface キーワードだけを含めてください。追加のインターフェイスを検出するには、追加のルールを作成します。
DCE/RPC アプリケーション インターフェイスにはインターフェイス バージョン番号も割り当てられます。オプションで、インターフェイス バージョンを指定できます。その際、バージョンが指定値に等しい、等しくない、指定値より小さい、または大きいことを示す演算子を使用します。
TCP セグメンテーションや IP フラグメンテーションに加えて、コネクション型とコネクションレス型の両方の DCE/RPC をフラグメント化することができます。通常、先頭以外の DCE/RPC フラグメントを指定のインターフェイスに関連付けるのはあまり効率的ではありません。このようにすると、多数の誤検出が発生する可能性があります。ただし、柔軟性を維持するために、オプションで、指定されたインターフェイスに照らしてすべてのフラグメントを評価できます。
次の表に、dce_iface キーワードの引数を要約します。
DCE/RPC トラフィック内で検出対象となる特定のサービスのアプリケーション インターフェイスを識別する、ハイフンを含む UUID。指定されたインターフェイスに関連付けられた任意の要求がインターフェイス UUID に一致します。 |
|
オプションで、アプリケーション インターフェイス バージョン番号 0 ~ 65535 と、検出対象のバージョンが指定値より大きい(>)、小さい(<)、等しい(=)、または等しくない(!)を示す演算子。 |
|
オプションで、関連するすべての DCE/RPC フラグメント内のインターフェイスの照合、およびインターフェイス バージョン(指定されている場合)での照合を有効にします。この引数はデフォルトで無効になっています。これは、最初のフラグメントまたはフラグメント化されていないパケット全体が指定のインターフェイスに関連付けられている場合にのみ、キーワードが一致することを意味します。この引数を有効にすると、誤検出が発生する可能性があることに注意してください。 |
dce_opnum キーワードを DCE/RPC プリプロセッサと組み合わせて使用すると、DCE/RPC サービスが提供する 1 つ以上の特定のオペレーションを識別するパケットを検出できます。
クライアント関数呼び出しは、DCE/RPC 仕様で「オペレーション」と呼ばれる特定のサービス関数を要求します。オペレーション番号(opnum)は DCE/RPC ヘッダー内の特定のオペレーションを識別します。エクスプロイトは特定のオペレーションを標的にすることがあります。
たとえば UUID 12345678-1234-abcd-ef00-01234567cffb は、数十種類のオペレーションを提供する netlogon サービスのインターフェイスを識別します。その 1 つがオペレーション 6(NetrServerPasswordSet オペレーション)です。
オペレーション用のサービスを識別するには、dce_opnum キーワードの前に dce_iface キーワードを指定する必要があります。
特定のオペレーションを示す 1 つの 10 進数値(0 ~ 65535 の範囲)、ハイフンで区切られたオペレーション範囲、またはカンマ区切りのオペレーション/範囲リストを任意の順序で指定できます。
次の例は、すべて有効な netlogon オペレーション番号を表しています。
15 15-18 15, 18-20 15, 20-22, 17 15, 18-20, 22, 24-26
dce_stub_data キーワードを DCE/RPC プリプロセッサと組み合わせて使用すると、他のルール オプションとは無関係に、スタブ データの先頭からインスペクションを開始するようルール エンジンに指示できます。dce_stub_data キーワードの後に続くパケット ペイロード ルール オプションは、スタブ データ バッファを基準にして適用されます。
DCE/RPC スタブ データは、クライアント プロシージャ コールと DCE/RPC ランタイム システム(DCE/RPC の中核をなすルーチンとサービスを提供するメカニズム)の間のインターフェイスを提供します。DCE/RPC エクスプロイトは、DCE/RPC パケットのスタブ データ部分で識別されます。スタブ データは特定のオペレーションまたは関数呼び出しに関連付けられているため、必ず dce_stub_data の前に dce_iface と dce_opnum を指定して、関連するサービスとオペレーションを識別してください。
4 つの SIP キーワードを使用すると、SIP セッション トラフィックでエクスプロイトを監視できます。
SIP プロトコルはサービス拒否(DoS)攻撃に対して脆弱であることに注意してください。このような攻撃に対処するルールでは、レート ベースの攻撃防御を活用できます。
sip_header キーワードを使用すると、抽出された SIP 要求または応答ヘッダーの先頭から検査を開始し、検査対象をヘッダー フィールドに限定することができます。
次の例のルール フラグメントは SIP ヘッダーを指し示し、CSeq ヘッダー フィールドに一致します。
alert udp any any -> any 5060 ( sip_header; content:"CSeq"; )
sip_body キーワードを使用すると、抽出された SIP 要求または応答メッセージ本文の先頭から検査を開始し、検査対象をメッセージ本文に限定することができます。
次の例のルール フラグメントは SIP メッセージ本文を指し示し、抽出された SDP データの c(接続情報)フィールド内の特定の IP アドレスに一致します。
alert udp any any -> any 5060 ( sip_body; content:"c=IN 192.168.12.14"; )
ルールが SDP コンテンツの検索だけに限定されないことに注意してください。 SIP プリプロセッサはメッセージ本文全体を抽出し、それをルール エンジンで使用できるようにします。
各 SIP 要求内の method フィールドは要求の目的を識別します。sip_method キーワードを使用すると、SIP 要求の中で特定のメソッドを検査することができます。複数のメソッドはカンマで区切ります。
次に示す現在定義されている SIP メソッドを指定できます。
ack, benotify, bye, cancel, do, info, invite, join, message, notify, options, prack, publish, quath, refer, register, service, sprack, subscribe, unsubscribe, update
メソッドでは大文字と小文字が区別されません。複数のメソッドをカンマで区切ることができます。
今後、新しい SIP メソッドが定義される可能性があるため、カスタム メソッド、つまり現在定義されている SIP メソッド以外のメソッドを指定することもできます。可能なフィールド値は RFC 2616 で定義されています。=、(、} などの制御文字と区切り文字を除いて、すべての文字を使用できます。除外されている区切り文字の完全なリストについては、RFC 2616 を参照してください。指定されたカスタム メソッドがトラフィックで検出されると、システムはパケット ヘッダーを検査しますが、メッセージは検査されません。
システムでは最大 32 個のメソッド(現在定義されている 21 個のメソッドと追加の 11 個のメソッド)がサポートされます。システムは、設定される未定義のメソッドをすべて無視します。合計 32 個のメソッドには、SIP プリプロセッサのオプション [検査するメソッド(Methods to Check)] を使って指定されるメソッドが含まれることに注意してください。
否定を使用する場合は、1 つのメソッドだけを指定できます。次に例を示します。
!invite
ただし、1 つのルール内の複数の sip_method キーワードが AND 演算で結合されることに注意してください。たとえば、invite と cancel を除くすべての抽出されたメソッドを検査するには、次のような 2 つの否定付き sip_method キーワードを使用します。
sip_method: !invite sip_method: !cancel
Cisco では、sip_method キーワードを含むルールに 1 つ以上の content キーワードを含めることを推奨しています。こうすると、ルール エンジンが常に高速パターン マッチ機能を使用することで処理速度が上がり、パフォーマンスが向上します。ルールに 1 つ以上の content キーワードが含まれている場合は、content キーワードの [高速パターン マッチ機能を使用(Use Fast Pattern Matcher)] 引数が有効になっているかどうかに関係なく、ルール エンジンが高速パターン マッチ機能を使用することに注意してください。
各 SIP 応答内の 3 桁のステータス コードは、要求されたアクションの結果を示します。sip_stat_code キーワードを使用すると、SIP 応答の中で特定のステータス コードを検査することができます。
1 桁の応答タイプ番号 1 ~ 9、特定の 3 桁の番号 100 ~ 999、またはこれらを任意に組み合わせたカンマ区切りリストを指定できます。リスト内のいずれか 1 つの番号が SIP 応答内のコードに一致する場合、そのリストが一致します。
次の表に、指定可能な SIP ステータス コード値の説明を示します。
また、ルールに content キーワードが含まれているかどうかに関係なく、sip_stat_code キーワードを使って指定された値を検索するためにルール エンジンが高速パターン マッチ機能を使用しないことにも注意してください。
3 つの GSRP トンネリング プロトコル(GTP)キーワードを使用すると、GTP バージョン、メッセージ タイプ、および情報要素をコマンド チャネル内で検査できます。content や byte_jump などの他の侵入ルール キーワードと組み合わせて GTP キーワードを使用することはできません。gtp_info または gtp_type キーワードを使用するそれぞれのルールで、gtp_version キーワードを使用する必要があります。
gtp_version キーワードを使用すると、GTP 制御メッセージの中で GTP バージョン 0、1、または 2 を検査することができます。
定義されているメッセージ タイプと情報要素は GTP バージョンによって異なるため、gtp_type または gtp_info キーワードを使用するときには、gtp_version を使用する必要があります。値として 0、1、または 2 を指定できます。
それぞれの GTP メッセージは、数値と文字列で構成されるメッセージ タイプによって識別されます。gtp_type キーワードを使用すると、特定の GTP メッセージ タイプのトラフィックを検査できます。定義されているメッセージ タイプと情報要素は GTP バージョンによって異なるため、gtp_type または gtp_info キーワードを使用するときには、gtp_version も使用する必要があります。
次の例に示すように、メッセージ タイプとして定義済みの 10 進数値、定義済み文字列、あるいはどちらか(または両方)を任意に組み合わたカンマ区切りリストを指定できます。
10, 11, echo_request
リスト内のそれぞれの値または文字列を照合するとき、システムは OR 演算を使用します。値と文字列を列挙する順序は重要ではありません。 リスト内のいずれか 1 つの値または文字列の一致により、キーワードが一致します。認識されない文字列または範囲外の値を含むルールを保存しようとすると、エラーが発生します。
表に示されているように、GTP バージョンに応じて、同じメッセージ タイプの値が異なる場合があることに注意してください。たとえば sgsn_context_request メッセージ タイプの値は GTPv0 と GTPv1 では 50 ですが、GTPv2 では 130 です。
パケット内のバージョン番号に応じて、gtp_type キーワードは異なる値と一致します。上記の例の場合、GTPv0 または GTPv1 パケットではキーワードがメッセージ タイプ値 50 と一致しますが、GTPv2 パケットでは値 130 と一致します。パケット内のメッセージ タイプ値が、パケットで指定されたバージョンの既知の値でない場合は、キーワードがパケットと一致しません。
メッセージ タイプに整数を指定した場合、パケット内で指定されたバージョンとは無関係に、キーワード内のメッセージ タイプが GTP パケット内の値と一致すればキーワードが一致します。
次の表に、GTP メッセージ タイプごとにシステムで認識される定義済みの値と文字列を示します。
1 つの GTP メッセージには多数の情報要素が含まれることがあり、それぞれの要素は定義済み数値および定義済み文字列によって識別されます。gtp_info キーワードを使用すると、指定された情報要素の先頭から検査を開始し、検査対象を指定の情報要素に限定することができます。定義されているメッセージ タイプと情報要素は GTP バージョンによって異なるため、このキーワードを使用するときには、gtp_version も使用する必要があります。
情報要素に対して定義された 10 進数値と定義された文字列のどちらでも指定できます。単一の値または文字列を指定することも、1 つのルール内で複数の gtp_info キーワードを使って複数の情報要素を検査することもできます。
1 つのメッセージに同じタイプの複数の情報要素が含まれている場合は、すべてが照合対象として検査されます。情報要素が無効な順序で出現する場合は、最後のインスタンスだけが検査されます。
GTP バージョンに応じて、同じ情報要素の値が異なる場合があることに注意してください。たとえば cause 情報要素の値は GTPv0 と GTPv1 では 1 ですが、GTPv2 では 2 です。
パケット内のバージョン番号に応じて、gtp_info キーワードは異なる値と一致します。上記の例の場合、GTPv0 または GTPv1 パケットではキーワードが情報要素値 1 と一致しますが、GTPv2 パケットでは値 2 と一致します。パケット内の情報要素値が、パケットで指定されたバージョンの既知の値でない場合は、キーワードがパケットと一致しません。
情報要素に整数を指定した場合、パケット内で指定されたバージョンとは無関係に、キーワード内のメッセージ タイプが GTP パケット内の値と一致すればキーワードが一致します。
次の表に、GTP 情報要素ごとにシステムで認識される値と文字列を示します。
Modbus キーワードを単独で使用することも、content や byte_jump など他のキーワードと組み合わせて使用することもできます。
modbus_data キーワードを使用すると、Modbus 要求または応答内の [Data] フィールドの先頭を指し示すことができます。
modbus_func キーワードを使用すると、Modbus アプリケーション層要求または応答見出し内の [Function Code(機能コード)] フィールドを照合できます。Modbus 機能コードとして、1 つの定義済み 10 進数値または 1 つの定義済み文字列を指定できます。
次の表に、Modbus 機能コードとしてシステムで認識される定義済みの値と文字列を示します。
modbus_unit キーワードを使用すると、Modbus 要求または応答ヘッダー内の [Unit ID] フィールドで 1 つの 10 進数値を照合できます。
DNP3 キーワードを単独で使用することも、content や byte_jump など他のキーワードと組み合わせて使用することもできます。
dnp3_data キーワードを使用すると、再構築された DNP3 アプリケーション層フラグメントの先頭を指し示すことができます。
DNP3 プリプロセッサは、リンク層フレームをアプリケーション層フラグメントに再構築します。dnp3_data キーワードは、各アプリケーション層フラグメントの先頭を指し示します。他のルール オプションは、16 バイトごとにデータを分離してチェックサムを追加せずに、フラグメント内の再構築されたデータを照合することができます。
dnp3_func キーワードを使用すると、DNP3 アプリケーション層要求または応答ヘッダー内の [機能コード(Function Code)] フィールドを照合できます。DNP3 機能コードとして、1 つの定義済み 10 進数値または 1 つの定義済み文字列を指定できます。
次の表に、DNP3 機能コードとしてシステムで認識される定義済みの値と文字列を示します。
dnp3_ind キーワードを使用すると、DNP3 アプリケーション層応答ヘッダー内の [Internal Indications] フィールド内のフラグを照合できます。
1 つの既知のフラグ、または次の例のようなカンマ区切りのフラグ リストを示す文字列を指定できます。
class_1_events, class_2_events
複数のフラグを指定した場合、キーワードはリスト内の任意のフラグと一致します。いくつかのフラグの組み合わせを検出するには、1 つのルール内で dnp3_ind キーワードを複数回使用します。
定義済みの DNP3 内部通知フラグとしてシステムによって認識される文字列構文を以下に示します。
class_1_events class_2_events class_3_events need_time local_control device_trouble device_restart no_func_code_support object_unknown parameter_error event_buffer_overflow already_executing config_corrupt reserved_2 reserved_1
dnp3_obj キーワードを使用すると、要求または応答内の DNP3 オブジェクト ヘッダーを照合できます。
DNP3 データは、アナログ入力やバイナリ入力など、さまざまなタイプの一連の DNP3 オブジェクトで構成されます。各タイプは、それぞれ 10 進数値で識別されるグループを使って区別されます(アナログ入力グループ、バイナリ入力グループなど)。各グループ内のオブジェクトは、それぞれオブジェクト データ形式を指定するオブジェクト バリエーションによってさらに区別されます(16 ビット整数、32 ビット整数、短精度浮動小数点など)。また、オブジェクト バリエーションの各タイプは 10 進数値でも識別可能です。
オブジェクト ヘッダーを識別する際には、オブジェクト ヘッダー グループのタイプを示す 10 進数値とオブジェクト バリエーションのタイプを示す 10 進数値を指定します。この 2 つの組み合わせによって DNP3 オブジェクトの特定のタイプが定義されます。
dsize キーワードはパケット ペイロード サイズを検査します。「大なり」演算子と「小なり」演算子(<、>)を使って値の範囲を指定することができます。次の構文をに従って範囲を指定できます。
>number_of_bytes <number_of_bytes number_of_bytes<>number_of_bytes
たとえば、400 バイトを超えるパケット サイズを指定するには、dtype 値として >400 を使用します。500 バイト未満のパケット サイズを指定するには、<500 を使用します。400 ~ 500 バイトのパケットに対してルールをトリガーとして使用するよう指定するには、400<>500 を使用します。
注意 | dsize キーワードは、プリプロセッサによってデコードされる前のパケットを検査します。 |
isdataat キーワードは、ペイロード内の特定の位置にデータが存在することを確認するよう、ルール エンジンに指示します。
次の表に、isdataat キーワードで使用可能な引数を列挙します。
ペイロード内の特定の位置。たとえば、パケット ペイロード内のバイト位置 50 にデータが出現することを検査するには、オフセット値として 50 を指定します。! 修飾子は isdataat 検査の結果を否定します。特定量のデータがペイロードに存在しない場合は警告が出されます。 |
||
最後に見つかったコンテンツ一致を基準にして相対的な位置を計算します。相対位置を指定する場合は、カウンタがバイト 0 から始まることに注意してください。最後に見つかったコンテンツ一致から順方向に移動するバイト数から 1 を差し引いて位置を計算します。たとえば、最後に見つかったコンテンツ一致から 9 バイト後にデータが出現すべきことを指定するには、相対オフセットとして 8 を指定します。 |
||
Firepower システム プリプロセッサによるデコードやアプリケーション層の正規化が行われる前の、元のパケット ペイロードにデータが配置されていることを指定します。前のコンテンツ一致が未加工パケット データ内に存在していた場合は、この引数を Relative と一緒に使用できます。 |
sameip キーワードは、パケットの送信元 IP アドレスと宛先 IP アドレスが同じであることを検査します。このキーワードは引数を受け入れません。
fragoffset キーワードは、フラグメント化されたパケットのオフセットを検査します。一部の exploit(WinNuke サービス拒否攻撃など)では、特定のオフセットを持つ手動生成されたパケット フラグメントが使われるため、このキーワードが役立ちます。
たとえば、フラグメント化されたパケットのオフセットが 31337 バイトかどうかを検査するには、fragoffset 値として 31337 を指定します。
fragoffset キーワードの引数を指定するときには、次の演算子を使用できます。
cvs キーワードは、Concurrent Versions System(CVS)トラフィック内で不正な形式の CVS エントリを検査します。攻撃者は不正な形式のエントリを使用して、ヒープ オーバーフローを強制的に発生させ、CVS サーバ上で有害コードを実行することができます。このキーワードを使用すると、2 つの既知の CVS 脆弱性 CVE-2004-0396(CVS 1.11.x ~ 1.11.15 と 1.12.x ~ 1.12.7)および CVS-2004-0414(CVS 1.12.x ~ 1.12.8 と 1.11.x ~ 1.11.16)に対する攻撃を識別できます。cvs キーワードは、正しい形式のエントリであることを検査して、不正な形式のエントリが検出された場合はアラートを生成します。
CVS が動作するポートをルールに含める必要があります。さらに、トラフィックが発生する可能性のあるポートを TCP ポリシー内のストリーム再構築用のポート リストに追加することで、CVS セッションの状態を保持できるようにする必要があります。ストリーム再構築が行われるクライアント ポートのリストには、TCP ポート 2401(pserver)と 514(rsh)が含まれています。ただし、サーバが xinetd サーバ(つまり pserver)として動作する場合は、任意の TCP ポート上で動作できることに注意してください。すべての非標準ポートを、ストリーム再構築の [クライアント ポート(Client Ports)] リストに追加します。
システムは、トリガーとして使用された TCP ルールに応答して TCP 接続を閉じるために、またはトリガーとして使用された UDP ルールに応答して UDP セッションを閉じるために、アクティブ応答を開始できます。2 つのキーワードにより、別々の方法でアクティブ応答を開始できます。どちらかのキーワードを含むルールをパケットがトリガーとして使用すると、システムは 1 つのアクティブ応答を開始します。config response コマンドを使用して、アクティブ応答インターフェイスおよびパッシブ展開で試行する TCP リセットの回数を設定することもできます。
リセットは接続やセッションに影響を与えるのに間に合うまでに到着する可能性が高いため、アクティブ応答はインライン展開で最も効果を発揮します。たとえば、インライン展開での react キーワードに応答して、システムは接続の両端用のトラフィックに TCP リセット(RST)パケットを直接挿入し、通常はこれによって接続が閉じます。
(パッシブ展開ではシステムがパケットを挿入できない、攻撃者がアクティブ応答を無視または回避するよう選択する可能性があるなど)さまざまな理由で、アクティブ応答はファイアウォールの代わりとして想定されていません。
アクティブ応答は戻って来ることがあるため、システムは TCP リセットによる TCP リセットの開始を許可しません。これにより、アクティブ応答が無限に続くことを防止できます。また、システムは、標準的な慣行に従って ICMP 到達不能パケットによる ICMP 到達不能パケットの開始を許可しません。
侵入ルールがアクティブ応答をトリガーとして使用した後、接続またはセッションで追加のトラフィックを検出するよう、TCP ストリーム プリプロセッサを設定できます。追加のトラフィックが検出されると、プリプロセッサは、指定された最大値まで、追加のアクティブ応答を接続またはセッションの両端に送信します。
resp キーワードを使用すると、ルール ヘッダーで TCP プロトコルと UDP プロトコルのどちらが指定されているかに基づいて、TCP 接続または UDP セッションにアクティブに(能動的に)応答できます。
キーワード引数を使用すると、パケットの方向、および TCP リセット(RST)パケットと ICMP 到達不能パケットのどちらをアクティブ応答として使用するかを指定できます。
任意の TCP リセット引数または ICMP 到達不能引数を使用して、TCP 接続を閉じることができます。UDP セッションを閉じるには、ICMP 到達不能引数だけを使用する必要があります。
また、さまざまな TCP リセット引数を使用することで、パケットの送信元、宛先、またはその両方にアクティブ応答を送ることができます。すべての ICMP 到達不能引数はパケット送信元に送られます。ICMP ネットワーク、ホスト、またはポートのどの到達不能パケットを使用するか(または 3 つすべてを使用するか)を指定できます。
ルールがトリガーとして使用されたときに Firepower システムで実行されるアクションを正確に指定するために、resp キーワードで使用できる引数を次の表に列挙します。
ルールをトリガーとして使用したパケットを送信元エンドポイントに TCP リセット パケットを送ります。この代わりに、下位互換性のためにサポートされている rst_snd を指定することもできます。 |
|
ルールをトリガーとして使用したパケットの宛先であるエンドポイントに TCP リセット パケットを送ります。この代わりに、下位互換性のためにサポートされている rst_rcv を指定することもできます。 |
|
送信側エンドポイントと受信側エンドポイントの両方に TCP リセット パケットを送ります。この代わりに、下位互換性のためにサポートされている rst_all を指定することもできます。 |
|
たとえば、ルールがトリガーとして使用されたときに接続の両側をリセットするようルールを設定するには、resp キーワードの値として reset_both を使用します。
次のように、カンマ区切りのリストを使用して複数の引数を指定できます。
argument,argument,argument
config response コマンドを使用すると、使用するアクティブ応答インターフェイス、およびパッシブ展開で試行する TCP リセットの回数を設定することができます。
react キーワードを使用すると、パケットがルールをトリガーとして使用した時点でデフォルト HTML ページを TCP 接続クライアントに送信できます。HTML ページの送信後に、システムは TCP リセット パケットを使って接続の両端へのアクティブ応答を開始します。react キーワードは UDP トラフィックのアクティブ応答をトリガーとして使用しません。
msg
msg 引数を使用する react ルールがパケットによってトリガーとして使用されると、HTML ページにルール イベント メッセージが表示されます。
msg 引数を指定しない場合、HTML ページには次のメッセージが含まれます。
You are attempting to access a forbidden site. Consult your system administrator for details.
(注) | アクティブ応答は戻されることがあるため、HTML 応答ページによって react ルールがトリガーとして使用されないようにしてください(結果としてアクティブ応答が無限に続く可能性があります)。Cisco では、react ルールを十分にテストしてから実稼動環境でアクティブにするよう推奨しています。 |
config response コマンドを使用すると、使用するアクティブ応答インターフェイス、およびパッシブ展開で試行する TCP リセットの回数を設定することができます。
config response コマンドを使用すると、resp ルールと react ルールによって開始される TCP リセットの動作を詳細に設定できます。また、このコマンドは、廃棄ルールによって開始されるアクティブ応答の動作にも影響を与えます。
config response コマンドを使用するには、高度な USER_CONF 変数内の別個の 1 行にこれを挿入します。
次のように、USER_CONF 拡張変数の別の行に config response コマンドの形式を挿入します。
アクティブ応答の試行回数とアクティブ応答インターフェイスの両方を指定するには、次のコマンドを挿入します。
注意 | 機能の説明またはサポート担当の指示に従う場合を除き、侵入ポリシー機能を設定するために高度な USER_CONF 変数を使用しないでください。競合または重複する設定が存在すると、システムが停止します。 |
detection_filter キーワードを使用すると、指定された時間内に指定された数のパケットがルールをトリガーとして使用しない限り、ルールでイベントが生成されないようにすることができます。これにより、早すぎるタイミングでルールがイベントを生成することを回避できます。たとえば、数秒間にログイン試行が 2 ~ 3 回失敗することは想定の範囲内ですが、同じ時間内に多数の試行が発生した場合はブルートフォース アタックを示唆している可能性があります。
detection_filter キーワードの必須の引数は、送信元/宛先のどちらの IP アドレスをシステムで追跡するか、イベントをトリガーする前に検出基準が満たされるべき回数、およびカウントの継続時間を定義します。
track by_src/by_dst, count count, seconds number_of_seconds
track 引数は、ルールの検出基準を満たすパケット数をカウントするときに、パケットの送信元 IP アドレスと宛先 IP アドレスのどちらを使用するかを指定します。システムでイベント インスタンスを追跡する方法を指定するには、次の表の中から引数値を選択します。
count 引数は、ルールでイベントを生成する前に、指定された時間内に指定された IP アドレスのルールをトリガーすべきパケットの数を指定します。
seconds 引数は、ルールでイベントを生成する前に、指定された数のパケットがルールをトリガーすべき時間枠を秒数で指定します。
パケット内でコンテンツ foo を検索するルールが、次の引数を含む detection_filter キーワードを使用するとします。
track by_src, count 10, seconds 20
この例のルールは、特定の送信元 IP アドレスから 20 秒以内に 10 個のパケットで foo を検出するまでは、イベントを生成しません。システムが最初の 20 秒以内に foo を含むパケットを 7 つしか検出しなかった場合は、イベントが生成されません。 しかし、最初の 20 秒間で foo が 40 回出現した場合は、ルールで 30 個のイベントが生成され、20 秒が経過するとカウントが再開されます。
detection_filter キーワードは、非推奨の threshold キーワードに代わるものです。threshold キーワードは、下位互換性を維持するために引き続きサポートされていますが、侵入ポリシー内で設定されるしきい値と同じ機能です。
detection_filter キーワードは、パケットがルールをトリガーとして使用する前に適用される検出機能です。ルールは、指定されたパケット カウントの前に検出されたトリガー パケットに関してイベントを生成しません。また、インライン展開では、パケットを破棄するようルールで設定されていても、そのようなパケットを破棄しません。逆に、指定されたパケット カウントの後に出現する、ルールをトリガーとして使用するパケットに関してルールはイベントを生成します。また、インライン展開でパケットを破棄するよう設定されている場合は、そのようなパケットを破棄します。
しきい値は、検出アクションを発生させないイベント通知機能です。これは、パケットがイベントをトリガーとして使用した後に適用されます。インライン展開において、パケットを破棄するよう設定されたルールは、ルールしきい値とは無関係に、ルールをトリガーとして使用するすべてのパケットを破棄します。
侵入ポリシー内で detection_filter キーワードを侵入イベントしきい値、侵入イベント抑制、および Rate-Based 攻撃防御機能と任意に組み合わせて使用できることに注意してください。また、侵入ポリシー内の侵入イベントしきい値機能と組み合わせて非推奨の threshold キーワードを使用するインポートされたローカル ルールを有効にした場合、ポリシー検証が失敗することに注意してください。
ホストまたはセッションに関する追加のトラフィックをログに記録するようシステムに指示するには、tag キーワードを使用します。tag キーワードを使って検出するトラフィックのタイプと量を指定するときには、次の構文を使用します。
tagging_type, count, metric, optional_direction
次の 3 つの表に、その他の使用可能な引数について説明します。
2 つのタイプのタグ機能から選択できます。次の表に、これらのタグ機能の説明を示します。侵入ルールでルール ヘッダー オプションのみを設定した場合、session タグ引数タイプによって、同じセッションからのパケットが別のセッションからのパケットのように記録されることに注意してください。同じセッションからのパケットをまとめてグループ化するには、同じ侵入ルール内で 1 つ以上のルール オプション(flag キーワードや content キーワードなど)を設定します。
ルールをトリガーとして使用したパケットを送信したホストからのパケットをログに記録します。ホストからのトラフィックのみ(src)、またはホストへのトラフィックのみ(dst)を記録する方向修飾子を追加できます。 |
ログに記録するトラフィック量を指定するには、次の引数を使用します。
次の表の中から、トラフィックの時間または量ごとにログで使用する測定基準を選択してください。
注意 | 高帯域ネットワークでは、1 秒あたり数千パケットが発生する可能性があり、多数のパケットにタグを付けるとパフォーマンスに重大な影響が及ぶ可能性があるため、必ずネットワーク環境に合わせてこの設定を調整してください。 |
たとえば、次の tag キーワード値を使用するルールがトリガーとして使用された場合、
host, 30, seconds, dst
状態名をセッションに割り当てるには、flowbits キーワードを使用します。すでに名前が付けられた状態に基づいてセッション内の後続パケットを分析することにより、システムは単一セッション内で複数のパケットに及ぶエクスプロイトを検出して警告を出すことができます。
flowbits 状態名は、セッションの特定部分でパケットに割り当てられるユーザ定義のラベルです。パケットの内容に基づいてパケットに状態名を付けると、警告の必要のないパケットと有害なパケットを区別しやすくなります。管理対象デバイスごとに最大 1024 個の状態名を定義できます。たとえば、ログイン成功後にのみ発生することがわかっている有害パケットについて警告するには、flowbits キーワードを使用して、初期ログイン試行を構成するパケットを除去することにより、有害パケットに焦点を絞ることができます。このような機能を実装するには、まず、セッション内のすべてのログイン確立済みパケットにlogged_in 状態のラベルを付けるルールを作成した後、2 番目のルールを作成し、最初のルールで設定された状態を持つパケットを検査してそのようなパケットだけを処理する flowbits をそのルールに含めます。
オプションの group name を使用すると、状態のグループに状態名を含めることができます。1 つの状態名は複数のグループに属することができます。グループに関連付けられていない状態は相互排他的ではないため、トリガーとして使用されたルールがグループに関連付けられていない状態を設定した場合、現在設定されている他の状態には影響がありません。
次の表に、flowbits キーワードで使用できる演算子、状態、およびグループのさまざまな組み合わせについて説明します。なお、状態名には、英数字、ピリオド(.)、アンダースコア(_)、およびダッシュ(-)を含めることができます。
set |
state_name |
||
set |
state_name&state_name |
||
setx |
state_name |
||
setx |
state_name&state_name |
||
unset |
state_name |
||
unset |
state_name&state_name |
||
unset |
all |
||
toggle |
state_name |
||
toggle |
state_name&state_name |
指定された複数の状態が設定されている場合はそれらを解除し、指定された複数の状態が解除されている場合はそれらを設定します。 |
|
toggle |
all |
指定されたグループ内で設定されているすべての状態を解除し、指定されたグループ内で解除されているすべての状態を設定します。 |
|
isset |
state_name |
||
isset |
state_name&state_name |
||
isset |
state_name|state_name |
||
isset |
any |
||
isset |
all |
||
isnotset |
state_name |
||
isnotset |
state_name&state_name |
||
isnotset |
state_name|state_name |
||
isnotset |
any |
||
isnotset |
all |
||
reset |
|||
noalert |
flowbits キーワードを使用するときには、次の点に注意してください。
setx 演算子を使用してグループを指定する場合、そのグループに対して set、toggle、unset 演算子を使用することはできません。
isset 演算子と isnotset 演算子は、指定された状態がグループに含まれるかどうかに関係なく、その状態を評価します。
侵入ポリシーの保存時、侵入ポリシーの再適用時、および(アクセス コントロール ポリシーで参照される侵入ポリシー数に関係なく)アクセス コントロール ポリシーの適用時には、グループ指定のない isset または isnotset 演算子を含むルールを有効にした場合、対応する状態名とプロトコルに関する flowbits 割り当て(set、setx、unset、toggle)に影響する 1 つ以上のルールを有効にしないと、対応する状態名の flowbits 割り当てに影響するすべてのルールが有効になります。
侵入ポリシーの保存時、侵入ポリシーの再適用時、および(アクセス コントロール ポリシーで参照される侵入ポリシー数に関係なく)アクセス コントロール ポリシーの適用時には、グループを指定した isset 演算子または isnotset 演算子を含むルールを有効にした場合、flowbits 割り当て(set、setx、unset、toggle)に影響し、対応するグループ名を定義するすべてのルールもまた有効になります。
これは、state_name を使用した flowbits 設定の例です。
Bugtraq ID #1110 に記述されている IMAP 脆弱性について考えてみます。この脆弱性は、IMAP の実装(具体的には LIST、LSUB、RENAME、FIND、および COPY コマンド)で見られます。ただし、攻撃者がこの脆弱性を悪用するには、IMAP サーバにログインする必要があります。IMAP サーバからの LOGIN 確認とそれに続く exploit は必然的に別々のパケットに存在するため、この exploit を検出する非フロー ベースのルールを作成するのは困難です。flowbits キーワードを使って一連のルールを作成すると、ユーザが IMAP サーバにログイン済みかどうかを追跡し、ログイン済みの場合は、いずれかの攻撃が検出された時点でイベントを生成することができます。ユーザがログイン済みでない場合、攻撃によって脆弱性が悪用されることはないため、イベントが生成されません。
下記の 2 つのルール フラグメントはこの例を示しています。最初のルール フラグメントは IMAP サーバからの IMAP ログイン確認を検索します。
alert tcp any 143 -> any any (msg:"IMAP login"; content:"OK LOGIN"; flowbits:set,logged_in; flowbits:noalert;)
次の図は、上記のルール フラグメントにおける flowbits キーワードの効果を示しています。
flowbits:set は logged_in 状態を設定しますが、flowbits:noalert がアラートを抑制することに注意してください。これは、IMAP サーバ上で多数の無害なログイン セッションが見つかる可能性があるためです。
次のルール フラグメントは LIST 文字列を検索しますが、セッション内の先行パケットの結果として logged_in 状態が設定済みでない限り、イベントを生成しません。
alert tcp any any -> any 143 (msg:"IMAP LIST"; content:"LIST"; flowbits:isset,logged_in;)
次の図は、上記のルール フラグメントにおける flowbits キーワードの効果を示しています。
この場合、最初のフラグメントを含むルールが先行パケットによってトリガーとして使用した場合、2 番目のフラグメントを含むルールがトリガーとして使用し、イベントを生成します。
後続パケット内コンテンツが、効力を失った状態を持つルールに一致することによって誤検出イベントが発生する可能性があります。複数のルールで設定された複数の状態名をグループに含めることでこれを回避できます。次の例は、複数の状態名をグループに含めない場合に誤検出が発生する可能性があることを示しています。
1 つのセッションで次の 3 つのルール フラグメントがこの順序でトリガーとして使用される場合を考えてみます。
(msg:"JPEG transfer"; content:"image/";pcre:"/^Content-?Type\x3a(\s*|\s*\r?\n\s+)image\x2fp?jpe?g/smi"; ?flowbits:set,http.jpeg; flowbits:noalert;)
次の図は、上記のルール フラグメントにおける flowbits キーワードの効果を示しています。
最初のルール フラグメント内の content キーワードと pcre キーワードが JPEG ファイル ダウンロードに一致し、flowbits:set,http.jpeg が http.jpeg flowbits ステートを設定し、flowbits:noalert はルールでのイベント生成を抑制します。イベントが生成されない理由は、このルールの目的がファイル ダウンロードを検出して flowbits 状態を設定することだからです。これにより、1 つ以上のコンパニオン ルールで状態名を検査して有害コンテンツを探し、有害コンテンツが検出された時点でイベントを生成できます。
次のルール フラグメントは、上記の JPEG ファイル ダウンロードに続く GIF ファイル ダウンロードを検出します。
(msg:"GIF transfer"; content:"image/"; pcre:"/^Content-?Type\x3a(\s*|\s*\r?\n\s+)image\x2fgif/smi"; ?flowbits:set,http.jpg,image_downloads; flowbits:noalert;)
次の図は、上記のルール フラグメントにおける flowbits キーワードの効果を示しています。
2 番目のルール内の content キーワードと pcre キーワードは GIF ファイル ダウンロードを照合し、flowbits:set,http.jpg は http.jpg flowbit ステートを設定し、flowbits:noalert はルールでのイベント生成を抑制します。最初のルール フラグメントで設定された http.jpeg 状態が不要になっても引き続き設定されていることに注意してください。これは、後続の GIF ダウンロードが検出されたときに JPEG ダウンロードが既に終了しているはずであるためです。
次に示す 3 番目のルール フラグメントは最初のルール フラグメントのコンパニオンです。
(msg:"JPEG exploit";?flowbits:isset,http.jpeg;content:"|FF|"; pcre:"?/\xFF[\xE1\xE2\xED\xFE]\x00[\x00\x01]/";)
次の図は、上記のルール フラグメントにおける flowbits キーワードの効果を示しています。
3 番目のルール フラグメントでは、もはや無意味になった http.jpeg ステートが設定されていることを flowbits:isset,http.jpeg が判別し、content と pcre は(GIF ファイルでは無害でも)JPEG ファイル内では有害とみなされるコンテンツを照合します。3 番目のルール フラグメントによって、JPEG ファイル内に存在しないエクスプロイトに関する誤検出イベントが生成されます。
次の例は、状態名をグループに含めて setx 演算子を使用することで、どのように誤検出を防止できるかを示しています。
前の例とほぼ同じケースを考えます。ただし、最初の 2 つのルールで、同じ状態グループに 2 つの異なる状態名が含まれるようになった点が異なります。
(msg:"JPEG transfer"; content:"image/";pcre:"/^Content-?Type\x3a(\s*|\s*\r?\n\s+)image\x2fp?jpe?g/smi"; ?flowbits:setx,http.jpeg,image_downloads; flowbits:noalert;)
次の図は、上記のルール フラグメントにおける flowbits キーワードの効果を示しています。
最初のルール フラグメントが JPEG ファイル ダウンロードを検出すると、flowbits:setx,http.jpeg,image_downloads キーワードが flowbits 状態を http.jpeg に設定し、その状態を image_downloads グループに含めます。
その後、次のルールが後続の GIF ファイル ダウンロードを検出します。
(msg:"GIF transfer"; content:"image/"; pcre:"/^Content-?Type\x3a(\s*|\s*\r?\n\s+)image\x2fgif/smi"; ?flowbits:setx,http.jpg,image_downloads; flowbits:noalert;)
次の図は、上記のルール フラグメントにおける flowbits キーワードの効果を示しています。
2 番目のルール フラグメントが GIF ダウンロードに一致すると、flowbits:setx,http.jpg,image_downloads キーワードが http.jpg flowbits ステートを設定し、グループ内の他のステートである http.jpeg を解除します。
次に示す 3 番目のルール フラグメントで誤検出は発生しません。
(msg:"JPEG exploit"; ?flowbits:isset,http.jpeg;content:"|FF|"; pcre:"/?\xFF[\xE1\xE2\xED\xFE]\x00[\x00\x01]/";)
次の図は、上記のルール フラグメントにおける flowbits キーワードの効果を示しています。
flowbits:isset,http.jpeg が false であるため、ルール エンジンはルールの処理を停止し、イベントは生成されません。こうして、GIF ファイル内のコンテンツが JPEG ファイルに関するエクスプロイト コンテンツと一致した場合でも誤検出が回避されます。
http_encode キーワードを使用すると、HTTP URI、HTTP ヘッダー内の非 cookie データ、HTTP 要求ヘッダー内の cookie、HTTP 応答内の set-cookie データのいずれかにおいて、正規化前の HTTP 要求または応答内のエンコード タイプに基づいてイベントを生成できます。
HTTP 応答と HTTP cookie を検査し、http_encode キーワードを使用しているルールに一致したものを返すように、HTTP Inspect プリプロセッサを設定する必要があります。
また、侵入ルール内の http_encode キーワードで特定のエンコード タイプによってイベントがトリガーとして使用されるようにするには、HTTP Inspect プリプロセッサ設定で個々の特定のエンコード タイプのデコード オプションとアラート オプションの両方を有効にする必要があります。
次の表は、このオプションでイベントを生成できる、HTTP URI、ヘッダー、cookie、set-cookie のエンコード タイプを説明しています。
HTTP Inspect プリプロセッサによるデコードで UTF-8 エンコード タイプが有効になっている場合、指定された場所で UTF-8 エンコードを検出します。 |
|
HTTP Inspect プリプロセッサによるデコードで二重エンコード タイプが有効になっている場合、指定された場所で二重エンコードを検出します。 |
|
非 ASCII 文字が検出されても、検出されたエンコード タイプが有効になっていない場合に、指定された場所で非 ASCII 文字を検出します。 |
|
HTTP Inspect プリプロセッサによるデコードで Microsoft %u エンコード タイプが有効になっている場合、指定された場所で Microsoft %u エンコードを検出します。 |
|
HTTP Inspect プリプロセッサによるデコードで空白バイト エンコード タイプが有効になっている場合、指定された場所で空白バイト エンコードを検出します。 |
HTTP URI、ヘッダー、または set-cookie などの Cookie で指定されたエンコーディング タイプを検索するかどうかを指定します。
次のいずれかの形式を使用して、1 つ以上のエンコード タイプを指定します。
encode_type encode_type|encode_type|encode_type...
utf8 double_encode non_ascii uencode bare_byte.
次に、同じルールで 2 つの http_encode キーワードを使用して、UTF-8 および Microsoft IIS %u エンコーディングの HTTP URI を検索する例を示します。
file_type と file_group キーワードを使用すると、タイプとバージョンに基づいて、FTP、HTTP、SMTP、IMAP、POP3、NetBIOS-ssn(SMB)を介して伝送されるファイルを検出できます。1 つの侵入ルール内で複数の file_type キーワードや file_group キーワードを使用しないでください。
ヒント | 脆弱性データベース(VDB)を更新すると、最新のファイル タイプ、バージョン、グループが侵入ルール エディタに表示されます。 |
(注) | システムは、file_type および file_group キーワードに値を代入するためにプリプロセッサを自動的に有効にすることはしません。 |
file_type または file_group キーワードに一致するトラフィックに対して イベントを生成し、インライン展開では、違反パケットをドロップします。 するには、特定のプリプロセッサを有効にする必要があります。
FTP/Telnet プリプロセッサおよび [TCP ペイロードの正規化(Normalize TCP Payload)] インライン正規化プリプロセッサ オプション |
|
DCE/RPC プリプロセッサおよび [SMB ファイル インスペクション(SMB File Inspection)] DCE/RPC プリプロセッサ オプション |
file_type キーワードを使用すると、トラフィック内で検出対象となるファイルのタイプとバージョンを指定できます。ファイル タイプ引数(JPEG や PDF など)は、トラフィックで検出するファイルの形式を識別します。
(注) | 同じ侵入ルール内で file_type キーワードを別の file_type キーワードまたは file_group キーワードと一緒に使用しないでください。 |
デフォルトでは [任意のバージョン(Any Version)] が選択されますが、一部のファイル タイプではバージョン オプション(たとえば PDF バージョン 1.7)を選択することにより、トラフィックで検出対象となる特定のファイル タイプ バージョンを識別できます。
file_group キーワードを使用すると、トラフィック内で検出する類似のファイル タイプからなる Cisco 定義のグループを選択できます(マルチメディア、オーディオなど)。また、ファイル グループには、グループ内の各ファイル タイプに関する Cisco 定義のバージョンも含まれています。
(注) | 同じ侵入ルール内で file_group キーワードを別の file_group キーワードまたは file_type キーワードと一緒に使用しないでください。 |
file_data キーワードは、content、byte_jump、byte_test、pcre などの他のキーワードで使用可能な位置引数の参照として機能するポインタです。file_data キーワードが指し示すデータのタイプは、検出されるトラフィックによって決まります。file_data キーワードを使用すると、次のペイロード タイプの先頭を指し示すことができます。
HTTP 応答パケットを検査するには、HTTP Inspect プリプロセッサを有効にして、HTTP 応答を検査するようプリプロセッサを設定する必要があります。HTTP Inspect プリプロセッサが HTTP 応答本文データを検出した場合に、file_data キーワードが一致します。
HTTP 応答本文内の非圧縮 gzip ファイルを検査するには、HTTP Inspect プリプロセッサを有効にする必要があり、さらに HTTP 応答を検査して HTTP 応答本文内の gzip 圧縮ファイルを復元するようプリプロセッサを設定する必要があります。詳細については、サーバレベルの HTTP 正規化オプション [HTTP 応答の検査(Inspect HTTP Responses)] および [圧縮データの検査(Inspect Compressed Data)] を参照してください。file_data キーワードは、HTTP Inspect プリプロセッサが HTTP 応答本文内で非圧縮 gzip データを検出した場合に一致します。
正規化された JavaScript データを検査するには、HTTP Inspect プリプロセッサを有効にして、HTTP 応答を検査するようプリプロセッサを設定する必要があります。file_data キーワードは、HTTP Inspect プリプロセッサが応答本文データ内で JavaScript を検出した場合に一致します。
SMTP、POP、または IMAP トラフィック内のエンコードされた電子メール添付ファイル
SMTP、POP、または IMAP トラフィック内の電子メール添付ファイルを検査するには、それぞれ SMTP、POP、または IMAP プリプロセッサを単独で、または任意に組み合わせて有効にする必要があります。その後、有効にしたプリプロセッサごとに、デコード対象のそれぞれの添付ファイル エンコード タイプをデコードするようプリプロセッサが設定されていることを確認する必要があります。プリプロセッサごとに設定可能な添付ファイル デコード オプションは、[Base64 復号の深さ(Base64 Decoding Depth)]、[7 ビット/8 ビット/バイナリ復号の深さ(7-Bit/8-Bit/Binary Decoding Depth)]、[Quoted Printable 復号の深さ(Quoted-Printable Decoding Depth)]、および [UNIX 間復号の深さ(Unix-to-Unix Decoding Depth)] です。
pkt_data キーワードは、content、byte_jump、byte_test、pcre などの他のキーワードで使用可能な位置引数の参照として機能するポインタです。
正規化された FTP、Telnet、または SMTP トラフィックが検出された場合、pkt_data キーワードは、正規化されたパケット ペイロードの先頭を指します。その他のトラフィックが検出された場合、pkt_data キーワードは、未加工の TCP または UDP ペイロードの先頭を指します。
侵入ルールで検査するために、該当するトラフィックをシステムで正規化するには、次の正規化オプションを有効にする必要があります。
検査のために FTP トラフィックを正規化するには、FTP & Telnet プリプロセッサの [FTP コマンドでの Telnet エスケープ コードの検出(Detect Telnet Escape codes within FTP commands)] オプションを有効にします。
検査のために Telnet トラフィックを正規化するには、FTP & Telnet プリプロセッサの Telnet の [正規化(Normalize)] オプションを有効にします。
検査のために SMTP トラフィックを正規化するには、SMTP プリプロセッサの [正規化(Normalize)] オプションを有効にします。
base64_decode キーワードと base64_data キーワードを組み合わせて使用すると、指定したデータを Base64 データとしてデコードおよび検査するようルール エンジンに指示できます。たとえば HTTP PUT および POST 要求内の Base64 エンコード HTTP 認証要求見出しと Base64 エンコード データを検査する場合に、これが役立つ可能性があります。
これらのキーワードは特に、HTTP 要求内の Base64 データをデコードして検査するうえで役立ちます。また、長いヘッダー行を複数行に拡張するために HTTP で使われるのと同じ方法でスペース文字やタブ文字を使用する SMTP などのプロトコルでも、これらを使用できます。この行拡張(折り返しとも言う)を使用するプロトコル内に行拡張が存在しない場合、後続スペース/タブを伴わない復帰または改行が出現した箇所で検査が終了します。
base64_decode キーワードは、パケット データを Base64 データとしてデコードするようルール エンジンに指示します。オプションの引数を使用すると、デコードするバイト数と、デコードを開始するデータ内の位置を指定できます。
base64_decode キーワードは 1 つのルール内で 1 回だけ使用可能です。また、少なくとも 1 つの base64_data キーワードのインスタンスの前にこれを配置する必要があります。
Base64 データをデコードする前に、ルール エンジンは、複数行にわたって折り返された長いヘッダーを元どおりに広げます。ルール エンジンが次のいずれかに遭遇するとデコードが終了します。
次の表に、base64_decode キーワードで使用可能な引数の説明を示します。
デコードするバイト数を指定します。これを指定しない場合、ヘッダー行の末尾またはパケット ペイロード末尾のどちらかが先に出現するまでデコードが続行されます。ゼロ以外の正の値を指定できます。 |
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パケット ペイロードの先頭を基準にしたオフセットを決定します。さらに Relative も指定した場合は、現在の検査位置を基準にしたオフセットを決定します。ゼロ以外の正の値を指定できます。 |
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base64_data キーワードは、base64_decode キーワードを使ってデコードされた Base64 データを検査するための参照を提供します。base64_data キーワードは、デコードされた Base64 データの先頭から検査を開始するよう設定します。オプションで、content や byte_test などの他のキーワードで使用可能な位置引数を使用して、検査位置をさらに指定することもできます。
base64_decode キーワードを使用した後に base64_data キーワードを 1 回以上使用する必要があります。オプションで、base64_data を複数回使用して、デコードされた Base64 データの先頭に戻ることができます。