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標準 VLAN を独立レイヤ 2 パーティションに分割するために、Private VLAN(PVLAN; プライベート VLAN)を設定するには、この章で説明する手順を使用します。
プライベート VLAN では、デバイスの分離を実現するために 3 種類のポート指定が使用されます。これらはそれぞれ独自のルール セットが定義されており、接続されたエンドポイントが同じプライベート VLAN ドメイン内の他の接続済みエンドポイントと通信できるかどうかは、ポート指定ごとに異なります。
プライベート VLAN ドメインは 1 つ以上の VLAN のペアから構成されます。プライマリ VLAN はドメインを構成し、個々の VLAN ペアはサブドメインを構成します。1 つのペアに含まれる VLAN は、プライマリ VLAN およびセカンダリ VLAN と呼ばれます。1 つのプライベート VLAN 内のすべての VLAN ペアは、同じプライマリ VLAN を共有します。セカンダリ VLAN ID によって、各サブドメインが区別されます(図 4-1 を参照)。
プライベート VLAN は、通常の VLAN と同様、複数のスイッチにわたっています。スイッチ間リンク ポートは、この特別なタイプの VLAN を意識する必要はなく、他のフレームの場合と同様に、これらの VLAN のタグが付いたフレームを伝送します。プライベート VLAN を利用すると、1 つのスイッチの独立ポートからのトラフィックが、スイッチ間リンクを通過した後でも、別のスイッチにある別の独立ポートやコミュニティ ポートには到達しないことが保証されます。VLAN レベルで分離情報を埋め込み、これをパケットとともに転送することにより、ネットワーク全体で一貫した動作を維持することができます。したがって、同じスイッチにある 2 つの独立ポートの間でのレイヤ 2 通信を制限するメカニズムは、2 つの異なるスイッチにある 2 つの独立ポートの間でのレイヤ 2 通信も制限します。
プライベート VLAN ドメイン内には、3 つの異なるポート指定があります。個々のポート指定はそれぞれ、同じプライベート VLAN ドメイン内にある別の接続済みエンドポイントと通信するエンドポイントの能力を制御するための一意のルール セットを独自に持ちます。この 3 つのポート指定は次のとおりです。
図 4-2 はプライベート VLAN ポートを示しています。
プライマリ VLAN には、プライベート VLAN ドメイン全体が含まれます。これは各サブドメインの一部で、VLAN からのレイヤ 3 ゲートウェイを提供します。1 つのプライベート VLAN ドメインにプライマリ VLAN は 1 つだけです。プライベート VLAN ドメインのポートはすべて、プライマリ VLAN のメンバです。言い換えれば、プライマリ VLAN はプライベート VLAN ドメイン全体です。
名前からもわかるように、無差別ポート(図 4-2 の p1)は、他のどのタイプのポートとも通信できます。無差別ポートは独立ポートやコミュニティ ポートと通信できます。また、独立ポートやコミュニティ ポートは無差別ポートと通信できます。レイヤ 3 ゲートウェイ、DHCP サーバ、およびカスタマー エンドポイントの通信を必要とするその他の信頼済みデバイスは、通常、無差別ポートと接続されています。IEEE 802.1Q 仕様書の Annex D に記載されている用語によると、無差別ポートはアクセス ポート、またはハイブリッド/トランク ポートのいずれかです。
セカンダリ VLAN は、プライベート VLAN ドメイン内のポートの間でレイヤ 2 分離を提供します。1 つのプライベート VLAN ドメインに 1 つ以上の VLAN サブドメインがあります。1 つのサブドメインは 1 組の VLAN ペアから構成され、このペアはプライマリ VLAN とセカンダリ VLAN から構成されます。プライマリ VLAN はすべてのサブドメインの一部であるため、VLAN サブドメインはセカンダリ VLAN により区別されます。
レイヤ 3 インターフェイスと通信するには、セカンダリ VLAN を、プライマリ VLAN にある少なくとも 1 つの無差別ポートと関連付ける必要があります。たとえば、ロード バランシングや冗長性のために必要であれば、セカンダリ VLAN を、同一のプライベート VLAN ドメインにある複数の無差別ポートと関連付けることができます。無差別ポートと関連付けられていないセカンダリ VLAN は、レイヤ 3 インターフェイスと通信できません。
• 独立 VLAN:独立 VLAN は、独立ホスト ポートを使用します。独立ポート(図 4-2 の i1 または i2)は、無差別ポートを除き、そのプライベート VLAN ドメインの他のどのポートとも通信できません。あるデバイスがゲートウェイ ルータへのアクセスだけを必要としている場合、このデバイスは独立ポートに接続する必要があります。独立ポートは通常、アクセス ポートですが、一部のアプリケーションでは、ハイブリッド ポートや、トランク ポートであることもあります。
独立 VLAN の顕著な特徴は、ポートごとに専用 VLAN を使用するのと同じレベルのポート分離が可能になることです。このポート分離を行うために使用される VLAN ID は 2 つだけです。
(注) 複数のコミュニティ VLAN が 1 つのプライベート VLAN ドメインに存在することもありますが、独立 VLAN 1 つで、複数のカスタマーに十分サービスを提供することができます。そのポートに接続されているエンドポイントはすべて、レイヤ 2 で分離されます。サービス プロバイダーは複数のカスタマーを同じ独立 VLAN に割り当てることができます。また、同じ独立 VLAN を共有する他のカスタマーが、レイヤ 2 トラフィックを傍聴できないことが保証されます。
• コミュニティ VLAN:コミュニティ VLAN はコミュニティ ホスト ポートを使用します。コミュニティ ポート(図 4-2 の c1 または c2)は、ポート グループの一部です。同じコミュニティ内のポートは、互いにレイヤ 2 通信を行うことができ、どの無差別ポートとでも通信できます。たとえば、4 つのデバイスを持つ ISP カスタマーが、このデバイスを他のカスタマーのデバイスと分離したいが、この 4 つのデバイスの間では通信を続けられるようにしたいという場合は、コミュニティ ポートを使用する必要があります。
(注) トランクは VLAN のポート間のトラフィック伝送をサポートできるので、デバイスとの間で送受信される VLAN トラフィックがトランク インターフェイスを経由することも可能です。
次のテーブルは、プライベート VLAN ポートのタイプに応じて、どのようにアクセスが許可、または拒否されるかを示しています。
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拒否 2 |
表 4-2 に、プライベート VLAN のデフォルト設定を示します。
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プライベート VLAN を設定するには、ここで説明する次の手順を使用します。
• 「無差別トランク ポートとしてのレイヤ 2 インターフェイスの設定」
• 「プライベート VLAN 無差別アクセス ポートの設定」
• 「無差別アクセス ポートとプライベート VLAN の関連付け」
• 「プライベート VLAN コンフィギュレーションの削除」
このプロセスは、次のフローチャートに従って実行します。1 つの手順を終了するたびに、この項に戻って、必要なすべての手順を正しい順序で実施してください。
• プライマリ VLAN として設定する VLAN が標準 VLAN としてすでにシステムに存在し、その VLAN ID が判明しています。
(注) この VLAN がまだ存在しない場合、プライマリ VLAN を作成する際に、その作成を促すメッセージが表示されます。VLAN の作成方法については、「VLAN の作成」を参照してください。
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指定された VLAN の VLAN コンフィギュレーション モードを開始し、実行コンフィギュレーションにプライマリ |
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(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーし、リブートと再起動を行って、永久的に保存します。 |
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フロー チャートを使用している場合は、フローチャート:プライベート VLAN の設定に戻ります。 |
• セカンダリ VLAN として設定する VLAN が標準 VLAN としてすでにシステムに存在し、それらの VLAN ID が判明しています。
(注) この VLAN がまだ存在しない場合、セカンダリ VLAN を作成する際に、その作成を促すメッセージが表示されます。VLAN の作成方法については、「VLAN の作成」の項を参照してください。
• セカンダリ VLAN をコミュニティ VLAN にするか、独立 VLAN にするか決定しています。また、それぞれの VLAN ID が判明しています。
• プライベート VLAN の情報については、「プライベート VLAN」の項を参照してください。
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指定された VLAN の VLAN コンフィギュレーション モードを開始し、実行コンフィギュレーションにセカンダリ |
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private-vlan {community | isolated} n1000v(config-vlan)# private-vlan community |
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• PVLAN にセカンダリ VLAN を追加設定している場合は、ステップ 2 とステップ 3 を繰り返します。 • それ以外の場合は、ステップ 5 から続けます。 |
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(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーし、リブートと再起動を行って、永久的に保存します。 |
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フロー チャートを使用している場合は、フローチャート:プライベート VLAN の設定に戻ります。 |
• この PVLAN のプライマリ VLAN がすでに PVLAN として設定されています。
• この PVLAN のセカンダリ VLAN がすでに PVLAN として設定されています。
• PVLAN の一部である個々の VLAN の VLAN ID が判明しています。
• プライベート VLAN の情報については、「プライベート VLAN」を参照してください。
3. private-vlan association {add | remove} secondary vlan-id
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VLAN コンフィギュレーション モードを開始し、実行コンフィギュレーションで PVLAN として機能するように VLAN を関連付けます。 |
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private-vlan association {add | remove} secondary vlan-id |
実行コンフィギュレーションで PVLAN として機能するように、指定されたセカンダリ VLAN をプライマリ VLAN と関連付けます。 |
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• セカンダリ VLAN を追加で関連付けている場合は、ステップ 3 を繰り返します。 • それ以外の場合は、ステップ 5 から続けます。 |
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(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーし、リブートと再起動を行って、永久的に保存します。 |
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フロー チャートを使用している場合は、フローチャート:プライベート VLAN の設定に戻ります。 |
• この PVLAN のプライマリ VLAN がすでに PVLAN として設定されています。
• この PVLAN のセカンダリ VLAN がすでに PVLAN として設定されています。
• このセカンダリ VLAN が、すでにプライマリ VLAN に関連付けられています。
• ホスト ポートとして PVLAN とともに使用されるインターフェイスの名前が判明しています。
• プライベート VLAN の情報については、「プライベート VLAN」の項を参照してください。
3. switchport mode private-vlan host
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• 物理インターフェイスを設定する場合は次の手順に進みます。 • それ以外の場合は、ステップ 4 に進みます。 |
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switchport mode private-vlan host |
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(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーし、リブートと再起動を行って、永久的に保存します。 |
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フロー チャートを使用している場合は、フローチャート:プライベート VLAN の設定に戻ります。 |
PVLAN のプライマリ VLAN およびセカンダリ VLAN をホスト ポートと関連付けるには、ここで説明する手順を実行します。
• PVLAN のプライマリ VLAN およびセカンダリ VLAN の VLAN ID が判明しています。
• プライマリ VLAN およびセカンダリ VLAN はすでに PVLAN として設定されています。
• ホスト ポートとして PVLAN で機能するインターフェイスの名前が判明しています。
• プライベート VLAN の情報については、「プライベート VLAN」の項を参照してください。
3. switchport private-vlan host-association primaryvlan-id secondary vlan-id(s)
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インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、実行コンフィギュレーションで指定されたインターフェイスの名前を設定します。 |
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switchport private-vlan host-association primaryvlan-id secondary vlan-id(s) n1000v(config-if)# switchport private-vlan host-association 202 303 |
実行コンフィギュレーションで、PVLAN のプライマリ VLAN ID およびセカンダリ VLAN ID をホスト ポートに関連付けます。 |
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(任意)実行コンフィギュレーションを Xタートアップ コンフィギュレーションにコピーし、リブートと再起動を行って、永久的に保存します。 |
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フロー チャートを使用している場合は、フローチャート:プライベート VLAN の設定に戻ります。 |
レイヤ 2 インターフェイスを、次の操作を行う無差別トランク ポートとして設定するには、ここで説明する手順を実行します。
• 複数の無差別ポートを 1 つのトランク ポートにまとめます。
• 複数の PVLAN プライマリ VLAN を個別に、選択したセカンダリ VLAN とともに伝送します。
(注) 無差別ポートはアクセス ポート、またはトランク ポートのいずれかです。プライマリ VLAN が 1 つである場合、無差別アクセス ポートを使用できます。複数のプライマリ VLAN がある場合、無差別トランク ポートを使用できます。
• private-vlan mapping trunk コマンドは、ポートのトランク設定を決定、または上書きしません。
• このポートは、プライベート VLAN トランク設定に追加する前に、すでに通常のトランク モードで設定されています。
• プライマリ VLAN を無差別トランク ポートで許容される VLAN のリストに追加する必要があります。
3. switchport mode private-vlan trunk promiscuous
4. switchport private-vlan trunk allowed vlan all
5. switchport private-vlan mapping trunk primary_vlan_ID {secondary_vlan_list | add secondary_vlan_list | remove secondary_vlan_list}
• 無差別アクセス ポートとして機能するインターフェイスの名前が判明しています。
• プライベート VLAN の情報については、「プライベート VLAN」の項を参照してください。
2. interface type [slot/port | number]
3. switchport mode private-vlan promiscuous
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interface type [slot/port | number] n1000v(config-if)# interface veth1 |
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switchport mode private-vlan promiscuous |
実行コンフィギュレーションにおいて、インターフェイスをプライベート VLAN の無差別アクセス ポートとして機能させることを指定します。 |
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(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーし、リブートと再起動を行って、永久的に保存します。 |
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フロー チャートを使用している場合は、フローチャート:プライベート VLAN の設定に戻ります。 |
PVLAN のプライマリ VLAN およびセカンダリ VLAN を無差別アクセス ポートと関連付けるには、ここで説明する手順を実行します。
• PVLAN のプライマリ VLAN およびセカンダリ VLAN の VLAN ID が判明しています。
• プライマリ VLAN およびセカンダリ VLAN はすでに PVLAN として設定されています。
• 無差別アクセス ポートとして PVLAN で機能するインターフェイスの名前が判明しています。
• プライベート VLAN の情報については、「プライベート VLAN」の項を参照してください。
2. interface type [slot/port | number]
3. switchport private-vlan mapping primary vlan-id secondary vlan-id(s)
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interface type [slot/port | number] |
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switchport private-vlan mapping primary vlan-id secondary vlan-id(s) |
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(任意)実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーし、リブートと再起動を行って、永久的に保存します。 |
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フロー チャートを使用している場合は、フローチャート:プライベート VLAN の設定に戻ります。 |
プライベート VLAN コンフィギュレーションを削除し、VLAN を標準 VLAN モードに戻すには、ここで説明する手順を実行します。
• VLAN がプライベート VLAN として設定され、VLAN ID が判明しています。
• PVLAN コンフィギュレーションを削除すると、これに関連付けられているポートは非アクティブになります。
• プライベート VLAN の情報については、「プライベート VLAN」の項を参照してください。
n1000v(config-vlan)# no private-vlan primary
n1000v(config-vlan)# show vlan private-vlan
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プライベート VLAN コンフィギュレーションを表示して検証するには、次のコマンドを使用します。
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• 「ポート プロファイルを使用したプライベート VLAN」
ここでは、次のようにインターフェイス イーサネット 2/6 設定する例を示します。
• セカンダリ VLAN 303 および 440 と関連付けられているプライマリ プライベート VLAN 202 にマップします
• セカンダリ VLAN 310 および 450 と関連付けられているプライマリ プライベート VLAN 210 にマップします
次の例では、インターフェイス eth2/6 をポート プロファイル uppvlanpromtrunk156 を使用して設定する方法を示します。
この設定では、セカンダリ インターフェイス 153、154、および 155 のパケットは、コマンド switchport private-vlan mapping trunk 156 153-155 の結果として、プライマリ VLAN 156 に変換されます。
プライベート VLAN の実装に関する追加情報は、次の項を参照してください。
• 「関連資料」
• 「標準規格」
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この機能でサポートされる新規または改訂された標準規格はありません。また、この機能による既存の標準規格サポートの変更はありません。 |
ここでは、プライベート VLAN のリリース履歴を示します。
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