MSDP の情報
MSDP を使用すると、複数の Border Gateway Protocol (BGP; ボーダ ゲートウェイ プロトコル)対応 Protocol Independent Multicast(PIM)スパース モード ドメイン間で、マルチキャスト送信元情報を交換できます。PIM の詳細については、「PIM の設定」を参照してください。BGP の詳細については、『 Cisco Nexus 3000 Series NX-OS Unicast Routing Configuration Guide 』を参照してください。
受信者が要求するグループが別のドメイン内の送信元から送信されたグループと一致した場合、Rendezvous Point(RP; ランデブー ポイント)は送信元方向に PIM Join メッセージを送信して、最短パス ツリーを構築します。Designated Router(DR; 指定ルータ)は、送信元ドメイン内の送信元ツリーにパケットを転送します。これらのパケットは、必要に応じて送信元ドメイン内の RP を経由し、送信元ツリーの各ブランチを通って他のドメインへと送信されます。受信者を含むドメインでは、対象のドメインの RP が送信元ツリー上に配置されている場合があります。ピアリング関係は Transmission Control Protocol(TCP; 転送制御プロトコル)接続を介して構築されます。
図 5-1 に、4 つの PIM ドメインを示します。接続された各 RP(ルータ)は、独自にマルチキャスト送信元のセットを保持しているため、RP は MSDP ピアと呼ばれます。送信元ホスト 1 はグループ 224.1.1.1 にマルチキャスト データを送信します。MSDP プロセスでは、RP 6 上で PIM Register メッセージを介して送信元に関する情報を学習すると、ドメイン内の送信元に関する情報が、Source-Active(SA)メッセージの一部として MSDP ピアに送信されます。SA メッセージを受信した RP 3 および RP 5 は、MSDP ピアに SA メッセージを転送します。RP 5 は、ホスト 2 から 224.1.1.1 のマルチキャスト データに対する要求を受信すると、192.1.1.1 のホスト 1 方向に PIM Join メッセージを送信して、送信元への最短パス ツリーを構築します。
図 5-1 異なる PIM ドメインに属する RP 間の MSDP ピアリング
各 RP 間で MSDP ピアリング設定を行うには、フル メッシュを作成します。一般的な MSDP フル メッシュは、RP 1、RP 2、RP 3 のように自律システム内に作成され、自律システム間には作成されません。ループ抑制および MSDP ピア Reverse Path Forwarding(RPF)により、SA メッセージのループを防止するには、BGP を使用します。メッシュ グループの詳細については、「MSDP メッシュ グループ」を参照してください。
(注) PIM ドメイン内で Anycast RP(ロード バランシングおよびフェールオーバーを実行するための RP のセット)を使用する場合、MSDP を設定する必要はありません。詳細については、「PIM Anycast-RP セットの設定」を参照してください。
MSDP の詳細については、 RFC 3618 を参照してください。
ここでは、次の内容について説明します。
• 「SA メッセージおよびキャッシング」
• 「MSDP ピア RPF 転送」
• 「MSDP メッシュ グループ」
• 「仮想化のサポート」
SA メッセージおよびキャッシング
MSDP ピアによる Source-Active(SA)メッセージの交換を通じて、MSDP ソフトウェアは、アクティブな送信元に関する情報を伝播させます。SA メッセージには、次の情報が格納されています。
• データ送信元の送信元アドレス
• データ送信元で使用されるグループ アドレス
• RP の IP アドレスまたは設定済みの送信元 ID
PIM Register メッセージによって新しい送信元がアドバタイズされると、MSDP プロセスはそのメッセージを再カプセル化して SA メッセージに格納し、即座にすべての MSDP ピアに転送します。
SA キャッシュには、SA メッセージを介して学習したすべての送信元情報が保持されます。キャッシングを使用すると、既知のグループの情報がすべてキャッシュに格納されるため、新たな受信者を迅速にグループに加入させることができます。キャッシュに格納する送信元エントリ数を制限するには、SA 制限ピア パラメータを設定します。特定のグループ プレフィクスに対してキャッシュに格納する送信元エントリ数を制限するには、グループ制限グローバル パラメータを設定します。
MSDP ソフトウェアは 60 秒おきに、または SA インターバルのグローバル パラメータの設定に従って、SA キャッシュ内の各グループに SA メッセージを送信します。対象の送信元およびグループに関する SA メッセージが、SA インターバルから 3 秒以内に受信されなかった場合、SA キャッシュ内のエントリは削除されます。
MSDP ピア RPF 転送
MSDP ピアは、発信元 RP から離れた場所で SA メッセージを受信し、そのメッセージの転送を行います。このアクションは、ピア RPF フラッディングと呼ばれます。このルータは BGP ルーティング テーブルを調べ、SA メッセージの発信元 RP 方向にあるネクスト ホップ ピアを特定します。このピアを Reverse Path Forwarding(RPF)ピアと呼びます。
MSDP ピアは、非 RPF ピアから送信元 RP へ向かう同じ SA メッセージを受信すると、そのメッセージをドロップします。それ以外の場合、すべての MSDP ピアにメッセージが転送されます。
MSDP メッシュ グループ
MSDP メッシュ グループを使用すると、ピア RPF フラッディングで生成される SA メッセージ数を抑えることができます。図 5-1 の RP 1、RP 2、および RP 3 は、RP 6 から SA メッセージを受信しています。メッシュ内のすべてのルータ間にピアリング関係を設定してから、これらのルータのメッシュ グループを作成すると、あるピアから発信される SA メッセージが他のすべてのピアに送信されます。メッシュ内のピアが受信した SA メッセージは転送されません。RP 3 が発信する SA メッセージは、RP 1 および RP 2 に転送されますが、これらの RP は受信したメッセージをメッシュ内のその他の RP には転送しません。
ルータは複数のメッシュ グループに参加できます。デフォルトでは、メッシュ グループは設定されていません。
仮想化のサポート
複数の Virtual Routing and Forwarding(VRF; 仮想ルーティングおよびフォワーディング)インスタンスを定義することができます。MSDP 設定を選択された VRF に適用します。
show コマンドに VRF 引数を指定して実行すると、表示される情報のコンテキストを確認できます。VRF 引数を指定しない場合は、デフォルト VRF が使用されます。
VRF の設定の詳細については、『 Cisco Nexus 3000 Series NX-OS Unicast Routing Configuration Guide 』を参照してください。
MSDP のライセンス要件
次の表に、この機能のライセンス要件を示します。
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Cisco NX-OS |
MSDP には、LAN Base Services ライセンスが必要です。Cisco NX-OS のライセンス方式の詳細と、ライセンスの取得および適用の方法については、『 Cisco NX-OS Licensing Guide 』を参照してください。 |
MSDP の前提条件
MSDP の前提条件は、次のとおりです。
• スイッチにログインしている。
• 現在の Virtual Routing and Forwarding(VRF; 仮想ルーティングおよびフォワーディング)モードが正しい(グローバル コマンドの場合)。この章の例で示すデフォルトのコンフィギュレーション モードは、デフォルト VRF に適用されます。
• MSDP を設定するネットワークに PIM が設定済みである。
• MSDP を設定する PIM ドメインに BGP が設定済みである。
デフォルト設定
表 5-1 に、MSDP パラメータのデフォルト設定を示します。
表 5-1 MSDP パラメータのデフォルト設定
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説明 |
ピアの説明はありません。 |
管理シャットダウン |
ピアは定義された時点でイネーブルになります。 |
MD5 パスワード |
すべての MD5 パスワードがディセーブルになっています。 |
SA ポリシー(IN) |
すべての SA メッセージが受信されます。 |
SA ポリシー(OUT) |
発信される SA メッセージには登録済みの全送信元が含まれます。 |
SA の上限 |
上限は定義されていません。 |
発信元インターフェイスの名前 |
ローカル システムの RP アドレスです。 |
グループの上限 |
グループの上限は定義されていません。 |
SA インターバル |
60 秒 |
MSDP の設定
MSDP ピアリングを有効にするには、各 PIM ドメイン内で MSDP ピアを設定します。
MSDP ピアリングの設定手順は次のとおりです。
ステップ 1 MSDP ピアとして動作させるルータを選択します。
ステップ 2 MSDP 機能をイネーブルにします。「MSDP 機能のイネーブル化」を参照してください。
ステップ 3 ステップ 1 で選択した各ルータで、MSDP ピアを設定します。「MSDP ピアの設定」を参照してください。
ステップ 4 各 MSDP ピアでオプションの MSDP ピア パラメータを設定します。「MSDP ピア パラメータの設定」を参照してください。
ステップ 5 各 MSDP ピアでオプションのグローバル パラメータを設定します。「MSDP グローバル パラメータの設定」を参照してください。
ステップ 6 各 MSDP ピアでオプションのメッシュ グループを設定します。「MSDP メッシュ グループの設定」を参照してください。
(注) MSDP をイネーブルにする前に入力された MSDP コマンドは、キャッシュに格納され、MSDP がイネーブルになると実行されます。MSDP をイネーブルにするには、ip msdp peer または ip msdp originator-id コマンドを使用します。
ここでは、次の内容について説明します。
• 「MSDP 機能のイネーブル化」
• 「MSDP ピアの設定」
• 「MSDP ピア パラメータの設定」
• 「MSDP グローバル パラメータの設定」
• 「MSDP メッシュ グループの設定」
• 「MSDP プロセスの再起動」
(注) Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能の Cisco NX-OS コマンドは従来の Cisco IOS コマンドと異なる点があるため注意が必要です。
MSDP 機能のイネーブル化
MSDP コマンドにアクセスするには、MSDP 機能をイネーブルにしておく必要があります。
手順の概要
1. configure terminal
2. feature msdp
3. (任意) show running-configuration | grep feature
4. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
feature msdp 例: switch# feature msdp |
MSDP 機能をイネーブルにして、MSDP コマンドを実行できるようにします。デフォルトでは、MSDP 機能はディセーブルになっています。 |
ステップ 3 |
show running-configuration | grep feature 例: switch# show running-configuration | grep feature |
(任意)指定された feature コマンドを表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーションの変更を保存します。 |
MSDP ピアの設定
現在の PIM ドメインまたは別の PIM ドメイン内にある各 MSDP ピアとピアリング関係を構築するには、MSDP ピアを設定します。最初の MSDP ピアリング関係を設定すると、ルータ上で MSDP がイネーブルになります。
はじめる前に
LAN Base Services ライセンスがインストールされていること、および PIM と MSDP がイネーブル化されていることを確認します。
MSDP ピアを設定するルータのドメイン内で、BGP および PIM が設定されていることを確認します。
手順の概要
1. configure terminal
2. ip msdp peer peer-ip-address connect-source interface [ remote-as as-number ]
3. 各 MSDP ピアリング関係について、ステップ 2 を繰り返します。
4. (任意) show ip msdp summary [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ]
5. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip msdp peer peer-ip-address connect-source interface [ remote-as as-number ] 例: switch(config)# ip msdp peer 192.168.1.10 connect-source ethernet 2/1 remote-as 8 |
MSDP ピアを設定してピア IP アドレスを指定します。ソフトウェアは、インターフェイスの送信元 IP アドレスを使用して、ピアとの TCP 接続を行います。インターフェイスは type slot/port という形式で表します。AS 番号がローカル AS と同じ場合、対象のピアは PIM ドメイン内にあります。それ以外の場合、対象のピアは PIM ドメインの外部にあります。デフォルトでは、MSDP ピアリングはディセーブルになっています。 (注) このコマンドを使用すると、MSDP ピアリングがイネーブルになります。 |
ステップ 3 |
ピア IP アドレス、インターフェイス、および AS 番号を必要に応じて変更し、各 MSDP ピアリング関係についてステップ 2 を繰り返します。 |
-- |
ステップ 4 |
show ip msdp summary [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] 例: switch# show ip msdp summary |
(任意)MSDP ピアの要約情報を表示します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーションの変更を保存します。 |
MSDP ピア パラメータの設定
表 5-2 に、設定可能なオプションの MSDP ピア パラメータを示します。これらのパラメータは、各ピアの IP アドレスを使用して、グローバル コンフィギュレーション モードで設定します。
表 5-2 MSDP ピア パラメータ
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説明 |
ピアの説明を示すストリング。デフォルトでは、ピアの説明は設定されていません。 |
管理シャットダウン |
MSDP ピアをシャットダウンするパラメータ。コンフィギュレーションの設定はこのコマンドの影響を受けません。このパラメータを使用すると、ピアがアクティブになる前に、複数のパラメータ設定を有効にできます。シャットダウンを実行すると、その他のピアとの TCP 接続は強制終了されます。デフォルトでは、各ピアは定義した時点でイネーブルになります。 |
MD5 パスワード |
ピアの認証に使用される MD5 共有パスワード キー。デフォルトでは、MD5 パスワードはディセーブルになっています。 |
SA ポリシー(IN) |
着信 SA メッセージのルートマップ ポリシー。デフォルトでは、すべての SA メッセージが受信されます。 |
SA ポリシー(OUT) |
発信 SA メッセージのルートマップ ポリシー。 1 デフォルトでは、発信される SA メッセージには登録済みの全送信元が含まれます。 |
SA の上限 |
ピアで許可され、SA キャッシュに格納される (S, G) エントリ数。デフォルトでは、上限はありません。 |
マルチキャスト ルート マップの設定方法については、「RP 情報配信を制御するルート マップの設定」を参照してください。
(注) メッシュ グループの設定方法については、「MSDP メッシュ グループの設定」を参照してください。
はじめる前に
LAN Base Services ライセンスがインストールされていること、および PIM と MSDP がイネーブル化されていることを確認します。
手順の概要
1. configure terminal
2. ip msdp description peer-ip-address string
ip msdp shutdown peer-ip-address
ip msdp password peer-ip-address password
ip msdp sa-policy peer-ip-address policy-name in
ip msdp sa-policy peer-ip-address policy-name out
ip msdp sa-limit peer-ip-address limit
3. (任意) show ip msdp peer [ peer-address ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ]
4. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip msdp description peer-ip-address string 例: switch(config)# ip msdp description 192.168.1.10 peer in Engineering network |
ピアの説明を示すストリングを設定します。デフォルトでは、ピアの説明は設定されていません。 |
ip msdp shutdown peer-ip-address 例: switch(config)# ip msdp shutdown 192.168.1.10 |
ピアをシャットダウンします。デフォルトでは、各ピアは定義した時点でイネーブルになります。 |
ip msdp password peer-ip-address password 例: switch(config)# ip msdp password 192.168.1.10 my_md5_password |
ピアの MD5 パスワードをイネーブルにします。デフォルトでは、MD5 パスワードはディセーブルになっています。 |
ip msdp sa-policy peer-ip-address policy-name in 例: switch(config)# ip msdp sa-policy 192.168.1.10 my_incoming_sa_policy in |
着信 SA メッセージのルートマップ ポリシーをイネーブルにします。デフォルトでは、すべての SA メッセージが受信されます。 |
ip msdp sa-policy peer-ip-address policy-name out 例: switch(config)# ip msdp sa-policy 192.168.1.10 my_outgoing_sa_policy out |
発信 SA メッセージのルートマップ ポリシーをイネーブルにします。デフォルトでは、発信される SA メッセージには登録済みの全送信元が含まれます。 |
ip msdp sa-limit peer-ip-address limit 例: switch(config)# ip msdp sa-limit 192.168.1.10 5000 |
ピアから受信可能な (S, G) エントリ数の上限を設定します。デフォルトでは、上限はありません。 |
ステップ 3 |
show ip msdp peer [ peer-address ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] 例: switch# show ip msdp peer 1.1.1.1 |
(任意)MSDP ピアの詳細情報を表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーションの変更を保存します。 |
MSDP グローバル パラメータの設定
表 5-3 に、設定可能なオプションの MSDP グローバル パラメータを示します。
表 5-3 MSDP グローバル パラメータ
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発信元インターフェイスの名前 |
SA メッセージ エントリの RP フィールドで使用される IP アドレス。Anycast RP を使用する場合は、すべての RP に対して同じ IP アドレスを使用します。このパラメータを使用すると、各 MSDP ピアの RP に一意の IP アドレスを定義できます。デフォルトでは、ローカル システムの RP アドレスが使用されます。 |
グループの上限 |
指定したプレフィクスに対して作成される (S, G) エントリの最大数。グループの上限を超えた場合、そのグループは無視され、違反状態が記録されます。デフォルトでは、グループの上限は定義されていません。 |
SA インターバル |
Source-Active(SA)メッセージを送信する間隔。有効値の範囲は 60 ~ 65,535 秒です。デフォルト値は 60 秒です。 |
はじめる前に
LAN Base Services ライセンスがインストールされていること、および PIM と MSDP がイネーブル化されていることを確認します。
手順の概要
1. configure terminal
2. ip msdp originator-id interface
ip msdp group-limit limit source source-prefix
ip msdp sa-interval seconds
3. (任意) show ip msdp summary [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ]
4. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip msdp originator-id interface 例: switch(config)# ip msdp originator-id loopback0 |
SA メッセージ エントリの RP フィールドで使用される IP アドレスを設定します。インターフェイスは type slot/port という形式で表します。デフォルトでは、ローカル システムの RP アドレスが使用されます。 (注) RP アドレスにはループバック インターフェイスを使用することを推奨します。 |
ip msdp group-limit limit source source-prefix 例: switch(config)# ip msdp group-limit 1000 source 192.168.1.0/24 |
指定したプレフィクスに対して作成される (S, G) エントリの最大数。グループの上限を超えた場合、そのグループは無視され、違反状態が記録されます。デフォルトでは、グループの上限は定義されていません。 |
ip msdp sa-interval seconds 例: switch(config)# ip msdp sa-interval 80 |
Source-Active(SA)メッセージを送信する間隔。有効値の範囲は 60 ~ 65,535 秒です。デフォルト値は 60 秒です。 |
ステップ 3 |
show ip msdp summary [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] 例: switch# show ip msdp summary |
(任意)MSDP 設定の要約を表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーションの変更を保存します。 |
MSDP メッシュ グループの設定
グローバル コンフィギュレーション モードでオプションの MSDP メッシュ グループを設定するには、メッシュ内の各ピアを指定します。同じルータに複数のメッシュ グループを設定したり、各メッシュ グループに複数のピアを設定したりできます。
はじめる前に
LAN Base Services ライセンスがインストールされていること、および PIM と MSDP がイネーブル化されていることを確認します。
手順の概要
1. configure terminal
2. ip msdp mesh-group peer-ip-addr mesh-name
3. メッシュ内の各 MSDP ピアについて、ステップ 2 を繰り返します。
4. (任意) show ip msdp mesh-group [ mesh-group ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ]
5. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip msdp mesh-group peer-ip-addr mesh-name 例: switch(config)# ip msdp mesh-group 192.168.1.10 my_mesh_1 |
MSDP メッシュを設定してピア IP アドレスを指定します。同じルータに複数のメッシュを設定したり、各メッシュ グループに複数のピアを設定したりできます。デフォルトでは、メッシュ グループは設定されていません。 |
ステップ 3 |
ピア IP アドレスを変更し、メッシュ内の各 MSDP ピアについてステップ 2 を繰り返します。 |
-- |
ステップ 4 |
show ip msdp mesh-group [ mesh-group ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] 例: switch# show ip msdp summary |
(任意)MSDP メッシュ グループ設定に関する情報を表示します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーションの変更を保存します。 |
MSDP プロセスの再起動
MSDP プロセスを再起動し、オプションとして、すべてのルートをフラッシュすることができます。
はじめる前に
LAN Base Services ライセンスがインストールされていること、および PIM と MSDP がイネーブル化されていることを確認します。
手順の概要
1. restart msdp
2. configure terminal
3. ip msdp flush-routes
4. (任意) show running-configuration | include flush-routes
5. (任意) copy running-config startup-config
手順の詳細
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ステップ 1 |
restart msdp 例: switch# restart msdp |
MSDP プロセスを再起動します。 |
ステップ 2 |
configure terminal 例: switch# configure terminal switch(config)# |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
ip msdp flush-routes 例: switch(config)# ip msdp flush-routes |
MSDP プロセスの再起動時に、ルートを削除します。デフォルトでは、ルートはフラッシュされません。 |
ステップ 4 |
show running-configuration | include flush-routes 例: switch(config)# show running-configuration | include flush-routes |
(任意)実行コンフィギュレーションの flush-routes 設定行を表示します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例: switch(config)# copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーションの変更を保存します。 |
MSDP の設定の確認
MSDP の設定情報を表示するには、次の作業のいずれかを行います。
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show ip msdp count [ as-number ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] |
MSDP (S, G) エントリ数およびグループ数を AS 番号別に表示します。 |
show ip msdp mesh-group [ mesh-group ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] |
MSDP メッシュ グループ設定を表示します。 |
show ip msdp peer [ peer-address ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] |
MSDP ピアの MSDP 情報を表示します。 |
show ip msdp rpf [ rp-address ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] |
RP アドレスへの BGP パス上にあるネクストホップ AS を表示します。 |
show ip msdp sources [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] |
MSDP で学習された送信元と、グループ上限設定に関する違反状況を表示します。 |
show ip msdp summary [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] |
MSDP ピア設定の要約を表示します。 |
これらのコマンド出力のフィールドの詳細については、『 Cisco Nexus 3000 Series Command Reference 』を参照してください。
統計情報の表示
次に、MSDP の統計情報を、表示およびクリアするための機能について説明します。
ここでは、次の内容について説明します。
• 「統計情報の表示」
• 「統計情報のクリア」
統計情報の表示
MSDP 統計情報を表示するには、 表 5-4 に示す各種コマンドを使用します。
表 5-4 MSDP 統計情報コマンド
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show ip msdp [ as-number ] internal event-history { errors | messages } |
メモリの割り当てに関する統計情報を表示します。 |
show ip msdp policy statistics sa-policy peer-address { in | out } [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] |
MSDP ピアの MSDP ポリシー統計情報を表示します。 |
show ip msdp { sa-cache | route } [ source-address ] [ group-address ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] [ asn-number ] [ peer peer-address ] |
MSDP SA ルート キャッシュを表示します。送信元アドレスを指定した場合は、その送信元に対応するすべてのグループが表示されます。グループ アドレスを指定した場合は、そのグループに対応するすべての送信元が表示されます。 |
統計情報のクリア
MSDP 統計情報をクリアするには、 表 5-5 に示す各種コマンドを使用します。
表 5-5 MSDP 統計情報をクリアするコマンド
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clear ip msdp peer [ peer-address ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name ] |
MSDP ピアとの TCP 接続をクリアします。 |
clear ip msdp policy statistics sa-policy peer-address { in | out } [ vrf vrf-name | known-vrf-name ] |
MSDP ピア SA ポリシーの統計情報カウンタをクリアします。 |
clear ip msdp statistics [ peer-address ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name ] |
MSDP ピア の統計情報をクリアします。 |
clear ip msdp { sa-cache | route } [ group-address ] [ vrf vrf-name | known-vrf-name | all ] |
SA キャッシュ内のグループ エントリをクリアします。 |
MSDP の設定例
MSDP ピア、一部のオプション パラメータ、およびメッシュ グループを設定するには、各 MSDP ピアで次の手順を実行します。
ステップ 1 他のルータとの MSDP ピアリング関係を設定します。
switch# configure terminal
switch(config)# ip msdp peer 192.168.1.10 connect-source ethernet 1/0 remote-as 8
ステップ 2 オプションのピア パラメータを設定します。
switch# configure terminal
switch(config)# ip msdp password 192.168.1.10 my_peer_password_AB
ステップ 3 オプションのグローバル パラメータを設定します。
switch# configure terminal
switch(config)# ip msdp sa-interval 80
ステップ 4 各メッシュ グループ内のピアを設定します。
switch# configure terminal
switch(config)# ip msdp mesh-group 192.168.1.10 mesh_group_1
次に、図 5-1 で示した MSDP ピアリングのサブセットの設定例を示します。
• RP 3: 192.168.3.10(AS 7)
ip msdp peer 192.168.1.10 connect-source ethernet 1/1
ip msdp peer 192.168.2.10 connect-source ethernet 1/2
ip msdp peer 192.168.6.10 connect-source ethernet 1/3 remote-as 9
ip msdp password 192.168.6.10 my_peer_password_36
ip msdp mesh-group 192.168.1.10 mesh_group_123
ip msdp mesh-group 192.168.2.10 mesh_group_123
ip msdp mesh-group 192.168.3.10 mesh_group_123
• RP 5: 192.168.5.10(AS 8)
ip msdp peer 192.168.4.10 connect-source ethernet 1/1
ip msdp peer 192.168.6.10 connect-source ethernet 1/2 remote-as 9
ip msdp password 192.168.6.10 my_peer_password_56
• RP 6: 192.168.6.10(AS 9)
ip msdp peer 192.168.7.10 connect-source ethernet 1/1
ip msdp peer 192.168.3.10 connect-source ethernet 1/2 remote-as 7
ip msdp peer 192.168.5.10 connect-source ethernet 1/3 remote-as 8
ip msdp password 192.168.3.10 my_peer_password_36
ip msdp password 192.168.5.10 my_peer_password_56
その他の関連資料
MSDP の実装に関する詳細情報については、次の項目を参照してください。
• 「関連資料」
• 「規格」
• 付録 A「IP マルチキャストに関する IETF RFC」
関連資料
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CLI コマンド |
『Cisco Nexus 3000 Series Command Reference 』 |
規格
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|
この機能がサポートする新しい規格または変更された規格はありません。また、この機能で変更された既存規格のサポートはありません。 |
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IGMP の機能の履歴
表 5-6 に、この機能のリリース履歴を示します。
表 5-6 MSDP の機能の履歴
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|
|
MSDP |
5.0(3)U1(1) |
この機能が導入されました。 |