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この章では、QoS 機能の設定に使用できる Modular QoS CLI(MQC; モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス)オブジェクトの設定方法について説明します。
MQC は、QoS ポリシーを定義するための言語を提供します。
(注) MQC のコマンドは『Cisco NX-OS Quality of Service Command Reference』に記載されています。
2. ポリシーとアクションを各トラフィック クラスに関連付けます。
3. ポリシーを論理または物理インターフェイス、および VLAN に付加します。
MQC ではトラフィック クラスとポリシーを定義するための 3 種類のコマンドが提供されています。
• class-map ― パケット一致基準に基づいてトラフィックのクラスを表すクラス マップを定義します。クラス マップはポリシー マップ内で参照されます。
• table-map ― あるパケット フィールド値のセットから別のパケット フィールド値のセットへのマッピングを表すテーブル マップを定義します。テーブル マップはポリシー マップ内で参照されます。
• policy-map ― クラス単位でクラス マップに適用するポリシーのセットを表すポリシー マップを定義します。
クラス マップおよびポリシー マップを作成する場合は、次のクラス マップおよびポリシー マップ オブジェクト タイプを定義します。
• qos ― マーキングおよびポリシングに使用できる MQC オブジェクトを定義します。
• キューイング ― キューイングおよびスケジューリングに使用できる MQC オブジェクトを定義します。
service-policy インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポリシーをポート、ポート チャネル、VLAN、サブインターフェイス、またはトンネルに付加できます。
show table-map 、 show class-map 、 show policy-map の各コマンドを使用すると、MQC オブジェクトのすべての値または個々の値を表示できます。
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QoS にはライセンスは不要です。ライセンス パッケージに含まれていない機能は、Cisco NX-OS システム イメージにバンドルされて提供されます。追加料金は発生しません。NX-OS ライセンス方式の詳細については、『 Cisco NX-OS Licensing Guide 』を参照してください。 |
QoS ポリシーとキューイング ポリシーを設定するには、MQC のクラス マップ、ポリシー マップ、テーブル マップの各オブジェクトを使用します。キューイング ポリシーの中でテーブル マップを使用することはできません。クラス マップとポリシー マップを設定したら、各タイプのポリシー マップを 1 つ、インターフェイスのそれぞれの入力および出力方向に付加できます。図2-1 に、各インターフェイスで定義できる QoS ポリシーとキューイング ポリシーの最大数を示します。
図2-1 インターフェイスあたりの QoS ポリシーの最大数
ポリシー マップには、QoS ポリシーまたはキューイング ポリシーのいずれかが含まれます。ポリシー マップからは、トラフィック クラスを表すクラス マップの名前を参照します。トラフィックの各クラスについて、デバイスはユーザが選択したインターフェイスまたは VLAN にポリシーを適用します。
パケットとトラフィックのクラスが、1 番目のトラフィック クラス定義から順に照合されます。一致するものが見つかった場合は、そのクラスのポリシー アクションがパケットに適用されます。
予約済みのクラス マップはタイプ qos ポリシー内の一致しないすべてのトラフィックを受け取り、デバイスは他のすべてのトラフィック クラスと同様にポリシー アクションを適用します。変換を実行する場合は class-default を使用します(変換は、トラフィックを分類する前にパケット ヘッダー内の QoS 値を変換する方式です)。
(注) ユーザ定義の MQC オブジェクトには、それらが作成された Virtual Device Context(VDC; 仮想デバイス コンテキスト)からのみアクセスできます。システム定義の MQC オブジェクトには、すべての VDC からアクセスできます。
タイプ qos ポリシーは、パケットのマーキング、変換の適用、入力ポートの信頼状態の設定、およびポリシングに使用します。
図2-2 に、タイプ qos の関連する MQC オブジェクトを持ち変換を伴わない QoS ポリシーの構造を示します。また、図2-3 に、変換を伴う QoS ポリシーの構造を示します。MQC オブジェクトは太字で示しています。
図2-2 変換を伴わないタイプ qos の MQC オブジェクトの使用を示す QoS ポリシーの図
図2-3 変換を伴うタイプ qos の MQC オブジェクトの使用を示す QoS ポリシーの図
タイプ キューイング ポリシーは、パケットのマーキング、シェーピング、およびキューイングに使用します。マーキングは CoS フィールドに制限されています。マーキングではテーブル マップの使用はサポートされていません。
図2-4 に、タイプ キューイングの関連する MQC オブジェクトを持つ QoS ポリシーの構造を示します。MQC オブジェクトは太字で示しています。
(注) タイプ キューイングのポリシーで MQC テーブル マップ オブジェクトを使用することはできません。
図2-4 タイプ キューイングの MQC オブジェクトの使用を示す QoS ポリシーの図
(注) これらはデフォルトの MQC オブジェクトです。これらの値はすべて、全 VDC に対して適用されます。
ユーザが QoS 機能を設定する場合、およびシステムがこれらの MQC オブジェクトの 1 つを要求する場合に、システム定義オブジェクトを使用できます。 表2-1 に、システム定義の MQC オブジェクトを示します。これらのシステム定義オブジェクトの詳細については、オブジェクトの横に記載されている表を参照してください。
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表2-2 に、システムによって定義されているタイプ qos クラス マップを示します。
(注) conform-color-in、conform-color-out、exceed-color-in、または exceed-color-out クラス マップをポリシー マップ内で参照することはできません。
表2-3 に、システムによって定義されているタイプ キューイング クラス マップを示します。
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1p3q4t-out-pq1 1 |
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1.これらはプライオリティ キューまたは標準キューのいずれかです。priority キーワードを設定で使用した場合は、これらがプライオリティ キューとして使用されます。それ以外の場合は、標準キューとして使用されます。 |
表2-4 に、システムによって定義されているテーブル マップを示します。テーブル マップ内の値のデフォルトのマッピングは RFC 2597 で規定されています。
表2-5 に、システムによって定義されているポリシー マップを示します。
MQC オブジェクト コマンドを指定すると、デバイスは、オブジェクトが存在しない場合にオブジェクトを作成し、それからマップ モードを開始します。
クラス マップ、テーブル マップ、またはポリシー マップ オブジェクトを削除するには、オブジェクトの作成に使用したコマンドの no 形式を使用します。
MQC オブジェクト モードで使用できるコマンドについては、設定に関する次の各章を参照してください。
• 「分類の設定」
クラス マップを作成または変更できます。作成または変更後に、クラス マップをポリシー マップ内で参照できます。
(注) キューイング クラス マップは作成できません。表2-3 に示したいずれかのシステム定義のキューイング クラス マップを使用する必要があります。
2. class-map [ type qos ] [ match-any | match-all ] class-map-name
4. class-map [ type qos ] { conform-color-in | conform-color-out | exceed-color-in | exceed-color-out }
6. class-map type queuing match-any class-queuing-name
8. show class-map [type qos] [ class-map-name | conform-color-in | conform-color-out | exceed-color-in | exceed-color-out ]
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class-map [ type qos ] [ match-any | match-all ] class-map-name |
タイプ qos のクラス マップを作成するか、タイプ qos のクラス マップにアクセスし、クラス マップ qos モードを開始します。クラス マップ名には、アルファベット、ハイフン、またはアンダースコア文字を含めることができます。クラス マップ名は大文字と小文字が区別され、最大 40 文字まで設定できます。 |
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class-map [ type qos ] { conform-color-in | conform-color-out | exceed-color-in | exceed-color-out } |
(任意)システム定義のカラー マップのいずれかについて、タイプ qos のクラス マップにアクセスし、カラー マップ モードを開始します。 (注) これはカラー対応のポリシングが必要な場合にのみ使用します。 |
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class-map type queuing match-any [class-queuing-name switch(config)# class-map type queuing match-any 1p3q4t-out-pq1 |
タイプ キューイングのクラス マップを作成するか、タイプ キューイングのクラス マップにアクセスし、クラス マップ キューイング モードを開始します。クラス キューイング名については、 表2-3 を参照してください。 |
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show class-map [ type qos ] [ class-map-name | conform-color-in | conform-color-out | exceed-color-in | exceed-color-out ] |
(任意)設定済みのすべてのタイプ qos のクラス マップ、または選択したタイプ qos のクラス マップについて、情報を表示します。 |
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(任意)設定済みのすべてのタイプ キューイングのクラス マップ、または選択したタイプ キューイングのクラス マップについて、情報を表示します。クラス キューイング名については、 表2-3 を参照してください。 |
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ポリシー マップ内で参照できるテーブル マップを作成または変更できます。テーブル マップの設定については、「マーキングの設定」を参照してください。
4. table-map { cir-markdown-map | pir-markdown-map | cos-discard-class-map | cos-dscp-map | cos-precedence-map | dscp-cos-map | dscp-precedence-map | dscp-discard-class-map | precedence-dscp-map | precedence-cos-map | precedence-discard-class-map | discard-class-cos-map | discard-class-prec-map | discard-class-dscp-map }
6. show table-map [ table-map-name | cir-markdown-map | pir-markdown-map | cos-discard-class-map | cos-dscp-map | cos-precedence-map | dscp-cos-map | dscp-precedence-map | dscp-discard-class-map | precedence-dscp-map | precedence-cos-map | precedence-discard-class-map | discard-class-cos-map | discard-class-prec-map | discard-class-dscp-map }
ポリシー マップを作成または変更できます。ポリシー マップを使用して、クラス マップに対して実行するアクションを定義できます。
2. policy-map [ type qos ] [ match-first ] policy-map-name
4. policy-map type queuing [ match-first ] policy-map-name
6. show policy-map [ type qos ] [ policy-map-name ]
2. class-map [ type qos ] [ match-any | match-all ] class-map-name
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table-map table-map-name
または
policy-map [ type qos ] [ match-first ] policy-map-name
MQC オブジェクトの設定情報を表示するには、次の作業のいずれかを行います。
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show class-map [ type qos ] [ class-map-name | conform-color-in | conform-color-out | exceed-color-in | exceed-color-out ] |
設定済みのすべてのタイプ qos のクラス マップ、または選択したタイプ qos のクラス マップについて情報を表示します。 |
設定済みのすべてのタイプ キューイングのクラス マップ、または選択したタイプ キューイングのクラス マップについて情報を表示します。クラス キューイング名については、 表2-3 を参照してください。 |
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show table-map [ table-map-name | cir-markdown-map | pir-markdown-map | cos-discard-class-map | cos-dscp-map | cos-precedence-map | dscp-cos-map | dscp-precedence-map | dscp-discard-class-map | precedence-dscp-map | precedence-cos-map | precedence-discard-class-map | discard-class-cos-map | discard-class-prec-map | discard-class-dscp-map ] |
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設定済みのすべてのタイプ qos のポリシー マップ、または選択したタイプ qos のポリシー マップについて情報を表示します。 |
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設定済みのすべてのタイプ キューイングのポリシー マップ、または選択したタイプ キューイングのポリシー マップについて情報を表示します。 |
各コマンド出力のフィールドの詳細については、『 Cisco NX-OS Quality of Service Command Reference 』を参照してください。
ソフトウェアの設定コマンドを使用して QoS 機能をイネーブルまたはディセーブルにすることはできません。QoS 機能をイネーブルまたはディセーブルにするには、ここで説明する方法を使用して、インターフェイス、VLAN、またはトンネルに対して QoS ポリシーを付加または消去する必要があります。
(注) 機能トンネル コマンドを入力して tunnel feature を有効にし、トンネルを設定してから、ポリシーを付加する必要があります。
別のクラス マップを特に付加しない限り、システム定義のタイプ キューイング クラス マップ( 表2-3 を参照)が各インターフェイスに付加されます。
(注) デバイスでは、QoS ポリシーが、タイプ qos とタイプ キューイングのそれぞれのポリシーについて、1 方向(入力または出力)あたり 1 つのインターフェイスにつき 1 つに制限されています。
複数のインターフェイスで定義されているポリシーには次の制限があります。
• 物理ポートに付加された QoS ポリシーは、ポートがポート チャネルのメンバーとなっていない場合に有効になります。
• ポート チャネルに付加された QoS ポリシーは、ポリシーがメンバー ポートに付加されている場合でも有効になります。
• VLAN インターフェイスに付加された QoS ポリシーは、他のポリシーが特に適用されていないその VLAN 内のすべてのポートに適用されます。
• 各レイヤ 2 ポートおよびレイヤ 2 ポート チャネル インターフェイスについて、入力と出力の両方向で、1 つの入力ポリシー タイプ キューイングがサポートされています。出力タイプの qos ポリシーは、レイヤ 2 ポートおよびレイヤ 2 ポート チャネル インターフェイスでは使用できません。
• 各レイヤ 3 およびレイヤ 3 ポート チャネル インターフェイスについて、1 つの入力 QoS ポリシーと 1 つの出力 QoS ポリシーがサポートされています。
• 各 VLAN について、1 つの入力 QoS ポリシーと 1 つの出力 QoS ポリシーがサポートされています。
• 各レイヤ 2 ポート、レイヤ 2 ポート チャネル、レイヤ 3 ポート、およびレイヤ 3 ポート チャネル インターフェイスについて、1 つの入力キューイング ポリシーと 1 つの出力キューイング ポリシーがサポートされています。
• VLAN、ポート チャネル、またはその両方が複数のフォワーディング エンジンに接続すると、レートを強制するすべてのポリシーがフォワーディング エンジンごとに強制されます。
たとえば、特定の VLAN のレートを 100 Mbps に制限するポリサーが VLAN 上で設定されていて、あるモジュール上の VLAN 内にスイッチ ポートが 1 つあり、別のモジュール上の VLAN にもう 1 つスイッチ ポートがある場合は、各フォワーディング エンジンで 100 Mbps が強制されます。この場合、レートを 100 Mbps に制限するように設定したVLAN 内で、実際には最大 200 Mbps を使用できる可能性があります。
(注) 別のポリシーを設定して適用しない限り、デフォルトのキューイング ポリシーはアクティブです。デフォルトのキューイング ポリシーについては表2-5 を参照してください。
表2-6 に、QoS ポリシーが適用されるインターフェイスを示します。各行はインターフェイスのレベルを表しています。項目の説明は次のとおりです。
• 適用済み ― 付加されたポリシーが適用されているインターフェイス
• 存在 ― ポリシーが付加されているものの適用されていないインターフェイス
• 存在または非存在 ― ポリシーが付加されているかどうかが不明で、適用されていないインターフェイス
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ポリシー マップをインターフェイスに付加するには、 service-policy インターフェイス コマンド モードまたは VLAN コマンド モードを使用します。ポリシー マップで定義したポリシーをインターフェイス上のパケットの入力ストリームに適用するか出力ストリームに適用するかを指定できます。
ポリシー マップをインターフェイスまたは VLAN から消去するには、 service-policy インターフェイス コマンド モードまたは VLAN コマンド モードの no 形式を使用します。
2. interface { [ ethernet slot / port ] | [ port-channel channel-number ] | [ vlan vlan-id ] | [ tunnel number ]}
3. service-policy [ type qos ] { input | output } policy-map-name [ no-stats ]
4. show policy-map [ interface interface | vlan vlan_id ] [ input | output ] [ type qos | queuing ] [ class [ type qos | queuing ] class-map-name ]
表2-7 に、この機能のリリース履歴を示します。
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タイプ キューイング default-in-policy についてのみ、WRR が 50/50 から 80/20 に変更されました。 |
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