この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、NX-OS HA システムおよびアプリケーションの再起動操作について説明します。
• 「NX-OS システム レベル ハイ アベイラビリティについて」
• 「参考文献」
Cisco NX-OSシステム レベル HA は、ハードウェアおよびソフトウェア障害の影響を軽減します。サポートされている機能は次のとおりです。
物理要件および冗長なハードウェア コンポーネントの詳細については、それぞれ、『 Cisco Nexus 7000 Series Site Preparation Guide 』および『 Cisco Nexus 7000 Series Hardware Installation and Reference Guide 』を参照してください。
–インサービス ソフトウェア アップグレード(ISSU) ― 中断なしのアップグレードのコンフィギュレーションと実行については、 第 5 章「インサービス ソフトウェア アップグレードの理解」 を参照してください。
–ノンストップ フォワーディング(NSF) ― ノンストップ フォワーディング(別名 グレースフル リスタート )については、『 Cisco NX-OS Unicast Routing Configuration Guide 』Release 4.0 を参照してください。
–仮想デバイス コンテキスト(VDC) ― VDC と HA については、『 Cisco NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide 』Release 4.0 を参照してください。
–Generic Online Diagnostics(GOLD; 汎用オンライン診断) ― GOLD の設定については、『 Cisco NX-OS System Management Configuration Guide 』Release 4.0 を参照してください。
–Embedded Event Manager(EEM; 組み込みイベント マネージャ) ― EEM の設定については、『 Cisco NX-OS System Management Configuration Guide 』Release 4.0 を参照してください。
–Smart Call Home ― Smart Call Home の設定については、『 Cisco NX-OS System Management Configuration Guide 』Release 4.0 を参照してください。
仮想デバイス コンテキスト(VDC)におけるシステム レベル ハイ アベイラビリティの詳細は、「VDCハイ アベイラビリティ」を参照してください。
(注) VDC の詳細については、『Cisco NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide』Release 4.0 を参照してください。
次の表に、システム レベル ハイ アベイラビリティ機能のライセンス要件を示します。
Nexus 7000 シリーズは、次の物理的な冗長性を備えています。
• 「電源の冗長性」
物理的な冗長性の詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series Site Preparation Guide 』および『 Cisco Nexus 7000 Series Hardware Installation and Reference Guide 』を参照してください。
Nexus 7000 シリーズでは、電源モジュールを 3 台まで搭載できます。各電源モジュールは、入力数と入力電圧に応じて、6.0 KW まで出力できます。2 つまたは 3 つの電源モジュールを装着することで、いずれか 1 つのモジュールで障害が発生してもシステムの動作が停止することはなくなります。障害の発生した電源モジュールはシステムを稼働させたまま交換できます。電源モジュールの装着と交換については、『 Cisco Nexus 7000 Series Hardware Installation and Reference Guide 』を参照してください。
冗長性を高めるため、各電源モジュールは内部が 2 つに分かれた電源ユニットで構成されています。これにより、電源モジュールごとに 2 つの電源経路が、フル装備ではシャーシ全体で 6 つの電源経路が確保されます。また、電源サブシステムにより、3 つの電源装置を、4 つのうちいずれかの冗長モードで構成できます。
4 つの電源冗長モードはそれぞれ、異なる電力バジェットと割り当てモデルを使用しており、使用可能な出力と容量も異なります。電力バジェット、使用可能な容量、要件計画、冗長構成の詳細については、『 Cisco NX-OS Fundamentals Configuration Guide 』Release 4.0 の「システム管理」の章を参照してください。
表3-1 に、使用可能な電源装置冗長モードについて説明します。
Cisco Nexus 7000 シリーズ シャーシは、入出力モジュールの冷却用に 2 つの冗長なシステム ファン トレイを備えており、さらに SFM の冷却用に 2 つのファン トレイを備えています。各ペアのファン トレイのどちらか一方が動作していれば、システムを冷却できます。
ファンの回転速度は可変であり、16 段階のいずれかに自動的に調整されます。これにより、システム全体の騒音と消費電力を最小限に抑えながら、システムの冷却効果を最適化します。特定のファン トレイ内のファンに故障が検出されると、残りのファンの回転速度が速くなり、故障したファンによって失われた冷却能力を補います。ファン トレイ全体を取り外した後、置換していないことが検出されると、3 分間の警告期間が経過したあと、システムのシャットダウンが開始されます。
Cisco NX-OSは、冗長な SFM によってスイッチング ファブリックの可用性を実現しています。1 台の Nexus 7000 シリーズに 1 ~ 5 枚の Switch Fabric Card(SFC; スイッチ ファブリック カード)を装着して、容量と冗長性を高めることができます。システムに装着された各入出力モジュールは、SFM モジュールに自動的に接続され、それらの機能を利用できます。いずれかの SFM で障害が発生すると、残りのアクティブな SFM 間で、自動的にトラフィックの再割り当てと均等化が行われます。故障した SFM を置換すると、これとは逆のプロセスが実行されます。新しいファブリック モジュールを装着してオンラインにすると、装着されたすべてのファブリック モジュール間でトラフィックが再配分され、元の冗長性が復元されます。
Nexus 7000 シリーズでは、デュアル スーパーバイザ モジュールによって、プレーンの制御および管理機能において 1+1 の冗長性を実現しています。デュアル スーパーバイザ構成は、アクティブ/スタンバイ構成で動作します。常に、どちらか一方のスーパーバイザ モジュールだけがアクティブ状態にあり、もう一方のモジュールはスタンバイ バックアップとして機能します。2 つのスーパーバイザ モジュール間で状態とコンフィギュレーションが常に同期された状態に維持されるため、アクティブなスーパーバイザ モジュールの障害発生時にステートフルなスイッチオーバーが可能です。
Cisco NX-OS の Generic On-Line Diagnostics(GOLD; 汎用オンライン診断)サブシステムとスーパーバイザ上の追加のモニタリング プロセスは、回復不可能な重大な障害、サービス再起動エラー、カーネル エラー、ハードウェア障害が検出されると、冗長なスーパーバイザへのステートフル フェールオーバーを起動します。
スーパーバイザ レベルの回復不能な障害が発生すると、稼働中で、障害を起こしたスーパバイザが、スイッチオーバーを起動します。すると、スタンバイ スーパーバイザが新しくアクティブなスーパーバイザとなり、同期された状態およびコンフィギュレーションを使用し、一方で障害の発生したスーパーバイザはリロードされます。リロードが完了し自己診断に合格すると、初期化され、新たなスタンバイ スーパーバイザとなり、新しくアクティブになったユニットと動作状態を同期させます。
スーパーバイザ スイッチオーバー の詳細については「スーパーバイザの再起動とスイッチオーバー」を参照してください。
スーパーバイザが 1 台だけ搭載されたシステムでは、すべての HA ポリシーがサービスの再起動に失敗すると、スーパーバイザが再起動されます。その場合、スーパーバイザとすべてのサービスがリセットされ、以前の状態情報なしで起動されます。
スーパーバイザが 2 台搭載されたシステムでスーパーバイザ レベルの障害が発生すると、システム マネージャは、ステートフルな動作を維持するため、再起動ではなくスイッチオーバーを実行します。ただし、障害発生時にスイッチオーバーが実行できない場合があります。たとえば、スタンバイ スーパーバイザ モジュールが安定したスタンバイ状態にない場合は、スイッチオーバーではなく再起動が実行されます。
デュアル スーパーバイザ構成では、スーパーバイザ レベルの障害が発生したとき、SSO によるノンストップ フォワーディング(NSF)が可能です。2 台のスーパーバイザは、アクティブ/スタンバイ構成で動作します。常に、どちらか一方のスーパーバイザ モジュールだけがアクティブ状態にあり、もう一方のモジュールはスタンバイ バックアップとして機能します。2 台のスーパーバイザは常に状態とコンフィギュレーションが同期された状態を維持します。これにより、アクティブなスーパーバイザ モジュールで障害が発生したとき、大半のサービスでシームレスかつステートフルなスイッチオーバーを実行できます。
• コントロール トラフィックが影響を受けないため、ステートフル(中断なし)である。
スイッチオーバーは、次のどちらかのメカニズムによって発生します。
• アクティブ スーパーバイザ モジュールで障害が発生し、スタンバイ スーパーバイザ モジュールが自動的に処理を引き継ぐ。
• アクティブ スーパーバイザ モジュールからスタンバイ スーパーバイザ モジュールへのスイッチオーバーをユーザが手動で起動する。
いったんスイッチオーバー プロセスが開始されると、スタンバイ スーパーバイザ モジュールが安定して使用可能になるまで、同じスイッチ上で別のスイッチオーバー プロセスを開始することはできません。
スイッチオーバーが 28 秒内に正常に終了しないと、スーパーバイザがリセットされます。リセットにより、スイッチオーバー処理中にネットワーク トポロジが変更されていた場合でも、レイヤ 2 ネットワークでループが発生することがなくなります。この回復機能で最適なパフォーマンスが得られるように、Spanning Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)のデフォルト タイマーは変更しないようにしてください。
20 秒以内にシステム起動のスイッチオーバーが 3 回発生すると、スイッチオーバーが無限に繰り返されるのを防ぐため、すべての非スーパーバイザ モジュールがシャットダウンされます。スーパーバイザは動作を継続するため、スイッチをリセットする前にシステム ログを収集できます。
アクティブ スーパーバイザ モジュールからスタンバイ スーパーバイザ モジュールへのスイッチオーバーを手動で起動するには、 system switchover コマンドを入力します。いったんこのコマンドを入力すると、スタンバイ スーパーバイザ モジュールが安定して使用可能になるまで、同じシステム上で別のスイッチオーバー プロセスを開始することはできません。
(注) スタンバイ スーパーバイザ モジュールが安定したスタンバイ状態(ha-standby 状態)にない場合は、手動によるスイッチオーバーは実行されません。
HA スイッチオーバーが実行可能かどうかを確認するには、 show system redundancy status コマンドまたは show module コマンドを入力します。コマンドの出力にスタンバイ スーパーバイザ モジュールの状態として ha-standby が表示されたら、手動でスイッチオーバーを開始できます。
スイッチオーバーを実行する際には次の注意事項に留意してください。
• スイッチオーバーを手動で開始すると、2 つのスーパーバイザ モジュールが存在することを示すシステム メッセージが表示されます。
ここでは、スイッチオーバーの前のスイッチとモジュールのステータスを確認する方法を説明します。
• システムがスイッチオーバーを実行できる状態かどうかを確認するには、 show system redundancy status コマンドを使用します。 show system redundancy status コマンドの詳細については、「HA ステータス情報の表示」を参照してください。
• 任意の時点のモジュールのステータス(存在)を確認するには、 show module コマンドを使用します。 show module コマンドの出力例を以下に示します。
出力の Status 列に、スイッチング モジュールの場合は OK、スーパーバイザ モジュールの場合は active または ha-standby と表示されている必要があります。
• auto-copy 機能の設定、およびスタンバイ スーパーバイザ モジュールへの auto-copy が進行中かどうかを確認するには、 show boot auto-copy コマンドを使用します。 show boot auto-copy コマンドの出力例を以下に示します。
システムの HA ステータスを表示するには、 show system redundancy status コマンドを使用します。表 3-2 および 3-4 に、冗長性、スーパーバイザ、内部状態のとり得る出力値を示します。
• 一方のスーパーバイザ モジュールの内部ステートが Active with HA standby、もう一方のスーパーバイザ モジュールのステートが ha-standby のとき、システムは HA 状態で動作しており、自動同期化を実行できます。
• どちらか一方のスーパーバイザ モジュールの内部ステートが none であるとき、システムは自動同期化を実行できません。
表3-2 に、冗長ステートのとり得る値を示します。
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システムがスーパーバイザ モジュールの初期化中に障害を検出し、そのモジュールの電源の投入と切断を 3 回自動的に試行しましたが、依然として faild(障害ステート)と表示されています。 |
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表3-3 に、スーパーバイザ モジュール ステートのとり得る値を示します。
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表3-4 に、内部冗長ステートのとり得る値を示します。
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スタンバイ スーパーバイザ モジュールの HA スイッチオーバー メカニズムが有効です(スイッチオーバーの手動による起動を参照)。 |
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スイッチ内のアクティブなスーパーバイザ モジュールの構成準備ができました。スタンバイ スーパーバイザ モジュールは ha-standby ステートです。 |
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アクティブ スーパーバイザ モジュールとセカンダリ スーパーバイザ モジュールが存在していますが、セカンダリ スーパーバイザ モジュールが機能していません。 |
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Cisco NX-OSソフトウェアには、コントロール プレーンで障害やスイッチオーバーが発生した場合の影響を最小限に抑えるハイ アベイラビリティ(HA)機能が組み込まれています。サービス再起動、スーパーバイザ モジュールのステートフルなスイッチオーバー、インサービス ソフトウェア アップグレード(ISSU)など、さまざまな HA サービス レベルによってデータ プレーンの保護が実現されます。これらのハイ アベイラビリティ機能はずべて、VDC をサポートしています。
VDC で回復不可能なエラーが発生した場合、NX-OS ソフトウェアでは、VDC ごとに指定できる HA ポリシーによって処理できます。HA ポリシーに指定できる対処方法は次のとおりです。
• 停止(Bringdown) ― VDC を障害ステートに移行します。障害ステートから回復するには、当該 VDC を削除してから再作成する必要があります。
• リセット(Reset) ― 2 台のスーパーバイザ モジュールを搭載した NX-OS デバイスの場合はスーパーバイザ モジュール スイッチオーバーを起動します。スーパーバイザ モジュールを 1 台しか搭載していない NX-OS デバイスの場合は、リロードを実行します。
• 起動(Restart) ― VDC を削除し、スタートアップ コンフィギュレーションを使用して再作成します。
VDC と HA の詳細については、『 Cisco NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide 』Release 4.0 を参照してください。
システム レベルの HA 機能の実装に関する詳細は、次の各セクションを参照してください。
• 「関連資料」
• 「標準」
• 「MIB」
• 「RFC」
• 「技術サポート」
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この機能によってサポートされるようになった新規の標準または変更された標準はありません。また、サポートされている既存の標準は、この機能でもサポートされます。 |
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MIB を検索およびダウンロードするには、次の URL にアクセスしてください。 http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml |
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