インターフェイス タイプの概要
ここでは、スイッチによってサポートされる各種インターフェイス タイプについて説明するとともに、これらのインターフェイス タイプの設定に関する詳細情報が記載された章についても言及します。
• 「ポートベースの VLAN」
• 「スイッチ ポート」
• 「EtherChannel ポート グループ」
• 「デュアルパーパス アップリンク ポート」
• 「Power over Ethernet(PoE)ポート」
• 「インターフェイスの接続」
ポートベースの VLAN
VLAN は、ユーザの物理的な位置に関係なく、機能、チーム、またはアプリケーションなどで論理的に分割されたスイッチによるネットワークです。VLAN の詳細については、「VLAN の設定」を参照してください。ポートで受信したパケットが転送されるのは、その受信ポートと同じ VLAN に属するポートに限られます。異なる VLAN 上のネットワーク デバイスは、VLAN 間でトラフィックをルーティングするレイヤ 3 デバイスがなければ、互いに通信できません。
VLAN に分割することにより、VLAN 内でトラフィック用の堅固なファイアウォールを実現します。また、各 VLAN には固有の MAC(メディア アクセス制御)アドレス テーブルがあります。VLAN が認識されるのは、ローカル ポートが VLAN に対応するように設定されたとき、VLAN Trunking Protocol(VTP; VLAN トランキング プロトコル)トランク上のネイバからその存在を学習したとき、またはユーザが VLAN を作成したときです。
VLAN を設定するには、 vlan vlan-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。標準範囲 VLAN(VLAN ID 1 ~ 1005)の VLAN 設定は、VLAN データベースに保存されます。VTP がバージョン 1 または 2 の場合に拡張範囲 VLAN(VLAN ID 1006 ~ 4094)を設定するには、最初に VTP モードをトランスペアレントに設定する必要があります。トランスペアレント モードで作成された拡張範囲 VLAN は、VLAN データベースには追加されず、スイッチの実行コンフィギュレーションに格納されます。VTP バージョン 3 では、クライアントまたはサーバ モードで拡張範囲 VLAN を作成できます。これらの VLAN は VLAN データベースに格納されます。
switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用すると、VLAN にポートが追加されます。
• インターフェイスを特定します。
• トランク ポートには、トランク特性を設定し、必要に応じて所属できる VLAN を定義します。
• アクセス ポートには、所属する VLAN を設定して定義します。
スイッチ ポート
スイッチ ポートは、物理ポートに対応付けられたレイヤ 2 専用インターフェイスです。スイッチ ポートは 1 つまたは複数の VLAN に所属します。スイッチ ポートは、物理インターフェイスおよび対応するレイヤ 2 プロトコルの管理に使用されます。
スイッチ ポートは、アクセス ポートまたはトランク ポートにも使用できます。ポートは、アクセス ポートまたはトランク ポートに設定できます。また、ポート単位で Dynamic Trunking Protocol(DTP)を稼動させ、リンクのもう一端のポートとネゴシエートすることで、スイッチ ポート モードも設定できます。
スイッチ ポートの設定には、 switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
アクセス ポート特性およびトランク ポート特性の設定についての詳細については、「VLAN の設定」 を参照してください。
アクセス ポート
アクセス ポートは(音声 VLAN ポートとして設定されている場合を除き)1 つの VLAN だけに所属し、その VLAN のトラフィックだけを伝送します。トラフィックは、VLAN タギングなしのネイティブ フォーマットで送受信されます。アクセス ポートに着信したトラフィックは、ポートに割り当てられている VLAN に所属すると見なされます。
アクセス ポートが 802.1Q タグ付きパケットを受信した場合、そのパケットは廃棄され、送信元アドレスは学習されません。
2 種類のアクセス ポートがサポートされています。
• スタティック アクセス ポート。このポートは、手動で VLAN に割り当てます(IEEE 802.1x で使用する場合は RADIUS サーバを使用します。詳細については、「VLAN 割り当てを使用した 802.1x 認証」を参照してください。
• ダイナミック アクセス ポートの VLAN メンバシップは、着信パケットを通じて学習されます。デフォルトでは、ダイナミック アクセス ポートはどの VLAN のメンバーでもなく、ポートとの伝送はポートの VLAN メンバシップが検出されたときにだけイネーブルになります。スイッチ上のダイナミック アクセス ポートは、VLAN Membership Policy Server(VMPS; VLAN メンバシップ ポリシー サーバ)によって VLAN に割り当てられます。VMPS として動作できるのは、Catalyst 6500 シリーズ スイッチです。Catalyst 2960 スイッチを VMPS サーバにすることはできません。
また、Cisco IP Phone と接続するアクセス ポートを、1 つの VLAN は音声トラフィック用に、もう 1 つの VLAN は Cisco IP Phone に接続しているデバイスからのデータ トラフィック用に使用するように設定できます。音声 VLAN ポートの詳細については、「音声 VLAN の設定」 を参照してください。
トランク ポート
トランク ポートは複数の VLAN のトラフィックを伝送し、デフォルトで VLAN データベース内のすべての VLAN のメンバーとなります。
スイッチは、IEEE 802.1Q トランク ポートだけをサポートします。IEEE 802.1Q トランク ポートは、タグ付きとタグなしの両方のトラフィックを同時にサポートします。IEEE 802.1Q トランク ポートは、デフォルトの Port VLAN ID(PVID; ポート VLAN ID)に割り当てられ、すべてのタグなしトラフィックはポートのデフォルト PVID 上を流れます。NULL VLAN ID を備えたすべてのタグなしおよびタグ付きトラフィックは、ポートのデフォルト PVID に所属するものと見なされます。発信ポートのデフォルト PVID と等しい VLAN ID を持つパケットは、タグなしで送信されます。残りのトラフィックはすべて、VLAN タグ付きで送信されます。
デフォルトでは、トランク ポートは、VTP に認識されているすべての VLAN のメンバーですが、トランク ポートごとに VLAN の許可リストを設定して、VLAN メンバシップを制限できます。許可 VLAN のリストは、その他のポートには影響を与えませんが、対応トランク ポートには影響を与えます。デフォルトでは、使用可能なすべての VLAN(VLAN ID 1 ~ 4094)が許可リストに含まれます。トランク ポートは、VTP が VLAN を認識し、VLAN がイネーブル状態にある場合に限り、VLAN のメンバーになることができます。VTP が新しいイネーブル VLAN を認識し、その VLAN がトランク ポートの許可リストに登録されている場合、トランク ポートは自動的にその VLAN のメンバーになり、トラフィックはその VLAN のトランク ポート間で転送されます。VTP が、VLAN のトランク ポートの許可リストに登録されていない、新しいイネーブル VLAN を認識した場合、ポートはその VLAN のメンバーにはならず、その VLAN のトラフィックはそのポート間で転送されません。
トランク ポートの詳細については、「VLAN の設定」 を参照してください。
EtherChannel ポート グループ
EtherChannel ポート グループは、複数のスイッチ ポートを 1 つのスイッチ ポートとして扱います。このようなポート グループは、スイッチ間、またはスイッチおよびサーバ間で広帯域接続を行う単一論理ポートとして動作します。EtherChannel は、チャネルのリンク全体でトラフィックの負荷を分散させます。EtherChannel 内のリンクで障害が発生すると、それまでその障害リンクで伝送されていたトラフィックが EtherChannel 内の残りのリンクに切り替えられます。複数のトランク ポートを 1 つの論理トランク ポートに、または複数のアクセス ポートを 1 つの論理アクセス ポートにグループ化できます。ほとんどのプロトコルは単一のまたは集約スイッチ ポートで動作し、ポート グループ内の物理ポートを認識しません。例外は、DTP、Cisco Discovery Protocol(CDP)、および Port Aggregation Protocol(PAgP)で、物理ポート上でしか動作しません。
EtherChannel を設定するとき、ポートチャネル論理インターフェイスを作成し、EtherChannel にインターフェイスを割り当てます。channel-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ダイナミックにポート チャネル論理インターフェイスを作成します。このコマンドは物理および論理ポートをバインドします。
詳細は、「EtherChannel およびリンクステート トラッキングの設定」 を参照してください。
デュアルパーパス アップリンク ポート
一部の 2960 スイッチでは、デュアルパーパス アップリンク ポートがサポートされています。各アップリンク ポートはデュアル フロント エンド(RJ-45 コネクタおよび Small Form-factor Pluggable(SFP; 着脱可能小型フォーム ファクタ)モジュール コネクタ)を持つ 1 つのインターフェイスと見なされます。デュアル フロント エンドは冗長インターフェイスではありません。スイッチはペアのうちの 1 つのコネクタのみをアクティブにします。
デフォルトでは、スイッチは最初にリンクするインターフェイス タイプを動的に選択します。ただし、 media-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で RJ-45 コネクタまたは SFP モジュール コネクタを選択できます。デュアルパーパス アップリンクのデュプレックス設定および速度設定については、「インターフェイス速度およびデュプレックス パラメータの設定」を参照してください。
各アップリンク ポートには、2 つの LED が付いています。1 つは RJ-45 ポートのステータスを示すもので、もう 1 つは SFP モジュール ポートのステータスを示すものです。ポート LED は、いずれかのコネクタがアクティブのときに点灯します。LED の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
Power over Ethernet(PoE)ポート
(注) PoE がサポートされているのは、スイッチで LAN Base イメージが実行されている場合だけです。
PoE 対応スイッチ ポートは、次のような接続された装置に電力を自動的に供給します(スイッチが回路に電力が供給されていないことをスイッチが検知した場合)。
• シスコの先行標準装置(Cisco IP Phone および Cisco Aironet アクセス ポートなど)
• IEEE 802.3af に準拠した受電装置
受電装置が PoE スイッチ ポートと AC 電源にだけ接続している場合は、冗長電力を受電できます。
スイッチは受電装置の検出後、この装置の電力要件を決定し、装置への電力供給を許可または拒否します。また、スイッチは消費電力を監視およびポリシングすることで、装置の電力の消費をリアルタイムに検知できます。
ここでは、次の PoE 情報について説明します。
• 「サポート対象のプロトコルおよび規格」
• 「受電装置の検出および初期電力割り当て」
• 「電力管理モード」
• 「電力モニタリングおよび電力ポリシング」
サポート対象のプロトコルおよび規格
スイッチは PoE のサポートで次のプロトコルと規格を使用します。
• 電力の消費について CDP を使用:受電装置は、スイッチに消費している電力量を通知します。スイッチはこの電力消費に関するメッセージに応答しません。スイッチは、PoE ポートに電力を供給するか、このポートへの電力を取り除くだけです。
• シスコのインテリジェントな電力管理:受電装置およびスイッチは、電力ネゴシエーション CDP メッセージによって消費電力レベルを合意するためのネゴシエーションを行います。このネゴシエーションにより、7 W より多くを消費する高電力のシスコ受電装置は、最も高い電力モードで動作できるようになります。受電装置は、最初に低電力モードでブートして 7 W 未満の電力を消費し、ネゴシエーションを行って高電力モードで動作するための十分な電力を取得します。受電装置が高電力モードに切り替わるのは、スイッチから確認を受信した場合に限られます。
高電力装置は、電力ネゴシエーション CDP をサポートしないスイッチで低電力モードによって動作できます。
シスコのインテリジェントな電力管理の機能には、電力消費に関して CDP との下位互換性があるため、スイッチは、受信する CDP メッセージに従って応答します。CDP はサードパーティの受電装置をサポートしません。このため、スイッチは、IEEE 分類を使用して装置の消費電力を判断します。
• IEEE 802.3a:この規格の主な機能は、受電装置の検出、電力の管理、切断の検出です。オプションとして受電装置の電力分類があります。詳細については、この規格を参照してください。
受電装置の検出および初期電力割り当て
スイッチは、PoE 対応ポートがシャットダウンの状態でなく、PoE はイネーブルになっていて(デフォルト)、接続した装置は AC アダプタから電力供給されていない場合、シスコの先行標準受電装置または IEEE 準拠の受電装置を検出します。
装置の検出後、スイッチは、次のように装置のタイプに応じて電力要件を判断します。
• シスコの先行標準受電装置は、スイッチから検出された時点では自身の電力要件を提供しないので、スイッチはパワー バジェットの初期割り当てとして 15.4 W を割り当てます。
初期電力割り当ては、受電装置が要求する最大電力量です。スイッチは、受電装置を検出および電力供給する場合、この電力を最初に割り当てます。スイッチが受電装置から CDP メッセージを受信し、受電装置が CDP 電力ネゴシエーション メッセージを通じてスイッチと電力レベルをネゴシエートしたときに、初期電力割り当てが調整される場合があります。
• スイッチは検出した IEEE 装置を消費電力クラス内で分類します。スイッチは、パワー バジェットに使用可能な電力量に基づいて、ポートに通電できるかどうかを決定します。 表 11-1 に、各種レベルの一覧を示します。
表 11-1 IEEE 電力分類
|
|
0(クラス ステータスは不明) |
15.4 W |
1 |
4 W |
2 |
7 W |
3 |
15.4 W |
4(将来の使用のために予約) |
クラス 0 として取り扱う |
スイッチは電力要求を監視および追跡して必要な場合にだけ電力供給を許可します。スイッチは自身のパワー バジェット(PoE のスイッチで使用可能な電力量)を追跡します。電力の供給許可または拒否がポートで行われると、スイッチはパワーアカウンティング計算を実行し、パワー バジェットを最新に保ちます。
電力がポートに適用されると、スイッチは CDP を使用して、接続されたシスコの受電装置の 実際の 電力消費要件を判断し、必要に応じてパワー バジェットを調整します。これは、サードパーティの PoE 装置には適用されません。スイッチは要件を処理して電力の供給を許可または拒否します。要求が許可されると、スイッチはパワー バジェットを更新します。要求が拒否された場合は、スイッチはポートの電力がオフに切り替わっていることを確認し、syslog メッセージを生成して LED を更新します。受電装置はより多くの電力について、スイッチとのネゴシエーションを行うこともできます。
不足電圧、過電圧、オシレータ障害、または短絡状態による障害をスイッチが検出した場合、ポートへの電源をオフにし、syslog メッセージを生成し、パワー バジェットと LED を更新します。
電力管理モード
スイッチでは、次の PoE モードがサポートされます。
• auto :接続されている装置で電力が必要であるかどうか、スイッチが自動的に検出します。ポートに接続されている受電装置をスイッチが検出し、スイッチに十分な電力がある場合、スイッチは電力を供給してパワー バジェットを更新し、先着順でポートの電力をオンに切り替えて LED を更新します。LED の詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
すべての受電装置用としてスイッチに十分な電力がある場合は、すべての受電装置が起動します。スイッチに接続された受電装置すべてに対し十分な電力が利用できる場合、すべての装置に電力を供給します。使用可能な PoE がない場合、または他の装置が電力供給を待機している間に装置の接続が切断されて再接続した場合、どの装置へ電力を供給または拒否されるかが判断できなくなります。
許可された電力がシステムのパワー バジェットを超えている場合、スイッチは電力を拒否し、ポートへの電力がオフになっていることを確認したうえで syslog メッセージを生成し、LED を更新します。電力供給が拒否されたあと、スイッチは定期的にパワー バジェットを再確認し、継続して電力要求の許可を試みます。
スイッチにより電力を供給されている装置が、さらに壁面コンセントに接続している場合、スイッチは装置に電力を供給し続ける場合があります。このとき、装置がスイッチから受電しているか、AC 電源から受電しているかにかかわらず、スイッチは引き続き装置へ電力を供給していることを報告し続ける場合があります。
受電装置が取り外された場合、スイッチは切断を自動的に検出し、ポートから電力を取り除きます。非受電装置を接続しても、その装置に障害は発生しません。
ポートで許可される最大ワット数を指定できます。受電装置の IEEE クラス最大ワット数が設定されている最大値より大きい場合、スイッチはそのポートに電力を供給しません。スイッチが受電装置に電力供給したが、受電装置が設定の最大値より多くの電力を CDP メッセージによってあとで要求した場合、スイッチはポートの電力を取り除きます。その受電装置に割り当てられていた電力は、グローバル パワー バジェットに送られます。ワット数を指定しない場合、スイッチは最大値の電力を供給します。任意の PoE ポートで auto 設定を使用してください。auto モードがデフォルト設定です。
• static :スイッチは、受電装置が接続されていなくてもポートに電力をあらかじめ割り当て、そのポートで電力が使用できるようにします。スイッチは、設定された最大ワット数をポートに割り当てます。その値は、IEEE クラスまたは受電装置からの CDP メッセージによって調節されることはありません。これは、電力があらかじめ割り当てられていることから、最大ワット数以下の電力を使用するすべての受電装置が固定ポートに接続されている場合に電力が保証されるためです。ポートはもう先着順方式ではなくなります。
ただし、受電装置の IEEE クラスが最大ワット数を超えると、スイッチは装置に電力を供給しません。受電装置が最大ワット数を超えた量を要求していることを CDP メッセージを通じてスイッチが認識すると、その受電装置がシャットダウンされます。
ワット数を指定しない場合、スイッチは最大数をあらかじめ割り当てます。スイッチは、受電装置を検出した場合に限り、ポートに電力を供給します。優先順位が高いインターフェイスには、 static 設定を使用してください。
• never :スイッチは受電装置の検出をディセーブルにして、電力が供給されていない装置が接続されても、PoE ポートに電力を供給しません。このモードは、PoE 対応ポートに電力を適用することがなく、そのポートをデータ専用とする場合にだけ使用してください。
PoE ポートの設定の詳細については、「PoE ポートの電力管理モードの設定」を参照してください。
電力モニタリングおよび電力ポリシング
リアルタイムの消費電力のポリシングをイネーブルにした場合、受電装置が最大割り当て( カットオフ電力値 )を超えて電力を消費すると、スイッチはアクションを開始します。
PoE がイネーブルの場合、スイッチは受電装置のリアルタイムの消費電力を検出します。接続されている受電装置のリアルタイム消費電力をスイッチが監視することを 電力モニタリング または 電力検知 と呼びます。スイッチは 電力ポリシング 機能を使用して、使用電力にポリシングも行います。
電力モニタリングは、シスコのインテリジェントな電力管理および CDP ベースの消費電力に対して下位互換性があります。電力モニタリングはこれらの機能とともに動作して、PoE ポートが受電装置に電力を供給できるようにします。PoE 機能の詳細については、「受電装置の検出および初期電力割り当て」を参照してください。
スイッチは次のようにして、接続されている装置のリアルタイム消費電力を検知します。
1. スイッチは、個々のポートでリアルタイム消費電力を監視します。
2. スイッチは、ピーク時の消費電力を含め、消費電力を記録します。スイッチは、SNMP MIB、CISCO-POWER-ETHERNET-EXT-MIB を使用してこの情報を報告します。
3. 電力ポリシングがイネーブルの場合、スイッチはリアルタイムの消費電力を装置に割り当てられた最大電力と比較して、消費電力をポリシングします。 カットオフ電力 とも呼ばれる、PoE ポートでの最大消費電力の詳細については、 「PoE ポートでの最大電力割り当て(カットオフ電力)」 を参照してください。
装置がポートで最大電力割り当て以上の電力を使用すると、スイッチは、スイッチ コンフィギュレーションに基づいて、ポートへの電力をオフにするか、受電装置に電力を供給しながら syslog メッセージを生成して LED(ポート LED はオレンジ色で点滅)を更新することができます。デフォルトでは、すべての PoE ポートで消費電力のポリシングはディセーブルになっています。
PoE の errdisable ステートからのエラー回復がイネーブルの場合、指定の時間の経過後、スイッチは PoE ポートを errdisable ステートから自動的に回復させます。
エラー回復がディセーブルの場合、 shutdown および no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で PoE ポートをイネーブルにできます。
4. ポリシングがディセーブルの場合、受電装置が PoE ポートに割り当てられた最大電力より多くの量を消費し、スイッチに悪影響を与える可能性がある場合でも、アクションは実行されません。
PoE ポートでの最大電力割り当て(カットオフ電力)
電力ポリシングがイネーブルの場合、スイッチは次の順序でいずれかの値を PoE ポートでのカットオフ電力とします。
1. power inline consumption default wattage グローバル コンフィギュレーション コマンドまたはインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力する場合、スイッチがポート用に確保するユーザ定義の電力レベル
2. power inline auto max max-wattage または power inline static max max-wattage インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力する場合、ポートで許可される電力を制限するユーザ定義の電力レベル
3. CDP パワー ネゴシエーションまたは IEEE 分類を使用してスイッチが設定した装置の消費電力
4. スイッチが設定したデフォルトの消費電力(デフォルト値は 15.4 W)
power inline consumption default wattage または power inline [ auto | static max ] max-wattage コマンドを入力することにより、カットオフ電力値を手動で設定するには、前述の一覧の 1 番目または 2 番目の方法を使用します。手動でカットオフ電力値を設定していない場合、スイッチが CDP パワー ネゴシエーションまたは装置の IEEE 分類を使用して、自動的に値を決定します。これが前述の 3 番めの方式となります。スイッチがこれらの方式のうち、どの方式を使用しても値を決定できない場合、15.4 W というデフォルト値を使用します(一覧の 4 番めの方式)。
電力消費値
ポートの初期電力割り当ておよび最大電力割り当てを設定することができます。ただし、これらの値は、スイッチが PoE ポートの電力をオンまたはオフにするときを指定するために設定する値です。最大電力割り当ては、受電装置の実際の 電力と同じではありません。スイッチによって電力ポリシングに使用される実際のカットオフ電力値は、設定済みの電力値と同等ではありません。
電力ポリシングがイネーブルの場合、スイッチは、 スイッチ ポートで 、受電装置の消費電力を超える消費電力ポリシングを行います。最大電力割り当てを手動で設定する場合、スイッチ ポートと受電装置間のケーブルでの電力損失を考慮する必要があります。カットオフ電力とは、受電装置の定格消費電力とケーブル上での最悪時の電力損失を合計したものです。
受電装置による PoE ポートでの実際の消費電力量は、カットオフ電力値に較正係数の 500 mW(0.5 W)を加えたものになります。実際のカットオフ値は近似値で、設定値ごとに設定値のパーセンテージという割合で異なります。たとえば、設定済みのカットオフ電力が 12 W の場合、実際のカットオフ値は 11.4 W で、設定値より 0.05% 小さくなっています。
スイッチの PoE がイネーブルの場合、電力ポリシングをイネーブルにすることをお勧めします。たとえば、ポリシングがディセーブルで、 power inline auto max 6300 インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してカットオフ値を設定すると、PoE ポートに設定される最大電力割り当ては 6.3 W(6300 mW)です。装置が 6.3 W までの電力を必要とする場合、スイッチはポートに接続されている装置に電力を供給します。CDP によるパワー ネゴシエーション実施後の値または IEEE 分類値が設定済みカットオフ値を超えると、スイッチは接続されている装置に電力を供給しなくなります。スイッチは PoE ポートで電力をオンにしてから、装置のリアルタイム消費電力のポリシングを行わないため、この装置は最大割り当て量を超えて電力を消費できることになり、スイッチと他の PoE ポートに接続されている装置に悪影響が生じる場合があります。
スイッチは内部電源装置 Cisco Redundant Power System 2300(RPS 2300)をサポートしており、受電装置が使用可能な総電力量は電源装置の設定によって異なります。
• 電源装置を取り外して低電力の新しい電源装置に交換すると、スイッチは受電装置に対して十分な電力を供給できなくなり、auto モードでポート番号の降順に従って PoE ポートへの電力供給を拒否します。これでもまだ十分な電力がない場合、スイッチは、static モードでポート番号の降順に従って PoE ポートへの電力供給を拒否します。
• 新しい電源装置の電力が前の電源装置より大きく、スイッチが大電力を使用できる場合、スイッチは static モードでポート番号の昇順に従って PoE ポートへの電力供給を許可します。これでもまだ使用可能な電力がある場合、スイッチは、ポート番号の昇順に従って auto モードで PoE ポートへの電力供給を許可します。
インターフェイスの接続
単一 VLAN 内のデバイスは、スイッチを通じて直接通信できます。異なる VLAN に属すポート間では、ルーティングデバイスを介さなければデータを交換できません。
図 11-1の構成では、VLAN 20 のホスト A が VLAN 30 のホスト B にデータを送信する場合、データはホスト A からスイッチを経由してルータへ送られたあと、再びスイッチに戻ってからホスト B へ送られる必要があります。
図 11-1 レイヤ 2 スイッチによる VLAN の接続
インターフェイス コンフィギュレーション モードの使用方法
スイッチは、次のインターフェイス タイプをサポートします。
• 物理ポート:スイッチ ポート
• VLAN:スイッチ仮想インターフェイス
• ポート チャネル:EtherChannel インターフェイス
インターフェイス範囲も設定できます(「インターフェイス範囲の設定」を参照)。
物理インターフェイス(ポート)を設定するには、インターフェイスのタイプ、モジュール番号、およびスイッチ ポート番号を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モード を開始します。
• タイプ :スイッチでのサポートに応じたポート タイプ。予想されるタイプには、 10/100 Mb/s イーサネットにはファスト イーサネット(fastethernet または fa)、10/100/1000 Mb/s イーサネット ポートにはギガビット イーサネット(gigabitethernet または gi)、10,000 Mb/s には 10 ギガビット イーサネット(tengigabitethernet または te)、Small Form-factor Pluggable(SFP)モジュールにはギガビット イーサネット インターフェイスです。
• モジュール番号 : スイッチのモジュールまたはスロット番号(常に 0)。
• ポート番号:スイッチ上のインターフェイス番号。ポート番号は常に 1 で始まり、スイッチに向かって左のポートから順に番号が付けられています。たとえば、fastethernet0/1 または gigabitethernet0/1 のようになります。複数のインターフェイス タイプがある場合は(10/100 ポートおよび SFP モジュール ポートなど)、ポート番号は 2 番めのインターフェイス タイプである gigabitethernet0/1 から再開します。10/100/1000 ポートと SFP モジュール ポートのあるスイッチの場合、SFP モジュール ポートの番号は 10/100/1000 ポートのあとに連続して付けられます。
スイッチを確認することで物理インターフェイスを識別できます。 show 特権 EXEC コマンドを使用して、スイッチ上の特定のインターフェイスまたはすべてのインターフェイスに関する情報を表示することもできます。以降、この章では、主に物理インターフェイスの設定手順について説明します。
インターフェイスの設定手順
以下の一般的な手順は、すべてのインターフェイス設定プロセスに当てはまります。
ステップ 1 特権 EXEC プロンプトに configure terminal コマンドを入力します。
Switch# configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
ステップ 2 interface グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。
ギガビット イーサネット ポート 1 でのインターフェイス タイプおよびインターフェイス番号の識別方法の例は、次のとおりです。
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
(注) インターフェイス タイプとインターフェイス番号の間に入れるスペースはオプションです。
ステップ 3 各 interface コマンドの後ろに、インターフェイスに必要なインターフェイス コンフィギュレーション コマンドを続けて入力します。入力するコマンドによって、そのインターフェイスで稼動するプロトコルとアプリケーションが定義されます。別のインターフェイス コマンドまたは end を入力して特権 EXEC モードに戻ると、コマンドが収集されてインターフェイスに適用されます。
また、 interface range または interface range macro グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、一定範囲のインターフェイスを設定することもできます。ある範囲内で設定したインターフェイスは、同じタイプである必要があります。また、同じ機能オプションを指定して設定しなければなりません。
ステップ 4 インターフェイスを設定してから、「インターフェイスのモニタおよびメンテナンス」 に示した show 特権 EXEC コマンドで、そのステータスを確認してください。
show interfaces 特権 EXEC コマンドを使用して、スイッチ上のまたはスイッチ用に設定されたすべてのインターフェイスのリストを表示します。デバイスがサポートする各インターフェイスまたは指定したインターフェイスのレポートが出力されます。
インターフェイス範囲の設定
interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、同じコンフィギュレーション パラメータを持つ複数のインターフェイスを設定できます。インターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを開始すると、このモードを終了するまで、入力されたすべてのコマンド パラメータはその範囲内のすべてのインターフェイスに対するものと見なされます。
同じパラメータでインターフェイス範囲を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface range { port-range | macro macro_name } |
設定するインターフェイス範囲(VLAN または物理ポート)を指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 • interface range コマンドを使用すると、最大 5 つのポート範囲または定義済みマクロを 1 つ設定できます。 • macro 変数については、「インターフェイス レンジ マクロの設定および使用方法」を参照してください。 • カンマで区切った port-range では、各エントリに対応するインターフェイス タイプを入力し、カンマの前後にスペースを含めます。 • ハイフンで区切った port-range では、インターフェイス タイプの再入力は不要ですが、ハイフンの前後にスペースを入力する必要があります。 |
ステップ 3 |
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この時点で、通常のコンフィギュレーション コマンドを使用して、範囲内のすべてのインターフェイスにコンフィギュレーション パラメータを適用します。各コマンドは、入力されたとおりに実行されます。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces [ interface-id ] |
指定した範囲内のインターフェイスの設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用するときは、次の注意事項に留意してください。
• スイッチでのポート タイプに応じた port-range の有効なエントリは次のとおりです。
– vlan vlan-ID 、VLAN ID は 1 ~ 4094。
(注) コマンドライン インターフェイスには複数の VLAN を設定するオプションが表示されますが、これらのオプションはサポートされていません。
– モジュールは常に 0 です。
– fastethernet module/{first port } - { last port }、モジュールは常に 0。
– gigabitethernet module/{ first port } - { last port }、モジュールは常に 0。
– port-channel port-channel-number - port-channel-number 、 port-channel-number は 1 ~ 6。
(注) ポート チャネルを指定して interface range コマンドを使用する場合は、先頭および最後のチャネル番号をアクティブなポート チャネルにする必要があります。
• interfacerange コマンドを使用するときは、先頭のインターフェイス番号とハイフンの間にスペースが必要です。
たとえば、interface range gigabitethernet 0/1 - 4 は有効な範囲ですが、interface range gigabit ethernet0/1-4 は無効な範囲です。
• interface range コマンドが機能するのは、 interface vlan コマンドで設定された VLAN インターフェイスに限られます。 show running-config 特権 EXEC コマンドを使用すると、設定されている VLAN インターフェイスが表示されます。 show running-config コマンドで表示されない VLAN インターフェイスに interface range コマンドを使用することはできません。
• ある範囲内のすべてのインターフェイスは、同じタイプ(すべてがファスト イーサネット ポート、すべてがギガビット イーサネット ポート、すべてが EtherChannel ポート、またはすべてが VLAN)でなければなりません。ただし、1 つのコマンド内で複数のレンジを組み合わせることができます。
次の例では、 interface range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ポート 1 ~ 2 の速度を 100 Mb/s に設定する方法を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range gigabitethernet0/1 - 2
Switch(config-if-range)# speed 100
この例では、カンマを使用して別のインターフェイス タイプ ストリングを追加し、ファスト イーサネット ポート 1 ~ 3 と、ギガビット イーサネット ポート 1 および 2 の両方をイネーブルにし、フロー制御ポーズ フレームを受信できるようにします。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range fastethernet0/1 - 3, gigabitethernet0/1 - 2
Switch(config-if-range)# flowcontrol receive on
インターフェイス レンジ モードで複数のコンフィギュレーション コマンドを入力した場合、各コマンドは入力した時点で実行されます。インターフェイス レンジ モードを終了したあとで、コマンドがバッチ処理されるわけではありません。コマンドの実行中にインターフェイス レンジ モードを終了すると、一部のコマンドが範囲内のすべてのインターフェイスに対して実行されない場合もあります。コマンド プロンプトが再表示されるのを待ってから、インターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを終了してください。
インターフェイス レンジ マクロの設定および使用方法
インターフェイス レンジ マクロを作成すると、設定するインターフェイスの範囲を自動的に選択できます。interface range macro グローバル コンフィギュレーション コマンドで macro キーワードを使用するには、まず define interface-range グローバル コンフィギュレーション コマンドでマクロを定義する必要があります。
インターフェイス レンジ マクロを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
define interface-range macro_name interface-range |
インターフェイス レンジ マクロを定義して NVRAM(不揮発性 RAM)に保存します。 • macro_name は、最大 32 文字の文字列です。 • マクロには、カンマで区切ったインターフェイスを 5 つまで含めることができます。 • それぞれの interface-range は、同じポート タイプで構成されていなければなりません。 |
ステップ 3 |
interface range macro macro_name |
macro_name の名前でインターフェイス レンジ マクロに保存された値を使用することによって、設定するインターフェイスの範囲を選択します。 ここで、通常のコンフィギュレーション コマンドを使用して、定義したマクロ内のすべてのインターフェイスに設定を適用できます。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show running-config | include define |
定義済みのインターフェイス レンジ マクロの設定を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
マクロを削除するには、 no define interface-range macro_name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
define interface-range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用するときは、次の注意事項に留意してください。
• スイッチでのポート タイプに応じた interface-range の有効なエントリは次のとおりです。
– vlan vlan-ID 、VLAN ID は 1 ~ 4094。
(注) コマンドライン インターフェイスには複数の VLAN を設定するオプションが表示されますが、これらのオプションはサポートされていません。
– fastethernet module/{first port } - { last port }、モジュールは常に 0。
– gigabitethernet module/{ first port } - { last port }、モジュールは常に 0。
– port-channel port-channel-number - port-channel-number 、 port-channel-number は 1 ~ 6。
(注) ポート チャネルを指定して interface range コマンドを使用する場合は、先頭および最後のチャネル番号をアクティブなポート チャネルにする必要があります。
• interface-range を入力するときは、最初のインターフェイス番号とハイフンの間にスペースを入れます。
たとえば、 gigabitethernet 0/1 - 4 は有効な範囲ですが、 gigabitethernet 0/1-4 は無効な範囲です。
• VLAN インターフェイスは、 interface vlan コマンドで設定しておかなければなりません。 show running-config 特権 EXEC コマンドを使用すると、設定されている VLAN インターフェイスが表示されます。 show running-config コマンドで表示されない VLAN インターフェイスを interface-range として使用することはできません。
• ある範囲内のすべてのインターフェイスは、同じタイプ(すべてがファスト イーサネット ポート、すべてがギガビット イーサネット ポート、すべてが EtherChannel ポート、またはすべてが VLAN)でなければなりません。ただし、1 つのマクロ内で複数のインターフェイス タイプを組み合わせることができます。
次に、 enet_list という名前のインターフェイス範囲マクロを定義して、ポート 1 および 2 を含め、マクロ設定を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# define interface-range enet_list gigabitethernet0/1 - 2
Switch# show running-config | include define
Switch# define interface-range enet_list gigabitethernet0/1 - 2
次に、複数のタイプのインターフェイスを含む マクロ macro1 を作成する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# define interface-range macro1 fastethernet0/1 - 2, gigabitethernet0/1 - 2
次に、インターフェイス レンジ マクロ enet_list に対するインターフェイス レンジ コンフィギュレーション モードを開始する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface range macro enet_list
次に、インターフェイス レンジ マクロ enet_list を削除し、処理を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# no define interface-range enet_list
Switch# show run | include define
イーサネット インターフェイスの設定
ここでは、次の設定情報について説明します。
• 「イーサネット インターフェイスのデフォルト設定」
• 「デュアルパーパス アップリンク ポートのタイプの設定」
• 「インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定」
• 「IEEE 802.3x フロー制御の設定」
• 「インターフェイスでの Auto-MDIX の設定」
• 「PoE ポートの電力管理モードの設定」
• 「PoE ポートに接続された装置のパワー バジェット」
• 「電力ポリシングの設定」
• 「インターフェイスに関する記述の追加」
イーサネット インターフェイスのデフォルト設定
表 11-2 は、イーサネット インターフェイスのデフォルト設定を示しています。表に示されている VLAN パラメータの詳細については、「VLAN の設定」を参照してください。また、ポートへのトラフィック制御の詳細については、「ポート単位のトラフィック制御の設定」 を参照してください。
表 11-2 レイヤ 2 イーサネット インターフェイスのデフォルト設定
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VLAN 許容範囲 |
VLAN 1 ~ 4094 |
デフォルト VLAN(アクセス ポート用) |
VLAN 1 |
ネイティブ VLAN(IEEE 802.1Q トランク用) |
VLAN 1 |
VLAN トランキング |
Switchport mode dynamic auto(DTP をサポート) |
ポート イネーブル ステート |
すべてのポートがイネーブル |
ポート記述 |
未定義 |
速度 |
自動ネゴシエーション |
デュプレックス モード |
自動ネゴシエーション |
フロー制御 |
フロー制御は receive : off に設定されます。送信パケットでは常にオフです。 |
EtherChannel(PAgP) |
すべてのイーサネット ポートでディセーブル。「EtherChannel およびリンクステート トラッキングの設定」 |
ポート ブロッキング(不明マルチキャストおよび不明ユニキャスト トラフィック) |
ディセーブル(ブロッキングされない)。「ポート ブロッキングの設定」を参照してください。 |
ブロードキャスト、マルチキャスト、およびユニキャスト ストーム制御 |
ディセーブル 「ストーム制御のデフォルト設定」を参照してください。 |
保護ポート |
ディセーブル 「保護ポートの設定」を参照してください。 |
ポート セキュリティ |
ディセーブル 「ポート セキュリティのデフォルト設定」を参照してください。 |
PortFast |
ディセーブル 「オプションのスパニング ツリー機能のデフォルト設定」を参照してください。 |
Auto-MDIX |
イネーブル (注) 受電装置がクロス ケーブルでスイッチに接続されている場合、スイッチは、IEEE 802.3af に完全には準拠していない、Cisco IP Phone やアクセス ポイントなどの準規格の受電をサポートしていない場合があります。これは、スイッチ ポート上で Automatic Medium-Dependent Interface Crossover(Auto-MIDX)がイネーブルかどうかは関係ありません。 |
Power over Ethernet(PoE) |
イネーブル(auto)。 |
キープアライブ メッセージ |
SFP モジュールでディセーブル。他のすべてのポートでイネーブル。 |
デュアルパーパス アップリンク ポートのタイプの設定
一部の 2960 スイッチでは、デュアルパーパス アップリンク ポートがサポートされています。デフォルトでは、スイッチは最初にリンクするインターフェイス タイプを動的に選択します。ただし、 media-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、手動で RJ-45 コネクタまたは SFP モジュール コネクタを選択できます。詳細については、「デュアルパーパス アップリンク ポート」を参照してください。
速度およびデュプレックスの設定が行えるようにアクティブにするデュアルパーパス アップリンクを選択するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。この手順は任意です。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定するデュアルパーパス アップリンク ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
media-type { auto-select | rj45 | sfp } |
インターフェイスとデュアルパーパス アップリンク ポートのタイプを選択します。キーワードの意味は次のとおりです。 • auto-select : スイッチが動的にタイプを選択します。リンクがアップの状態になると、アクティブなリンクがダウンの状態になるまで、スイッチによりその他のタイプがディセーブル化されます。アクティブなリンクがダウンの状態になると、いずれかのリンクがアップの状態になるまで、スイッチにより両方のタイプがイネーブル化されます。auto-select モードでは、スイッチにより両方のタイプが速度およびデュプレックスの自動ネゴシエーションに設定されます(デフォルト)。インストールされている SFP モジュールのタイプによって、スイッチで自動的に選択が行えない場合もあります。詳細については、この手順のあとの説明を参照してください。 • rj45 : スイッチが SFP モジュール インターフェイスをディセーブル化します。このポートに SFP モジュールを接続する場合、RJ-45 側がダウンしている、または接続していない場合でも、リンクを確立することはできません。このモードでは、デュアルパーパス ポートは 10/100/1000BASE-TX インターフェイスと同様の動作をします。このインターフェイス タイプに対応した速度およびデュプレックスの設定が可能です。 • sfp : スイッチが RJ-45 インターフェイスをディセーブル化します。この RJ-45 ポートにケーブルを接続している場合、SFP モジュール側がダウンしている、または SFP モジュールが接続していない場合でも、リンクを確立することはできません。インストールされている SFP モジュールのタイプに基づいて、このインターフェイス タイプに対応した速度およびデュプレックスの設定が可能です。 速度およびデュプレックスの詳細については、「速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項」を参照してください。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id transceiver properties |
設定値を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
デフォルトの設定に戻すには、 media-type auto interface または no media-type インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
スイッチにより両方のタイプが速度およびデュプレックスの自動ネゴシエーションに設定されます(デフォルト)。 auto-select を設定した場合、 speed および duplex インターフェイス コンフィギュレーション コマンドによる設定は行えません。
スイッチの電源を ON にした場合、または shutdown および no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドでデュアルパーパス アップリンク ポートをイネーブル化した場合、SFP モジュール インターフェイスが選択されます。これ以外の場合、最初にアップの状態になったリンクのタイプに基づいて、アクティブなリンクが選択されます。
このスイッチと 100BASE- x (- x は -BX、-FX、-FE、-LX のいずれか)SFP モジュールを組み合わせると、次のように動作します。
• 100BASE- x SFP モジュールがモジュール スロットに搭載されていて、RJ-45 側にリンクがない場合、スイッチにより RJ-45 インターフェイスがディセーブル化され、SFP モジュール インターフェイスが選択されます。ケーブルが接続されていない場合や、SFP モジュール側にリンクがない場合でも、このようになります。
• 100BASE- x SFP モジュールが搭載されていて、RJ-45 側にリンクがある場合、このリンクを使用して動作が続行します。リンクがダウンの状態になると、スイッチにより RJ-45 側がディセーブル化され、SFP モジュール インターフェイスが選択されます。
• 100BASE- x SFP モジュールを取り外すと、スイッチにより再び自動的にタイプが選択され( auto-select )、再び RJ-45 側がイネーブル化されます。
100BASE-FX-GE SFP モジュールの場合、この機能はありません。
インターフェイス速度およびデュプレックス モードの設定
サポートされるポート タイプに応じて、スイッチのイーサネット インターフェイスは、全二重または半二重モードのいずれかで、10、100、1000、または 10,000 Mb/s で動作します。全二重モードの場合、2 つのステーションが同時にトラフィックを送受信できます。通常、10 Mbps ポートは半二重モードで動作します。これは、各ステーションがトラフィックを受信するか、送信するかのどちらか一方しかできないことを意味します。
スイッチ モデルには、ファスト イーサネット(10/100 Mb/s)ポート、ギガビット イーサネット(10/100/1000 Mb/s)ポート、10 ギガビット モジュール ポート、および SFP モジュールをサポートする SFP モジュール スロットの組み合わせが含まれます。
ここでは、インターフェイス速度とデュプレックス モードの設定手順について説明します。
• 「速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項」
• 「インターフェイス速度およびデュプレックス パラメータの設定」
速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項
インターフェイス速度およびデュプレックス モードを設定するときには、次の注意事項に留意してください。
• ファスト イーサネット(10/100 Mbps)ポートは、すべての速度およびデュプレックス オプションをサポートします。
• ギガビット イーサネット(10/100/1000 Mbps)ポートは、すべての速度オプションとデュプレックス オプション(自動、半二重、全二重)をサポートします。ただし、1000 Mbps で稼動させているギガビット イーサネット ポートは、半二重モードをサポートしません。
• SFP モジュール ポートの場合、次の SFP モジュール タイプによって速度とデュプレックスの CLI(コマンドライン インターフェイス)オプションが変わります。
– 1000 BASE- x ( x には、BX、CWDM、LX、SX、ZX が適宜入ります)SFP モジュール ポートは、 speed インターフェイス コンフィギュレーション コマンドで nonegotiate キーワードをサポートします。デュプレックス オプションはサポートされません。
– 1000BASE-T SFP モジュール ポートは、10/100/1000 Mbps ポートと同一の速度とデュプレックス オプションをサポートします。
– 100BASE- x ( x には、BX、CWDM、LX、SX、ZX が適宜入ります)SFP モジュール ポートは、100 Mbps のみサポートします。これらのモジュールは、全二重および半二重オプションをサポートしますが、自動ネゴシエーションをサポートしません。
スイッチでサポートされる SFP モジュールについては、各製品のリリース ノートを参照してください。
• 回線の両側で自動ネゴシエーションがサポートされる場合は、できるだけデフォルトの auto ネゴシエーションを使用してください。
• 一方のインターフェイスが自動ネゴシエーションをサポートし、もう一方がサポートしない場合は、両方のインターフェイス上でデュプレックスと速度を設定します。サポートする側で auto 設定を使用しないでください。
• STP がイネーブルの場合にポートを再設定すると、スイッチがループの有無を調べるために最大で 30 秒かかる可能性があります。STP の再設定が行われている間、ポート LED はオレンジに点灯します。
注意 インターフェイス速度とデュプレックス モードの設定を変更すると、再設定時にシャットダウンが発生し、インターフェイスが再びイネーブルになることがあります。
インターフェイス速度およびデュプレックス パラメータの設定
物理インターフェイスの速度およびデュプレックス モードを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
speed { 10 | 100 | 1000 | auto [ 10 | 100 | 1000 ] | nonegotiate } |
インターフェイスに対する適切な速度パラメータを入力します。 • インターフェイスの速度を指定するには、 10 、 100 、または 1000 を入力します。 1000 キーワードを使用できるのは、10/100/1000 Mbps ポートに対してだけです。 • インターフェイスに接続されたデバイスと自動ネゴシエーションが行えるようにするには、 auto を入力します。 auto キーワードと一緒に 10 、 100 、または 1000 キーワードを使用した場合、ポートは指定の速度でのみ自動ネゴシエートします。 • nonegotiate キーワードを使用できるのは、SFP モジュール ポートに対してだけです。SFP モジュール ポートは 1000 Mbps だけで動作しますが、自動ネゴシエーションをサポートしていないデバイスに接続されている場合は、ネゴシエートしないように設定できます。 速度の設定の詳細については、「速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項」を参照してください。 |
ステップ 4 |
duplex { auto | full | half } |
インターフェイスのデュプレックス パラメータを入力します。 半二重モードをイネーブルにします(10 または 100Mbps のみで動作するインターフェイスの場合)。1000 Mbps で動作するインターフェイスには半二重モードを設定できません。 デュプレックスの設定の詳細については、「速度とデュプレックス モードの設定時の注意事項」を参照してください。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show interfaces interface-id |
インターフェイス速度およびデュプレックス モード設定を表示します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
インターフェイスをデフォルトの速度およびデュプレックス設定(自動ネゴシエーション)に戻すには、 no speed および no duplex インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。すべてのインターフェイス設定をデフォルトに戻すには、 default interface interface-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、10/100Mbps ポートでインターフェイスの速度を 10 Mbps に、デュプレックス モードを半二重に設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface fasttethernet0/3
Switch(config-if)# speed 10
Switch(config-if)# duplex half
次に、10/100/1000 Mbps ポートで、インターフェイスの速度を 100 Mbps に設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/2
Switch(config-if)# speed 100
IEEE 802.3x フロー制御の設定
フロー制御により、接続しているイーサネット ポートは、輻輳しているノードがリンク動作をもう一方の端で一時停止できるようにすることによって、輻輳時のトラフィック レートを制御できます。あるポートで輻輳が生じ、それ以上はトラフィックを受信できなくなった場合、ポーズ フレームを送信することによって、その状態が解消されるまで送信を中止するように、そのポートから相手ポートに通知します。ポーズ フレームを受信すると、送信側デバイスはデータ パケットの送信を中止するので、輻輳時のデータ パケット損失が防止されます。
(注) スイッチのポートは、ポーズ フレームを受信できますが、送信はできません。
flowcontrol インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、インターフェイスのポーズ フレームを受信( receive )する能力を on 、 off 、または desired に設定します。デフォルトの状態は off です。
desired に設定した場合、インターフェイスはフロー制御パケットの送信を必要とする接続デバイス、または必要ではないがフロー制御パケットを送信できる接続デバイスに対して動作できます。
デバイスのフロー制御設定には、次のルールが適用されます。
• receive on (または desired ):ポートはポーズ フレームを送信できませんが、ポーズ フレームを送信する必要のある、または送信できる接続デバイスと組み合わせて使用できます。ポーズ フレームの受信は可能です。
• receive off :フロー制御はどちらの方向にも動作しません。輻輳が生じても、リンクの相手側に通知はなく、どちら側のデバイスもポーズ フレームの送受信を行いません。
(注) コマンドの設定と、その結果生じるローカルおよびリモート ポートでのフロー制御解決の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスに記載されたflowcontrol インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを参照してください。
インターフェイス上でフロー制御を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
flowcontrol { receive } { on | off | desired } |
ポートのフロー制御モードを設定します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id |
インターフェイス フロー制御の設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
フロー制御をディセーブルにする場合は、 flowcontrol receive off インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポート上のフロー制御をオンにする例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# flowcontrol receive on
インターフェイスでの Auto-MDIX の設定
インターフェイス上の Auto-MDIX がイネーブルに設定されている場合、インターフェイスが必要なケーブル接続タイプ(ストレートまたはクロス)を自動的に検出し、接続を適切に設定します。Auto-MDIX 機能を使用せずにスイッチを接続する場合、サーバ、ワークステーション、またはルータなどのデバイスの接続にはストレート ケーブルを使用し、他のスイッチやリピータの接続にはクロス ケーブルを使用する必要があります。Auto-MDIX がイネーブルの場合、他のデバイスとの接続にはどちらのケーブルでも使用でき、ケーブルが正しくない場合はインターフェイスが自動的に修正を行います。ケーブル接続の詳細については、『Hardware Installation Guide』を参照してください。
Auto-MDIX はデフォルトでイネーブルです。Auto-MDIX をイネーブルに設定する場合、Auto-MDIX 機能が正しく動作するようにインターフェイスの速度およびデュプレックスを auto に設定する必要があります。
Auto-MDIX は、すべての 10/100 および 10/100/1000 Mb/s インターフェイスでサポートされます。1000BASE-SX または 1000BASE-LXSFP モジュール インターフェイスではサポートされていません。
表 11-3 に、Auto-MDIX の設定およびケーブル接続ごとのリンク ステートを示します。
表 11-3 リンク状態と Auto-MDIX の設定
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オン |
オン |
リンク アップ |
リンク アップ |
オン |
オフ |
リンク アップ |
リンク アップ |
オフ |
オン |
リンク アップ |
リンク アップ |
オフ |
オフ |
リンク アップ |
リンク ダウン |
インターフェイス上で Auto-MDIX を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
speed auto |
接続されたデバイスと速度の自動ネゴシエーションを行うようにインターフェイスを設定します。 |
ステップ 4 |
duplex auto |
接続されたデバイスとデュプレックス モードの自動ネゴシエーションを行うようにインターフェイスを設定します。 |
ステップ 5 |
mdix auto |
インターフェイス上で Auto-MDIX をイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show controllers ethernet-controller interface-id phy |
インターフェイスで Auto-MDIX の動作ステートを確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
Auto-MDIX をディセーブルにするには、 no mdix auto インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポート上の Auto-MDIX をイネーブルにする例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# speed auto
Switch(config-if)# duplex auto
Switch(config-if)# mdix auto
PoE ポートの電力管理モードの設定
(注) PoE コマンドは、スイッチで LAN Base イメージが実行されている場合にだけサポートされます。
ほとんどの場合、デフォルトの設定(自動モード)の動作は適切に行われ、プラグアンドプレイ動作が提供されます。それ以上の設定は必要ありません。しかし、PoE ポートの優先順位を上げたり、PoE ポートをデータ専用にしたり、最大ワット数を指定して高電力受電装置をポートで禁止したりする場合は、次の手順を実行します。
(注) PoE 設定を変更するとき、設定中のポートでは電力が低下します。新しい設定、その他の PoE ポートの状態、パワー バジェットの状態により、そのポートの電力は再びアップしない場合があります。たとえば、ポート 1 が自動でオンの状態になっていて、そのポートを固定モードに設定するとします。スイッチはポート 1 から電力を取り除き、受電装置を検出してポートに電力を再び供給します。ポート 1 が自動でオンの状態になっていて、最大ワット数を 10 W に設定した場合、スイッチはポートから電力を取り除き、受電装置を再び検出します。スイッチは、受電装置がクラス 1、クラス 2、またはシスコ専用受電装置のいずれかの場合に、ポートに電力を再び供給します。
電力管理モードを PoE 対応ポートで設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
power inline { auto [ max max-wattage ] | never | static [ max max-wattage ]} |
ポートに PoE モードを設定します。キーワードの意味は次のとおりです。 • auto :受電装置検出をイネーブルにします。十分な電力がある場合は、装置の検出後に PoE ポートに電力を自動的に割り当てます。これがデフォルトの設定です。 • (任意) max max-wattage :ポートで許可する 電力を制限します。指定できる範囲は 4000 ~ 15400 ミリワットです。値を指定しない場合は、最大電力まで供給できます(15400 ミリワット)。 • never :装置検出とポートへの電力供給をディセーブルにします。 コマンドでポートを設定しないでください。問題のあるリンクアップが発生し、ポートが errdisable ステートになることがあります。 • static :受電装置検出をイネーブルにします。スイッチが受電装置を検出する前に、ポートへの電力を事前に割り当てます(確保します)。スイッチは、装置が接続されていなくてもこのポートに電力を予約し、装置の検出時に電力が供給されることを保証します。 スイッチは、自動モードに設定されたポートに電力を割り当てる前に、固定モードに設定されたポートに PoE を割り当てます。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show power inline [i nterface-id ] |
スイッチまたは指定されたインターフェイスの PoE ステータスを表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
show power inline ユーザ EXEC コマンドの出力については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。PoE 関連の詳細については、「PoE スイッチ ポートのトラブルシューティング」を参照してください。音声 VLAN の設定の詳細については、「音声 VLAN の設定」を参照してください。
PoE ポートに接続された装置のパワー バジェット
シスコの受電装置が PoE ポートに接続されている場合、スイッチは Cisco Discovery Protocol(CDP)を使用して 実際に 装置が消費する電力量を決定して、それに応じてパワー バジェットを調整します。CDP プロトコルはシスコの受電装置で動作し、IEEE サードパーティの受電装置には適用されません。この装置の場合、スイッチが電力要求を許可したときに、受電装置の IEEE 分類に応じてパワー バジェットを調整します。受電装置が Class 0(クラス ステータスは不明)または Class 3 である場合、実際に必要な電力量に関係なく、スイッチはポート用に 15,400 ミリワットの電力を確保します。受電装置が実際の電力消費量よりも高いクラスであるか、または電力分類(デフォルトで Class 0)をサポートしない場合、スイッチは IEEE クラス情報を使用してグローバル パワー バジェットを追跡するので、少しの装置にしか電力を供給しません。
power inline consumption wattage コンフィギュレーション コマンドを使用することで、IEEE 分類で指定されたデフォルトの電力要件を無効にできます。IEEE 分類で指定された電力と実際に装置が必要とする電力の差は、追加の装置が使用するためグローバル パワー バジェットに入れられます。したがって、スイッチのパワー バジェットを拡張してもっと効率的に使用できます。
たとえば、スイッチが各 PoE ポートで 15,400 ミリワットの電力を確保した場合、接続できる Class0 の受電装置は 24 台だけです。Class0 の装置の電力要件が実際には 5000 ミリワットである場合、消費ワット数を 5000 ミリワットに設定すると、最大 48 台の装置を接続できます。24 ポートまたは 48 ポート スイッチで利用できる PoE 総出力電力は 370,000 ミリワットです。
注意 慎重にスイッチのパワー バジェットを計画し、電源装置がオーバーサブスクライブ状態にならないようにしてください。
(注) 手動でパワー バジェットを設定する場合、スイッチと受電装置の間のケーブルでの電力消失を考慮する必要があります。
power inline consumption default wattage または no power inline consumption default グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力する、あるいは power inline consumption wattage または no power inline consumption インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力すると、次の注意メッセージが表示されます。
%CAUTION: Interface interface-id: Misconfiguring the 'power inline consumption/allocation' command may cause damage to the switch and void your warranty.Take precaution not to oversubscribe the power supply.
It is recommended to enable power policing if the switch supports it.
電力供給が最大 20 パーセントのサブスクライブ過剰になると、スイッチは動作しますが、信頼性が低下します。電力供給 20 パーセントを超えてサブスクライブされると、短絡保護回路が始動しスイッチはシャットダウンします。
IEEE 電力分類の詳細については、「Power over Ethernet(PoE)ポート」を参照してください。
スイッチの各 PoE ポートに接続された受電装置へのパワー バジェット量を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no cdp run |
(任意)CDP をディセーブルにします。 |
ステップ 3 |
power inline consumption default wattage |
スイッチの各 PoE ポートに接続された受電装置の消費電力を設定します。各デバイスで指定できる範囲は 4000 ~ 15400 ミリワットです。デフォルト値は 15400 秒です。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show power inline consumption |
消費電力のステータスを表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
設定をデフォルトに戻すには、 no power inline consumption default グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
特定の PoE ポートに接続された受電装置へのパワー バジェット量を設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no cdp run |
(任意)CDP をディセーブルにします。 |
ステップ 3 |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
power inline consumption wattage |
スイッチの PoE ポートに接続された受電装置の消費電力を設定します。各デバイスで指定できる範囲は 4000 ~ 15400 ミリワットです。デフォルト値は 15400 秒です。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show power inline consumption |
消費電力のステータスを表示します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
デフォルトの設定に戻すには、 no power inline consumption インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
show power inline consumption 特権 EXEC コマンドの出力の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。
電力ポリシングの設定
デフォルトでは、スイッチは接続されている受電装置の消費電力をリアルタイムで監視します。消費電力に対するポリシングを行うようにスイッチを設定できます。デフォルトではポリシングはディセーブルです。
スイッチが使用するカットオフ電力値、消費電力値、および接続されている受電装置の実際の消費電力の詳細については、「電力モニタリングおよび電力ポリシング」を参照してください。
PoE ポートに接続されている受電装置のリアルタイム消費電力ポリシングをイネーブルにするには、特権 EXEC モードで、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定する物理ポートを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
power inline police [ action log ] |
ポートでリアルタイム消費電力が最大電力割り当てを超えるときに、次のいずれかのアクションを実行するようにスイッチを設定します。 • PoE ポートをシャットダウンし、このポートへの電力供給をオフにし、error-dsabled ステートにする: power inline police コマンドを入力します。 グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、PoE errdisable ステートから回復するためのタイマーをイネーブルにすることもできます。 • ポートに電力を供給しながら syslog メッセージを生成する: power inline police action log コマンドを入力します。 action log キーワードを入力しない場合、デフォルトのアクションによってポートがシャットダウンされ、errdisable ステートになります。 |
ステップ 4 |
exit |
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
errdisable detect cause inline-power および errdisable recovery cause inline-power および errdisable recovery interval interval |
(任意)PoE errdisable ステートからのエラー回復をイネーブルにし、PoE 回復メカニズム変数を設定します。 interval interval では、errdisable ステートから回復する時間を秒単位で指定します。指定できる範囲は 30 ~ 86400 です。 デフォルトでは、回復間隔は 300 秒です。 |
ステップ 6 |
exit |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show power inline police show errdisable recovery |
電力モニタリング ステータスを表示し、エラー回復設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
リアルタイム消費電力のポリシングをディセーブルにするには、 no power inline police インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。PoE errdisable の原因についてエラー回復をディセーブルにするには、 no errdisable recovery cause inline-power グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
show power inline police 特権 EXEC コマンドの出力の詳細については、このリリースのコマンド リファレンスを参照してください。
インターフェイスに関する記述の追加
インターフェイスの機能に関する記述を追加できます。記述は、特権 EXEC コマンド show configuration 、 show running-config 、および show interfaces の出力に表示されます。
インターフェイスに関する記述を追加するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
記述を追加するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
description string |
インターフェイスに関する記述を追加します(最大 240 文字)。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show interfaces interface-id description または show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
記述を削除するには、 no description インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポートに記述を追加して、その記述を確認する例を示します。
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Switch(config)# interface gigabitethernet0/2
Switch(config-if)# description Connects to Marketing
Switch# show interfaces gigabitethernet0/2 description
Interface Status Protocol Description
Gi0/2 admin down down Connects to Marketing
システム MTU の設定
すべてのインターフェイスで送受信されるフレームのデフォルト最大伝送ユニット(MTU; Maximum Transmission Unit)サイズは、1500 バイトです。10 または 100 Mbps で動作するすべてのインターフェイスで MTU サイズを増やすには、 system mtu グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。また、 system mtu jumbo グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用すると、すべてのギガビット イーサネット インターフェイス上でジャンボ フレームをサポートするように MTU サイズを増やすことができます。
system mtu コマンドはギガビット イーサネット ポートには影響せず、system mtu jumbo コマンドは 10/100 ポートには影響しません。 system mtu jumbo コマンドを設定していない場合、 system mtu コマンドの設定はすべてのギガビット イーサネット インターフェイスに適用されます。
個々のインターフェイスに MTU サイズを設定することはできません。すべての 10/100 インターフェイスまたはすべてのギガビット イーサネット インターフェイスに対して設定されます。システムまたはジャンボ MTU サイズを変更した場合は、スイッチをリセットしなければ、新しい設定は有効になりません。
スイッチの CPU が受信できるフレーム サイズは、system mtu または system mtu jumbo コマンドで入力した値に関係なく、1998 バイトに制限されています。通常、転送されたフレームは CPU によって受信されませんが、場合によっては、制御トラフィック、SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)、または Telnet へ送信されたトラフィックなどのパケットが CPU へ送信されることがあります。
(注) レイヤ 2 ギガビット イーサネット インターフェイスが、10/100 インターフェイスより大きいサイズのフレームを受け取るように設定されている場合、レイヤ 2 ギガビット イーサネット インターフェイスに着信するジャンボ フレームとレイヤ 2 10/100 インターフェイスで発信されるジャンボ フレームは廃棄されます。
すべての 10/100 またはギガビット イーサネット インターフェイスで MTU サイズを変更するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
system mtu bytes |
(任意)10 または 100 Mb/s で動作するスイッチのすべてのインターフェイスに対して MTU サイズを変更します。 指定できる範囲は、1500 ~ 1998 バイトです。デフォルトは 1500 バイトです。 |
ステップ 3 |
system mtu jumbo bytes |
(任意)スイッチのすべてのギガビット イーサネット インターフェイスに対して MTU サイズを変更します。 指定できる範囲は 1500 ~ 9000 バイトです。デフォルトは 1500 バイトです。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
ステップ 6 |
reload |
OS(オペレーティング システム)をリロードします。 |
特定のインターフェイス タイプで許容範囲外の値を入力した場合、その値は受け入れられません。
スイッチのリロード後、show system mtu 特権 EXEC コマンドを入力することによって、設定値を確認できます。
次に、ギガビット イーサネット ポートの最大パケット サイズを 1800 バイトに設定する例を示します。
Switch(config)# system mtu jumbo 1800
次に、ギガビット イーサネット インターフェイスを範囲外の値に設定しようとした場合に表示される応答の例を示します。
Switch(config)# system mtu jumbo 25000
% Invalid input detected at '^' marker.