ストーム制御の設定
• 「ストーム制御の概要」
• 「ストーム制御のデフォルト設定」
• 「ストーム制御およびしきい値レベルの設定」
• 「小さいフレームの着信レートの設定」
ストーム制御の概要
ストーム制御は、物理インターフェイスの 1 つで発生したブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャスト ストームによって LAN 上のトラフィックが混乱することを防ぎます。LAN ストームは、LAN にパケットがフラッディングした場合に発生します。その結果、トラフィックが極端に増えてネットワーク パフォーマンスが低下します。プロトコルスタックの実装エラー、ネットワーク構成の間違い、またはユーザによって引き起こされる DoS 攻撃もストームの原因になります。
ストーム制御(またはトラフィック抑制)は、インターフェイスからスイッチング バスを通過するパケットをモニタし、パケットがユニキャスト、マルチキャスト、またはブロードキャストのいずれであるかを判別します。スイッチは、1 秒間に受け取った特定のタイプのパケットの数をカウントして、事前に定義された抑制レベルのしきい値とその測定結果を比較します。
ストーム制御は、次のうちのいずれかをトラフィック アクティビティの測定方法に使用します。
• 帯域幅(ブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャスト トラフィックが使用できるポートの総帯域幅の割合)。
• ブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャスト パケットが受信されるトラフィック レートの秒単位のパケット数。
• ブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャスト パケットが受信されるトラフィック レートの秒単位のビット数。
• 小さいフレームのトラフィック レートの秒単位のパケット数。この機能は、グローバルにイネーブルです。小さいフレームのしきい値は、各インターフェイスで設定されます。
上記の方法のいずれを使用しても、しきい値に到達すると、ポートはトラフィックをブロックします。トラフィック レートが下限しきい値(指定されている場合)を下回らない限り、ポートはブロックされたままになり、その後、通常の転送が再開されます。下限抑制レベルが指定されていない場合、トラフィック レートが上限抑制レベルを下回らない限り、スイッチはすべてのトラフィックをブロックします。一般に、そのレベルが高ければ高いほど、ブロードキャスト ストームに対する保護効果は薄くなります。
(注) マルチキャスト トラフィックのストーム制御しきい値に達した場合、Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)および Cisco Discovery Protocol(CDP)フレームなどの制御トラフィック以外のマルチキャスト トラフィックはすべてブロックされます。ただし、スイッチでは Open Shortest Path First(OSPF)などのルーティング アップデートと、正規のマルチキャスト データ トラフィックは区別されないため、両方のトラフィック タイプがブロックされます。
図 26-1 のグラフは、一定時間におけるインターフェイス上のブロードキャスト トラフィック パターンを示しています。この例は、マルチキャストおよびユニキャスト トラフィックにも当てはまります。この例では、T1 から T2、T4 から T5 のタイム インターバルで、転送するブロードキャスト トラフィックが設定されたしきい値を上回っています。指定のトラフィック量がしきい値を上回ると、次のインターバルで、そのタイプのトラフィックがすべてドロップされます。したがって、T2 と T5 の後のインターバルの間、ブロードキャスト トラフィックがブロックされます。その次のインターバル(たとえば、T3)では、しきい値を上回らない限り、ブロードキャスト トラフィックが再び転送されます。
図 26-1 ブロードキャスト ストーム制御の例
ストーム制御抑制レベルと 1 秒間のインターバルを組み合わせて、ストーム制御アルゴリズムの動作を制御します。しきい値が高いほど、通過するパケット数が多くなります。しきい値が 100% であれば、トラフィックに対する制限はありません。値を 0.0 にすると、そのポート上ではすべてのブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャスト トラフィックがブロックされます。
(注) パケットは一定の間隔で届くわけではないので、トラフィック アクティビティを測定する 1 秒間のインターバルがストーム制御の動作を左右する可能性があります。
各トラフィック タイプのしきい値を設定するには、 storm-control インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
ストーム制御のデフォルト設定
デフォルトでは、ユニキャスト、ブロードキャスト、およびマルチキャスト ストーム制御はスイッチ インターフェイス上でディセーブルになります。したがって、抑制レベルは 100% です。
ストーム制御およびしきい値レベルの設定
ポートにストーム制御を設定し、特定のトラフィック タイプで使用するしきい値レベルを入力します。
ただし、ハードウェアの制約とともに、さまざまなサイズのパケットをどのように数えるかという問題があるので、しきい値の割合はあくまでも近似値です。着信トラフィックを形成するパケットのサイズによって、実際に適用されるしきい値は設定されたレベルに対して、数 % の差異が生じる可能性があります。
(注) ストーム制御は、物理インターフェイスでサポートされています。また、EtherChannel でもストーム制御を設定できます。ストーム制御を EtherChannel で設定する場合、ストーム制御設定は EtherChannel 物理インターフェイスに伝播します。
ストーム制御としきい値レベルを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
storm-control { broadcast | multicast | unicast } level { level [ level-low ] | bps bps [ bps-low ] | pps pps [ pps-low ]} |
ブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャスト ストーム制御を設定します。デフォルトでは、ストーム制御はディセーブルに設定されています。 キーワードの意味は次のとおりです。 • level には、ブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャスト トラフィックの上限しきい値レベルを帯域幅のパーセンテージで指定します(小数点第 2 位まで)。上限しきい値に到達すると、ポートはトラフィックをブロックします。指定できる範囲は 0.00 ~ 100.00 です。 • (任意)level-low には、下限しきい値レベルを帯域幅のパーセンテージで指定します(小数点第 2 位まで)。この値は上限抑制値より小さいか、または等しくなければなりません。トラフィックがこのレベルを下回っていれば、ポートはトラフィックを転送します。下限抑制レベルを設定しない場合、上限抑制レベルの値に設定されます。指定できる範囲は 0.00 ~ 100.00 です。 しきい値に最大値(100%)を指定した場合、トラフィックの制限はなくなります。しきい値に 0.0 を設定すると、そのポート上のすべてのブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャスト トラフィックがブロックされます。 • bps bps には、ブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャスト トラフィックの上限しきい値レベルをビット/秒で指定します(小数点第 1 位まで)。上限しきい値に到達すると、ポートはトラフィックをブロックします。指定できる範囲は 0.0 ~ 10000000000. 0 です。 • (任意)bps-low には、下限しきい値レベルをビット/秒で指定します(小数点第 1 位まで)。この値は上限しきい値レベル以下の値である必要があります。トラフィックがこのレベルを下回っていれば、ポートはトラフィックを転送します。指定できる範囲は 0.0 ~ 10000000000.0 です。 • pps pps には、ブロードキャスト、マルチキャスト、またはユニキャスト トラフィックの上限しきい値レベルをパケット/秒で指定します(小数点第 1 位まで)。上限しきい値に到達すると、ポートはトラフィックをブロックします。指定できる範囲は 0.0 ~ 10000000000.0 です。 • (任意)pps-low には、下限しきい値レベルをパケット/秒で指定します(小数点第 1 位まで)。この値は上限しきい値レベル以下の値である必要があります。トラフィックがこのレベルを下回っていれば、ポートはトラフィックを転送します。指定できる範囲は 0.0 ~ 10000000000.0 です。 BPS および PPS の設定には、しきい値の数値を大きく設定できるように、サフィックスに測定記号(k、m、g など)を使用できます。 |
ステップ 4 |
storm-control action { shutdown | trap } |
ストームが検出された場合に実行するアクションを指定します。デフォルトではトラフィックにフィルタリングを実行し、トラップは送信しない設定です。 • ストーム中、ポートを errdisable の状態にするには、 shutdown キーワードを選択します。 • ストームが検出された場合、SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)トラップを生成するには、 trap キーワードを選択します。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show storm-control [ interface-id ] [ broadcast | multicast | unicast ] |
指定したトラフィック タイプについて、インターフェイスで設定したストーム制御抑制レベルを確認します。トラフィック タイプを入力しなかった場合は、ブロードキャスト ストーム制御の設定が表示されます。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
ストーム制御をディセーブルにするには、 no storm-control { broadcast | multicast | unicast } level インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポート上で、上限抑制レベルを 87%、下限抑制レベルを 65% に設定し、ユニキャスト ストーム制御をイネーブルにする方法を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# storm-control unicast level 87 65
次に、ポート上で、ブロードキャスト アドレスのストーム制御を 20% のレベルでイネーブルにする例を示します。ブロードキャスト トラフィックが、トラフィック ストーム制御インターバル内にポートで使用できる総帯域幅のうち、設定された 20% のレベルを超えた場合、トラフィック ストーム制御インターバルが終わるまで、スイッチはすべてのブロードキャスト トラフィックをドロップします。
Switch# configure terminal
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# storm-control broadcast level 20
小さいフレームの着信レートの設定
67 バイト未満の着信 VLAN タグ付きパケットは、小さいフレームと見なされます。このパケットはスイッチにより転送されますが、スイッチ ストーム制御カウンタを増加させません。Cisco IOS Release 12.2(44)SE 以降では、小さいフレームが指定されたレート(しきい値)で到着した場合は、ポートがディセーブルになるように設定できます。
スイッチ上の小さいフレームの着信機能をグローバルにイネーブルにして、各インターフェイスのパケットの小さいフレームのしきい値を設定します。最小サイズよりも小さく、指定されたレート(しきい値)で着信するパケットは、ポートがディセーブルにされた後はドロップされます。
errdisable recovery cause small-frame グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力すると、指定された時間後にポートが再びイネーブルになります (errdisable recovery グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、リカバリ時間を指定します)。
各インターフェイスのしきい値レベルを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
errdisable detect cause small-frame |
スイッチ上の小さいフレームの着信レート機能をイネーブルにします。 |
ステップ 3 |
errdisable recovery interval interval |
(任意)指定された errdisable ステートから回復する時間を指定します。 |
ステップ 4 |
errdisable recovery cause small-frame |
(任意)小さいフレームの着信によりポートが errdisable になった後、そのポートを自動的に再イネーブルにするリカバリ時間を設定します。 |
ステップ 5 |
interface interface-id |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、設定するインターフェイスを指定します。 |
ステップ 6 |
small violation-rate pps |
インターフェイスが着信パケットをドロップしてポートを errdisable にするようにしきい値レートを設定します。範囲は、1 ~ 10,000 Packets Per Second(pps; パケット/秒)です。 |
ステップ 7 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 8 |
show interfaces interface-id |
設定を確認します。 |
ステップ 9 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
次に、小さいフレームの着信レート機能をイネーブルにし、ポートのリカバリ時間を設定し、ポートを errdisable にするしきい値を設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch# errdisable detect cause small-frame
Switch# errdisable recovery cause small-frame
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# small-frame violation rate 10000
ポート セキュリティの設定
ポート セキュリティ機能を使用すると、ポートへのアクセスを許可するステーションの MAC アドレスを制限および識別して、インターフェイスへの入力を制限できます。セキュア ポートにセキュア MAC アドレスを割り当てると、ポートは定義されたアドレス グループ以外の送信元アドレスを持つパケットを転送しません。セキュア MAC アドレス数を 1 つに制限し、単一のセキュア MAC アドレスを割り当てると、そのポートに接続されたワークステーションに、ポートの帯域幅全体が保証されます。
セキュア ポートとしてポートを設定し、セキュア MAC アドレスが最大数に達した場合、ポートにアクセスを試みるステーションの MAC アドレスが識別されたセキュア MAC アドレスのいずれとも一致しないので、セキュリティ違反が発生します。また、あるセキュア ポート上でセキュア MAC アドレスが設定または学習されているステーションが、別のセキュア ポートにアクセスしようとしたときにも、違反のフラグが立てられます。
ここでは、次の概念と設定情報について説明します。
• 「ポート セキュリティの概要」
• 「ポート セキュリティのデフォルト設定」
• 「ポート セキュリティの設定時の注意事項」
• 「ポート セキュリティのイネーブル化および設定」
• 「ポート セキュリティ エージングのイネーブル化および設定」
• 「ポート セキュリティおよびプライベート VLAN」
セキュア MAC アドレス
ポートで許可されるセキュア アドレスの最大数を設定するには、 switchport port-security maximum value インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
(注) 最大値をインターフェイス上ですでに設定されているセキュア アドレスの数より小さい値に設定しようとすると、コマンドが拒否されます。
スイッチは、次のセキュア MAC アドレス タイプをサポートします。
• スタティック セキュア MAC アドレス: switchport port-security mac-address mac-address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して手動で設定され、アドレス テーブルに保存されたのち、スイッチの実行コンフィギュレーションに追加されます。
• ダイナミック セキュア MAC アドレス:動的に設定されてアドレス テーブルにのみ保存され、スイッチの再起動時に削除されます。
• スティッキー セキュア MAC アドレス:動的に学習することも、手動で設定することもできます。アドレス テーブルに保存され、実行コンフィギュレーションに追加されます。このアドレスがコンフィギュレーション ファイルに保存されていると、スイッチの再起動時にインターフェイスはこれらを動的に再設定する必要がありません。
スティッキー ラーニング をイネーブルにすると、ダイナミック MAC アドレスをスティッキー セキュア MAC アドレスに変換して実行コンフィギュレーションに追加するようにインターフェイスを設定できます。スティッキー ラーニングをイネーブルにするには、 switchport port-security mac-address sticky インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。このコマンドを入力すると、インターフェイスはスティッキー ラーニングがイネーブルになる前に学習したものを含め、すべてのダイナミック セキュア MAC アドレスをスティッキー セキュア MAC アドレスに変換します。すべてのスティッキー セキュア MAC アドレスは実行コンフィギュレーションに追加されます。
スティッキー セキュア MAC アドレスは、コンフィギュレーション ファイル(スイッチが再起動されるたびに使用されるスタートアップ コンフィギュレーション)に、自動的には反映されません。スティッキー セキュア MAC アドレスをコンフィギュレーション ファイルに保存すると、スイッチの再起動時にインターフェイスはこれらを再び学習する必要がありません。スティッキ セキュア アドレスを保存しない場合、アドレスは失われます。
スティッキ ラーニングがディセーブルの場合、スティッキ セキュア MAC アドレスはダイナミック セキュア アドレスに変換され、実行コンフィギュレーションから削除されます。
スイッチに設定できるセキュア MAC アドレスの最大数は、システムで許可されている MAC アドレスの最大数によって決まります。この数字はアクティブな Switch Database Management(SDM)テンプレートによって決められます。を参照してください。この値は、使用可能な MAC アドレス(その他のレイヤ 2 機能やインターフェイスに設定されたその他のセキュア MAC アドレスで使用される MAC アドレスを含む)の総数です。
セキュリティ違反
次のいずれかの状況が発生すると、セキュリティ違反になります。
• 最大数のセキュア MAC アドレスがアドレス テーブルに追加されている状態で、アドレス テーブルに未登録の MAC アドレスを持つステーションがインターフェイスにアクセスしようとした場合。
• あるセキュア インターフェイスで学習または設定されたアドレスが、同一 VLAN 内の別のセキュア インターフェイスで使用された場合。
違反が発生した場合のアクションに基づいて、次の 4 つの違反モードのいずれかにインターフェイスを設定できます。
• protect(保護):セキュア MAC アドレスの数がポートで許可されている最大限度に達すると、最大値を下回るまで十分な数のセキュア MAC アドレスを削除するか、許可アドレス数を増やさない限り、未知の送信元アドレスを持つパケットはドロップされます。セキュリティ違反が起こっても、ユーザには通知されません。
(注) トランク ポートに protect 違反モードを設定することは推奨しません。保護モードでは、ポートが最大数に達していなくても VLAN が保護モードの最大数に達すると、ラーニングがディセーブルになります。
• restict(制限):セキュア MAC アドレスの数がポートで許可されている最大限度に達すると、最大値を下回るまで十分な数のセキュア MAC アドレスを削除するか、許可アドレス数を増やさない限り、未知の送信元アドレスを持つパケットはドロップされます。このモードでは、セキュリティ違反が発生したことが通知されます。SNMP トラップが送信されます。Syslog メッセージがロギングされ、違反カウンタが増加します。
• shutdown(シャットダウン):ポート セキュリティ違反により、インターフェイスが errdisable になり、ただちにシャットダウンされます。その後、ポートの LED が消灯します。セキュア ポートが errdisable ステートの場合は、 errdisable recovery cause psecure-violation グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力してこのステートを解除するか、 shutdown および no shutdown インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力して手動で再びイネーブルにできます。これは、デフォルトのモードです。
• shutdown vlan(VLAN シャットダウン):VLAN 単位でセキュリティ違反モードを設定するために使用します。このモードで違反が発生すると、ポート全体ではなく、VLAN が errdisable になります。
表 26-1 に、ポート セキュリティをインターフェイスに設定した場合の違反モードおよび対処について示します。
表 26-1 セキュリティ違反モードの処置
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protect |
No |
No |
No |
No |
No |
No |
restrict |
No |
Yes |
Yes |
No |
Yes |
No |
shutdown |
No |
No |
No |
No |
Yes |
Yes |
shutdown vlan |
No |
No |
Yes |
No |
Yes |
No |
ポート セキュリティのデフォルト設定
表 26-2 に、インターフェイスに対するポート セキュリティのデフォルト設定を示します。
表 26-2 ポート セキュリティのデフォルト設定
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ポート セキュリティ |
ポート上でディセーブル |
スティッキー アドレス ラーニング |
ディセーブル |
ポートあたりのセキュア MAC アドレスの最大数 |
1 |
違反モード |
シャットダウン。セキュア MAC アドレスが最大数を上回ると、ポートがシャットダウンします。 |
ポート セキュリティ エージング |
ディセーブル エージング タイムは 0 スタティック エージングはディセーブル タイプは absolute |
ポート セキュリティの設定時の注意事項
ポート セキュリティを設定するときには、次の注意事項に従ってください。
• ポート セキュリティを設定できるのは、スタティック アクセス ポートまたはトランク ポートに限られます。セキュア ポートをダイナミック アクセス ポートにすることはできません。
• セキュア ポートを Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)の宛先ポートにすることはできません。
(注) 音声 VLAN はアクセス ポートでのみサポートされており、設定可能であってもトランク ポートではサポートされていません。
• 音声 VLAN が設定されたインターフェイス上でポート セキュリティをイネーブルにする場合は、ポートの最大セキュア アドレス許容数を 2 に設定します。ポートを Cisco IP Phone に接続する場合は、IP Phone に MAC アドレスが 1 つ必要です。Cisco IP Phone のアドレスは音声 VLAN 上で学習されますが、アクセス VLAN 上では学習されません。1 台の PC を Cisco IP Phone に接続する場合、MAC アドレスの追加は必要ありません。複数の PC を Cisco IP Phone に接続する場合、各 PC と IP Phone に 1 つずつ使用できるように、十分な数のセキュア アドレスを設定する必要があります。
• トランク ポートがポート セキュリティで設定され、データ トラフィックのアクセス VLAN および音声トラフィックのアクセス VLAN に割り当てられている場合は、 switchport voice および switchport priority extend インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力しても効果はありません。
接続装置が同じ MAC アドレスを使用してアクセス VLAN の IP アドレス、音声 VLAN の IP アドレスの順に要求すると、アクセス VLAN だけが IP アドレスに割り当てられます。
• インターフェイスの最大セキュア アドレス値を入力したときに、新しい値がそれまでの値より大きいと、それまで設定されていた値が新しい値によって上書きされます。新しい値が前回の値より小さく、インターフェイスで設定されているセキュア アドレス数が新しい値より大きい場合、コマンドは拒否されます。
• スイッチはスティッキ セキュア MAC アドレスのポート セキュリティ エージングをサポートしていません。
表 26-3 に、他のポートベース機能と互換性のあるポート セキュリティについてまとめます。
表 26-3 ポート セキュリティと他のポートベース機能との互換性
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DTP ポート |
No |
トランク ポート |
Yes |
ダイナミック アクセス ポート |
No |
ルーテッド ポート |
No |
Switched Port Analyzer(SPAN; スイッチド ポート アナライザ)送信元ポート |
Yes |
SPAN 宛先ポート |
No |
EtherChannel |
Yes |
トンネリング ポート |
Yes |
保護ポート |
Yes |
IEEE 802.1x ポート |
Yes |
音声 VLAN ポート |
Yes |
プライベート VLAN ポート |
Yes |
IP ソース ガード |
Yes |
ダイナミック Address Resolution Protocol(ARP; アドレス解決プロトコル)インスペクション |
Yes |
Flex Link |
Yes |
ポート セキュリティのイネーブル化および設定
ポートへのアクセスを許可するステーションの MAC アドレスを制限および識別することによって、インターフェイスへの入力を制限するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
switchport mode { access | trunk } |
インターフェイス スイッチポート モードを access または trunk に設定します。デフォルト モード(dynamic auto)のインターフェイスは、セキュア ポートとして設定できません。 |
ステップ 4 |
switchport voice vlan vlan-id |
ポート上で音声 VLAN をイネーブルにします。 vlan-id :音声トラフィックに使用する VLAN を指定します。 |
ステップ 5 |
switchport port-security |
インターフェイス上でポート セキュリティをイネーブルにします。 |
ステップ 6 |
switchport port-security [maximum value [vlan {vlan-list | {access | voice}}]] |
(任意)インターフェイスに対するセキュア MAC アドレスの最大数を設定します。スイッチに設定できるセキュア MAC アドレスの最大数は、システムで許可されている MAC アドレスの最大数によって決まります。この値は、アクティブな SDM テンプレートによって決まります。を参照してください。この値は、使用可能な MAC アドレス(その他のレイヤ 2 機能やインターフェイスに設定されたその他のセキュア MAC アドレスで使用される MAC アドレスを含む)の総数です。 (任意) vlan :VLAN 単位の最大値を設定します。 vlan キーワードを入力後、次のいずれかのオプションを入力します。 • vlan-list :トランク ポート上で、ハイフンで区切った範囲の VLAN、またはカンマで区切った一連の VLAN における、VLAN 単位の最大値を設定できます。VLAN を指定しない場合、VLAN ごとの最大値が使用されます。 • access :アクセス ポート上で、アクセス VLAN として VLAN を指定します。 • voice :アクセス ポート上で、音声 VLAN として VLAN を指定します。 (注) voice キーワードは、音声 VLAN がポートに設定されていて、さらにそのポートがアクセス VLAN でない場合のみ有効です。インターフェイスに音声 VLAN が設定されている場合、セキュア MAC アドレスの最大数を 2 に設定します。 |
ステップ 7 |
switchport port-security [violation { protect | restrict | shutdown | shutdown vlan }] |
(任意)違反モード、つまりセキュリティ違反が検出されたときの対応を、次のいずれかに設定します。 • protect (保護):ポート セキュア MAC アドレスの数がポートで許可されている最大限度に達すると、最大値を下回るまで十分な数のセキュア MAC アドレスを削除するか、または許可アドレス数を増やさない限り、未知の送信元アドレスを持つパケットはドロップされます。セキュリティ違反が起こっても、ユーザには通知されません。 (注) トランク ポートに protect モードを設定することは推奨しません。保護モードでは、ポートが最大数に達していなくても VLAN が保護モードの最大数に達すると、ラーニングがディセーブルになります。 • restrict :セキュア MAC アドレスの数がポートで許可されている最大限度に達すると、十分な数のセキュア MAC アドレスを削除するか、または許可アドレス数を増やさない限り、未知の送信元アドレスを持つパケットはドロップされます。SNMP トラップが送信されます。Syslog メッセージがロギングされ、違反カウンタが増加します 。 • shutdown :違反が発生すると、インターフェイスが errdisable になり、ポートの LED が消灯します。SNMP トラップが送信されます。Syslog メッセージがロギングされ、違反カウンタが増加します。 • shutdown vlan:VLAN 単位でセキュリティ違反モードを設定するために使用します。このモードで違反が発生すると、ポート全体ではなく、VLAN が errdisable になります。 インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力するか、clear errdisable interface vlan 特権 EXEC コマンドを入力します。 |
ステップ 8 |
switchport port-security [mac-address mac-address [vlan { vlan-id | {access | voice}}] |
(任意)インターフェイスのセキュア MAC アドレスを入力します。このコマンドを使用すると、最大数のセキュア MAC アドレスを入力できます。設定したセキュア MAC アドレスが最大数より少ない場合、残りの MAC アドレスは動的に学習されます。 (注) このコマンドの入力後にスティッキー ラーニングをイネーブルにすると、動的に学習されたセキュア アドレスがスティッキー セキュア MAC アドレスに変換されて実行コンフィギュレーションに追加されます。 (任意) vlan :VLAN 単位の最大値を設定します。 vlan キーワードを入力後、次のいずれかのオプションを入力します。 • vlan-id :トランク ポートで、VLAN ID および MAC アドレスを指定できます。VLAN ID を指定しない場合、ネイティブ VLAN が使用されます。 • access :アクセス ポート上で、アクセス VLAN として VLAN を指定します。 • voice :アクセス ポート上で、音声 VLAN として VLAN を指定します。 (注) voice キーワードは、音声 VLAN がポートに設定されていて、さらにそのポートがアクセス VLAN でない場合のみ有効です。インターフェイスに音声 VLAN が設定されている場合、セキュア MAC アドレスの最大数を 2 に設定します。 |
ステップ 9 |
switchport port-security mac-address sticky |
(任意)インターフェイスでスティッキー ラーニングをイネーブルにします。 |
ステップ 10 |
switchport port-security mac-address sticky [mac-address | vlan {vlan-id | {access | voice}}] |
(任意)スティッキー セキュア MAC アドレスを入力し、必要な回数だけコマンドを繰り返します。設定したセキュア MAC アドレスの数が最大数より少ない場合、残りの MAC アドレスは動的に学習されてスティッキー セキュア MAC アドレスに変換され、実行コンフィギュレーションに追加されます。 (注) このコマンドの入力前にスティッキー ラーニングをイネーブルにしないと、エラー メッセージが表示されてスティッキー セキュア MAC アドレスを入力できません。 (任意) vlan :VLAN 単位の最大値を設定します。 vlan キーワードを入力後、次のいずれかのオプションを入力します。 • vlan-id :トランク ポートで、VLAN ID および MAC アドレスを指定できます。VLAN ID を指定しない場合、ネイティブ VLAN が使用されます。 • access :アクセス ポート上で、アクセス VLAN として VLAN を指定します。 • voice :アクセス ポート上で、音声 VLAN として VLAN を指定します。 (注) voice キーワードは、音声 VLAN がポートに設定されていて、さらにそのポートがアクセス VLAN でない場合のみ有効です。 |
ステップ 11 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 12 |
show port-security |
設定を確認します。 |
ステップ 13 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
セキュア ポートではないデフォルトの状態にインターフェイスを戻すには、 no switchport port-security インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。スティッキー ラーニングがイネーブルの状態でこのコマンドを入力すると、スティッキー セキュア アドレスが実行コンフィギュレーションの一部に残りますが、アドレス テーブルからは削除されます。ここですべてのアドレスが動的に学習されます。
インターフェイスのセキュア MAC アドレス数をデフォルトに戻すには、 no switchport port-security maximum value インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。違反モードをデフォルト状態(shutdown モード)に戻すには、 no switchport port-security violation { protocol | restrict } インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
インターフェイスでスティッキー ラーニングをディセーブルにするには、 no switchport port-security mac-address sticky インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。インターフェイスがスティッキー セキュア MAC アドレスをダイナミック セキュア アドレスに変換します。ただし、スティッキー MAC アドレスによる設定を保存した場合、 no switchport port-security mac-address sticky コマンドの入力後に設定をもう一度保存しないと、スイッチの再起動時にスティッキー アドレスが復元されます。
MAC アドレス テーブルからスイッチまたはインターフェイス上のセキュア アドレスすべてまたは特定(設定、ダイナミック、スティッキー)のセキュア アドレスすべてを削除するには、clear port-security { all | configured | dynamic | sticky} 特権 EXEC コマンド を使用します。
アドレス テーブルから特定のセキュア MAC アドレスを削除するには、 no switchport port-security mac-address mac-address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。インターフェイス上のすべてのダイナミック セキュア アドレスをアドレス テーブルから削除するには、 no switchport port-security インターフェイス コンフィギュレーション コマンドの後に、(インターフェイスでポート セキュリティを再びイネーブルにするために) switchport port-security コマンドを入力します。 no switchport port-security コマンドを使用する前に、 no switchport port-security mac-address sticky インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してスティッキー セキュア MAC アドレスをダイナミック セキュア MAC アドレスに変換した場合、手動で設定されたものを除き、インターフェイス上のすべてのセキュア アドレスが削除されます。
設定済みのセキュア MAC アドレスをアドレス テーブルから明確に削除する場合、 no switchport port-security mac-address mac-address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用する必要があります。
次に、ポート上でポート セキュリティをイネーブルにし、セキュア アドレスの最大数を 50 に設定する例を示します。違反モードはデフォルトです。スタティック セキュア MAC アドレスは設定せず、スティッキー ラーニングはイネーブルです。
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# switchport mode access
Switch(config-if)# switchport port-security
Switch(config-if)# switchport port-security maximum 50
Switch(config-if)# switchport port-security mac-address sticky
次に、ポートの VLAN 3 上にスタティック セキュア MAC アドレスを設定する例を示します。
Switch(config)# interface gigabitethernet0/2
Switch(config-if)# switchport mode trunk
Switch(config-if)# switchport port-security
Switch(config-if)# switchport port-security mac-address 0000.02000.0004 vlan 3
次に、ポートのスティッキー ポート セキュリティをイネーブルにする例を示します。データ VLAN および音声 VLAN の MAC アドレスを手動で設定し、セキュア アドレスの総数を 20 に設定します(データ VLAN に 10、音声 VLAN に 10 を割り当てます)。
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# switchport access vlan 21
Switch(config-if)# switchport mode access
Switch(config-if)# switchport voice vlan 22
Switch(config-if)# switchport port-security
Switch(config-if)# switchport port-security maximum 20
Switch(config-if)# switchport port-security violation restrict
Switch(config-if)# switchport port-security mac-address sticky
Switch(config-if)# switchport port-security mac-address sticky 0000.0000.0002
Switch(config-if)# switchport port-security mac-address 0000.0000.0003
Switch(config-if)# switchport port-security mac-address sticky 0000.0000.0001 vlan voice
Switch(config-if)# switchport port-security mac-address 0000.0000.0004 vlan voice
Switch(config-if)# switchport port-security maximum 10 vlan access
Switch(config-if)# switchport port-security maximum 10 vlan voice
ポート セキュリティ エージングのイネーブル化および設定
ポート上のすべてのセキュア アドレスにエージング タイムを設定するには、ポート セキュリティ エージングを使用します。ポートごとに 2 つのタイプのエージングがサポートされています。
• absolute:指定されたエージング タイムの経過後に、ポート上のセキュア アドレスが削除されます。
• inactivity:指定されたエージング タイムの間、セキュア アドレスが非アクティブであった場合に限り、ポート上のセキュア アドレスが削除されます。
この機能を使用すると、既存のセキュア MAC アドレスを手動で削除しなくても、セキュア ポート上のデバイスを削除および追加し、なおかつポート上のセキュア アドレス数を制限できます。セキュア アドレスのエージングは、ポート単位でイネーブルまたはディセーブルにできます。
ポート セキュリティ エージングを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
switchport port-security aging { static | time time | type { absolute | inactivity }} |
セキュア ポートのスタティック エージングをイネーブルまたはディセーブルにします。またはエージング タイムやタイプを設定します。 (注) スイッチは、スティッキー セキュア アドレスのポート セキュリティ エージングをサポートしていません。 このポートに、スタティックに設定されたセキュア アドレスのエージングをイネーブルにする場合は、 static を入力します。 time には、このポートのエージング タイムを指定します。指定できる範囲は、0 ~ 1440 分です。 type には、次のキーワードのいずれか 1 つを選択します。 • absolute :エージング タイプを絶対エージングとして設定します。このポートのセキュア アドレスはすべて、指定した時間(分単位)が経過すると期限切れになり、セキュア アドレス リストから削除されます。 • inactivity :エージング タイプを非アクティブ エージングとして設定します。指定された time 期間中にセキュア送信元アドレスからのデータ トラフィックがない場合に限り、このポートのセキュア アドレスが期限切れになります。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show port-security [ interface interface-id ] [ address ] |
設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
ポート上のすべてのセキュア アドレスに対してポート セキュリティ エージングをディセーブルにするには、no switchport port-security aging time インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。静的に設定されたセキュア アドレスに対してだけエージングをディセーブルにするには、no switchport port-security aging static インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポート上のセキュア アドレスのエージング タイムを 2 時間に設定する例を示します。
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# switchport port-security aging time 120
次に、このインターフェイスに設定されたセキュア アドレスに対して、エージングをイネーブルにし、非アクティブ エージング タイプのエージング タイムを 2 分に設定する例を示します。
Switch(config-if)# switchport port-security aging time 2
Switch(config-if)# switchport port-security aging type inactivity
Switch(config-if)# switchport port-security aging static
上記のコマンドを確認するには、 show port-security interface interface-id 特権 EXEC コマンドを入力します。
ポート セキュリティおよびプライベート VLAN
ポート セキュリティにより、管理者はポートで学習する MAC アドレス数を制限したり、ポートで学習する MAC アドレスを定義したりできます。
PVLAN ホストおよび無差別ポートでポート セキュリティを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
switchport mode private-vlan { host | promiscuous } |
インターフェイスでプライベート VLAN をイネーブルにします。 |
ステップ 4 |
switchport port-security |
インターフェイス上でポート セキュリティをイネーブルにします。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show port-security [ interface interface-id ] [ address ] |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
次に、ポート セキュリティおよびプライベート VLAN を設定する例を示します。
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# switchport private-vlan mapping 2061 2201-2206,3101
Switch(config-if)# switchport mode private-vlan promiscuous
Switch(config-if)# switchport port-security maximum 288
Switch(config-if)# switchport port-security
Switch(config-if)# switchport port-security violation restrict
(注) ポート セキュリティとプライベート VLAN の両方が設定されているポートには、セキュア PVLAN ポートのラベル付けが可能です。セキュア アドレスがセキュア PVLAN ポートで学習されるとき、同じセキュア アドレスは、同じプライマリ VLAN に属する別のセキュア PVLAN ポートでは学習できません。ただし、非セキュア PVLAN ポートで学習されたアドレスは、同じプライマリ VLAN に属するセキュア PVLAN ポートで学習できます。
ホスト ポートで学習されるセキュア アドレスは、関連プライマリ VLAN で自動的に複製され、また同様に、無差別ポートで学習されるセキュア アドレスは、すべての関連セカンダリ VLAN で自動的に複製されます。静的アドレス(mac-address-table static コマンドを使用)は、ユーザがセキュア ポートで設定することはできません。
プロトコル ストーム プロテクションの設定
• 「プロトコル ストーム プロテクションの概要」
• 「デフォルトのプロトコル ストーム プロテクションの設定」
• 「プロトコル ストーム プロテクションのイネーブル化」
プロトコル ストーム プロテクションの概要
スイッチが Address Resolution Protocol(ARP; アドレス解決プロトコル)または制御パケットでフラッドされると、CPU の高い使用率により CPU のオーバーロードが発生する可能性があります。これらの問題は、次のように発生します。
• プロトコル制御パケットが受信されず、ネイバーの隣接がドロップされるため、ルーティング プロトコルがフラップする場合があります。
• Spanning Tree Protocol(STP; スパニングツリー プロトコル)Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)が送受信されないため、STP が再収束します。
• CLI が遅くなるか応答しなくなります。
プロトコル ストーム プロテクションを使用すると、パケットのフロー レートの上限しきい値を指定して、制御パケットが送信されるレートを制御できます。サポートされるプロトコルは、ARP、ARP スヌーピング、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)v4、DHCP スヌーピング、インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)、および IGMP スヌーピングです。
パケットのレートが定義されたしきい値を超えると、スイッチは指定されたポートに着信したすべてのトラフィックを 30 秒間ドロップします。パケット レートが再度計測され、必要な場合はプロトコル ストーム プロテクションが再度適用されます。
より強力な保護が必要な場合は、仮想ポートを手動で errdisable にし、その仮想ポートのすべての着信トラフィックをブロックできます。また、手動で仮想ポートをイネーブルにしたり、仮想ポートの自動再イネーブル化の時間間隔を設定することもできます。
(注) 超過したパケットは、2 つ以下の仮想ポートにおいてドロップされます。
仮想ポートの errdisable は、EtherChannel および Flexlink インターフェイスではサポートされません。
デフォルトのプロトコル ストーム プロテクションの設定
プロトコル ストーム プロテクションはデフォルトでディセーブルです。これがイネーブルになると、仮想ポートの自動リカバリがデフォルトでディセーブルになります。
プロトコル ストーム プロテクションのイネーブル化
プロトコル ストーム プロテクションを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
psp { arp | dhcp | igmp } pps value |
ARP、IGMP、または DHCP に対してプロトコル ストーム プロテクションを設定します。 value には、1 秒あたりのパケット数のしきい値を指定します。トラフィックがこの値を超えると、プロトコル ストーム プロテクションが適用されます。範囲は毎秒 5 ~ 50 パケットです。 |
ステップ 3 |
errdisable detect cause psp |
(任意)プロトコル ストーム プロテクションの errdisable 検出をイネーブルにします。この機能がイネーブルになると、仮想ポートが errdisable になります。この機能がディセーブルになると、そのポートは、ポートを errdisable にせずに超過したパケットをドロップします。 |
ステップ 4 |
errdisable recovery interval time |
(任意)errdisable の仮想ポートの自動リカバリ時間を秒単位で設定します。仮想ポートが errdisable の場合、この時間を過ぎるとスイッチは自動的にリカバリします。指定できる範囲は 30 ~ 86400 秒です。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show psp config { arp | dhcp | igmp } |
設定を確認します。 |
次の例では、DHCP の着信 DHCP トラフィックが毎秒 35 パケットを超えた場合に、トラフィックをドロップするようプロトコル ストーム プロテクションを設定する方法を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# psp dhcp pps 35
特定のプロトコルで、プロトコル ストーム プロテクションをディセーブルにするには、 no psp { arp | dhcp | igmp } 特権 EXEC コマンドを使用します。
プロトコル ストーム プロテクションの errdisable 検出をディセーブルにするには、 no errdisable detect cause psp グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
手動で errdisable 仮想ポートを再度イネーブルにするには、 errdisable recovery cause psp グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
errdisable ポートの自動リカバリをディセーブルにするには、 no errdisable recovery cause psp グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
プロトコル ストーム プロテクションが設定されている場合、ドロップされたパケットの数がカウンタに記録されます。このカウンタを表示するには、 show psp statistics [ arp | igmp | dhcp ] 特権 EXEC コマンドを使用します。あるプロトコルのカウンタをクリアするには、 clear psp counter [ arp | igmp | dhcp ] コマンドを使用します。