ACL の概要
パケット フィルタリングは、ネットワーク トラフィックを限定し、特定のユーザまたはデバイスによるネットワークの使用を制限するうえで役立ちます。ACL はルータまたはスイッチを通過するトラフィックをフィルタリングし、特定のインターフェイスまたは VLAN でパケットを許可、または拒否します。ACL は、パケットに適用される許可条件および拒否条件の順序付けられた集まりです。パケットがインターフェイスに着信すると、スイッチはパケット内のフィールドを適用される ACL と比較し、アクセス リストに指定された基準に基づいて、パケットが転送に必要な権限を持っているかどうかを確認します。アクセス リスト内の条件を 1 つずつ調べ、パケットをテストします。最初に一致した条件によって、スイッチがパケットを受け入れるか拒否するかが決定されます。スイッチは最初に一致した時点でテストを中止するので、リストに条件を指定する順序が重要です。一致する条件がない場合、スイッチはパケットを拒否します。スイッチは、制限条件がない場合はパケットを転送し、制限条件がある場合はパケットをドロップします。スイッチは、VLAN 内でブリッジングされるパケットを含めて、転送されるすべてのパケットに ACL を使用します。
ネットワークに基本的なセキュリティを導入する場合は、ルータまたはレイヤ 3 スイッチにアクセス リストを設定します。ACL を設定しなければ、スイッチを通過するすべてのパケットがネットワークのあらゆる部分で許可される可能性があります。ACL を使用すると、ネットワークの場所ごとにアクセス可能なホストを制御したり、ルータ インターフェイスで転送またはブロックされるトラフィックの種類を決定したりできます。たとえば、電子メール トラフィックの転送を許可し、Telnet トラフィックの転送を拒否することもできます。ACL を着信トラフィック、発信トラフィック、またはその両方をブロックするように設定することもできます。
ACL には、Access Control Entry(ACE; アクセス コントロール エントリ)の順序付けられたリストが含まれています。各 ACE には、 permit または deny と、パケットが ACE と一致するために満たす必要のある一連の条件を指定します。 permit または deny の意味は、ACL が使用されるコンテキストによって変わります。
スイッチは、IP ACL とイーサネット(MAC)ACL をサポートしています。
• IP ACL は、TCP、ユーザ データグラム プロトコル(UDP)、インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)、インターネット制御メッセージ プロトコル(ICMP)などの IPv4 トラフィックをフィルタリングします。
• イーサネット ACL は非 IP トラフィックをフィルタリングします。
このスイッチは、Quality of Service(QoS)分類 ACL もサポートしています。詳細については、「QoS ACL に基づく分類」を参照してください。
ここでは、次の概要について説明します。
• 「サポートされる ACL」
• 「フラグメント化されたトラフィックとフラグメント化されていないトラフィックの処理」
• 「ACL とスイッチ スタック」
サポートされる ACL
スイッチでは、トラフィックをフィルタリングするために、次に示す 3 種類の ACL がサポートされています。
(注) LAN ベース フィーチャ セットが稼働しているスイッチで、ルータ ACL は、SVI だけでサポートされ、VLAN マップはサポートされません。
• ポート ACL は、レイヤ 2 インターフェイスに入るトラフィックをアクセス コントロールします。スイッチでは、発信方向のポート ACL はサポートしません。1 つのレイヤ 2 インターフェイスに適用できるのは、IP アクセス リスト 1 つと MAC アクセス リスト 1 つだけです。詳細については、「ポート ACL」を参照してください。
• ルータ ACL は、VLAN 間でルーティングされたトラフィックのアクセスを制御し、レイヤ 3 インターフェイスで特定の方向(着信または発信)に適用されます。詳細については、「ルータ ACL」を参照してください。
• VLAN ACL または VLAN マップは、すべてのパケット(ブリッジド パケットおよびルーテッド パケット)のアクセスを制御します。VLAN マップを使用すると、同じ VLAN 内のデバイス間で転送されるトラフィックをフィルタリングできます。VLAN マップは、IPv4 のレイヤ 3 アドレスに基づいてアクセス コントロールするように設定されています。イーサネット ACE を使用すると MAC アドレスにより、サポートされていないプロトコルがアクセス コントロールされます。VLAN マップを VLAN に適用すると、VLAN に入るすべてのパケット(ルーテッド パケットまたはブリッジド パケット)が VLAN マップと照合されます。パケットは、スイッチ ポートを介して、または、ルーティングされたパケットの場合、ルーテッド ポートを介して、VLAN に入ることができます。詳細については、「VLAN マップ」を参照してください。
同じスイッチ上で入力ポート ACL、ルータ ACL、VLAN マップを併用できます。ただし、ポート ACL はルータ ACL または VLAN マップよりも優先されます。
• 入力ポート ACL と VLAN マップが両方とも適用されている場合に、ポート ACL が適用されたポートにパケットが着信すると、このパケットはポート ACL によってフィルタリングされます。その他のパケットは、VLAN マップによってフィルタリングされます。
• スイッチ仮想インターフェイス(SVI)に入力ルータ ACL および入力ポート ACL が設定されている場合に、ポート ACL が適用されているポートにパケットが着信すると、このパケットはポート ACL によってフィルタリングされます。他のポートで受信した着信のルーティング IP パケットには、ルータ ACL のフィルタが適用されます。他のパケットはフィルタリングされません。
• SVI に出力ルータ ACL および入力ポート ACL が設定されている場合に、ポート ACL が適用されているポートにパケットが着信すると、このパケットはポート ACL によってフィルタリングされます。発信するルーティング IP パケットには、ルータ ACL のフィルタが適用されます。他のパケットはフィルタリングされません。
• SVI に VLAN マップ、入力ルータ ACL、および入力ポート ACL が設定されている場合に、ポート ACL が適用されているポートにパケットが着信すると、このパケットはポート ACL だけによってフィルタリングされます。他のポートで受信した着信のルーティング IP パケットには、VLAN マップおよびルータ ACL のフィルタが適用されます。他のパケットには、VLAN マップのフィルタだけが適用されます。
• SVI に VLAN マップ、出力ルータ ACL、および入力ポート ACL が設定されている場合に、ポート ACL が適用されているポートにパケットが着信すると、このパケットはポート ACL だけによってフィルタリングされます。発信するルーティング IP パケットには、VLAN マップおよびルータ ACL のフィルタが適用されます。他のパケットには、VLAN マップのフィルタだけが適用されます。
インターフェイスで IEEE 802.1Q トンネリングを設定している場合、トンネル ポートで受信した IEEE 802.1Q カプセル化 IP パケットは、MAC ACL によってフィルタリングされますが、IP ACL ではフィルタリングされません。これは、スイッチが IEEE 802.1Q ヘッダー内部のプロトコルを認識しないためです。ルータ ACL、ポート ACL、および VLAN マップに、この制限が適用されます。IEEE 802.1Q トンネリングの詳細については、「IEEE 802.1Q トンネリングの設定」および「レイヤ 2 プロトコル トンネリングの設定」を参照してください。
ポート ACL
ポート ACL は、スイッチのレイヤ 2 インターフェイスに適用される ACL です。ポート ACL がサポートされるのは物理インターフェイスだけで、EtherChannel インターフェイスではサポートされず、着信方向のインターフェイスだけに適用されます。次のアクセス リストがサポートされています。
• 送信元アドレスを使用する IP アクセス リスト
• 送信元および宛先のアドレスと任意でプロトコル タイプ情報を使用できる拡張 IP アクセス リスト
• 送信元および宛先の MAC アドレスと任意でプロトコル タイプ情報を使用できる MAC 拡張アクセス リスト
スイッチは、インターフェイスに設定されたすべての着信機能に関連付けられた ACL を調べ、パケットが ACL 内のエントリとどのように一致するかに基づいてパケットの転送を許可または拒否します。このように、ACL がネットワークまたはネットワークの部分へのアクセスを制御します。図 39-1 に、すべてのワークステーションが同じ VLAN にある場合にポート ACL を使用してネットワークへのアクセスを制御する例を示します。レイヤ 2 の着信方向に適用された ACL は、ホスト A がヒューマン リソース ネットワークにアクセスすることを許可しますが、ホスト B が同一のネットワークにアクセスすることは拒否します。ポート ACL は、着信方向のレイヤ 2 インターフェイスだけに適用できます。
図 39-1 ACL によるネットワークへのトラフィックの制御
ポート ACL をトランク ポートに適用すると、ACL はそのトランク ポート上のすべての VLAN でトラフィックをフィルタリングします。ポート ACL を音声 VLAN ポートに適用すると、ACL はデータ VLAN と音声 VLAN の両方でトラフィックをフィルタリングします。
ポート ACL では、IP アクセス リストを使用して IP トラフィックをフィルタリングでき、MAC アドレスを使用して非 IP トラフィックをフィルタリングできます。同じレイヤ 2 インターフェイス上で IP トラフィックと非 IP トラフィックの両方をフィルタリングするには、そのインターフェイスに IP アクセス リストと MAC アクセス リストの両方を適用します。
(注) レイヤ 2 インターフェイスに適用できるのは、IP アクセス リスト 1 つと MAC アクセス リスト 1 つだけです。すでに IP アクセス リストまたは MAC アクセス リストが設定されているレイヤ 2 インターフェイスに新しい IP アクセス リストまたは MAC アクセス リストを適用すると、設定済みの ACL が新しい ACL に置き換えられます。
ルータ ACL
(注) LAN ベース フィーチャ セットが稼働しているスイッチで、ルータ ACL は SVI でのみサポートされます。
VLAN へのレイヤ 3 インターフェイスである SVI、物理レイヤ 3 インターフェイス、およびレイヤ 3 EtherChannel インターフェイスに、ルータ ACL を適用できます。ルータ ACL はインターフェイスの特定の方向(着信または発信)に対して適用されます。1 つのインターフェイスの方向ごとに、ルータ ACL を 1 つ適用できます。
1 つの ACL をある特定インターフェイスの複数の機能に使用できます。また、1 つの機能に複数の ACL を使用することもできます。1 つのルータ ACL を複数の機能で使用する場合、そのルータ ACL は複数回、照合されます。
スイッチは、IPv4 トラフィックの次のアクセス リストをサポートしています。
• 標準 IP アクセス リストでは、照合操作に送信元アドレスを使用します。
• 拡張 IP アクセス リストは、送信元アドレス、宛先アドレス、およびオプションのプロトコル タイプ情報を使用して一致処理を行います。
ポート ACL の場合と同様、スイッチはインターフェイスに設定されている機能に関連付けられている ACL が照合されます。ただし、ルータ ACL は双方向でサポートされています。パケットがスイッチのインターフェイスに着信すると、そのインターフェイスに設定されているすべての着信機能に対応する ACL が照合されます。パケットがルーティングされてからネクストホップに転送されるまでの間に、出力インターフェイスに設定された発信機能に対応するすべての ACL が照合されます。
ACL は ACL 内のエントリとパケットの一致結果に応じて、パケット転送を許可するか、拒否するかを決めます。ACL を使用すると、ネットワーク全体またはネットワークの一部に対するアクセス コントロールを実行できます。図 39-1 では、ルータへの入力に適用されている ACL により、ホスト A は人事部ネットワークへのアクセスが許可されますが、ホスト B は拒否されます。
VLAN マップ
(注) VLAN マップは、LAN ベース フィーチャ セットを実行しているスイッチではサポートされません。
VLAN ACL または VLAN マップを使用して、 すべての トラフィックをアクセス コントロールできます。VLAN との間でルーティングされる、またはスイッチまたはスイッチ スタックの VLAN 内でブリッジングされる すべてのパケット に、VLAN マップを適用します。
VLAN マップはセキュリティ パケット フィルタリングに使用してください。VLAN マップで方向(着信または発信)は定義されません。
VLAN マップを設定して、IPv4 トラフィックのレイヤ 3 アドレスを照合できます。
すべての非 IP プロトコルは、MAC VLAN マップを使用して、MAC アドレスおよび Ethertype によってアクセス コントロールされます (IP トラフィックには、MAC VLAN マップによるアクセス コントロールが できません )。VLAN マップはスイッチを通過するパケットにだけ適用できます。ハブ上またはこのスイッチに接続された別のスイッチ上のホスト間のトラフィックには、VLAN マップを適用させることができません。
VLAN マップを使用すると、マップに指定されたアクションに基づいてパケットの転送が許可または拒否されます。図 39-2 に、VLAN マップを適用して、特定のトラフィック タイプを VLAN 10 のホスト A から転送できないように設定する例を示します。各 VLAN には、VLAN マップを 1 つだけ適用できます。
図 39-2 VLAN マップによるトラフィックの制御
フラグメント化されたトラフィックとフラグメント化されていないトラフィックの処理
IP パケットは、ネットワークを通過するときにフラグメント化されることがあります。その場合、TCP または UDP ポート番号や ICMP タイプおよびコードなどのレイヤ 4 情報は、パケットの最初の部分があるフラグメントだけに含まれます。他のフラグメントには、この情報はありません。
ACE には、レイヤ 4 情報をチェックしないため、すべてのパケット フラグメントに適用されるものがあります。レイヤ 4 情報を調べる ACE は、フラグメント化された IP パケットのほとんどのフラグメントに標準的な方法では適用できません。フラグメントにレイヤ 4 情報が含まれておらず、ACE が一部のレイヤ 4 情報をチェックする場合、一致ルールは次のように変更されます。
• フラグメント内のレイヤ 3 情報(TCP や UDP などのプロトコル タイプを含む)をチェックする許可 ACE は、含まれていないレイヤ 4 情報の種類にかかわらず、フラグメントと一致すると見なされます。
• レイヤ 4 情報をチェックする拒否 ACE は、フラグメントにレイヤ 4 情報が含まれていない限り、フラグメントと一致しません。
次のコマンドで構成され、フラグメント化された 3 つのパケットに適用されるアクセス リスト 102 を例に取って説明します。
Switch(config)# access-list 102 permit tcp any host 10.1.1.1 eq smtp
Switch(config)# access-list 102 deny tcp any host 10.1.1.2 eq telnet
Switch(config)# access-list 102 permit tcp any host 10.1.1.2
Switch(config)# access-list 102 deny tcp any any
(注) 最初の 2 つの ACE には宛先アドレスの後に eq キーワードがありますが、これは既知の TCP 宛先ポート番号がそれぞれ Simple Mail Transfer Protocol(SMTP; シンプル メール転送プロトコル)および Telnet と一致するかどうかをチェックすることを意味します。
• パケット A は、ホスト 10.2.2.2 のポート 65000 からホスト 10.1.1.1 の SMTP ポートに送信される TCP パケットです。このパケットがフラグメント化された場合、レイヤ 4 情報がすべて揃っているため、完全なパケットである場合と同じように最初のフラグメントが最初の ACE(permit)と一致します。残りのフラグメントも最初の ACE と一致します。これは、それらのフラグメントに SMTP ポート情報が含まれていなくても、最初の ACE が適用されたときにレイヤ 3 情報だけをチェックするからです。この例の情報は、パケットが TCP であることと、宛先が 10.1.1.1 であることです。
• パケット B は、ホスト 10.2.2.2 のポート 65001 からホスト 10.1.1.2 の Telnet ポートに送信されます。このパケットがフラグメント化された場合、レイヤ 3 情報とレイヤ 4 情報がすべて揃っているため、最初のフラグメントが 2 つめの ACE(deny)と一致します。残りのフラグメントは、レイヤ 4 情報が含まれていないため、2 つめの ACE と一致しません。残りのフラグメントは 3 つめの ACE(permit)と一致します。
最初のフラグメントが拒否されたため、ホスト 10.1.1.2 は完全なパケットを再構成できず、その結果、パケット B は拒否されます。ただし、以降の許可されたフラグメントがネットワークの帯域幅を使用し、ホスト 10.1.1.2 がパケットを再構成しようとするときにホストのリソースが消費されます。
• フラグメント化されたパケット C は、ホスト 10.2.2.2 のポート 65001 からホスト 10.1.1.3 のポート ftp に送信されます。このパケットがフラグメント化された場合、最初のフラグメントが 4 つめの ACE(deny)と一致します。ACE はレイヤ 4 情報をチェックせず、すべてのフラグメントのレイヤ 3 情報に宛先がホスト 10.1.1.3 であることが示され、前の permit ACE は異なるホストをチェックしていたため、他のフラグメントもすべて 4 つめの ACE と一致します。
ACL とスイッチ スタック
スイッチ スタックの ACL サポートは、スタンドアロン スイッチと同じです。ACL の構成情報は、スタック内のすべてのスイッチに送信されます。スタック マスターを含むスタック内のすべてのスイッチでは、情報が処理され、ハードウェアがプログラムされます。(スイッチ スタックの詳細については、「スイッチ スタックの設定」を参照してください)。
スタック マスターにより、これらの ACL 機能が実行されます。
• ACL 構成情報が処理され、情報がすべてのスタック メンバに送信されます。
• ACL 情報は、スタックに加入しているすべてのスイッチに配信されます。
• (たとえば、十分なハードウェア リソースがないなど)何らかの理由で、ソフトウェアによってパケットが送信される必要がある場合、ACL をパケットに適用後にのみ、マスター スイッチによってパケットが転送されます。
• そのハードウェアは、処理する ACL 情報でプログラムされます。
スタック メンバにより、次の ACL 機能が実行されます。
• スタック メンバでは、マスター スイッチから ACL 情報を受信し、ハードウェアがプログラムされます。
• スタック メンバは、スタンバイ スイッチとして動作し、既存マスターに障害が発生した場合にスタック マスターの役割を引き継ぐ準備が整えられ、新しいスタック マスターとして選択されます。
スタック マスターに障害が発生し、新しいスタック マスターが選択された場合、新たに選択されたマスターにより、バックアップされた実行コンフィギュレーションが再解析されます (「スイッチ スタックの設定」を参照)。実行コンフィギュレーションの一部である ACL 設定も、この手順で再解析されます。新しいスタック マスターにより、スタックにあるすべてのスイッチに ACL 情報が配信されます。
IPv4 ACL の設定
このスイッチで IP v4ACL を設定する手順は、他の Cisco スイッチやルータで IP v4ACL を設定する手順と同じです。ここでは、その設定手順を簡単に説明します。ACL の設定に関する詳細については、『 Cisco IOS IP Configuration Guide, Release 12.4 』の「IP Addressing and Services」の章にある「Configuring IP Services」を参照してください。コマンドに関する詳細については、『 Cisco IOS IP Command Reference, Volume 1 of 3: Addressing and Services, Release 12.4 』を参照してください。
このスイッチは、Cisco IOS ルータの ACL に関連する次の機能をサポートしていません。
• 非 IP プロトコル ACL(表 39-1 を参照)またはブリッジ グループ ACL
• IP アカウンティング
• 着信および発信レート制限(QoS ACL によるレート制限を除く)
• リフレクシブ ACL またはダイナミック ACL(スイッチ クラスタリング機能で使用される専用のダイナミック ACL を除く)
• ポート ACL および VLAN マップに関する ACL ロギング
このスイッチで IP ACL を使用する手順は次のとおりです。
ステップ 1 アクセス リストの番号または名前とアクセス条件を指定して、ACL を作成します。
ステップ 2 その ACL をインターフェイスまたは端末回線に適用します。標準および拡張 IP ACL を VLAN マップに適用することもできます。
ここでは、次の設定について説明します。
• 「標準 IPv4 ACL および拡張 IPv4 ACL の作成」
• 「端末回線への IPv4 ACL の適用」
• 「インターフェイスへの IPv4 ACL の適用」
• 「ハードウェアおよびソフトウェアによる IP ACL の処理」
• 「ACL のトラブルシューティング」
• 「IPv4 ACL の設定例」
アクセス リスト番号
ACL を識別するために使用する番号は、作成するアクセス リストのタイプを表します。 表 39-1 に、アクセス リスト番号と対応するアクセス リスト タイプを挙げ、このスイッチでサポートされているかどうかを示します。このスイッチは、IPv4 標準アクセス リストおよび拡張アクセス リスト(1 ~ 199 および 1300 ~ 2699)をサポートします。
表 39-1 アクセス リスト番号
|
|
|
1 ~ 99 |
IP 標準アクセス リスト |
Yes |
100 ~ 199 |
IP 拡張アクセス リスト |
Yes |
200 ~ 299 |
プロトコル タイプコード アクセス リスト |
No |
300 ~ 399 |
DECnet アクセス リスト |
No |
400 ~ 499 |
XNS 標準アクセス リスト |
No |
500 ~ 599 |
XNS 拡張アクセス リスト |
No |
600 ~ 699 |
AppleTalk アクセス リスト |
No |
700 ~ 799 |
48 ビット MAC アドレス アクセス リスト |
No |
800 ~ 899 |
IPX 標準アクセス リスト |
No |
900 ~ 999 |
IPX 拡張アクセス リスト |
No |
1000 ~ 1099 |
IPX SAP アクセス リスト |
No |
1100 ~ 1199 |
拡張 48 ビット MAC サマリー アドレス アクセス リスト |
No |
1200 ~ 1299 |
IPX サマリー アドレス アクセス リスト |
No |
1300 ~ 1999 |
IP 標準アクセス リスト(拡張範囲) |
Yes |
2000 ~ 2699 |
IP 拡張アクセス リスト(拡張範囲) |
Yes |
(注) 番号付き標準 ACL および番号付き拡張 ACL に加え、サポートされる番号を使用して名前付き標準 ACL および名前付き拡張 ACL も作成できます。標準 IP ACL の名前は 1 ~ 99 で、拡張 IP ACL の名前は 100 ~ 199 です。番号付きリストの代わりに名前付き ACL を使用することには、エントリを個別に削除できるという利点があります。
ACL のロギング
標準 IP アクセス リストによって許可または拒否されたパケットに関するログ メッセージが、スイッチのソフトウェアによって表示されます。つまり、ACL と一致するパケットがあった場合は、そのパケットに関するログ通知メッセージがコンソールに送信されます。コンソールに表示されるメッセージのレベルは、Syslog メッセージを制御するロギング コンソール コマンドで制御されます。
(注) ルーティングはハードウェアで、ロギングはソフトウェアで実行されます。したがって、log キーワードを含む許可(permit)または拒否(deny)ACE と一致するパケットが多数存在する場合、ソフトウェアはハードウェアの処理速度に追いつくことができないため、一部のパケットはロギングされない場合があります。
ACL を起動した最初のパケットについては、ログ メッセージがすぐに表示されますが、それ以降のパケットについては、5 分間の収集時間が経過してから表示またはロギングされます。ログ メッセージにはアクセス リスト番号、パケットの許可または拒否に関する状況、パケットの送信元 IP アドレス、および直前の 5 分間に許可または拒否された送信元からのパケット数が示されます。
スマート ロギング
スイッチでスマート ロギングがイネーブルであり、スマート ロギングで設定された ACL がレイヤ 2 インターフェイス(ポート ACL)に割り当てられている場合、ACL に従って拒否または許可されたパケットの内容は NetFlow 収集装置にも送信されます。スマート ロギングの詳細については、「スマート ロギングの設定」を参照してください。
番号制標準 ACL の作成
番号付き標準 ACL を作成するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
access-list access-list-number { deny | permit } source [ source-wildcard ] [ log | smartlog ] |
送信元アドレスとワイルドカードを使用して標準 IPv4 アクセス リストを定義します。 access-list-number には、1 ~ 99 または 1300 ~ 1999 の 10 進数を指定します。 条件が一致した場合にアクセスを拒否する場合は deny 、許可する場合は permit を指定します。 source には、パケットの送信元となるネットワークまたはホストのアドレスを次の形式で指定します。 • ドット付き 10 進表記による 32 ビット長の値。 • source および source-wildcard の 0.0.0.0 255.255.255.255 の省略形を意味するキーワード any 。source-wildcard を入力する必要はありません。 • source および source-wildcard の値 source 0.0.0.0 の省略形を意味するキーワード host 。 (任意) source-wildcard は、ワイルドカード ビットを送信元アドレスに適用します。 (任意) log を指定すると、エントリと一致するパケットに関するログ通知メッセージがコンソールに送信されます。 (任意) smartlog を指定すると、拒否または許可されたパケットのコピーが NetFlow 収集装置に送信されます。 (注) ロギングは、レイヤ 3 インターフェイスに割り当てられた ACL でだけサポートされます。スマート ロギングは、レイヤ 2 インターフェイスに割り当てられた ACL でだけサポートされます。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show access-lists [number | name] |
アクセス リストの設定を表示します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
ACL 全体を削除するには、 no access-list access-list-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。番号付きアクセス リストから個々の ACE は削除できません。
(注) ACL を作成するときには、ACL の末尾にデフォルトで暗黙的な deny ステートメントが追加され、ACL の終わりに到達するまで一致する条件が見つからなかったすべてのパケットに適用されることに注意してください。標準アクセス リストでは、関連付けられた IP ホスト アドレス ACL の指定からマスクを省略すると、0.0.0.0 がマスクと見なされます。
次に、IP ホスト 171.69.198.102 へのアクセスを拒否し、他のすべてのホストへのアクセスを許可し、結果を表示する標準 ACL の作成例を示します。
Switch (config)# access-list 2 deny host 171.69.198.102
Switch (config)# access-list 2 permit any
Switch# show access-lists
Standard IP access list 2
スイッチは、 host 一致条件があるエントリと don't care マスク 0.0.0.0 を含む一致条件があるエントリがリストの先頭に移動し、0 以外の don't care マスクを含むエントリよりも前に位置するように、標準アクセス リストの順序を書き換えます。そのため、 show コマンドの出力やコンフィギュレーション ファイルでは、ACE が必ずしも入力されたとおりの順序で配置されません。
作成した番号制標準 IPv4 ACL は、端末回線(「端末回線への IPv4 ACL の適用」を参照)、インターフェイス(「インターフェイスへの IPv4 ACL の適用」を参照)、または VLAN(「VLAN マップの設定」を参照)に適用できます。
番号付き拡張 ACL の作成
標準 ACL では照合に送信元アドレスだけを使用しますが、拡張 ACL では、照合操作に送信元アドレスと宛先アドレスを使用でき、任意でプロトコル タイプ情報を使用して制御のきめ細かさを高めることができます。番号付き拡張アクセス リストの ACE を作成するときには、作成した ACE がリストの末尾に追加されることに注意してください。番号付きリストでは、ACE の順序を変更したり、リスト内の特定の場所に対して ACE を追加または削除したりできません。
一部のプロトコルには、特定のパラメータやキーワードも適用されます。
次の IP プロトコルがサポートされます(プロトコル キーワードはカッコ内に太字で示してあります)。
Authentication Header Protocol( ahp )、Enhanced Interior Gateway Routing Protocol( eigrp )、Encapsulation Security Payload( esp )、Generic Routing Encapsulation( gre )、ICMP( icmp )、IGMP( igmp )、任意の Interior Protocol( ip )、IP in IP トンネリング( ipinip )、KA9Q NOS 互換 IP over IP トンネリング( nos )、Open Shortest Path First ルーティング( ospf )、Payload Compression Protocol( pcp )、Protocol-Independent Multicast( pim )、TCP( tcp )、または UDP( udp )
各プロトコルのキーワードの詳細については、次のコマンド リファレンスを参照してください。
• 『Cisco IOS IP Command Reference, Volume 1 of 3: Addressing and Services, Release 12.4』
• 『Cisco IOS IP Command Reference, Volume 2 of 3: Routing Protocols, Release 12.4』
• 『Cisco IOS IP Command Reference, Volume 3 of 3: Multicast, Release 12.4』
(注) このスイッチは、ダイナミックまたはリフレクシブ アクセス リストをサポートしていません。また、タイプ オブ サービス(ToS)の minimize-monetary-cost ビットに基づくフィルタリングもサポートしていません。
サポートされているパラメータのカテゴリは、TCP、UDP、ICMP、IGMP、その他の IP です。
拡張 ACL を作成するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 a |
access-list access-list-number { deny | permit } protocol source source-wildcard destination destination-wildcard [ precedence precedence ] [ tos tos ] [ fragments ] [ log [ log-input ] | smartlog ] [ time-range time-range-name ] [ dscp dscp ] 値の両方を入力できます。 |
拡張 IPv4 アクセス リストおよびアクセス条件を定義します。 access-list-number には、100 ~ 199 または 2000 ~ 2699 の 10 進数を指定します。 条件が一致した場合にパケットを拒否する場合は deny 、許可する場合は permit を指定します。 protocol には、IP プロトコルの名前または番号を入力します。指定には ahp 、 eigrp 、 esp 、 gre 、 icmp 、 igmp 、 igrp 、 ip 、 ipinip 、 nos 、 ospf 、 pcp 、 pim 、 tcp 、 udp 、または IP プロトコル番号を表す 0 ~ 255 の整数を使用できます。一致条件としてインターネット プロトコル(ICMP、TCP、UDP など)を指定するには、キーワード ip を使用します。 (注) この手順には、ほとんどの IP プロトコルのオプションが含まれています。TCP、UDP、ICMP、および IGMP の追加のパラメータについては、ステップ 2b ~ 2e を参照してください。 source には、パラメータの送信元であるネットワークまたはホストの番号を指定します。 source-wildcard は、ワイルドカード ビットを送信元アドレスに適用します。 destination には、パラメータの宛先であるネットワークまたはホストの番号を指定します。 destination-wildcard は、ワイルドカード ビットを宛先アドレスに適用します。 source、source-wildcard、destination、および destination-wildcard の値は、次の形式で指定します。 • ドット付き 10 進表記による 32 ビット長の値。 • 0.0.0.0 255.255.255.255(任意のホスト)を表すキーワード any 。 • 単一のホスト 0.0.0.0 を表すキーワード host 。 その他のキーワードはオプションであり、次の意味を持ちます。 • precedence :パケットを 0 ~ 7 の番号または名前で指定する優先度と一致させる場合に入力します。指定できる値は、 routine ( 0 )、 priority ( 1 )、 immediate ( 2 )、 flash ( 3 )、 flash-override ( 4 )、 critical ( 5 )、 internet (6)、 network ( 7 )です。 • fragments :2 つめ以降のフラグメントをチェックする場合に入力します。 • tos :パケットを 0 ~ 15 の番号または名前で指定するサービス タイプ レベルと一致させる場合に入力します。指定できる値は、 normal ( 0 )、 max-reliability ( 2 )、 max-throughput ( 4 )、 min-delay ( 8 )です。 • log :エントリと一致するパケットに関するログ通知メッセージを作成し、コンソールに送信します。 log-input を指定すると、ログ エントリに入力インターフェイスが追加されます。 • smartlog :拒否または許可されたパケットのコピーを NetFlow 収集装置に送信するためにスマート ロギングがグローバルでイネーブルな場合に指定します。 • time-range :このキーワードの詳細については、「ACL での時間範囲の使用」を参照してください。 • dscp :パケットを 0 ~ 63 の番号で指定する DSCP 値と一致させる場合に入力します。また、指定できる値のリストを表示するには、疑問符(?)を使用します。 |
または |
access-list access-list-number { deny | permit } protocol any any [ precedence precedence ] [ tos tos ] [ fragments ] [ log [log-input] | smartlog ] [ time-range time-range-name ] [ dscp dscp ] |
アクセス リスト コンフィギュレーション モードで、source および source wildcard の値 0.0.0.0 255.255.255.255 の省略形と destination および destination wildcard の値 0.0.0.0 255.255.255.255 の省略形を使用して、拡張 IP アクセス リストを定義します。 送信元と宛先のアドレスおよびワイルドカードの代わりに、 any キーワードを使用できます。 |
または |
access-list access-list-number { deny | permit } protocol host source host destination [ precedence precedence ] [ tos tos ] [ fragments ] [ log [ log-input ] | smartlog ] [ time-range time-range-name ] [ dscp dscp ] |
source および source wildcard の値 source 0.0.0.0 の省略形と destination および destination wildcard の値 destination 0.0.0.0 の省略形を使用して、拡張 IP アクセス リストを定義します。 送信元と宛先のワイルドカードまたはマスクの代わりに host キーワードを使用できます。 |
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access-list access-list-number { deny | permit } tcp source source-wildcard [ operator port ] destination destination-wildcard [ operator port ] [ established ] [ precedence precedence ] [ tos tos ] [ fragments ] [ log [ log-input ] | smartlog ] [ time-range time-range-name ] [ dscp dscp ] [ flag ] |
(任意)拡張 TCP アクセス リストおよびアクセス条件を定義します。 TCP の場合は tcp を入力します。 次の例外を除き、ステップ 2a の説明にあるパラメータと同じパラメータを使用します。 (任意) operator および port を入力すると、送信元ポート( source source-wildcard の後に入力した場合)または宛先ポート( destination destination-wildcard の後に入力した場合)が比較されます。使用可能な演算子は、 eq (等しい)、 gt (より大きい)、 lt (より小さい)、 neq (等しくない)、 range (包含範囲)などです。演算子にはポート番号を指定する必要があります( range の場合は 2 つのポート番号をスペースで区切って指定する必要があります)。 port には、10 進数(0 ~ 65535)のポート番号または TCP ポート名を入力します。TCP ポート名を確認するには、? を使用するか、 『 Cisco IOS IP Configuration Guide, Release 12.4 』の「IP Addressing and Services」の章にある「Configuring IP Services」を参照してください。TCP をフィルタリングするときには、TCP ポートの番号または名前だけを使用します。 他のオプションのキーワードの意味は次のとおりです。 • established :確立された接続と照合する場合に入力します。このキーワードは、 ack または rst フラグでの照合と同じ機能を果たします。 • flag :指定された TCP ヘッダー ビットを基準にして照合します。入力できるフラグは、 ack (確認応答)、 fin (終了)、 psh (プッシュ)、 rst (リセット)、 syn (同期)、または urg (緊急)です。 |
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access-list access-list-number { deny | permit } udp source source-wildcard [ operator port ] destination destination-wildcard [ operator port ] [ precedence precedence ] [ tos tos ] [ fragments ] [ log [log-input] | smartlog ] [ time-range time-range-name ] [ dscp dscp ] |
(任意)拡張 UDP アクセス リストおよびアクセス条件を定義します。 ユーザ データグラム プロトコルの場合は、 udp を入力します。 UDP パラメータは TCP の説明にあるパラメータと同じです。ただし、[ operator [ port ]] ポート番号またはポート名は、UDP ポートの番号または名前でなければなりません。また、UDP では、 flag および established パラメータは無効です。 |
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access-list access-list-number { deny | permit } icmp source source-wildcard destination destination-wildcard [ icmp-type | [[ icmp-type icmp-code ] | [ icmp-message ]] [ precedence precedence ] [ tos tos ] [ fragments ] [ log [log-input] | smartlog ] [ time-range time-range-name ] [ dscp dscp ] |
(任意)拡張 ICMP アクセス リストおよびアクセス条件を定義します。 インターネット制御メッセージ プロトコルの場合は、 icmp を入力します。 ICMP パラメータはステップ 2a の IP プロトコルの説明にあるパラメータとほとんど同じですが、ICMP メッセージ タイプおよびコード パラメータが追加されています。オプションのキーワードの意味は次のとおりです。 • icmp-type :ICMP メッセージ タイプでフィルタリングする場合に入力します。指定できる値の範囲は、0 ~ 255 です。 • icmp-code :ICMP パケットを ICMP メッセージ コード タイプでフィルタリングする場合に入力します。指定できる値の範囲は、0 ~ 255 です。 • icmp-message :ICMP パケットを ICMP メッセージ タイプ名または ICMP メッセージ タイプとコード名でフィルタリングする場合に入力します。ICMP メッセージ タイプ名およびコード名のリストを参照する場合は、? を使用するか、『 Cisco IOS IP Configuration Guide, Release 12.4 』の「Configuring IP Services」を参照してください。 |
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access-list access-list-number { deny | permit } igmp source source-wildcard destination destination-wildcard [ igmp-type ] [ precedence precedence ] [ tos tos ] [ fragments ] [ log [log-input] | smartlog ] [ time-range time-range-name ] [ dscp dscp ] |
(任意)拡張 IGMP アクセス リストおよびアクセス条件を定義します。 インターネット グループ管理プロトコルの場合は、 igmp を入力します。 IGMP パラメータはステップ 2a の IP プロトコルの説明にあるパラメータとほとんど同じですが、次に示すオプションのパラメータが追加されています。 igmp-type :IGMP メッセージ タイプと照合するには、0 ~ 15 の番号またはメッセージ名( dvmrp 、 host-query 、 host-report 、 pim 、または trace )を入力します。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show access-lists [ number | name ] |
アクセス リストの設定を確認します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
アクセス リスト全体を削除するには、 no access-list access-list-number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。番号付きアクセス リストから個々の ACE は削除できません。
次に、ネットワーク 171.69.198.0 のすべてのホストからネットワーク 172.20.52.0 のすべてのホストへの Telnet アクセスを拒否し、他のすべてのアクセスを許可する拡張アクセス リストを作成し、表示する例を示します ( eq キーワードを宛先アドレスの後に指定すると、Telnet に対応する TCP 宛先ポート番号がチェックされます)。
Switch(config)# access-list 102 deny tcp 171.69.198.0 0.0.0.255 172.20.52.0 0.0.0.255 eq telnet
Switch(config)# access-list 102 permit tcp any any
Switch# show access-lists
Extended IP access list 102
10 deny tcp 171.69.198.0 0.0.0.255 172.20.52.0 0.0.0.255 eq telnet
ACL の作成後に(端末からの入力などによって)追加したエントリは、リストの末尾に追加されます。番号付きアクセス リストの特定の場所にはアクセス リスト エントリを追加または削除できません。
(注) ACL を作成するときには、アクセス リストの末尾にデフォルトで暗黙的な deny ステートメントが追加され、ACL の終わりに到達するまで一致する条件が見つからなかったすべてのパケットに適用されることに注意してください。
作成した番号制拡張 ACL は、端末回線(「端末回線への IPv4 ACL の適用」を参照)、インターフェイス(「インターフェイスへの IPv4 ACL の適用」を参照)、または VLAN(「VLAN マップの設定」を参照)に適用できます。
ACL 内の ACE の並べ替え
アクセス リスト内のエントリのシーケンス番号は、新しい ACL の作成時に自動的に生成されます。 ip access-list resequence グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して、ACL のシーケンス番号を編集したり、ACE の適用順序を変更したりできます。たとえば、ACL に新しい ACE を追加すると、その ACE はリストの末尾に配置されます。この場合、シーケンス番号を変更することで、ACE を ACL 内の別の位置に移動できます。
名前付き標準 ACL および名前付き拡張 ACL の作成
IPv4 ACL を識別する手段として、番号ではなく英数字のストリング(名前)を使用できます。名前付き ACL を使用すると、ルータ上で番号付きアクセス リストの場合より多くの IPv4 アクセス リストを設定できます。アクセス リストの識別手段として名前を使用する場合のモードとコマンド構文は、番号を使用する場合とは多少異なります。ただし、IP アクセス リストを使用するすべてのコマンドを名前付きアクセス リストで使用できるわけではありません。
(注) 標準 ACL または拡張 ACL に指定する名前は、アクセス リスト番号のサポートされる範囲内の番号にすることもできます。標準 IP ACL の名前は 1 ~ 99 で、拡張 IP ACL の名前は 100 ~ 199 です。番号付きリストの代わりに名前付き ACL を使用することには、エントリを個別に削除できるという利点があります。
名前付き ACL を設定するときには、次の注意事項および制限事項に留意してください。
• 番号付き ACL で使用できるすべてのコマンドが名前付き ACL でも使用できるわけではありません。インターフェイスのパケット フィルタおよびルート フィルタ用の ACL では、名前を使用できます。また、VLAN マップでも名前を指定できます。
• 標準 ACL と拡張 ACL に同じ名前は使用できません。
• 「標準 IPv4 ACL および拡張 IPv4 ACL の作成」で説明したとおり、番号付き ACL も使用できます。
• VLAN マップには、標準 ACL および拡張 ACL(名前付きまたは番号制)を使用できます。
• IPv4 の QoS ACL を使用する場合、 class-map { match-all | match-any } class-map-name グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力する場合に、次の match コマンドを使用できます。
– match access-group acl-name
(注) ACL は、名前付き拡張 ACL にする必要があります。
– match input-interface interface-id-list
– match ip dscp dscp-list
– match ip precedence ip-precedence-list
match access-group acl-index コマンドは入力できません。
名前を使用して標準 ACL を作成するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip access-list standard name |
名前を使用して標準 IPv4 アクセス リストを定義し、アクセス リスト コンフィギュレーション モードを開始します。 名前には、1 ~ 99 の番号を使用できます。 |
ステップ 3 |
deny { source [ source-wildcard ] | host source | any } [ log | smartlog ] または permit { source [ source-wildcard ] | host source | any } [ log ] | smartlog ] |
アクセス リスト コンフィギュレーション モードで、パケットを転送するのかドロップするのかを決定する 1 つ以上の拒否条件または許可条件を指定します。 • host source :source および source wildcard の値 source 0.0.0.0 • any :source および source wildcard の値 0.0.0.0 255.255.255.255 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show access-lists [number | name] |
アクセス リストの設定を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
名前付き標準 ACL を削除するには、 no ip access-list standard name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
名前を使用して拡張範囲 ACL を作成するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip access-list extended name |
名前を使用して拡張 IPv4 アクセス リストを定義し、アクセス リスト コンフィギュレーション モードを開始します。 名前には、100 ~ 199 の番号を使用できます。 |
ステップ 3 |
{ deny | permit } protocol { source [ source-wildcard ] | host source | any } { destination [ destination-wildcard ] | host destination | any } [ precedence precedence ] [ tos tos ] [ established ] [ log | smartlog ] [ time-range time-range-name ] |
アクセス リスト コンフィギュレーション モードで、許可条件または拒否条件を指定します。 log キーワードを使用すると、違反を含むアクセス リストのログ メッセージを取得できます。 プロトコルおよび他のキーワードの定義については、「番号付き拡張 ACL の作成」を参照してください。 • host source :source および source wildcard の値 source 0.0.0.0 • host destination :destination および destination wildcard の値 destination 0.0.0.0 • any :source および source wildcard の値または destination および destination wildcard の値である 0.0.0.0 255.255.255.255 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show access-lists [number | name] |
アクセス リストの設定を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
名前付き標準 ACL を削除するには、 no ip access-list extended name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
標準 ACL または拡張 ACL を作成するときには、ACL の末尾にデフォルトで暗黙的な deny ステートメントが追加され、ACL の終わりに到達するまで一致する条件が見つからなかったすべてのパケットに適用されることに注意してください。標準 ACL では、関連付けられた IP ホスト アドレス アクセス リストの指定からマスクを省略すると、0.0.0.0 がマスクと見なされます。
ACL の作成後に追加したエントリは、リストの末尾に追加されます。ACL エントリを特定の ACL に選択的に追加できません。ただし、 no permit および no deny アクセス リスト コンフィギュレーション モード コマンドを使用すると、名前付き ACL からエントリを削除できます。次に、名前付きアクセス リスト border-list から ACE を個別に削除する例を示します。
Switch(config)# ip access-list extended border-list
Switch(config-ext-nacl)# no permit ip host 10.1.1.3 any
番号付き ACL ではなく名前付き ACL を使用する理由の 1 つとして、名前付き ACL では行を選択して削除できることがあります。
作成した名前付き ACL は、インターフェイス(「インターフェイスへの IPv4 ACL の適用」を参照)または VLAN(「VLAN マップの設定」を参照)に適用できます。
ACL での時間範囲の使用
time-range グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用することによって、時刻および曜日に基づいて拡張 ACL を選択的に適用できます。まず、時間範囲の名前を定義し、その時間範囲内の時刻および日付または曜日を設定します。次に、ACL を適用してアクセス リストに制限を設定するときに時間範囲を入力します。時間範囲を使用すると、ACL の許可ステートメントまたは拒否ステートメントの有効期間(指定期間内や指定曜日など)を定義できます。 time-range キーワードおよび引数については、「標準 IPv4 ACL および拡張 IPv4 ACL の作成」および 「名前付き標準 ACL および名前付き拡張 ACL の作成」にある名前付きおよび番号付き拡張 ACL の作成に関する表を参照してください。
時間範囲を使用するいくつかの利点を次に示します。
• アプリケーションなどのリソース(IP アドレスとマスクのペア、およびポート番号で識別)へのユーザ アクセスをより厳密に許可または拒否できます。
• ログ メッセージを制御できます。ACL エントリを使用して特定の時刻に関してのみトラフィックをロギングできるため、 ピーク時間に生成される多数のログを分析しなくても、簡単にアクセスを拒否できます。
時間ベースのアクセス リストを使用すると、CPU に負荷が生じます。これは、アクセス リストの新規設定を他の機能や、ハードウェア メモリにロードされた結合済みの設定とマージする必要があるためです。そのため、複数のアクセス リストが短期間に連続して(互いに数分以内に)有効となるような設定とならないように注意する必要があります。
(注) 時間範囲は、スイッチのシステム クロックに基づきます。したがって、信頼できるクロック ソースが必要です。Network Time Protocol(NTP; ネットワーク タイム プロトコル)を使用してスイッチ クロックを同期させることを推奨します。詳細については、「システム日時の管理」を参照してください。
ACL の時間範囲パラメータを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
time-range time-range-name |
作成する時間範囲には意味のある名前( workhours など)を割り当て、時間範囲コンフィギュレーション モードを開始します。名前にスペースや疑問符を含めることはできません。また、文字から始める必要があります。 |
ステップ 3 |
absolute [ start time date ] [ end time date ] または periodic day-of-the-week hh:mm to [ day-of-the-week ] hh:mm または periodic { weekdays | weekend | daily } hh:mm to hh:mm |
適用対象の機能がいつ動作可能になるかを指定します。 • 時間範囲には、 absolute ステートメントを 1 つだけ使用できます。複数の absolute ステートメントを設定した場合は、最後に設定したステートメントだけが実行されます。 • 複数の periodic ステートメントを入力できます。たとえば、平日と週末に異なる時間を設定できます。 設定例を参照してください。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show time-range |
時間範囲の設定を確認します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
複数の項目をそれぞれ異なる時間に有効にする場合は、上記の手順を繰り返してください。
設定した時間範囲の制限を削除するには、 no time-range time-range-name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、 workhours (営業時間)の時間範囲および会社の休日(2006 年 1 月 1 日)を設定し、設定を確認する例を示します。
Switch(config)# time-range workhours
Switch(config-time-range)# periodic weekdays 8:00 to 12:00
Switch(config-time-range)# periodic weekdays 13:00 to 17:00
Switch(config-time-range)# exit
Switch(config)# time-range new_year_day_2006
Switch(config-time-range)# absolute start 00:00 1 Jan 2006 end 23:59 1 Jan 2006
Switch(config-time-range)# end
time-range entry: new_year_day_2003 (inactive)
absolute start 00:00 01 January 2006 end 23:59 01 January 2006
time-range entry: workhours (inactive)
periodic weekdays 8:00 to 12:00
periodic weekdays 13:00 to 17:00
時間範囲を適用するには、時間範囲を実装できる拡張 ACL 内に時間範囲名を入力します。次に、拡張アクセス リスト 188 を作成して確認する例を示します。このアクセス リストでは、定義された休業時間中はすべての送信元からすべての宛先への TCP トラフィックを拒否し、営業時間中はすべての TCP トラフィックを許可します。
Switch(config)# access-list 188 deny tcp any any time-range new_year_day_2006
Switch(config)# access-list 188 permit tcp any any time-range workhours
Switch# show access-lists
Extended IP access list 188
10 deny tcp any any time-range new_year_day_2006 (inactive)
20 permit tcp any any time-range workhours (inactive)
次に、名前付き ACL を使用して同じトラフィックを許可および拒否する例を示します。
Switch(config)# ip access-list extended deny_access
Switch(config-ext-nacl)# deny tcp any any time-range new_year_day_2006
Switch(config-ext-nacl)# exit
Switch(config)# ip access-list extended may_access
Switch(config-ext-nacl)# permit tcp any any time-range workhours
Switch(config-ext-nacl)# end
Switch# show ip access-lists
Extended IP access list lpip_default
Extended IP access list deny_access
10 deny tcp any any time-range new_year_day_2006 (inactive)
Extended IP access list may_access
10 permit tcp any any time-range workhours (inactive)
ACL へのコメントの挿入
remark キーワードを使用すると、任意の IP 標準または拡張 ACL にエントリに関するコメント(注釈)を追加できます。コメントを使用すると、ACL の理解とスキャンが容易になります。1 つのコメント行の最大長は 100 文字です。
コメントは、permit ステートメントまたは deny ステートメントの前後どちらにでも配置できます。コメントがどの permit ステートメントまたは deny ステートメントの説明であるのかが明確になるように、コメントの位置に関して一貫性を保つ必要があります。たとえば、あるコメントは対応する permit または deny ステートメントの前にあり、他のコメントは対応するステートメントの後ろにあると、混乱を招く可能性があります。
番号付き IP 標準または拡張 ACL にコメントを挿入するには、 access-list access-list number remark remark グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。コメントを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
次の例では、Jones のワークステーションにはアクセスを許可し、Smith のワークステーションにはアクセスを許可しません。
Switch(config)# access-list 1 remark Permit only Jones workstation through
Switch(config)# access-list 1 permit 171.69.2.88
Switch(config)# access-list 1 remark Do not allow Smith through
Switch(config)# access-list 1 deny 171.69.3.13
名前付き IP ACL のエントリには、 remark アクセス リスト コンフィギュレーション コマンドを使用します。コメントを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
次の例では、Jones のサブネットには発信 Telnet の使用が許可されません。
Switch(config)# ip access-list extended telnetting
Switch(config-ext-nacl)# remark Do not allow Jones subnet to telnet out
Switch(config-ext-nacl)# deny tcp host 171.69.2.88 any eq telnet
端末回線への IPv4 ACL の適用
番号付き ACL を使用して、1 つまたは複数の端末回線へのアクセスを制御できます。端末回線には名前付き ACL を適用できません。すべての仮想端末回線にユーザが接続する可能性があるため、すべてに同じ制限を設定する必要があります。
ACL をインターフェイスに適用する手順については、「インターフェイスへの IPv4 ACL の適用」を参照してください。VLAN への ACL の適用については、「VLAN マップの設定」を参照してください。
仮想端末回線と ACL に指定されたアドレス間の着信接続および発信接続を制限するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
line [ console | vty ] line-number |
設定する回線を指定し、インライン コンフィギュレーション モードを開始します。 • console :コンソール端末回線を指定します。コンソール ポートは DCE です。 • vty :リモート コンソール アクセス用の仮想端末を指定します。 line-number は、回線タイプを指定する場合に、設定する連続グループ内で最初の回線番号です。指定できる範囲は 0 ~ 16 です。 |
ステップ 3 |
access-class access-list-number { in | out } |
(デバイスへの)特定の仮想端末回線とアクセス リストに指定されたアドレス間の着信接続および発信接続を制限します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show running-config |
アクセス リストの設定を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
端末回線から ACL を削除するには、 no access-class access-list-number { in | out } ライン コンフィギュレーション コマンドを使用します。
インターフェイスへの IPv4 ACL の適用
ここでは、IPv4 ACL をネットワーク インターフェイスへ適用する方法について説明します。次の注意事項に留意してください。
• ACL は着信レイヤ 2 インターフェイスにだけ適用してください。レイヤ 3 インターフェイスの場合は、ACL を着信または発信のいずれかの方向に適用します。
(注) LAN ベース フィーチャ セットが稼働しているスイッチでは、ルータ(レイヤ 3)ACL は SVI だけでサポートされ、物理インターフェイスまたはレイヤ 3 の EtherChannel ではサポートされません。
• インターフェイスへのアクセスを制御する場合、名前付き ACL または番号付き ACL を使用できます。
• VLAN に属しているレイヤ 2 インターフェイスに ACL を適用した場合、レイヤ 2(ポート)ACL は VLAN インターフェイスに適用された入力方向のレイヤ 3 ACL、または VLAN に適用された VLAN マップよりも優先します。レイヤ 2 ポートで受信する着信パケットは、常にポート ACL でフィルタリングされます。
• レイヤ 3 インターフェイスに ACL が適用され、スイッチ上でルーティングがイネーブルになっていない場合は、SNMP、Telnet、Web トラフィックなど、CPU で処理されるパケットだけがフィルタリングされます。レイヤ 2 インターフェイスに ACL を適用する場合、ルーティングをイネーブルにする必要はありません。
• プライベート VLAN が設定されている場合、プライマリ VLAN SVI にだけルータ ACL を適用できます。ACL はプライマリおよびセカンダリ VLAN のレイヤ 3 トラフィックに適用されます。
• 特定の DSCP 値を持つトラフィックを許可するように出力 ACL を設定する場合、書き換えられた値の代わりに元の DSCP 値を使用する必要があります。
(注) パケットがアクセス グループによって拒否された場合、デフォルトでは、ルータは ICMP 到達不能メッセージを送信します。アクセスグループによって拒否されたこれらのパケットはハードウェアでドロップされず、スイッチの CPU にブリッジングされて、ICMP 到達不能メッセージを生成します。ポート ACL は例外です。ポート ACL は ICMP 到達不能メッセージを生成しません。
ICMP 到達不能メッセージは、ルータ ACL で no ip unreachables インターフェイス コマンドを使用してディセーブルにできます。
インターフェイスへのアクセスを制御するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface interface-id |
設定するインターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 インターフェイスには、レイヤ 2 インターフェイス(ポート ACL)またはレイヤ 3 インターフェイス(ルータ ACL)を指定できます。 |
ステップ 3 |
ip access-group { access-list-number | name } { in | out } |
指定されたインターフェイスへのアクセスを制御します。 out キーワードはレイヤ 2 インターフェイス(ポート ACL)ではサポートされません。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show running-config |
アクセス リストの設定を表示します。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
指定したアクセス グループを削除するには、 no ip access-group { access-list-number | name } { in | out } インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、ポートにアクセス リスト 2 を適用して、ポートに着信するパケットをフィルタリングする例を示します。
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Router(config-if)# ip access-group 2 in
(注) ip access-group インターフェイス コンフィギュレーション コマンドをレイヤ 3 インターフェイス(SVI、レイヤ 3 EtherChannel、またはルーテッド ポート)に適用するには、そのインターフェイスに IP アドレスが設定されている必要があります。レイヤ 3 アクセス グループは、CPU のレイヤ 3 プロセスによってルーティングまたは受信されるパケットをフィルタリングします。このグループは、VLAN 内でブリッジングされるパケットに影響を与えません。
着信 ACL の場合、スイッチはパケットの受信後に ACL とパケットを照合します。ACL がパケットを許可する場合、スイッチはパケットの処理を継続します。ACL がパケットを拒否する場合、スイッチはパケットを廃棄します。
発信 ACL の場合、パケットを受信し制御対象インターフェイスにルーティングしたあと、スイッチはパケットを ACL と照合します。ACL がパケットを許可した場合は、スイッチはパケットを送信します。ACL がパケットを拒否する場合、スイッチはパケットを廃棄します。
デフォルトでは、パケットが廃棄された場合は、その原因が入力インターフェイスの ACL または発信インターフェイスの ACL のいずれであっても、常に入力インターフェイスから ICMP 到達不能メッセージが送信されます。ICMP 到達不能メッセージは通常、入力インターフェイス 1 つにつき、0.5 秒ごとに 1 つだけ生成されます。ただし、この設定は ip icmp rate-limit unreachable グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して変更できます。
未定義の ACL をインターフェイスに適用すると、スイッチは ACL がインターフェイスに適用されていないと判断し、すべてのパケットを許可します。ネットワーク セキュリティのために未定義の ACL を使用する場合は、このような結果が生じることに注意してください。
ハードウェアおよびソフトウェアによる IP ACL の処理
ACL の処理は主にハードウェアで実行されますが、トラフィック フローの中には CPU に転送してソフトウェア処理を行う必要があるものもあります。ハードウェアで ACL の設定を保存する領域が不足すると、パケットは転送のために CPU に送られます。ソフトウェア転送トラフィックの転送レートは、ハードウェア転送トラフィックより大幅に低くなります。
(注) スイッチまたはスタック メンバのリソース不足が原因でハードウェアに ACL を設定できない場合、影響を受けるのは、スイッチに着信した該当 VLAN 内のトラフィックだけです(ソフトウェアで転送されます)。パケットのソフトウェア転送が発生すると、消費される CPU サイクル数に応じて、スイッチまたはスイッチ スタックのパフォーマンスが低下することがあります。
ルータ ACL の場合は、次の場合にパケットが CPU に送信されることがあります。
• log キーワードを使用する。
• ICMP 到達不能メッセージを生成する。
トラフィック フローのロギングと転送の両方を行う場合、転送はハードウェアで処理されますが、ロギングはソフトウェアで処理する必要があります。ハードウェアとソフトウェアではパケット処理能力が異なるため、ロギング中であるすべてのフロー(許可フローと拒否フロー)の合計帯域幅が非常に大きい場合は、転送されたパケットの一部をロギングできません。
ルータ ACL の設定をハードウェアに適用できない場合、VLAN に着信したルーティング対象パケットはソフトウェアでルーティングされますが、ブリッジングはハードウェアで行われます。ACL により多数のパケットが CPU に送信されると、スイッチのパフォーマンスが低下する可能性があります。
show ip access-lists 特権 EXEC コマンドを入力した場合、表示される一致カウントには、ハードウェアでアクセスが制御されるパケットは含まれません。スイッチド パケットおよびルーテッド パケットに関するハードウェアの ACL の基本的な統計情報を取得する場合は、show access-lists hardware counters 特権 EXEC コマンドを使用します。
ルータ ACL の機能は、次のとおりです。
• 標準 ACL および拡張 ACL(入力および出力)の許可アクションや拒否アクションをハードウェアで制御し、アクセス コントロールのセキュリティを強化します。
• ip unreachables がディセーブルの場合、 log を指定しないと、セキュリティ ACL の 拒否 ステートメントと一致するフローがハードウェアによってドロップされます。 許可 ステートメントと一致するフローは、ハードウェアでスイッチングされます。
• ルータ ACL の ACE に log キーワードを追加すると、パケットのコピーが CPU に送信され、ロギングだけが行われます。ACE が 許可 ステートメントの場合も、パケットはハードウェアでスイッチングおよびルーティングされます。
ACL のトラブルシューティング
次の ACL マネージャ メッセージが表示されて [chars] がアクセス リスト名である場合は、
ACLMGR-2-NOVMR: Cannot generate hardware representation of access list [chars]
スイッチには、ACL のハードウェア表現を作成するのに使用可能なリソースが不足しています。このリソースには、ハードウェア メモリおよびラベル スペースが含まれますが、CPU メモリは含まれません。この問題の原因は、使用可能な論理演算ユニットまたは専用のハードウェア リソースの不足です。論理演算ユニットは、TCP フラグの一致、または TCP、UDP、SCTP ポート番号での eq 以外( ne 、 gt 、 lt 、 range )のテストで必要です。
次のいずれかの回避策を使用します。
• ACL 設定を変更して使用するリソースを減らします。
• 他の ACL 名または番号よりも英数字順で先に表示される名前または番号に ACL の名前を変更します。
専用のハードウェア リソースを識別するには、 show platform layer4 acl map 特権 EXEC コマンドを入力します。スイッチに使用可能なリソースがない場合は、出力に index 0 ~ index 15 が使用できないことが示されます。
十分なリソースがない ACL の設定の詳細については、Bug Toolkit の CSCsq63926 を参照してください。
たとえば、次の ACL をインターフェイスに適用します。
permit tcp source source-wildcard destination destination-wildcard range 5 60
permit tcp source source-wildcard destination destination-wildcard range 15 160
permit tcp source source-wildcard destination destination-wildcard range 115 1660
permit tcp source source-wildcard destination destination-wildcard
なおかつ次のメッセージが表示される場合は次のようにします。
ACLMGR-2-NOVMR: Cannot generate hardware representation of access list [chars]
フラグ関連の演算子は使用できません。この問題を回避するには、
• ip access-list resequence グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用することによって、4 つめの ACE を 1 つめの ACE の前に移動させます。
permit tcp source source-wildcard destination destination-wildcard
permit tcp source source-wildcard destination destination-wildcard range 5 60
permit tcp source source-wildcard destination destination-wildcard range 15 160
permit tcp source source-wildcard destination destination-wildcard range 115 1660
または
• 他の ACL 名または番号よりも英数字順で先に表示される名前または番号に ACL の名前を変更します(たとえば、ACL 79 を ACL 1 に変更します)。
これで、ACL 内の 1 つめの ACE をインターフェイスに適用できます。スイッチによって、ACE が、Opselect インデックス内の利用可能なマッピング ビットに割り当てられ、次に、ハードウェア メモリ内の同じビットを使用するフラグ関連演算子が割り当てられます。
小規模ネットワークが構築されたオフィス用の ACL
図 39-3 に、小規模ネットワークが構築されたオフィス環境を示します。ルーテッド ポート 2 に接続されたサーバ A には、すべての従業員がアクセスできる収益などの情報が格納されています。ルーテッド ポート 1 に接続されたサーバ B には、機密扱いの給与支払いデータが格納されています。サーバ A にはすべてのユーザがアクセスできますが、サーバ B にアクセスできるユーザは制限されています。
ルータ ACL を使用して上記のように設定するには、次のいずれかの方法を使用します。
• 標準 ACL を作成し、ポート 1 からサーバに着信するトラフィックをフィルタリングします。
• 拡張 ACL を作成し、サーバからポート 1 に着信するトラフィックをフィルタリングします。
図 39-3 ルータ ACL によるトラフィックの制御
次に、標準 ACL を使用してポートからサーバ B に着信するトラフィックをフィルタリングし、経理部の送信元アドレス 172.20.128.64 ~ 172.20.128.95 から送信されるトラフィックだけを許可する例を示します。この ACL は、指定された送信元アドレスを持つルーテッド ポート 1 から送信されるトラフィックに適用されます。
Switch(config)# access-list 6 permit 172.20.128.64 0.0.0.31
Switch# show access-lists
Standard IP access list 6
10 permit 172.20.128.64, wildcard bits 0.0.0.31
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# ip access-group 6 out
次に、拡張 ACL を使用してサーバ B からポートに着信するトラフィックをフィルタリングし、任意の送信元アドレス(この場合はサーバ B)から経理部の宛先アドレス 172.20.128.64 ~ 172.20.128.95 に送信されるトラフィックだけを許可する例を示します。この ACL は、ルーテッド ポート 1 に着信するトラフィックに適用され、指定の宛先アドレスに送信されるトラフィックだけを許可します。拡張 ACL を使用する場合は、送信元および宛先情報の前に、プロトコル(IP)を入力する必要があります。
Switch(config)# access-list 106 permit ip any 172.20.128.64 0.0.0.31
Switch# show access-lists
Extended IP access list 106
10 permit ip any 172.20.128.64 0.0.0.31
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# ip access-group 106 in
番号制 ACL
次の例のネットワーク 36.0.0.0 は、2 番めのオクテットがサブネットを指定するクラス A ネットワークです。つまり、サブネット マスクは 255.255.0.0 です。ネットワーク アドレス 36.0.0.0 の 3 番めおよび 4 番めのオクテットは、特定のホストを指定します。アクセス リスト 2 を使用して、サブネット 48 のアドレスを 1 つ許可し、同じサブネットの他のアドレスはすべて拒否します。このアクセス リストの最終行は、ネットワーク 36.0.0.0 の他のすべてのサブネット上のアドレスが許可されることを示します。この ACL は、ポートに着信するパケットに適用されます。
Switch(config)# access-list 2 permit 36.48.0.3
Switch(config)# access-list 2 deny 36.48.0.0 0.0.255.255
Switch(config)# access-list 2 permit 36.0.0.0 0.255.255.255
Switch(config)# interface gigabitethernet2/0/1
Switch(config-if)# ip access-group 2 in
拡張 ACL
次の例の先頭行は、1023 よりも大きい宛先ポートへの着信 TCP 接続を許可します。2 番めの行は、ホスト 128.88.1.2 の SMTP ポートへの着信 TCP 接続を許可します。3 番めの行は、エラー フィードバック用の着信 ICMP メッセージを許可します。
Switch(config)# access-list 102 permit tcp any 128.88.0.0 0.0.255.255 gt 1023
Switch(config)# access-list 102 permit tcp any host 128.88.1.2 eq 25
Switch(config)# access-list 102 permit icmp any any
Switch(config)# interface gigabitethernet2/0/1
Switch(config-if)# ip access-group 102 in
次の例では、インターネットに接続されたネットワークがあり、そのネットワーク上の任意のホストがインターネット上の任意のホストと TCP 接続を確立できるようにする場合を想定しています。ただし、IP ホストからは、専用メール ホストのメール(SMTP)ポートを除き、ネットワーク上のホストと TCP 接続を確立できないようにします。
SMTP は、接続の一端では TCP ポート 25、もう一端ではランダムなポート番号を使用します。接続している間は、同じポート番号が使用されます。インターネットから着信するメール パケットの宛先ポートは 25 です。発信パケットのポート番号は予約されています。安全なネットワーク システムでは常にポート 25 でのメール接続が使用されているため、着信サービスと発信サービスを個別に制御できます。ACL は発信インターフェイスの入力 ACL および着信インターフェイスの出力 ACL として設定される必要があります。
Switch(config)# access-list 102 permit tcp any 128.88.0.0 0.0.255.255 eq 23
Switch(config)# access-list 102 permit tcp any 128.88.0.0 0.0.255.255 eq 25
Switch(config)# interface gigabitethernet0/1
Switch(config-if)# ip access-group 102 in
次の例では、ネットワークはアドレスが 128.88.0.0 のクラス B ネットワークで、メール ホストのアドレスは 128.88.1.2 です。 established キーワードは、確立された接続を表示する TCP 専用のキーワードです。TCP データグラムに ACK または RST ビットが設定され、パケットが既存の接続に属していることが判明すると、一致と見なされます。スタック メンバ 1 のギガビット イーサネット インターフェイス 1 は、ルータをインターネットに接続するインターフェイスです。
Switch(config)# access-list 102 permit tcp any 128.88.0.0 0.0.255.255 established
Switch(config)# access-list 102 permit tcp any host 128.88.1.2 eq 25
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# ip access-group 102 in
名前付き ACL
次に、 Internet_filter という名前の標準 ACL および marketing_group という名前の拡張 ACL を作成する例を示します。 Internet_filter ACL は、送信元アドレス 1.2.3.4 から送信されるすべてのトラフィックを許可します。
Switch(config)# ip access-list standard Internet_filter
Switch(config-ext-nacl)# permit 1.2.3.4
Switch(config-ext-nacl)# exit
marketing_group ACL は、宛先アドレスとワイルドカードの値 171.69.0.0 0.0.255.255 への任意の TCP Telnet トラフィックを許可し、その他の TCP トラフィックを拒否します。ICMP トラフィックを許可し、任意の送信元から、宛先ポートが 1024 より小さい 171.69.0.0 ~ 179.69.255.255 の宛先アドレスへ送信される UDP トラフィックを拒否します。それ以外のすべての IP トラフィックを拒否して、結果を示すログが表示されます。
Switch(config)# ip access-list extended marketing_group
Switch(config-ext-nacl)# permit tcp any 171.69.0.0 0.0.255.255 eq telnet
Switch(config-ext-nacl)# deny tcp any any
Switch(config-ext-nacl)# permit icmp any any
Switch(config-ext-nacl)# deny udp any 171.69.0.0 0.0.255.255 lt 1024
Switch(config-ext-nacl)# deny ip any any log
Switch(config-ext-nacl)# exit
Internet_filter ACL は発信トラフィックに適用され、 marketing_group ACL はレイヤ 3 ポートの着信トラフィックに適用されます。
Switch(config)# interface gigabitethernet3/0/2
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# ip address 2.0.5.1 255.255.255.0
Switch(config-if)# ip access-group Internet_filter out
Switch(config-if)# ip access-group marketing_group in
IP ACL に適用される時間範囲
次に、月曜日から金曜日の午前 8 時~午後 6 時(18 時)の間に IP の HTTP トラフィックを拒否する例を示します。UDP トラフィックは、土曜日および日曜日の正午~午後 8 時(20 時)の間だけ許可されます。
Switch(config)# time-range no-http
Switch(config)# periodic weekdays 8:00 to 18:00
Switch(config)# time-range udp-yes
Switch(config)# periodic weekend 12:00 to 20:00
Switch(config)# ip access-list extended strict
Switch(config-ext-nacl)# deny tcp any any eq www time-range no-http
Switch(config-ext-nacl)# permit udp any any time-range udp-yes
Switch(config-ext-nacl)# exit
Switch(config)# interface gigabitethernet2/0/1
Switch(config-if)# ip access-group strict in
コメント付きの IP ACL エントリ
次に示す番号付き ACL の例では、Jones が所有するワークステーションにはアクセスを許可し、Smith が所有するワークステーションにはアクセスを許可しません。
Switch(config)# access-list 1 remark Permit only Jones workstation through
Switch(config)# access-list 1 permit 171.69.2.88
Switch(config)# access-list 1 remark Do not allow Smith workstation through
Switch(config)# access-list 1 deny 171.69.3.13
次に示す番号付き ACL の例では、Winter および Smith のワークステーションに Web 閲覧を許可しません。
Switch(config)# access-list 100 remark Do not allow Winter to browse the web
Switch(config)# access-list 100 deny host 171.69.3.85 any eq www
Switch(config)# access-list 100 remark Do not allow Smith to browse the web
Switch(config)# access-list 100 deny host 171.69.3.13 any eq www
次に示す名前付き ACL の例では、Jones のサブネットにアクセスを許可しません。
Switch(config)# ip access-list standard prevention
Switch(config-std-nacl)# remark Do not allow Jones subnet through
Switch(config-std-nacl)# deny 171.69.0.0 0.0.255.255
次に示す名前付き ACL の例では、Jones のサブネットに発信 Telnet の使用を許可しません。
Switch(config)# ip access-list extended telnetting
Switch(config-ext-nacl)# remark Do not allow Jones subnet to telnet out
Switch(config-ext-nacl)# deny tcp 171.69.0.0 0.0.255.255 any eq telnet
ACL のロギング
ルータ ACL では、2 種類のロギングがサポートされています。 log キーワードを指定すると、エントリと一致するパケットに関するログ通知メッセージがコンソールに送信されます。 log-input キーワードを指定すると、ログ エントリに入力インターフェイスが追加されます。
次の例では、名前付き標準アクセス リスト stan1 は 10.1.1.0 0.0.0.255 からのトラフィックを拒否し、その他のすべての送信元からのトラフィックを許可します。 log キーワードも指定されています。
Switch(config)# ip access-list standard stan1
Switch(config-std-nacl)# deny 10.1.1.0 0.0.0.255 log
Switch(config-std-nacl)# permit any log
Switch(config-std-nacl)# exit
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config-if)# ip access-group stan1 in
Syslog logging: enabled (0 messages dropped, 0 flushes, 0 overruns)
Console logging: level debugging, 37 messages logged
Monitor logging: level debugging, 0 messages logged
Buffer logging: level debugging, 37 messages logged
Trap logging: level debugging, 39 message lines logged
00:00:48: NTP: authentication delay calculation problems
00:09:34:%SEC-6-IPACCESSLOGS:list stan1 permitted 0.0.0.0 1 packet
00:09:59:%SEC-6-IPACCESSLOGS:list stan1 denied 10.1.1.15 1 packet
00:10:11:%SEC-6-IPACCESSLOGS:list stan1 permitted 0.0.0.0 1 packet
次に、名前付き拡張アクセス リスト ext1 によって、任意の送信元から 10.1.1.0 0.0.0.255 への ICMP パケットを許可し、すべての UDP パケットを拒否する例を示します。
Switch(config)# ip access-list extended ext1
Switch(config-ext-nacl)# permit icmp any 10.1.1.0 0.0.0.255 log
Switch(config-ext-nacl)# deny udp any any log
Switch(config-std-nacl)# exit
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config-if)# ip access-group ext1 in
次に、拡張 ACL のログの例を示します。
01:24:23:%SEC-6-IPACCESSLOGDP:list ext1 permitted icmp 10.1.1.15 -> 10.1.1.61 (0/0), 1 packet
01:25:14:%SEC-6-IPACCESSLOGDP:list ext1 permitted icmp 10.1.1.15 -> 10.1.1.61 (0/0), 7 packets
01:26:12:%SEC-6-IPACCESSLOGP:list ext1 denied udp 0.0.0.0(0) -> 255.255.255.255(0), 1 packet
01:31:33:%SEC-6-IPACCESSLOGP:list ext1 denied udp 0.0.0.0(0) -> 255.255.255.255(0), 8 packets
IP ACL のすべてのロギング エントリは %SEC-6-IPACCESSLOG で開始します。エントリの形式は、一致した ACL やアクセス エントリの種類に応じて若干異なります。
次に、 log-input キーワードを指定した場合の出力メッセージの例を示します。
00:04:21:%SEC-6-IPACCESSLOGDP:list inputlog permitted icmp 10.1.1.10 (Vlan1 0001.42ef.a400) -> 10.1.1.61 (0/0), 1 packet
log キーワードを指定した場合、同様のパケットに関するログ メッセージには入力インターフェイス情報が含まれません。
00:05:47:%SEC-6-IPACCESSLOGDP:list inputlog permitted icmp 10.1.1.10 -> 10.1.1.61 (0/0), 1 packet
VLAN マップの設定
(注) VLAN マップは、LAN ベース フィーチャ セットを実行しているスイッチではサポートされません。
ここでは、VLAN マップを設定する方法について説明します。この方法は、VLAN 内でフィルタリングを制御する唯一の方法です。VLAN マップには方向の指定がありません。VLAN マップを使用して、特定の方向のトラフィックをフィルタリングするには、特定の送信元または宛先アドレスが指定された ACL を追加する必要があります。VLAN マップ内に該当パケット タイプ(IP または MAC)に対する match 句がある場合、デフォルトでは、マップ内のどのエントリにも一致しないパケットはドロップされます。該当パケット タイプに対する match コマンドがない場合、デフォルトでは、パケットが転送されます。
ここで使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスを参照してください。
VLAN マップを作成して、1 つまたは複数の VLAN に適用するには、次のステップを実行します。
ステップ 1 VLAN に適用する標準 IPv4 ACL または拡張 IP ACL、または名前付き MAC 拡張 ACL を作成します。「標準 IPv4 ACL および拡張 IPv4 ACL の作成」および「VLAN マップの作成」を参照してください。
ステップ 2 VLAN ACL マップ エントリを作成するには、 vlan access-map グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力します。
ステップ 3 アクセス マップ コンフィギュレーション モードでは、 action として、 forward (デフォルト)または drop を入力することもできます。また、 match コマンドを入力して、既知の MAC アドレスだけが格納された IP パケットまたは非 IP パケットを指定したり、1 つまたは複数の ACL(標準または拡張)とパケットを照合したりすることもできます。
(注) パケット タイプ(IP または MAC)に対する match 句が VLAN マップに設定されている場合で、そのマップ アクションがドロップの場合は、そのタイプに一致するすべてのパケットがドロップされます。match 句が VLAN マップになく、設定されているアクションがドロップの場合は、すべての IP およびレイヤ 2 パケットがドロップされます。
ステップ 4 VLAN マップを 1 つまたは複数の VLAN に適用するには、 vlan filter インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
ここでは、次の設定について説明します。
• 「VLAN マップの設定時の注意事項」
• 「VLAN マップの作成」
• 「VLAN への VLAN マップの適用」
• 「ネットワークでの VLAN マップの使用法」
• 「VACL ロギングの設定」
VLAN マップの設定時の注意事項
• インターフェイスでトラフィックを拒否するように設定された ACL がなく、VLAN マップが設定 されていない 場合、すべてのトラフィックが許可されます。
• 各 VLAN マップは一連のエントリで構成されます。VLAN マップのエントリの順序は重要です。スイッチに着信したパケットは、VLAN マップの最初のエントリに対してテストされます。一致した場合は、VLAN マップのその部分に指定されたアクションが実行されます。一致しなかった場合、パケットはマップ内の次のエントリに対してテストされます。
• 該当パケット タイプ(IP または MAC)に対する match 句が VLAN マップに 1 つまたは複数ある場合でも、パケットがそれらの match 句に一致しない場合、デフォルトではパケットがドロップされます。該当パケット タイプに対する match 句が VLAN マップ内にない場合、デフォルトではパケットが転送されます。
• 多数の ACL が設定されている場合は、システムの起動に時間がかかることがあります。
• VLAN マップのロギングはサポートされていません。
• レイヤ 2 インターフェイスに適用された IP アクセス リストまたは MAC アクセス リストがスイッチにあって、ポートが属する VLAN に VLAN マップを適用する場合、ポート ACL が VLAN マップに優先します。
• ハードウェアに VLAN マップの設定を適用できない場合は、その VLAN 内のすべてのパケットをソフトウェアでブリッジングおよびルーティングする必要があります。
• プライマリ VLAN およびセカンダリ VLAN で VLAN マップを設定できます ただし、プライベート VLAN のプライマリおよびセカンダリ VLAN に同じ VLAN マップを設定することを推奨します。
• フレームがプライベート VLAN 内で転送されるレイヤ 2 の場合、同じ VLAN マップが入力側と出力側の両方に適用されます。フレームがプライベート VLAN の内側から外部ポートにルーティングされる場合、プライベート VLAN マップが入力側に適用されます。
– ホスト ポートから無差別ポートへのアップストリームで送信されるフレームの場合、セカンダリ VLAN に設定されている VLAN マップが適用されます。
– 無差別ポートからホスト ポートへのダウンストリームで送信されるフレームの場合、プライマリ VLAN に設定されている VLAN マップが適用されます。
プライベート VLAN の特定 IP トラフィックをフィルタリングするには、プライマリ VLAN およびセカンダリ VLAN の両方に VLAN マップを適用する必要があります。プライベート VLAN の詳細については、「プライベート VLAN の設定」を参照してください。
設定例については、「ネットワークでの VLAN マップの使用法」を参照してください。
ルータ ACL および VLAN マップを組み合わせて使用する方法については、「VLAN マップとルータ ACL の設定時の注意事項」を参照してください。
VLAN マップの作成
各 VLAN マップは順番に並べられた一連のエントリで構成されます。VLAN マップ エントリを作成、追加、または削除するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
vlan access-map name [ number ] |
VLAN マップを作成し、名前および番号(任意)を指定します。番号は、マップ内のエントリのシーケンス番号です。 同じ名前の VLAN マップを作成すると、10 ずつ増加する番号が順に割り当てられます。マップを変更または削除するときは、該当するマップ エントリの番号を入力できます。 このコマンドを入力すると、アクセス マップ コンフィギュレーション モードに変わります。 |
ステップ 3 |
action { drop | forward } |
(任意)マップ エントリに対するアクションを設定します。デフォルトは転送(forward)です。 |
ステップ 4 |
match { ip | mac } address { name | number } [ name | number ] |
1 つまたは複数の標準または拡張アクセス リストに対してパケットを照合します(IP または MAC アドレスを使用)。パケットの照合は、対応するプロトコル タイプのアクセス リストに対してだけ行われます。IP パケットは、標準または拡張 IP アクセス リストに対して照合されます。非 IP パケットは、名前付き MAC 拡張アクセス リストに対してだけ照合されます。 |
ステップ 5 |
end |
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show running-config |
アクセス リストの設定を表示します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
マップを削除するには、 no vlan access-map name グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。マップ内のシーケンス エントリを 1 つ削除するには、 no vlan access-map name number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
デフォルトのアクションである転送を行うには、 no action アクセス マップ コンフィギュレーション コマンドを使用します。
VLAN マップでは、特定の permit または deny キーワードを使用しません。VLAN マップを使用してパケットを拒否するには、パケットを照合する ACL を作成して、アクションをドロップに設定します。ACL 内の permit は、一致するという意味です。ACL 内の deny は、一致しないという意味です。
ACL および VLAN マップの例
次に、特定の目的のための ACL および VLAN マップを作成する例を示します。
例 1
ここでは、パケットを拒否する ACL および VLAN マップを作成する例を示します。最初のマップでは、 ip1 ACL(TCP パケット)に一致するすべてのパケットがドロップされます。最初に、すべての TCP パケットを許可し、それ以外のパケットをすべて拒否する ip1 ACL を作成します。VLAN マップには IP パケットに対する match 句が存在するため、デフォルトのアクションでは、どの match 句とも一致しない IP パケットがすべてドロップされます。
Switch(config)# ip access-list extended ip1
Switch(config-ext-nacl)# permit tcp any any
Switch(config-ext-nacl)# exit
Switch(config)# vlan access-map map_1 10
Switch(config-access-map)# match ip address ip1
Switch(config-access-map)# action drop
次に、パケットを許可する VLAN マップを作成する例を示します。ACL ip2 は UDP パケットを許可し、 ip2 ACL と一致するすべてのパケットが転送されます。このマップでは、これ以前のどの ACL とも一致しないすべての IP パケット(TCP でも UDP でもないパケット)がドロップされます。
Switch(config)# ip access-list extended ip2
Switch(config-ext-nacl)# permit udp any any
Switch(config-ext-nacl)# exit
Switch(config)# vlan access-map map_1 20
Switch(config-access-map)# match ip address ip2
Switch(config-access-map)# action forward
例 2
次の例の VLAN マップでは、デフォルトで IP パケットがドロップされ、MAC パケットが転送されます。標準の ACL 101 および名前付き拡張アクセス リスト igmp-match および tcp-match をこのマップと組み合わせて使用すると、次のようになります。
• すべての UDP パケットが転送されます。
• すべての IGMP パケットがドロップされます。
• すべての TCP パケットが転送されます。
• その他のすべての IP パケットがドロップされます。
• すべての非 IP パケットが転送されます。
Switch(config)# access-list 101 permit udp any any
Switch(config)# ip access-list extended igmp-match
Switch(config-ext-nacl)# permit igmp any any
Switch(config)# ip access-list extended tcp-match
Switch(config-ext-nacl)# permit tcp any any
Switch(config-ext-nacl)# exit
Switch(config)# vlan access-map drop-ip-default 10
Switch(config-access-map)# match ip address 101
Switch(config-access-map)# action forward
Switch(config-access-map)# exit
Switch(config)# vlan access-map drop-ip-default 20
Switch(config-access-map)# match ip address igmp-match
Switch(config-access-map)# action drop
Switch(config-access-map)# exit
Switch(config)# vlan access-map drop-ip-default 30
Switch(config-access-map)# match ip address tcp-match
Switch(config-access-map)# action forward
例 3
次の例の VLAN マップでは、デフォルトで MAC パケットがドロップされ、IP パケットが転送されます。MAC 拡張アクセス リスト good-hosts および good-protocols をこのマップと組み合わせて使用すると、次のようになります。
• ホスト 0000.0c00.0111 および 0000.0c00.0211 からの MAC パケットが転送されます。
• decnet-iv または vines-ip プロトコルを使用する MAC パケットが転送されます。
• その他のすべての非 IP パケットがドロップされます。
• すべての IP パケットが転送されます。
Switch(config)# mac access-list extended good-hosts
Switch(config-ext-macl)# permit host 000.0c00.0111 any
Switch(config-ext-macl)# permit host 000.0c00.0211 any
Switch(config-ext-nacl)# exit
Switch(config)# mac access-list extended good-protocols
Switch(config-ext-macl)# permit any any decnet-ip
Switch(config-ext-macl)# permit any any vines-ip
Switch(config-ext-nacl)# exit
Switch(config)# vlan access-map drop-mac-default 10
Switch(config-access-map)# match mac address good-hosts
Switch(config-access-map)# action forward
Switch(config-access-map)# exit
Switch(config)# vlan access-map drop-mac-default 20
Switch(config-access-map)# match mac address good-protocols
Switch(config-access-map)# action forward
例 4
次の例の VLAN マップでは、デフォルトですべてのパケット(IP および非 IP)がドロップされます。例 2 および例 3 のアクセス リスト tcp-match および good-hosts をこのマップと組み合わせて使用すると、次のようになります。
• すべての TCP パケットが転送されます。
• ホスト 0000.0c00.0111 および 0000.0c00.0211 からの MAC パケットが転送されます。
• その他のすべての IP パケットがドロップされます。
• その他のすべての MAC パケットがドロップされます。
Switch(config)# vlan access-map drop-all-default 10
Switch(config-access-map)# match ip address tcp-match
Switch(config-access-map)# action forward
Switch(config-access-map)# exit
Switch(config)# vlan access-map drop-all-default 20
Switch(config-access-map)# match mac address good-hosts
Switch(config-access-map)# action forward
VLAN への VLAN マップの適用
1 つの VLAN マップを 1 つまたは複数の VLAN に適用するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
vlan filter mapname vlan-list list |
VLAN マップを 1 つまたは複数の VLAN ID に適用します。 list には単一の VLAN ID(22)、連続した範囲(10 ~ 22)、または VLAN ID のストリング(12、22、30)を指定できます。カンマやハイフンの前後にスペースを挿入することもできます。 |
ステップ 3 |
show running-config |
アクセス リストの設定を表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
VLAN マップを削除するには、 no vlan filter mapname vlan-list list グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、VLAN マップ 1 を VLAN 20 ~ 22 に適用する例を示します。
Switch(config)# vlan filter map 1 vlan-list 20-22
ワイヤリング クローゼットの設定
ワイヤリング クローゼット構成では、ルーティングがスイッチ上でイネーブルにされていない場合があります。ただし、この設定でも VLAN マップおよび QoS 分類 ACL はサポートされています。 図 39-4 では、ホスト X およびホスト Y は異なる VLAN 内にあり、ワイヤリング クローゼット スイッチ A およびスイッチ C に接続されていると想定しています。ホスト X からホスト Y へのトラフィックは、ルーティングがイネーブルに設定されたレイヤ 3 スイッチであるスイッチ B によって最終的にルーティングされます。ホスト X からホスト Y へのトラフィックは、トラフィックのエントリ ポイントであるスイッチ A でアクセス コントロールできます。
図 39-4 ワイヤリング クローゼットの設定
HTTP トラフィックをホスト X からホスト Y へスイッチングしない場合は、ホスト X(IP アドレス 10.1.1.32)からホスト Y(IP アドレス 10.1.1.34)に向かうすべての HTTP トラフィックがスイッチ A でドロップされ、スイッチ B にブリッジングされないように、スイッチ A の VLAN マップを設定できます。
最初に、HTTP ポート上ですべての TCP トラフィックを許可(一致)する IP アクセス リスト http を定義します。
Switch(config)# ip access-list extended http
Switch(config-ext-nacl)# permit tcp host 10.1.1.32 host 10.1.1.34 eq www
Switch(config-ext-nacl)# exit
次に、 http アクセス リストと一致するトラフィックがドロップされ、その他のすべての IP トラフィックが転送されるように、VLAN アクセス マップ map2 を作成します。
Switch(config)# vlan access-map map2 10
Switch(config-access-map)# match ip address http
Switch(config-access-map)# action drop
Switch(config-access-map)# exit
Switch(config)# ip access-list extended match_all
Switch(config-ext-nacl)# permit ip any any
Switch(config-ext-nacl)# exit
Switch(config)# vlan access-map map2 20
Switch(config-access-map)# match ip address match_all
Switch(config-access-map)# action forward
次に、VLAN アクセス マップ map2 を VLAN 1 に適用します。
Switch(config)# vlan filter map2 vlan 1
他の VLAN 上のサーバへのアクセス拒否
別の VLAN にあるサーバへのアクセスを制限できます。たとえば、VLAN 10 内のサーバ 10.1.1.100 では、次のホストへのアクセスを拒否する必要があります(図 39-5 を参照)。
• VLAN 20 内のサブネット 10.1.2.0/8 にあるホストのアクセスを禁止します。
• VLAN 10 内のホスト 10.1.1.4 および 10.1.1.8 のアクセスを禁止します。
図 39-5 他の VLAN 上のサーバへのアクセス拒否
次に、サブネット 10.1.2.0.8 内のホスト、ホスト 10.1.1.4、およびホスト 10.1.1.8 のアクセスを拒否し、その他の IP トラフィックを許可する VLAN マップ SERVER1-ACL を作成して、別の VLAN 内のサーバへのアクセスを拒否する例を示します。最後のステップでは、マップ SERVER1 を VLAN 10 に適用します。
ステップ 1 正しいパケットと一致する IP ACL を定義します。
Switch(config)# ip access-list extended SERVER1_ACL
Switch(config-ext-nacl))# permit ip 10.1.2.0 0.0.0.255 host 10.1.1.100
Switch(config-ext-nacl))# permit ip host 10.1.1.4 host 10.1.1.100
Switch(config-ext-nacl))# permit ip host 10.1.1.8 host 10.1.1.100
Switch(config-ext-nacl))# exit
ステップ 2 SERVER1_ACL と一致する IP パケットをドロップして、この ACL と一致しない IP パケットを転送する ACL を使用して、VLAN マップを定義します。
Switch(config)# vlan access-map SERVER1_MAP
Switch(config-access-map)# match ip address SERVER1_ACL
Switch(config-access-map)# action drop
Switch(config)# vlan access-map SERVER1_MAP 20
Switch(config-access-map)# action forward
Switch(config-access-map)# exit
ステップ 3 VLAN 10 に VLAN マップを適用します。
Switch(config)# vlan filter SERVER1_MAP vlan-list 10.
VACL ロギングの設定
VACL ロギングを設定する場合は、次の状況で拒否された IP パケットに対して Syslog メッセージが生成されます。
• 一致する最初のパケットを受信した場合
• 最後の 5 分間に一致するパケットを受信した場合
• 5 分経過する前にしきい値に達している場合
ログ メッセージはフロー単位で生成されます。フローは、同じ IP アドレスおよびレイヤ 4(UDP または TCP)ポート番号を持つパケットとして定義されます。 フローで 5 分間パケットを受信しない場合、そのフローはキャッシュから削除されます。Syslog メッセージが生成されると、タイマーおよびパケット カウンタがリセットされます。
VACL ロギングの制限事項は次のとおりです。
• 拒否された IP パケットだけが記録されます。
• 発信ポート ACL でロギングが必要なパケットは、VACL で拒否された場合、ロギングされません。
特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
vlan access-map name [ number ] |
VLAN マップを作成します。VLAN マップに名前と番号(任意)を付けます。番号は、マップ内のエントリのシーケンス番号です。 シーケンス番号の範囲は 0 ~ 65535 です。 同じ名前の VLAN マップを作成すると、10 ずつ増加する番号が順に割り当てられます。マップを変更または削除するときは、該当するマップ エントリの番号を入力できます。 マップ名と番号(任意)を指定すると、アクセスマップ コンフィギュレーション モードが開始されます。 |
ステップ 3 |
action drop log |
IP パケットを破棄およびロギングするよう VLAN アクセス マップを設定します。 |
ステップ 4 |
exit |
VLAN アクセス マップ コンフィギュレーション モードを終了し、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
vlan access-log { maxflow max_number | threshold pkt_count } |
VACL ロギング パラメータを設定します。 • maxflow max_number :ログ テーブル サイズを設定します。 maxflow の値を 0 に設定すると、ログ テーブルの内容を削除できます。ログ テーブルがいっぱいの場合は、ロギングされたパケットがソフトウェアによって新しいフローから破棄されます。 値の範囲は、0 ~ 2048 です。デフォルト値は 500 です。 • threshold pkt_count :ロギングしきい値を設定します。5 分経過する前にフローのしきい値に達すると、ロギング メッセージが生成されます。 しきい値の範囲は 0 ~ 2147483647 です。デフォルトのしきい値は 0 であり、Syslog メッセージが 5 分ごとに生成されます。 |
ステップ 6 |
exit |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show vlan access-map |
設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
no vlan access-map コマンドをシーケンス番号とともに使用してマップ順序を削除します。シーケンス番号なしでコマンドの no バージョンを使用してマップを削除します。
次に、IP パケットを廃棄およびロギングするよう、VLAN アクセス マップを設定する例を示します。ここでは、net_10 の許可エントリに一致する IP トラフィックが破棄およびロギングされます。
DomainMember(config)# vlan access-map ganymede 10
DomainMember(config-access-map)# match ip address net_10
DomainMember(config-access-map)# action drop log
DomainMember(config-access-map)# exit
次に、グローバル VACL ロギング パラメータを設定する例を示します。
DomainMember(config)# vlan access-log maxflow 800
DomainMember(config)# vlan access-log threshold 4000
(注) ここで使用するコマンドの構文および使用方法の詳細については、次の URL で入手可能な『Cisco IOS LAN Switching Command Reference』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/docs/ios/lanswitch/command/reference/lsw_book.html