SPAN および RSPAN の概要
ポートまたは VLAN を通過するネットワーク トラフィックを解析するには、SPAN または RSPAN を使用して、そのスイッチ上、またはネットワーク アナライザやその他のモニタ デバイス、あるいはセキュリティ デバイスに接続されている別のスイッチ上のポートにトラフィックのコピーを送信します。SPAN は送信元ポート上または送信元 VLAN 上で受信、送信、または送受信されたトラフィックを宛先ポートにコピー(ミラーリング)して、解析します。SPAN は送信元ポートまたは VLAN 上のネットワーク トラフィックのスイッチングには影響しません。宛先ポートは SPAN 専用にする必要があります。SPAN または RSPAN セッションに必要なトラフィック以外、宛先ポートがトラフィックを受信したり転送したりすることはありません。
SPAN を使用してモニタできるのは、送信元ポートを出入りするトラフィックまたは送信元 VLAN に出入りするトラフィックだけです。送信元 VLAN にルーティングされたトラフィックはモニタできません。たとえば、着信トラフィックをモニタしている場合、別の VLAN から送信元 VLAN にルーティングされているトラフィックはモニタできません。ただし、送信元 VLAN で受信し、別の VLAN にルーティングされるトラフィックは、モニタできます。
ネットワーク セキュリティ デバイスからトラフィックを注入する場合、SPAN または RSPAN 宛先ポートを使用できます。たとえば、Cisco Intrusion Detection System(IDS; 侵入検知システム)センサ装置を宛先ポートに接続すれば、IDS デバイスは TCP リセット パケットを送信して疑わしい攻撃者の TCP セッションを閉じることができます。
ここでは、次の概要について説明します。
• 「ローカル SPAN」
• 「リモート SPAN」
• 「SPAN と RSPAN の概念および用語」
• 「SPAN および RSPAN と他の機能の相互作用」
• 「SPAN/RSPAN およびスイッチ スタック」
ローカル SPAN
ローカル SPAN は 1 つのスイッチ内の SPAN セッション全体をサポートします。すべての送信元ポートまたは送信元 VLAN、および宛先ポートは、同じスイッチまたはスイッチ スタック内にあります。ローカル SPAN は、任意の VLAN 上の 1 つまたは複数の送信元ポートからのトラフィック、あるいは 1 つまたは複数の VLAN からのトラフィックを解析するために宛先ポートへコピーします。たとえば、図 30-1の場合、ポート 5(送信元ポート)上のすべてのトラフィックがポート 10(宛先ポート)にミラーリングされます。ポート 10 のネットワーク アナライザは、ポート 5 に物理的には接続されていませんが、ポート 5 からのすべてのネットワーク トラフィックを受信します。
図 30-1 単一スイッチでのローカル SPAN の設定例
図 30-2 に、送信元ポートおよび宛先ポートが異なるスタック メンバー上にある場合の、スイッチ スタックのローカル SPAN の例を示します。
図 30-2 スイッチ スタックでのローカル SPAN の設定例
リモート SPAN
RSPAN は異なるスイッチ(または異なるスイッチ スタック)上の送信元ポート、送信元 VLAN、および宛先ポートをサポートし、ネットワーク上にある複数のスイッチのリモート モニタリングを可能にします。図 30-3 に、スイッチ A およびスイッチ B の送信元ポートを示します。各 RSPAN セッションのトラフィックは、ユーザが指定した RSPAN VLAN 上で搬送されます。この RSPAN VLAN は、参加しているすべてのスイッチで RSPAN セッション専用です。送信元ポートまたは VLAN からの RSPAN トラフィックは RSPAN VLAN にコピーされ、RSPAN VLAN を伝送するトランク ポートを介して、RSPAN VLAN をモニタする宛先セッションに転送されます。各 RSPAN 送信元スイッチでは、RSPAN 送信元としてポートまたは VLAN のいずれかを設定する必要があります。図中のスイッチ C のように、宛先は常に物理ポートになります。
図 30-3 RSPAN の設定例
SPAN と RSPAN の概念および用語
ここでは、SPAN および RSPAN の設定に関連する概念および用語について説明します。
SPAN セッション
SPAN セッション(ローカルまたはリモート)を使用すると、1 つまたは複数のポート上、あるいは 1 つまたは複数の VLAN 上でトラフィックをモニタし、そのモニタしたトラフィックを 1 つまたは複数の宛先ポートに送信できます。
ローカル SPAN セッションは、宛先ポートと送信元ポートまたは送信元 VLAN(すべて単一のネットワーク デバイス上にある)を結び付けたものです。ローカル SPAN には、送信元セッションおよび宛先セッションが個別に設定されません。ローカル SPAN セッションはユーザが指定した入力および出力のパケット セットを収集し、SPAN データ ストリームを形成して、宛先ポートに転送します。
RSPAN は少なくとも 1 つの RSPAN 送信元セッション、1 つの RSPAN VLAN、および少なくとも 1 つの RSPAN 宛先セッションで構成されています。RSPAN 送信元セッションと RSPAN 宛先セッションは、異なるネットワーク デバイス上に別々に設定します。デバイスに RSPAN 送信元セッションを設定するには、一連の送信元ポートまたは送信元 VLAN を RSPAN VLAN に関連付けます。このセッションの出力は、RSPAN VLAN に送信される SPAN パケットのストリームです。別のデバイスに RSPAN 宛先セッションを設定するには、宛先ポートを RSPAN VLAN に関連付けます。宛先セッションは RSPAN VLAN トラフィックをすべて収集し、RSPAN 宛先ポートに送信します。
RSPAN 送信元セッションは、パケット ストリームが転送される点を除き、ローカル SPAN セッションに非常に似ています。RSPAN 送信元セッションでは、SPAN パケットに RSPAN VLAN ID ラベルが再設定され、通常のトランク ポートを介して宛先スイッチに転送されます。
RSPAN 宛先セッションは RSPAN VLAN 上で受信されたすべてのパケットを取得し、VLAN のタギングを除去し、宛先ポートに送ります。RSPAN 宛先セッションの目的は、(レイヤ 2 制御パケットを除く)すべての RSPAN VLAN パケットを解析のためにユーザにコピーすることです。
同じ RSPAN VLAN 内で、複数の送信元セッションと複数の宛先セッションをアクティブにできます。RSPAN 送信元セッションと宛先セッションを分離する中間スイッチを配置することもできます。これらのスイッチには RSPAN の実行機能は不要ですが、RSPAN VLAN の要求に応答する必要があります(「RSPAN VLAN」を参照)。
SPAN セッションでのトラフィックのモニタには、次のような制約があります。
• ポートまたは VLAN を送信元にできますが、同じセッション内に送信元ポートと送信元 VLAN を混在させることはできません。
• スイッチは最大 2 つの送信元セッションをサポートします(ローカル SPAN および RSPAN 送信元セッション)。同じスイッチ スタック内でローカル SPAN と RSPAN の送信元セッションの両方を実行できます。スイッチ スタックは合計 66 の送信元および RSPAN 宛先セッションをサポートします。
• 1 つの SPAN セッションに複数の宛先ポートを設定できますが、1 つのスイッチ スタックに設定できる宛先ポート数は最大 64 です。
• 別個のまたは重複する SPAN 送信元ポートと VLAN のセットによって、SPAN または RSPAN 送信元セッションを 2 つ個別に設定できます。スイッチド ポートおよびルーテッド ポートはいずれも SPAN 送信元および宛先として設定できます。
• SPAN セッションがスイッチの通常の動作を妨げることはありません。ただし、10 Mbps のポートで 100 Mbps のポートをモニタするなど、オーバーサブスクライブの SPAN 宛先は、パケットの廃棄または消失を招くことがあります。
• RSPAN がイネーブルの場合、モニタ中の各パケットは 2 回伝送されます(1 回は標準トラフィックとして、もう 1 回はモニタされたパケットとして)。したがって、多数のポートまたは VLAN をモニタすると、大量のネットワーク トラフィックが生成されることがあります。
• ディセーブルのポート上に SPAN セッションを設定することはできますが、そのセッション用に宛先ポートと少なくとも 1 つの送信元ポートまたは VLAN をイネーブルにしないかぎり、SPAN セッションはアクティブになりません。
• スイッチは、単一セッション内でのローカル SPAN と RSPAN の併用をサポートしません。つまり、RSPAN 送信元セッションにローカル宛先ポートを設定したり、RSPAN 宛先セッションにローカル送信元ポートを設定したり、同じスイッチ スタック上で、同じ RSPAN VLAN を使用する RSPAN 宛先セッションおよび RSPAN 送信元セッションを実行することはできません。
モニタ対象トラフィック
SPAN セッションは、次のトラフィック タイプをモニタできます。
• RX(受信)SPAN:受信(または入力)SPAN の役割は、送信元インターフェイスまたは VLAN が受信したすべてのパケットを、スイッチが変更または処理を行う前にできるだけ多くモニタすることです。送信元が受信した各パケットのコピーがその SPAN セッションに対応する宛先ポートに送られます。
Differentiated Services Code Point(DSCP)の変更など、ルーティングや Quality of Service(QoS)が原因で変更されたパケットは、変更される前にコピーされます。
受信処理中にパケットを廃棄する可能性のある機能は、入力 SPAN には影響を与えません。宛先ポートは、実際の着信パケットが廃棄された場合でも、パケットのコピーを受信します。パケットを廃棄する可能性のある機能は、標準および拡張 IP 入力 Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)、入力 QoS ポリシング、VLAN ACL、および出力 QoS ポリシングです。
• TX(送信)SPAN:送信(または出力)SPAN の役割は、スイッチによる変更および処理がすべて完了したあとで、送信元インターフェイスが送信したすべてのパケットをできるだけ多くモニタすることです。送信元が送信した各パケットのコピーがその SPAN セッションに対応する宛先ポートに送られます。コピーはパケットの変更後に用意されます。
ルーティングが原因で変更されたパケット(Time to Live [TTL; 存続可能時間]、MAC [メディア アクセス制御] アドレス、QoS 値の変更など)は、宛先ポートで(変更されて)コピーされます。
送信処理中にパケットを廃棄する可能性のある機能は、SPAN 用の複製コピーにも影響します。これらの機能には、標準および拡張 IP 出力 ACL、出力 QoS ポリシングがあります。
• 両方:SPAN セッションで、受信パケットと送信パケットの両方について、ポートまたは VLAN をモニタすることもできます。これがデフォルトです。
ローカル SPAN セッション ポートのデフォルト設定では、すべてのタグなしパケットが送信されます。通常、SPAN は Cisco Discovery Protocol(CDP)、VLAN Trunking Protocol(VTP; VLAN トランキング プロトコル)、Dynamic Trunking Protocol(DTP)、Spanning-Tree Protocol(STP; スパニング ツリー プロトコル)、Port Aggregation Protocol(PAgP)などの Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)パケットおよびレイヤ 2 プロトコルをモニタしません。ただし、宛先ポートを設定するときに encapsulation replicate キーワードを入力すると、次の変更が発生します。
• 送信元ポートの場合と同じカプセル化設定(タグなし、ISL [スイッチ間リンク]、または IEEE 802.1Q)を使用して、パケットが宛先ポートに送信されます。
• BPDU やレイヤ 2 プロトコル パケットを含むすべてのタイプのパケットがモニタされます。
したがって、カプセル化レプリケーションがイネーブルにされたローカル SPAN セッションでは、タグなし、ISL、および IEEE 802.1Q タグ付きパケットが宛先ポートに混在することがあります。
スイッチの輻輳により、入力送信元ポート、出力送信元ポート、または SPAN 宛先ポートでパケットが廃棄されることがあります。一般に、これらの特性は互いに無関係です。次に例を示します。
• パケットは通常どおり転送されますが、SPAN 宛先ポートのオーバーサブスクライブが原因でモニタされないことがあります。
• 入力パケットが標準転送されないにもかかわらず、SPAN 宛先ポートに着信することがあります。
• スイッチの輻輳が原因で廃棄された出力パケットは、出力 SPAN からも廃棄されます。
SPAN の設定によっては、同一送信元のパケットのコピーが複数、SPAN 宛先ポートに送信されます。たとえば、ポート A での RX モニタ、ポート B での TX モニタ用に、双方向(RX と TX)SPAN セッションが設定されているとします。パケットがポート A を介してスイッチに着信し、ポート B にスイッチングされると、着信パケットと発信パケットの両方が宛先ポートに送信されます。このため、両方のパケットは同じものになります(レイヤ 3 書き換えが行われた場合には、パケット変更のため異なるパケットになります)。
送信元ポート
送信元ポート(別名 モニタ対象ポート )は、ネットワーク トラフィック分析のためにモニタするスイッチド ポートまたはルーテッド ポートです。1 つのローカル SPAN セッションまたは RSPAN 送信元セッションでは、送信元ポートまたは VLAN のトラフィックを単一方向または双方向でモニタできます。スイッチは、任意の数の送信元ポート(スイッチで利用可能なポートの最大数まで)と任意の数の送信元 VLAN(サポートされている VLAN の最大数まで)をサポートしています。ただし、スイッチが送信元ポートまたは VLAN でサポートするセッション数は最大 2 つ(ローカルまたは RSPAN)であるため、単一のセッションにポートおよび VLAN を混在させることはできません。
送信元ポートの特性は、次のとおりです。
• 複数の SPAN セッションでモニタできます。
• モニタする方向(入力、出力、または両方)を指定して、各送信元ポートを設定できます。
• すべてのポート タイプ(EtherChannel、ファスト イーサネット、ギガビット イーサネットなど)が可能です。
• EtherChannel 送信元の場合は、EtherChannel 全体で、または物理ポートがポート チャネルに含まれている場合は物理ポート上で個別に、トラフィックをモニタできます。
• アクセス ポート、トランク ポート、ルーテッド ポート、または音声 VLAN ポートに指定できます。
• 宛先ポートにすることはできません。
• 送信元ポートは同じ VLAN にあっても異なる VLAN にあってもかまいません。
• 単一セッション内で複数の送信元ポートをモニタすることが可能です。
送信元 VLAN
VLAN ベースの SPAN(VSPAN)では、1 つまたは複数の VLAN のネットワーク トラフィックをモニタできます。VSPAN 内の SPAN または RSPAN 送信元インターフェイスが VLAN ID となり、トラフィックはその VLAN のすべてのポートでモニタされます。
VSPAN には次の特性があります。
• 送信元 VLAN 内のすべてのアクティブ ポートは送信元ポートとして含まれ、単一方向または双方向でモニタできます。
• 指定されたポートでは、モニタ対象の VLAN 上のトラフィックのみが宛先ポートに送信されます。
• 宛先ポートが送信元 VLAN に所属する場合は、送信元リストから除外され、モニタされません。
• ポートが送信元 VLAN に追加または削除されると、これらのポートで受信された送信元 VLAN のトラフィックは、モニタ中の送信元に追加または削除されます。
• VLAN 送信元と同じセッション内のフィルタ VLAN を使用することはできません。
• モニタできるのは、イーサネット VLAN だけです。
VLAN フィルタリング
トランク ポートを送信元ポートとしてモニタする場合、デフォルトでは、トランク上でアクティブなすべての VLAN がモニタされます。VLAN フィルタリングを使用して、トランク送信元ポートでの SPAN トラフィックのモニタ対象を特定の VLAN に制限できます。
• VLAN フィルタリングが適用されるのは、トランク ポートまたは音声 VLAN ポートのみです。
• VLAN フィルタリングはポートベース セッションにのみ適用され、VLAN 送信元によるセッションでは使用できません。
• VLAN フィルタ リストが指定されている場合、トランク ポートまたは音声 VLAN アクセス ポートではリスト内の該当 VLAN のみがモニタされます。
• 他のポート タイプから着信する SPAN トラフィックは、VLAN フィルタリングの影響を受けません。つまり、すべての VLAN を他のポートで使用できます。
• VLAN フィルタリング機能は、宛先 SPAN ポートに転送されたトラフィックにのみ作用し、通常のトラフィックのスイッチングには影響を与えません。
宛先ポート
各ローカル SPAN セッションまたは RSPAN 宛先セッションには、送信元ポートおよび VLAN からのトラフィックのコピーを受信し、SPAN パケットをユーザ(通常はネットワーク アナライザ)に送信する宛先ポート(別名 モニタ側ポート )が必要です。
宛先ポートの特性は、次のとおりです。
• ローカル SPAN セッションの場合、宛先ポートは送信元ポートと同じスイッチ スタックに存在している必要があります。RSPAN セッションの場合は、RSPAN 宛先セッションを含むスイッチ上にあります。RSPAN 送信元セッションのみを実行するスイッチまたはスイッチ スタックには、宛先ポートはありません。
• ポートを SPAN 宛先ポートとして設定すると、元のポート設定が上書きされます。SPAN 宛先設定を削除すると、ポートは以前の設定に戻ります。ポートが SPAN 宛先ポートとして機能している間にポートの設定が変更されると、SPAN 宛先設定が削除されるまで、変更は有効になりません。
• ポートが EtherChannel グループに含まれていた場合、そのポートが宛先ポートとして設定されている間、グループから削除されます。削除されたポートがルーテッド ポートであった場合、このポートはルーテッド ポートでなくなります。
• 任意のイーサネット物理ポートにできます。
• セキュア ポートにすることはできません。
• 送信元ポートにすることはできません。
• EtherChannel グループまたは VLAN にすることはできません。
• 一度に 1 つの SPAN セッションにしか参加できません(ある SPAN セッションの宛先ポートは、別の SPAN セッションの宛先ポートになることはできません)。
• アクティブな場合、着信トラフィックはディセーブルになります。ポートは SPAN セッションに必要なトラフィック以外は送信しません。宛先ポートでは着信トラフィックを学習したり、転送したりしません。
• 入力トラフィックの転送がネットワーク セキュリティ デバイスでイネーブルの場合、宛先ポートはレイヤ 2 でトラフィックを転送します。
• レイヤ 2 プロトコル(STP、VTP、CDP、DTP、PAgP)のいずれにも参加しません。
• 任意の SPAN セッションの送信元 VLAN に所属する宛先ポートは、送信元リストから除外され、モニタされません。
• スイッチ スタックの宛先ポートの最大数は 64 です。
ローカル SPAN および RSPAN 宛先ポートは、VLAN タギングおよびカプセル化について次のとおり動作が異なります。
• ローカル SPAN では、宛先ポートに encapsulation replicate キーワードが指定されている場合、各パケットに元のカプセル化が使用されます(タグなし、ISL、または IEEE 802.1Q)。これらのキーワードが指定されていない場合、パケットはタグなしフォーマットになります。したがって、 encapsulation replicate がイネーブルになっているローカル SPAN セッションの出力に、タグなし、ISL、または IEEE 802.1Q タグ付きパケットが混在することがあります。
• RSPAN の場合は、元の VLAN ID は RSPAN VLAN ID で上書きされるため失われます。したがって、宛先ポート上のすべてのパケットはタグなしになります。
RSPAN VLAN
RSPAN VLAN は、RSPAN の送信元セッションと宛先セッション間で SPAN トラフィックを伝送します。RSPAN VLAN には次の特殊な特性があります。
• RSPAN VLAN 内のすべてのトラフィックは、常にフラッディングされます。
• RSPAN VLAN では MAC(メディア アクセス制御)アドレスは学習されません。
• RSPAN VLAN トラフィックが流れるのは、トランク ポート上のみです。
• RSPAN VLAN は、 remote-span VLAN コンフィギュレーション モード コマンドを使用して、VLAN コンフィギュレーション モードで設定する必要があります。
• STP は RSPAN VLAN トランク上で実行できますが、SPAN 宛先ポート上では実行できません。
• RSPAN VLAN を、プライベート VLAN のプライマリまたはセカンダリ VLAN にすることはできません。
VTP に対して可視である VLAN 1 ~ 1005 の場合、VLAN ID および対応する RSPAN 特性は VTP によって伝播されます。拡張 VLAN 範囲(1006 ~ 4094)内の RSPAN VLAN ID を割り当てる場合は、すべての中間スイッチを手動で設定する必要があります。
通常は、ネットワークに複数の RSPAN VLAN を配置し、それぞれの RSPAN VLAN でネットワーク全体の RSPAN セッションを定義します。つまり、ネットワーク内の任意の場所にある複数の RSPAN 送信元セッションで、パケットを RSPAN セッションに送信できます。また、ネットワーク全体に対して複数の RSPAN 宛先セッションを設定し、同じ RSPAN VLAN をモニタしたり、ユーザにトラフィックを送信したりできます。セッションは RSPAN VLAN ID によって区別されます。
SPAN および RSPAN と他の機能の相互作用
SPAN は次の機能と相互に作用します。
• ルーティング:SPAN はルーテッド トラフィックをモニタしません。VSPAN がモニタするのはスイッチに出入りするトラフィックに限られ、VLAN 間でルーティングされるトラフィックはモニタしません。たとえば、VLAN が受信モニタされ、スイッチが別の VLAN からモニタ対象 VLAN にトラフィックをルーティングする場合、そのトラフィックはモニタされず、SPAN 宛先ポートで受信されません。
• STP:SPAN または RSPAN セッションがアクティブな間、宛先ポートは STP に参加しません。SPAN または RSPAN セッションがディセーブルになると、宛先ポートは STP に参加できます。送信元ポートでは、SPAN は STP ステータスに影響を与えません。STP は RSPAN VLAN を伝送するトランク ポート上でアクティブにできます。
• CDP:SPAN セッションがアクティブな間、SPAN 宛先ポートは CDP に参加しません。SPAN セッションがディセーブルになると、ポートは再び CDP に参加します。
• VTP:VTP を使用すると、スイッチ間で RSPAN VLAN のプルーニングが可能です。
• VLAN およびトランキング:送信元ポート、または宛先ポートの VLAN メンバシップまたはトランクの設定値を、いつでも変更できます。ただし、宛先ポートの VLAN メンバシップまたはトランクの設定値に対する変更が有効になるのは、SPAN 宛先設定を削除してからです。送信元ポートの VLAN メンバシップまたはトランクの設定値に対する変更は、ただちに有効になり、対応する SPAN セッションが変更に応じて自動的に調整されます。
• EtherChannel:EtherChannel グループを送信元ポートとして設定することはできますが、SPAN 宛先ポートとして設定することはできません。グループが SPAN 送信元として設定されている場合、グループ全体がモニタされます。
モニタ対象の EtherChannel グループに物理ポートを追加すると、SPAN 送信元ポート リストに新しいポートが追加されます。モニタ対象の EtherChannel グループからポートを削除すると、送信元ポート リストからそのポートが自動的に削除されます。
EtherChannel グループに所属する物理ポートを SPAN 送信元ポートとして設定し、引き続き EtherChannel の一部とすることができます。この場合、この物理ポートは EtherChannel に参加しているため、そのポートからのデータはモニタされます。ただし、EtherChannel グループに含まれる物理ポートを SPAN 宛先として設定した場合、その物理ポートはグループから削除されます。SPAN セッションからそのポートが削除されると、EtherChannel グループに再加入します。EtherChannel グループから削除されたポートは、グループ メンバーのままですが、 inactive または suspended ステートになります。
EtherChannel グループに含まれる物理ポートが宛先ポートであり、その EtherChannel グループが送信元の場合、ポートは EtherChannel グループおよびモニタ対象ポート リストから削除されます。
• マルチキャスト トラフィックをモニタできます。出力ポートおよび入力ポートのモニタでは、未編集のパケットが 1 つだけ SPAN 宛先ポートに送信されます。マルチキャスト パケットの送信回数は反映されません。
• プライベート VLAN ポートを SPAN 宛先ポートにできません。
• セキュア ポートを SPAN 宛先ポートにすることはできません。
SPAN セッションでは、入力転送が宛先ポートでイネーブルの場合、出力をモニタしているポートでポート セキュリティをイネーブルにしないでください。RSPAN 送信元セッションでは、出力をモニタしているポートでポート セキュリティをイネーブルにしないでください。
• IEEE 802.1X ポートは SPAN 送信元ポートにできます。SPAN 宛先ポート上で IEEE 802.1X をイネーブルにできますが、SPAN 宛先としてこのポートを削除するまで、IEEE 802.1X はディセーブルに設定されます。
SPAN セッションでは、入力転送が宛先ポートでイネーブルの場合、出力をモニタしているポートで IEEE 802.1X をイネーブルにしないでください。RSPAN 送信元セッションでは、出力をモニタしているポートで IEEE 802.1X をイネーブルにしないでください。
SPAN/RSPAN およびスイッチ スタック
スイッチ スタックは 1 つの論理スイッチとして扱われるため、ローカル SPAN 送信元ポートおよび宛先ポートをスタック内の異なるスイッチに設定できます。したがって、スタックにスイッチを追加または削除すると、ローカル SPAN セッションや、RSPAN 送信元または宛先セッションに影響が及ぶことがあります。スタックからスイッチを削除すると、アクティブ セッションが非アクティブになることがあります。スタックにスイッチを追加すると、非アクティブ セッションがアクティブになることがあります。
スイッチ スタックの詳細については、 第 6 章「スイッチ スタックの管理」 を参照してください。
SPAN および RSPAN の設定
ここでは、次の設定情報について説明します。
• 「SPAN および RSPAN のデフォルト設定」
• 「ローカル SPAN の設定」
• 「RSPAN の設定」
SPAN および RSPAN のデフォルト設定
表 30-1 に、SPAN および RSPAN のデフォルト設定を示します。
表 30-1 SPAN および RSPAN のデフォルト設定
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SPAN のステート(SPAN および RSPAN) |
ディセーブル |
モニタする送信元ポート トラフィック |
受信トラフィックと送信トラフィックの両方( both ) |
カプセル化タイプ(宛先ポート) |
ネイティブ形式(タグなしパケット) |
入力転送(宛先ポート) |
ディセーブル |
VLAN フィルタリング |
送信元ポートとして使用されるトランク インターフェイス上で、すべての VLAN がモニタ対象 |
RSPAN VLAN |
未設定 |
SPAN 設定時の注意事項
SPAN を設定するときには、次の注意事項に従ってください。
• 各スイッチ スタックにつき、最大 2 つの送信元セッションおよび 64 の RSPAN 宛先セッションを設定できます。 送信元セッション は、ローカル SPAN セッションか RSPAN 送信元セッションのどちらかになります。
• 10 ギガビット イーサネット モジュール ポートが SPAN または RSPAN 宛先ポートとして設定されている場合、リンク速度が低下します。
• SPAN 送信元の場合は、セッションごとに、単一のポートまたは VLAN、一連のポートまたは VLAN、一定範囲のポートまたは VLAN のトラフィックをモニタできます。1 つの SPAN セッションに、送信元ポートおよび送信元 VLAN を混在させることはできません。
• 宛先ポートを送信元ポートにすることはできません。同様に、送信元ポートを宛先ポートにすることもできません。
• 同じ宛先ポートで 2 つの SPAN セッションを設定することはできません。
• スイッチ ポートを SPAN 宛先ポートとして設定すると、通常のスイッチ ポートではなくなります。SPAN 宛先ポートを通過するトラフィックがモニタされるだけです。
• SPAN コンフィギュレーション コマンドを入力しても、前に設定した SPAN パラメータは削除されません。設定されている SPAN パラメータを削除するには、 no monitor session { session_number | all | local | remote } グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力する必要があります。
• ローカル SPAN では、 encapsulation replicate キーワードが指定されている場合、SPAN 宛先ポートを経由する発信パケットは元のカプセル化ヘッダー(タグなし、ISL、または IEEE 802.1Q)を伝送します。このキーワードが指定されていない場合、パケットはネイティブ形式で送信されます。RSPAN 宛先ポートの場合、発信パケットはタグなしです。
• ディセーブルのポートを送信元ポートまたは宛先ポートとして設定することはできますが、SPAN 機能が開始されるのは、宛先ポートと少なくとも 1 つの送信元ポートまたは送信元 VLAN がイネーブルになってからです。
• SPAN トラフィックを特定の VLAN に制限するには、 filter vlan キーワードを使用します。トランク ポートをモニタしている場合、このキーワードで指定された VLAN 上のトラフィックのみがモニタされます。デフォルトでは、トランク ポート上のすべての VLAN がモニタされます。
• 単一の SPAN セッションに、送信元 VLAN とフィルタ VLAN を混在させることはできません。
• Catalyst 3750-24PS、3750-48PS、3750-24TS、3750-48TS、3750G-12S、3750G-24T、3750G-24TS、3750G-16TD スイッチには、SPAN に関連するハードウェアの制限があります。ルーテッド ユニキャスト トラフィックの出力 SPAN コピーには、ローカルとリモートの両方の SPAN セッションに関する不正な宛先 MAC アドレスが含まれることがあります。この制限事項はブリッジド パケットには適用されません。ローカル SPAN での対策は、レプリケーションオプションを使用することです。
• Catalyst 3750-24PS、3750-48PS、3750-24TS、3750-48TS、3750G-12S、3750G-24T、3750G-24TS、3750G-16TD スイッチでは、出力 SPAN ルーテッド パケット(ユニキャストとマルチキャストの両方)に間違った送信元 MAC アドレスが示されます。宛先ポートでネイティブ カプセル化を使用したローカル SPAN パケットの場合、パケットには VLAN 1 の MAC アドレスが表示されます。カプセル化レプリケーション オプションが使用されている場合、この問題はローカル SPAN では現れません。この制限事項はブリッジド パケットには適用されません。回避方法として、 monitor session グローバル コンフィギュレーション コマンドの encapsulate replicate キーワードを使用します。
ローカル SPAN セッションの作成
SPAN セッションを作成し、送信元(モニタ対象)ポートまたは VLAN、および宛先(モニタ側)ポートを指定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no monitor session { session_number | all | local | remote } |
セッションに対する既存の SPAN 設定を削除します。 session_number の範囲は、1 ~ 66 です。 すべての SPAN セッションを削除する場合は all 、すべてのローカル セッションを削除する場合は local 、すべてのリモート SPAN セッションを削除する場合は remote をそれぞれ指定します。 |
ステップ 3 |
monitor session session_number source { interface interface-id | vlan vlan-id } [ , | - ] [ both | rx | tx ] |
SPAN セッションおよび送信元ポート(モニタ対象ポート)を指定します。 session_number の範囲は、1 ~ 66 です。 interface-id には、モニタする送信元ポートまたは送信元 VLAN を指定します。 • 送信元 interface-id には、モニタする送信元ポートを指定します。有効なインターフェイスには、物理インターフェイスおよびポート チャネル論理インターフェイス( port-channel port-channel-number )があります 。 有効なポートチャネル番号は 1 ~ 48 です。 • vlan-id には、モニタする送信元 VLAN を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 4094 です(RSPAN VLAN は除く)。 (注) 1 つのセッションに、一連のコマンドで定義された複数の送信元(ポートまたは VLAN)を含めることができます。ただし、1 つのセッション内で送信元ポートと送信元 VLAN を併用することはできません。 (任意) [ , | - ]:一連のインターフェイスまたはインターフェイス範囲を指定します。カンマの前後およびハイフンの前後にスペースを 1 つずつ入力します。 (任意)モニタするトラフィックの方向を指定します。トラフィックの方向を指定しなかった場合、SPAN は送信トラフィックと受信トラフィックの両方をモニタします。 • both : 送信 トラフィックと受信トラフィックの両方をモニタします。これがデフォルトです。 • rx :受信トラフィックをモニタします。 • tx : 送信 トラフィックをモニタします。 コマンドを複数回使用すると、複数の送信元ポートを設定できます。 |
ステップ 4 |
monitor session session_number destination { interface interface-id [, | -] [ encapsulation replicate]} |
SPAN セッションおよび宛先ポート(モニタ側ポート)を指定します。 session_number には、ステップ 3 で入力したセッション番号を指定します。 (注) ローカル SPAN の場合は、送信元および宛先インターフェイスに同じセッション番号を使用する必要があります。 interface-id には、宛先ポートを指定します。宛先インターフェイスには物理ポートを指定する必要があります。EtherChannel や VLAN は指定できません。 (任意) [ , | - ]:一連のインターフェイスまたはインターフェイス範囲を指定します。カンマの前後およびハイフンの前後にスペースを 1 つずつ入力します。 (任意)送信元インターフェイスのカプセル化方式が宛先インターフェイスで複製されるように指定するには、 encapsulation replicate を入力します。これを選択しない場合、デフォルトでは、パケットがネイティブ形式(タグなし)で送信されます。 コマンドを複数回使用すると、複数の宛先ポートを設定できます。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show monitor [ session session_number ] show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
SPAN セッションを削除するには、 no monitor session session_number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。SPAN セッションから送信元ポート、宛先ポート、または VLAN を削除する場合は、 no monitor session session_number source { interface interface-id | vlan vlan-id } グローバル コンフィギュレーション コマンドまたは no monitor session session_number destination interface interface-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。宛先インターフェイスの場合、このコマンドの no 形式では、 encapsulation オプションは無視されます。
次に、SPAN セッション 1 を設定し、宛先ポートへ向けた送信元ポートのトラフィックをモニタする例を示します。最初に、セッション 1 の既存の SPAN 設定を削除し、カプセル化方式を維持しながら、双方向トラフィックを送信元ポート GigabitEthernet 1 から宛先ポート GigabitEthernet 2 へミラーリングします。
Switch(config)# no monitor session 1
Switch(config)# monitor session 1 source interface gigabitethernet1/0/1
Switch(config)# monitor session 1 destination interface gigabitethernet1/0/2 encapsulation replicate
次に、SPAN セッション 1 の SPAN 送信元としてのポート 1 を削除する例を示します。
Switch(config)# no monitor session 1 source interface gigabitethernet1/0/1
次に、双方向モニタが設定されていたポート 1 で、受信トラフィックのモニタをディセーブルにする例を示します。
Switch(config)# no monitor session 1 source interface gigabitethernet1/0/1 rx
ポート 1 で受信するトラフィックのモニタはディセーブルになりますが、このポートから送信されるトラフィックは引き続きモニタされます。
次に、SPAN セッション 2 内の既存の設定を削除し、VLAN 1 ~ 3 に属するすべてのポートで受信トラフィックをモニタするように SPAN セッション 2 を設定し、モニタされたトラフィックを宛先ポート GigabitEthernet 2 に送信する例を示します。さらに、この設定は VLAN 10 に属するすべてのポートですべてのトラフィックをモニタするよう変更されます。
Switch(config)# no monitor session 2
Switch(config)# monitor session 2 source vlan 1 - 3 rx
Switch(config)# monitor session 2 destination interface gigabitethernet1/0/2
Switch(config)# monitor session 2 source vlan 10
ローカル SPAN セッションの作成および着信トラフィックの設定
SPAN セッションを作成し、さらに送信元ポートまたは VLAN および宛先ポートを指定したあと、宛先ポートでネットワーク セキュリティ デバイス(Cisco IDS センサ装置等)用に着信トラフィックをイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
着信トラフィックに関係しないキーワードの詳細については、「ローカル SPAN セッションの作成」を参照してください。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no monitor session { session_number | all | local | remote } |
セッションに対する既存の SPAN 設定を削除します。 |
ステップ 3 |
monitor session session_number source { interface interface-id | vlan vlan-id } [ , | - ] [ both | rx | tx ] |
SPAN セッションおよび送信元ポート(モニタ対象ポート)を指定します。 |
ステップ 4 |
monitor session session_number destination { interface interface-id [, | -] [ encapsulation replicate] [ ingress { dot1q vlan vlan-id | isl | untagged vlan vlan-id | vlan vlan-id }]} |
SPAN セッション、宛先ポート、パケットカプセル化、および入力 VLAN とカプセル化を指定します。 session_number には、ステップ 3 で入力したセッション番号を指定します。 interface-id には、宛先ポートを指定します。宛先インターフェイスには物理ポートを指定する必要があります。EtherChannel や VLAN は指定できません。 (任意) [ , | - ]:一連のインターフェイスまたはインターフェイス範囲を指定します。カンマまたはハイフンの前後にスペースを 1 つずつ入力します。 (任意)送信元インターフェイスのカプセル化方式が宛先インターフェイスで複製されるように指定するには、 encapsulation replicate を入力します。これを選択しない場合、デフォルトでは、パケットがネイティブ形式(タグなし)で送信されます。 宛先ポートでの着信トラフィックの転送をイネーブルにして、カプセル化タイプを指定するには、 ingress をキーワードと一緒に入力します。 • dot1q vlan vlan-id: デフォルトの VLAN として指定した VLAN で、IEEE 802.1Q でカプセル化された着信パケットを受信します。 • isl : ISL カプセル化を使用して着信パケットを転送します。 • untagged vlan vlan-id または vlan vlan-id: デフォルトの VLAN として指定した VLAN で、タグなしでカプセル化された着信パケットを受信します。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show monitor [ session session_number ] show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
SPAN セッションを削除するには、 no monitor session session_number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。SPAN セッションから送信元ポート、宛先ポート、または VLAN を削除する場合は、 no monitor session session_number source { interface interface-id | vlan vlan-id } グローバル コンフィギュレーション コマンドまたは no monitor session session_number destination interface interface-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。宛先インターフェイスの場合、このコマンドの no 形式を使用すると、カプセル化および入力オプションは無視されます。
次に、SPAN セッション 2 の既存の設定を削除し、送信元ポート GigabitEthernet 1 上で受信されるトラフィックをモニタするように SPAN セッション 2 を設定し、送信元ポートと同じ出力カプセル化方式を使用してそれを宛先ポート GigabitEthernet 2 に送信し、VLAN 6 をデフォルトの入力 VLAN として IEEE 802.1Q カプセル化を使用する入力転送をイネーブルにする例を示します。
Switch(config)# no monitor session 2
Switch(config)# monitor session 2 source gigabitethernet1/0/1 rx
Switch(config)# monitor session 2 destination interface gigabitethernet1/0/2 encapsulation replicate ingress dot1q vlan 6
フィルタリングする VLAN の指定
SPAN 送信元トラフィックを特定の VLAN に制限するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no monitor session { session_number | all | local | remote } |
セッションに対する既存の SPAN 設定を削除します。 session_number の範囲は、1 ~ 66 です。 すべての SPAN セッションを削除する場合は all 、すべてのローカル セッションを削除する場合は local 、すべてのリモート SPAN セッションを削除する場合は remote をそれぞれ指定します。 |
ステップ 3 |
monitor session session_number source interface interface-id |
送信元ポート(モニタ対象ポート)と SPAN セッションの特性を指定します。 session_number の範囲は、1 ~ 66 です。 interface-id には、モニタする送信元ポートを指定します。指定されたインターフェイスは、あらかじめトランク ポートとして設定されていなければなりません。 |
ステップ 4 |
monitor session session_number filter vlan vlan-id [ , | - ] |
SPAN 送信元トラフィックを特定の VLAN に制限します。 session_number には、ステップ 3 で指定したセッション番号を入力します。 vlan-id に指定できる範囲は、1 ~ 4094 です。 (任意)[, | - ]:カンマ( , )を使用して一連の VLAN を指定するか、ハイフン( - )を使用して VLAN 範囲を指定します。カンマの前後およびハイフンの前後にスペースを 1 つずつ入力します。 |
ステップ 5 |
monitor session session_number destination { interface interface-id [, | -] [ encapsulation replicate] } |
SPAN セッションおよび宛先ポート(モニタ側ポート)を指定します。 session_number には、ステップ 3 で入力したセッション番号を指定します。 interface-id には、宛先ポートを指定します。宛先インターフェイスには物理ポートを指定する必要があります。EtherChannel や VLAN は指定できません。 (任意) [ , | - ]:一連のインターフェイスまたはインターフェイス範囲を指定します。カンマの前後およびハイフンの前後にスペースを 1 つずつ入力します。 (任意)送信元インターフェイスのカプセル化方式が宛先インターフェイスで複製されるように指定するには、 encapsulation replicate を入力します。これを選択しない場合、デフォルトでは、パケットがネイティブ形式(タグなし)で送信されます。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show monitor [ session session_number ] show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
トランク ポート上のすべての VLAN をモニタするには、 no monitor session session_number filter グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、SPAN セッション 2 の既存の設定を削除し、トランク ポート GigabitEthernet 2 で受信されたトラフィックをモニタするように SPAN セッション 2 を設定し、VLAN 1 ~ 5 および 9 に対してのみトラフィックを宛先ポート GigabitEthernet 1 に送信する例を示します。
Switch(config)# no monitor session 2
Switch(config)# monitor session 2 source interface gigabitethernet1/0/2 rx
Switch(config)# monitor session 2 filter vlan 1 - 5, 9
Switch(config)# monitor session 2 destination interface gigabitethernet1/0/1
RSPAN 設定時の注意事項
RSPAN を設定するときには、次の注意事項に従ってください。
• 「SPAN 設定時の注意事項」のすべての項目は RSPAN にも当てはまります。
• RSPAN VLAN には特殊な特性があるので、RSPAN VLAN として使用するためにネットワーク上の VLAN をいくつか確保し、それらの VLAN にはアクセス ポートを割り当てないでおく必要があります。
• RSPAN トラフィックに出力 ACL を適用して、特定のパケットを選択的にフィルタリングまたはモニタできます。RSPAN 送信元スイッチ内の RSPAN VLAN 上で、これらの ACL を指定します。
• RSPAN を設定する場合は、送信元ポートおよび宛先ポートをネットワーク内の複数のスイッチに分散させることができます。
• RSPAN は、BPDU パケット モニタリングまたは他のレイヤ 2 スイッチ プロトコルをサポートしません。
• RSPAN VLAN はトランク ポートにのみ設定されており、アクセス ポートには設定されていません。不要なトラフィックが RSPAN VLAN に発生しないようにするために、参加しているすべてのスイッチで VLAN RSPAN 機能がサポートされていることを確認してください。
• RSPAN VLAN 上のアクセス ポート(音声 VLAN ポートを含む)は、非アクティブ ステートになります。
• 送信元トランク ポートにアクティブな RSPAN VLAN が設定されている場合、RSPAN VLAN はポートベース RSPAN セッションの送信元として含まれます。また、RSPAN VLAN を SPAN セッションの送信元に設定することもできます。ただし、スイッチはセッション間にわたるトラフィックをモニタしないため、スイッチの RSPAN 送信元セッションの宛先として識別された RSPAN VLAN では、パケットの出力スパニングがサポートされません。
• 次の条件を満たすかぎり、任意の VLAN を RSPAN VLAN として設定できます。
– すべてのスイッチで、RSPAN セッションに同じ RSPAN VLAN が使用されている。
– 参加するすべてのスイッチで RSPAN がサポートされている。
• RSPAN VLAN を設定してから、RSPAN 送信元または宛先セッションを設定することを推奨します。
• VTP および VTP プルーニングをイネーブルにすると、トランク内で RSPAN トラフィックがプルーニングされ、1005 以下の VLAN ID に関して、ネットワークで不必要な RSPAN トラフィックのフラッディングが防止されます。
• Catalyst 3750-24PS、3750-48PS、3750-24TS、3750-48TS、3750G-12S、3750G-24T、3750G-24TS、3750G-16TD スイッチには、RSPAN に関連するハードウェアの制限があります。
– ルーテッド ユニキャスト トラフィックの出力 SPAN コピーには、ローカルとリモートの両方の SPAN セッションに関する不正な宛先 MAC アドレスが含まれることがあります。この制限事項はブリッジド パケットには適用されません。ローカル SPAN での対策は、レプリケーションオプションを使用することです。リモート SPAN セッションの場合、対応策はありません。
– 出力 SPAN ルーテッド パケット(ユニキャスト パケットおよびマルチキャスト パケットの両方)に、誤った送信元 MAC アドレスが表示されます。リモート SPAN パケットの場合、送信元 MAC アドレスは出力 VLAN の MAC アドレスである必要がありますが、代わりにパケットに RSPAN VLAN の MAC アドレスが表示されます。回避策はありません。
– トラフィックが非常に混んでいる間に 2 つの RSPAN 送信元セッションが設定されると、片方の RSPAN セッションのパケットの VLAN ID が別の RSPAN セッションのパケットの VLAN ID を上書きします。上書きされると、この RSPAN VLAN 対象のパケットが誤って別の RSPAN VLAN に送信されます。この問題により RSPAN 宛先セッションは影響を受けません。回避策は RSPAN 送信元セッションを 1 つだけ設定することです。
RSPAN VLAN としての VLAN の設定
最初に、RSPAN セッションの RSPAN VLAN となる VLAN を新規に作成します。RSPAN に参加するすべてのスイッチに RSPAN VLAN を作成する必要があります。RSPAN VLAN ID が標準範囲(1005 以下)であり、VTP がネットワーク内でイネーブルである場合は、1 つのスイッチに RSPAN VLAN を作成し、VTP がこの RSPAN VLAN を VTP ドメイン内の他のスイッチに伝播するように設定できます。拡張範囲 VLAN(1005 を超える ID)の場合、送信元と宛先の両方のスイッチ、および中間スイッチに RSPAN VLAN を設定する必要があります。
VTP プルーニングを使用して、RSPAN トラフィックが効率的に流れるようにするか、または RSPAN トラフィックの伝送が不要なすべてのトランクから、RSPAN VLAN を手動で削除します。
RSPAN VLAN を作成するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
vlan vlan-id |
VLAN ID を入力して VLAN を作成するか、または既存の VLAN の VLAN ID を入力して、VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。有効範囲は 2 ~ 1001 および 1006 ~ 4094 です。 RSPAN VLAN を VLAN 1(デフォルト VLAN)または VLAN ID 1002 ~ 1005(トークンリングおよび Fiber Distributed Data Interface [FDDI] VLAN 専用)にすることはできません。 |
ステップ 3 |
remote-span |
VLAN を RSPAN VLAN として設定します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
VLAN からリモート SPAN 特性を削除して、標準 VLAN に戻すように変換するには、 no remote-span VLAN コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、RSPAN VLAN 901 を作成する例を示します。
Switch(config-vlan)# remote span
RSPAN 送信元セッションの作成
RSPAN 送信元セッションを開始し、モニタ対象の送信元および宛先 RSPAN VLAN を指定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no monitor session { session_number | all | local | remote } |
セッションに対する既存の RSPAN 設定を削除します。 session_number の範囲は、1 ~ 66 です。 すべての RSPAN セッションを削除する場合は all 、すべてのローカル セッションを削除する場合は local 、すべてのリモート SPAN セッションを削除する場合は remote をそれぞれ指定します。 |
ステップ 3 |
monitor session session_number source { interface interface-id | vlan vlan-id } [ , | - ] [ both | rx | tx ] |
RSPAN セッションおよび送信元ポート(モニタ対象ポート)を指定します。 session_number の範囲は、1 ~ 66 です。 RSPAN セッションの送信元ポートまたは送信元 VLAN を入力します。 • interface-id には、モニタする送信元ポートを指定します。有効なインターフェイスには、物理インターフェイスおよびポート チャネル論理インターフェイス( port-channel port-channel-number )があります 。 有効なポートチャネル番号は 1 ~ 48 です。 • vlan-id には、モニタする送信元 VLAN を指定します。指定できる範囲は 1 ~ 4094 です(RSPAN VLAN は除く)。 1 つのセッションに、一連のコマンドで定義された複数の送信元(ポートまたは VLAN)を含めることができます。ただし、1 つのセッション内で送信元ポートと送信元 VLAN を併用することはできません。 (任意) [ , | - ]:一連のインターフェイスまたはインターフェイス範囲を指定します。カンマの前後およびハイフンの前後にスペースを 1 つずつ入力します。 (任意)モニタするトラフィックの方向を指定します。トラフィックの方向を指定しなかった場合、送信元インターフェイスは送信トラフィックと受信トラフィックの両方を送信します。 • both : 送信 トラフィックと受信トラフィックの両方をモニタします。 • rx :受信トラフィックをモニタします。 • tx : 送信 トラフィックをモニタします。 |
ステップ 4 |
monitor session session_number destination remote vlan vlan-id |
RSPAN セッションおよび宛先 RSPAN VLAN を指定します。 session_number には、ステップ 3 で指定した番号を入力します。 vlan-id には、モニタする送信元 RSPAN VLAN を指定します。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show monitor [ session session_number ] show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
SPAN セッションを削除するには、 no monitor session session_number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
SPAN セッションから送信元ポートまたは VLAN を削除するには、 no monitor session session_number source { interface interface-id | vlan vlan-id } グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。セッションから RSPAN VLAN を削除するには、 no monitor session session_number destination remote vlan vlan-id コマンドを使用します。
次に、セッション 1 に対応する既存の RSPAN 設定を削除し、複数の送信元インターフェイスをモニタするように RSPAN セッション 1 を設定し、さらに宛先を RSPAN VLAN 901 に設定する例を示します。
Switch(config)# no monitor session 1
Switch(config)# monitor session 1 source interface gigabitethernet1/0/1 tx
Switch(config)# monitor session 1 source interface gigabitethernet1/0/2 rx
Switch(config)# monitor session 1 source interface port-channel 2
Switch(config)# monitor session 1 destination remote vlan 901
RSPAN 宛先セッションの作成
RSPAN 宛先セッションは別のスイッチまたはスイッチ スタック(送信元セッションが設定されていないスイッチまたはスイッチ スタック)に設定します。
このスイッチ上で RSPAN VLAN を定義し、RSPAN 宛先セッションを作成し、送信元 RSPAN VLAN および宛先ポートを指定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
vlan vlan-id |
送信元スイッチで作成された RSPAN VLAN の VLAN ID を入力し、VLAN コンフィギュレーション モードを開始します。 両方のスイッチが VTP に参加し、RSPAN VLAN ID が 2 ~ 1005 である場合は、VTP ネットワークを介して RSPAN VLAN ID が伝播されるため、ステップ 2 ~ 4 は不要です。 |
ステップ 3 |
remote-span |
VLAN を RSPAN VLAN として識別します。 |
ステップ 4 |
exit |
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
no monitor session { session_number | all | local | remote } |
セッションに対する既存の RSPAN 設定を削除します。 session_number の範囲は、1 ~ 66 です。 すべての RSPAN セッションを削除する場合は all 、すべてのローカル セッションを削除する場合は local 、すべてのリモート SPAN セッションを削除する場合は remote をそれぞれ指定します。 |
ステップ 6 |
monitor session session_number source remote vlan vlan-id |
RSPAN セッションおよび送信元 RSPAN VLAN を指定します。 session_number の範囲は、1 ~ 66 です。 vlan-id には、モニタする送信元 RSPAN VLAN を指定します。 |
ステップ 7 |
monitor session session_number destination interface interface-id |
RSPAN セッションおよび宛先インターフェイスを指定します。 session_number には、ステップ 6 で指定した番号を入力します。 RSPAN 宛先セッションでは、送信元 RSPAN VLAN および宛先ポートに同じセッション番号を使用する必要があります。 interface-id には、宛先インターフェイスを指定します。宛先インターフェイスは物理インターフェイスでなければなりません。 encapsulation replicate はコマンドラインのヘルプ ストリングに表示されますが、RSPAN ではサポートされていません。元の VLAN ID は RSPAN VLAN ID によって上書きされ、宛先ポート上のすべてのパケットはタグなしになります。 |
ステップ 8 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 9 |
show monitor [ session session_number ] show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 10 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
SPAN セッションを削除するには、 no monitor session session_number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。SPAN セッションから宛先ポートを削除するには、 no monitor session session_number destination interface interface-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。セッションから RSPAN VLAN を削除するには、 no monitor session session_number source remote vlan vlan-id コマンドを使用します。
次に、送信元リモート VLAN として VLAN 901、宛先インターフェイスとしてポート 1 を設定する例を示します。
Switch(config)# monitor session 1 source remote vlan 901
Switch(config)# monitor session 1 destination interface gigabitethernet2/0/1
RSPAN 宛先セッションの作成および着信トラフィックの設定
RSPAN 宛先セッションを作成し、送信元 RSPAN VLAN および宛先ポートを指定し、宛先ポートでネットワーク セキュリティ デバイス(Cisco IDS センサ装置等)用に着信トラフィックをイネーブルにするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
着信トラフィックに関係しないキーワードの詳細については、「RSPAN 宛先セッションの作成」を参照してください。この手順は、RSPAN VLAN がすでに設定されていることを前提にしています。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no monitor session { session_number | all | local | remote } |
セッションに対する既存の SPAN 設定を削除します。 |
ステップ 3 |
monitor session session_number source remote vlan vlan-id |
RSPAN セッションおよび送信元 RSPAN VLAN を指定します。 session_number の範囲は、1 ~ 66 です。 vlan-id には、モニタする送信元 RSPAN VLAN を指定します。 |
ステップ 4 |
monitor session session_number destination { interface interface-id [, | -] [ ingress { dot1q vlan vlan-id | isl | untagged vlan vlan-id | vlan vlan-id }]} |
SPAN セッション、宛先ポート、パケットカプセル化、および着信 VLAN とカプセル化を指定します。 session_number には、ステップ 4 で指定した番号を入力します。 RSPAN 宛先セッションでは、送信元 RSPAN VLAN および宛先ポートに同じセッション番号を使用する必要があります。 interface-id には、宛先インターフェイスを指定します。宛先インターフェイスは物理インターフェイスでなければなりません。 encapsulation replicate はコマンドラインのヘルプ ストリングに表示されますが、RSPAN ではサポートされていません。元の VLAN ID は RSPAN VLAN ID によって上書きされ、宛先ポート上のすべてのパケットはタグなしになります。 (任意) [ , | - ]:一連のインターフェイスまたはインターフェイス範囲を指定します。カンマの前後およびハイフンの前後にスペースを 1 つずつ入力します。 宛先ポートでの着信トラフィックの転送をイネーブルにして、カプセル化タイプを指定するには、 ingress を追加のキーワードと一緒に入力します。 • dot1q vlan vlan-id: VLAN をデフォルトの VLAN として指定し、IEEE 802.1Q カプセル化を使用して着信パケットを転送します。 • isl : ISL カプセル化を使用して着信パケットを転送します。 • untagged vlan vlan-id または vlan vlan-id: VLAN をデフォルトの VLAN として指定し、タグなしのカプセル化を使用して着信パケットを転送します。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show monitor [ session session_number ] show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
RSPAN セッションを削除する場合は、 no monitor session session_number グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。RSPAN セッションから宛先ポートを削除するには、 no monitor session session_number destination interface interface-id グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。このコマンドの no 形式を使用すると、入力オプションは無視されます。
次に、RSPAN セッション 2 で送信元リモート VLAN として VLAN 901 を設定し、送信元ポート GigabitEthernet 2 を宛先インターフェイスとして設定し、VLAN 6 をデフォルトの受信 VLAN として着信トラフィックの転送をイネーブルにする例を示します。
Switch(config)# monitor session 2 source remote vlan 901
Switch(config)# monitor session 2 destination interface gigabitethernet1/0/2 ingress vlan 6
フィルタリングする VLAN の指定
RSPAN 送信元トラフィックを特定の VLAN に制限するように RSPAN 送信元セッションを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no monitor session { session_number | all | local | remote } |
セッションに対する既存の SPAN 設定を削除します。 session_number の範囲は、1 ~ 66 です。 すべての SPAN セッションを削除する場合は all 、すべてのローカル セッションを削除する場合は local 、すべてのリモート SPAN セッションを削除する場合は remote をそれぞれ指定します。 |
ステップ 3 |
monitor session session_number source interface interface-id |
送信元ポート(モニタ対象ポート)と SPAN セッションの特性を指定します。 session_number の範囲は、1 ~ 66 です。 interface-id には、モニタする送信元ポートを指定します。指定されたインターフェイスは、あらかじめトランク ポートとして設定されていなければなりません。 |
ステップ 4 |
monitor session session_number filter vlan vlan-id [ , | - ] |
SPAN 送信元トラフィックを特定の VLAN に制限します。 session_number には、ステップ 3 で指定したセッション番号を入力します。 vlan-id に指定できる範囲は、1 ~ 4094 です。 (任意)[,|-]:カンマ( , )を使用して一連の VLAN を指定するか、ハイフン( - )を使用して VLAN 範囲を指定します。カンマの前後およびハイフンの前後にスペースを 1 つずつ入力します。 |
ステップ 5 |
monitor session session_number destination remote vlan vlan-id |
RSPAN セッションおよび宛先リモート VLAN(RSPAN VLAN)を指定します。 session_number には、ステップ 3 で指定したセッション番号を入力します。 vlan-id には、宛先ポートにモニタ対象トラフィックを伝送する RSPAN VLAN を指定します。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show monitor [ session session_number ] show running-config |
設定を確認します。 |
ステップ 8 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
トランク ポート上のすべての VLAN をモニタするには、 no monitor session session_number filter vlan グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、RSPAN セッション 2 の既存の設定を削除し、トランク ポート 2 で受信されるトラフィックをモニタするように RSPAN セッション 2 を設定し、VLAN 1 ~ 5 および 9 に対してのみトラフィックを宛先 RSPAN VLAN 902 に送信する例を示します。
Switch(config)# no monitor session 2
Switch(config)# monitor session 2 source interface gigabitethernet1/0/2 rx
Switch(config)# monitor session 2 filter vlan 1 - 5, 9
Switch(config)# monitor session 2 destination remote vlan 902