スイッチ情報の割り当て
IP 情報を割り当てるには、スイッチのセットアップ プログラムを使用する方法、Dynamic Host Configuration Protocol(DHCP)サーバを使用する方法、または手動で実行する方法があります。
特定の IP 情報の設定が必要な場合、スイッチのセットアップ プログラムを使用してください。このプログラムを使用すると、ホスト名とイネーブル シークレット パスワードを設定することもできます。また、任意で、Telnet パスワードを割り当てたり(リモート管理中のセキュリティ確保のため)、スイッチをクラスタのコマンドまたはメンバ スイッチとして、あるいはスタンドアロン スイッチとして設定したりできます。セットアップ プログラムの詳細については、ハードウェア インストレーション ガイドを参照してください。
スイッチ スタックは、単一 IP アドレスを介して管理されます。IP アドレスは、システムレベルの設定で、スタック マスターまたは他のすべてのスタック メンバで固有ではありません。IP 接続が確保されている前提で、スタックからスタック マスターまたは他のすべてのスタック メンバを削除した場合でも、同じ IP アドレスを介してスタックを管理できます。
(注) スイッチ スタックからスタック メンバを削除した場合、各スタック メンバは自身の IP アドレスを保持します。したがって、ネットワーク内で同じ IP アドレスを持つ 2 つのデバイスが競合しないように、スイッチ スタックから削除したスイッチの IP アドレスを変更しておきます。
サーバの設定後は DHCP サーバを使用して、IP 情報の集中管理と自動割り当てを行います。
(注) DHCP を使用している場合は、スイッチが動的に割り当てられた IP アドレスを受信してコンフィギュレーション ファイルを読み込むまでは、セットアップ プログラムからの質問に応答しないでください。
スイッチの設定手順を熟知している経験豊富なユーザの場合は、スイッチを手動で設定してください。それ以外のユーザは、前述のセットアップ プログラムを使用してください。
• 「デフォルトのスイッチ情報」
• 「DHCP ベースの自動設定の概要」
• 「手動でのスイッチ情報の割り当て」
デフォルトのスイッチ情報
表 3-1 に、デフォルトのスイッチ情報を示します。
表 3-1 デフォルトのスイッチ情報
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IP アドレスおよびサブネット マスク |
IP アドレスまたはサブネット マスクは定義されていません。 |
デフォルト ゲートウェイ |
デフォルト ゲートウェイは定義されていません。 |
イネーブル シークレット パスワード |
パスワードは定義されていません。 |
ホスト名 |
出荷時に設定されたホスト名は Switch です。 |
Telnet パスワード |
パスワードは定義されていません。 |
クラスタ コマンド スイッチ機能 |
ディセーブル |
クラスタ名 |
クラスタ名は定義されません。 |
DHCP ベースの自動設定の概要
DHCP は、インターネットホストおよびインターネットワーキング デバイスに設定情報を提供します。このプロトコルには、2 つのコンポーネントがあります。1 つは DHCP サーバからデバイスにコンフィギュレーション パラメータを提供するコンポーネント、もう 1 つはデバイスにネットワーク アドレスを割り当てるコンポーネントです。DHCP はクライアント/サーバ モデルに基づいています。指定された DHCP サーバが、動的に設定されるデバイスに対して、ネットワーク アドレスを割り当て、コンフィギュレーション パラメータを提供します。スイッチは、DHCP クライアントおよび DHCP サーバとして機能できます。
DHCP ベースの自動設定では、スイッチ(DHCP クライアント)は起動時に、IP アドレス情報およびコンフィギュレーション ファイルを使用して自動的に設定されます。
DHCP ベースの自動設定を使用すると、スイッチ上で DHCP クライアント側の設定を行う必要はありません。ただし、DHCP サーバで、IP アドレスに関連した各種リース オプションを設定する必要があります。DHCP を使用してネットワーク上でコンフィギュレーション ファイルをリレーする場合は、TFTP サーバおよびドメイン ネーム システム(DNS)サーバの設定が必要なこともあります。
(注) スイッチ スタックと DHCP、DNS、TFTP サーバとの間では冗長接続を確立することを推奨します。接続されているスタック メンバがスイッチ スタックから削除された場合でも、これらのサーバがアクセス可能なまま維持されるように保証するうえで役立ちます。
スイッチの DHCP サーバは、スイッチと同じ LAN 上に配置することも、そのスイッチとは別の LAN 上に配置することもできます。DHCP サーバが異なる LAN 上で動作している場合、スイッチと DHCP サーバ間に、DHCP のリレー デバイスを設定する必要があります。リレー デバイスは、直接接続されている 2 つの LAN 間でブロードキャスト トラフィックを転送します。ルータはブロードキャスト パケットを転送しませんが、受信したパケットの宛先 IP アドレスに基づいてパケットを転送します。
DHCP ベースの自動設定は、スイッチの BOOTP クライアント機能に代わるものです。
DHCP クライアント要求プロセス
スイッチを起動したときに、スイッチにコンフィギュレーション ファイルがない場合、DHCP クライアントが呼び出され、DHCP クライアントが DHCP サーバに設定情報を要求します。コンフィギュレーション ファイルが存在し、その設定に特定のルーテッド インターフェイスの ip address dhcp インターフェイス コンフィギュレーション コマンドが含まれる場合、DHCP クライアントが呼び出され、DHCP クライアントがインターフェイスに IP アドレス情報を要求します。
図 3-1 に、DHCP クライアントと DHCP サーバ間で交換される一連のメッセージを示します。
図 3-1 DHCP クライアント/サーバ間のメッセージ交換
クライアントであるスイッチ A は、DHCP サーバの場所を特定するために、DHCPDISCOVER メッセージをブロードキャストします。DHCP サーバは、DHCPOFFER ユニキャスト メッセージによって、使用可能なコンフィギュレーション パラメータ(IP アドレス、サブネット マスク、ゲートウェイ IP アドレス、DNS IP アドレス、IP アドレス用のリースなど)をクライアントに提示します。
DHCPREQUEST ブロードキャスト メッセージでは、クライアントは、提示された設定情報に対して、DHCP サーバに正式な要求を戻します。この正式な要求はブロードキャストされるため、クライアントから DHCPDISCOVER ブロードキャスト メッセージを受信した他のすべての DHCP サーバは、クライアントに提示した IP アドレスを再利用できます。
DHCP サーバは、DHCPACK ユニキャスト メッセージをクライアントに戻すことで、IP アドレスがクライアントに割り当てられたことを確認します。このメッセージによって、クライアントとサーバはバウンドされ、クライアントはサーバから受信した設定情報を使用します。スイッチの受信する情報量は、DHCP サーバの設定方法によって異なります。詳細については、「TFTP サーバの設定」を参照してください。
DHCPOFFER ユニキャスト メッセージによって送信されたコンフィギュレーション パラメータが無効である(コンフィギュレーション エラーがある)場合、クライアントは DHCP サーバに、DHCPDECLINE ブロードキャスト メッセージを戻します。
DHCP サーバはクライアントに、提示されたコンフィギュレーション パラメータが割り当てられていない、パラメータのネゴシエーション中にエラーが発生した、または DHCPOFFER メッセージに対するクライアントの応答が遅れているという意味の DHCPNAK 拒否ブロードキャスト メッセージを送信します (DHCP サーバはパラメータをクライアントに割り当てました)。
DHCP クライアントは、複数の DHCP サーバまたは BOOTP サーバから提示を受け取り、そのうちの任意の 1 つを受け入れることができますが、通常は最初に受け取った提示を受け入れます。DHCP サーバから提示された IP アドレスが必ずしもスイッチに割り当てられるわけではありません。ただし、サーバは通常、クライアントが正式にアドレスを要求するまではアドレスを確保しておきます。スイッチが BOOTP サーバからの応答を受け入れて、自身を設定する場合、スイッチはスイッチ コンフィギュレーション ファイルを入手するために、TFTP 要求をユニキャストするのではなくブロードキャストします。
DHCP ホスト名オプションにより、スイッチのグループはホスト名および標準コンフィギュレーションを集中管理型 DHCP サーバから取得できます。クライアント(スイッチ)は DCHPDISCOVER メッセージ内に、DHCP サーバからのホスト名および他のコンフィギュレーション パラメータの要求に使用される Option 12 フィールドを加えます。すべてのクライアントのコンフィギュレーション ファイルは、DHCP から取得したホスト名を除き、まったく同じです。
クライアントにデフォルトのホスト名がある場合( hostname name グローバル コンフィギュレーション コマンドを設定していないか、 no hostname グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してホスト名を削除していない場合)は、 ip address dhcp インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力すると、DHCP のホスト名オプションがパケットに含まれません。この場合、インターフェイスの IP アドレスを取得中にクライアントが DHCP との相互作用で DHCP ホスト名オプションを受信した場合、クライアントは DHCP ホスト名オプションを受け入れて、システムに設定済みのホスト名があることを示すフラグが設定されます。
DHCP ベースの自動設定およびイメージ アップデートの概要
DHCP イメージ アップグレード機能を使用すると、ネットワーク内の 1 つ以上のスイッチに新しいイメージ ファイルおよび新しいコンフィギュレーション ファイルをダウンロードするように DHCP サーバを設定できます。これにより、ネットワークに加えられた新しいスイッチが、同じイメージとコンフィギュレーションを確実に受信するようになります。
DHCP イメージ アップグレードには、自動設定およびイメージ アップデートの 2 つのタイプがあります。
DHCP 自動設定
DHCP 自動設定は、コンフィギュレーション ファイルを DHCP サーバからネットワーク内の 1 つ以上のスイッチにダウンロードします。ダウンロードされたコンフィギュレーション ファイルは、スイッチの実行コンフィギュレーション ファイルになります。このファイルは、スイッチがリロードされるまで、フラッシュ メモリに保存された起動コンフィギュレーションを上書きしません。
DHCP 自動イメージ アップデート
DHCP 自動設定とともに DHCP 自動イメージ アップグレードを使用すると、コンフィギュレーションおよび新しいイメージをネットワーク内の 1 つ以上のスイッチにダウンロードできます。新しいコンフィギュレーションおよび新しいイメージをダウンロードしている 1 つ以上のスイッチは、ブランク(つまり、出荷時のデフォルト設定がロードされている状態)にできます。
コンフィギュレーションをすでに持っているスイッチに新しいコンフィギュレーションをダウンロードすると、ダウンロードされたコンフィギュレーションは、スイッチに保存されているコンフィギュレーション ファイルに追加されます (どの既存のコンフィギュレーション ファイルも、ダウンロードされたファイルに上書きされません)。
(注) スイッチの DHCP 自動イメージ アップデートをイネーブルにするには、イメージ ファイルおよびコンフィギュレーション ファイルがある TFTP サーバを、正しいオプション 67(コンフィギュレーション ファイル名)、オプション 66(DHCP サーバ ホスト名)、オプション 150(TFTP サーバ アドレス)、およびオプション 125(ファイルの説明)の設定で設定する必要があります。
スイッチを DHCP サーバとして設定する場合の手順については、「DHCP ベースの自動設定の設定」および『Cisco IOS IP Configuration Guide, Release 12.2』の「IP addressing and Services」の章にある「Configuring DHCP」を参照してください。
スイッチをネットワークに設置すると、自動イメージ アップデート機能が開始します。ダウンロードされたコンフィギュレーション ファイルはスイッチの実行コンフィギュレーションに保存され、新しいイメージがダウンロードされてスイッチにインストールされます。スイッチを再起動すると、このコンフィギュレーションがスイッチのコンフィギュレーションに保存されます。
制限事項と制約事項
• ネットワーク内に割り当てられた IP アドレスがなく、1 つ以上のレイヤ 3 インターフェイスが起動してない場合は、設定プロセスが保存された DHCP ベースの自動設定は停止します。
• タイムアウトを設定しない限り、設定機能を備えている DHCP ベースの自動設定は IP アドレスのダウンロードを無期限に繰り返します。
• コンフィギュレーション ファイルをダウンロードできないか破損している場合は、自動インストールプロセスが停止します。
(注) TFTP からダウンロードされたコンフィギュレーション ファイルは、実行コンフィギュレーション内の既存コンフィギュレーションとマージされますが、write memory または copy running-configuration startup-configuration 特権 EXEC コマンドを入力しない限り、NVRAM に保存されません。ダウンロードされたコンフィギュレーションがスタートアップ コンフィギュレーションに保存されると、後続のシステムシステム再起動中に、この機能が実行されないことに注意してください。
DHCP サーバ設定時の注意事項
DHCP サーバには、スイッチのハードウェア アドレスによって各スイッチと結び付けられている予約済みのリースを設定する必要があります。
スイッチに IP アドレス情報を受信させるには、DHCP サーバに次のリース オプションを設定する必要があります。
• クライアントの IP アドレス(必須)
• クライアントのサブネット マスク(必須)
• ルータの IP アドレス(スイッチで使用するデフォルト ゲートウェイ アドレス)(必須)
• DNS サーバの IP アドレス(任意)
スイッチに TFTP サーバからコンフィギュレーション ファイルを受信させる場合は、DHCP サーバに次のリース オプションを設定する必要があります。
• TFTP サーバ名(必須)
• ブート ファイル名(クライアントが必要とするコンフィギュレーション ファイル名)(推奨)
• ホスト名(任意)
DHCP サーバの設定によっては、スイッチは IP アドレス情報またはコンフィギュレーション ファイル、あるいはその両方を受信できます。
前述のリース オプションを設定しなかった場合、DHCP サーバは、設定されたパラメータのみを使用してクライアントの要求に応答します。IP アドレスおよびサブネット マスクが応答に含まれていないと、スイッチは設定されません。ルータの IP アドレスまたは TFTP サーバ名が見つからなかった場合、スイッチは TFTP 要求をユニキャストしないでブロードキャストする場合があります。その他のリース オプションは、使用できなくても自動設定には影響しません。
スイッチは、DHCP サーバとして機能できます。デフォルトでは、Cisco IOS DHCP サーバおよび DHCP リレー エージェント機能はスイッチ上でイネーブルにされていますが、設定されていません。これらの機能は動作しません。DHCP サーバがシスコ デバイスの場合、DHCP 設定に関する詳細については、Cisco.com で『 Cisco IOS IP Configuration Guide 』の「IP Addressing and Services」の章にある「Configuring DHCP」の部分を参照してください。
DHCP サーバとスイッチ スタック
DHCP バインディング データベースは、スタック マスターで管理されます。新しいスタック マスターが割り当てられると、新しいマスターでは、TFTP サーバから保存されているバインディング データベースがダウンロードされます。スタック マスターに障害が発生した場合、未保存のすべてのバインディングが失われます。失われたバインディングに関連付けられていた IP アドレスは、解放されます。自動バックアップは、 ip dhcp database url [ timeout seconds | write-delay seconds ] グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して設定する必要があります。
スタックのマージが発生すると、スタック メンバになるスタック マスターでは、すべての DHCP リース バインディングが失われます。スタック パーティションでは、パーティションにある新しいマスターが、既存の DHCP リース バインディングなしで、新しい DHCP サーバとして動作します。
スイッチ スタックの詳細については、 「スイッチ スタックの管理」 を参照してください。
TFTP サーバの設定
DHCP サーバの設定に基づいて、スイッチは TFTP サーバから 1 つまたは複数のコンフィギュレーション ファイルをダウンロードしようとします。TFTP サーバへの IP 接続に必要なすべてのオプションについてスイッチに応答するよう DHCP を設定している場合で、なおかつ、TFTP サーバ名、アドレス、およびコンフィギュレーション ファイル名を指定して DHCP サーバを設定している場合、スイッチは指定された TFTP サーバから指定されたコンフィギュレーション ファイルをダウンロードしようとします。
コンフィギュレーション ファイル名、および TFTP サーバを指定しなかった場合、またはコンフィギュレーション ファイルをダウンロードできなかった場合は、スイッチはファイル名と TFTP サーバアドレスをさまざまに組み合わせてコンフィギュレーション ファイルをダウンロードしようとします。ファイルには、特定のコンフィギュレーション ファイル名(存在する場合)と network-config、cisconet.cfg、 hostname .config、または hostname .cfg のファイルが含まれています。ここで、 hostname はスイッチの現在のホスト名です。使用される TFTP サーバアドレスには、(存在する場合)指定された TFTP サーバのアドレス、およびブロードキャスト アドレス(255.255.255.255)が含まれています。
スイッチが正常にコンフィギュレーション ファイルをダウンロードするには、TFTP サーバのベース ディレクトリに 1 つまたは複数のコンフィギュレーション ファイルが含まれていなければなりません。含めることのできるファイルは、次のとおりです。
• DHCP 応答で指定されているコンフィギュレーション ファイル(実際のスイッチ コンフィギュレーション ファイル)
• network-confg または cisconet.cfg ファイル(デフォルトのコンフィギュレーション ファイル)
• router-confg または ciscortr.cfg ファイル(これらのファイルには、すべてのスイッチに共通のコマンドが含まれています。通常、DHCP および TFTP サーバが適切に設定されていれば、これらのファイルはアクセスされません)
DHCP サーバ リース データベースに TFTP サーバ名を指定する場合は、DNS サーバのデータベースに TFTP サーバ名と IP アドレスのマッピングを設定することも必要です。
使用する TFTP サーバが、スイッチとは異なる LAN 上にある場合、またはスイッチがブロードキャスト アドレスを使用してアクセスした場合(前述のすべての必須情報が DHCP サーバの応答に含まれていない場合に発生)は、リレーを設定して TFTP サーバに TFTP パケットを転送する必要があります。詳細については、「リレー デバイスの設定」を参照してください。 適切な解決方法は、必要なすべての情報を使用して DHCP サーバを設定することです。
DNS の設定
DHCP サーバは、DNS サーバを使用して TFTP サーバ名を IP アドレスに変換します。DNS サーバ上で、TFTP サーバ名から IP アドレスへのマッピングを設定する必要があります。TFTP サーバには、スイッチのコンフィギュレーション ファイルが存在します。
DHCP の応答時に IP アドレスを取得する DHCP サーバのリース データベースに、DNS サーバの IP アドレスを設定できます。リース データベースには、DNS サーバの IP アドレスを 2 つまで入力できます。
DNS サーバは、スイッチと同じ LAN 上に配置することも、そのスイッチとは別の LAN 上に配置することもできます。DHCP サーバが別の LAN 上に存在する場合、スイッチはルータを介して DHCP サーバにアクセスできなければなりません。
リレー デバイスの設定
異なる LAN 上にあるホストからの応答が必要なブロードキャスト パケットをスイッチが送信する場合は、リレー デバイス( リレー エージェント )を設定する必要があります。スイッチが送信する可能性のあるブロードキャスト パケットの例として DHCP パケット、DNS パケット、場合によっては TFTP パケットが挙げられます。リレー デバイスは、インターフェイス上の受信ブロードキャスト パケットを宛先ホストに転送するように設定する必要があります。
リレー デバイスが Cisco ルータである場合、IP ルーティングをイネーブルにし( ip routing グローバル コンフィギュレーション コマンド)、 ip helper-address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用して、ヘルパー アドレスを設定します。
図 3-2 では、ルータ インターフェイスを次のように設定しています。
インターフェイス 10.0.0.2 では、
router(config-if)#
ip helper-address 20.0.0.2
router(config-if)#
ip helper-address 20.0.0.3
router(config-if)#
ip helper-address 20.0.0.4
インターフェイス 20.0.0.1 では、
router(config-if)#
ip helper-address 10.0.0.1
(注) スイッチをリレー デバイスとして機能させる場合は、インターフェイスをルーテッド ポートに設定してください。詳細については、「ルーテッド ポート」および「レイヤ 3 インターフェイスの設定」を参照してください。
図 3-2 自動設定でのリレー デバイスの使用
コンフィギュレーション ファイルの入手方法
IP アドレスおよびコンフィギュレーション ファイル名が DHCP で専用のリースとして取得できるかどうかに応じて、スイッチは次の方法で設定情報を入手します。
• IP アドレスおよびコンフィギュレーション ファイル名が、スイッチ用に予約され、DHCP 応答(1 ファイル読み込み方式)で提供されている場合
スイッチは DHCP サーバから、IP アドレス、サブネット マスク、TFTP サーバ アドレス、およびコンフィギュレーション ファイル名を受信します。スイッチは、TFTP サーバにユニキャスト メッセージを送信し、指定されたコンフィギュレーション ファイルをサーバのベース ディレクトリから取得して、ブートアップ プロセスを完了します。
• スイッチの IP アドレスおよびコンフィギュレーション ファイル名が予約されているが、DHCP 応答に TFTP サーバ アドレスが含まれていない場合(1 ファイル読み込み方式)
スイッチは DHCP サーバから、IP アドレス、サブネット マスク、およびコンフィギュレーション ファイル名を受信します。スイッチは、TFTP サーバにブロードキャスト メッセージを送信し、指定されたコンフィギュレーション ファイルをサーバのベース ディレクトリから取得して、ブートアップ プロセスを完了します。
• IP アドレスだけがスイッチ用に予約され、DHCP 応答で提供されており、 コンフィギュレーション ファイル名は提供されない場合(2 ファイル読み込み方式)
スイッチは DHCP サーバから、IP アドレス、サブネット マスク、および TFTP サーバ アドレスを受信します。スイッチは、TFTP サーバにユニキャストメッセージを送信し、network-confg または cisconet.cfg のデフォルト コンフィギュレーション ファイルを取得します (network-confg ファイルが読み込めない場合、スイッチは cisconet.cfg ファイルを読み込みます)。
デフォルト コンフィギュレーション ファイルには、スイッチのホスト名から IP アドレスへのマッピングが含まれています。スイッチは、ファイルの情報をホスト テーブルに書き込み、ホスト名を入手します。ファイルにホスト名がない場合、スイッチは DHCP 応答で指定されたホスト名を使用します。DHCP 応答でホスト名が指定されていない場合、スイッチはデフォルトの Switch をホスト名として使用します。
デフォルトのコンフィギュレーション ファイルまたは DHCP 応答からホスト名を入手した後、スイッチはホスト名と同じ名前のコンフィギュレーション ファイル(network-confg または cisconet.cfg のどちらが先に読み込まれたかに応じて、 hostname -confg または hostname .cfg)を TFTP サーバから読み込みます。cisconet.cfg ファイルが読み込まれている場合は、ホストのファイル名は 8 文字に切り捨てられます。
network-confg、cisconet.cfg、またはホスト名と同じ名前のファイルを読み込むことができない場合、スイッチは router-confg ファイルを読み込みます。router-confg ファイルを読み込むことができない場合、スイッチは ciscortr.cfg ファイルを読み込みます。
(注) DHCP 応答から TFTP サーバを入手できなかった場合、ユニキャスト伝送によるコンフィギュレーション ファイルの読み込みに失敗した場合、または TFTP サーバ名を IP アドレスに変換できない場合には、スイッチは TFTP サーバ要求をブロードキャストします。
構成例
図 3-3 に、DHCP ベースの自動設定を使用して IP 情報を検索するネットワークの構成例を示します。
図 3-3 DHCP ベースの自動設定を使用するネットワークの構成例
表 3-2 は、DHCP サーバ上の予約リースの設定例です。
表 3-2 DHCP サーバ コンフィギュレーション
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バインディング キー(ハードウェア アドレス) |
00e0.9f1e.2001 |
00e0.9f1e.2002 |
00e0.9f1e.2003 |
00e0.9f1e.2004 |
IP アドレス |
10.0.0.21 |
10.0.0.22 |
10.0.0.23 |
10.0.0.24 |
サブネット マスク |
255.255.255.0 |
255.255.255.0 |
255.255.255.0 |
255.255.255.0 |
ルータ アドレス |
10.0.0.10 |
10.0.0.10 |
10.0.0.10 |
10.0.0.10 |
DNS サーバ アドレス |
10.0.0.2 |
10.0.0.2 |
10.0.0.2 |
10.0.0.2 |
TFTP サーバ名 |
tftpserver または 10.0.0.3 |
tftpserver または 10.0.0.3 |
tftpserver または 10.0.0.3 |
tftpserver または 10.0.0.3 |
ブート ファイル名(コンフィギュレーション ファイル)(任意) |
switcha-confg |
switchb-confg |
switchc-confg |
switchd-confg |
ホスト名(任意) |
switcha |
switchb |
switchc |
switchd |
DNS サーバ コンフィギュレーション
DNS サーバは、TFTP サーバ名 tftpserver を IP アドレス 10.0.0.3 にマッピングします。
TFTP サーバ コンフィギュレーション(UNIX)
TFTP サーバのベース ディレクトリは、/tftpserver/work/ に設定されています。このディレクトリには、2 ファイル読み込み方式で使用される network-confg ファイルがあります。このファイルには、IP アドレスに基づいてスイッチに割り当てられるホスト名が含まれています。ベース ディレクトリには、次に示すように、各スイッチのコンフィギュレーション ファイル( switcha-confg 、 switchb-confg など)も含まれています。
prompt> cd /tftpserver/work/
prompt> cat network-confg
ip host switcha 10.0.0.21
ip host switchb 10.0.0.22
ip host switchc 10.0.0.23
ip host switchd 10.0.0.24
DHCP クライアント コンフィギュレーション
スイッチ A ~ D には、コンフィギュレーション ファイルは存在しません。
コンフィギュレーションの説明
図 3-3 の場合、スイッチ A はコンフィギュレーション ファイルを次のようにして読み込みます。
• DHCP サーバから IP アドレス 10.0.0.21 を入手します。
• DHCP サーバの応答でコンフィギュレーション ファイル名が提供されない場合、スイッチ A は TFTP サーバのベース ディレクトリから network-confg ファイルを読み込みます。
• ホスト テーブルに network-confg ファイルの内容を追加します。
• IP アドレス 10.0.0.21 をもとにホスト テーブルを検索し、ホスト名(switcha)を取得します。
• ホスト名に対応するコンフィギュレーション ファイルを読み込みます。たとえば、TFTP サーバから switch1-confg を読み込みます。
スイッチ B ~ D も、同様にコンフィギュレーション ファイルおよび IP アドレスを取得します。
DHCP 自動設定機能およびイメージ アップデート機能
DHCP を使用して新しいイメージおよび新しいコンフィギュレーションをスイッチにダウンロードするには、少なくとも 2 つのスイッチを設定する必要があります。1 つのスイッチは DHCP および TFTP サーバとして動作します。クライアント スイッチは、新しいコンフィギュレーション ファイル、または新しいコンフィギュレーション ファイルおよび新しいイメージ ファイルのいずれかをダウンロードするように設定されます。
DHCP 自動設定(コンフィギュレーション ファイルだけ)の設定
新しいスイッチに TFTP および DHCP 設定の DHCP 自動設定を設定して新しいコンフィギュレーション ファイルをダウンロードするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip dhcp pool name |
DHCP サーバのアドレス プール名を作成し、DHCP プール コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
bootfile filename |
ブート イメージとして使用されるコンフィギュレーション ファイルの名前を指定します。 |
ステップ 4 |
network network-number mask prefix-length |
DHCP アドレス プールのサブネット ネットワーク番号とマスクを指定します。 (注) プレフィックス長は、アドレス プレフィックスを構成するビット数を指定します。プレフィックスは、クライアントのネットワーク マスクを指定する二者択一の方法です。プレフィックス長は、スラッシュ(/)で開始する必要があります。 |
ステップ 5 |
default-router address |
DHCP クライアントのデフォルト ルータの IP アドレスを指定します。 |
ステップ 6 |
option 150 address |
TFTP サーバの IP アドレスを指定します。 |
ステップ 7 |
exit |
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 8 |
tftp-server flash :filename.text |
TFTP サーバ上のコンフィギュレーション ファイルを指定します。 |
ステップ 9 |
interface interface-id |
コンフィギュレーション ファイルを受信するクライアントのアドレスを指定します。 |
ステップ 10 |
no switchport |
インターフェイスをレイヤ 3 モードにします。 |
ステップ 11 |
ip address address mask |
インターフェイスの IP アドレスおよびマスクを指定します。 |
ステップ 12 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 13 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
次に、スイッチを DHCP サーバとして設定し、それがコンフィギュレーション ファイルをダウンロードするようにさせる例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(config)# ip dhcp pool pool1
Switch(dhcp-config)# network 10.10.10.0 255.255.255.0
Switch(dhcp-config)# bootfile config-boot.text
Switch(dhcp-config)# default-router 10.10.10.1
Switch(dhcp-config)# option 150 10.10.10.1
Switch(dhcp-config)# exit
Switch(config)# tftp-server flash:config-boot.text
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/4
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# ip address 10.10.10.1 255.255.255.0
DHCP 自動イメージ アップデート(コンフィギュレーション ファイルおよびイメージ)の設定
DHCP 自動設定の設定により新しいスイッチに TFTP および DHCP の設定をして新しいイメージおよび新しいコンフィギュレーション ファイルをダウンロードするには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
(注) 次のテーブルの手順に従う前に、スイッチにアップロードされるテキスト ファイル(たとえば、autoinstall_dhcp)を作成する必要があります。このテキスト ファイル内に、ダウンロードするイメージの名前を含めます。このイメージは、bin ファイルでなく、tar ファイルである必要があります。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ip dhcp poo l name |
DHCP サーバのアドレス プール名を作成し、DHCP プール コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
bootfile filename |
ブート イメージとして使用されるファイルの名前を指定します。 |
ステップ 4 |
network network-number mask prefix-length |
DHCP アドレス プールのサブネット ネットワーク番号とマスクを指定します。 (注) プレフィックス長は、アドレス プレフィックスを構成するビット数を指定します。プレフィックスは、クライアントのネットワーク マスクを指定する二者択一の方法です。プレフィックス長は、スラッシュ(/)で開始する必要があります。 |
ステップ 5 |
default-router address |
DHCP クライアントのデフォルト ルータの IP アドレスを指定します。 |
ステップ 6 |
option 150 address |
TFTP サーバの IP アドレスを指定します。 |
ステップ 7 |
option 125 hex |
イメージ ファイルへのパスを記述するテキスト ファイルへのパスを指定します。 |
ステップ 8 |
copy tftp flash filename.txt |
テキスト ファイルをスイッチにアップロードします。 |
ステップ 9 |
copy tftp flash imagename.tar |
新しいイメージの tar ファイルをスイッチにアップロードします。 |
ステップ 10 |
exit |
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 11 |
tftp-server flash:config.text |
TFTP サーバの Cisco IOS コンフィギュレーション ファイルを指定します。 |
ステップ 12 |
tftp-server flash:imagename.tar |
TFTP サーバ上のイメージ名を指定します。 |
ステップ 13 |
tftp-server flash:filename.txt |
ダウンロードするイメージ ファイルの名前を含んでいるテキスト ファイルを指定します。 |
ステップ 14 |
interface interface-id |
コンフィギュレーション ファイルを受信するクライアントのアドレスを指定します。 |
ステップ 15 |
no switchport |
インターフェイスをレイヤ 3 モードにします。 |
ステップ 16 |
ip address address mask |
インターフェイスの IP アドレスおよびマスクを指定します。 |
ステップ 17 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 18 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
次に、スイッチを DHCP サーバとして設定し、それがコンフィギュレーション ファイルをダウンロードするようにさせる例を示します。
Switch(config)# ip dhcp pool pool1
Switch(dhcp-config)# network 10.10.10.0 255.255.255.0
Switch(dhcp-config)# bootfile config-boot.text
Switch(dhcp-config)# default-router 10.10.10.1
Switch(dhcp-config)# option 150 10.10.10.1
Switch(dhcp-config)# option 125 hex 0000.0009.0a05.08661.7574.6f69.6e73.7461.6c6c.5f64.686370
Switch(dhcp-config)# exit
Switch(config)# tftp-server flash:config-boot.text
Switch(config)# tftp-server flash:c3750-ipservices-mz.122-44.3.SE.tar
Switch(config)# tftp-server flash:boot-config.text
Switch(config)# tftp-server flash: autoinstall_dhcp
Switch(config)# interface gigabitethernet1/0/4
Switch(config-if)# no switchport
Switch(config-if)# ip address 10.10.10.1 255.255.255.0
クライアントの設定
コンフィギュレーション ファイルおよび新しいイメージを DHCP サーバからダウンロードするようにスイッチを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
boot host dhcp |
保存されているコンフィギュレーションで自動設定をイネーブルにします。 |
ステップ 3 |
boot host retry timeout timeout-value |
(任意)システムがコンフィギュレーション ファイルをダウンロードしようとする時間を設定します。 (注) タイムアウトを設定しないと、システムは無期限に DHCP サーバから IP アドレスを取得しようとします。 |
ステップ 4 |
banner config-save ^C warning-message ^C |
(任意)コンフィギュレーション ファイルを NVRAM に保存しようとするときに表示される警告メッセージを作成します。 |
ステップ 5 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
show boot |
設定を確認します。 |
次に、VLAN 99 上のレイヤ 3 SVI インターフェイスを使用し、保存されているコンフィギュレーションで DHCP ベースの自動設定をイネーブルにする例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(conf)# boot host dhcp
Switch(conf)# boot host retry timeout 300
Switch(conf)# banner config-save ^C Caution - Saving Configuration File to NVRAM May Cause You to No longer Automatically Download Configuration Files at Reboot^C
Switch(config-vlan)# interface vlan 99
Switch(config-if)# no shutdown
Config file: flash:/config.text
Private Config file: flash:/private-config.text
via DHCP: enabled (next boot: enabled)
(注) レイヤ 3 インターフェイスだけを設定してイネーブルにする必要があります。保存されているコンフィギュレーションの DHCP ベースの自動設定に IP アドレスを割り当てないでください。
手動でのスイッチ情報の割り当て
複数の Switched Virtual Interface(SVI; スイッチ仮想インターフェイス)に手動で IP 情報を割り当てるには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
(注) スイッチで IP サービス イメージを実行している場合は、no switchport インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用してポートをレイヤ 3 モードにすると、IP 情報をポートに手動で割り当てることもできます。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
interface vlan vlan-id |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始し、IP 情報を割り当てる VLAN を入力します。指定できる VLAN 範囲は 1 ~ 4094 です。 |
ステップ 3 |
ip address ip-address subnet-mask |
IP アドレスおよびサブネット マスクを入力します。 |
ステップ 4 |
exit |
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
ip default-gateway ip-address |
スイッチに直接接続しているネクスト ホップのルータ インターフェイスの IP アドレスを入力します。このスイッチにはデフォルト ゲートウェイが設定されています。デフォルト ゲートウェイは、スイッチから宛先 IP アドレスを取得していない IP パケットを受信します。 デフォルト ゲートウェイが設定されると、スイッチは、ホストが接続する必要のあるリモート ネットワークに接続できます。 (注) IP でルーティングするようにスイッチを設定した場合、デフォルト ゲートウェイの設定は不要です。 |
ステップ 6 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
show interfaces vlan vlan-id |
設定された IP アドレスを確認します。 |
ステップ 8 |
show ip redirects |
設定されたデフォルト ゲートウェイを確認します。 |
ステップ 9 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
スイッチの IP アドレスを削除するには、 no ip address インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。Telnet セッションからアドレスを削除すると、スイッチの接続は切断されます。デフォルト ゲートウェイのアドレスを削除するには、 no ip default-gateway グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
スイッチのシステム名の設定、特権 EXEC コマンドへのアクセスの保護、時刻および日付の設定については、「スイッチの管理」を参照してください。
スタートアップ コンフィギュレーションの変更
ここでは、スイッチのスタートアップ コンフィギュレーションを変更する方法について説明します。
• 「起動のデフォルト設定」
• 「コンフィギュレーション ファイルの自動ダウンロード」
• 「手動で起動する場合」
• 「特定のソフトウェア イメージを起動する場合」
• 「環境変数の制御」
スイッチ スタックのコンフィギュレーション ファイルについては、「スタックのコンフィギュレーション ファイル」および 付録 A「Cisco IOS ファイル システム、コンフィギュレーション ファイル、およびソフトウェア イメージの操作」 を参照してください。
起動のデフォルト設定
表 3-3 起動のデフォルト設定
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OS ソフトウェア イメージ |
スイッチは BOOT 環境変数の情報を使用して、システムを自動的に起動しようとします。この変数が設定されていない場合、スイッチはフラッシュ ファイル システム全体に再帰的な縦型検索を行って、最初に検出した実行可能イメージをロードして実行しようとします。 Cisco IOS イメージは、イメージ ファイルと(.bin 拡張子を除いて)同名のディレクトリに保存されます。 ディレクトリの縦型検索では、検出した各サブディレクトリを完全に検索してから元のディレクトリでの検索を続けます。 |
コンフィギュレーション ファイル |
設定されているスイッチは、システムボードのフラッシュ メモリに保存されている config.text ファイルを使用します。 新しいスイッチの場合、コンフィギュレーション ファイルはありません。 |
コンフィギュレーション ファイルの自動ダウンロード
DHCP ベースの自動設定機能を使用することによって、スイッチにコンフィギュレーション ファイルを自動的にダウンロードできます。詳細については、「DHCP ベースの自動設定の概要」を参照してください。
システム コンフィギュレーションを読み書きするためのファイル名の指定
Cisco IOS ソフトウェアは、デフォルトで config.text ファイルを使用して、システム コンフィギュレーションの不揮発性コピーを読み書きします。別のファイル名を指定することもできます。次回の起動時には、その名前のファイルが読み込まれます。
(注) このコマンドは、スタンドアロン スイッチからのみ正常に動作します。
別のコンフィギュレーション ファイル名を指定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
boot config-file flash:/ file-url |
次回の起動時に読み込むコンフィギュレーション ファイルを指定します。 file-url に、パス(ディレクトリ)およびコンフィギュレーション ファイル名を指定します。 ファイル名およびディレクトリ名は、大文字と小文字を区別します。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show boot |
設定を確認します。 boot config-file グローバル コンフィギュレーション コマンドによって、CONFIG_FILE 環境変数の設定が変更されます。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
デフォルトの設定に戻すには、 no boot config-file グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
手動で起動する場合
スイッチはデフォルトで自動的に起動しますが、手動で起動するように設定することもできます。
(注) このコマンドは、スタンドアロン スイッチからのみ正常に動作します。
次回の起動時に手動で起動するようにスイッチを設定するには、特権 EXEC モードで次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
boot manual |
次回の起動時に、スイッチを手動で起動できるようにします。 |
ステップ 3 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
show boot |
設定を確認します。 boot manual グローバル コンフィギュレーション コマンドによって、MANUAL_BOOT 環境変数の設定が変更されます。 次回、システムを再起動したときには、スイッチはブートローダ モードになり、ブートローダ モードであることが switch: プロンプトによって示されます。システムを起動するには、 boot filesystem :/ file-url ブートローダ コマンドを使用します。 • filesystem : には、システム ボードのフラッシュ デバイスを指定する場合は flash: を使用します。 • file-url には、パス(ディレクトリ)および起動可能なイメージの名前を指定します。 ファイル名およびディレクトリ名は、大文字と小文字を区別します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
手動での起動をディセーブルにするには、 no boot manual グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
特定のソフトウェア イメージを起動する場合
スイッチはデフォルトで、BOOT 環境変数の情報を使用して、システムを自動的に起動しようとします。この変数が設定されていない場合、スイッチは、フラッシュ ファイル システム全体に再帰的に縦型検索し、最初の実行可能イメージをロードして実行しようとします。ディレクトリの縦型検索では、検出した各サブディレクトリを完全に検索してから元のディレクトリでの検索を続けます。起動する具体的なイメージを指定することもできます。
次回の起動時に特定のイメージを起動するようにスイッチを設定するには、特権 EXEC モードで、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
boot system filesystem :/ file-url |
次回の起動時に、フラッシュ メモリ内の特定のイメージを起動するようにスイッチを設定します。 • filesystem : には、システム ボードのフラッシュ デバイスを指定する場合は flash: を使用します。 • file-url には、パス(ディレクトリ)および起動可能なイメージの名前を指定します。 スタック マスター上でこのコマンドを入力した場合、次回の起動時に、指定のソフトウェア イメージがスタック マスター上だけでロードされます。 ファイル名およびディレクトリ名は、大文字と小文字を区別します。 |
ステップ 3 |
boot system switch { number | all } |
(任意)次回の起動時にシステム イメージがロードされるスイッチ メンバを、次のように指定します。 • スタック メンバを指定するには、number を使用します (1 つのスタック メンバのみを指定)。 • すべてのスタック メンバを指定するには、 all を使用します。 |
ステップ 4 |
end |
特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
show boot |
設定を確認します。 boot system グローバル コンフィギュレーション コマンドによって、BOOT 環境変数の設定が変更されます。 次回の起動時に、スイッチは BOOT 環境変数の情報を使用して、システムを自動的に起動しようとします。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config |
(任意)コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
デフォルトの設定に戻すには、 no boot system グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
環境変数の制御
正常に動作しているスイッチでは、9600 bps 対応に設定されたスイッチ コンソール接続でのみブートローダ モードが開始されます。スイッチの電源コードを取り外し、電源コードの再接続中に Mode ボタンを押します。ポート 1 の上の LED が消灯してから 1 ~ 2 秒後に、Mode ボタンを離します。これにより、ブートローダの switch: プロンプトが表示されます。
スイッチのブートローダ ソフトウェアは不揮発性の環境変数をサポートするので、これらの環境変数を使用して、ブートローダまたはシステムで稼働する他のソフトウェアの動作を制御できます。ブートローダの環境変数は、UNIX または DOS システムで設定できる環境変数と類似しています。
値を持つ環境変数は、フラッシュ ファイル システムの外にあるフラッシュ メモリに保存されます。
ファイルの各行には、環境変数名と等号に続いて、その変数の値が指定されます。このファイルに表示されていない変数には値がありません。表示されていればヌル ストリングであっても値があります。ヌル ストリング(たとえば「 」)に設定されている変数は、値が設定された変数です。多くの環境変数は事前に定義されており、デフォルト値が設定されています。
環境変数には 2 種類のデータが保存されます。
• Cisco IOS コンフィギュレーション ファイルを読み取らないコードを制御するデータ。たとえば、ブートローダの機能を拡張したり、パッチを適用したりするブートローダ ヘルパー ファイルの名前は、環境変数として保存できます。
• Cisco IOS コンフィギュレーション ファイルを読み取るコードを制御するデータ。たとえば、Cisco IOS コンフィギュレーション ファイル名は環境変数として保存できます。
環境変数の設定を変更するには、ブートローダにアクセスするか、Cisco IOS コマンドを使用します。通常の環境では、環境変数の設定を変更する必要はありません。
(注) ブートローダ コマンドおよび環境変数の構文および使用方法の詳細については、このリリースに対応するコマンド リファレンスを参照してください。
表 3-4 で、代表的な環境変数の機能について説明します。
表 3-4 環境変数
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Cisco IOS グローバル コンフィギュレーション コマンド
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BOOT |
set BOOT filesystem :/ file-url ... 自動起動時にロードして実行を試みる、セミコロンで区切られた実行可能ファイルのリスト。BOOT 環境変数が設定されていない場合、システムは、フラッシュ ファイル システム全体に再帰的な縦型検索を行って、最初に検出された実行可能イメージをロードして実行を試みます。BOOT 変数が設定されていても、指定されたイメージをロードできなかった場合、システムはフラッシュ ファイル システムで最初に検出した起動可能なファイルを起動しようとします。 |
boot system {f ilesystem:/file-url ... | switch { number | all }} 次回の起動時にロードする Cisco IOS イメージ、および、イメージがロードされるスタック メンバを指定します。このコマンドは、BOOT 環境変数の設定を変更します。 |
MANUAL_BOOT |
set MANUAL_BOOT yes スイッチの起動を自動で行うか手動で行うかを決定します。 有効値は 1、yes、0、および no です。no または 0 に設定されている場合、ブートローダはシステムの自動起動を試みます。それ以外の値に設定されている場合は、ブートローダ モードから手動でスイッチを起動する必要があります。 |
boot manual 次回の起動時にスイッチを手動で起動できるようにします。MANUAL_BOOT 環境変数の設定が変更されます。 次回のシステム再起動時には、スイッチはブートローダ モードになります。システムを起動するには、 boot flash: filesystem :/ file-url ブートローダ コマンドを使用し、起動可能イメージの名前を指定します。 |
CONFIG_FILE |
set CONFIG_FILE flash:/ file-url Cisco IOS がシステム コンフィギュレーションの不揮発性コピーの読み書きに使用するファイル名を変更します。 |
boot config-file flash: / file-url Cisco IOS がシステム設定の不揮発性コピーの読み書きに使用するファイル名を指定します。このコマンドによって、CONFIG_FILE 環境変数が変更されます。 |
SWITCH_NUMBER |
set SWITCH_NUMBER stack-member-number スタック メンバのメンバ番号を変更します。 |
switch current-stack-member-number renumber new-stack-member-number スタック メンバのメンバ番号を変更します。 |
SWITCH_PRIORITY |
set SWITCH_PRIORITY stack-member-number スタック メンバのプライオリティ値を変更します。 |
switch stack-member-number priority priority-number スタック メンバのプライオリティ値を変更します。 |