Flex Link および MAC アドレステーブル移動更新機能の設定
Flex Link は迅速かつ簡易なレイヤ 2 リンク冗長メカニズムを提供します。この章では、Catalyst 4500 シリーズ スイッチで Flex Link を設定する方法について説明します。また、MAC アドレステーブル move update feature(MMU; 移動更新機能)(Flex Link 双方向高速コンバージェンス機能とも呼ばれる)を設定する方法についても説明します。
この章の内容は、次のとおりです。
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「Flex Link および MAC アドレステーブル移動更新」
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「Flex Link および MAC アドレステーブル移動更新の設定」
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「Flex Link および MAC アドレステーブル移動更新のモニタリング」
(注) この章のスイッチ コマンドの構文および使用方法の詳細については、『Catalyst 4500 Series Switch Cisco IOS Command Reference』および次の URL の関連マニュアルを参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/ps6350/index.html
Flex Link および MAC アドレステーブル移動更新
ここでは、次の情報について説明します。
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「Flex Link」
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「VLAN Flex Link ロード バランシングおよびサポート」
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「MAC アドレステーブル移動更新」
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「Flex Link フェールオーバーの動作」
Flex Link
Flex Link は、レイヤ 2 インターフェイス(スイッチ ポートまたはポート チャネル)のペアで、一方のインターフェイスが他方のインターフェイスのバックアップとして機能するように設定されています。ユーザは STP をディセーブルにしても基本的なリンク冗長性を保つことができます。Flex Link は通常、ユーザがインターフェイス上で STP を実行したくない場合にサービス プロバイダーまたは企業ネットワークに設定されます。
別のレイヤ 2 インターフェイスを Flex Link またはバックアップ リンクとして割り当てることで、1 つのレイヤ 2 インターフェイス(アクティブ リンク)に Flex Link を設定します。リンクの 1 つが稼動していてトラフィックを転送しているときは、もう一方のリンクはスタンバイ モードであり、他方のリンクに障害が発生した場合にトラフィックの転送を開始できるように準備している状態です。どの時点でも、1 つのインターフェイスだけがフォワーディング ステートであり、トラフィックを転送しています。プライマリ リンクに障害が発生した場合は、スタンバイ リンクがトラフィックの転送を開始します。アクティブ リンクは、再度アクティブになったときにスタンバイ モードになるためトラフィックを転送しません。STP は Flex Link インターフェイスでディセーブルです。
図 19-1 では、スイッチ A のポート 1 およびポート 2 がアップリンク スイッチ B およびアップリンク スイッチ C に接続されています。これらのスイッチは Flex Link として設定されているので、一方のインターフェイスだけがトラフィックを転送し、もう一方のインターフェイスはスタンバイ モードになります。ポート 1 がアクティブ リンクである場合、ポート 1 とスイッチ B との間でトラフィックの転送が開始され、ポート 2(バックアップ リンク)とスイッチ C との間のリンクでは、トラフィックは転送されません。ポート 1 がシャットダウンした場合はポート 2 がアクティブ化され、スイッチ C へのトラフィックの転送を開始します。ポート 1 は、再度アクティブになるとスタンバイ モードになり、トラフィックを転送しません。ポート 2 がトラフィックの転送を続けます。
また、プリエンプション メカニズムを設定して、トラフィックを転送する優先ポートを指定できます。たとえば、図 19-1 では、Flex Link ペアをプリエンプション モードで設定することにより、ポート 2 より帯域幅の大きいポート 1 が再び動作を開始したあと、ポート 1 がプリエンプション遅延と等しい期間後にトラフィックの転送を開始し、ポート 2 がスタンバイとなります。このように指定するには、switchport backup interface preemption mode bandwidth および switchport backup interface preemption delay インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを入力します。
図 19-1 Flex Link の設定例
プライマリ(転送)リンクがシャットダウンした場合、トラップがネットワーク管理ステーションに通知します。スタンバイ リンクがシャットダウンした場合、トラップがユーザに通知します。
Flex Link はレイヤ 2 ポートおよびポート チャネルだけでサポートされます。Flex Link は PVLAN で完全に動作し、PVLAN トランクのペア上で設定されるためです。
VLAN Flex Link ロード バランシングおよびサポート
VLAN Flex Link ロード バランシングにより、相互に排他的な VLAN のトラフィックを両方のポートで同時に転送するように Flex Link ペアを設定できます。たとえば、Flex Link ポートが 1 ~ 100 の VLAN に対して設定されている場合、最初の 50 個の VLAN のトラフィックを 1 つのポートで転送し、残りの VLAN のトラフィックをもう一方のポートで転送できます。一方のポートで障害が発生した場合には、もう一方のアクティブ ポートがすべてのトラフィックを転送します。障害ポートが回復すると、優先する VLAN のトラフィックの転送を再開します。このように、Flex Link のペアは冗長性を提供するだけでなく、ロード バランシングにも使用できます。また、Flex Link VLAN ロード バランシングによってアップリンク スイッチが制約を受けることはありません(図 19-2)。
図 19-2 VLAN Flex Link ロード バランシングの設定例
MAC アドレステーブル移動更新
図 19-3では、スイッチ A のポート 1 と 2 は Flex Link のペアを介してアップリンク スイッチ B と D に接続しています。ポート 1 はトラフィックを転送していて、ポート 2 はブロッキング ステートです。PC からサーバへのトラフィック転送は、ポート 1 から ポート 3 へ流れます。PC の MAC アドレスはスイッチ C のポート 3 で学習されます。サーバから PC へのトラフィックは、ポート 3 からポート 1 へ転送されます。
ポート 1 がシャットダウンすると、ポート 2 がトラフィックの転送を開始します。ポート 2 へのフェールオーバー後に PC からサーバにトラフィックが転送されない場合、スイッチ C はポート 4 の PC の MAC アドレスを学習しません。その結果、スイッチ C はサーバから PC トラフィックをポート 3 を経由して転送し続けます。ポート 1 がダウンしているため、サーバから PC へのトラフィックが消失します。この問題は、PC の送信元 MAC アドレスを持つダミーのマルチキャスト パケットをポート 2 経由で送信することで軽減します。スイッチ C はポート 4 の PC の MAC アドレスを学習して、サーバから PC へのトラフィックの転送をポート 4 を経由して開始します。1 つのダミーのマルチキャスト パケットがすべての MAC アドレスに向けて送信されます。これがデフォルトの Flex Link の動作です。ダウンストリーム コンバージェンスをさらに迅速に処理するために、MAC MMU 機能をイネーブルにできます。MMU は、複数の MAC アドレスが含まれている特殊なパケットです。スイッチ A は、これらのパケットを送信するように設定され、スイッチ B、C、および C はこのようなパケットを受信するように設定されます。スイッチ A で MMU 送信がイネーブルにされている場合、ダミーのマルチキャスト パケットをポート 2 経由で送信する前に MAC 移動更新が送信されます。スイッチ D は MMC を処理してスイッチ C 経由でフラッディングさせます。スイッチ C はこれらのパケットを処理し、パケットに含まれる MAC アドレスをポート 3 からポート 4 に移動させます。1 つのパケットに複数の MAC アドレスが含まれるため、ダウンストリーム コンバージェンスが迅速になります。
図 19-3 MAC アドレステーブル移動更新の例
Flex Link フェールオーバーの動作
ここでは、Flex Link のプライマリに障害が発生したときに行う重要な動作について説明します。
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リンク障害を検出します。
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プライマリ リンクに設定されているスタティック ユニキャスト MAC アドレスをスタンバイ リンクに移動します。
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プライマリ リンクで学習したダイナミック ユニキャスト MAC アドレスをスタンバイ リンクに移動します。
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スタンバイ リンクをフォワーディング ステートに移行させます。
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MAC 移動更新の送信がイネーブルになっている場合、MAC アドレステーブル移動更新を新しいアクティブ インターフェイスに送信します。
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ダミーのマルチキャスト パケットを新しいアクティブ インターフェイス経由で送信します。
(注) プリエンプションはリンク障害と見なされないため、ローカルで管理上のシャットダウンを行わないとリンクは再度フォワーディングになります。このような場合、ダイナミック ホストはフラッシュされ、移動されません。
スタティック MAC アドレスは Flex Link フェールオーバーに移行します。Flex Link メンバ インターフェイスに障害が発生した場合は、これに設定されているスタティック MAC アドレスがバックアップに移動します。Flex Link メンバ インターフェイスが再度フォワーディングとなった場合は、これに設定されているスタティック MAC アドレスを元に戻します。
(注) sh mac address-table コマンドは、設定されたインターフェイスが Flex Link フェールオーバーのためにスタンバイ リンクとなっている場合でも、このインターフェイスに関連するスタティック MAC アドレスを常に表示します。
Flex Link および MAC アドレステーブル移動更新の設定
ここでは、次の情報について説明します。
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「デフォルト設定」
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「設定時の注意事項」
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「Flex Link の設定」
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「Flex Link での VLAN ロード バランシングの設定」
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「MAC アドレステーブル移動更新機能の設定」
デフォルト設定
次の点に注意してください。
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Flex Link はどのインターフェイスにも設定されていません。
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プリエンプション モードはオフです。
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プリエンプションがイネーブルの場合、プリエンプション遅延は 35 秒です。
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MAC アドレステーブル移動更新機能はディセーブルです。
設定時の注意事項
Flex Link を設定するときには、次の注意事項に従ってください。
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アクティブ リンクに対して設定可能な Flex Link バックアップ リンクは 1 つだけで、アクティブ インターフェイスとは異なるインターフェイスでなければなりません。
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インターフェイスが所属できる Flex Link ペアは 1 つだけです。インターフェイスは 1 つのアクティブ リンクに対してだけ、バックアップ リンクになることができますが、アクティブ リンクは別の Flex Link ペアに所属できません。
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いずれのリンクも EtherChannel に属するポートにはなれません。ただし、2 つのポート チャネル(EtherChannel 論理インターフェイス)を Flex Link として設定できます。さらに、ポート チャネルおよび物理インターフェイスをポート チャネルまたは物理インターフェイスをアクティブ リンクとして持つ Flex Link として設定できます。
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バックアップ リンクとアクティブ リンクに別のタイプ(ギガビット イーサネットまたはポート チャネル)を設定できます。ただし、スタンバイ リンクがトラフィック転送を開始した場合にループが発生したり動作が変更したりしないように、両方の FLex Link を似たような特性で設定する必要があります。
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Flex Link ポートでは、STP はディセーブルです。ポートの VLAN に STP が設定されていても、Flex Link ポートは STP に参加しません。STP がイネーブルでない場合、設定したトポロジでループが発生しないようにしてください。
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Flex Link をイネーブルにしてから、Flex Link メンバ インターフェイスでスタティック MAC アドレスを設定します。
Flex Link 機能に VLAN ロード バランシングを設定するときには、次の注意事項に従ってください。
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Flex Link VLAN ロード バランシングでは、バックアップ インターフェイスで優先 VLAN を選択する必要があります。
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同じ Flex Link ペアに対してプリエンプションと VLAN ロード バランシングの設定はできません。
MAC アドレス テーブル移動更新機能を設定するときには、次の注意事項に従ってください。
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MAC アドレステーブル移動更新を送信するように設定されている Flex Link を使用するスイッチで mac address-table move transmit をイネーブルにします。
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MAC アドレステーブル移動更新を処理するには、すべてのアップストリーム スイッチで mac address-table move receive をイネーブルにします。
Flex Link の設定
Flex Link のペアを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch#
configure terminal
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グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(conf)#
interface
interface-id
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インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスは、物理レイヤ 2 インターフェイスにすることも、ポート チャネル(論理インターフェイス)にすることもできます。指定できるポート チャネルの範囲は 1 ~ 64 です。 |
ステップ 3 |
Switch(conf-if)#
switchport backup interface
interface-id
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物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)を、インターフェイスを装備した Flex Link ペアの一部として設定します。1 つのリンクがトラフィックを転送している場合、残りのインターフェイスはスタンバイ モードです。 |
ステップ 4 |
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特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
Switch#
show interface [
interface-id ]
switchport backup
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設定を確認します。 |
ステップ 6 |
Switch#
copy running-config startup config
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(任意)スイッチ スタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
Flex Link バックアップ インターフェイスをディセーブルにするには、 no switchport backup interface interface-id インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、バックアップ インターフェイスを搭載しているインターフェイスを設定し、設定を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(conf)# interface fastethernet1/1
Switch(conf-if)# switchport backup interface fastethernet1/2
Switch# show interface switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet1/1 FastEthernet1/2 Active Up/Backup Standby
FastEthernet1/3 FastEthernet1/4 Active Up/Backup Standby
Port-channel1 GigabitEthernet1/1 Active Up/Backup Standby
Flex Link のペアのプリエンプション方式を設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch#
configure terminal
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グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(conf)#
interface
interface-id
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インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスは、物理レイヤ 2 インターフェイスにすることも、ポート チャネル(論理インターフェイス)にすることもできます。指定できるポート チャネルの範囲は 1 ~ 64 です。 |
ステップ 3 |
Switch(conf-if)#
switchport backup interface
interface-id
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物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)を、インターフェイスを装備した Flex Link ペアの一部として設定します。1 つのリンクがトラフィックを転送している場合、残りのインターフェイスはスタンバイ モードです。 |
ステップ 4 |
Switch(conf-if)#
switchport backup interface
interface-id
preemption mode [
forced |
bandwidth |
off ]
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Flex Link インターフェイス ペアのプリエンプション メカニズムおよび遅延を設定します。次のようにプリエンプションを設定できます。 • forced :アクティブ インターフェイスが常にバックアップに対してプリエンプションを行います。 • bandwidth :より広い帯域幅を持つインターフェイスが常にアクティブ インターフェイスとして動作します。 • off :アクティブからバックアップへのプリエンプションは発生しません。 |
ステップ 5 |
Switch(conf-if)#
switchport backup interface
interface-id
preemption delay
delay-time
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ポートが別のポートのプリエンプションを実行するまでの遅延時間を設定します。 (注) 遅延時間の設定は、forced および bandwidth モードでだけ機能します。 |
ステップ 6 |
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特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
Switch#
show interface [
interface-id ]
switchport backup
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設定を確認します。 |
ステップ 8 |
Switch#
copy running-config startup config
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(任意)スイッチ スタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
プリエンプション方式を削除するには、 no switchport backup interface interface-id preemption mode インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。遅延時間をデフォルトにリセットするには、
no switchport backup interface interface-id preemption delay インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
次に、バックアップ インターフェイス ペア用の帯域幅としてプリエンプション モードを設定し、設定を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(conf)# interface gigabitethernet1/0/1
Switch(conf-if)# switchport backup interface gigabitethernet1/2
Switch(conf-if)# switchport backup interface gigabitethernet1/2 preemption mode forced
Switch(conf-if)# switchport backup interface gigabitethernet1/2 preemption delay 50
Switch# show interface switchport backup detail
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
GigabitEthernet1/21 GigabitEthernet1/2 Active Down/Backup Down
Interface Pair : Gi1/21, Gi1/2
Preemption Delay : 50 seconds
Bandwidth : 10000 Kbit (Gi1/1), 10000 Kbit (Gi1/2)
Mac Address Move Update Vlan : auto
Flex Link での VLAN ロード バランシングの設定
Flex Link で VLAN ロード バランシングを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch#
configure terminal
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グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(conf)#
interface
interface-id
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インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスは、物理レイヤ 2 インターフェイスにすることも、ポート チャネル(論理インターフェイス)にすることもできます。ポート チャネル範囲は 1 ~ 48 です。 |
ステップ 3 |
Switch(conf-if)#
switchport backup interface
interface-id prefer vlan vlan-range
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物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)を、インターフェイスを装備した Flex Link ペアの一部として設定し、インターフェイス上の VLAN を指定します。VLAN ID の有効範囲は 1 ~ 4094 です。 |
ステップ 4 |
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特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
Switch#
show interfaces [
interface-id ]
switchport backup
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設定を確認します。 |
ステップ 6 |
Switch#
copy running-config startup config
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(任意)スイッチ スタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
VLAN ロード バランシング機能をディセーブルにするには、
no switchport backup interface interface-id prefer vlan vlan-range インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。
この例では、スイッチで VLAN 1 ~ 50、60、100 ~ 120 が設定されています。
Switch(config)# interface fastethernet 1/6
Switch(config-if)# switchport backup interface fastethernet 1/0/8 prefer vlan 60,100-120
両方のインターフェイスが稼動している場合、ファスト イーサネット ポート 1/0/8 が VLAN 60 および VLAN 100 ~ 120 のトラフィックを転送し、ファスト イーサネット ポート 1/0/6 が VLAN 1 ~ 50 のトラフィックを転送します。
Switch# show interfaces switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet1/6 FastEthernet1/8 Active Up/Backup Standby
Vlans Preferred on Active Interface: 1-50
Vlans Preferred on Backup Interface: 60, 100-120
Flex Link インターフェイスがシャットダウンすると、このインターフェイスで優先される VLAN が Flex Link ペアのピア インターフェイスに移動します。この例では、インターフェイス 1/6 がシャットダウンすると、インターフェイス 1/8 が Flex Link ペアのすべての VLAN を伝送します。
Switch# show interfaces switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet1/6 FastEthernet1/8 Active Down/Backup VLB all
Vlans Preferred on Active Interface: 1-50
Vlans Preferred on Backup Interface: 60, 100-120
Flex Link インターフェイスがアクティブになると、このインターフェイスで優先される VLAN はピア インターフェイスでブロックされ、起動したばかりのインターフェイス上でフォワーディング ステートに移行します。この例では、インターフェイス ファスト イーサネット ポート 1/6 がアクティブになると、このインターフェイスで優先される VLAN はピア インターフェイス ファスト イーサネット ポート 1/8 でブロックされ、ファスト イーサネット ポート 1/6 に転送されます。
Switch# show interfaces switchport backup
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet1/6 FastEthernet1/8 Active VLB cfg/Backup VLB cfg
Vlans Preferred on Active Interface: 1-50
Vlans Preferred on Backup Interface: 60, 100-120
Switch# show interfaces switchport backup detail
Switch Backup Interface Pairs:
Active Interface Backup Interface State
------------------------------------------------------------------------
FastEthernet1/6 FastEthernet1/8 Active VLB cfg/Backup VLB cfg
Vlans Preferred on Active Interface: 1-50
Vlans Preferred on Backup Interface: 60, 100-120
Bandwidth : 10000 Kbit (Fa1/6), 100000 Kbit (Fa1/8)
Mac Address Move Update Vlan : auto
MAC アドレステーブル移動更新機能の設定
ここでは、次の情報について説明します。
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MAC アドレステーブル移動更新を送信するためのスイッチの設定
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MAC アドレステーブル移動更新を受信するためのスイッチの設定
MAC アドレステーブル移動更新を送信するようにアクセス スイッチを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch#
configure terminal
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グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(conf)#
interface
interface-id
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インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスは、物理レイヤ 2 インターフェイスにすることも、ポート チャネル(論理インターフェイス)にすることもできます。指定できるポート チャネルの範囲は 1 ~ 64 です。 |
ステップ 3 |
Switch(conf-if)#
switchport backup interface
interface-id
Switch(conf-if)#
switchport backup interface
interface-id
mmu primary vlan
vlan-id
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物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)を、インターフェイスを装備した Flex Link ペアの一部として設定します。MAC アドレステーブル移動更新 VLAN の ID は、インターフェイスで最も小さい VLAN ID です。 物理レイヤ 2 インターフェイス(またはポート チャネル)を設定し、MAC アドレステーブル移動更新の送信に使用される、インターフェイス上の VLAN ID を指定します。 1 つのリンクがトラフィックを転送している場合、残りのインターフェイスはスタンバイ モードです。 |
ステップ 4 |
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グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 5 |
Switch(conf)#
mac address-table move update transmit
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アクセス スイッチをイネーブルにして、ネットワーク内の他のスイッチに MAC アドレス テーブル移動更新を送信します(プライマリ リンクがシャットダウンし、スイッチがスタンバイ リンクを使用してトラフィックの転送を開始する場合)。 |
ステップ 6 |
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特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 7 |
Switch#
show mac address-table move update
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設定を確認します。 |
ステップ 8 |
Switch#
copy running-config startup config
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(任意)スイッチ スタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
MAC アドレス テーブル移動更新機能をディセーブルにするには、
no mac address-table move update transmit インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。MAC アドレス テーブル移動更新情報を表示するには、 show mac address-table move update コマンドを使用します。
次に、MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを送信するようにアクセス スイッチを設定し、設定を確認する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(conf)# interface fastethernet1/1
Switch(conf-if)# switchport backup interface fastethernet1/0/2 mmu primary vlan 2
Switch(conf)# mac address-table move update transmit
Switch# show mac-address-table move update
Switch-ID : 01d0.2bfc.3180
Dst mac-address : 0180.c200.0010
Vlans/Macs supported : 4096/55000
Default/Current settings: Rcv Off/Off, Xmt Off/On
Max packets per min : Rcv 100, Xmt 120
Rcv conforming packet count : 0
Rcv invalid packet count : 0
Rcv packet count this min : 0
Rcv threshold exceed count : 0
Rcv last sequence# this min : 0
Rcv last interface : None
Rcv last src-mac-address : 0000.0000.0000
Rcv last switch-ID : 0000.0000.0000
Xmt packet count this min : 0
Xmt threshold exceed count : 0
Xmt pak buf unavail cnt : 0
Xmt last interface : fa1/2
MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを受信して処理するようにスイッチを設定するには、次の作業を行います。
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ステップ 1 |
Switch#
configure terminal
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
Switch(conf)#
mac address-table move update receive
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スイッチをイネーブルにして、MAC アドレス テーブル移動更新を受信し、処理します。 |
ステップ 3 |
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特権 EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 4 |
Switch#
show mac address-table move update
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設定を確認します。 |
ステップ 5 |
Switch#
copy running-config startup config
|
(任意)スイッチ スタートアップ コンフィギュレーション ファイルに設定を保存します。 |
MAC アドレス テーブル移動更新機能をディセーブルにするには、
no mac address-table move update receive コンフィギュレーション コマンドを使用します。MAC アドレス テーブル移動更新情報を表示するには、 show mac address-table move update コマンドを使用します。
次に、MAC アドレス テーブル移動更新メッセージを受信して処理するように、スイッチを設定する例を示します。
Switch# configure terminal
Switch(conf)# mac address-table move update receive