クライアント メッセージが転送される宛先アドレスを指定し、そのインターフェイスで DHCP for IPv6 リレー サービスを有効にするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで ipv6 dhcp relay destination コマンドを使用します。インターフェイスのリレー宛先を削除するか、または宛先の出力インターフェイスを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
構文
ipv6 dhcp relay destination [{ipv6-address [interface-id]} | interface-id]
no ipv6 dhcp relay destination [{ipv6-address [interface-id]} | interface-id]
パラメータ
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ipv6-address [interface-id]:RFC 4291 に記述されている形式のリレー宛先 IPv6 アドレス。コロン区切りの 16 ビット値を使用して、アドレスを 16 進数で指定します。次のタイプのリレー宛先アドレスがあります。
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interface-id:宛先の出力インターフェイスを指定するインターフェイス識別子。この引数が設定されている場合、クライアント メッセージは、出力インターフェイスが接続されているリンクを介して、既知のリンクローカル マルチキャスト アドレス All_DHCP_Relay_Agents_and_Servers(FF02::1:2)に転送されます。
デフォルト設定
リレー機能は無効になっており、インターフェイス上にリレー宛先はありません。
コマンド モード
インターフェイス コンフィギュレーション モード
使用上のガイドライン
このコマンドは、クライアント メッセージを転送する宛先アドレスを指定し、インターフェイスで DHCP for IPv6 リレー サービスを有効にします。インターフェイスあたり最大 10 個のアドレスを定義できます。スイッチには最大 100 個のアドレスを定義できます。
IPv6 グローバル アドレスが、リレーが動作するインターフェイスに定義されていない場合、DHCPv6 リレーによって Interface-id オプションが挿入されます。オプションの Interface-id フィールドは、リレーが実行されているインターフェイス名(ifTable の ifName フィールドの値)です。
リレー サービスがインターフェイス上で実行されている場合、そのインターフェイスで受信された DHCP for IPv6 メッセージは、インターフェイスごとおよびグローバルに設定されたすべてのリレー宛先に転送されます。
着信 DHCP for IPv6 メッセージが、そのインターフェイス上のクライアントから届く場合や、別のリレー エージェントによってリレーされる場合があります。
リレー宛先は、サーバまたは別のリレー エージェントのユニキャスト アドレス、またはマルチキャスト アドレスにすることができます。次の 2 つのタイプのリレー宛先アドレスがあります。
出力インターフェイスが宛先に設定されていない場合、出力インターフェイスはルーティング テーブルによって決まります。この場合、ユニキャストまたはマルチキャスト ルーティング プロトコルがルータで実行されていることを推奨します。
複数の宛先を 1 つのインターフェイスに設定でき、複数の出力インターフェイスを 1 つの宛先に設定することができます。リレー エージェントは、マルチキャスト アドレスにメッセージをリレーする場合、IPv6 パケット ヘッダーのホップ制限フィールドを
32 に設定します。リレー宛先の指定は必須です。ループバックやノードローカル マルチキャスト アドレスは指定できません。
サーバからの着信リレー応答メッセージを受信して転送するために、インターフェイスのリレー機能を有効にする必要はないことに注意してください。デフォルトでは、リレー機能は無効になっており、インターフェイスにリレー宛先はありません。
特定のアドレスを削除するには、引数を使用してこのコマンドの no 形式を使用します。
すべての定義されているアドレスを削除し、インターフェイスのリレーを無効にするには、引数を使用せずにこのコマンドの no 形式を使用します。
例
例 1。次の例では、リレーのユニキャスト リンクローカル宛先アドレスを VLAN 200 で設定し、有効になっていない場合には、VLAN 100 で DHCPv6 リレーを有効にしています。
switchxxxxxx(config)# interface vlan 100
switchxxxxxx(config-if)# ipv6 dhcp relay destination FE80::1:2 vlan 200
switchxxxxxx(config-if)# exit
例 2。次の例では、リレーの既知のマルチキャスト リンクローカル宛先アドレスを VLAN 200 で設定し、有効になっていない場合には、VLAN 100 で DHCPv6 リレーを有効にしています。
switchxxxxxx(config)# interface vlan 100
switchxxxxxx(config-if)# ipv6 dhcp relay destination vlan 200
switchxxxxxx(config-if)# exit
例 3。次の例では、ユニキャスト グローバル リレー宛先アドレスを設定し、有効になっていない場合には、VLAN 100 で DHCPv6 リレーを有効にしています。
switchxxxxxx(config)# interface vlan 100
switchxxxxxx(config-if)# ipv6 dhcp relay destination 3002::1:2
switchxxxxxx(config-if)# exit
例 4。次の例では、VLAN 100 で DHCPv6 リレーを有効にしています。
switchxxxxxx(config)# interface vlan 100
switchxxxxxx(config-if)# ipv6 dhcp relay destination
switchxxxxxx(config-if)# exit
例 5。次の例では、VLAN 100 で DHCPv6 リレーを無効にしています。
switchxxxxxx(config)# interface vlan 100
switchxxxxxx(config-if)# no ipv6 dhcp relay destination
switchxxxxxx(config-if)# exit