IPv4 GRE トンネルを介した IPv6 の設定に関する情報
続くセクションでは、IPv4 GRE トンネルを介した IPv6 の設定について説明します。
Ipv6 用オーバーレイ トンネル
オーバーレイ トンネリングでは、IPv4 パケット内で IPv6 パケットをカプセル化して、IPv4 インフラストラクチャ(コア ネットワークまたは以下の図)へ伝送します。オーバーレイ トンネルを使用することで、孤立した IPv6 ネットワークと通信できます。このとき、孤立した複数の IPv6 ネットワーク間にある IPv4 インフラストラクチャをアップグレードする必要はありません。オーバーレイ トンネルは、境界デバイス間、または境界デバイスとホスト間に設定できますが、両方のエンドポイントが IPv4 プロトコル スタックと IPv6 プロトコル スタックの両方をサポートしている必要があります。
(注) |
オーバーレイ トンネルにより、インターフェイスの最大伝送単位(MTU)が 20 オクテット減少します(ただし、基本 IPv4 パケット ヘッダーにオプション フィールドが含まれていないことを前提とします)。オーバーレイ トンネルを使用するネットワークは、トラブルシューティングが困難です。したがって、独立した IPv6 ネットワークに接続するオーバーレイ トンネルは、最終的な IPv6 ネットワーク アーキテクチャと見なしてはいけません。オーバーレイ トンネルの使用は、IPv4 と IPv6 の両方のプロトコル スタック、または IPv6 プロトコル スタックだけをサポートするネットワークへの移行方法と見なす必要があります。 |
IPv6 は、GRE タイプのオーバーレイトンネリングをサポートします。IPv4 GRE トンネルを介した IPv6 は、IPv6、Connectionless Network Service(CLNS)など、さまざまなタイプのパケットを伝送できます。
IPv6 トラフィック用の GRE IPv4 トンネル サポート
IPv6 トラフィックは、標準的なポイントツーポイントのカプセル化スキームの実装にサービスを提供するように設計されている標準 GRE トンネリング技術を使用して、IPv4 GRE トンネルを介して伝送できます。GRE トンネルは、手動で設定された IPv6 トンネルと同様、リンクごとに個別のトンネルが設定された 2 つのポイント間のリンクです。これらのトンネルは、特定のパッセンジャまたはトランスポート プロトコルに結合されていませんが、この場合、GRE を使用するパッセンジャ プロトコルとして IPv6 を伝送し、トランスポート プロトコルとして IPv4 または IPv6 を伝送します。
GRE トンネルは、2 つのエッジ デバイス間またはエッジ デバイスとエンド システム間に定期的でセキュアな通信を必要とする安定した接続のために主に使用されます。エッジ デバイスとエンド システムは、デュアル スタック実装である必要があります。