Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G の概要
Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G は、職場、教室、工場、倉庫、ロビーなど、電話機が他の通信機器の補完として使用される場所や、電話機の使用頻度が比較的低い場所に適しています。Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G の特長は次のとおりです。
• 主要なビジネス機能を簡単に利用できるように、グラフィカル画面、動的なソフトキー、アイコン、およびスクロール可能なディレクトリを備えています。
• 1 つのディレクトリ番号で最大 6 通話をサポートします。
• シスコのインライン パワー、または IEEE 802.3af PoE の両方のインライン パワーをサポートします。
• 次のような高度なセキュリティ機能をサポートします。
–製造元でインストール可能な証明書および現地でインストール可能な証明書
–セキュアなメディアとシグナリング
–認証済みの設定
• 高度なコール機能に加え、音声ベースおよびテキスト ベースの XML アプリケーションをサポートします。
図 1-1 は、Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G の主要コンポーネントを示しています。
図 1-1 Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G
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電話スクリーン |
電話番号、コール ステータス、およびソフトキーなどの電話機の機能を表示します。 |
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Cisco Unified IP Phone シリーズ |
ご使用の Cisco Unified IP Phone のモデル シリーズを示します。 |
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ソフトキー |
各ソフトキーは、スクリーンに表示されるソフトキー オプションを起動します。 |
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ナビゲーション ボタン
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メニュー項目のスクロールや項目の選択に使用します。受話器を置いているときは、短縮ダイヤルを表示します。 |
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アプリケーション メニュー ボタン
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ボイス メッセージ システム、電話ログ、電話番号、設定、およびサービスにアクセスするためのアプリケーション メニューを表示します。 |
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保留ボタン
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アクティブなコールを保留にしたり、コールの保留を解除したりします。また、アクティブなコールと保留コールを切り替えます。 |
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キーパッド |
電話番号のダイヤル、文字の入力、およびメニュー項目の選択に使用します。 |
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音量ボタン
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受話器の音量、ヘッドセットの音量、スピーカの音量、呼び出し音の音量を調節します。 |
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受話器 |
従来の受話器と同じように機能します。受話器の上部にあるランプは、電話機の呼び出し音が鳴ると点滅します。また、ご使用のボイス メッセージ システムによっては、新しいボイス メッセージが着信すると点灯したままになります。 |
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フットスタンド |
机やテーブルの上に置いた電話機を使いやすい角度に調節します。またはこのフットスタンドを取り外し、壁面取り付け用のネジや Cisco Unified IP Phone の壁面取り付け用キットを使用して壁面に取り付けることもできます。 |
使用するネットワーク プロトコル
Cisco Unified IP Phone は、音声通信に必要な、複数の業界標準ネットワーク プロトコルおよびシスコ ネットワーク プロトコルをサポートしています。 表1-1 は、Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G がサポートしているネットワーク プロトコルの概要を説明しています。
表1-1 Cisco Unified IP Phone がサポートしているネットワーク プロトコル
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ブートストラップ プロトコル(BootP) |
BootP を使用すると、ネットワーク デバイス(Cisco Unified IP Phone など)は特定の起動情報(そのデバイスの IP アドレスなど)を検出できます。 |
BootP を使用して IP アドレスを Cisco Unified IP Phone に割り当てている場合、電話機のネットワーク構成の設定値として[BOOTPサーバ]オプションが「Yes」と表示されます。 |
シスコ検出プロトコル(CDP) |
すべてのシスコ製の機器上で実行されるデバイス検出プロトコルです。 CDP を使用すると、デバイスはその存在を他のデバイスに通知し、ネットワーク内の他のデバイスに関する情報を受け取ることができます。 |
Cisco Unified IP Phone は、CDP を使用して、補助 VLAN ID、ポート単位の電源管理の詳細、サービス品質(QoS)設定情報などを Cisco Catalyst スイッチとの間で通信します。 |
ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル(DHCP) |
IP アドレスをネットワーク デバイスに動的に配分し、割り当てます。 DHCP を使用すると、手動による IP アドレスの割り当てやその他のネットワーク パラメータ設定を行わずに、IP Phone をネットワークに接続して操作可能にすることができます。 |
DHCP はデフォルトで有効になっています。無効になっている場合は、各電話機にローカルで IP アドレス、サブネット マスク、ゲートウェイ、および TFTP サーバを手動で設定する必要があります。 DHCP カスタム オプション 150 の使用をお勧めします。この方式を使用すると、TFTP サーバの IP アドレスをオプション値として設定できます。DHCP の設定の詳細については、『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』の「Cisco TFTP」の章を参照してください。 |
HyperText Transfer Protocol(HTTP; ハイパーテキスト転送プロトコル) |
HTTP は、インターネットとワールドワイド ウェブで情報を転送し、文書を移動する標準的な方法です。 |
Cisco Unified IP Phone は、HTTP を XML サービスやトラブルシューティングの目的で使用します。 |
インターネット プロトコル(IP) |
ネットワーク上でパケットをアドレス指定し、送信するメッセージ プロトコルです。 |
IP を使用した通信では、ネットワーク デバイスに IP アドレス、サブネット、およびゲートウェイを割り当てる必要があります。 ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル(DHCP)を指定して Cisco Unified IP Phone を使用する場合は、IP アドレス、サブネット、およびゲートウェイの識別情報が自動的に割り当てられます。DHCP を使用しない場合は、各電話機にローカルでこれらのプロパティを手動で割り当てる必要があります。 |
リアルタイム転送プロトコル(RTP) |
対話型の音声やビデオなどのリアルタイム データをデータ ネットワークを介して転送するための標準プロトコルです。 |
Cisco Unified IP Phone は、RTP プロトコルを使用して、他の電話機やゲートウェイとの間でリアルタイムの音声トラフィックを送受信します。 |
セキュア リアルタイム転送プロトコル(SRTP) |
RTP に加え、SRTP が利用できます。SRTP は、データ転送時にメディア ストリームを暗号化することによってセキュリティを強化します。 |
SRTP が機能するためには、受信側の電話機も SRTP をサポートする必要があります。サポートしていない場合は、セキュア メディアストリームを暗号化できません。 |
Skinny Client Control Protocol(SCCP) |
SCCP には、コール制御サーバとエンドポイント クライアント(たとえば IP Phone)の間の通信を可能にするメッセージング セットが含まれています。SCCP は、シスコシステムズの独自のプロトコルです。 |
Cisco Unified IP Phone は、SCCP を使用してコール制御を行います。SCCP または Session Initiation Protocol(SIP)のいずれかを使用するように Cisco IP Phone を設定できます。 |
Session Initiation Protocol(SIP) |
SIP は最近登場した標準プロトコルで、インターネット上での通話、マルチメディア会議などの通信手段の設定に利用されます。 |
Cisco IP Phone は、SCCP を使用してコール制御を行います。SCCP または SIP のいずれかを使用するように Cisco IP Phone を設定できます。 |
伝送制御プロトコル(TCP) |
コネクション型の転送プロトコルです。 |
Cisco Unified IP Phone は、TCP を使用して Cisco Unified CallManager に接続し、XML サービスにアクセスします。 |
トランスポート層セキュリティ(TLS) |
通信の保護と認証を行うための標準プロトコルです。 |
セキュリティが実装されている場合、Cisco Unified IP Phone は、Cisco Unified CallManager への安全な登録を行う際に、TLS プロトコルを使用します。 |
トリビアル ファイル転送プロトコル(TFTP) |
ネットワークでのファイル転送を可能にするプロトコルです。 Cisco Unified IP Phone では、TFTP を使用すると、電話機タイプ固有の設定ファイルを取得できます。 |
TFTP を使用するには、ネットワーク内に TFTP サーバが必要です。このサーバは、DHCP サーバから自動的に識別できます。ご使用のネットワークで複数の TFTP サーバが動作している場合は、各電話機にローカルで TFTP サーバを手動で割り当てる必要があります。 |
ユーザ データグラム プロトコル(UDP) |
データ パケットを配送するためのコネクションレス型メッセージ プロトコルです。 |
Cisco Unified IP Phone は、UDP メッセージを受信し、処理します。 |
関連項目
• 「他のシスコ ユニファイド コミュニケーション製品との相互対話の概要」
• 「電話機の起動プロセスの概要」
• 「ネットワークの設定メニュー」
Cisco Unified IP Phone のセキュリティ機能の概要
Cisco Unified CallManager システムにセキュリティを実装すると、電話機や Cisco Unified CallManager サーバでのなりすまし、データ改ざん、およびコール シグナリングやメディア ストリームの改ざんを防止できます。
これらの攻撃を軽減するために、シスコ ユニファイド コミュニケーション ネットワークは、電話機とサーバ間に認証および暗号化された通信ストリームを確立し、それを維持するとともに、ファイルが電話機に転送される前にそのファイルにデジタル署名します。また、Cisco Unified IP Phone 間のメディア ストリームの暗号化、Cisco Unified CallManager と電話機の間のコール シグナリングの暗号化も行います。
表1-2 は、本書および他のマニュアルに記載されているセキュリティに関する追加情報の参照先を示しています。
サポートされているセキュリティ機能の概要
この項では、電話機でサポートされているセキュリティ機能の概要を説明しています。これらの機能の詳細、および Cisco Unified CallManager と Cisco Unified IP Phone のセキュリティの詳細については、『Cisco Unified CallManager セキュリティ ガイド』を参照してください。
電話機の現在のセキュリティの設定値を確認するには、 アプリケーション メニューボタン をクリックし、 [設定]>[セキュリティ設定] の順に選択します。詳細については、「セキュリティ設定メニュー」を参照してください。
(注) ほとんどのセキュリティ機能は、Certificate Trust List(CTL; 証明書信頼リスト)が電話機にインストールされている場合にだけ利用可能になります。CTL の詳細については、『Cisco Unified CallManager セキュリティ ガイド』を参照してください。
表1-3 セキュリティ機能の概要
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イメージ認証 |
ファームウェア イメージが電話機にロードされる前に、署名付きバイナリ ファイル(拡張子 .sbn)を使用して、ファームウェア イメージに対する改ざんを防止します。イメージが改ざんされると、電話機は認証プロセスに失敗し、そのイメージを拒否します。 |
カスタマー サイト証明書のインストール |
各 Cisco Unified IP Phone は、デバイス認証に使用する固有の証明書を要求します。電話機には製造元でインストールされる証明書(MIC)が含まれていますが、Cisco Unified CallManager の管理ページで Certificate Authority Proxy Function(CAPF)を使用して証明書がインストールされることを指定して、セキュリティを強化できます。または、電話機の[セキュリティ設定]メニューからローカルで有効な証明書(LSC)をインストールすることもできます。詳細については、「Cisco Unified IP Phone へのセキュリティの設定」を参照してください。 |
デバイスの認証 |
各エンティティが他のエンティティの証明書を受信したときに、Cisco Unified CallManager サーバと電話機の間で実行されます。デバイス認証は、電話機と Cisco Unified CallManager の間で安全な接続が行われるかどうかを判別します。また、必要な場合には、TLS プロトコルを使用してエンティティ間に安全なシグナリング パスを作成します。認証モードまたは暗号化モードに設定されている場合、Cisco Unified CallManager は、認証できない電話機は登録しません。ノンセキュア モードの電話機は、TLS セッションが確立されているので、認証されません。 |
ファイルの認証 |
電話機がダウンロードするデジタル署名付きファイルを検証します。電話機は、署名を検証して、ファイル作成後にファイルが改ざんされていないことを確認します。認証に失敗したファイルは、電話機のフラッシュ メモリに書き込まれません。電話機は、このようなファイルを拒否して、それ以上処理しません。 |
シグナリングの認証 |
TLS プロトコルを使用して、伝送中のシグナリング パケットに対して改ざんが行われていないことを検証します。 |
製造元でインストールされる証明書 |
各 Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G は、デバイス認証に使用する固有の MIC を要求します。MIC は、個々の電話機を識別するために長期的に割り当てられた証明であり、Cisco Unified CallManager はこれを使用して電話機を認証します。 |
セキュアな SRST リファレンス |
ユーザがセキュリティの SRST リファレンスを設定し、Cisco Unified CallManager の管理ページで従属デバイスをリセットした後に、TFTP サーバは SRST 証明書を電話機の cnf.xml ファイルに追加し、そのファイルを電話機に送信します。その後、セキュアな電話機は、TLS 接続を使用して SRST 対応のルータと相互対話します。 |
メディアの暗号化 |
SRTP を使用して、サポートされているデバイス間のメディア ストリームをセキュリティで保護するとともに、目的のデバイスだけがデータを受信して読み取ることができるようにします。具体的には、デバイスのメディア マスター キー ペアの作成、デバイスへのキーの送信、および転送中のキーの送信に対するセキュリティ保護を行います。 |
シグナリングの暗号化 |
デバイスと Cisco Unified CallManager サーバ間で送信されるすべての SCCP シグナリング メッセージを暗号化します。 |
CAPF |
非常に煩雑な証明書生成手順の一部を電話機のために実行します。また、電話機と相互対話しながら、キーの生成と証明書のインストールを行います。電話機に代わって、カスタマー固有の認証局から証明書を要求するように CAPF を設定できます。または、ローカルで証明書を生成するように設定できます。 |
電話機の Web サーバ機能の無効化(オプション) |
電話機の多様な操作統計情報を表示する Web ページへのアクセスを禁止できます。 |
電話機のセキュリティの強化 |
次に示すセキュリティの追加オプションです。これらのオプションは、Cisco Unified CallManager の管理ページから制御します。 • PC ポートの無効化(7911G の場合のみ) • Gratuitous Address Resolution Protocol(gratuitous アドレス レゾリューション プロトコル)の無効化 • PC ボイス VLAN アクセスの無効化(7911G の場合のみ) • [設定]メニューへのアクセスの無効化、またはアクセス制限([ユーザ設定]メニューへのアクセスおよび音量の設定変更の保存だけを許可する) • 電話機の Web ページへのアクセスの無効化
(注) [PCポートを無効にする]、[GARPを使う]、および[ボイスVLANを使う]の現在の設定値を表示するには、電話機の[セキュリティ設定]メニューを調べます。詳細については、「デバイス設定メニュー」を参照してください。
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関連項目
• 「認証および暗号化されたコールの識別」
• 「デバイス設定メニュー」
• 「セキュリティの制約事項」
認証および暗号化されたコールの識別
電話機にセキュリティが実装されている場合、認証および暗号化されたコールは、電話機の LCD スクリーンに表示されるアイコンで識別できます。
コールが認証された場合、そのコールの確立に関与したすべてのデバイスは Cisco Unified CallManager によって認証されます。進行中のコールがエンドツーエンドで認証されると、電話機の LCD スクリーンの通話時間を表示するタイマーの右側にあるコールの状態を示すアイコンが次のアイコンに変わります。
コールが暗号化された場合、そのコールの確立に関与したすべてのデバイスは Cisco Unified CallManager によって認証されます。また、コール シグナリングとメディア ストリームも暗号化されます。コールを暗号化することで最大級のセキュリティが確保され、コールの完全性とプライバシーが保たれます。進行中のコールが暗号化されると、電話機の LCD スクリーンの通話時間を表示するタイマーの右側にあるコールの状態を示すアイコンが次のアイコンに変わります。
(注) IP 以外のコール レッグ(たとえば PSTN)を介してルーティングされるコールは、IP ネットワーク内では暗号化されているとしても、またロック アイコンがそのコールに関連付けられているとしても、ノンセキュアになります。
関連項目
• 「Cisco Unified IP Phone のセキュリティ機能の概要」
• 「セキュリティの制約事項」
セキュリティの制約事項
割り込みに使用される電話機に暗号化が設定されていない場合、ユーザは暗号化されたコールに対して割り込みを実行できません。この場合、割り込みが失敗したときに、割り込みを実行した電話機でリオーダー音(速いビジー音)が再生されます。
発信側の電話機に暗号化が設定されている場合、割り込みの発信側は、暗号化された電話機から認証されたコールまたはノンセキュア コールに対して割り込みを実行できます。Cisco Unified CallManager は、割り込みが実行されたコールをノンセキュアとして分類します。
発信側の電話機に暗号化が設定されている場合、割り込みの発信側は、暗号化されたコールに対して割り込みを実行でき、その電話機は対象のコールが暗号化されていることを示します。
割り込みに使用される電話機がノンセキュアの場合でも、ユーザは認証されたコールに対して割り込みを実行できます。発信側の電話機がセキュリティをサポートしていない場合でも、認証アイコンはコール内の認証されたデバイスに引き続き表示されます。
Cisco Unified IP Phone の設定と設置の概要
ユニファイド コミュニケーション システムの導入時に、システム管理者とネットワーク管理者は初期設定タスクを実行して、ユニファイド コミュニケーション サービス用にネットワークを準備する必要があります。完全なシスコ ユニファイド コミュニケーション ネットワークのセットアップと設定のための情報とチェックリストについては、『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』の「システム コンフィギュレーションの概要」の章を参照してください。
Cisco Unified CallManager でユニファイド コミュニケーション システムをセットアップし、システム全体の機能を設定した後、IP Phone をシステムに追加できます。
次のトピックでは、Cisco Unified IP Phone をネットワークに追加するための手順の概要を説明します。
• 「Cisco Unified CallManager での Cisco Unified IP Phone の設定」
• 「Cisco Unified IP Phone の設置」
Cisco Unified CallManager での Cisco Unified IP Phone の設定
電話機を Cisco Unified CallManager データベースに追加するには、次の方法を使用します。
• 自動登録
• Cisco Unified CallManager の管理ページ
• BAT(Bulk Administration Tool)
• BAT と Tool for Auto-Registered Phones Support(TAPS)
これらの方法の詳細については、「Cisco Unified CallManager データベースへの電話機の追加」を参照してください。
Cisco Unified CallManager での電話機設定の詳細については、『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone」の章を参照してください。
Cisco Unified CallManager での Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G の設定に関するチェックリスト
表1-4 は、Cisco Unified CallManager で Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G を設定する際のタスクの概要とチェックリストです。このリストでは、電話機の設定プロセスを手順に沿って示しています。一部のタスクはオプションです。システムやユーザの必要に応じて実行します。これらの手順の詳細については、参照先欄の資料を参照してください。
表1-4 Cisco Unified CallManager での Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G の設定に関するチェックリスト
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1. 電話機に関する次の情報を収集します。 –電話機のモデル –MAC アドレス –電話機が設置される物理的な場所 –電話機のユーザの名前とユーザ ID –デバイス プール –コーリング サーチ スペースと場所の情報(使用する場合) –電話機に割り当てる回線数、電話機に対応する電話番号 (DN)、およびパーティション –電話機に関連付ける Cisco Unified CallManager ユーザ –電話ボタン テンプレート、ソフトキー テンプレート、電話機の機能、IP Phone サービス、または電話機のアプリケーションに影響を与える電話機の使用情報 |
電話機をセットアップするための設定要件のリストを提供します。 個別の電話機を設定する前に実行が必要な、電話ボタン テンプレートやソフトキー テンプレートなどの予備設定を明確にします。 |
『 Cisco Unified CallManager システム ガイド』の 「Cisco Unified IP Phone」の章を参照してください。 「電話機がサポートするテレフォニー機能」を参照してください。 |
2. 必要であれば、電話ボタン テンプレートをカスタマイズします。 |
ユーザのニーズに合せて、プライバシー機能を追加します。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「電話ボタン テンプレートの設定」の章を参照してください。 「電話ボタン テンプレートの変更」を参照してください。 |
3. [電話の設定(Phone Configuration)]ウィンドウの次の必須フィールドに入力して、電話機を追加し、設定します。 –[電話のタイプ(Phone Type)] –[説明(Description)](ユーザ名または ID) –[MACアドレス(MAC Address)] –[デバイスプール(Device Pool)] –[パーティション(Partition)] –[コーリングサーチスペース(Calling Search Space)] –[電話ボタンテンプレート(Phone Button Template)] –[プロダクト固有の設定(Product Specific Configuration)] –[ソフトキーテンプレート(Softkey Template)](カスタマイズする場合) |
デバイスをデフォルト設定で Cisco Unified CallManager データベースに追加します。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone の設定」の章を参照してください。 [プロダクト固有の設定 (Product Specific Configuration)]フィールドの詳細については、 [電話の設定(Phone Configuration)]ウィンドウの I ボタンを押して表示されるヘルプを参照してください。 |
4. [電話番号の設定(Directory Number Configuration)]ウィンドウの次の必須フィールドに入力して、電話機に電話番号を追加し、設定します。 –[電話番号(Directory Number)] –[パーティション(Partition)] –[デバイスxの複数コール/コール待機設定(Multiple Call/Call Waiting Settings on Device x)] –[コール転送とコールピックアップ](使用する場合) –[ボイスメッセージング](使用する場合) |
プライマリ電話番号とセカンダリ電話番号、および電話番号に関連する機能を電話機に追加します。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone の設定」の章の次の項を参照してください。 電話番号の追加 Cisco Unity ボイスメールボックスの作成 「電話機がサポートするテレフォニー機能」を参照してください。 |
5. ソフトキー テンプレートをカスタマイズします(オプション)。 |
ユーザのソフトキーの使用方法に合せて、電話機に表示されるソフトキー機能の追加、削除、表示順序の変更を行います。 |
『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「ソフトキー テンプレートの設定」の章を参照してください。 「ソフトキー テンプレートの設定」を参照してください。 |
6. 短縮ダイヤル番号を割り当てます(オプション)。 |
短縮ダイヤル番号を追加します。
(注) ユーザは、Cisco Unified IP Phone User Options で、使用している電話機の短縮ダイヤル設定を変更できます。
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『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone の設定」の章の「短縮ダイヤルボタンの設定」を参照してください。 |
7. Cisco Unified IP Phone サービスを設定し、サービスを割り当てます(オプション)。 |
Cisco IP Phone サービスを提供します。
(注) ユーザは、Cisco Unified IP Phone User Options で、使用している電話機のサービスを追加または変更できます。
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『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone サービスの設定」の章を参照してください。 「サービスの設定」を参照してください。 |
8. 次の必須フィールドを設定してユーザ情報を追加します(オプション)。 –[姓(Last Name)] –[ユーザID(User ID)] –[パスワード(Password)](ユーザ オプション Web ページ用) –[PIN(PIN、半角数字のみ)](エクステンション モビリティで使用) |
Cisco Unified CallManager のグローバル ディレクトリにユーザ情報を追加します。
(注) 社内ディレクトリでユーザを検索するには、ユーザを Cisco Unified CallManager に追加する必要があります。
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『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「新規ユーザの追加」の章を参照してください。 「Cisco Unified CallManager へのユーザの追加」を参照してください。 |
9. ユーザを電話機に関連付けます(オプション)。 |
ユーザが、コール転送や短縮ダイヤルの追加などの電話機能やサービスを設定できるようにします。
(注) 会議室の電話機など、ユーザを関連付けない電話機もあります。
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『 Cisco CallManager アドミニストレーション ガイド 』の「新規ユーザの追加」の章の「ユーザとデバイスとの関連付け」を参照してください。 |
Cisco Unified IP Phone の設置
電話機を Cisco Unified CallManager データベースに追加したら、次は電話機を設置します。電話機は、ユーザの指定する場所に設置できます。各電話機に付属の『Cisco Unified IP Phone Installation Guide』では、電話機のフットスタンド、受話器、ケーブル、その他のアクセサリを取り付ける手順を説明しています。
電話機をネットワークに接続すると、電話機の起動プロセスが開始し、電話機が Cisco Unified CallManager に登録されます。最後に、DHCP service を有効にするか無効にするかによって、電話機のネットワーク設定値を設定します。
自動登録を使用した場合、電話機とユーザの関連付けやボタン テーブルの変更、電話番号など、電話機に関する特定の設定情報を更新する必要があります。
Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G の設置に関するチェックリスト
表1-5 は、Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G の設置タスクの概要とチェックリストです。このリストでは、電話機の設置プロセスを手順に沿って示しています。一部のタスクはオプションです。システムやユーザの必要に応じて実行します。これらの手順の詳細については、参照先欄の資料を参照してください。
表1-5 Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G の設置に関するチェックリスト
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1. 電話機の電源を次の中から選択します。 –Power over Ethernet(PoE) –外部電源 |
電話機に電力を供給する方法を決定します。 |
「Cisco Unified IP Phone 7906G および 7911G への電力供給」を参照してください。 |
2. 電話機を組み立て、配置を調整して、ネットワーク ケーブルを接続します。 |
電話機を配置し、ネットワークに設置します。 |
「Cisco Unified IP Phone の設置」を参照してください。 |
3. 電話機の起動プロセスを監視します。 |
電話機が正しく設定されていることを確認します。 |
「電話機の起動プロセスの確認」を参照してください。 |
4. 電話機で [設定]>[ネットワークの設定] を選択して、次のネットワーク設定を指定します。
(注) 電話機で次の設定を変更する前に、電話機の設定のロックを解除します。
DHCP を有効にするには、次の手順を実行します。 a. [DHCPを使う]を Yes に設定します。 b. 代替の TFTP サーバを使用するには、[代替 TFTP サーバ]を Yes に設定します。 [IPアドレス] に、[TFTPサーバ 1]の IP アドレスを入力します。 DHCP を無効にするには、次の手順を実行します。 a. [DHCPを使う]を No に設定します。 b. [IPアドレス] に電話機の固定 IP アドレスを入力します。 c. サブネット マスクを入力します。 d. デフォルトのルータ IP アドレスを入力します。 e. 電話機が存在するドメイン名を入力します。 f. [代替 TFTP サーバ]を Yes に設定し、 [IPアドレス] に[TFTPサーバ 1]の IP アドレスを入力します。 |
DHCP を使用する場合:IP アドレスが自動的に割り当てられ、Cisco Unified IP Phone から TFTP サーバに送信されます。
(注) DHCP によって割り当てられた TFTP サーバの代わりに代替の TFTP サーバを割り当てる必要がある場合は、ネットワーク管理者に相談してください。
DHCP を使用しない場合:IP アドレス、TFTP サーバ、サブネット マスク、ドメイン名、デフォルト ルータを電話機でローカルに設定する必要があります。 |
「起動時のネットワーク設定値の設定」を参照してください。 「ネットワークの設定メニュー」を参照してください。 |
5. 電話機にセキュリティ機能を設定します。 |
データ改ざんやなりすましから保護します。 |
「Cisco Unified IP Phone へのセキュリティの設定」を参照してください。 |
6. Cisco Unified IP Phone で電話をかけます。 |
電話機や機能が正しく動作することを確認します。 |
『 Cisco Unified IP Phone 7906G/7911G 電話ガイド 』を参照してください。 |
7. 電話機の使用方法と電話機のオプションの設定方法をエンド ユーザに知らせます。 |
Cisco Unified IP Phone を正しく使用するために必要な情報をユーザが持っていることを確認します。 |
付録 A「ユーザへの情報提供」 を参照してください。 |