Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool の概要
Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool(RTMT)は、クライアント側で実行されるアプリケーションで、HTTPS と TCP を使用して、Cisco Unified Communications Manager のシステム パフォーマンス、デバイス ステータス、デバイスの検出状況、および CTI アプリケーションを監視します。RTMT は、HTTPS でデバイスに直接接続して問題を解決できます。
(注) RTMT がデスクトップのアプリケーションとして実行されていない場合でも、アラームやパフォーマンス監視のアップデートなどのタスクは、サーバで引き続きバックグラウンドで実行されます。
RTMT では、次のタスクを実行できます。
• システムの状態を監視するためにあらかじめ定義された一連の管理オブジェクトを監視する。
• 値がユーザ設定のしきい値を上回ったり下回ったりした場合に、オブジェクトに対するさまざまなアラートを電子メール形式で生成する。
• RTMT に用意された各種デフォルト ビューアでトレースを収集および表示する。
• Q931 メッセージを変換する。
• SysLog Viewer で syslog メッセージを表示する。
• パフォーマンス モニタリング カウンタを使用する。
この章は、次の項で構成されています。
• 「サービス、servlet、およびサービス パラメータ」
• 「サーバ(RTMT Collector、Alert Manager、および RTMT Reporter)で設定できないコンポーネント」
サービス、servlet、およびサービス パラメータ
RTMT クライアントをサポートするには、サーバで多数のサービスをアクティブにし、実行する必要があります。RTMT は、次のサービスまたは servlet を使用します。
• Cisco AMC サービス:このサービスは、インストール後に自動的に起動し、RTMT がクラスタ内のノードに存在するリアルタイム情報を取得できるようにします。Cisco Unified Communications Manager は、最初のノードをプライマリ コレクタとして自動的に割り当てます。プライマリ コレクタが失敗したときに RTMT が情報を継続して取得できるようにするためには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの[サービスパラメータ]で、後続のノードをフェールオーバー コレクタとして設定する必要があります。
次のリストは、RTMT に関連する Cisco AMC サービス パラメータの一部です。パラメータの最新リストについては、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [システム]>[サービスパラメータ] を選択します。次に、サーバと Cisco AMC サービスを選択します。
–Primary Collector
–Failover Collector
–Data Collection Enabled
–Data Collection Polling Rate
–Server Synchronization Period
–RMI Registry Port Number
–RMI Object Port Number
–Alert Manager Enabled
–Logger Enabled
–Alarm Enabled
–PerfMon Log Deletion Age
これらのサービス パラメータに関する情報を参照するには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの[サービスパラメータ]ウィンドウに表示される [?] ボタンをクリックします。
• Cisco Communications Manager servlet(Cisco Unified Serviceability の [Control Center - Network Services] ウィンドウ):Cisco Unified Communications Manager Real-Time Monitoring Tool(RTMT)をサポートします。このサービスは、インストール後に自動的に開始されます。
• Cisco RIS Data Collector(Cisco Unified Serviceability の [Control Center - Network Services] ウィンドウ):Real-time Information Server(RIS)が、パフォーマンス カウンタの統計情報や生成された重要なアラートなどのリアルタイム情報を保持します。Cisco RIS Data Collector サービスは、Real-Time Monitoring Tool(RTMT)、SOAP アプリケーション、および AlertMgrCollector(AMC)などのアプリケーションが、サーバに保存されている情報を取得するためのインターフェイスを提供します。
• Cisco Tomcat Stats Servlet(Cisco Unified Serviceability の [Control Center - Network Services] ウィンドウ):Cisco Tomcat Stats Servlet により、RTMT またはコマンドライン インターフェイスを使用して Tomcat perfmon カウンタを監視できます。CPU 時間などのリソース使用量が過剰になっていると思われる場合以外は、このサービスを停止しないでください。
• Cisco Trace Collection Servlet(Cisco Unified Serviceability の [Control Center - Network Services] ウィンドウ):Cisco Trace Collection Servlet は、Cisco Trace Collection Service とともにトレースの収集をサポートしており、RTMT クライアントを使用してトレースを表示できるようにします。サーバでこのサービスを停止すると、そのサーバでのトレースの収集や表示はできなくなります。
• Cisco Trace Collection Service(Cisco Unified Serviceability の [Control Center - Network Services] ウィンドウ):Cisco Trace Collection Service は、Cisco Trace Collection Servlet とともにトレースの収集をサポートしており、RTMT クライアントを使用してトレースを表示できるようにします。サーバでこのサービスを停止すると、そのサーバでのトレースの収集や表示はできなくなります。
• Cisco Log Partition Monitoring Tool(Cisco Unified Serviceability の [Control Center - Network Services] ウィンドウ):インストール後に自動的に開始されるこのサービスは、サーバのログ パーティションのディスク使用状況を監視します。
• Cisco SOAP-Real-Time Service APIs(Cisco Unified Serviceability の [Control Center - Network Services] ウィンドウ):Cisco SOAP-Real-Time Service APIs は、インストール後に自動的に開始される API で、デバイスおよび CTI アプリケーションの情報をリアルタイムで収集できるようにします。
• Cisco SOAP-Performance Monitoring APIs(Cisco Unified Serviceability の [Control Center - Network Services] ウィンドウ):このサービスはインストール後に自動的に開始され、SOAP API を通じてさまざまなアプリケーションのパフォーマンス モニタリング カウンタを使用できるようにします。
• Cisco RTMT Reporter servlet(Cisco Unified Serviceability の [Control Center - Network Services] ウィンドウ):このサービスはインストール後に自動的に開始され、RTMT のレポートを公開できるようにします。
• Cisco Serviceability Reporter(Cisco Unified Serviceability の [Control Center - Feature Services] ウィンドウ):Cisco Serviceability Reporter サービスは、RTMT のレポートを公開できるようにします。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
サーバ(RTMT Collector、Alert Manager、および RTMT Reporter)で設定できないコンポーネント
アプリケーションと一緒に自動的にインストールされるコンポーネントである RTMT Collector が、定義済みのモニタリング オブジェクト情報を記録するのに対し、同じく自動的にインストールされる Alert Manager は、アラート履歴をログ ファイルに記録します。定義済みの各オブジェクトは、デバイス、サービス、サーバ、コール アクティビティ、および PPR という複数のカテゴリのいずれかに属します。各カテゴリには個別のログ ファイルがあり、アラートの詳細が個別のファイルに記録されます。
重要な perfmon オブジェクトの値もパフォーマンス ログ ファイルに記録されます。
ヒント RTMT Collector と Alert Manager は設定タスクを行わなくても実行でき、いずれも冗長性をサポートします。プライマリ コレクタまたはマネージャに何らかの理由で障害が発生した場合、プライマリのサポートが回復するまで、セカンダリ コレクタとマネージャがタスクを実行します。RTMT Collector、Alert Manager、および RTMT Reporter は、コール処理のための中断を最小限にするために、最初のノードで動作します。
ローカルで書き込まれたログ ファイルは、cm/log/amc でプライマリ コレクタ サーバに表示されます。フェールオーバーやフォールバックのシナリオによってはプライマリ コレクタが変更されるため、ログ ファイルは Cisco Unified Communications Manager クラスタ内の複数のサーバに存在する可能性があります。
アラート ログ ファイル以外のログ ファイルは、RTMT で Performance Log Viewer を使用するか、ネイティブの Microsoft Performance ビューアを使用して表示できます。RTMT での Performance Log Viewer の使用方法の詳細については、「perfmon ログ ファイルの表示」を参照してください。アラートログ ファイルは、テキスト エディタを使用して表示できます。
ログ ファイルをローカル マシンにダウンロードするには、RTMT の Trace and Log Central にある [Collect Files] オプションを使用できます。[Collect Files] オプションを使用してログ ファイルをダウンロードする方法の詳細については、「トレース ファイルの収集」を参照してください。
また、コマンドライン インターフェイス(CLI)から file list コマンドを使用してファイルの一覧を表示したり、file get コマンドを使用して SFTP でファイルをダウンロードしたりすることもできます。CLI コマンドの使用方法については、『 Cisco Unified Communications Operating System アドミニストレーション ガイド 』を参照してください。
ログ ファイルは csv 形式になっています。新しいログ ファイルは、ローカル システムで毎日 00:00 に作成されます。デバイス、サービス、サーバ、およびコールの新しいログは、タイム ゾーンが変更されたとき、または新しいノードがクラスタに追加されたとき、あるいはフェールオーバー/フォールバック シナリオの間に作成されます。これらのログの最初の列は、タイム ゾーンに関する情報と、グリニッジ標準時間(GMT)を起点とする分数です。RTMT Reporter は、これらのログ ファイルをデータ ソースとして使用して、毎日の要約レポートを生成します。デフォルトのモニタリング オブジェクトに基づくこのレポートは、次の情報について、24 時間ごとに生成されます。
• Call Activity Status:各 Cisco Unified Communications Manager、各ゲートウェイ、各トランク、およびクラスタ全体について、試行されたコール数および完了したコール数。各ゲートウェイの利用可能なインサービスのチャネル数。
• Device Status:各サーバおよびクラスタ全体の登録済みの電話機、ゲートウェイ、およびトランクの数。
• Server Status:サーバごとの CPU 負荷率、メモリ使用率、ディスク スペース使用率。
• Service Status:各 CTI Manager の場合は、オープン デバイスとオープン回線の数。各 TFTP サーバの場合は、試行された要求数と失敗した要求数。
• Alert Status:クラスタの上位 10 位までのアラートなど、クラスタのシビラティ レベルごとのアラート数。
• Performance Protection Report:システム全体の状態をトラッキングできるデフォルトのモニタリング オブジェクトに関する傾向分析情報。レポートには、サーバごとに過去 7 日間の情報が記録されています。
ヒント RTMT レポートは、英語でのみ表示されます。
サービス パラメータ RTMT Reporter Designated server、RTMT Report Generation Time、および RTMT Report Deletion Age は、RTMT レポートの生成に適用されます。これらのパラメータに関する情報を参照するには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの[サービスパラメータ]ウィンドウで [Cisco Serviceability Reporter] を選択し、[?] ボタンをクリックします。
Serviceability レポートの詳細については、『 Cisco Unified Serviceability アドミニストレーション ガイド 』の Serviceability Reports 関連の章を参照してください。
追加情報
「関連項目」を参照してください。
サーバ ログの概要
サーバ データは、5 分ごとに 1 レコードとしてファイルに記録されます。データは、次の計算式に基づいて、5 分ごとに次のカウンタで記録されます。
• cpuUsage:過去 5 分間に収集されたすべての値の平均
• MemoryInUse:過去 5 分間に収集されたすべての値の平均
• DiskSpaceInUse:アクティブ パーティションで過去 5 分間に収集されたすべての値の平均
Cisco AMC サービスは、サーバ データを csv 形式で記録します。ログのヘッダーは、タイム ゾーンに関する情報と、Cisco Unified Communications Manager ノードの前回のカウンタを持つ列で構成されます。これらの列のセットが、ノードごとに繰り返されます。
次のサーバ ログのファイル名形式は、ServerLog_MM_DD_YYYY_hh_mm.csv です。各ログ ファイルの最初の行はヘッダーです。
ローカル コンピュータで表示するためにサーバ ログをダウンロードするには、「RTMT での Trace and Log Central の設定」を参照してください。
追加情報
「関連項目」を参照してください。