インターコム
インターコムは、従来の回線と短縮ダイヤルの機能を組み合せた新しいタイプの電話回線です。インターコム回線を使用すると、ユーザは別のユーザのインターコム回線にコールできます。その結果、着信側のインターコム回線が自動応答し、片通話のウィスパー状態になります。次に、受信者はウィスパー状態のコールを認識し、双方向のインターコム コールを開始することができます。
ユーザは、インターコム回線を使用して、インターコム パーティション内の他のインターコム回線にダイヤルすることができます。また、管理者が、インターコム パーティションの外部のインターコム回線を発信先とするように、回線を事前設定することもできます。
(注) ユーザがインターコム回線を使用してダイヤルできるのは、他のインターコム回線に対してのみです。
インターコムの概要
インターコムを使用すると、ユーザは、事前に定義された発信先にコールを発信できます。着信側は、ミュートが有効になった状態のスピーカフォン モードで、コールに自動応答します。この結果、発信側と着信側の間に片方向の音声パスが確立します。そのため、発信側は、着信側がビジー状態であるかアイドル状態であるかに関係なく、短いメッセージを送信できます。
インターコム コールが自動応答されたときに着信側の音声が発信側に送信されないことを保証するために、Cisco Unified Communications Manager はウィスパー インターコムを実装しています。ウィスパー インターコムでは、発信側から着信側への片通話だけが確立します。着信側では、発信側と会話するには、特定のキーを手動で押す必要があります。
(注) 自動応答トーンによって、ウィスパー状態になったことが送信者と受信者の両方に通知されます。
インターコム電話番号とデフォルト デバイス
Cisco Unified Communications Manager Release 6.1(1)からは、インターコム回線ごとにデフォルト デバイスが必要になりました。インターコム機能では、インターコム回線をアクティブとして表示するには、[インターコム電話番号の設定(Intercom Directory Number Configuration)] ウィンドウの[デフォルトのアクティブデバイス(default activated device)] フィールドを設定する必要があります。インターコム回線は、指定されたデフォルト デバイスにのみ表示されます。
管理者がインターコム回線をデバイスに割り当てた場合、そのデバイスは、そのインターコム回線用のデフォルト デバイスとして設定されます(未設定だった場合)。管理者は、インターコム回線用のデフォルト デバイスを変更できます。管理者がデフォルト デバイスを別のデバイスに変更した場合、元のデバイスにインターコム回線が割り当てられたままであっても、そのインターコム回線は元のデバイスから削除されます。
また、Cisco Unified Communications Manager Release 6.1(1)からは、インターコム回線をデバイス プロファイルに割り当てることが可能になりました。インターコム回線が使用可能になるのは、ユーザがデバイス プロファイルを使用して、そのインターコム回線のデフォルト デバイスにログインした場合に限られます。ユーザが別のデフォルト デバイスにログインした場合、インターコム回線は表示されません。
設定の詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「インターコム電話番号の設定値」を参照してください。
(注) 設定済みのインターコム回線を電話機に割り当てても、その回線が電話機に表示されない場合は、そのインターコム回線用の[デフォルトのアクティブデバイス(default activated device)] の値をそのデバイスに設定したことを確認します。その設定が正しい場合は、設定後に電話機をリセットしたことを確認します。
インターコム電話番号と Cisco エクステンション モビリティ
インターコム電話番号(回線)は、各インターコム回線の 1 つのデバイスに制限されていることに注意してください。Cisco エクステンション モビリティは広く使用されているため、モバイル ユーザにはインターコム機能が必要ですが、この機能を使用できるデバイスは 1 つに制限する必要があります。1 つの標準デバイスまたはエクステンション モビリティ プロファイルに複数のインターコム回線を割り当てることは可能ですが、システムでは、1 つの標準デバイスまたはエクステンション モビリティ プロファイルに関連付けるインターコム回線は 1 つに制限する必要があります。
エクステンション モビリティ プロファイルは複数の電話機で同時に使用できるため、[デフォルトのアクティブデバイス(default activated device)] フィールドを使用して、このインターコム回線を表示できるデバイスを指定する必要があります。エクステンション モビリティ用に使用されないインターコム回線についても、[デフォルトのアクティブデバイス(default activated device)] フィールドを設定する必要があります。
Cisco Unified Communications Manager を Release 6.0(1)から Release 6.1(1)以降にアップグレードする方法の詳細については、 「Cisco エクステンション モビリティ」 の章の「インターコム」の項を参照してください。
インターコムの詳細については、次の項を参照してください。
• 「システム要件」
• 「コール状態と回線状態」
• 「インタラクションおよび制限事項」
• 「インターコムのインストールとアクティブ化」
• 「インターコムの設定」
• 「インターコムの使用方法」
• 「BAT に関する考慮事項」
• 「インターコムのトラブルシューティング」
• 「その他の情報」
システム要件
インターコム機能のシステム要件は次のとおりです。
• Cisco Unified Communications Manager Release 6.0 以降
• Microsoft Internet Explorer(IE)6、Internet Explorer 7、または Netscape 7.1
• Cisco Unified IP Phone 8.3(1)以降
Cisco Unified IP Phone のインターコム サポート
Cisco Unified IP Phone によるインターコムのサポート状況は、 表22-1 のとおりです。
表22-1 Cisco Unified IP Phone のインターコム サポート
Cisco Unified IP Phone のモデル
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CTI ポート |
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7931 |
いいえ |
はい |
7941 7941G-GE 7942 7945 7961 7961G-GE 7962 7965 7970 7971 7975 |
はい |
はい |
コール状態と回線状態
インターコムでは、インターコム回線の新しいコール状態としてウィスパーが導入されています。また、アイドル、接続時、オフフック、および先頭桁入力後という既存の回線状態も使用されます。
複数のインターコム コールが同時に発生することはないため、インターコムのコール状態は回線状態に直接対応付けられ、コールのソート規則もそのまま維持されます。
表22-2 に、インターコムのコール状態と回線状態を示します。
表22-2 インターコムのコール状態と回線状態
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説明 |
インターコムがアイドル状態です。 |
ウィスパー状態では、受信者は発信者の音声を受信しますが、発信者は受信者の音声を受信しません。受信者に接続されている他のアクティブ コールの発信者は、インターコムの発信者の音声を受信しません。 |
この状態は、発信先が事前設定されていない状況で、インターコムの発信先をダイヤルする場合にのみ表示されます。 |
この状態は、発信先が事前設定されていない状況で、インターコムの発信先をダイヤルする場合にのみ表示されます。 |
接続時は、インターコム機能の接続された状態を表します。 |
LED の動作 |
LED は点灯しない |
機能キー:オレンジ色に点灯 |
機能キー:オレンジ色に点灯 |
機能キー:オレンジ色に点灯 |
機能キー:緑色に点灯 |
アイコン |
アイドル |
ウィスパー |
ウィスパー |
ウィスパー |
接続時 |
ソフトキー テンプレート |
デフォルトの Cisco Unified Communications Manager テンプレート |
Connected No Feature |
Intercom Off hook |
デフォルトの Unified CM Digits After First テンプレート、Connected No Feature |
Connected No Feature |
その他 |
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ウィスパー状態になる前に自動応答トーンが聞こえます。 |
「内部」ダイヤル トーン。 |
ダイヤル トーンは発生しません。 |
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インタラクションおよび制限事項
次の項では、インターコムに関連するインタラクションおよび制限事項について説明します。
• 「インタラクション」
• 「制限事項」
割り込みとのインタラクション
インターコムの発信先が割り込みの発信先と同じ場合でも、Cisco Unified IP Phone はウィスパー インターコムをサポートできます。
発信先がインターコム ボタンを押してインターコム発信側と会話する場合、最初のコールは保留になっているため、割り込みの発信側はリリースされます。
サイレント(DND)とのインタラクション
インターコム コールは、発信先の電話機の DND よりも優先されます。
コール保存
コールが保存された場合、電話機が Cisco Unified Communications Manager に再登録できるようになるには、エンド ユーザが電話を切る必要があります。インターコム コールがウィスパー モードの場合、このコールは片方向メディアであるため、受信側にはユーザが存在しない可能性があります。したがって、保存されるのは、トークバック モードのインターコム コールのみとなります(ウィスパー インターコムは保存されません)。
Cisco Unified Survivable Remote Site Telephony(SRST)
Cisco Unified IP Phone は SRST に登録されている場合、インターコム回線を登録しません。したがって、電話機が SRST に登録されている場合、インターコム機能は使用できません。
Cisco Unified Communications Manager Assistant
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「Cisco Unified Communications Manager Assistant 設定ウィザード」の章を参照してください。
CTI とのインタラクション
CTI/JTAPI/TSP を使用すると、インターコム回線の事前設定された発信先電話番号を設定または変更できます。Cisco Unified Communications Manager の管理ページから発信先電話番号を更新または再設定した場合は、通知を受信します。
CTI/JTAPI/TSP には下位互換性があることに注意してください。ただし、インターコム回線がアプリケーションによって制御されるように設定されている場合を除きます。インターコム回線がアプリケーション ユーザのリストに設定されている場合は、リストから除外し、互換性をテストする必要があります。
Cisco エクステンション モビリティとのインタラクション
Cisco Unified Communications Manager Release 6.1(1)からは、インターコム機能は Cisco エクステンション モビリティと通信するようになりました。ユーザが Cisco エクステンション モビリティを使用して、インターコム機能をサポートする電話機にログインする場合、ログインに使用するデバイス プロファイルでインターコム回線がプロビジョニングされているときは、インターコム回線が表示されます。その電話機は、そのインターコム回線用のデフォルト デバイスである必要があります。
設定の詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「インターコム電話番号の設定」の章と、「Cisco エクステンション モビリティ」を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager Attendant Console とのインタラクション
「制限事項」を参照してください。
制限事項
インターコム機能には、次の制限事項があります。
• インターコム コールは、カバレッジ パスには従いません。
• 保留:インターコム コールがウィスパー モードの場合、コールを保留にすることはできません。双方向コールになった場合は、保留にできます。
• 自動転送:インターコム コールは自動転送できません。
• コール転送:インターコム コールは転送できません。
• 即時転送:インターコム コールは即時転送できません。
• コール ピックアップ/ダイレクト コール ピックアップ:コール ピックアップ グループには、インターコム コールは含まれません。
• DND:インターコムは、サイレント(DND)よりも優先されます。
• 帯域幅が不足していると、インターコム コールは失敗します。
• 2 つのインターコム コールが発信先に送信された場合、最初のコールは到達しますが、2 つ目のコールはビジー トーンにより失敗します。
• 割り込みおよび C 割り込み:インターコムは、割り込み機能および C 割り込み機能とは連携しません。
• 会議:インターコム コールでは、会議はできません。
• アクティブ コールが監視または録音されている場合、インターコム コールを受信または発信することはできません。
• Cisco Unified Communications Manager Attendant Console は、インターコム機能をサポートしていません。このアテンダント コンソールの GUI にはインターコム用の回線とその他の回線が表示されますが、ハント グループのメンバである電話機でインターコム機能が設定されている場合、ハント グループ メンバの回線は表示されません。
インターコムのインストールとアクティブ化
インターコムは Cisco Unified Communications Manager Release 6.0 以降に標準で搭載されているため、自動的にインストールされ、アクティブになります。
インターコムの設定
インターコム機能を使用するには、発信側と着信側の両方の電話機で、専用のインターコム回線ボタンが必要になります。この回線には、インターコム コードである独自の電話番号(DN)と、パーティション(インターコム グループ)が割り当てられます。このインターコム回線のコーリング サーチ スペースは、この電話機からインターコムの発信先へのアクセスを制限するために使用されます。
(注) インターコム機能が無許可の電話機によって不用意に使用されないことを保証するために、インターコム機能を除く他の管理ウィンドウからは、ユーザがインターコム パーティションとコーリング サーチ スペースにアクセスできないようになっています。
(注) インターコム回線を複数のデバイスで共有することはできません。インターコム回線には、自動転送、ピックアップ、およびボイスメール プロファイルなど、他の機能関連の設定を行わないでください。
ヒント 電話機には複数のインターコム ボタンを割り当てることができます。
インターコムの設定チェックリスト
表22-3 に、Cisco Unified Communications Manager で Cisco Unified Communications Manager インターコム機能を設定するための論理的なステップを示します。
表22-3 Cisco Unified Communications Manager インターコムの設定チェックリスト
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ステップ 1 |
インターコム パーティションを作成します。
(注) インターコム パーティションを作成すると、管理ユーザ インターフェイスにより、対応する同じ名前のインターコム用コーリング サーチ スペースが自動的に生成され、最初にこのインターコム パーティションが含められます。
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『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「インターコム パーティションの設定」 |
ステップ 2 |
インターコム用コーリング サーチ スペースを作成します。
(注) このステップは、インターコム パーティションの作成時に自動的に生成されるインターコム用コーリング サーチ スペースとは別のものを作成する場合に実行してください。
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『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「インターコム コーリング サーチ スペースの設定」 |
ステップ 3 |
インターコム トランスレーション パターンを作成します。
(注) このステップはオプションです。
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『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「インターコム トランスレーション パターンの設定」 |
ステップ 4 |
インターコム電話番号を作成します。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「インターコム電話番号の設定」 |
ステップ 5 |
インターコム電話番号を電話機に割り当てます。 |
『 Cisco Unified Communications Manager アドミニストレーション ガイド 』の「電話番号の設定」 |
インターコムの使用方法
次の項では、インターコムの使用方法を文章と図で説明します。
• 「ケース スタディ」
• 「図によるインターコムの説明」
ケース スタディ
ここでは、インターコムをアイドル状態の電話機とビジー状態の電話機に対して開始した場合の動作について説明します。
アイドル状態の電話機へのインターコム
アリスがボブにインターコム コールを発信すると、ボブは、最初にインターコム トーンを受信し、次にアリスの音声を受信します。ただし、アリスにはボブの音声は聞こえません。
ボブのヘッドセットがオンになっている場合、アリスの音声の聞き取りには、ヘッドセットが使用されます。オフになっている場合は、スピーカが使用されます。
ビジー状態の電話機へのインターコム
ボブとキャロルが会話しているときに、アリスがボブにインターコム コールを発信します。アリスの音声がキャロルの音声と混合されて、ボブに再生されます。ただし、アリスにはボブの音声は聞こえません。一方、キャロルには引き続きボブの音声が聞こえます。
ほとんどの場合、キャロルにはボブの音声だけが聞こえ、アリスの音声は聞こえません。ただし、ボブがスピーカフォンを使用してキャロルと会話している場合は、アリスの音声とボブの音声とが混合されて、キャロルに送信されます。
ビジー状態の電話機とは、ボブの電話機にアクティブ コールが存在すること、または未接続の発信コールが存在することを意味します。
インターコムの終端側において、発信側と会話することなくインターコム コールを終了するには、I ヘルプ ボタンを押してからインターコム ボタンを押すことで、インターコム用のソフトキー セットにフォーカスを移動する必要があります。次に、「終了」ソフトキーを押して、コールを終了します。
シナリオ 1
アンナの電話機が、アイドル状態のときに、事前設定されたインターコムの発信先であるジェラルドからインターコム コールを受信します。
図22-1 アイドル
• ジェラルドがアンナにインターコム コールを発信する時点で、アンナの電話機はアイドル状態になっています。
–回線キーとインターコム キーは消灯しています。
図22-2 ウィスパー
• インターコム回線がアクティブになり、ジェラルドからのコールが表示されます。
–インターコム キーがオレンジ色に点灯します。
• 両側の電話機が自動応答アラート トーンを受信します。
• アンナにはジェラルドの音声が聞こえますが、ジェラルドには、アンナがインターコム コールに応答するまでアンナの音声は聞こえません。
(注) ミュート キーを押しても、インターコム コールには応答できません。代わりに、ステータス行に「そのキーはアクティブではありません」と表示されます。
図22-3 接続時
• アンナが、インターコム回線キーを押してインターコム コールに応答します。
–インターコム キーが緑色に点灯します。
(注) コール タイマーはリセットされず、ウィスパー状態から続行されます。
シナリオ 2
アンナが、自分の電話機がアイドル状態のときに、事前設定されたインターコムの発信先であるジェラルドの電話機にインターコム コールを発信します。
図22-4 ウィスパー
図22-5 接続時
• ジェラルドが、インターコム回線キーを押してインターコム コールに応答します。
–インターコム キーが緑色に点灯します。
(注) コール タイマーはリセットされません。
シナリオ 3
アンナが、接続中または保留中のコールが存在するときに、事前設定されたインターコムの発信先であるジェラルドからインターコム コールを受信します。
図22-6 ウィスパー
• アンナが電話で会話しているときに、事前設定されたインターコム回線インジケータがオレンジ色に点滅し、ジェラルドがインターコム回線でアンナにコールを発信していることが示されます。
–回線キーが緑色に点灯します。
–インターコム キーがオレンジ色に点灯します。
(注) 自動回線選択が無効(デフォルト)の場合は、現在のコールにフォーカスが保持されます。
• アンナが使用している電話機で、自動応答アラート トーンが再生され、次にジェラルドの音声が聞こえます。
• アンナにはジェラルドの音声が聞こえますが、ジェラルドには、アンナがインターコム コールに応答するまでアンナの音声は聞こえません。
• アンナに接続されている現在の発信者(電話番号は 9873)には、アンナの音声が聞こえますが、ジェラルドの音声は聞こえません。
図22-7 接続時
• アンナが、インターコム回線キーを押してインターコム コールに応答します。
–回線キーが緑色に点滅します。
• インターコム コールにフォーカスが移動し、以前のコールは保留になります。
–インターコム回線キーが緑色に点灯します。
(注) コール タイマーは、ウィスパー状態と現在の接続時状態の累積コール時間を表します。
シナリオ 4
アンナが、ウィスパー状態または接続時状態のインターコム コールが存在するときに、プライマリ回線で新しいコールを受信します。
図22-8 接続時
• アンナがインターコム回線でジェラルドと会話しているときに、アンナの内線番号である 9824 へのコールが表示されます。インターコム コールにはフォーカスが保持されます。
–回線キーがオレンジ色に点滅します。
–インターコム キーが緑色に点灯します。
図22-9 アイドル
• アンナが、9824 の回線キーを押してインターコム コールに応答します。
–回線キーが緑色に点灯します。
• 着信コールにフォーカスが移動し、コールが接続されます。
• システムがインターコム コールをクリアします。
–インターコム キーが消灯します。
シナリオ 5
アンナが、アイドル状態のときに、ジェラルドにインターコム コールを発信します。インターコム回線には、発信先が事前設定されていません。
図22-10 アイドル
• 回線キーはすべて消灯しています。
図22-11 ダイヤルアウト
• アンナが回線キーを押します。その結果、ダイヤルアウト状態になります。
–インターコム キーがオレンジ色に点灯します。
• 電話機が「内部」ダイヤル トーンを受信します。
(注) この時点で、アンナがインターコム番号以外の番号をダイヤルした場合、電話機は速いビジー トーンを受信します。
図22-12 先頭桁入力後
• アンナがダイヤルを開始します。その結果、先頭桁入力後状態になります。
–インターコム キーがオレンジ色に点灯します。
図22-13 ウィスパー
• アンナがインターコム番号をダイヤルすると、ウィスパー状態になります。
–インターコム キーがオレンジ色に点灯します。
• 電話機で自動応答アラートが再生されます。
• ジェラルドにはアンナの音声が聞こえますが、アンナには、ジェラルドがインターコム コールに応答するまでジェラルドの音声は聞こえません。
図22-14 接続時
• ジェラルドが、インターコム回線キーを押してインターコム コールに応答します。
–アンナの電話機で、インターコム キーが緑色に点灯します。
• コール タイマーはリセットされず、ウィスパー状態から続行されます。
BAT に関する考慮事項
Cisco Unified Communications Manager の管理者は、一括管理ツール(BAT)を使用すると、多数のインターコム ユーザを一度に追加できます。ユーザを 1 人ずつ追加する必要はありません。詳細については、『 Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration ガイド 』を参照してください。
インターコムのトラブルシューティング
インターコム回線でのダイヤルアウト時にビジー トーンが聞こえる
症状:ユーザがインターコム回線でダイヤルアウトするときに、ビジー トーンが再生されます。
ステップ 1 DN が発信側の番号と同じインターコム パーティションに存在することを確認します。
ステップ 2 存在する場合は、ダイヤルアウトした DN が別の電話機に設定されており、その電話機が同じ Cisco Unified Communications Manager クラスタに登録されていることを確認します。
スピーカ、受話器、またはヘッドセットを使用してオフフックにしてもインターコム コールが接続時状態にならない
症状:ヘッドセット、受話器、またはスピーカの使用時にインターコム コールがトークバック モードになりません。
ステップ 1 この状況は、仕様によるものです。インターコム コールを接続時状態にする方法は、対応する回線ボタンを押す操作に限られています。
ステップ 2 コールを終了するときは、スピーカ、受話器、またはヘッドセットを使用できます。
トラブルシューティング:SCCP
インターコム回線がボタン テンプレートに含まれているにもかかわらず電話機に表示されない
症状:インターコム回線が電話機に表示されません。
ステップ 1 電話機のバージョンをチェックし、8.3(1)以降になっていることを確認します。
ステップ 2 ボタン テンプレートが電話機に割り当てられているかどうかを確認します。
ステップ 3 Cisco Unified Communications Manager と電話機間のスニファ トレースをキャプチャします。ボタン テンプレートの応答時に、インターコム回線が電話機に送信されるかどうかを確認します(ボタン定義 = Ox17)。
電話機が SRST にフォールバックした場合にインターコム回線が表示されない
症状:Cisco Unified Communications Manager Release 6.0(x)以降で設定された電話機に 2 つのインターコム回線が存在します。ここで、Cisco Unified Communications Manager が停止し、SRST にフォールバックします。しかし、インターコム回線が表示されません。
ステップ 1 SRST の SCCP バージョンを確認します。SRST が SCCP バージョン 12 をサポートしていれば、インターコム回線はサポートされます。
ステップ 2 SRST が SCCP バージョン 12 をサポートしている場合は、スニファ トレースをキャプチャし、電話機から送信されたボタン テンプレートにインターコム回線が含まれていることを確認します。
トラブルシューティング:SIP
SIP を実行している電話機の場合は、次のデバッグ コマンドを使用します。
Debug sip-messages sip-task gsmfsmIsm sip-adapter
SIP を実行している電話機の設定
show config:このコマンドを電話機に対して使用すると、インターコム回線が標準回線(featureid-->23)として設定されているかどうかが表示されます。
Cisco エクステンション モビリティ ユーザがログインしてもインターコム回線が表示されない
症状:Cisco エクステンション モビリティ ユーザが電話機にログインしましたが、ユーザのインターコム回線が表示されません。
ステップ 1 インターコム電話番号に対して[デフォルトのアクティブデバイス(default activated device)] が設定されていることを確認します。
ステップ 2 [デフォルトのアクティブデバイス(default activated device)] の値がログイン先のデバイスと一致していることを確認します。