Cisco Intercompany Media Engine のパフォーマンス オブジェクトおよびカウンタ
この項では、Cisco Intercompany Media Engine のオブジェクトおよびカウンタについて説明します。Cisco Unified Communications Manager サーバと Cisco Intercompany Media Engine サーバには、どちらにもオブジェクトとカウンタの固有セットが含まれます。Cisco Intercompany Media Engine 製品のパフォーマンスを監視するために、両方のサーバのカウンタが必要な場合があります。
パフォーマンス オブジェクトおよびカウンタにアクセスするには、該当するサーバの RTMT にログインし、[システム(System)] > [パフォーマンス(Performance)] > [パフォーマンスモニタリングを開く(Open Performance Monitoring)] の順に選択します。パフォーマンス カウンタおよびオブジェクトの操作の詳細については、『 Cisco Unified Real-Time Monitoring Tool Administration Guide 』を参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
Cisco Intercompany Media Engine サーバ オブジェクト
• 「IME Configuration Manager」
• 「IME Server」
• 「IME サーバ システムのパフォーマンス」
Cisco Unified Communications Manager サーバ オブジェクト
• 「IME クライアント」
• 「IME クライアント インスタンス」
追加情報
「関連項目」
IME Configuration Manager
IME Configuration Manager オブジェクトは、IME 分散キャッシュ証明書に関する情報を提供します。 表 11-1 で、Cisco IME 設定カウンタについて説明します。
表 11-1 IME Configuration Manager
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DaysUntilCertExpiry |
このカウンタは、IME 分散キャッシュ証明書が期限切れになるまでの残りの日数を示します。証明書が期限切れになる前に、代わりの証明書を用意する必要があります。 このカウンタの値が 14 未満の場合、値が 14 を上回るまで毎日 1 回アラートが生成されます。 |
IME Server
IME Server オブジェクトは、Cisco IME サーバに関する情報を提供します。 表 11-2 で、Cisco IME Server カウンタについて説明します。
表 11-2 IME Server
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BlockedValidationOrigTLSLimit |
このカウンタは、TLSValidationThreshold に達したことが原因でブロックされた検証の合計数を示します。 |
BlockedValidationTermTLSLimit |
このカウンタは、TLSValidationThreshold に達したことが原因でブロックされた検証の合計数を示します。 |
ClientsRegistered |
このカウンタは、Cisco IME サーバに現在接続されている Cisco IME クライアントの数を示します。 |
IMEDistributedCacheHealth |
このカウンタは、IME 分散キャッシュの健康状態を示します。場合により、次の値が表示されます。 • 0(赤):IME 分散キャッシュが正常に機能していないことを警告として示します。たとえば、ネットワークが分割された後、Cisco IME は問題を解決できません。この場合、検証試行は失敗することがあります。たとえば、ネットワークに接続されていない Cisco IME サービスは、ブートストラップ サーバにアクセスできません。 値が赤のステータス以外に変更されるまで、1 時間おきにアラートが生成されます。 • 1(黄):ブートストラップ サーバ間の接続、Cisco IME ネットワークのその他の問題など、Cisco IME ネットワークで深刻ではない問題が発生したことを示します (ネットワークの問題を特定するには、Cisco IME アラームを確認します)。 • 2(緑):Cisco IME が正常に機能しており、健康と見なされることを示します。 |
IMEDistributedCacheNodeCount |
このカウンタは、IME 分散キャッシュ内のノードのおおよその合計数を示す整数です。各物理 Cisco IME サーバは複数のノードをホストするため、このカウンタは IME 分散キャッシュに参加する物理 Cisco IME サーバの数を直接的には示しません。このカウンタは、IME 分散キャッシュの健康状態の指標となります。たとえば、ある日に予想通りの値が表示され(たとえば 300)、次の日に値が大幅に減少した場合(たとえば 10 や 2)、IME 分散キャッシュで問題が発生している可能性があります。 |
IMEDistributedCacheQuota |
この IME サーバに接続している Cisco Unified CM が IME 分散キャッシュに書き込むことができる個々の DID の数を示します。この数は、IME 分散キャッシュのすべての設定、および IME サーバにインストールされている IME ライセンスにより決まります。 |
IMEDistributedCacheQuotaUsed |
Intercompany Media Service の登録済みパターンを通じて発行される、この IME サーバに現在接続している Cisco Unified CM が設定した、固有 DID 番号の合計数を示します。 |
IMEDistributedCacheReads |
このカウンタは、IME 分散キャッシュに対して Cisco IME サーバが試行した読み取りの合計数を示します。この数は、Cisco IME サーバが機能しているかどうか、つまりサーバが他のノードと対話しているかどうかを示す指標となります。 |
IMEDistributedCacheStoredData |
このカウンタは、この Cisco IME サーバが提供している IME 分散キャッシュ ストレージの容量をバイト単位で示します。 |
IMEDistributedCacheStores |
このカウンタは、Cisco IME サーバが IME 分散キャッシュに対して試行した保存の合計数(発行数)を示します。この数は、Cisco IME サーバが機能しているかどうかの指標となります。 |
InternetBandwidthRecv |
このカウンタは、Cisco IME サーバが消費しているインターネットのダウンリンクの帯域幅量をキロビット/秒単位で示します。 |
InternetBandwidthSend |
このカウンタは、Cisco IME サーバが消費しているインターネットのアップリンクの帯域幅量をキロビット/秒単位で示します。 |
TerminatingVCRs |
このカウンタは、コールの受信後、Cisco IME サーバに保存された Cisco IME Voice Call Records(VCRs; 音声コール レコード)の合計数を示します。学習ルートを検証するために、これらのレコードを使用できます。 |
ValidationAttempts |
このカウンタは、Cisco IME ネットワークでダイヤル番号が見つかったために、Cisco IME サーバが検証実行時に行った試行の合計数を示します。このカウンタは、システム使用の全体的な指標となります。 |
ValidationsAwaitingConfirmation |
このカウンタは、検証された一方で、システムのセキュリティを改善するために、以降のコールを待機している接続先電話番号の合計数を示します。新しいルートを学習するために、より高いレベルのセキュリティを使用する場合、Cisco IME サーバでは、ルートを IP コールで使用できるようにする前に、そのルートの検証が複数回成功する必要があります。このカウンタは、使用可能な IP ルートという結果に至らなかった成功検証の数を追跡します。 |
ValidationsPending |
このカウンタは、学習ルートを取得するためのスケジュール済み検証試行の数(整数)を示します。この値は、Cisco IME サーバ上の Cisco IME サービスの未処理の作業を示します。 値が上限を上回ると、または下限を下回ると、アラートが生成されます。上限に達すると、直後にアラートが送信され、さらに値が上限を下回るまで 1 時間に 1 回アラートが送信されます。上限に達した場合、Cisco IME サービスは、データの期限切れ前に未処理の作業をクリアできません。この状況が原因でレコードが欠落し、検証が実行されない場合があります。負荷を軽減するには、負荷を分担できる Cisco IME サーバを追加します。 |
ValidationsBlocked |
このカウンタは、発信側が信頼済みでないため、つまり、発信側がブラックリストに含まれているため、またはホワイトリストに含まれていないために、Cisco IME サービスが検証試行を拒否した回数を示します。この値は、検証のブロックが原因で、今後 VoIP コールが実行されない回数の指標となります。 |
IME サーバ システムのパフォーマンス
Cisco IME System Performance オブジェクトは、Cisco IME サーバのパフォーマンスに関する情報を提供します。 表 11-3 で、Cisco IME サーバ システムのパフォーマンス カウンタについて説明します。
表 11-3 IME サーバ システムのパフォーマンス
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QueueSignalsPresent 1-High |
このカウンタは、Cisco IME サーバ上のキュー内の高優先順位信号の数を示します。高優先順位信号には、タイムアウト イベント、内部キープアライブ メッセージ、内部プロセス作成などがあります。高優先順位信号イベントが多数あると、Cisco IME サービスのパフォーマンスが低下し、結果として検証が低速になるか、失敗します。このカウンタと QueueSignalsProcessed 1-High カウンタを併用して、Cisco IME サーバでの処理の遅延を確認します。 |
QueueSignalsPresent 2-Normal |
このカウンタは、Cisco IME サーバ上のキュー内の通常優先順位信号の数を示します。通常優先順位信号には、コールの検証、IME 分散キャッシュ操作(保存、読み取りなど)などがあります。通常優先順位イベントが多数あると、Cisco IME サービスのパフォーマンスが低下し、結果として検証が低速になるか、失敗する場合があります。また IME 分散キャッシュに接続できなくなる場合があります。このカウンタと QueueSignalsProcessed 2-Normal カウンタを併用して、Cisco IME サーバでの処理の遅延を確認します。 高優先順位信号の処理は、通常優先順位信号の処理が開始される前に完了するため、遅延が発生した原因を正確に理解するには、高優先順位カウンタを確認します。 |
QueueSignalsPresent 3-Low |
このカウンタは、Cisco IME サーバ上のキュー内の低優先順位信号の数を示します。低優先順位信号には、IME 分散キャッシュ信号、その他のイベントなどがあります。このキュー内の信号の数が多いと、IME 分散キャッシュに接続できない場合、または他のイベントが実行できない場合があります。 |
QueueSignalsPresent 4-Lowest |
このカウンタは、Cisco IME サーバ上のキュー内の最低優先順位信号の数を示します。このキュー内の信号の数が多いと、IME 分散キャッシュに接続できない場合、および他のイベントが実行できない場合があります。 |
QueueSignalsProcessed 1-High |
このカウンタは、Cisco IME サービスが 1 秒間に処理する高優先順位信号の数を示します。このカウンタと QueueSignalsPresent 1-High カウンタを併用して、このキューの処理の遅延を確認します。 |
QueueSignalsProcessed 2-Normal |
このカウンタは、Cisco IME サービスが 1 秒間に処理する通常優先順位信号の数を示します。このカウンタと QueueSignalsPresent 1-High カウンタを併用して、このキューの処理の遅延を確認します。通常優先順位信号の前に高優先順位信号が処理されます。 |
QueueSignalsProcessed 3-Low |
このカウンタは、Cisco IME サービスが 1 秒間に処理する低優先順位信号の数を示します。このカウンタと QueueSignalsPresent 3-Low カウンタを併用して、このキューの処理の遅延を確認します。 |
QueueSignalsProcessed 4-Lowest |
このカウンタは、Cisco IME サービスが 1 秒間に処理する最低優先順位信号の数を示します。このカウンタと QueueSignalsPresent 4-Lowest カウンタを併用して、このキューの処理の遅延を確認します。 |
QueueSignalsProcessed Total |
このカウンタは、Cisco IME サービスが 1 秒間に処理する、すべてのキュー レベル(高、通常、低、および最低)のすべてのキュー信号の合計数を示します。 |
IME クライアント
IME クライアント オブジェクトは、Cisco Unified Communications Manager サーバ上の Cisco IME クライアントに関する情報を提供します。 表 11-4 で、Cisco IME クライアント カウンタについて説明します。
表 11-4 Cisco IME クライアント
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CallsAccepted |
このカウンタは、Cisco Unified Communications Manager が正常に受信し、着信側として応答し、結果として IP コールとなった Cisco IME コールの数を示します。 |
CallsAttempted |
このカウンタは、Cisco IME を通じて Cisco Unified Communications Manager が受信したコールの数を示します。この数には、承認されたコール、失敗したコール、および通話中で応答なしのコールが含まれます。このカウンタは、Cisco Unified Communications Manager が Cisco IME を通じてコールを受信するたびに 1 増えます。 |
CallsReceived |
このカウンタは、Cisco Unified Communications Manager が Cisco IME を通じて受信するコールの数を示します。この数には、承認されたコール、失敗したコール、および通話中で応答なしのコールが含まれます。このカウンタは、コール開始時に 1 増えます。 |
CallsSetup |
このカウンタは、Cisco Unified Communications Manager が正常に送信し、リモート側が応答し、結果として IP コールとなった Cisco IME コールの数を示します。 |
DomainsUnique |
このカウンタは、Cisco IME クライアントが検出したピア企業の固有ドメイン名の数を示します。このカウンタは、システムの全体的な使用状況の指標となります。 |
FallbackCallsFailed |
このカウンタは、失敗したフォールバック試行の合計数を示します。 |
FallbackCallsSuccessful |
このカウンタは、品質の問題が原因で通話中に PSTN にフォールバックされた Cisco IME コールの合計数を示します。このカウンタには、この Cisco Unified Communications Manager が開始したコールおよび受信したコールが含まれます。 |
IMESetupsFailed |
このカウンタは、Cisco IME ルートが使用できた一方で、IP ネットワークを通じてターゲットに接続できなかったことが原因で、PSTN を通じて確立されたコール試行の合計数を示します。 |
RoutesLearned |
このカウンタは、Cisco IME が学習し、Cisco Unified Communications Manager ルーティング テーブル内にルートとして存在する個別の電話番号の合計数を示します。この数が大きくなりすぎると、サーバがクラスタあたりの制限を超過する場合があり、場合によりサーバをクラスタに追加する必要があります。 |
RoutesPublished |
このカウンタは、すべての Cisco IME クライアント インスタンス間の IME 分散キャッシュに正常に発行された DID の合計数を示します。このカウンタが示す動的測定値は、任意のプロビジョニングの使用の指標となります。またこの動的測定値により、ネットワークでシステムによる DID の保存がどの程度成功したか判断できます。 |
RoutesRejected |
このカウンタは、管理者が番号またはドメインをブラックリストに追加したために拒否された学習ルートの数を示します。このカウンタは、検証がブロックされたことが原因で、今後実行できない VoIP コールの数の指標となります。 |
VCRUploadRequests |
このカウンタは、Cisco Unified Communications Manager が Cisco IME サーバに送信した、IME 分散キャッシュに保存する Voice Call Records(VCRs; 音声コール レコード)のアップロード要求の数を示します。 |
IME クライアント インスタンス
IME クライアント インスタンス オブジェクトは、Cisco Unified Communications Manager サーバ上の Cisco IME クライアント インスタンスに関する情報を提供します。 表 11-5 で、Cisco IME クライアント インスタンス カウンタについて説明します。
表 11-5 IME クライアント
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IMEServiceStatus |
このカウンタは、特定の Cisco IME クライアント インスタンス(Cisco Unified Communications Manager)用の Cisco IME サービスへの接続について全体的な正常性を示します。このカウンタは、場合により次の値を示します。 • 0:不明の状態を示します(Cisco IME サービスがアクティブでないことを示す場合があります)。 値が 0 の場合、接続が不明の状態の間、1 時間に 1 回アラートが生成されます。 • 1:健康な状態を示します。つまり、Cisco IME サービスがアクティブであり、Cisco Unified Communications Manager が、Cisco IME クライアント インスタンス用のプライマリ サーバおよびバックアップ サーバ(設定されている場合)への接続を正常に確立したことを示します。 • 2:不健康な状態を示します。つまり、Cisco IME サービスがアクティブである一方で、Cisco Unified Communications Manager が、Cisco IME クライアント インスタンス用のプライマリ サーバおよびバックアップ サーバ(設定されている場合)への接続を正常に確立できなかったことを示します。 |