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この章では、キャンパス環境で Cisco AVVID ネットワークを実装するための設計に関する考慮事項とその推奨事項について説明します。
最近まで、サービス品質(QoS)では、ネットワーク トラフィックのバースト特性やバッファ オーバーフローの可能性は、企業キャンパスでは問題にならないとされていました。ところが、キャンパスでは帯域幅ではなく、バッファリングが問題であることがエンジニアの間で次第に知られるようになりました。したがって、QoS ツールは、損失、遅延、および遅延変動を最小限に抑えるようこれらのバッファを管理する必要があります。図 3-1 では、送信バッファが問題を引き起こす可能性のある領域を示します。
送信バッファは、データ ネットワークに大量の小さい伝送制御プロトコル(TCP)パケットと重なって生じるバーストにより、高速キャンパス ネットワークでその容量いっぱいになる傾向があります。出力バッファが満杯になると、入り口のインターフェイスは、新しいフロー トラフィックを出力バッファに入れることができません。入り口のバッファは、きわめて短時間でいっぱいになりますが、これが満杯になると、パケット ドロップが発生します。通常、これらのドロップは、どの所定のフローでも 1 つのパケットよりも多くなります。先に述べたとおり、パケット喪失があると、音声のクリッピングやスキップが発生します。現在の Cisco デジタル信号プロセッサ(DSP)アルゴリズムは、30 ms の喪失音声に対して修正が行えます。Cisco VoIP テクノロジでは、VoIP パケットあたり 20 ms サンプルの音声ペイロードを使用します。したがって、現在の DSP アルゴリズムでは、喪失が許されるのは、どの所定時間でも 1 つの音声リアルタイム転送プロトコル(RTP)パケットだけです。2 つの連続する音声パケットが喪失すると、音声品質は低下し始めます。図 3-2 では、この状況を示しています。
VoIP トラフィックは、遅延パケットおよびドロップしたパケットの両方から影響を受けます。キャンパスがギガビット イーサネット トランクを使用している限り、キュー バッファのサイズに関係なく、遅延はファクタにはなりません。ギガビット イーサネット トランクは、シリアライゼーション時間がきわめて速いためです。ただし、ドロップは、必ず、キャンパス内の音声品質に影響します。バッファが 100% キャパシティで動作したためにトラフィックがドロップされる可能性を排除する唯一の方法は、送信インターフェイスで複数のキューを使用することです。音声とビデオ(どちらも遅延およびドロップに影響されます)を分離してそれぞれ固有のキューに入れることにより、データ送信バッファがフローでいっぱいになってきていても、入り口のインターフェイスでパケット フローのドロップを防止することができます。図 3-3 では、個々の音声バッファおよびデータ バッファの使用法を示します。
(注) Catalyst スイッチ上の QoS(複数のキュー)をイネーブルにする場合、フロー制御がディセーブルになっているか確認することが必要です。フロー制御は、キューイングがアクティブになる前にポート上で動作することにより、設定済みのキューイング動作に干渉します。フロー制御は、デフォルトではディセーブルとなっています。
スケジューラ プロセスは、様々な方式で各送信キュー(音声およびデータ)を処理できます。最も容易な方式は、ラウンドロビン(RR)アルゴリズムです。これは、キュー 1 から キュー N まで順番に処理します。この方式は、堅固なものではありませんが、きわめて単純で、効果的な方式であるため、支店やワイヤリング クローゼット スイッチ用に使用できます。ディストリビューション レイヤ スイッチは、加重ラウンドロビン(WRR)アルゴリズムを使用します。この場合、優先順位の高いトラフィックにスケジューリング「加重」が付けられます。
もう一つのオプションとしては、パケット遅延およびドロップに影響を受けやすいアプリケーションについてラウンドロビンまたは加重ラウンドロビン スケジューリングを優先順位のスケジューリングと組み合わせる方法があります。この方法では、キュー内にパケットがある場合に必ず最初に処理される優先度キュー(PQ)が使用されます。PQ にフレームがない場合、追加のキューは、RR または WRR を使用してスケジュールされます。
キャンパス ネットワーク内の送信インターフェイス上で実際に必要となるキューの数については、これまで様々に論議されてきました。例えば、サービス クラス(CoS)値ごとにワイヤリング クローゼット スイッチにキューを追加する必要があるのか、ディストリビューション レイヤ スイッチに 8 個のキューを追加する必要があるのか、64 個の Differentiated Services Code Point(DSCP)値のそれぞれについてキューを追加する必要があるのか、といった問題があります。この項では、これらの問題に対処するガイドラインを示します。
第 1 に重要なことは、各ポートのバッファ メモリは有限であることを覚えておくことです。ある単一のキューでは、そのバッファ内のすべてのメモリ アドレスにアクセスが可能です。2 つ目のキューが追加されるとすぐに、合計の有限バッファ容量は、2 つの部分(各キューにつき 1 つずつで)に分割されます。ところで、スイッチに入ってくるパケットかたまりは、バッファ メモリがはるかに少ないので、コンテンションが発生してしまいます。トラフィックがピークに達すると、バッファは満杯になり、パケットは入り口インターフェイスでドロップしてしまいます。現在、使用されているネットワーク トラフィックは TCP ベースのため、パケットがドロップすると、再送信が行われるのでネットワーク輻輳はさらに増幅されます。したがって、キューイングは、慎重に使用し、かつ特定の優先順位トラフィックがパケット遅延およびドロップに影響される場合に限り使用してください。
ワイヤリング クローゼット スイッチには 2 つのキューで十分です。この場合、バッファ管理は、他のレイヤほど重要ではありません。これらのキューの処理方法(ラウンドロビン、加重ラウンドロビン、または優先度キューイング)は、バッファの数ほど重要ではありません。トラフィックの集約量に比べると、スケジューラ プロセスはきわめて高速であるためです。
ディストリビューション レイヤ スイッチは、そのレイヤでフロー集約が発生するために、はるかに複雑なバッファ管理を必要とします。優先度キューが必要であるだけでなく、標準キュー内でしきい値を指定することも必要です。Cisco は、インターフェイス キューの数を頻繁に増やす方ではなく、キュー内で複数のしきい値を使用する方を選びました。先に述べたとおり、キューが設定され、割り当てられるたびに、そのキューと関連付けられたすべてのメモリ バッファはキュー エントランス基準(queue entrance criteria)に適合するフレームでのみ使用されます。次の例は、この概念を示したものです。
Catalyst 4000 10/100 イーサネット ポートに 2 つのキューが設定されているとします。1 つは VoIP(VoIP ベアラおよび制御トラフィック)用で、もう 1 つはデフォルト キューです。これは、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、電子メール、ファイル転送プロトコル(FTP)、ログイン、Windows NT Shares、およびネットワーク ファイル システム(NFS)用に使用されます。128-KB 音声キューは、7:1 の比率で送信と受信に分割されます。送信バッファ メモリは、さらに、4:1 の比率で高優先順位と低優先順位区画に分けられます。デフォルト トラフィック(Web、電子メール、およびファイル共有)がデフォルト キュー(これは 24 KB だけです)を占有し始めると、パケットは入り口インターフェイスでドロップし始めます。これは、VoIP トラフィックがそのキュー バッファのいずれを使用している場合でも発生します。TCP 指向アプリケーションのパケットがドロップすると、こういったアプリケーションはいずれもデータを再送信するため、ネットワークの輻輳した状態がさらに悪化します。1 つのキューで同じシナリオが設定されているが、輻輳を回避するために複数のしきい値が使用されている場合、デフォルト トラフィックは、VoIP 制御トラフィックとバッファ スペース全体を共有します。輻輳中に限り、バッファ メモリ全体が飽和状態に近づくと、優先順位の低いトラフィック(HTTP および電子メール)がドロップします。
この仮説は、Cisco AVVID で複数のキューが回避されることを意味するものではありません。先に述べたとおり、VoIP ベアラ ストリームは、パケット ドロップおよびパケット遅延が音声品質に与える悪影響を除外するために個別のキューを使用する必要があります。ただし、1 つの CoS 値または DSCP 値がそれぞれ固有のキューを取得しないようにしなくてはなりません。結果として生じるデフォルト キューのサイズが小さいため多数の TCP が再送信され、実際にはネットワーク輻輳が増幅するためです。
また、重み付けランダム早期検出(WRED)などの VoIP ベアラ チャネルは、キュー輻輳回避アルゴリズムとしては好ましくない選択肢です。キューしきい値は、事前設定しきい値が指定されている場合に、WRED アルゴリズムを使用してキュー輻輳を管理します。ランダム早期検出(RED)は、バッファ輻輳をモニタリングし、輻輳が増幅し始めると TCP パケットを廃棄することによって機能します。ドロップの結果として、送信エンドポイントがドロップされたトラフィックを検出し、ウィンドウ サイズを調整することによって TCP 送信速度を遅くします。WRED ドロップしきい値は、指定の CoS 値をもつトラフィックがドロップされるバッファ使用率のパーセンテージです。ドロップにより、このバッファは、高優先順位 CoS 値をもつトラフィックに使用できる状態のままにおかれます。ここで重要なことは、アルゴリズム名内の「Random」という単語です。重み付けが設定されていても、WRED はどのフロー内でもパケットを廃棄できます。統計的には、低位の CoS しきい値のパケットからドロップする可能性が高くなります。
トラフィック負荷の高いネットワークでも、ユーザが VoIP を好意的に受け止められるようにしておくのは、制御トラフィックを送信する管理が重要です。このトラフィックの制御が効果を示す例は、Delay to Dial-Tone(DTT)時間に対してです。Cisco IP Phones は、Skinny Station プロトコルを使用して Cisco CallManager と通信します。Cisco IP Phone はオフフックになると、何をすればよいのか Cisco CallManager に「尋ね」ます。すると、Cisco CallManager は、Cisco IP Phone にダイヤル トーンを再生するよう指示します。この Skinny Client プロトコル管理および制御トラフィックがネットワーク内でドロップまたは遅延になると、ユーザの感触に悪影響が及びます。同じような考え方が、ゲートウェイおよび電話のすべてのシグナリング トラフィックにも当てはまります。
この制御および管理トラフィックに必ず「重要」(ただし、実際の RTP ストリームほど重要ではない)というマーキングがされるようにするために、アクセス制御リスト(ACL)を使用して、レイヤ 3/4 についてイネーブルな Catalyst 5000 および 6000 スイッチ上でこれらのストリームが分類されます。Cisco IOS ルータが最初のレイヤ 3 または 4 アクセス ポイントである設計では、ACL が使用されます。これらの設定の例を、第 5 章「ワイドエリア ネットワークの実装」に示してあります。
図 3-4 では、ディストリビューション レイヤにアクセスできるようにするアクセス レイヤ スイッチを持つ、一般的なサーバ ファーム設計を示します。
Cisco CallManager は TCP ポート 2000 ~ 2002 を使用して IP 電話およびゲートウェイと通信します。次の例示コマンドは、IP 電話およびゲートウェイ(VLAN 110)と Cisco CallManager(4/2)からすべての Skinny プロトコル トラフィックを DSCP 26(IP Precedence 3 とバックワード コンパティビリティがある AF31)として分類します。
(注) リリース 3.0(5) から、Cisco CallManager には、Cisco CallManager、IP 電話、および Skinny プロトコル ゲートウェイ(AT および AS モデル アナログ ゲートウェイはこれには含まれません)からのすべての VoIP 制御および管理トラフィックについて CoS および ToS 値を設定する能力が組み込まれています。現在、このユーザ設定可能な分類があれば、Skinny プロトコル VoIP 制御トラフィックにマーキングするのにネットワーク要素アクセス リストは不要です。H.323 およびメディア ゲートウェイ コントロール プロトコル(MGCP)トラフィックでは、まだ今後数ヶ月間は、外部ネットワーク要素マーキングが必要です。
2. アクセス制御リスト(ACL_IP-PHONES)を作成し、IP 電話および 26 という DSCP 値(AF31)を持つ Skinny プロトコル ゲートウェイからのすべての Skinny クライアントおよびゲートウェイ プロトコル トラフィックにマーキングする。
3. ACL_IP-PHONE アクセス リストに追加し、IP 電話からのすべての DSCP マーキングをトラストする。この場合、ToS=5 RTP トラフィックは再作成されません。
4. アクセス制御リスト(ACL_VOIP_CONTROL)を作成し、26 という DSCP 値(AF31)を持つ Cisco CallManager からのすべての Skinny クライアントおよびゲートウェイ プロトコル トラフィックにマーキングする。
5. 着信レイヤ 2 CoS 分類を受け入れる。(現在の 10/100 バージョン 「1」ライン カードは、たとえパーサがエラーを返した場合でも trust-cos がイネーブルになる必要があります。
6. ポートに対して、そのポートに関連付けられているすべての QoS が VLAN ベースで行われるように通知する。
7. IP 電話に対して、IP 電話イーサネット ASIC 内で CoS を PC から CoS=0 に作成し直すよう指示する。
8. Cisco CallManager ポート(4/2)に対して、そのポートと関連付けられたすべての QoS がポート ベースで行われることを通知する。
10. ACL_IP-PHONE アクセス制御リストを補助 VLAN にマップする。
11. ACL_VOIP_CONTROL アクセス制御リストを Cisco CallManager ポートにマップする。
cat6k-access> (enable) set qos enable
cat6k-access> (enable) set qos acl ip ACL_IP-PHONES dscp 26 tcp any any range 2000 2002
cat6k-access> (enable) set qos acl ip ACL_IP-PHONES trust-cos ip any any
cat6k-access> (enable) set qos acl ip ACL_VOIP_CONTROL dscp 26 tcp any any range 2000 2002
cat6k-access> (enable) set port qos 5/1-48 trust trust-cos
cat6k-access> (enable) set port qos 5/1-48 vlan-based
cat6k-access> (enable) set port qos 5/1-48 trust-ext untrusted
cat6k-access> (enable) set port qos 4/2 port-based
cat6k-access> (enable) commit qos acl all
cat6k-access> (enable) set qos acl map ACL_IP-PHONES 110
Cisco CallManager は、TCP ポート 1720(H.225)および 11xxx(H.245)を使用して H.323 ゲートウェイと通信します。次のコマンドの例では、Cisco CallManager(4/2)および H.323 ゲートウェイ(4/3)から H.323 を DSCP 26(IP Precedence 3 とバックワード コンパティビリティがある AF31)として分類します。
cat6k-access> (enable) set qos acl ip ACL_VOIP_CONTROL dscp 26 tcp any any eq 1720
cat6k-access> (enable) set qos acl ip ACL_VOIP_CONTOL dscp 26 tcp any any range 11000 11999
cat6k-access> (enable) set port qos 4/2 port-based
cat6k-access> (enable) set port qos 4/3 port-based
cat6k-access> (enable) commit qos acl ACL_VOIP_CONTROL
cat6k-access> (enable) set qos acl map ACL_VOIP_CONTROL 4/2
Cisco CallManager は、ユーザ データグラム プロトコル(UDP)ポート 2427 を使用してメディア ゲートウェイ コントロール プロトコルと通信します。次のコマンドの例では、Cisco CallManager(4/2)および MGCP ゲートウェイ(4/4)から MGCP 制御トラフィックを DSCP 26(IP Precedence 3 とバックワード コンパティビリティを持つ AF31)として分類します。
cat6k-access> (enable) set qos acl ip ACL_VOIP_CONTROL dscp 26 udp any any eq 2427
cat6k-access> (enable) set port qos 4/2 port-based
cat6k-access> (enable) set port qos 4/4 port-based
cat6k-access> (enable) commit qos acl ACL_VOIP_CONTROL
cat6k-access> (enable) set qos acl map ACL_VOIP_CONTROL 4/2
cat6k-access> (enable) set qos acl map ACL_VOIP_CONTROL 4/4
例3-1 では、アクセス制御リスト(ACL)が正しい VLAN およびポートに接続されていることを確認するためのコマンドとその関連出力を示します。
Cisco AVVID ソリューションの最もよく知られたキャンパス設定の 1 つとして、ワイヤリング クローゼットとディストリビューションおよびコア レイヤの両方で Catalyst 6000 スイッチを使用する設定があります。これには、次のような理由があります。
• Catalyst 6000 は、インライン電源を IP 電話に供給できる。
• Catalyst 6000 は、最高の成長潜在能力を提示する。
• Catalyst 6000 は、Cisco 製品ラインで最高性能のレイヤ 2/3 キャンパス QoS ツールをサポートする。
図 3-5 では、本書で説明されている Catalyst 6000 QoS 設定の一般的なモデルを示します。
図 3-5 Catalyst 6000 QoS 設定の一般的なモデル
Catalyst 6000 は、ポリシー機能カード(PFC)ドーター カードの追加により、レイヤ 2、3、および 4 QoS 問題を本質的に扱うことができます。PFC を使用して、パケット分類とマーキング、スケジューリング、レイヤ 2 またはレイヤ 3 および 4 ヘッダー情報に基づく輻輳回避など、拡張 QoS ツールをイネーブルにできます。しきい値を持つ複数の受信および送信キューを設定し、スイッチに設定された QoS ポリシー ルールに従って使用できます。
Catalyst 6000 には、2 つのバージョンの Supervisor Engines、Sup1 と Sup1A があります。Catalyst 6000 ライン カードも 2 つのバージョンがあり、2 番目のものは「A」製品番号でも示されます。すべての Catalyst 6000 イーサネット モジュールは、4 つのしきい値と、それぞれ 2 つのしきい値を持つ 2 つの送信キューを使用して 1 つの受信キューをサポートします。「A」カードには、入り口のインターフェイスと出力インターフェイスの両方に対して追加の優先度キューを提供する拡張 QoS 機能が組み込まれています。これらのキューは、加重ラウンドロビン(WRR)方式で処理されます。ただし、優先度キューの場合は例外です。これは、フレームがキューに入るとすぐに処理されます。ポートがどのように設定されているのかを見るためには、 show port capabilities <mod/port> CatOS コマンドを出します。ポートのデフォルトの QoS ケイパビリティは、 set qos map <port_type> rx | tx <queue#> <threshold#> および set qos wred-threshold コマンドを使用して変更できます。キュー しきい値を変更する場合、優先順位の高いキューほど、大きな数値を持つことに注意してください。
Catalyst 6000 送信インターフェイスのスケジューリングは、WRR アルゴリズムによって管理されます。各キューには、ユーザ設定可能加重が与えられます。デフォルトでは、(優先順位の)「高い」キューにはスケジューラ時間の 98% が与えられ、「低い」キューには 2% が与えられます。この比率により、結果的に、低遅延トレランスを持つパケットはキュー内では遅延されないことになります。これもまた、(優先順位の)「低い」キューにインターフェイス バッファ全体の大部分のパーセンテージが与えられる理由です。優先度キュー(PQ)が設定されると、常に、それが最初に処理されます。PQ にフレームがない場合、WRR は他の 2 つのキューをスケジュールし始めます。
この項では、Catalyst 6000 上でのポート スケジューリングおよびキューイングのための推奨設定をいくつか示します。
優先度キューが必要かにより、受信インターフェイスには、可能な設定が 2 つあります。
すべての 10/100/1000 Mbps モジュールで使用可能
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1 つの優先度キュー(PQ)と、4 つのドロップしきい値を持つ 1 つの標準キュー。
ライン カードに応じて、10/100/1000 Mbps モジュールの特定のバージョンでのみ使用可能。
デフォルトでは、すべての CoS フレームは PQ に入れられます。この場合、厳密な優先順位スケジューリング アルゴリズムが使用されます。
標準キュー内のドロップしきい値のデフォルト値は、次のとおりです。
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優先度キューが必要かどうかにより、送信インターフェイスには、可能な設定が 2 つあります。
2 つのドロップしきい値を持つ 2 つの標準キュー。高優先度キューには合計キュー サイズの 20% が割り当てられ、低優先度キューには合計キュー サイズの 80% が割り当てられます。
すべての 10/100/1000 Mbps モジュールで使用可能
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1 つの優先度キュー(PQ)と、2 つのドロップしきい値を持つ 2 つの標準キュー デフォルトでは、すべての CoS 5 フレームは PQ に入っています。この場合、この PQ が最初に処理され、PQ が空の場合、残りのキューでは WRR が使用されるという、厳密な優先順位スケジューリング アルゴリズムが使用されます。PQ には、高優先度キューの場合と同様、合計キュー サイズの 15 % が割り当てられます。低優先度キューには、合計キュー サイズの 70% が割り当てられます。
ライン カードに応じて、10/100/1000 Mbps モジュールの特定のバージョンでのみ使用可能
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IP 電話をワイヤリング クローゼット スイッチに接続(第 2 章「IP 電話の接続」を参照)したら、スイッチで QoS パラメータを設定します。これには、すべてのポート上での複数のキューのセットアップ、キューへのアクセスの設定、トラフィック ドロップのしきい値の設定、およびディストリビューションまたはコア レイヤへのスイッチの接続が含まれます。次の項では、これらのステップについて詳しく説明します。
図 3-6 に示されているとおり、IP 電話に接続するのに単一のケーブルを使用する場合、アクセス ポートは、接続されている PC ではなく、IP 電話をトラストするよう設定されます。ポートは、複数の送信キューも使用するよう設定されます。送信キューのうち、1 つは音声トラフィック用の優先度キューです。
次のコマンドで、これらの機能を実行することにより、アクセス レイヤ Catalyst 6000 上で QoS をイネーブルにします。
2. ポートと関連付けられているすべての QoS が VLAN ベースで行われることをポートに通知する。
3. IP 電話に、IP 電話イーサネット ASIC 内で CoS を PC から CoS=0 に作成し直すよう指示する。
4. 着信レイヤ 2 CoS 分類を受け入れる。(現在の 10/100 バージョン 「1」ライン カードは、たとえパーサがエラーを返した場合でも trust-cos がイネーブルになる必要があります。
5. 着信レイヤ 3 ToS 分類(10/100 ポートでのみ必要)を受け入れるアクセス リストを作成する。
QoS が Catalyst 6000 アクセス レイヤ スイッチ上でイネーブルになっていると、大幅な輻輳期間中に正常なコール制御を確保するために、次のコマンドを使用して、すべての CoS=3(VoIP 制御)トラフィックを小さいドロップしきい値で 2 番目の送信キューに入れることができます。すべての CoS=5(VoIP RTP ベアラ)トラフィックは、2 番目のキューに自動的に入れられます。
サービス品質(QoS)を実装する基本的なプロセスの 1 つとして、設定が予想通りに実際に実行しているかどうかを検証することができます。Catalyst 6000 アクセス レイヤ スイッチで、次のコマンドの出力を調べることにより、高輻輳期間中の設定性能を検証できます。
このコマンドは、指定されたポートの QoS 設定を示します。例3-2 を参照してください。
• show qos info runtime <mod/port>
このコマンドは、指定されたポートの QoS 実行時情報を示します。例3-3 を参照してください。
このコマンドは、指定されたポートのメディア アクセス制御(MAC)情報を示します。例3-4 を参照してください。
このコマンドは、すべてのポートの要約 QoS 統計情報を示します。例3-5 を参照してください。
このコマンドは、指定されたポートの詳細な QoS 統計情報を示します。例3-6 を参照してください。
cat6k-access> (enable) sh port qos 5/1
QoS policy source for the switch set to local.
Port Interface Type Interface Type Policy Source Policy Source
----- -------------- -------------- ------------- -------------
5/1 vlan-based vlan-based COPS local
Port TxPort Type RxPort Type Trust Type Trust Type Def CoS Def CoS
----- ------------ ------------ ------------ ------------- ------- -------
5/1 2q2t 1q4t trust-cos trust-cos* 0 0
(*)Runtime trust type set to untrusted.
----- -------------------------------- ----
----- -------------------------------- ----
cat6k-access> (enable) sh mac 5/1
Port Rcv-Unicast Rcv-Multicast Rcv-Broadcast
-------- -------------------- -------------------- --------------------
Port Xmit-Unicast Xmit-Multicast Xmit-Broadcast
-------- -------------------- -------------------- --------------------
-------- -------------------- --------------------
"Out-Discards" are packets drooped due to congestion in the tx interface buffers
MAC Dely-Exced MTU-Exced In-Discard Out-Discard
-------- ---------- ---------- ---------- -----------
cat6k-access> (enable) sh qos stat l3
VoIP Control packets that have been re-written with CoS=3/DSCP=26 (AF31)
Packets dropped due to policing: 0
IP packets with ToS changed: 1885
IP packets with CoS changed: 781
Non-IP packets with CoS changed: 0
すべてのアクセス ポート キューイングを設定したら、ディストリビューション/コア スイッチへのアップリンク インターフェイスも設定する必要があります。これには、トランク ポート(この例では 1/1)に着信するイーサネット フレームについてトラストをイネーブルにし、CoS からキューへのマッピング入力基準を操作し、CoS 値および IP Precedence 値を適切な DSCP 値にマップすることが必要です。これを行う手順については、次の項で概説します。
IP 電話が Cisco CallManager とは別の VLAN に入っている場合、追加の設定が必要です。レイヤ 3 スイッチングのためにマルチレイヤ スイッチ フィーチャ カード(MSFC)にパケットが送信されたときにはいつでも、CoS は 0 に設定されます。ほとんどの設定は MSFC がディストリビューション レイヤ スイッチに入っているため、アクセス レイヤ スイッチは、ディストリビューション レイヤからのアップリンク トランク上のすべての DSCP タギングをトラストする必要があります。これにより、DSCP マーキングが保持され、ワイヤリング クローゼット スイッチ内の DSCP と CoS 間のレイヤ 3 分類に使用できます。レイヤ 2 アップリンクに trust-cos を、レイヤ 3 アップリンクに trust-dscp を使用します。たとえば、次のとおりに使用します。
すべての VoIP(CoS=5)トラフィックは、QoS をイネーブルすると即時に、1p2q2t インターフェイス上では出力インターフェイス優先度キューに、2q2t インターフェイス上ではキュー 2 に入れられます。ただし、CoS=3(VoIP 制御)トラフィックが必ず 2 番目のキューに入れられるように、Catalyst 6000 CoS キュー許可ルールを設定するという追加のステップを実行する必要があります。この設定を実行するには、次のコマンドを使用します。
シスコでは、VoIP コントロール プレーン トラフィックと VoIP ベアラまたはメディア プレーン トラフィックの両方について DSCP 分類値を設定するためのインターネット技術特別調査委員会(IETF)勧告に従っています。推奨設定は、VoIP コントロール プレーンについては DSCP=AF31、VoIP ベアラ プレーンについては DSCP=EF です。レイヤ 2 CoS およびレイヤ 3 IP Precedence 設定をこれらの DSCP 値に正しくマップするには、次のように、デフォルトの CoS/ToS から DSCP へのマッピングを修正する必要があります。
CoS および ToS 設定が DSCP 値に正しくマップされることを検証するには、次の 2 つのコマンド(それぞれの関連する出力と一緒に示されています)を使用します。
Cisco AVVID ネットワークのよく知られている別のキャンパス設定は、ワイヤリング クローゼットで Catalyst 2948G、2980G、および 4000 シリーズのスイッチを使用します。これには、次のような理由があります。
• Catalyst 4006 は、インライン電源を IP 電話に供給できる。
• Catalyst 4000 は、ポート当たりきわめて低価格を実現する。
• これらのスイッチは、きわめてスケーラブルな高速スイッチングを提供する。
CatOS リリース 5.2 から、Catalyst 4000 ラインは、各インターフェイスで二重送信をサポートします。キューへの許可は、レイヤ 2 CoS マーキングに基づいており、802.1p ユーザ プライオリティのペアで設定可能です。
この項では、Catalyst 4000 上でのポート スケジューリングおよびキューイングのための推奨設定をいくつか示します。
1 つのしきい値を持つ 2 つの標準キュー。スケジューリングは、ラウンドロビン(RR)ベースで行われます。キューへの許可は、802.1p CoS 値に基づいており、ペアでユーザ設定可能です。QoS をイネーブルにするが、CoS から送信キューへのマッピングを修正しない場合、すべてのトラフィックがキュー 1 に割り当てられるため、スイッチ性能に影響する可能性があります。
(注) QoS が Catalyst 4000 でイネーブルになったら、新たに作成されたキューを利用するよう CoS マッピングを変更する必要があります。
Catalyst 4000 のデフォルトのキュー許可基準は、次のとおりです。
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図 3-7 では、本書で説明されている Catalyst 4000 QoS 設定の一般的なモデルを示します。
図 3-7 Catalyst 4000 QoS 設定の一般的なモデル
デフォルトでは、スイッチの Catalyst 4000 ラインでイネーブルになるキューは 1 つだけです。CatOS Release 5.5.1 内の 2 番目のキューを使用できるようにするには、 set qos map コマンドを使用します。VoIP 制御(CoS=3)フレームは、Catalyst 4000 の 2 番目のキューに入れる必要があります。Catalyst 4000 は最初の 2 つの CoS ビットのみを調べるため、これらのマップは、CoS 値のペアで設定する必要があります。たとえば、次のように設定します。
Catalyst 4000 でのキュー許可設定を検証するには、次のコマンド(その関連出力と一緒に示されています)を使用します。
CatOS リリース 5.5.1 では、Catalyst 4000 ラインでは、拡張 IP 電話キューイング機能を提供していません。このため、Catalyst 4000 は、IP 電話でのデフォルトの CoS マーキングおよび強制に依存します。詳しくは、第 2 章「IP 電話の接続」を参照してください。
リンクの Catalyst 4000 側(アクセス レイヤ Catalyst 4000 からディストリビューション レイヤ Catalyst 6000 まで)で特別なキューイングまたはスケジューリング コマンドを設定する必要はありません。QoS がイネーブルになっており、分類およびキュー許可が設定されると、キューイングは自動的にイネーブルになるためです。
Catalyst 4000 をレイヤ 3 エンジン(スイッチについて IP、IPX、および Multicast ルーティングをイネーブルにする WS-X4232)と一緒に使用している場合、その他のアップリンク設定を実行できます。レイヤ 3 エンジンは、Catalyst 4000 をイネーブルにして、2 ギガビット アップリンクにおける入力基準の IP 優先順位に基づいて 4 つの送信キューをサポートします。この 4 つのキューは、ユーザ設定可能 WRR アルゴリズムを使用してスケジュールされます。この場合、送信インターフェイス設定は、次のとおりです。
1 つのしきい値を持つ 4 つの標準キュー。スケジューリングは、ラウンドロビン(RR)ベースで行われます。キューへの許可は、802.1p CoS 値に基づいており、ペアでユーザ設定可能です。
(注) QoS が Catalyst でイネーブルになったら、新たに作成されたキューを利用するよう CoS マッピングを変更する必要があります。レイヤ 3 キューの番号付けはレイヤ 2 の番号付けの逆であることに注意してください。
Catalyst 4000 のデフォルトのレイヤ 3 1000-Mbps アップリンク キュー許可基準は、次のとおりです。
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Catalyst 2900 および Catalyst 3500 シリーズの Cisco AVVID 機能は、12.0(5)XU という最小限の Cisco IOS リリースがあると、IP 電話とのインタラクションを許可して、CoS マーキング ルールを拡張できるようになります。さらに、Catalyst 2900 XL および 3500 XL スイッチは、ポートごとにデフォルトの CoS 優先順位を設定することにより、入力ポートでタグなしパケットを分類できます。ただし、これらのスイッチ(3548 X を除く)は、タグ付きパケットを再分類することはできないため、802.1p 優先順位のみを有効とし、パケットを適切な送信キューに入れます。8 MB DRAM を備えたすべての Catalyst 3500 スイッチおよびすべての Catalyst 2900 XL スイッチは、これらの QoS 機能をサポートします。4 MB DRAM を備えた Catalyst 2900 XL は QoS 機能をサポートしません。
この項では、Catalyst 3500 上でのポート スケジューリングおよびキューイングのための推奨設定をいくつか示します。
10/100 ポート用の送信インターフェイスの推奨設定は、次のとおりです。
1 つのドロップしきい値を持つ 2 つの標準キュー。スケジューリングは、優先順位スケジューリング ベースで行われます。キューへの許可は 802.1p CoS またはポート優先順位 CoS 値に基づいており、ユーザ設定可能ではありません。
Catalyst 3500 のキュー許可基準は、次のとおりです。
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ギガビット イーサネット ポート用の送信インターフェイスの推奨設定は、次のとおりです。
1 つのドロップしきい値を持つ 8 個の標準キュー。現在のところ、使用されるキューは 2 つだけです。スケジューリングは、優先順位スケジューリング ベースで行われます。キューへの許可は 802.1p またはポート優先順位 CoS 値に基づいており、ユーザ設定可能ではありません。
ギガビット イーサネット キュー許可基準は、次のとおりです。
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図 3-8 では、本書で説明されている Catalyst 3500 QoS 設定の一般的なモデルを示します。
図 3-8 Catalyst 3500 QoS 設定の一般的なモデル
IP 電話を取り付けるのに単一のケーブルを使用する場合、アクセス ポートは、接続されている PC ではなく、IP 電話をトラストするよう設定されます。ポートは、すべてのインターフェイスで複数の送信キューを使用するように設定されます。
IP 電話ポート キューイングを設定するためのコマンドは、次のとおりです。
Catalyst 3500 XL シリーズ スイッチのワイヤリング クローゼット設定用の推奨設計は、Catalyst 3524 PWR XL が Catalyst 3508 に接続されたスタートポロジです。これには、ディストリビューション レイヤ Catalyst 6000 スイッチへの二重アップリンクがあります。これらのアップリンクは、アップリンク全体にまたがったギガビット イーサネット リンク負荷バランシング VLAN であり、高速レイヤ 2 輻輳用の UplinkFast を使用して設定されます。
(注) Catalyst 3500 シリーズ GigaStack 設定は、基本的に共有メディア アクセス モデルであるため、保証音声 QoS を提供できません。
アクセス スイッチを設定し、それをディストリビューション レイヤに接続した後で、ディストリビューション スイッチ上でサービス品質(QoS)をセットアップする必要があります。これには、ディストリビューション スイッチの設定に対して次のように変更することが必要です。
• レイヤ 3 アクセス スイッチを使用してディストリビューション レイヤを設定する。
–アクセス レイヤからトラスト ToS および DSCP をイネーブルにする。
• レイヤ 2 アクセス スイッチを使用してディストリビューション レイヤを設定する。
–アクセス レイヤからトラスト CoS および DSCP をイネーブルにする。
–VoIP 制御トラフィック分類用にレイヤ 3 アクセス リストを設定する。
• Cisco 7200 WAN ルータへの接続を設定する。
図 3-9 では、これらの Catalyst 6000 ディストリビューション レイヤ設定の一般的なモデルを示します。これらの設定については、次の項で説明します。
図 3-9 Catalyst 6000 ディストリビューション レイヤ設定の一般的なモデル
QoS がイネーブルになると即時に、すべての VoIP(CoS=5)トラフィックは、(10/100 ライン カードのすべてのバージョン「1」について)1p2q2t インターフェイス上では出力インターフェイス優先度キューに、2q2t インターフェイス上ではキュー #2に入れられます。CoS=3 トラフィック フロー(VoIP 制御トラフィック)が必ず 2 番目のキューに入れられるように、Catalyst 6000 CoS キュー許可ルールを設定するという追加のステップも実行する必要があります。
ディストリビューション レイヤ スイッチ上で QoS をイネーブルにし、デフォルトのキュー許可を修正すると、レイヤ 3 についてイネーブルなアクセス レイヤ スイッチとの統合を完了するためにさらに 2 つの設定ステップを行う必要があります。
トラスト DSCP 値を隣接するレイヤ 3 アクセス スイッチからイネーブルにします。トランキング ポート上ではポート ベースの QoS を使用し、 trust-cos の代わりに trust-dscp を使用します。これは、 trust-cos
は、マップされた CoS でレイヤ 3 DSCP を上書きするので、アクセス レイヤで分類が行われるまでこれを行う必要がないためです。
シスコでは、VoIP コントロール プレーン トラフィックと VoIP ベアラまたはメディア プレーン トラフィックの両方について DSCP 分類値を設定するためのインターネット技術特別調査委員会(IETF)勧告に従っています。推奨設定は、VoIP コントロール プレーンについては DSCP=AF31、VoIP ベアラ プレーンについては DSCP=EF です。レイヤ3 IP Precedence 設定をこれらの DSCP 値に正しくマップするには、次のように、デフォルトの ToS から DSCP へのマッピングを修正する必要があります。
ディストリビューション レイヤ スイッチで QoS をイネーブルにし、デフォルトのキュー許可を修正したら、レイヤ 2 アクセス スイッチとの統合を完了するためにさらに 3 つの設定ステップを行う必要があります。
• アクセス レイヤからトラスト CoS をイネーブルにする。
• VoIP 制御トラフィック分類用にレイヤ 3 アクセス リストを設定する。(「マーキング制御および管理トラフィック」を参照)
CoS 値についてのトラストを隣接するレイヤ 2 アクセス スイッチからイネーブルにします。トランキング ポート上では vlan-based QoS を使用し、 trust-dscp の代わりに trust-cos を使用します。この設定は、アクセス レイヤ スイッチが、CoS 分類を行うレイヤ 2 装置にすぎない場合に使用されます。
シスコでは、VoIP コントロール プレーン トラフィックと VoIP ベアラまたはメディア プレーン トラフィックの両方について DSCP 分類値を設定するための IETF 勧告に従っています。推奨設定は、VoIP コントロール プレーンについては DSCP=AF31、VoIP ベアラ プレーンについては DSCP=EF です。レイヤ 2 設定をこれらの DSCP 値に正しくマップするには、次のように、デフォルトの CoS から DSCP へのマッピングを修正する必要があります。
VoIP 制御トラフィック分類用にレイヤ 3 アクセス制御リストを設定するには、次のコマンド(その関連出力と一緒に示されています)を使用します。「マーキング制御および管理トラフィック」からの ACL_IP-PHONES アクセス リストも使用してください。
cat6k-distrib> (enable) set port qos 1/2,3/2 vlan-based
cat6k-distrib> (enable) set qos acl map ACL_IP-PHONES 111
cat6k-distrib> (enable) sh qos acl map run ACL_IP-PHONES
-------------------------------- ---- ---------------------------------
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cat6k-distrib> (enable) sh qos acl info run ACL_IP-PHONES
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1. dscp 26 tcp any any range 2000 2002
2. dscp 26 tcp any any eq 1720
3. dscp 26 tcp any any range 11000 11999
4. dscp 26 udp any any eq 2427
(注) リリース 3.0(5) から、Cisco CallManager には、Cisco CallManager、IP 電話、および Skinny プロトコル ゲートウェイ(AT および AS モデル アナログ ゲートウェイはこれには含まれません)からのすべての VoIP 制御および管理トラフィックについて CoS および ToS 値を設定する能力が組み込まれています。このユーザ設定可能な分類があれば、Skinny プロトコル VoIP 制御トラフィックにマークを挿入するのにネットワーク要素アクセス リストは不要です。H.323 およびメディア ゲートウェイ コントロール プロトコル(MGCP)トラフィックでは、まだ今後数ヶ月間は、外部ネットワーク要素マーキングが必要となります。
Cisco 7200 WAN ルータへの接続を設定するには、次のコマンドを使用します。
(注) 現在の 10/100 バージョン「1」ライン カードは、パーサがエラーを返した場合でも、trust-ipprec がイネーブルになっている必要があります。
cat6k-distrib> (enable) set port qos 9/1 port-based
cat6k-distrib> (enable) set port qos 9/1 trust trust-ipprec
cat6k-distrib> (enable) set qos acl ip ACL_TRUST-WAN trust-ipprec any
cat6k-distrib> (enable) commit qos acl ACL_TRUST-WAN
cat6k-distrib> (enable) set qos acl map ACL_TRUST-WAN 9/1
cat6k-distrib> (enable) sh port qos 9/1
QoS is enabled for the switch.
QoS policy source for the switch set to local.
Port Interface Type Interface Type Policy Source Policy Source
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9/1 port-based port-based COPS local
Port TxPort Type RxPort Type Trust Type Trust Type Def CoS Def CoS
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9/1 2q2t 1q4t trust-ipprec trust-ipprec 0 0
(*)Runtime trust type set to untrusted.
----- -------------------------------- ----
アクセス スイッチを設定し、それをディストリビューション レイヤに接続した後で、ディストリビューション スイッチ上でサービス品質(QoS)をセットアップする必要があります。これには、ディストリビューション スイッチの設定に対して次のように変更することが必要です。
• レイヤ 3 アクセス スイッチを使用してディストリビューション レイヤを設定する。
–アクセス レイヤからトラスト ToS および DSCP をイネーブルにする。
• レイヤ 2 アクセス スイッチを使用してディストリビューション レイヤを設定する。
–アクセス レイヤからトラスト CoS および DSCP をイネーブルにする。
–VoIP 制御トラフィック分類用に QoS ポリシーおよびレイヤ 3 アクセス リストを設定する。
図 3-10 では、Catalyst 6000 ディストリビューション レイヤ スイッチ上で Native Cisco IOS を実行する設定の一般的モデルを示します。設定の詳細については、これ以降の項で説明します。
図 3-10 Catalyst 6000 ディストリビューション レイヤ スイッチ上で実行する Native Cisco IOS の一般的なモデル
Native Cisco IOS を使用して Catalyst 6000 上で QoS をイネーブルにするには、次のコマンドを使用します。
QoS がイネーブルになると即時に、すべての VoIP(CoS=5)トラフィックは、(10/100 ライン カードのすべてのバージョン「1」について)1p2q2t インターフェイス上では出力インターフェイス優先度キューに、2q2t インターフェイス上ではキュー #2に入れられます。CoS=3 トラフィック フロー(VoIP 制御トラフィック)が必ず 2 番目のキューに入れられるように、Catalyst 6000 CoS キュー許可ルールを設定するという追加のステップも実行する必要があります。
Native Cisco IOS ディストリビューション レイヤ スイッチ上で QoS をイネーブルにし、デフォルトのキュー許可を修正すると、レイヤ 3 についてイネーブルなアクセス レイヤ スイッチとの統合を完了するために、さらに 2 つの設定ステップを行う必要があります。
トラスト DSCP 値を隣接するレイヤ 3 アクセス スイッチからイネーブルにします。とランキング ポート上ではポート ベースの QoS を使用し( mls qos が設定された場合、ポート ベース QoS はデフォルトではイネーブルです)、CatOS trust-dscp の代わりに mls qos trust dscp を使用します。
(注) 分類は、必ず、このモデルのアクセス レイヤで設定されています。
シスコでは、VoIP コントロール プレーン トラフィックと VoIP ベアラまたはメディア プレーン トラフィックの両方について DSCP 分類値を設定するための IETF 勧告に従っています。推奨設定は、VoIP コントロール プレーンについては DSCP=AF31、VoIP ベアラ プレーンについては DSCP=EF です。レイヤ3 IP Precedence 設定をこれらの DSCP 値に正しくマップするには、デフォルトの ToS から DSCP へのマッピングを修正する必要があります。
(注) 26 および 46 という Catalyst 6000 数値は、それぞれ DSCP=AF31 および DSCP=EF と相関関係があります。これは、グローバル設定モードで行われます。
ディストリビューション レイヤ スイッチで QoS をイネーブルにし、デフォルトのキュー許可を修正したら、レイヤ 2 アクセス スイッチとの統合を完了するためにさらに 3 つの設定ステップを行う必要があります。
• アクセス レイヤからトラスト CoS をイネーブルにする。
• VoIP 制御トラフィック分類用にレイヤ 3 アクセス リストを設定する。(「マーキング制御および管理トラフィック」を参照)
CoS 値についてのトラストを隣接するレイヤ 2 アクセス スイッチからイネーブルにします。トランキング ポート上でポート ベース QoS を使用し、CatOS trust-cos の代わりに Native IOS コマンド mls qos trust cos を使用します。この設定は、アクセス レイヤ スイッチが、CoS 分類を行うレイヤ 2 装置にすぎない場合に使用されます。
シスコでは、VoIP コントロール プレーン トラフィックと VoIP ベアラまたはメディア プレーン トラフィックの両方について DSCP 分類値を設定するための IETF 勧告に従っています。推奨設定は、VoIP コントロール プレーンについては DSCP=AF31、VoIP ベアラ プレーンについては DSCP=EF です。レイヤ 2 設定をこれらの DSCP 値に正しくマップするには、デフォルトの CoS から DSCP へのマッピングを修正する必要があります。
(注) 26 および 46 という Catalyst 6000 数値は、それぞれ DSCP=AF31 および DSCP=EF と相関関係があります。これは、グローバル設定モードで行われます。
Native Cisco IOS Catalyst 6000 の QoS 設定は、WAN ルータ Cisco IOS 設定ときわめてよく似ています。ただし、例外として、トラフィック フローにマーキングし、VLAN インターフェイスにサービス ポリシーを適用するためにはポリシー設定を使用します。物理ギガビット イーサネット アップリンク ポートは、 mls qos vlan-based Native Cisco IOS インターフェイス コマンドを使用して VLAN ベースの QoS を使用するよう設定されます。最終的に、 service-policy はアップリンク上のすべての VLAN トラフィック着信に適用されます。
次の例では、3 つのクラスが定義されます。1 つは VoIP メディア ストリーム用で、もう 1 つは制御トラフィック用、最後の 1 つはその他すべてのトラフィック用です。トラフィックは、レイヤ 3 または 4 発信元および宛先 IP アドレスおよびポートに基づいて、これらのクラスを求めてフィルタに掛けられます。これらのクラスはいずれも、 Voice-QoS ポリシー マップ内で参照されます。 policy-map ステートメントでは、ポリシー設定機能を使用して、 class-map アクセス リストと一致した入力基準に適合するすべてのトラフィックが分類されます。
(注) Catalyst 6000 Native Cisco IOS ソフトウェアは、set ip dscp コマンドをサポートしません。その代わり、トラフィックの分類にはポリシー設定アルゴリズムが使用されます。
このシナリオでは、ポリシー設定コードは、VoIP トラフィックについては AF31、VoIP メディア トラフィックについては EF、その他のパケットについては 0 という DSCP 値を持つトラフィック フローにタグを付けます。「8000」フローのサイズは小さいため、いずれのトラフィックも、構文 conform-action set-dscp-transmit 26 を使用したタギングが必要です。
class-map match-all VoIP-Control
police 8000 8000 8000 conform-action set-dscp-transmit 26 exceed action transmit
police 8000 8000 8000 conform-action set-dscp-transmit 46 exceed-action transmit
police 8000 8000 8000 conform-action set-dscp-transmit 0 exceed-action transmit
! access-list 100 looks for VoIP Control Traffic
access-list 100 permit tcp any any range 2000 2002
access-list 100 permit tcp any any eq 1720
access-list 100 permit tcp any any range 11000 11999
access-list 100 permit udp any any eq 2427
! access-list 101 looks for VoIP Bearer Traffic
access-list 101 permit udp any any range 16384 32767
! access-list 102 filters for routine traffic
access-list 102 permit ip any any
description trunk port to layer 2-only cat4k
! inform the port that QoS will be VLAN-Based
switchport trunk encapsulation dot1q
description trunk port to layer 2-only 3500
! inform the port that QoS will be VLAN-Based
switchport trunk encapsulation dot1q
description voice vlan on cat4k
ip address 10.1.111.77 255.255.255.0
! apply the QoS policy as an inbound policy
service-policy input Voice-QoS
description voice vlan on 3500
ip address 10.1.112.77 255.255.255.0
! apply the QoS policy as an inbound policy
service-policy input Voice-QoS
Microflow policing is enabled globally
QoS is vlan-based on the following interfaces:
Vl111 V112 Gi2/2 Gi3/1 Gi3/2 Gi3/3
Gi3/4 Gi3/5 Gi3/6 Gi3/7 Gi3/8 Gi4/1 Gi4/2 Gi4/3 Gi4/4 Gi4/5
Gi4/6 Gi4/7 Gi4/8 Fa9/1 Fa9/2 Fa9/3 Fa9/4 Fa9/5 Fa9/6 Fa9/7
Fa9/8 Fa9/9 Fa9/10 Fa9/11 Fa9/12 Fa9/13 Fa9/14 Fa9/15 Fa9/16 Fa9/17
Fa9/18 Fa9/19 Fa9/20 Fa9/21 Fa9/22 Fa9/23 Fa9/24 Fa9/25 Fa9/26 Fa9/27
Fa9/28 Fa9/29 Fa9/30 Fa9/31 Fa9/32 Fa9/33 Fa9/34 Fa9/35 Fa9/36 Fa9/37
Fa9/38 Fa9/39 Fa9/40 Fa9/41 Fa9/42 Fa9/43 Fa9/44 Fa9/45 Fa9/46 Fa9/47
Packets dropped by policing: 55930847232
IP packets with TOS changed by policing: 16750372458300
IP packets with COS changed by policing: 55945330688
この章で説明したとおり、次の一般的ガイドラインおよび推奨事項は、キャンパス環境で Cisco AVVID ネットワークを設定する場合に適用されます。
• 音声品質を保証するためにすべてのインターフェイス上で複数のキューが必要である。
• 高速輻輳をイネーブルにするには、Catalyst 2900 XL、3500、2948G、2980G、4000、および 6000 スイッチなど、複数の出力キューを持つワイヤリング クローゼット スイッチで UplinkFast を使用する。
• すべての all Cisco AVVID 制御および管理トラフィックを、3 という最大 CoS および ToS 値に設定する。
• PC アプリケーションが 4 ~ 7 の CoS または ToS 値でトラフィックを送信するのを許可しない。
• ディストリビューション レイヤ スイッチは、レイヤ 3 ToS をレイヤ 2 CoS 値にマップする能力を持っている必要がある。