Ethernet over MPLS
Ethernet-over-MPLS(EoMPLS)は、MPLS 対応、レイヤ 3 コアを通じてイーサネット トラフィックのトンネリング メカニズムを提供し、(ラベル スタックを使用して)イーサネット プロトコル データ ユニット(PDU)を MPLS パケット内部にカプセル化して、それらを MPLS ネットワーク経由で転送します。
次の項では、EoMPLS を実装するさまざまなモードについて説明します。
イーサネット ポート モード
イーサネット ポート モードでは、疑似回線の両端がイーサネット ポートに接続されます。このモードでは、ポートが疑似回線を介してトンネル化されるか、またはローカル スイッチング(接続回線から接続回線へのクロス コネクトと呼ばれる)を使用して、1 つの接続回線(AC)から同じ PE ノードに接続されている別の AC にパケットまたはフレームを切り替えます。
次の図に、イーサネット ポート モードのパケット フローの例を示します。
VLAN モード
VLAN モードでは、カスタマー側とプロバイダー側のリンクで、各 VLAN は、仮想接続(VC)タイプ 4 または VC タイプ 5 を使用して個別 L2VPN 接続として設定できます。VC タイプ 5 がデフォルト モードです。
次の図に示されているように、イーサネット PE は、入力ポートから疑似回線にトラフィックを内部的に切り替えるために、イーサネット ポートに内部 VLAN タグを関連付けます。ただし、疑似回線にトラフィックを移動する前に、内部 VLAN タグを削除します。
出力 VLAN PE では、PE は、疑似回線から到着するフレームに VLAN タグを関連付け、トラフィックを内部的に切り替えた後、イーサネット トランク ポートにトラフィックを送信します。
(注) |
ポートがトランク モードであるため、VLAN PE は VLAN タグを削除せず、追加されたタグを持つポート経由でフレームを転送します。 |
Inter-AS モード
Inter-AS は、複数のプロバイダーまたはマルチドメイン ネットワークを通じて VPN を拡張できるピアツーピア タイプ モデルです。これにより、サービス プロバイダーは相互にピアアップでき、地理的に離れた位置でエンドツーエンドの VPN 接続が実現します。
EoMPLS サポートでは、単一 AS トポロジを想定でき、このトポロジでは、ポイントツーポイント EoMPLS 相互接続の 2 つの終端にある PE ルータを接続する疑似回線が、同一自律システムに存在します。または、複数の AS トポロジを想定でき、このトポロジでは、PE ルータが iBGP および eBGP ピアリングを使用して 2 つの異なる AS に存在できます。
次の図は、各 AS で iBGP/LDP を使用した基本的な二重 AS トポロジを持つ Inter-AS を介した MPLS を示しています。
QinQ モード
QinQ は、複数の 802.1Q タグ(IEEE 802.1QinQ VLAN タグ スタッキング)を指定するための 802.1Q の拡張です。レイヤ 3 VPN サービス終了および L2VPN サービス転送は、QinQ サブインターフェイスではイネーブルです。
Cisco NCS 500x シリーズ ルータは、プロバイダー エッジ ルータでのサブインターフェイスの設定に応じて、レイヤ 2 トンネリングまたはレイヤ 3 転送を実装します。この機能は、ルータ上の最大 2 つの QinQ タグのみをサポートします。
-
L2VPN 接続回線のレイヤ 2 QinQ VLAN:QinQ L2VPN 接続回線は、仮想回線タイプ 4 とタイプ 5 の両方の疑似回線を使用して、ポイントツーポイント EoMPLS ベースのクロス コネクト用と、802.1q VLAN およびポート モードでの QinQ の完全なインターワーキングのサポートなど、ポイントツーポイント ローカル スイッチングベースのクロス コネクト用のレイヤ 2 転送サブインターフェイスで設定されます。
-
レイヤ 3 QinQ VLAN:レイヤ 3 の終端ポイントとして使用されます。VLAN はいずれも入力プロバイダー エッジで削除され、フレームが転送されるときリモート プロバイダー エッジで追加され戻されます。
QinQ 上のレイヤ 3 サービスは次のとおりです。
-
IPv4 ユニキャストおよびマルチキャスト
-
IPv6 ユニキャストおよびマルチキャスト
-
MPLS
-
Intermediate System-to-Intermediate System(IS-IS)で使用されるコネクションレス型ネットワーク サービス(CLNS)
QinQ モードでは、各 CE VLAN は SP VLAN 内に伝送されます。QinQ モードでは VC タイプ 5 を使用する必要がありますが、VC タイプ 4 もサポートされます。各イーサネット PE では、内部(CE VLAN)と外部(SP VLAN)の両方を設定する必要があります。
次の図に、VC タイプ 4 を使用した QinQ を示します。