コマンド モードについて
Cisco IOS XE で使用できるコマンド モードは、従来の Cisco IOS で使用できるコマンド モードと同じです。Cisco IOS XE ソフトウェアにアクセスするには、CLI を使用します。CLI には複数のモードがあることから、利用できるコマンドはその時点で利用しているモードにより異なります。CLI プロンプトでクエスチョン マーク(?)を入力すると、それぞれのコマンド モードで利用できるコマンドの一覧を取得できます。
CLI にログインしたときのモードはユーザ EXEC モードです。ユーザ EXEC モードでは、使用できるコマンドが制限されています。すべてのコマンドを使用できるようにするには、通常はパスワードを使用して、特権 EXEC モードを開始する必要があります。特権 EXEC モードからは、すべての EXEC コマンド(ユーザ モードまたは特権モード)を実行できます。また、グローバル コンフィギュレーション モードを開始することもできます。ほとんどの EXEC コマンドは 1 回限りのコマンドです。たとえば、show コマンドであれば重要なステータス情報が表示され、clear コマンドであれば、カウンタやインターフェイスがクリアされます。EXEC コマンドはソフトウェアの再起動時に保存されません。
コンフィギュレーション モードでは、実行コンフィギュレーションを変更できます。その後、実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションに保存しておくと、変更されたコマンドはソフトウェアの再起動後も保存されます。特定のコンフィギュレーション モードを開始するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始する必要があります。グローバル コンフィギュレーション モードでは、インターフェイス コンフィギュレーション モード、およびプロトコル専用モードなどその他のモードを開始できます。
ROM モニタ モードは、Cisco IOS XE ソフトウェアが適切にロードしない場合に使用される別個のモードです。ソフトウェアの起動時、または起動時にコンフィギュレーション ファイルが破損している場合に、有効なソフトウェア イメージが見つからなければ、ソフトウェアは ROM モニタ モードを開始することがあります。
次の表に、Cisco IOS XE ソフトウェアのさまざまな一般的なコマンド モードへのアクセス方法、またはアクセスを終了する方法について説明します。また、各モードで表示されるプロンプトの例も示します。
コマンド モード |
アクセス方法 |
プロンプト |
終了方法 |
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ユーザー EXEC |
ログインします。 |
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logout コマンドを使用します。 |
特権 EXEC |
ユーザ EXEC モードから、enable コマンドを使用します。 |
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ユーザ EXEC モードに戻るには、disable コマンドを使用します。 |
グローバル コンフィギュレーション |
特権 EXEC モードで、configure terminal コマンドを使用します。 |
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グローバル コンフィギュレーション モードから特権 EXEC モードに戻るには、exit or end コマンドを使用します。 |
インターフェイス コンフィギュレーション |
グローバル コンフィギュレーション モードで、interface コマンドを使用してインターフェイスを指定します。 |
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グローバル コンフィギュレーション モードに戻るには、exit コマンドを使用します。 特権 EXEC モードに戻るには、end コマンドを使用します。 |
診断 |
ルータは、次のような場合に、診断モードを開始するか、または診断モードにアクセスします。
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Cisco IOS プロセスの障害によって診断モードが開始された場合は、Cisco IOS の問題を解決したあとで、ルータを再起動して診断モードを解除する必要があります。 ルータが transport-map 設定によって診断モードを開始した場合、ルータにアクセスするには、別のポートを使用するか、または Cisco IOS CLI に接続するよう設定された方法を使用します。 |
ROM モニタ |
特権 EXEC モードで、reload EXEC コマンドを使用します。システムの起動時、最初の 60 秒以内に Break キーを押します。 |
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ROM モニタ モードを終了するには、有効なイメージを手動でブートするか、または自動ブートを設定してリセットを実行し、有効なイメージがロードされるようにします。 |