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• SCAS BBシステムのアーキテクチャをSCAS開発者向けに説明します。
• SCAS BBの主要なハードウェアおよびソフトウェア コンポーネントを紹介します。
• SCAS APIによるプログラミングの定義と概念を示します。
• SCAS BBの各ライセンス レベルについて説明します。
• SCAS BBシステムの各種の論理エンティティ間の接続について説明します。
• SCAS BBハードウェアおよびソフトウェア コンポーネント間での情報のフローについて説明します。
SCAS BBのJava APIクラスは、SPによる付加価値インターネット サービスおよびネットワーク トラフィック モニタリング アプリケーション開発のための優れたプログラミング環境を提供します。
• 「統合ポイント」
• 「情報フロー」
SCAS APIを使用すると、サービス プロバイダーは次のことを実現できます。
• より大規模なSPソリューションの一部へのSCAS BBの組み込み。 大規模なSPソリューションで、部分的に重複したオペレーションが存在していたり、類似した複数のシステムをメンテナンスしたりすることは許されません。AAAや課金といった既存のシステムに、よりコンパクトかつネイティブに、トランスペアレントに統合する必要があります。
• 新たな収益源によるビジネスの拡大。 APIのプログラミング機能を利用して、高度にカスタマイズされたアプリケーションおよびソリューションを実現できます。SPのインハウス システム用アプリケーションでも、一般向けのソフトウェア アプリケーションやサービスでも開発できます。たとえば、カスタマーが好みのサービス パッケージを選択できるWebインターフェイスを開発する場合、このようなアプリケーションを作成するためのソフトウェア プラットフォームおよびプログラミング ツールがAPIによってSPに提供されます。
• レガシー システムGUIのルック アンド フィールの保持
さらに、SCAS BBシステムをプロバイダー ネットワークに統合する場合、既存のハードウェアやインフラストラクチャに手を加えたり、これらを廃止したりする必要はありません。SCAS BBシステムはハードウェアおよびインストール済みソフトウェアとともに提供され、最低限の設定作業だけでプロバイダー ネットワークに配置できます。
管理LAN上で動作するSCAS BBシステム コンポーネントは、ネットワーク サブスクライバとインターネットの中間に位置します。
SCAS BBシステムがネットワーク フローに対して実行する主な機能は、次の3つです。
• ネットワークの解析 ― ネットワーク トラフィックを解析し、ネットワークを使用しているトランザクションのタイプを判別します。
• サブスクライバの解析 ― ネットワークでトランザクションを実行しているサブスクライバまたは組織の特性を解析します。
• サービス コンフィギュレーションの実施 ― トラフィック解析に基づいて、ネットワーク上でサービス コンフィギュレーションを実施します。ネットワーク サービスのプロビジョニング、サブスクライバの差別化を可能にします。
SCAS BBシステムの中心的なコンポーネントは次のとおりです。
• SCEプラットフォーム(SCE 1000およびSCE 2000)
• (オプション)1つまたは複数のCollection Managerシステム(CM)
• SCASクライアント(SCAS BB Console、SCAS smartSUB Manager、SCAS Reporter)
SCEプラットフォームは、サービス プロバイダーおよびバックボーン キャリアのネットワーク機能を拡張する目的で設計された、専用のサービス コンポーネントかつアクティブな実施システムです。SCEプラットフォームは、複雑なトラフィック フローをワイヤ速度で識別、分類、処理することにより、単なるトランスポート ネットワークを、広い範囲の付加価値IPアプリケーション(ビデオ ストリーミング、VoIP、ティアード サービス、2社間アプリケーション レベルSLAなど)に対応する差別化されたサービス配信インフラストラクチャへ進化させます。
SCEプラットフォームは業界標準のインターフェイスおよび通信プロトコルを使用して、既存のネットワーク エレメント(ルータ、スイッチ、アグリゲータ、サブスクライバ管理デバイス、運用サポート システムなど)とシームレスに連携します。
ネットワークを通過するパケットが、着信する速度で処理されることを保証するには、カスタムメイドのハードウェア ソリューションが必要になります。
SCEプラットフォームには、3つのモデル(SCE 1000、SCE 2000 4xGBE、およびSCE 2000 4/8xFE)があります。1台または複数のSCEプラットフォームをプロバイダー ネットワークで使用できます。SCEプラットフォームの内部では、ネットワーク トランザクションが解析され、プロバイダーのポリシーを実施するサービスに対応付けられます。
さらに、SCEプラットフォームは、システム ソリューションのビジネス ロジックを実装し、トランザクション解析をリアルタイムで実行します。SCEプラットフォームの設定により、Raw Data Record(RDR)をシステムのデータ リポジトリであるCollection Manager (CM)に送信して保存したり、その他の処理(帯域幅の制御、容量の制御など)を実行することもできます。
smartSUB Manager(SM)は、SCEプラットフォームをサブスクライバアウェア モードで運用する場合に、サブスクライバの取り扱いに関する次の3つの問題に対処するためのソフトウェア ソリューションです。
• キャパシティ:SCEプラットフォームは(時間の経過とともに)スタティックに処理できる量を超えたサブスクライバを処理しなければならなくなる可能性があります。
SMは、サブスクライバ名およびサブスクライバ情報を保管するリポジトリです。
• マッピング:SCEプラットフォームがネットワークID(IPアドレス)のあるフローを検出した場合、これらのネットワークIDとサブスクライバIDのマッピングが必要になります。
SMデータベースには、サブスクライバに対応するネットワークIDが含まれています。
• ロケーション:どのSCEプラットフォームが、どのサブスクライバ トラフィックを処理するかを、システムが予測できない場合があります。
SMにより、サブスクライバをpullモードで導入し、実行時にどのSCEプラットフォームがどのサブスクライバを処理しているかを検知するようにシステムを設定できます。
• 唯一のサブスクライバ情報源として:SMをスタンドアロン モードで使用する場合
• サブスクライバ情報キャッシュとして:SCEデバイスのグループとカスタマーのAAAおよびOSSシステム間のブリッジとしてSMを使用する場合
Collection Manager(CM)は、SCEプラットフォームからRaw Data Record(RDR)などの使用状況レコードを受信して処理するソフトウェア コンポーネントです。CMはRDRを処理し、データベース、CSV(カンマ区切り)フラット ファイルなどのストレージ デバイスに保存のため送信します。一般的なシステム統合では、データ コレクタへの定期的なアクセスと、保存されている使用状況ファイルの処理を行います。
CMは、サーバ プラットフォーム上でレコードの送信先であるSybaseデータベースと併存させることもできますし、別のプラットフォームに配置することもできます。Sybaseデータベースのスクリプト例は、『 Collection Manager User Guide 』を参照してください。
SCAS BBでは、さまざまなサイトのニーズに対応するため、次の3レベルのライセンスを用意しています。
• SCAS BB View :SCAS BBの基本形式であり、次の機能があります。
• SCAS BB Capacity Control :このライセンスでは、トラフィック制御機能が追加されます。次の機能があります。
–キャパシティ制御(たとえば、各アプリケーションのトラフィックを異なるグローバル コントローラに割り当てる)
–単一のパッケージ(デフォルト パッケージのみ) ― サブスクライバ間での差別化なし
• SCAS BB Tiered Control :このライセンスでは、パッケージに基づく差別化のあるトラフィック フロー制御が可能です。次の機能があります。
–複数のパッケージ ― サブスクライバ間の差別化(たとえば、特定のパッケージの加入者には、広い帯域幅または1日あたりの大きい容量クォータを与える)
よりレベルの高いライセンスを登録する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 Help メニューから License Manager をクリックします。
ステップ 2 Enter new license key チェックボックスをオンにします。
Customer ID および Key フィールドが使用可能になります。
ステップ 3 カスタマーIDおよびキーを該当するフィールドに入力します。
メッセージ バンドとステータス バーに、新しいライセンスが表示されます。
SCAS BBソリューションには、次のような統合シナリオがあります。
• SM API ― SM APIでアプリケーションを統合すると、サブスクライバのプロビジョニング、パッケージへの割り当て、およびサブスクライバのダイナミックなパッケージ変更が可能になります。
• Quota Provisioning API ― QP APIでアプリケーションを統合すると、サブスクライバに対するクォータのプロビジョニング、およびサブスクライバのクォータ残量の照会が可能になります。
• Service Configuration API ― Service Configuration APIでアプリケーションを統合すると、リストの更新、サービス コンフィギュレーションの編集、および構成スクリプトを実行できます。
• Reporter CLI ― SCAS Reporter CLI(コマンドライン インターフェイス)でアプリケーションを統合すると、SQLデータベースに定期的にアクセスしてバッチ クエリを実行したり、サードパーティ製の課金システムまたは統計解析パッケージで使用するイメージ ファイルを生成したりできます。
• フラット ファイル ― CSV(カンマ区切り)フラット ファイルを使用して、サードパーティ製の課金システムまたは統計解析パッケージにデータを統合できます。
Service Configuration API は、サービス コンフィギュレーションのプログラミングおよび管理を行うとともに、サービス コンフィギュレーションによってビジネス ルールを実施するSCEプラットフォームの機能を設定するためのJavaクラスの集合です。
Service Configuration APIを使用して、Service Configuration Managementモジュールで提供される機能を拡張したGUIアプリケーションを開発できます。Service Configuration APIで作成したサーバ アプリケーションを通じて、SPのネットワーク ソリューションの展開およびカスタマイズされたアプリケーションの提供が可能になり、カスタマーのニーズを満たす付加価値サービスを提供できます。
Service Configuration APIによるアプリケーションは、上記のような利点に加えて、サードパーティ製システムに統合可能です。
SCAS Reporter CLIは、Service Control Reporter GUIクライアントに相当するSCAS BBシステム ソフトウェアです。Collection ManagerにSQLクエリを実行し、出力をフィルタして、表またはグラフ形式のネットワーク トランザクション使用状況レポートを生成します。
SCAS Reporter CLIは、コマンドラインから独立型プログラムとして実行することも、各種のアプリケーションから起動することもできます。さらに、SCAS Reporter CLIはService Control Reporter GUIクライアントの全機能を提供し、各種のシステムに統合して使用することができます。
CSV(カンマ区切り)フラット ファイルを使用するアプリケーションでは、データを表示して使用するとき、独自のフォーマットおよびテンプレートを適用できます。たとえば、Excelなどのアプリケーションでは、CSVファイルをワーク シートにインポートできます。
ここでは、SCAS BBの各種ハードウェアおよびソフトウェア コンポーネント間における情報フローについて説明します。SCAS BBシステムは、1台または複数のSCEプラットフォームと、SM、Collection Manager、その他のSCASモジュールといった、相互にサービスを提供しあうソフトウェア コンポーネントで構成されます。各コンポーネントの関係と、システム内でデータが流れる方向を理解することで、開発者はシステムの全体像を把握できます。
SCAS BBシステム コンポーネント間の重要な関係を、次に要約します。
• サービス コンフィギュレーションの取得 ― SCEデバイスに存在するアクティブなサービス コンフィギュレーションのコピーを取得します。
通常、サービス コンフィギュレーションを取得する目的は、サービス コンフィギュレーションの編集です。プロバイダーのビジネス ルールの変更に伴うスタティック プロセスです。
• サービス コンフィギュレーションの適用 ― Service Configuration APIの apply ファンクション コールを実行するアプリケーションが、SCEデバイスのアクティブなサービス コンフィギュレーションに代わる、サービス コンフィギュレーション変更情報を提供します。サービス コンフィギュレーションが転送されると、そのサービス コンフィギュレーションが有効になり、プロバイダーの新しいビジネス ルールがアクティブ化して、ネットワーク トラフィックに対して実施されます。
• SCEプラットフォームによるRDRのトリガー ― サブスクライバのネットワーク トランザクションに関するシステム定義の条件が満たされた場合にトリガーされるアクションの結果として、SCEプラットフォームがRDRを作成します。RDRに含まれる情報は、SCEプラットフォーム(作成元)からCollection Managerに送信されます。Collection Managerの設定に応じて、Collection Manager Adapterが、RDRをデータベース テーブルまたはCSVフラット ファイルに入力するための準備を行います。
• SCAS Reporterの実行 ― 対話形式またはReporter CLIにより、SCAS Reporterを使用してレポート機能が実行されると、ODBCドライバを介してSybaseデータベースにSQLクエリが実行されます。SQLクエリの結果は、実行中のレポートで指定のフォーマットに変換され、表示したりファイルに保存したりできます。