フェールオーバーについて
フェールオーバーの設定では、専用フェールオーバー リンク(および任意でステート リンク)を介して相互に接続された 2 つの同じ ASA が必要です。アクティブ装置およびインターフェイスのヘルスがモニタされて、所定のフェールオーバー条件に一致しているかどうかが判断されます。所定の条件に一致すると、フェールオーバーが行われます。
フェールオーバー モード
ASA は、アクティブ/アクティブ フェールオーバーとアクティブ/スタンバイ フェールオーバーの 2 つのフェールオーバー モードをサポートします。各フェールオーバー モードには、フェールオーバーを判定および実行する独自の方式があります。
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アクティブ/スタンバイ フェールオーバーでは、1 台の装置がアクティブ装置です。この装置がトラフィックを渡します。スタンバイ装置は、アクティブにトラフィックを渡しません。フェールオーバーが発生すると、アクティブ装置がスタンバイ装置にフェールオーバーし、そのスタンバイ装置がアクティブになります。シングルまたはマルチ コンテキスト モードでは、ASA のアクティブ/スタンバイ フェールオーバーを使用できます。
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アクティブ/アクティブ フェールオーバー コンフィギュレーションでは、両方の ASA がネットワーク トラフィックを渡すことができます。アクティブ/アクティブ フェールオーバーは、マルチ コンテキスト モードの ASA でのみ使用できます。アクティブ/アクティブ フェールオーバーでは、ASA のセキュリティ コンテキストを 2 つのフェイルオーバー グループ に分割します。フェールオーバー グループは、1 つまたは複数のセキュリティ コンテキストの論理グループにすぎません。一方のグループは、プライマリ ASA でアクティブになるよう割り当てられます。他方のグループは、セカンダリ ASA でアクティブになるよう割り当てられます。フェールオーバーが行われる場合は、フェールオーバー グループ レベルで行われます。
両方のフェールオーバー モードとも、ステートフルまたはステートレス フェールオーバーをサポートします。
フェールオーバー のシステム要件
この項では、 フェールオーバー コンフィギュレーションにあるASAのハードウェア要件、ソフトウェア要件、およびライセンス要件について説明します。
ハードウェア要件
フェールオーバー コンフィギュレーションの 2 台の装置は、次の条件を満たしている必要があります。
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同じモデルであること。
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インターフェイスの数とタイプが同じであること。
Firepower 2100 および Firepower 4100/9300 シャーシ の場合は、 フェールオーバー を有効にする前に、すべてのインターフェイスを FXOS で同じように事前設定する必要があります。 フェールオーバーを有効にした後でインターフェイスを変更する場合は、スタンバイ ユニットの FXOS でインターフェイスを変更し、アクティブ ユニットで同じ変更を行います。FXOS でインターフェイスを削除した場合(たとえば、ネットワーク モジュールの削除、EtherChannel の削除、または EtherChannel へのインターフェイスの再割り当てなど)、必要な調整を行うことができるように、ASA 設定では元のコマンドが保持されます。設定からインターフェイスを削除すると、幅広い影響が出る可能性があります。ASA OS の古いインターフェイス設定は手動で削除できます。
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同じモジュール(存在する場合)がインストールされていること。
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同じ RAM がインストールされていること。
フェールオーバー コンフィギュレーションで装置に異なるサイズのフラッシュ メモリを使用している場合、小さい方のフラッシュ メモリを取り付けた装置に、ソフトウェア イメージ ファイルおよびコンフィギュレーション ファイルを格納できる十分な容量があることを確認してください。十分な容量がない場合、フラッシュ メモリの大きい装置からフラッシュ メモリの小さい装置にコンフィギュレーションの同期が行われると、失敗します。
ソフトウェア要件
フェールオーバー コンフィギュレーションの 2 台の装置は、次の条件を満たしている必要があります。
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ファイアウォール モードが同じであること(ルーテッドまたは透過)。
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コンテキスト モードが同じであること(シングルまたはマルチ)。
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ソフトウェア バージョンが、メジャー(最初の番号)およびマイナー(2 番目の番号)ともに同じであること。ただし、アップグレード プロセス中は、異なるバージョンのソフトウェアを一時的に使用できます。たとえば、ある装置をバージョン 8.3(1) からバージョン 8.3(2) にアップグレードし、フェールオーバーをアクティブ状態のままにできます。長期的に互換性を維持するために、両方の装置を同じバージョンにアップグレードすることをお勧めします。
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同じ AnyConnect イメージを持っていること。中断のないアップグレードを実行するときにフェールオーバー ペアのイメージが一致しないと、アップグレード プロセスの最後のリブート手順でクライアントレス SSL VPN 接続が切断され、データベースには孤立したセッションが残り、IP プールではクライアントに割り当てられた IP アドレスが「使用中」として示されます。
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同じ FIPS モードであること。
ライセンス要件
フェールオーバー コンフィギュレーションの 2 台の装置は、ライセンスが同じである必要はありません。これらのライセンスは結合され、1 つのフェールオーバー クラスタ ライセンスが構成されます。
フェールオーバー リンクとステートフル フェールオーバー リンク
フェールオーバー リンクとオプションのステートフル フェールオーバー リンクは、2 つの装置間の専用接続です。
注意 |
フェールオーバー リンクおよびステート リンク経由で送信される情報は、IPsec トンネルまたはフェールオーバー キーを使用して通信を保護しない限り、すべてクリア テキストで送信されます。VPN トンネルの終端に ASA を使用する場合、この情報には、トンネルの確立に使用されたすべてのユーザ名、パスワード、および事前共有キーが含まれています。この機密データをクリア テキストで転送することは、非常に大きなセキュリティ リスクになるおそれがあります。ASA を使用して VPN トンネルを終端する場合は、フェールオーバー通信を IPsec トンネルまたはフェールオーバー キーによってセキュリティ保護することをお勧めします。 |
フェールオーバー リンク
フェールオーバー ペアの 2 台の装置は、フェールオーバー リンク経由で常に通信して、各装置の動作ステータスを確認しています。
フェールオーバー リンク データ
次の情報がフェールオーバー リンク経由で伝達されています。
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装置の状態(アクティブまたはスタンバイ)
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hello メッセージ(キープアライブ)
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ネットワーク リンクの状態
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MAC アドレス交換
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コンフィギュレーションの複製および同期
フェールオーバー リンクのインターフェイス
使用されていないデータ インターフェイス(物理、冗長、または EtherChannel)はどれでも、フェールオーバー リンクとして使用できます。ただし、現在名前が設定されているインターフェイスは指定できません。フェールオーバー リンク インターフェイスは、通常のネットワーク インターフェイスとしては設定されません。フェールオーバー通信のためにだけ存在します。このインターフェイスは、フェールオーバー リンク用にのみ使用できます(ステート リンク用としても使用できます)。ASAは、ユーザ データ用とフェールオーバー用に異なるサブインターフェイスが設定されている場合でも、ユーザ データとフェールオーバー リンク間でのインターフェイスの共有はサポートしません。フェールオーバー リンクには、別の物理、EtherChannel、または冗長インターフェイスを使用する必要があります。ほとんどのモデルでは、以下で明示的に説明されていない限り、フェールオーバー用の管理インターフェイスを使用できません。
フェールオーバー リンクについては、次のガイドラインを参照してください。
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5506-X ~ 5555-X:管理インターフェイスをフェールオーバー リンクとして使用できません。データ インターフェイスを使用する必要があります。5506H-X は唯一の例外で、フェールオーバー リンクとして管理インターフェイスを使用できます。
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5506H-X:フェールオーバー リンクとして管理 1/1 インターフェイスを使用できます。フェールオーバー用に設定した場合は、デバイスをリロードして変更を反映させる必要があります。この場合、管理プロセスに管理インターフェイスが必要であるため、ASA Firepower モジュールも使用できません。
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5585-X:データ インターフェイスとしては使用できますが、管理 0/0 インターフェイスは使用しないでください。この用途で必要とされるパフォーマンスをサポートしていません。
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Firepower 9300 および Firepower 4100 上の ASA:統合されたフェールオーバー リンクとステート リンクには、10 GB のデータ インターフェイスを使用することを推奨します。フェールオーバー リンクに管理タイプのインターフェイスを使用することはできません。
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他のすべてのモデル:1 GB インターフェイスは、フェールオーバーとステート リンクを組み合わせるには十分な大きさです。
フェールオーバー リンクとして使用される冗長インターフェイスについては、冗長性の増強による次の利点を参照してください。
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フェールオーバー ユニットが起動すると、メンバー インターフェイスを交互に実行し、アクティブ ユニットを検出します。
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メンバー インターフェイスの 1 つにあるピアからのキープアライブ メッセージの受信をフェールオーバー ユニットが停止した場合、別のメンバー インターフェイスに切り替えます。
フェールオーバー リンクとして使用される EtherChannel の場合は、順序が不正なパケットを防止するために、EtherChannel 内の 1 つのインターフェイスのみが使用されます。そのインターフェイスで障害が発生した場合は、EtherChannel 内の次のリンクが使用されます。フェールオーバー リンクとして使用中の EtherChannel の設定は変更できません。
フェールオーバー リンクの接続
フェールオーバー リンクを次の 2 つの方法のいずれかで接続します。
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ASAのフェールオーバー インターフェイスと同じネットワーク セグメント(ブロードキャスト ドメインまたは VLAN)に他の装置のないスイッチを使用する。
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イーサネット ケーブルを使用して装置を直接接続します。外部スイッチは必要ありません。
装置間でスイッチを使用しない場合、インターフェイスに障害が発生すると、リンクは両方のピアでダウンします。このような状況では、障害が発生してリンクがダウンする原因になったインターフェイスがどちらの装置のものかを簡単に特定できないため、トラブルシューティング作業が困難になる場合があります。
ASAは、銅線イーサネット ポートで Auto-MDI/MDIX をサポートしているため、クロスオーバー ケーブルまたはストレート ケーブルのいずれかを使用できます。ストレート ケーブルを使用した場合は、インターフェイスが自動的にケーブルを検出して、送信/受信ペアの 1 つを MDIX にスワップします。
ステートフル フェールオーバー リンク
(注) |
ステートフル フェールオーバー リンクの帯域幅は、少なくともデータ インターフェイスの帯域幅と同等にすることを推奨します。 |
フェールオーバー リンクと共有
インターフェイスを節約するための最適な方法はフェールオーバー リンクの共有です。ただし、設定が大規模でトラフィックが膨大なネットワークを使用している場合は、ステート リンクとフェールオーバー リンク専用のインターフェイスを検討する必要があります。
専用のインターフェイス
ステート リンク専用のデータ インターフェイス(物理、冗長、または EtherChannel)を使用できます。ステート リンクとして使用される EtherChannel の場合は、順序が不正なパケットを防止するために、EtherChannel 内の 1 つのインターフェイスのみが使用されます。そのインターフェイスで障害が発生した場合は、EtherChannel 内の次のリンクが使用されます。
次の 2 つの方法のいずれかで、専用のステート リンクを接続します。
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ASA デバイスのフェールオーバー インターフェイスと同じネットワーク セグメント(ブロードキャスト ドメインまたは VLAN)に他の装置のないスイッチを使用する。
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イーサネット ケーブルを使用してアプライアンスを直接接続します。外部スイッチは必要ありません。
装置間でスイッチを使用しない場合、インターフェイスに障害が発生すると、リンクは両方のピアでダウンします。このような状況では、障害が発生してリンクがダウンする原因になったインターフェイスがどちらの装置のものかを簡単に特定できないため、トラブルシューティング作業が困難になる場合があります。
ASAは、銅線イーサネット ポートで Auto-MDI/MDIX をサポートしているため、クロスオーバー ケーブルまたはストレート ケーブルのいずれかを使用できます。ストレート ケーブルを使用した場合は、インターフェイスが自動的にケーブルを検出して、送信/受信ペアの 1 つを MDIX にスワップします。
長距離のフェールオーバーを使用する場合のステート リンクの遅延は、パフォーマンスを最善にするには 10 ミリ秒未満でなければならず、250 ミリ秒を超えないようにする必要があります。遅延が 10 ミリ秒を上回る場合、フェールオーバー メッセージの再送信によって、パフォーマンスが低下する可能性があります。
フェールオーバーの中断の回避とデータ リンク
すべてのインターフェイスで同時に障害が発生する可能性を減らすために、フェールオーバー リンクとデータ インターフェイスは異なるパスを通すことを推奨します。フェールオーバー リンクがダウンした場合、フェールオーバーが必要かどうかの決定に、ASA はデータ インターフェイスを使用できます。その後、フェールオーバー動作は、フェールオーバー リンクのヘルスが復元されるまで停止されます。
耐障害性のあるフェールオーバー ネットワークの設計については、次の接続シナリオを参照してください。
シナリオ 1:非推奨
単一のスイッチまたはスイッチ セットが 2 つの ASA 間のフェールオーバー インターフェイスとデータ インターフェイスの両方の接続に使用される場合、スイッチまたはスイッチ間リンクがダウンすると、両方の ASA がアクティブになります。したがって、次の図で示されている次の 2 つの接続方式は推奨しません。
シナリオ 2:推奨
フェールオーバー リンクには、データ インターフェイスと同じスイッチを使用しないことを推奨します。代わりに、次の図に示すように、別のスイッチを使用するか直接ケーブルを使用して、フェールオーバー リンクを接続します。
シナリオ 3:推奨
ASA データ インターフェイスが複数セットのスイッチに接続されている場合、フェールオーバー リンクはいずれかのスイッチに接続できます。できれば、次の図に示すように、ネットワークのセキュアな側(内側)のスイッチに接続します。
シナリオ 4:推奨
最も信頼性の高いフェールオーバー構成では、次の図に示すように、フェールオーバー リンクに冗長インターフェイスを使用します。
フェールオーバー の MAC アドレスと IP アドレス
インターフェイスを設定する場合、同じネットワーク上のアクティブ IP アドレスとスタンバイ IP アドレスを指定できます。一般的に、フェールオーバーが発生した場合、新しいアクティブ装置がアクティブな IP アドレスと MAC アドレスを引き継ぎます。ネットワーク デバイスは、MAC と IP アドレスの組み合わせについて変更を認識しないため、ネットワーク上のどのような場所でも ARP エントリが変更されたり、タイムアウトが生じたりすることはありません。
(注) |
推奨されていますが、スタンバイ アドレスは必須ではありません。スタンバイ IP アドレスがないと、アクティブ装置はスタンバイ インターフェイスの状態を確認するためのネットワーク テストを実行できません。リンク ステートのみ追跡できます。また、管理目的でそのインターフェイスのスタンバイ装置に接続することもできません。 |
ステート リンク用の IP アドレスおよび MAC アドレスは、フェールオーバー実行後も変更されません。
アクティブ/スタンバイ IP アドレスと MAC アドレス
アクティブ/スタンバイ フェールオーバー の場合、フェールオーバー イベント中の IP アドレスと MAC アドレスの使用については、次を参照してください。
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アクティブな装置は常にプライマリ装置の IP アドレスと MAC アドレスを使用します。
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アクティブ装置が故障すると、スタンバイ装置は故障した装置の IP アドレスと MAC アドレスを引き継ぎ、トラフィックを通過させます。
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故障した装置がオンラインに復帰すると、スタンバイ状態となり、スタンバイ IP アドレスと MAC アドレスを引き継ぎます。
ただし、セカンダリ装置がプライマリ装置を検出せずにブートした場合、セカンダリ装置がアクティブ装置になります。プライマリ装置の MAC アドレスを認識していないため、自分の MAC アドレスを使用します。プライマリ装置が使用可能になると、セカンダリ(アクティブ)装置は MAC アドレスをプライマリ装置の MAC アドレスに変更します。これによって、ネットワーク トラフィックが中断されることがあります。同様に、プライマリ装置を新しいハードウェアと交換すると、新しい MAC アドレスが使用されます。
仮想 MAC アドレスがこの中断を防ぎます。なぜなら、アクティブ MAC アドレスは起動時にセカンダリ装置によって認識され、プライマリ装置のハードウェアが新しくなっても変わらないからです。仮想 MAC アドレスを設定しなかった場合、トラフィック フローを復元するために、接続されたルータの ARP テーブルをクリアする必要がある場合があります。ASA は MAC アドレスを変更するときに、スタティック NAT アドレスに対して Gratuitous ARP を送信しません。そのため、接続されたルータはこれらのアドレスの MAC アドレスの変更を認識できません。
アクティブ/アクティブ IP アドレスと MAC アドレス
アクティブ/アクティブ フェールオーバーの場合、フェールオーバー イベント中の IP アドレスと MAC アドレスの使用については、次を参照してください。
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プライマリ装置は、フェールオーバー グループ 1 および 2 のコンテキストのすべてのインターフェイスに対して、アクティブおよびスタンバイ MAC アドレスを自動生成します。必要に応じて、たとえば、MAC アドレスの競合がある場合は、MAC アドレスを手動で設定できます。
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各装置は、そのアクティブ フェールオーバー グループにアクティブな IP アドレスと MAC アドレスを使用し、そのスタンバイ フェールオーバー グループにスタンバイ アドレスを使用します。たとえば、フェールオーバー グループ 1 でプライマリ装置がアクティブである場合、フェールオーバー グループ 1 のコンテキストでアクティブなアドレスを使用します。フェールオーバー グループ 2 のコンテキストではスタンバイであるため、スタンバイ アドレスを使用します。
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装置が故障すると、他の装置は故障したフェールオーバー グループの アクティブな IP アドレスと MAC アドレスを引き継ぎ、トラフィックを通過させます。
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故障した装置がオンラインに戻り、preempt オプションが有効になっている場合、フェールオーバー グループを再開します。
仮想 MAC アドレス
ASA には、仮想 MAC アドレスを設定する複数の方法があります。1 つの方法のみ使用することをお勧めします。複数の方法を使用して MAC アドレスを設定した場合は、どの MAC アドレスが使用されるかは多くの可変要素によって決まるため、予測できないことがあります。手動方法にはインターフェイス モード mac-address コマンド、failover mac address コマンドが含まれ、アクティブ/アクティブ フェールオーバーでは、フェールオーバー グループ モード mac address コマンドが、以下で説明する自動生成方法に加えて含まれます。
マルチ コンテキスト モードでは、共有インターフェイスに仮想アクティブおよびスタンバイ MAC アドレスを自動的に生成するように ASA を設定することができ、これらの割り当てはセカンダリ装置に同期されます(mac-address auto コマンドを参照してください)。共有以外のインターフェイスでは、アクティブ/スタンバイ モードの MAC アドレスを手動で設定することができます(アクティブ/アクティブ モードはすべてのインターフェイスに MAC アドレスを自動生成します)。
アクティブ/アクティブ フェールオーバーでは、仮想 MAC アドレスはデフォルト値またはインターフェイスごとに設定できる値のいずれかとともに常に使用されます。
ASA サービス モジュールのシャーシ内およびシャーシ間モジュール配置
プライマリとセカンダリの ASASM は、同じスイッチ内または 2 台の異なるスイッチに搭載できます。
シャーシ内フェールオーバー
セカンダリ ASASM をプライマリ ASASM と同じスイッチに搭載した場合は、モジュール レベルの障害から保護する必要があります。
両方の ASASM に同じ VLAN が割り当てられますが、ネットワーキングに参加するのはアクティブ モジュールだけです。スタンバイ モジュールは、トラフィックを転送しません。
次の図は、一般的なスイッチ内の構成を示します。
シャーシ間フェールオーバー
スイッチレベルの障害から保護するため、セカンダリ ASASM を別のスイッチに搭載できます。ASASM は直接スイッチとフェールオーバーを調整するのではなく、スイッチと協調してフェールオーバー操作を行います。スイッチのフェールオーバー設定については、スイッチのマニュアルを参照してください。
ASASM 間のフェールオーバー通信の信頼性を高めるために、2 台のスイッチ間に EtherChannel トランク ポートを設定して、フェールオーバーおよびステート VLAN を伝送することをお勧めします。
他の VLAN については、両方のスイッチがすべてのファイアウォール VLAN にアクセスでき、モニタ対象 VLAN が両方のスイッチ間で正常に hello パケットを渡すことができるようにします。
次の図は、スイッチと ASASM の一般的な冗長構成を示します。2 台のスイッチ間のトランクは、フェールオーバー ASASM VLAN(VLAN 10 と 11)を転送します。
(注) |
ASASM のフェールオーバーはスイッチのフェールオーバーに依存しない独立した機能ですが、スイッチのフェールオーバーが発生した場合には、ASASM もそれに対応します。 |
プライマリ ASASM に障害が発生すると、セカンダリ ASASM がアクティブになってファイアウォール VLAN を通過します。
スイッチ全体に障害が発生し、ASASM にも障害が発生した場合(電源切断など)には、スイッチと ASASM の両方でセカンダリ ユニットへのフェールオーバーが実行されます。
ステートレス フェールオーバーとステートフル フェールオーバー
ASA は、アクティブ/スタンバイ モードとアクティブ/アクティブ モードの両方に対して、ステートレスとステートフルの 2 種類のフェールオーバーをサポートします。
(注) |
クライアントレス SSL VPN の一部のコンフィギュレーション要素(ブックマークやカスタマイゼーションなど)は VPN フェールオーバー サブシステムを使用していますが、これはステートフル フェールオーバーの一部です。フェールオーバー ペアのメンバ間でこれらの要素を同期するには、ステートフル フェールオーバーを使用する必要があります。ステートレス フェールオーバーは、クライアントレス SSL VPN には推奨されません。 |
ステートレス フェールオーバー
フェールオーバーが行われると、アクティブ接続はすべてドロップされます。新しいアクティブ装置が引き継ぐ場合、クライアントは接続を再確立する必要があります。
(注) |
クライアントレス SSL VPN の一部のコンフィギュレーション要素(ブックマークやカスタマイゼーションなど)は VPN フェールオーバー サブシステムを使用していますが、これはステートフル フェールオーバーの一部です。フェールオーバー ペアのメンバ間でこれらの要素を同期するには、ステートフル フェールオーバーを使用する必要があります。ステートレス(標準)フェールオーバーは、クライアントレス SSL VPN には推奨できません。 |
Stateful Failover
ステートフル フェールオーバーが有効の場合、アクティブ装置は接続ごとのステート情報をスタンバイ装置に継続的に渡します。アクティブ/アクティブ フェールオーバーの場合は、アクティブとスタンバイのフェールオーバー グループ間でこれが行われます。フェールオーバーの発生後も、新しいアクティブ装置で同じ接続情報が利用できます。サポートされているエンドユーザのアプリケーションでは、同じ通信セッションを保持するために再接続する必要はありません。
Supported Features
ステートフル フェールオーバーでは、次のステート情報がスタンバイ ASAに渡されます。
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NAT 変換テーブル
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TCP 接続と UDP 接続、および状態。他のタイプの IP プロトコルおよび ICMP は、新しいパケットが到着したときに新しいアクティブ ユニットで確立されるため、アクティブ装置によって解析されません。
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HTTP 接続テーブル(HTTP 複製を有効にしない場合)。
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HTTP 接続状態(HTTP 複製が有効化されている場合):デフォルトでは、ステートフル フェールオーバーが有効化されているときには、ASA は HTTP セッション情報を複製しません。HTTP セッションは通常は存続期間が短く、また HTTP クライアントは接続試行が失敗すると通常は再試行するため、HTTP セッションの複製をしないことでシステムのパフォーマンスが向上します。複製をしなくても重要なデータや接続は失われません。
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SCTP 接続状態。ただし、SCTP インスペクションのステートフル フェールオーバーはベスト エフォートです。フェールオーバー中、SACK パケットが失われると、失われたパケットが受信されるまで、新しいアクティブ ユニットはキューにある他のすべての out of order パケットを破棄します。
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ARP テーブル
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レイヤ 2 ブリッジ表(ブリッジ グループ用)
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ISAKMP および IPSec SA テーブル
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GTP PDP 接続データベース
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SIP シグナリング セッションとピンホール。
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ICMP 接続状態:ICMP 接続の複製は、個々のインターフェイスが非対称ルーティング グループに割り当てられている場合にだけイネーブルになります。
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スタティックおよびダイナミック ルーティング テーブル:ステートフル フェールオーバーはダイナミック ルーティング プロトコル(OSPF や EIGRP など)に参加するため、アクティブ装置上のダイナミック ルーティング プロトコルによる学習ルートが、スタンバイ装置のルーティング情報ベース(RIB)テーブルに維持されます。フェールオーバー イベントで、アクティブなセカンダリ ユニットには最初にプライマリ ユニットをミラーリングするルールがあるため、パケットは通常は最小限の中断でトラフィックに移動します。フェールオーバーの直後に、新しくアクティブになった装置で再コンバージェンス タイマーが開始されます。次に、RIB テーブルのエポック番号が増加します。再コンバージェンス中に、OSPF および EIGRP ルートは新しいエポック番号で更新されます。タイマーが期限切れになると、失効したルート エントリ(エポック番号によって決定される)はテーブルから削除されます。これで、RIB には新しくアクティブになった装置での最新のルーティング プロトコル転送情報が含まれています。
(注)
ルートは、アクティブ装置上のリンクアップまたはリンクダウン イベントの場合のみ同期されます。スタンバイ装置上でリンクがアップまたはダウンすると、アクティブ装置から送信されたダイナミック ルートが失われることがあります。これは正常な予期された動作です。
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DHCP サーバ:DHCP アドレス リースは複製されません。ただし、インターフェイスで設定された DHCP サーバは、DHCP クライアントにアドレスを付与する前にアドレスが使用されていないことを確認するために ping を送信するため、サービスに影響はありません。ステート情報は、DHCP リレーまたは DDNS とは関連性がありません。
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Cisco IP SoftPhone セッション:コール セッション ステート情報がスタンバイ装置に複製されるため、Cisco IP SoftPhone セッションの実行中にフェールオーバーが起こっても、コールは実行されたままです。コールが終了すると、IP SoftPhone クライアントは Cisco Call Manager との接続を失います。これは、CTIQBE ハングアップ メッセージのセッション情報がスタンバイ装置に存在しないために発生します。IP SoftPhone クライアントでは、一定の時間内に CallManager からの応答が受信されない場合、CallManager に到達できないものと判断されて登録が解除されます。
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RA VPN:リモート アクセス VPN エンド ユーザは、フェールオーバー後に VPN セッションを再認証または再接続する必要はありません。ただし、VPN 接続上で動作するアプリケーションは、フェールオーバー プロセス中にパケットを失って、パケット損失から回復できない可能性があります。
サポートされない機能
ステートフル フェールオーバーでは、次のステート情報はスタンバイ ASAに渡されません。
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ユーザ認証(uauth)テーブル
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TCP ステート バイパス接続
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マルチキャスト ルーティング。
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ASA FirePOWER モジュールなどのモジュールのステート情報。
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一部のクライアントレス SSL VPN 機能
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スマート トンネル
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ポート転送
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プラグイン
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Java アプレット
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IPv6 クライアントレスまたは Anyconnect セッション
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Citrix 認証(Citrix ユーザはフェールオーバー後に再認証が必要です)
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フェールオーバーのブリッジ グループ要件
ブリッジグループを使用する際に、フェールオーバーの特殊な考慮事項があります。
アプライアンス、ASAv のブリッジグループ必須要件
アクティブ装置がスタンバイ装置にフェールオーバーするときに、スパニングツリー プロトコル(STP)を実行している接続済みスイッチ ポートは、トポロジ変更を検出すると 30 ~ 50 秒間ブロッキング ステートに移行できます。ポートがブロッキング ステートである間のトラフィックの損失を回避するために、スイッチ ポート モードに応じて次の回避策のいずれかを設定できます。
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アクセス モード:スイッチで STP PortFast 機能をイネーブルにします。
interface interface_id spanning-tree portfast
PortFast 機能を設定すると、リンクアップと同時にポートが STP フォワーディング モードに遷移します。ポートは引き続き STP に参加しています。したがって、ポートがループの一部になる場合、最終的には STP ブロッキング モードに遷移します。
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トランク モード:EtherType アクセス ルールを使用して、ブリッジグループのメンバー インターフェイス上の ASA の BPDU をブロックします。
access-list id ethertype deny bpdu access-group id in interface name1 access-group id in interface name2
BPDU をブロックすると、スイッチの STP はディセーブルになります。ネットワーク レイアウトで ASA を含むループを設定しないでください。
上記のオプションのどちらも使用できない場合は、フェールオーバー機能または STP の安定性に影響する、推奨度の低い次の回避策のいずれかを使用できます。
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インターフェイス モニタリングをディセーブルにします。
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ASA がフェールオーバーする前に、インターフェイスのホールド時間を STP が収束可能になる大きい値に増やします。
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STP がインターフェイスのホールド時間よりも速く収束するように、STP タイマーを減らします。
ASA サービス モジュールのブリッジグループ必須要件
ブリッジグループでのフェールオーバーの使用時にループを回避するには、BPDU の通過を許可し(デフォルト)、BPDU 転送をサポートするスイッチ ソフトウェアを使用する必要があります。
両方のモジュールが互いの存在を検出する場合や、不正なフェールオーバー リンクなどによって、両方のモジュールが同時にアクティブになるときに、ループが発生することがあります。両方の ASASM が 2 つの同じ VLAN 間でパケットをブリッジングするので、ブリッジグループ メンバー間のパケットが両方の ASASM によって無限に複製され、ループが発生します。BPDU がタイミングよく交換された場合は、スパニングツリー プロトコルによって、これらのループが遮断されます。ループを遮断するには、VLAN 200 と VLAN 201 間で送信される BPDU をブリッジングする必要があります。
フェールオーバーのヘルス モニタ
ASAは、各装置について全体的なヘルスおよびインターフェイス ヘルスをモニタします。この項では、各装置の状態を判断するために、ASAがテストを実行する方法について説明します。
ユニットのヘルス モニタリング
ASAは、hello メッセージでフェールオーバー リンクをモニタして相手装置のヘルスを判断します。フェールオーバー リンクで 3 回連続して hello メッセージを受信しなかったときは、フェールオーバー リンクを含む各データ インターフェイスで LANTEST メッセージを送信し、ピアが応答するかどうかを確認します。 FirePOWER 9300 および 4100 シリーズでは、hello メッセージよりも信頼性の高い Bidirectional Forwarding Detection(BFD)モニタリングを有効にできます。ASAが行うアクションは、相手装置からの応答によって決まります。次の可能なアクションを参照してください。
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ASAがフェールオーバー リンクで応答を受信した場合、フェールオーバーは行われません。
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ASAがフェールオーバー リンクで応答を受信せず、データ インターフェイスで応答を受信した場合、装置のフェールオーバーは行われません。フェールオーバー リンクが故障とマークされます。フェールオーバー リンクがダウンしている間、装置はスタンバイ装置にフェールオーバーできないため、できるだけ早くフェールオーバー リンクを復元する必要があります。
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ASAがどのインターフェイスでも応答を受信しなかった場合、スタンバイ装置がアクティブ モードに切り替わり、相手装置を故障に分類します。
インターフェイス モニタリング
最大 1025 のインターフェイスをモニタできます(マルチ モードでは、すべてのコンテキスト間で分割)。重要なインターフェイスをモニタする必要があります。たとえば、マルチ モードでは、共有インターフェイスを監視するように 1 つのコンテキストを設定する場合があります(インターフェイスが共有されているため、すべてのコンテキストがそのモニタリングで監視されます)。
装置が、2 回のポーリング期間中にモニタ対象のインターフェイス上で hello メッセージを受信しない場合、インターフェイス テストを実行します。1 つのインターフェイスに対するすべてのインターフェイス テストがすべて失敗したが、相手装置のこの同じインターフェイスが正常にトラフィックを渡し続けている場合、そのインターフェイスは故障していると見なされます。故障したインターフェイスがしきい値を超えている場合は、フェールオーバーが行われます。相手装置のインターフェイスでもすべてのネットワーク テストに失敗した場合、両方のインターフェイスは “Unknown” 状態になり、フェールオーバーの限界値に向けてのカウントは行われません。
インターフェイスは、何らかのトラフィックを受信すると、再度動作状態になります。故障したASAは、インターフェイス障害しきい値が満たされなくなった場合、スタンバイ モードに戻ります。
ASA Firepower SSP などのサービス モジュールがある場合、ASA はバックプレーン インターフェイスを介してモジュールもモニタします。モジュールの障害は装置の障害と見なされ、フェールオーバーがトリガーされます。この設定は設定可能です。
インターフェイスに IPv4 および IPv6 アドレスが設定されている場合、ASAは IPv4 を使用してヘルス モニタリングを実行します。
インターフェイスに IPv6 アドレスだけが設定されている場合、ASAは ARP ではなく IPv6 ネイバー探索を使用してヘルス モニタリング テストを実行します。ブロードキャスト ping テストの場合、ASAは IPv6 全ノード アドレス(FE02::1)を使用します。
(注) |
障害が発生した装置が回復せず、実際には障害は発生していないと考えられる場合は、failover reset コマンドを使用して状態をリセットできます。ただし、フェールオーバー条件が継続している場合、装置は再び障害状態になります。 |
インターフェイス テスト
ASAでは、次のインターフェイス テストが使用されます。
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リンク アップ/ダウン テスト:インターフェイス ステータスのテストです。リンク アップ/ダウン テストでインターフェイスがダウンしていることが示された場合、ASAは障害が発生したと見なします。ステータスがアップの場合、ASAはネットワーク アクティビティを実行します。
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ネットワーク動作のテスト:ネットワークの受信動作のテストです。このテストの目的は、障害が発生している(いずれかにある場合)装置を判別するために LANTEST メッセージを使用したネットワーク トラフィックを生成することです。テストの開始時に、各装置はインターフェイスの受信パケット カウントをリセットします。テスト中に装置がパケットを受信すると(最大 5 秒間)、すぐにインターフェイスは正常に動作していると見なされます。いずれか一方の装置だけがトラフィックを受信している場合は、トラフィックを受信しなかった装置が故障していると見なされます。どちらの装置もトラフィックを受信しなかった場合、ASAは ARP テストを開始します。
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ARP テスト:取得したエントリの最後の 2 つの装置 ARP キャッシュの読み取り。装置は、ネットワーク トラフィックを発生させるために、1 回に 1 つずつ、これらのマシンに ARP 要求を送信します。各要求後、装置は最大 5 秒間受信したトラフィックをすべてカウントします。トラフィックが受信されれば、インターフェイスは正常に動作していると見なされます。トラフィックが受信されなければ、ARP 要求が次のマシンに送信されます。リストの最後まで、まったくトラフィックが受信されなかった場合、ASAは ping テストを開始します。
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ブロードキャスト ping テスト:このテストでは、ブロードキャスト ping 要求が送信されます。装置は、最大 5 秒間、すべての受信パケット数をカウントします。この時間間隔の間にパケットが受信されると、インターフェイスが正常に動作しているものと見なされ、テストは停止します。トラフィックが受信されなければ、ARPテストからやり直します。
Interface Status
モニタ対象のインターフェイスには、次のステータスがあります。
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Unknown:初期ステータスです。このステータスは、ステータスを特定できないことを意味する場合もあります。
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Normal:インターフェイスはトラフィックを受信しています。
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Testing:ポーリング 5 回の間、インターフェイスで hello メッセージが検出されていません。
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Link Down:インターフェイスまたは VLAN は管理のためにダウンしています。
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No Link:インターフェイスの物理リンクがダウンしています。
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Failed:インターフェイスではトラフィックを受信していませんが、ピア インターフェイスではトラフィックを検出しています。
フェールオーバー 時間
次の表は、最少、デフォルトおよび最大フェールオーバー時間を示します。
(注) |
CLI または ASDM を使用して手動でフェールオーバーした場合、もしくは ASA をリロードした場合、フェールオーバーはすぐに開始され、次に示すタイマーの影響は受けません。 |
フェールオーバー条件 |
最小ハードウェア |
デフォルト |
最大 |
---|---|---|---|
アクティブ装置で電源断が生じる、または通常の動作が停止する。 |
800 ミリ秒 |
15 秒 |
45 秒 |
アクティブ ユニット メインボード インターフェイスリンクがダウンする。 |
500 ミリ秒 |
5 秒 |
15 秒 |
アクティブ装置の 4GE モジュール インターフェイス リンクがダウンする。 |
2 秒 |
5 秒 |
15 秒 |
アクティブ ユニット Firepower モジュールは失敗する。 |
2 秒 |
2 秒 |
2 秒 |
アクティブ装置のインターフェイスは実行されているが、接続の問題によりインターフェイス テストを行っている。 |
5 秒 |
25 秒 |
75 秒 |
設定の同期
フェールオーバーには、さまざまなタイプのコンフィギュレーション同期があります。
コンフィギュレーションの複製の実行
コンフィギュレーションの複製は、フェールオーバー ペアの一方または両方のデバイスのブート時に実行されます。
アクティブ/スタンバイ フェールオーバーでは、コンフィギュレーションは常に、アクティブ装置からスタンバイ装置に同期化されます。
アクティブ/アクティブ フェールオーバーでは、起動ユニットのプライマリまたはセカンデリ指定に関係なく、2 番目に起動したユニットは、最初に起動したユニットから実行コンフィギュレーションを取得します。両方のユニットの起動後、システム実行スペースに入力されたコマンドは、フェールオーバー グループ 1 がアクティブ状態であるユニットから複製されます。
スタンバイ/セカンド ユニットが初期スタートアップを完了すると、実行コンフィギュレーションを削除し(アクティブ ユニットとの通信に必要なfailover コマンドを除く)、アクティブ ユニットはコンフィギュレーション全体をスタンバイ/セカンド ユニットに送信します。複製が開始されると、アクティブ ユニットの ASA コンソールに「Beginning configuration replication: Sending to mate,」というメッセージが表示され、完了すると ASA に「End Configuration Replication to mate.」というメッセージが表示されます。コンフィギュレーションのサイズによって、複製には数秒から数分かかります。
コンフィギュレーションを受信する装置の場合、コンフィギュレーションは実行メモリにだけ存在します。コンフィギュレーションの変更の保存に従ってコンフィギュレーションをフラッシュ メモリに保存する必要があります。たとえば、アクティブ/アクティブ フェールオーバーでは、フェールオーバー グループ 1 がアクティブ状態であるユニット上のシステム実行スペースにwrite memory all コマンドを入力します。コマンドはピア装置に複製され、コンフィギュレーションがフラッシュ メモリに書き込まれます。
(注) |
複製中、コンフィギュレーションを送信しているユニット上に入力されたコマンドは、ピア ユニットに正常に複製されず、コンフィギュレーションを受信するユニット上に入力されたコマンドは、受信したコンフィギュレーションによって上書きできます。コンフィギュレーションの複製処理中には、フェールオーバー ペアのどちらの装置にもコマンドを入力しないでください。 |
(注) |
crypto ca server コマンドおよび関連するサブコマンドはフェールオーバーをサポートしません。no crypto ca server コマンドを使用して、削除する必要があります。 |
File Replication
コンフィギュレーションの同期は次のファイルと構成コンポーネントを複製しません。したがって、これらのファイルが一致するように手動でコピーする必要があります。
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AnyConnect イメージ
-
CSD イメージ
-
AnyConnect プロファイル
ASA では、フラッシュ ファイル システムに保存されたファイルではなく、cache:/stc/profiles に保存された AnyConnect クライアント ファイルのキャッシュ済みファイルが使用されます。AnyConnect クライアント プロファイルをスタンバイ装置に複製するには、次のいずれかを実行します。
-
アクティブ装置で write standby コマンドを入力します。
-
アクティブ装置でプロファイルを再適用します。
-
スタンバイ装置をリロードします。
-
-
ローカル認証局(CA)
-
ASA イメージ
-
ASDM イメージ
Command Replication
スタートアップ後、アクティブ装置に入力したコマンドはただちにスタンバイ装置に複製されます。コマンドを複製するために、アクティブ コンフィギュレーションをフラッシュ メモリに保存する必要はありません。
アクティブ/アクティブ フェールオーバーでは、システム実行スペースに入力したコマンドは、フェールオーバー グループ 1 がアクティブ状態である装置から複製されます。
コマンドの複製を行うのに適切な装置上でコマンドを入力しなかった場合は、コンフィギュレーションは同期されません。この変更内容は、次回に初期コンフィギュレーション同期が行われると失われることがあります。
スタンバイ ASA に複製されるコマンドは、次のとおりです。
-
次を除くすべてのコンフィギュレーション コマンド。mode、firewall 、および failover lan unit
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copy running-config startup-config
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delete
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mkdir
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rename
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rmdir
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write memory
スタンバイ ASA に複製されないコマンドは、次のとおりです。
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次を除く、すべての形式の copy コマンド。 copy running-config startup-config
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次を除く、すべての形式の write コマンド。 write memory
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debug
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failover lan unit
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firewall
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show
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terminal pager および pager
アクティブ/スタンバイ フェールオーバーについて
アクティブ/スタンバイ フェールオーバーでは、障害が発生した装置の機能を、スタンバイ ASA に引き継ぐことができます。アクティブ装置に障害が発生した場合、スタンバイ装置がアクティブ装置になります。
(注) |
マルチコンテキスト モードでは、ASA は装置全体(すべてのコンテキストを含む)のフェールオーバーを行いますが、各コンテキストを個別にフェールオーバーすることはできません。 |
プライマリ/セカンダリ ロールとアクティブ/スタンバイ ステータス
フェールオーバー ペアの 2 つのユニットの主な相違点は、どちらのユニットがアクティブでどちらのユニットがスタンバイであるか、つまりどちらの IP アドレスを使用するか、およびどちらのユニットがアクティブにトラフィックを渡すかということに関連します。
しかし、プライマリである装置(コンフィギュレーションで指定)とセカンダリである装置との間で、いくつかの相違点があります。
-
両方の装置が同時にスタート アップした場合(さらに動作ヘルスが等しい場合)、プライマリ装置が常にアクティブ装置になります。
-
プライマリ ユニットの MAC アドレスは常に、アクティブ IP アドレスと結び付けられています。このルールの例外は、セカンダリ ユニットがアクティブであり、フェールオーバー リンク経由でプライマリ ユニットの MAC アドレスを取得できない場合に発生します。この場合、セカンダリ装置の MAC アドレスが使用されます。
起動時のアクティブ装置の判別
アクティブ装置は、次の条件で判別されます。
-
装置がブートされ、ピアがすでにアクティブとして動作中であることを検出すると、その装置はスタンバイ装置になります。
-
装置がブートされてピアを検出できないと、その装置はアクティブ装置になります。
-
両方の装置が同時にブートされた場合は、プライマリ装置がアクティブ装置になり、セカンダリ装置がスタンバイ装置になります。
フェールオーバー イベント
アクティブ/スタンバイ フェールオーバーでは、フェールオーバーは装置ごとに行われます。マルチ コンテキスト モードで動作中のシステムでも、個々のコンテキストまたはコンテキストのグループをフェールオーバーすることはできません。
次の表に、各障害イベントに対するフェールオーバー アクションを示します。この表には、各フェールオーバー イベントに対して、フェールオーバー ポリシー(フェールオーバーまたはフェールオーバーなし)、アクティブ装置が行うアクション、スタンバイ装置が行うアクション、およびフェールオーバー条件とアクションに関する特別な注意事項を示します。
障害の状況 |
ポリシー(Policy) |
アクティブ グループのアクション |
スタンバイ グループのアクション |
注意 |
---|---|---|---|---|
アクティブ装置が故障(電源またはハードウェア) |
フェールオーバー |
n/a |
アクティブになる アクティブに故障とマークする |
モニタ対象インターフェイスまたはフェールオーバー リンクで hello メッセージは受信されません。 |
以前にアクティブであった装置の復旧 |
フェールオーバーなし |
スタンバイになる |
動作なし |
なし。 |
スタンバイ装置が故障(電源またはハードウェア) |
フェールオーバーなし |
スタンバイに故障とマークする |
n/a |
スタンバイ装置が故障とマークされている場合、インターフェイス障害しきい値を超えても、アクティブ装置はフェールオーバーを行いません。 |
動作中にフェールオーバー リンクに障害が発生した |
フェールオーバーなし |
フェールオーバー リンクに故障とマークする |
フェールオーバー リンクに故障とマークする |
フェールオーバー リンクがダウンしている間、装置はスタンバイ装置にフェールオーバーできないため、できるだけ早くフェールオーバー リンクを復元する必要があります。 |
スタートアップ時にフェールオーバー リンクに障害が発生した |
フェールオーバーなし |
フェールオーバー リンクに故障とマークする |
アクティブになる |
スタートアップ時にフェールオーバー リンクがダウンしていると、両方の装置がアクティブになります。 |
ステート リンクの障害 |
フェールオーバーなし |
動作なし |
動作なし |
ステート情報が古くなり、フェールオーバーが発生するとセッションが終了します。 |
アクティブ装置におけるしきい値を超えたインターフェイス障害 |
フェールオーバー |
アクティブに故障とマークする |
アクティブになる |
なし。 |
スタンバイ装置におけるしきい値を超えたインターフェイス障害 |
フェールオーバーなし |
動作なし |
スタンバイに故障とマークする |
スタンバイ装置が故障とマークされている場合、インターフェイス障害しきい値を超えても、アクティブ装置はフェールオーバーを行いません。 |
アクティブ/アクティブ フェールオーバーの概要
この項では、アクティブ/アクティブ フェールオーバーについて説明します。
アクティブ/アクティブ フェールオーバーの概要
アクティブ/アクティブ フェールオーバー コンフィギュレーションでは、両方の ASA がネットワーク トラフィックを渡すことができます。アクティブ/アクティブ フェールオーバーは、マルチ コンテキスト モードの ASA でのみ使用できます。アクティブ/アクティブ フェールオーバーでは、ASA のセキュリティ コンテキストを 2 つまでのフェールオーバー グループに分割します。
フェールオーバー グループは、1 つまたは複数のセキュリティ コンテキストの論理グループにすぎません。フェールオーバー グループをプライマリ ASA でアクティブに割り当て、フェールオーバー グループ 2 をセカンデリ ASA でアクティブに割り当てることができます。フェールオーバーが行われる場合は、フェールオーバー グループ レベルで行われます。たとえば、インターフェイス障害パターンに応じて、フェールオーバー グループ 1 をセカンデリ ASA にフェールオーバーし、続いてフェールオーバー グループ 2 をプライマリ ASA にフェールオーバーすることができます。このイベントは、プライマリ ASA でフェールオーバー グループ 1 のインターフェイスがダウンしたがセカンデリではアップしており、セカンデリ ASA でフェールオーバー グループ 2 のインターフェイスがダウンしたがプライマリ ASA ではアップしている場合に発生する可能性があります。
管理コンテキストは、常にフェールオーバー グループ 1 のメンバです。未割り当てセキュリティ コンテキストもまた、デフォルトでフェールオーバー グループ 1 のメンバです。アクティブ/アクティブ フェールオーバーが必要であるが複数コンテキストは必要ない場合、最もシンプルな設定は他のコンテキストを 1 つ追加し、それをフェールオーバー グループ 2 に割り当てることです。
(注) |
アクティブ/アクティブ フェールオーバーを構成する場合は、両方の装置の合計トラフィックが各装置の容量以内になるようにしてください。 |
(注) |
必要に応じて両方のフェールオーバー グループを 1 つの ASA に割り当てることもできますが、この場合、アクティブな ASA を 2 つ持つというメリットはありません。 |
フェールオーバー グループのプライマリ/セカンデリ ロールとアクティブ/スタンバイ ステータス
アクティブ/スタンバイ フェールオーバーと同様、アクティブ/アクティブ フェールオーバー ペアの 1 つの装置がプライマリ ユニットに指定され、もう 1 つの装置がセカンダリ ユニットに指定されます。アクティブ/スタンバイ フェールオーバーの場合とは異なり、両方の装置が同時に起動された場合、この指定ではどちらの装置がアクティブになるか指示しません。代わりに、プライマリまたはセカンダリの指定時に、次の 2 つの点を判定します。
-
ペアが同時に起動したときに、プライマリ装置が実行コンフィギュレーションを提供します。
-
コンフィギュレーションの各フェールオーバー グループは、プライマリまたはセカンダリ装置プリファレンスが設定されます。プリエンプションで使用すると、このプレファレンスはフェールオーバー グループが起動後に正しいユニットで実行されるようにします。プリエンプションがない場合、両方のグループは最初に起動したユニットで動作します。
起動時のフェールオーバー グループのアクティブ装置の決定
フェールオーバー グループがアクティブになる装置は、次のように決定されます。
-
ピア装置が使用できないときに装置がブートされると、両方のフェールオーバー グループがピア装置でアクティブになります。
-
ピア装置がアクティブ(両方のフェールオーバー グループがアクティブ状態)の場合に装置がブートされると、フェールオーバー グループは、アクティブ装置でアクティブ状態のままになります。これは、次のいずれかの状態になるまで、フェールオーバー グループのプライマリ プリファレンスまたはセカンダリ プリファレンスには関係ありません。
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フェールオーバーが発生した。
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手動でフェールオーバーを強制実行した。
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フェールオーバー グループにプリエンプションを設定した。この設定により、優先する装置が使用可能になると、フェールオーバー グループはその装置上で自動的にアクティブになります。
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フェールオーバー イベント
アクティブ/アクティブ フェールオーバー コンフィギュレーションでは、フェールオーバーは、システムごとに行うのではなく、フェールオーバー グループごとに行われます。たとえば、プライマリ装置で両方のフェールオーバー グループをアクティブと指定し、フェールオーバー グループ 1 が故障すると、フェールオーバー グループ 2 はプライマリ装置でアクティブのままですが、フェールオーバー グループ 1 はセカンダリ装置でアクティブになります。
フェールオーバー グループには複数のコンテキストを含めることができ、また各コンテキストには複数のインターフェイスを含めることができるので、1 つのコンテキストのインターフェイスがすべて故障しても、そのコンテキストに関連するフェールオーバー グループが故障と判断されない可能性があります。
次の表に、各障害イベントに対するフェールオーバー アクションを示します。各障害イベントに対して、ポリシー(フェールオーバーまたはフェールオーバーなし)、アクティブ フェールオーバー グループのアクション、およびスタンバイ フェールオーバー グループのアクションを示します。
障害の状況 |
ポリシー(Policy) |
アクティブ グループのアクション |
スタンバイ グループのアクション |
注意 |
---|---|---|---|---|
装置で電源断またはソフトウェア障害が発生した |
フェールオーバー |
スタンバイになり、故障とマークする |
アクティブになる アクティブに故障とマークする |
フェールオーバー ペアの装置が故障すると、その装置のアクティブ フェールオーバー グループはすべて故障とマークされ、ピア装置のフェールオーバー グループがアクティブになります。 |
アクティブ フェールオーバー グループにおけるしきい値を超えたインターフェイス障害 |
フェールオーバー |
アクティブ グループに故障とマークする |
アクティブになる |
なし。 |
スタンバイ フェールオーバー グループにおけるしきい値を超えたインターフェイス障害 |
フェールオーバーなし |
動作なし |
スタンバイ グループに故障とマークする |
スタンバイ フェールオーバー グループが故障とマークされている場合、インターフェイス フェールオーバー障害しきい値を超えても、アクティブ フェールオーバー グループはフェールオーバーを行いません。 |
以前にアクティブであったフェールオーバー グループの復旧 |
フェールオーバーなし |
動作なし |
動作なし |
フェールオーバー グループのプリエンプションが設定されている場合を除き、フェールオーバー グループは現在の装置でアクティブのままです。 |
スタートアップ時にフェールオーバー リンクに障害が発生した |
フェールオーバーなし |
アクティブになる |
アクティブになる |
スタートアップ時にフェールオーバー リンクがダウンしていると、両方の装置の両方のフェールオーバー グループがアクティブになります。 |
ステート リンクの障害 |
フェールオーバーなし |
動作なし |
動作なし |
ステート情報が古くなり、フェールオーバーが発生するとセッションが終了します。 |
動作中にフェールオーバー リンクに障害が発生した |
フェールオーバーなし |
n/a |
n/a |
各装置で、フェールオーバー リンクが故障とマークされます。フェールオーバー リンクがダウンしている間、装置はスタンバイ装置にフェールオーバーできないため、できるだけ早くフェールオーバー リンクを復元する必要があります。 |