WAAS ソフトウェアのアップグレード
表14-1 に、WAAS ソフトウェアを最新のバージョンへアップグレードするために完了する必要がある手順概要を説明します。
WAAS ネットワーク内のすべてのデバイスで、同じバージョンの WAAS ソフトウェアが稼働している必要があります。一部の WAAS デバイスで異なるバージョンのソフトウェアが稼働している場合、WAAS Central Manager は、最も低いバージョンである必要があります。バージョンの相互運用性の制限の詳細については、『 Release Note for Cisco Wide Area Application Services 』を参照してください。
表14-1 WAAS ソフトウェアをアップグレードするためのチェックリスト
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1. WAAS ネットワークで動作している現在のソフトウェア バージョンを決定する。 |
Cisco.com にアクセスしたときに新しいバージョンをダウンロードする必要があるかどうかを知るために、現在使用しているソフトウェア バージョンを確認します。 詳細については、「現在のソフトウェア バージョンの決定」を参照してください。 |
2. Cisco.com から新しい WAAS ソフトウェア バージョンを取得する。 |
Cisco.com にアクセスして新しいソフトウェア バージョンをダウンロードし、ローカル FTP サーバまたは HTTP サーバにこのファイルを配置します。 詳細については、「Cisco.com からの最新のソフトウェア バージョンの入手」を参照してください。 |
3. WAAS Central Manager で新しいソフトウェア バージョンを登録する。 |
WAAS Central Manager がファイルにアクセスできるように、新しいソフトウェアファイルの URL を登録します。 詳細については、「WAAS Central Manager GUI でのソフトウェア ファイルの位置の指定」を参照してください。 |
4. WAAS ディスク チェック ツールを実行する。 |
WAE をアップグレードする前に、RAID 同期化が失敗した結果のエラーがファイル システムにあるかどうかをチェックするスクリプト(WAAS ディスク チェック ツール)を実行する必要があります。 詳細については、「WAAS ディスク チェック ツールの使用」を参照してください。 |
5. デバイス グループを使用して WAAS デバイスをアップグレードする。 |
デバイス グループに属するすべての WAAS デバイス(WAAS Central Manager を除く)をアップグレードします。 詳細については、「デバイス グループを使用した複数のデバイスのアップグレード」を参照してください。 |
6. WAAS Central Manager をアップグレードする。 |
すべての WAAS デバイスをアップグレードしたら、プライマリおよびスタンバイ WAAS Central Manager をアップグレードします。 詳細については、「WAAS Central Manager のアップグレード」を参照してください。 |
7. ソフトウェア バージョン ファイルを削除する。 |
WAAS ネットワークを完全にアップグレードしたあと、必要な場合はソフトウェア ファイルを削除することができます。 詳細については、「ソフトウェア ファイルの削除」を参照してください。 |
現在のソフトウェア バージョンの決定
デバイスで動作している現在のソフトウェア バージョンを表示するには、 [Devices] > [Devices] を選択します。[Devices] ウィンドウは、表示される各デバイス用のソフトウェア バージョンを表示します。
また、[Devices] ウィンドウで、デバイスの名前の横にある [Edit] アイコンをクリックすることもできます。[Device Home] ウィンドウが表示され、そのデバイスのソフトウェア バージョンが表示されます。
(注) ソフトウェア バージョンは、ソフトウェア アップグレードが正常に完了するまで、アップグレードされません。ソフトウェアアップグレードの進行中に表示されるバージョン番号は、基本バージョンであり、アップグレードされるバージョン番号ではありません。
あるいは、特定のデバイス用の [Contents] ペインで、 [Monitoring] > [Show/Clear Commands] > [Show Commands] を選択します。 [version] を選択し、 [Submit] をクリックします。2 番めのポップアップ ウィンドウが表示され、 show version コマンドの CLI 出力が表示されます。
Cisco.com からの最新のソフトウェア バージョンの入手
Cisco.com から最新の WAAS ソフトウェア バージョンを入手するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 好みのブラウザを起動し、次のサイトを開きます。
http://www.cisco.com/kobayashi/sw-center/sw-content.shtml
ステップ 2 プロンプトが表示されたら、指定されたユーザ名とパスワードを使用して Cisco.com にログインします。[Content Networking] ウィンドウが表示され、使用可能なソフトウェア製品が表示されます。
ステップ 3 必要な内容のネットワーク ソフトウェア製品へのリンクを選択します。[Software Download] ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 [Download WAAS Software images (contains strong encryption)] リンクをクリックします。
Cisco WAAS ソフトウェア用の [Content Networking] ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 必要な WAAS 暗号ソフトウェア リリースへのリンクをクリックします。
ウィンドウが更新され、そのリリースに使用できるすべてのソフトウェア ファイル(およびメタファイル)が表示されます。
ステップ 6 ソフトウェアの適当なリリース バージョン用の [Release] 列を参照して、ダウンロードしたいソフトウェア ファイルを見つけます。
ソフトウェア ファイルには、次のような名前が付いています。WAAS-4.0.0-K9.bin
ステップ 7 ダウンロードしたいソフトウェア ファイル用のリンクをクリックします。
[Enter Network Password] ダイアログボックスが表示されます。ユーザ名とパスワードを入力して [OK] をクリックし、次のように実行します。
• Cisco.com から初めてソフトウェアをダウンロードする場合は、[Encryption Software Export Distribution Authorization] フォームが表示されます。
–フォームに入力し、 [Submit] をクリックします。Cisco Systems Inc., Encryption Software Usage Handling and Distribution Policy が表示されます。
–ポリシーを読み、 [I Accept] をクリックします。[Encryption Software Export/Distribution] フォームが表示されます。
• すでに [Encryption Software Export Distribution Authorization] フォームに記入し、Cisco Systems Inc.., Encryption Software Usage Handling and Distribution Policy を読んで承諾した場合、これらのフォームは表示されません。代わりに、[Enter Network Password] ダイアログボックスで [OK] をクリックすると、[Encryption Software Export/Distribution] フォームが表示されます。
ステップ 8 [Encryption Software Export/Distribution] フォームを読み、 [Yes] または [No] オプション ボタンをクリックし、 [Submit] をクリックします。セキュリティ警告ダイアログボックスが表示されます。
ステップ 9 セキュリティ警告ダイアログボックスで [Yes] をクリックします。[Software Download] ウィンドウが再表示されます。
ステップ 10 ソフトウェア ファイル リンクを右クリックしてソフトウェアをダウンロードし、 [Save Link As] または [Save Link Target As] オプションを使用して、FTP サーバまたは HTTP サーバにファイルを保存します。
ステップ 11 次の項の説明に従って、WAAS Central Manager GUI でソフトウェア ファイルの位置を登録します。
WAAS Central Manager GUI でのソフトウェア ファイルの位置の指定
WAAS ソフトウェアをアップグレードするには、最初に WAAS Central Manager GUI で WAAS ソフトウェア ファイルの位置を指定し、ソフトウェア ファイル設定を構成する必要があります。WAAS Central Manager GUI のソフトウェア ファイル設定フォームは、ソフトウェア ファイル(.bin)を定義し、これを使用して、ソフトウェア ファイルを入手する方法、デバイスに事前配置するか、直接ダウンロードするかどうかを指定できます。
ソフトウェア ファイル設定フォームを構成するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [System] > [Software Files] を選択します。
ステップ 2 タスクバーの [Create New Software File] アイコンをクリックします。
[Creating New Software File] ウィンドウが表示されます(図14-1 を参照)。
図14-1 [Creating New Software File] ウィンドウ
ステップ 3 次のように、[Software File URL] フィールドで、新しい WAAS ソフトウェア ファイルの位置を指定します。
a. ドロップダウン リストから、プロトコル( [http] または [ftp] )を選択します。
b. Cisco.com からダウンロードした .bin ソフトウェア ファイルの URL を入力します。たとえば、有効な URL は、次のようになります。
http://internal.mysite.com/waas/WAAS-4.x.x-K9.bin
ただし、 WAAS-4.x.x-K9 は、ソフトウェア アップグレード ファイルの名前です(ファイル名は、バージョン番号を含む場合があります)。
ステップ 4 サーバがユーザ ログイン認証を要求する場合は、[Username] フィールドにユーザ名を入力し、[Password] フィールドにログイン パスワードを入力します。[Confirm Password] フィールドに、同じパスワードを入力します。
ステップ 5 [Software Version] フィールドに、ソフトウェア バージョン番号を入力します。
ソフトウェア ファイル URL 内のソフトウェア ファイル名のバージョン部分からこの番号をコピーできます。
X.Y.Z-bB または X.Y.Z.b.B の 2 つの形式のいずれかを指定します。X= メジャー バージョン、Y= マイナー バージョン、Z= 保守バージョン、b= ビルド文字、および B= ビルド番号です。
ステップ 6 検査中に考慮するソフトウェア ファイルのサイズが必要な場合は、[File Size] フィールドにファイル サイズ(バイト)を入力します。
このフィールドを空白のままにすると、ソフトウェア ファイル サイズに関係なく、URL が確認されます。
ステップ 7 [Validate Software File Settings] ボタンをクリックして、[Software File URL] [Username]、および [Password] フィールドを検証します。
[Validate Software File Settings] ボタンをクリックすると、以下が実行されます。
• ソフトウェア ファイル URL が解決されます。
• (指定した場合)ユーザ名とパスワードを使用して、ソフトウェア ファイル URL への接続が確立されます。
• ファイル サイズを指定すると、ソフトウェア ファイルの実際のサイズが取得され、[File Size] フィールドの値と比較されます。
• 成功またはエラーを示すメッセージが返送されます。
ステップ 8 [Advanced Settings] セクションで [Auto Reload] チェック ボックスを選択して、ソフトウェアをアップグレードしたときにデバイスを自動的に再ロードするようにします。このボックスを選択しない場合は、ソフトウェアをアップグレードしたあとで、アップグレード プロセスを完了するためにデバイスを手動で再ロードする必要があります。
ステップ 9 (任意)提供されるフィールドに、コメントを入力します。
ステップ 10 [Submit] をクリックします。
アップグレードが正常終了したことを示すメッセージが表示されます。 [OK] をクリックします。
注意 ブラウザが WAAS Central Manager GUI 用のユーザ名とパスワードを保存するように設定されている場合、ブラウザは、[Creating New Software File] ウィンドウのユーザ名フィールドとパスワード フィールドにユーザ名とパスワードを自動入力します。
[Submit] をクリックする前に、これらのフィールドをクリアする必要があります。
これで、使用したいソフトウェア ファイルが、WAAS Central Manager に登録されます。ソフトウェアのアップグレードまたはダウングレードを実行するときは、登録した URL が [Update Software] ウィンドウで使用できる選択肢の 1 つになります。
CLI からデバイスを再ロードするには、 reload EXEC コマンドを使用します。
WAAS ディスク チェック ツールの使用
WAE をアップグレードする前に、RAID 同期化が失敗した結果のエラーがファイル システムにあるかどうかをチェックするスクリプト(WAAS ディスク チェック ツール)を実行する必要があります(RAID 同期化の詳細については、RAID ペアの正常な再ビルドの確認を参照してください)。
WAAS ディスク チェック ツールは、次の URL から入手できます。
http://www.cisco.com/cgi-bin/tablebuild.pl/waas40
(注) WAAS ディスク チェック ツールを実行すると、デバイスからはログアウトされます。ファイル システムのチェックが完了すると、デバイスは自動的にリブートします。このように、システムがリブートするため、通常の業務終了後にこの操作を行うことを推奨します。
copy ftp disk コマンドを使用して、WAE デバイスにスクリプトをコピーします。
WAE# copy ftp disk <ftp-server> <remote_file_dir> disk_check.sh
次の例に従って、CLI からスクリプトを実行します。
WAE# script execute disk_check.sh
This script will check if there is any file system issue on the attached disks
Activating the script will result in:
Stopping all services. This will log you out.
Perform file system check for few minutes.
and record the result in the following files:
/local1/disk_status.txt - result summary
/local1/disk_check_log.txt - detailed log
System reboot
If the system doesn't reboot in 10 minutes, please re-login and check the result files.
Continue?[yes/no] yes
Please disk_status.txt after reboot for result summary
umount: /state: device is busy
umount: /local/lPAM_unix[26162]: ### pam_unix: pam_sm_close_session (su) session closed for user root
waitpid returns error: No child processes
No child alive.
デバイスのリブート後にログインしたら、次の 2 つのファイルを探して開き、ファイル システムのステータスを表示します。
• disk_status.txt ― 各ファイル システムをリスト表示し、「OK」であるか、注意が必要なエラーを含んでいるかを確認します。
• disk_check_log.txt ― チェックした各ファイル システムの詳細ログが含まれています。
修復が必要ない場合は、次の例に示すように、各ファイル システムが「OK」としてリスト表示されます。
WAE# type disk_status.txt
Thu Feb 1 00:40:01 UTC 2007
device /dev/md1 (/swstore) is OK
device /dev/md0 (/sw) is OK
device /dev/md2 (/state) is OK
device /dev/md6 (/local/local1/spool) is OK
device /dev/md5 (/local/local1) is OK
device /dev/md4 (/disk00-04) is OK
いずれかのファイル システムにエラーが含まれている場合、disk_status.txt ファイルで修復するように指示されます。
RAID ペアの正常な再ビルドの確認
WAE デバイスをリブートする前に、すべての RAID ペアが再ビルドされたことを確認する必要があります。デバイスの再ビルド中にリブートすると、ファイル システムが損傷する可能性があります。
WAFS コア サービスまたはエッジ サービスをイネーブルにするか、 restore factory-default コマンドを使用するか、ハード ディスク ドライブを交換または追加するか、ディスク パーティションを削除するか、またはブートしたリカバリ CD-ROM から WAAS を再インストールするかしたあとの、次のリブート時に RAID ペアが再ビルドされます。
ドライブのステータスを表示して、RAID ペアが「NORMAL OPERATION」または「REBUILDING」ステータスであるかどうかをチェックするには、 show disk details EXEC コマンドを使用します。RAID が再ビルド中であることが表示された場合は、その再ビルド プロセスが完了するまで待つ必要があります。この再ビルド プロセスには数時間かかることがあります。
デバイスのリブート前に RAID ペアの再ビルド プロセスの完了を待たないと、問題を示す次の現象が発生することがあります。
• Central Manager GUI でデバイスがオフラインになっている。
• CMS をロードできない。
• ファイル システムが「読み取り専用」であるというエラー メッセージが表示される。
• syslog には、「Aborting journal on device md2」、「Journal commit I/O error」、「Journal has aborted」、および「ext3_readdir: bad entry in directory」といったエラーが含まれている。
• ディスク操作または操作不能に関連するその他の異常な動作
このような現象のいずれかが発生した場合、WAAS ディスク チェック ツールを実行して問題を特定します。
デバイス グループを使用した複数のデバイスのアップグレード
(注) この手順は、WAE デバイス専用です。WAAS Central Manager デバイスは、デバイス グループを使用してアップグレードできません。
複数のデバイスで最新の WAAS ソフトウェア リリースをアップグレードするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices] > [Device Groups] を選択します。
[Device Groups] 一覧ウィンドウが表示され、WAAS ネットワーク内のすべてのデバイス グループが表示されます。
ステップ 2 アップグレードしたいデバイス グループの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
[Modifying Device Group] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 [Contents] ペインで、 [Software Update] を選択します。
[Software Update for Device Group] ウィンドウが表示されます(図14-2 を参照)。
図14-2 [Software Update for Device Group] ウィンドウ
ステップ 4 ファイル名の横にあるオプション ボタンをクリックして、[Software File URL] リストからソフトウェア ファイル URL を選択します。
(注) ソフトウェア ファイル URL が表示されない場合は、[Edit Software Files] をクリックします。このボタンをクリックすると、「WAAS Central Manager GUI でのソフトウェア ファイルの位置の指定」に説明されているように、ソフトウェア ファイルの位置を指定できる [System > Software Files] ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 [Submit] をクリックします。
アップグレードの進行状況を表示するには、[Devices] ウィンドウ( [Devices] > [Devices] )へ進み、[Software Version] 列でソフトウェア アップグレード ステータス メッセージを表示します。これらの中間メッセージは、WAAS デバイスのシステム ログにも書き込まれます。アップグレード ステータス メッセージの説明については、 表14-2 を参照してください。
表14-2 アップグレード ステータス メッセージ
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Pending |
要求が WAAS Central Manager からデバイスへまだ送信されていない、あるいはデバイスが要求の受信を肯定応答していません。 |
Downloading |
ソフトウェア ファイルをダウンロードする方法を決定中です。 |
Proceeding with Download |
ソフトウェア ファイルをダウンロードする方法が直接ダウンロードに決定されます。ソフトウェア ファイルの直接ダウンロード要求を処理します。 |
Download in Progress (Completed ...) |
ソフトウェア ファイルの直接ダウンロードを処理しています。「Completed」は、処理されたメガバイト数を示します。 |
Download Successful |
ソフトウェア ファイルの直接ダウンロードが正常終了しました。 |
Download Failed |
ソフトウェア ファイルの直接ダウンロードを処理できません。トラブルシューティングが必要です。デバイスのシステム メッセージ ログを参照してください。 |
Proceeding with Flash Write |
ソフトウェア ファイルをデバイスのフラッシュ メモリに書き込む要求が出されました。 |
Flash Write in Progress (Completed ...) |
デバイスのフラッシュ メモリへの書き込みを処理しています。「Completed」は、処理されたメガバイト数を示します。 |
Flash Write Successful |
ソフトウェアのフラッシュ書き込みが正常終了しました。 |
Reloading |
ソフトウェア アップグレードを完了するために、デバイスを再ロードする要求が出されました。デバイスが数分間オフラインになる場合があります。 |
Reload Needed |
デバイスを再ロードする要求が出されていません。ソフトウェア アップグレードを完了するために、手動でデバイスを再ロードする必要があります。 |
Cancelled |
ソフトウェア アップグレード要求が中止された、または前のソフトウェア アップグレード要求が CLI から取り消されました。 |
Update Failed |
ソフトウェア アップグレードを完了できませんでした。トラブルシューティングが必要です。デバイスのシステム メッセージ ログを参照してください。 |
WAAS Central Manager のアップグレード
WAAS ネットワークにソフトウェアをアップグレードするときは、WAAS Central Manager をアップグレードする前に WAE デバイスから開始します。([Creating New Software File] ウィンドウで [Auto Reload] を選択すると)アップグレード手順が完了したときに WAAS Central Manager がリブートし、一時的にデバイスおよびグラフィカル ユーザ インターフェイスにアクセスできなくなる場合があります。WAAS Central Manager がそのソフトウェアをアップグレードし、リブートすると、異なるバージョンの WAAS ソフトウェアが動作するデバイスと通信できなくなる場合があります。
プライマリおよびスタンバイ WAAS Central Manager デバイスは、同じバージョンの WAAS ソフトウェアを使用する必要があります。同じでない場合、スタンバイ WAAS Central Manager はこれを検出し、プライマリ WAAS Central Manager から受信する設定更新を処理しません。プライマリ WAAS Central Manager を使用してソフトウェア アップグレードを実行する場合は、最初にスタンバイ WAAS Central Manager をアップグレードし、次にプライマリ WAAS Central Manager をアップグレードする必要があります。また、ソフトウェアをアップグレードする前に、プライマリ WAAS Central Manager 用のデータベース バックアップを作成し、データベース バックアップ ファイルを安全な場所にコピーすることを推奨します。
WAAS Central Manager デバイスには、このアップグレード手順を使用します。また、このアップグレード手順を使用して、一度に 1 台ずつ WAAS デバイスをアップグレードすることもできます。
1 台のデバイスでソフトウェアを別の WAAS ソフトウェア リリースへアップグレードするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices] > [Devices] を選択します。
ステップ 2 アップグレードしたいデバイスの [Edit] アイコンをクリックします。
[Device Home] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 アップグレードする予定のバージョンが、デバイスで動作していないことを確認します。
ステップ 4 [Update Software] ボタンをクリックします。
[Software Update] ウィンドウが表示されます。
ステップ 5 ファイル名の横にあるオプション ボタンをクリックして、[Software Files] リストからソフトウェア ファイル URL を選択します。
(注) ソフトウェア ファイル URL が表示されない場合は、[Edit Software Files] をクリックします。このボタンをクリックすると、「WAAS Central Manager GUI でのソフトウェア ファイルの位置の指定」に説明されているように、ソフトウェア ファイルの位置を指定できる [System > Software Files] ウィンドウが表示されます。
ステップ 6 [Submit] をクリックし、 [OK] をクリックして決定を確認します。
[Devices] 一覧ウィンドウが再表示されます。このウィンドウから、アップグレードの進行状況を監視できます。
[Software Version] 列に、ソフトウェア アップグレードのステータス メッセージが表示されます。これらの中間メッセージは、WAAS デバイスのシステム ログにも書き込まれます。アップグレード ステータス メッセージの説明については、 表14-2 を参照してください。
ソフトウェア ファイルの削除
WAAS デバイスを正常にアップグレードしたあと、WAAS システムからソフトウェア ファイルを削除することができます。
(注) システムをダウングレードする必要がある場合に備えて、ソフトウェアを削除する前に数日待つことを推奨します。
WAAS ソフトウェア ファイルを削除するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [System] > [Software Files] を選択します。
ステップ 2 削除したいソフトウェア ファイルの横にある [Edit] アイコンをクリックします。[Modifying Software File] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 タスクバーの [Trash] アイコンをクリックします。
ソフトウェア ファイルを削除するかどうかを確認するプロンプトが表示されます。
ステップ 4 [OK] をクリックします。
選択したソフトウェア ファイルが WAAS ネットワークから削除された [Software Files] 一覧ウィンドウへ戻ります。
WAAS システムのバックアップと復元
ここでは、次の内容について説明します。
• 「WAAS Central Managerデータベースのバックアップと復元」
• 「WAE デバイスのバックアップと復元」
• 「Cisco WAAS ソフトウェア リカバリ CD の使用」
• 「システム ソフトウェアの復旧」
• 「紛失した管理者パスワードの復旧」
• 「ディスクに基づくソフトウェアの欠落からの復旧」
• 「WAAS デバイス登録情報の復旧」
WAAS Central Managerデータベースのバックアップと復元
WAAS Central Manager デバイスは、WAAS ネットワーク全体のデバイス設定情報を Centralized Management System (CMS)データベースに保存します。システムの信頼性を強化するために、手動で CMS データベースの内容をバックアップできます。
CMS データベース バックアップは、WAAS Central Manager が他の WAAS デバイスと通信するために使用するアーカイブ データベース ダンプ、WAAS Central Manager 登録情報、およびデバイス情報を含む独自の形式にあります。CMS データベース バックアップ ファイルは、プライマリおよびスタンバイ WAAS Central Manager デバイス間で交換できません。そのため、プライマリ WAAS Central Manager からのバックアップ ファイルを使用して、スタンバイ WAAS Central Manager を復元することはできません。
WAAS Central Manager 用の CMS データベースをバックアップするには、 cms database backup EXEC コマンドを使用します。データベースをバックアップするには、バックアップ ファイルを保存したいリモート サーバの位置、パスワード、およびユーザ ID を指定する必要があります。
(注) CMS データベースのバックアップでは、印刷ドライバをバックアップしません。Central Manager データベースのバックアップを行う場合は、印刷ドライバを再インストールする必要があります。
CMS データベースをバックアップし、復元するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 次の例に示すように、WAAS Central Manager GUI デバイスで、 cms database backup コマンドを使用して、CMS データベースをファイルにバックアップします。
creating backup file with label ‘backup'
backup file local1/waas-db-7-22-2006-17-36.dump is ready. use ‘copy' commands to move the backup file to a remote host.
(注) バックアップ ファイルには、cms-db-date-timestamp.dump という形式の名前が自動的に設定されます。たとえば、cms-db-7-22-2006-17-36.dump です。なお、タイムスタンプは、24 時間形式(HH:MM)で秒は表示されません。
ステップ 2 copy disk ftp コマンドを使用して、リモート サーバにファイルを保存します。
次の例に示すように、このコマンドは、ローカル ディスクからリモート FTP サーバへファイルをコピーします。
CDM# copy disk ftp 10.86.32.82 /incoming waas-db-7-22-2006-17-36.dump waas-db-7-22-2006-17-36.dump
Enter username for remote ftp server:ftp
Enter password for remote ftp server:*******
10.86.32.82 FTP server (Version wu-2.6.1-18) ready.
Password required for ftp.
Entering Passive Mode (10,86,32,82,112,221)
Entering Passive Mode (10,86,32,82,203,135)
Sending:STOR acns-db-9-22-2002-17-36.dump
Opening BINARY mode data connection for waas-db-7-22-2006-17-36.dump.
ステップ 3 次のように CMS データベースを復元します。
a. CMS サービスを無効にします。
(注) CMS サービスを停止すると、WAAS Central Manager GUI が無効になります。CMS サービスが無効になると、現在この GUI にログインしているすべてのユーザが自動的にログアウトされます。
b. 既存の CMS データベースを削除します。
c. バックアップ ファイルから、CMS データベースの内容を復元します。
CDM# cms database restore waas-db-7-22-2006-17-36.dump
d. CMS サービスを有効にします。
WAE デバイスのバックアップと復元
システム障害の発生に備えて、各 WAAS デバイスのデータベースを定期的にバックアップすることを推奨します。
(注) この項で説明するバックアップとリストア方式は、WAAS Central Manager として設定されていない WAE デバイスだけに適用されます。WAAS Central Manager デバイスをバックアップする方法については、「WAAS Central Managerデータベースのバックアップと復元」を参照してください。
次のいずれかの方法を使用して、個々の WAE デバイスのデータベースをバックアップし、復元することができます。
• WAE Device Manager ― WAE Device Manager を使用してデバイスのデータベースをバックアップし、復元する方法については、「設定ファイルのバックアップ」を参照してください。
• CLI ― 次のコマンドを使用して、デバイスのデータベースをバックアップし、復元できます。
– wafs backup-config ― ファイル サーバ、プリンタ、およびユーザ用の設定を含む WAFS システム設定全体をファイルに保存します。このコマンドを使用したあとで、WAE を再び登録することを強く推奨します。
– wafs restore-config ― 指定したバックアップ ファイルに基づいて設定を復元します。このコマンドは、自動的にリロード機能を実行します。
– copy running-config ― 現在動作しているネットワーク設定を起動時設定に保存します。
さらに、任意の時点に、ディスクとフラッシュ メモリからユーザデータを削除し、アプライアンスにキャッシュされているすべての既存ファイルを削除して、WAE を出荷時のデフォルト設定に復元できます。ネットワーク設定値などの基本構成情報は維持できます。リブート後には、Telnet および Secure Shell (SSH; セキュア シェル)を介してアプライアンスにアクセスできます。
(注) ソフトウェア アップグレードが適用されている場合、復元プロセスは、工場出荷時のデフォルト設定ではなく、現在インストールされているバージョンのデフォルト設定へ戻します。
CLI から WAE を工場出荷時のデフォルト設定または現在の設定のデフォルトに戻すには、 restore factory-default [preserve basic-config] EXEC コマンドを使用します。
CLI コマンドの詳細については、『 Cisco Wide Area Application Services Command Reference 』を参照してください。
Cisco WAAS ソフトウェア リカバリ CD の使用
ソフトウェア リカバリ CD-ROM は、WAE ハードウェア デバイスに同梱されています。ここでは、インストールされているソフトウェアが故障した場合に、ソフトウェア リカバリ CD-ROM を使用して、システム ソフトウェアを再インストールする手順について説明します。
注意 ソフトウェア リカバリ CD を受け取ったあとでソフトウェアをアップグレードした場合は、
CD-ROM ソフトウェア イメージを使用すると、システムがダウングレードされる場合があります。
Cisco WAAS ソフトウェアには、3 つの基本コンポーネントがあります。
• ディスクに基づくソフトウェア
• フラッシュに基づくソフトウェア
• ハードウェア プラットフォーム クッキー(フラッシュ メモリに保存)
Cisco WAAS ソフトウェアが正しく動作するには、このすべてのコンポーネントが正しくインストールされている必要があります。
ソフトウェアは、シスコシステムズが提供する 2 種類のソフトウェア イメージに含まれています。
• ディスクおよびフラッシュ メモリ コンポーネントを含む .bin イメージ
• フラッシュ メモリ コンポーネントのみを含む .sysimg イメージ
対応するディスクに基づくソフトウェアがない WAAS フラッシュ メモリに基づくソフトウェアだけを含むインストールは、限られたモードで起動し、動作するため、完全なインストールを完了する前にさらにディスクを設定できます。
復旧用の .sysimg コンポーネントが提供されているため、ディスクの内容を変更しないでフラッシュ メモリだけを修復することができます。
次の項で説明するオプションは、ソフトウェア リカバリ CD-ROM のインストーラ メニューから使用できます。
• オプション 1:[Configure Network] ― インストールする必要があります。bin イメージが CD-ROM でなく、ネットワークに存在する場合(古い CD-ROM を使用して新しいソフトウェアをインストールする場合など)は、このオプションを選択して .bin イメージをインストールする前にネットワークを設定する必要があります。
このオプションは、ネットワークから .sysimg ファイルをインストールする場合、自動的に実行されます。
• オプション 2:[Manufacture Flash] ― このオプションは、フラッシュ メモリを検査し、有効でない場合、シスコの標準レイアウトになるように自動的にフラッシュ メモリを再フォーマットします。再フォーマットが必要な場合、新しいクッキーが自動的にインストールされます。
このオプションは、.bin または .sysimg のインストールの一環として自動的に実行されます。
• オプション 3:[Install Flash Cookie] ― このオプションは、ハードウェア プラットフォーム固有のクッキーを生成し、フラッシュ メモリにインストールします。このオプションは、マザーボードの交換やシステム間のフラッシュ メモリ カードの移動のようなハードウェア コンポーネントに変更があった場合のみ実行する必要があります。
このオプションは、必要な場合、フラッシュ製造工程で .bin または .sysimg のインストールの一環として自動的に実行されます。
• オプション 4:[Install Flash Image from Network] および オプション 5:[Install Flash Image from CD-ROM] ― これらのオプションを使用すると、ディスクの内容を変更しないでフラッシュ メモリ .sysimg だけをインストールできます。新しいシャーシにお客様の古いディスクを搭載するときなどに使用できます。
これらのオプションは、自動的にフラッシュ検査を実行し、必要な場合はハードウェア クッキーをインストールします。ネットワークからインストールするときは、まだ実行していない場合にネットワークを設定するためのプロンプトが表示されます。
• オプション 6:[Install Flash Image from Disk] ― このオプションは、将来の拡張用に予約され、使用できません。
• オプション 7:[Wipe Out Disks and Install .bin Image] ― このオプションは、Cisco WAAS ソフトウェアをインストールするために望ましい手順を提供します。
注意 オプション 7 は、デバイス内のすべてのディスク ドライブから内容を消去します。
このオプションは、次の手順を実行します。
a. フラッシュ メモリのフォーマットが、シスコ仕様に適合していることを確認します。適合している場合は、b へ進みます。適合していない場合、システムは、フラッシュ メモリを再フォーマットして Cisco ファイル システムをインストールし、ハードウェア プラットフォーム固有のクッキーを生成しインストールします。
b. すべてのドライブからデータを消去します。
c. ディスクにデフォルトの Cisco ファイル システム レイアウトを再作成します。
d. .bin イメージからフラッシュ メモリ コンポーネントをインストールします。
e. .bin イメージからディスク コンポーネントをインストールします。
• オプション 8:[Exit and Reboot] ― このオプションは、デバイスをリブートします。フラッシュ メモリからブートするために、リブートする前に CD-ROM を取り出してください。
ソフトウェア リカバリ CD-ROM を使用して WAE アプライアンスにシステム ソフトウェアを再インストールするには、次の手順に従います。
ステップ 1 アップグレードする WAE アプライアンスにシリアル コンソールを接続し、コンソールを次の手順に使用します。
ステップ 2 WAE デバイスの CD ドライブに、WAAS 4.0.x CD-ROM を挿入します。
ステップ 3 WAE をリブートします。WAE が起動すると、次のメニューが表示されます。
4. Install flash image from network
5. Install flash image from cdrom
6. Install flash image from disk
7. Wipe out disks and install .bin image
ステップ 4 オプション 2 を選び、フラッシュ メモリを準備します。
この手順では、デバイスのクッキーを準備し、WAAS ソフトウェアにより使用されていたネットワーク設定も取得します。このネットワーク設定はフラッシュ メモリに保存され、WAAS ソフトウェアがインストール後に起動するときに、ネットワークを設定するために使用される。
ステップ 5 オプション 3 を選び、前の手順で準備したフラッシュ クッキーをインストールします。
ステップ 6 オプション 5 を選び、CD-ROM からフラッシュ イメージをインストールします。
ステップ 7 オプション 7 を選び、ディスクを拭いてバイナリ イメージをインストールします。
この手順では、ディスクを消去することによりディスクを準備します。WAAS 4.0.x イメージがインストールされます。
ステップ 8 ドライブから CD-ROM を削除します。
ステップ 9 オプション 8 を選び、WAE をリブートします。
WAE のリブート後、WAAS 4.0.x ソフトウェアが動作します。WAE には最小限のネットワーク設定があり、さらに設定するために、端末コンソール経由で WAE にアクセスできます。
シスコ製アクセス ルータにインストールされた NME-WAE ネットワーク モジュールにシステム ソフトウェアを再インストールするには、次の手順に従います。
ステップ 1 NME-WAE モジュールがインストールされたシスコ製ルータにログインし、NME-WAE モジュールをリロードします。
router-2851# service-module integrated-Service-Engine 1/0 reload
ステップ 2 すぐにモジュールのセッションを開きます。
router-2851# service-module integrated-Service-Engine 1/0 session
ステップ 3 モジュールのリロード中、起動フェーズ 3 では次のオプションがあります。指示に従って、*** を入力します。
[BOOT-PHASE3]: enter `***' for rescue image: ***
ステップ 4 復旧用イメージ ダイアログが表示されます。次の例は、復旧用イメージ ダイアログの使用方法を示しています(ユーザ入力は太字フォントで表記されています)。
This is the rescue image. The purpose of this software is to let
you install a new system image onto your system's boot flash
device. This software has been invoked either manually
(if you entered `***' to the bootloader prompt) or has been
invoked by the bootloader if it discovered that your system image
in flash had been corrupted.
To download an image from network, this software will request
the following information from you:
- which network interface to use
- IP address and netmask for the selected interface
- default gateway IP address
- username and password on FTP server
- path to system image on server
Please enter an interface from the following list:
Using interface GigabitEthernet 1/0
Please enter the local IP address to use for this interface:
[Enter IP Address]: 10.1.13.2
Please enter the netmask for this interface:
[Enter Netmask]: 255.255.255.240
Please enter the IP address for the default gateway:
[Enter Gateway IP Address]: 10.1.13.1
Please enter the IP address for the FTP server where you wish
to obtain the new system image:
[Enter Server IP Address]: 10.107.193.240
Please enter your username on the FTP server (or 'anonymous'):
[Enter Username on server (e.g. anonymous)]: username
Please enter the password for username 'username' on FTP server:
Please enter the directory containing the image file on the FTP server:
[Enter Directory on server (e.g. /)]: /
Please enter the file name of the system image file on the FTP server:
[Enter Filename on server]: WAAS-4.0.7-K9.sysimg
Here is the configuration you have entered:
Gateway Address: 10.1.13.1
Server Address: 10.107.193.240
Image filename: WAAS-4.0.7-K9.sysimg
Downloaded 15821824 byte image file
A new system image has been downloaded.
You should write it to flash at this time.
Please enter 'yes' below to indicate that this is what you want to do:
[Enter confirmation ('yes' or 'no')]: yes
Ok, writing new image to flash
.................................................................................. done.
Finished writing image to flash.
Enter 'reboot' to reboot, or 'again' to download and install a new image:
[Enter reboot confirmation ('reboot' or 'again')]: reboot
ステップ 5 モジュールのリブート後、HTTP サーバから .bin イメージをインストールします。
NM-WAE-1# copy http install 10.77.156.3 /waas WAAS-4.0.7-k9.bin
ステップ 6 モジュールをリロードします。
モジュールのリブート後、WAAS 4.0.x ソフトウェアが動作します。
システム ソフトウェアの復旧
WAAS デバイスには、フラッシュ メモリ内のイメージが壊れた場合に呼び出される復旧用システム イメージが常駐しています。システム イメージをフラッシュ メモリに書き込む際に停電が発生するとシステム イメージが壊れる場合があります。復旧用イメージは、デバイスのメイン メモリへシステム イメージをダウンロードし、フラッシュ メモリに書き込むことができます。
復旧用イメージを使用して新しいシステム イメージをインストールするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 FTP サーバを実行しているホストへシステム イメージ ファイル(*.sysimg)をダウンロードします。
ステップ 2 デバイスとのコンソール接続を確立し、ターミナル セッションを開きます。
ステップ 3 電源スイッチを切り替えて、デバイスをリブートします。
復旧用イメージ ダイアログが表示されます。次の例は、復旧用イメージ ダイアログの使用方法を示しています(ユーザ入力は太字フォントで表記されています)。
This is the rescue image. The purpose of this software is to let
you download and install a new system image onto your system's
boot flash device. This software has been invoked either manually
(if you entered `***' to the bootloader prompt) or has been
invoked by the bootloader if it discovered that your system image
in flash had been corrupted.
To download an image, this software will request the following
- which network interface to use
- IP address and netmask for the selected interface
- default gateway IP address
- which protocol to use to connect to server
- username/password (if applicable)
- path to system image on server
Please enter an interface from the following list:
Using interface FastEthernet 0/0
Please enter the local IP address to use for this interface:
[Enter IP Address]: 172.16.22.22
Please enter the netmask for this interface:
[Enter Netmask]: 255.255.255.224
Please enter the IP address for the default gateway:
[Enter Gateway IP Address]: 172.16.22.1
Please enter the IP address for the FTP server where you wish
to obtain the new system image:
[Enter Server IP Address]: 172.16.10.10
Please enter your username on the FTP server (or 'anonymous'):
[Enter Username on server (e.g. anonymous)]: anonymous
Please enter the password for username 'anonymous' on FTP server (an email address):
Please enter the directory containing the image file on the FTP server:
[Enter Directory on server (e.g. /)]: /
Please enter the file name of the system image file on the FTP server:
[Enter Filename on server]: WAAS-4.0.0-K9.sysimg
Here is the configuration you have entered:
Gateway Address: 172.16.22.1
Server Address: 172.16.10.10
Image filename: WAAS-4.0.0-K9.sysimg
Downloaded 10711040 byte image file
A new system image has been downloaded.
You should write it to flash at this time.
Please enter 'yes' below to indicate that this is what you want to do:
[Enter confirmation ('yes' or 'no')]: yes
Ok, writing new image to flash
..................................................................................Finished writing image to flash.
Enter 'reboot' to reboot, or 'again' to download and install a new image:
[Enter reboot confirmation ('reboot' or 'again')]: reboot
Initializing memory. Please wait.
ステップ 4 ユーザ名 admin としてデバイスにログインします。 show version コマンドを入力して、正しいバージョンが動作していることを確認します。
Wide Area Application Services (WAAS)
Copyright (c) 1999-2006 by Cisco Systems, Inc.
Wide Area Application Services Release 4.0.0
Compiled 02:34:38 May 8 2006 by (cisco)
Compile Time Options: PP SS
System was restarted on Thu June 22 16:03:51 2006.
The system has been up for 4 weeks, 1 day, 6 hours, 7 minutes, 23 seconds.
紛失した管理者パスワードの復旧
管理者パスワードを忘れたり、紛失したり、設定が間違っている場合は、デバイス上のパスワードをリセットする必要があります。
(注) 紛失した管理者パスワードを復元する方法はありません。この手順の説明に従って、新しいパスワードにリセットする必要があります。
パスワードをリセットするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 デバイスとのコンソール接続を確立し、ターミナル セッションを開きます。
ステップ 2 デバイスをリブートします。
デバイスがリブートしているときに、次のプロンプトが表示されたら、Enter キーを押します。
Cisco WAAS boot:hit RETURN to set boot flags:0009
ステップ 3 起動フラグを入力するプロンプトが表示されたら、次の値を入力します。 0x8000
次に例を示します。
Available boot flags (enter the sum of the desired flags):
0x4000 - bypass nvram config
0x8000 - disable login security
[CE boot - enter bootflags]:0x8000
You have entered boot flags = 0x8000
Boot with these flags? [yes]:yes
Setting the configuration flags to 0x8000 lets you into the system, bypassing all security. Setting the configuration flags field to 0x4000 lets you bypass the NVRAM configuration.
ステップ 4 デバイスが起動手順を完了すると、CLI にアクセスするためのユーザ名を入力するプロンプトが表示されます。デフォルトの管理者ユーザ名( admin )を入力します。
ステップ 5 CLI プロンプトが表示されたら、グローバル設定モードで username password コマンドを使用して、ユーザ用のパスワードを設定します。
WAE(config)# username admin password 0 password
パスワードには、平文パスワードまたは暗号化されたパスワードを指定できます。
(注) ユーザ ID (UID)は設定しないでください。
ステップ 6 EXEC モードで write memory コマンドを使用して、設定変更を保存します。
ステップ 7 (任意) reload コマンドを使用して、デバイスをリブートします。
リブートはオプションです。ただし、起動フラグがリセットされ、以後のコンソール管理者ログインがパスワード検査を迂回しないことを確認する場合はリブートします。
(注) WAAS ソフトウェアでは、リブートするたびに起動フラグが 0x0 にリセットされます。
ディスクに基づくソフトウェアの欠落からの復旧
この項の手順を使用して、次のようなディスク ドライブ問題から復旧します。
• WAAS デバイスが、ディスク障害時に交換する必要がある 1 台のディスク ドライブを搭載している。
• WAAS デバイスが 2 台のディスク ドライブを搭載し、両方ドライブ(diks00 および disk01)で意図的にディスク パーティションを削除した。
一般に複数のディスク ドライブを搭載するシステムは、重要なシステム パーティション上の RAID-1 で保護されているため、ドライブを交換するとき、この項の手順に従う必要はありません。
この条件から復旧するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 次の手順を完了して、デバイスを非アクティブにします。
a. WAAS Central Manager GUI から、 [Devices] > [Devices] へ進みます。
b. 非アクティブにしたいデバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
c. [Contents] ペインで、 [Activation] を選択します。[Device Activation] ウィンドウが表示されます
d. [Activate] チェック ボックスの選択を解除し、 [Submit] をクリックします。
デバイスが非アクティブになります。
ステップ 2 デバイスの電源を切り、故障したハード ドライブを交換します。
ステップ 3 デバイスの電源を入れます。
ステップ 4 WAAS ソフトウェアをインストールします。詳細については、『 Cisco Wide Area Application Services Quick Configuration Guide 』を参照してください。
ステップ 5 CMS ID 復旧手順を使用して、デバイス CMS ID を復旧し、このデバイスを WAAS Central Manager 上の既存のデバイス レコードに関連付けます。詳細については、「WAAS デバイス登録情報の復旧」を参照してください。
WAAS デバイス登録情報の復旧
デバイス登録情報は、デバイスと WAAS Central Manager の両方に保存されます。ハードウェア障害のためにデバイスの登録 ID が失われたり、デバイスを交換する必要がある場合、WAAS ネットワーク管理者は、CLI コマンドを発行して失った情報を復旧し、新しいデバイスを追加するときは、故障したデバイスの ID を仮定できます。
失った登録情報を復旧する、または同じ登録情報を持つ新しいデバイスで故障したデバイスを交換するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 次の手順を完了して、故障したデバイスに「Inactive」および「Replaceable」というマークを付けます。
a. WAAS GUI から、 [Devices] > [Devices] を選択します。
b. 非アクティブにしたいデバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。[Device Home] ウィンドウが表示されます。
c. [Contents] ペインで、 [Activation] を選択します。
d. [Activate] チェック ボックスの選択を解除します。ウィンドウが更新され、デバイスに交換可能マークを付けるためのチェック ボックスが表示されます。
e. [Replaceable] チェック ボックスを選択し、 [Submit] をクリックします。
(注) このチェック ボックスは、デバイスが非アクティブであるときだけ、GUI に表示されます。
ステップ 2 次のように、システム デバイス復旧キーを設定します。
a. WAAS Central Manager GUI から、 [System] > [Configuration] を選択します。
b. System.device.recovery.key プロパティの横にある [Edit] アイコンをクリックします。[Modifying Config Property] ウィンドウが表示されます
c. [Value] フィールドにパスワードを入力し、 [Submit] をクリックします。デフォルトのパスワードは、 default です。
ステップ 3 新しいデバイス用の基本的なネットワーク設定を構成します。
ステップ 4 デバイス CLI との Telnet セッションを開き、 cms recover identity keyword EXEC コマンドを入力します。 keyword は、WAAS Central Manager GUI で設定したデバイス復旧キーです。
WAAS Central Manager は、WAAS デバイスから復旧要求を受信すると、次の基準に適合するデバイス レコードをデータベースで検索します。
• レコードが非アクティブかつ交換可能である。
• レコードが復旧要求に指定されたホスト名またはプライマリ IP アドレスを持っている。
復旧要求とデバイス レコードが一致する場合、WAAS Central Manager は、既存のレコードを更新し、要求するデバイスへ登録応答を送信します。他のデバイスが同じ ID を仮定することがないように、交換可能状態がクリアされます。WAAS デバイスは、復旧された登録情報を受信すると、登録情報をファイルに書き込み、そのデータベース表を初期化し、起動します。
ステップ 5 次の手順を完了して、デバイスをアクティブにします。
a. WAAS GUI から、 [Devices] > [Devices] を選択します。
b. アクティブにしたい WAAS デバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。[Device Home] ウィンドウが表示されます。
c. [Contents] ペインで、 [Activation] を選択します。WAAS デバイスのステータスがオンラインになります。
d. [Activate] チェック ボックスを選択し、 [Submit] をクリックします。
RAID-1 システムのディスク保守の実行
WAAS は、障害の発生したディスクの交換およびスケジュール設定されたディスクの保守のいずれに対しても、ホットスワップ機能をサポートします。ディスクに障害が発生すると、WAAS は自動的にディスクの障害イベントを検出し、ディスクは不良としてマークが付けられ、RAID-1 ボリュームから削除されます。ディスク保守のスケジュールを設定するには、手動でディスクをシャットダウンする必要があります。
ディスクを WAE から物理的に取り外す前に、ディスクのシャットダウンが完了するのを待つ必要があります。RAID 削除プロセスが完了すると、WAAS はディスク障害アラームおよびトラップを生成します。さらに、syslog ERROR メッセージが記録されます。
(注) RAID アレイの再ビルド プロセス中に削除イベント(ディスク障害またはソフトウェアのシャットダウンなど)が発生した場合、RAID 削除プロセスの完了に最長 1 分かかることがあります。このプロセスの正確な所要時間は、ディスクのサイズによって異なります。
RAID 再ビルド プロセス中にソフトウェアにより障害発生ディスクが削除された場合、RAID 再ビルドの障害アラームが生成されます。RAID 再ビルド プロセス中にディスクを管理上のシャットダウンにする場合、RAID 再ビルドの中断アラームが生成されます。
交換ディスクが取り付けられると、WAAS はイベントを検出して新しく挿入したディスクで互換性チェックを実行し、パーティションを作成して初期化してからディスクをソフトウェア RAID に追加して、RAID 再ビルド プロセスを開始します。
新しく挿入したディスクの ID が、同じ物理スロットでそれまでに不良のマークが付けられたディスクの ID と同じ場合、ディスクはマウントされず、交換後チェック、初期化、RAID の再ビルドは行なわれません。
新しく取り付けたディスクは、同じタイプで、次の互換性要件を満たしている必要があります。
• 交換ディスクが RAID ペアの disk00、disk02、または disk04 用の場合、交換ディスクはアレイで動作中のディスクと同じサイズである必要があります。
• 交換ディスクが RAID ペアの disk01、disk03、または disk05 用の場合、交換ディスクはアレイで動作中のディスクと同じまたはそれ以上の RAID 容量である必要があります。
ホットスワップ プロセスの一部である互換性チェックでは、容量互換性がチェックされます。互換性がないとアラームが生成され、ホットスワップ プロセスが中断されます。
表14-3 に、WAE-612 のドライブタイプの互換性を示します。すべてのドライブが同じタイプになっている必要があります。
表14-3 WAE-612 ドライブタイプの互換性のマトリクス
|
|
|
SAS |
Ok |
なし |
SATA2 |
なし |
Ok |
ディスク保守を実行するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 ディスクを手動でシャットダウンします。
a. グローバル コンフィギュレーション モードで disk disk-name diskxx shutdown コマンドを入力します。
b. ディスクのシャットダウンが完了するのを待ってから、ディスクを WAE から物理的に取り外します。RAID 削除プロセスが完了すると、WAAS はディスク障害アラームおよびトラップを生成します。さらに、syslog ERROR メッセージが記録されます。
(注) ディスクの削除にシステムの電源を切る必要はないので、disk error-handling reload オプションがイネーブルになっている場合はディセーブルにすることを推奨します。
ステップ 2 交換ディスクを WAE のスロットに挿入します。交換ディスクの ID は、交換前のディスクとは異なっている必要があります。
ステップ 3 no disk disk-name diskxx shutdown グローバル コンフィギュレーション コマンドを入力して、ディスクを再びイネーブル化にします。
RAID-5 システムのディスク交換
RAID-5 論理ドライブを使用するシステムの物理ディスク ドライブを取り外して交換するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAE の WAAS CLI の EXEC モードで disk disk-name diskxx replace コマンドを入力します。
ステップ 2 EXEC モードで show disks details コマンドを入力して、ディスク ドライブ diskxx が Defunct 状態になっていることを確認します。RAID 論理ドライブは、この時点で Critical 状態になっています。
ステップ 3 ドライブのハンドルを開く位置(ドライブに対して垂直)に動かします。
ステップ 4 ホットスワップ ドライブ アセンブリをベイから引き出します。
ステップ 5 1 分間待ってから、交換ドライブ アセンブリをベイのガイド レールに合わせ、ドライブ アセンブリが止まるまでベイにスライドさせて、新しいドライブを同じスロットに挿入します。ドライブがベイに正しく装着されていることを確認します。
ステップ 6 ドライブ ハンドルを閉じます。
ステップ 7 ハード ディスク ドライブのステータス LED をチェックし、ハード ディスク ドライブが正常に動作していることを確認します。オレンジのハード ディスク ドライブのステータス LED が点灯している場合、そのドライブは故障しているので、交換する必要があります。グリーンのハード ディスク ドライブのアクティビティ LED が点滅している場合、そのドライブがアクセスされていることを示します。
ステップ 8 1 分間待ってから、EXEC モードで show disks details コマンドを使用して、交換したディスク ドライブが Rebuilding 状態になっていることを確認します。
(注) ServeRAID コントローラは、論理 RAID ドライブの一部であるドライブの取り外しと再挿入を検出すると、自動的に再ビルド操作を開始します。
ステップ 9 再ビルド操作が完了するまで待ちます。EXEC モードで show disks details コマンドを使用すれば、再ビルド操作が完了したかどうかをチェックできます。再ビルド操作が完了すると、物理ドライブの状態は Online、RAID 論理ドライブの状態は Okay になっています。
300 GB SAS ドライブの場合、再ビルドが完了するのに最長で 5 時間かかることがあります。
複数のディスクで障害が発生し、RAID-5 論理ステータスが Offline の場合、次のステップに従って RAID-5 アレイを再作成する必要があります。
ステップ 1 グローバル コンフィギュレーション モードで disk logical shutdown コマンドを入力して、RAID-5 アレイをディセーブルにします。
ステップ 2 EXEC モードで write コマンドを入力し、NVRAM に実行コンフィギュレーションを保存します。
ステップ 3 EXEC モードで reload コマンドを入力し、システムをリロードします。
ステップ 4 システムがリブートされたら、EXEC モードで show disks details コマンドを入力し、システム コンフィギュレーションをチェックします。この時点で、ディスクはマウントされておらず、論理 RAID ドライブは Shutdown 状態になっています。
ステップ 5 EXEC モードで disk recreate-raid コマンドを入力して、RAID-5 アレイを再作成します。
ステップ 6 disk recreate-raid コマンドが正常に実行されたら、グローバル コンフィギュレーション モードで no disk logical shutdown コマンドを入力し、論理ディスクのシャットダウン設定をディセーブルにします。
ステップ 7 EXEC モードで write コマンドを入力し、NVRAM に設定を保存します。
ステップ 8 EXEC モードで reload コマンドを入力し、システムをリロードします。
ステップ 9 システムがリブートされたら、EXEC モードで show disks details コマンドを入力し、システム コンフィギュレーションをチェックします。この時点でディスクはマウントされて、論理 RAID ドライブは Shutdown 状態ではなくなっています。
ステップ 10 再ビルド操作が完了するまで待ちます。EXEC モードで show disks details コマンドを使用すれば、再ビルド操作が完了したかどうかをチェックできます。再ビルド操作が完了すると、物理ドライブの状態は Online、RAID 論理ドライブの状態は Okay になっています。
RAID-5 アレイの再ビルドが完了するには数時間かかります。
WAAS Central Manager のスタンバイからプライマリへの切り替え
Cisco WAAS ソフトウェアは、スタンバイ WAAS Central Manager を実装しています。このプロセスにより、2 つめの WAAS Central Manager デバイスで WAAS ネットワーク設定のコピーを維持できます。プライマリ WAAS Central Manager に障害が発生した場合、スタンバイはプライマリを交換するために使用できます。
相互運用性については、スタンバイ WAAS Central Manager を使用する場合、WAAS Central Manager の完全な設定を維持するために、プライマリ WAAS Central Manager と同じソフトウェア バージョンである必要があります。バージョンが異なると、スタンバイ WAAS Central Manager はこの状態を検出し、問題が解決されるまで、プライマリ WAAS Central Manager から受信する設定の更新を処理しません。
(注) スタンバイ Central Manager を設定する前に、印刷ドライバを手動でインストールする必要があります。印刷ドライバは、プライマリ Central Manager データベースからスタンバイ デバイスに自動的に複製されません。
プライマリ WAAS Central Manager が動作不能になった場合、ウォーム スタンバイ WAAS Central Manager の 1 つをプライマリ WAAS Central Manager にするように手動で再設定できます。次のように、グローバル設定 central-manager role primary コマンドを使用して新しい役割を設定します。
WAE(config)# central-manager role primary
このコマンドにより、役割がスタンバイからプライマリに変更され、マネジメント サービスが再起動して、この変更を認識します。
プライマリ WAAS Central Manager がまだオンラインでアクティブなときにウォーム スタンバイ WAAS Central Manager をプライマリに切り替えると、両方の WAAS Central Manager が互いに検出し合うことにより自動的に停止し、マネジメント サービスを無効にします。WAAS Central Manager は停止に切り替わり、自動的にフラッシュ メモリに保存されます。
停止した WAAS Central Manager をオンライン状態に戻すには、どちらの Central Manager をプライマリ デバイスにし、どちらをスタンバイ デバイスにするかを決定します。プライマリ デバイスで、次の CLI コマンドを実行します。
WAE(config)# central-manager role primary
スタンバイ デバイスで、次の CLI コマンドを実行します。
WAE(config)# central-manager role standby
WAE(config)# central-manager address primary-CM-ip
注意 WAAS Central Manager をプライマリからスタンバイに切り替えると、Central Manager での設定が消去されます。Central Manager は、スタンバイになったあと、現在ではプライマリであるいずれかの Central Manager からの設定情報を複製し始めます。スタンバイおよびプライマリ ユニットが役割を切り替える前に同期しない場合、重要な設定情報が失われる可能性があります。
Central Manager の役割を切り替える前に、次の手順に従います。
ステップ 1 Central Manager デバイスで、同じバージョンの WAAS ソフトウェアが動作していることを確認します。
ステップ 2 両方の WAAS Central Manager で同じ Coordinated Universal Time(UTC; 世界標準時)が設定されるように、両方のデバイスで物理クロックを同期化します。
ステップ 3 次の項目の状態を確認することにより、スタンバイがプライマリと同期していることを確認します。
a. デバイスのオンライン状態を確認します。
元のスタンバイ Central Manager と現在アクティブなすべてのデバイスは、Central Manager GUI でオンラインとして表示されています。この手順では、ほかのすべてのデバイスが両方の Central Manager を認識するようにします。
b. プライマリ WAAS Central Manager からの最近の更新の状態を確認します。
show cms info EXEC コマンドを使用して、最後の更新の時間を確認します。最新の状態では、[Time of last config-sync] フィールドの値は 1 ~ 5 分である必要があります。スタンバイ WAAS Central Manager がプライマリ WAAS Central Manager の設定を完全に複製したことを確認します。
更新時間が最新でない場合、接続の問題があるかどうか、またはプライマリ WAAS Central Manager がダウンしているかどうかを確認します。必要に応じて問題を解決し、最後の更新時間が示すように、設定が複製されるまで待ちます。
ステップ 4 次の順番で役割を切り替えます。
a. 次のように、元のプライマリ モードをスタンバイ モードに切り替えます。
WAE1(config)# central-manager role standby
b. 次のように、元のスタンバイ モードをプライマリ モードに切り替えます。
WAE2(config)# central-manager role primary
役割変更を設定すると、CMS サービスが自動的に再起動します。
ディスク暗号化のイネーブル化
ディスクの暗号化は、展開された WAAS システムを通って流れる機密情報および WAAS 永続ストレージに保存される機密情報を安全に保護する必要性に対応しています。ディスクの暗号化機能には 2 つの面があります。WAE ディスク上での実際のデータ暗号化と、暗号キーの保管および管理です。
ディスク暗号化をイネーブルにすると、WAAS 永続ストレージの全データが暗号化されます。暗号化データのロックを解除する暗号キーは、Central Manager に保管され、キー管理は Central Manager で行なわれます。ディスクの暗号化を設定したあとで WAE をリブートすると、WAE は Central Manager からキーを自動的に取得します。これにより、WAAS 永続ストレージに保存されているデータにアクセスできるようになります。
ディスク暗号化の要件は次のとおりです。
• Central Manager がネットワークで使用できるように設定されている必要があります。
• WAE デバイスが、Central Manager に登録されている必要があります。
• WAE デバイスが Central Manager とオンラインになっている(アクティブ接続を確立している)必要があります。この要件は、ディスクの暗号化をイネーブルにする場合にのみ適用されます。
• ディスクの暗号化設定を有効にするには、WAE をリブートする必要があります。
WAE をリブートしたあと、新しいキーを使用して暗号化パーティションが作成され、既存のデータはパーティションから削除されます。
暗号化のイネーブル化またはディセーブル化に関係なく、ディスクの暗号化設定に変更があると、ディスクのキャッシュがクリアされます。この機能は、万一 WAE が盗難に遭った場合に、顧客の機密情報が暗号解除されたりアクセスされたりしないように保護します。
ディスクの暗号化をイネーブルにしてから、この機能をサポートしていないソフトウェア バージョンにダウングレードした場合、データ パーティションを使用できません。そのような場合は、ダウングレードしたあとにディスク パーティションを削除する必要があります。
Central Managar GUI からディスクの暗号化をイネーブルおよびディセーブルにするには、 [Devices] > [Devices] > [General Settings] > [Storage] > [Disk Encryption] を選択します。ディスクの暗号化をイネーブルにするには、[Enable] チェックボックスをオンにして、 [Submit] をクリックします。デフォルトで、このボックスは選択されていません。ディスクの暗号化をディセーブルにするには、[Enable] チェックボックスをオフにして、 [Submit] をクリックします。
WAE CLI からディスクの暗号化をイネーブルおよびディセーブルにするには、 disk encrypt グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。
ディスクの暗号化をイネーブルまたはディセーブルにすると、ファイル システムはその後の最初のリブートの間に再度初期化されます。ディスク パーティションのサイズにより、再初期化には 10 分から数時間かかります。この間、WAE にはアクセス可能ですが、サービスの提供はありません。
Central Manager の IP アドレスを変更したり、Central Manager を再配置したり、Central Manager を元の Central Managerからすべての情報をコピーしていない別の Central Manager に置き換えたりしてから、ディスクの暗号化がイネーブルになったときに WAE をリロードした場合、WAE ファイル システムは再初期化プロセスを完了したり、Central Manager からキーを取得したりすることができません。
WAE が暗号キーの取得に失敗した場合、CLI から no disk encrypt enable グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用してディスクの暗号化をディセーブルにして、WAE をリロードします。ディスクの暗号化をイネーブルし WAE をリロードする前に、Central Manager との接続を確認します。このプロセスにより、ディスク キャッシュがクリアされます。
暗号化ステータスの詳細を表示するには、 show disks details EXEC コマンドを使用します。ファイル システムの初期化の間、 show disks details では次のメッセージが表示されます。「 System initialization is not finished, please wait...
」。Central Manager GUI の [Device Home] ウィンドウでもディスクの暗号化ステータス(イネーブルかディセーブルか)を表示できます。
ディスク エラー処理方法の設定
(注) ディスク エラーの処理の設定およびイネーブル化(特に reload オプション)は、ディスクのホットスワップをサポートするデバイスには必要なくなりました。WAAS 4.0.13 では、ソフトウェアが自動的にクリティカル エラーのあるディスクをサービスから削除します。
WAAS ソフトウェアを使用すると、ディスク エラーを処理する方法を設定し、ディスク デバイス エラー処理しきい値を定義できます。
不良ディスク ドライブがクリティカル ディスク ドライブで、自動リロード機能(disk error-
handling reload コマンド)が有効の場合、WAAS ソフトウェアは、そのディスク ドライブに「不良」マークを付け、WAAS デバイスが自動的にリロードされます。WAAS デバイスがリロードされると、syslog メッセージと SNMP トラップが生成されます。
ディスクのエラー処理しきい値オプションは、ディスク ドライブに「不良」のマークを付けるまでに検出できるディスク エラーの数を決定します。デフォルトでは、このしきい値は 10 に設定されています。デフォルトのしきい値を変更するには、 disk error-handling threshold グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用します。ディスク ドライブに「不良」マークを付けたくない場合は、 0 を指定します。
次の例は、特定のディスク ドライブ(たとえば、disk00)で 5 つを超えるディスク ドライブ エラーが発生した場合に、そのディスク ドライブに自動的に「不良」マークを付けます。
WAE(config)# disk error-handling threshold 5
WAAS Central Manager GUI を使用してディスク エラー処理方法を設定するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices] > [Devices] または [Devices] > [Device Groups] を選択します。
ステップ 2 ディスク エラー処理方法を設定したいデバイス(またはデバイス グループ)の横にある [Edit] アイコンをクリックします。
ステップ 3 [Contents] ペインで、 [General Settings] > [Storage] > [Disk Error Handling] を選択します。
[Disk Error Handling Settings] ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 [Enable] チェック ボックスを選択して設定ウィンドウを有効にし、必要に応じて次のオプションを選択します。
• [Enable Disk Error Handling Reload] ― ファイル システム(sysfs)(disk00)に問題がある場合、デバイスはディスクを再ロードします。このオプションは、デフォルトで無効です。
• [Enable Disk Error Handling Remap] ― デバイスは、自動的にディスク エラーを再マップします。このオプションは、デフォルトで有効になります。
• [Enable Disk Error Handling Threshold] ― ディスクに不良マークが付く前に可能なディスク エラーの数を指定します。[Threshold] フィールドに、0 ~ 100 の値を入力する必要があります。デフォルトのしきい値は 10 です。このオプションは、デフォルトで無効です。
ステップ 5 [Submit] をクリックして、設定を保存します。
すべての非アクティブ WAAS デバイスのアクティブ化
ネットワーク内のすべての非アクティブ WAAS デバイスをアクティブにするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI から、 [Devices] > [Devices] を選択します。[Devices] 一覧ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 タスクバーの [Activate all inactive WAEs] アイコンをクリックします。[Activate All Inactive WAEs] ウィンドウが表示されます(図14-3 を参照)。
図14-3 非アクティブ デバイスのアクティブ化
ステップ 3 [Select an existing location for all inactive WAEs] オプション ボタンをクリックしてすべての非アクティブ WAAS デバイス用の既存の位置を選択し、ドロップダウン リストから位置を選択します。
あるいは、[Create a new location for each inactive WAE] オプション ボタンをクリックして、各非アクティブ デバイス用の新しい位置を作成することもできます。[Select a parent location for all newly created locations] ドロップダウン リストから位置を選択して、新しく作成したすべての位置の親位置を指定します。
ステップ 4 [Submit] をクリックします。非アクティブ WAE が再度アクティブ化され、指定した位置に配置されます。
デバイスまたはデバイス グループのリブート
WAAS Central Manager GUI を使用して、デバイスまたはデバイス グループをリモートにリブートできます。
個々のデバイスをリブートするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS GUI から、 [Devices] > [Devices] を選択します。
ステップ 2 リブートしたいデバイスの名前の横にある [Edit] アイコンをクリックします。[Device Home] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 タスクバーで、 [Reload WAE] アイコンをクリックします。処理を確認するプロンプトが表示されます。
ステップ 4 [OK] をクリックして、デバイスのリブートを確認します。
CLI からデバイスをリブートするには、 reload EXEC コマンドを使用します。
デバイス グループ全体をリブートするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS GUI から、 [Devices] > [Device Groups] を選択します。
ステップ 2 リブートしたいデバイス グループの名前の横にある [Edit] アイコンをクリックします。[Modifying Device Group] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 タスクバーで、 [Reboot All Devices in Device Group] アイコンをクリックします。処理を確認するプロンプトが表示されます。
ステップ 4 [OK] をクリックして、デバイス グループのリブートを確認します。
制御されたシャットダウンの実行
制御されたシャットダウンとは、デバイスの電源を切ることなく(ファンは継続して稼働し、電源 LED も点灯したままの状態で)、WAAS デバイス を正常にシャットダウンするプロセスを指してします。制御されたシャットダウンを行うと、すべてのアプリケーション アクティビティとオペレーティング システムがアプライアンス上で適切に停止されますが、電源は投入されたままです。制御されたシャットダウンは、アプライアンスにサービスを提供している場合のダウンタイムを最小限に抑える上で役立ちます。
注意 制御されたシャットダウンが実行されなかった場合は、WAAS ファイル システムが破損する可能性があります。また、アプライアンスが適切にシャットダウンされなかった場合は、リブートするのにかなりの時間がかかります。
shutdown EXEC コマンドを使用して、CLI から制御されたシャットダウンを実行できます。詳細については、『 Cisco Wide Area Application Services Command Reference 』を参照してください。
シスコ製アクセス ルータに搭載されたネットワーク モジュールで WAAS が稼働している場合は、ルータ CLI から service-module integrated-service-engine slot/unit shutdown EXEC コマンドを使用して、制御されたシャットダウンを実行します。詳細については、『 Configuring Cisco WAAS Network Modules for Cisco Access Routers 』を参照してください。