ファイル サービス機能の概要
この項では、WAAS ファイル サービス機能の概要を説明します。内容は次のとおりです。
• 「自動ディスカバリ」
• 「事前配置」
• 「データ一貫性」
• 「データ並列性」
• 「Microsoft との相互運用性」
WAAS バージョン 4.1.1 は、次の相互に排他的な 2 つの WAFS モデルをサポートしています。
• 透過的 CIFS アクセラレータ モード ― このモードは WAAS バージョン 4.1.1 で導入されました。新しい透過的モードでは、コア、エッジ、または接続の設定が不要です。このモードは自動ディスカバリに依存し、設定する必要はなく、CIFS トラフィックを透過的に加速します。切断モードはサポートされていません。使いやすさという点から、このモードを推奨します。
• レガシー モード ― すべての WAAS バージョンで提供されるこのモードは、Core クラスタ、Edge ファイル サービス、および Core デバイスと Edge デバイス間の接続を設定する必要があります。複数の WAAS 4.0.x デバイスを相互運用する必要がある場合、または切断モードでの動作が必須である場合は、このモードを使用します。
このモードにもファイル サーバを自動的に検出する機能が含まれますが、制限があります。詳細については、「レガシー モードによる自動ディスカバリ」を参照してください。
WAE デバイスまたはグループで透過的 CIFS アクセラレータが有効である場合、システムはすべての既存の Core または Edge の設定、および Core と Edge の設定ウィンドウを無効にします。さらに、デバイスは Core クラスタに属することができません。CIFS アクセラレータ モードでは、各要求の方向に応じて、WAE デバイスが同時に Edge および Core として動作します。手動の設定は不要です。
(注) WAFS アクセラレーションは、接続の各端のピア WAE が同じ WAFS モード(透過的 CIFS アクセラレータまたはレガシー)を使用している場合にのみ動作します。
自動ディスカバリ
自動ディスカバリ機能により、個々のファイル サーバを WAAS Central Manager に登録しなくても WAFS を有効にすることができます。自動ディスカバリ機能により、WAAS は、透過モードの CIFS 要求を受信すると、自動的に新しいファイル サーバを検出し、そのファイル サーバに接続しようとします。
レガシー モードによる自動ディスカバリ
レガシー動作モードにも、いくつか制限を伴いますが、ファイル サーバの自動ディスカバリ機能があります。レガシー モードを使用している場合、自動ディスカバリ機能は、デフォルトでは、未登録のファイル サーバへの CIFS 要求に対して動作します。
ファイル サーバへのパスが複数ある場合、WAAS は最も遅延の小さいパスを選択します。Core WAE と検出されたサーバの間の遅延が 25 ミリ秒を超える場合、サーバは遠すぎると判断され、接続は最適化されません。さらに、Edge WAE とサーバの間の遅延が 2 ミリ秒を超える場合、サーバはローカルと判断され、接続は最適化されません。
(注) WAFS レガシー モードを使用し、ファイル サーバを登録せずに自動ディスカバリ機能に依存している場合、事前配置、ダイナミック共有、および切断モードといった WAFS 機能を使用できません。さらに、ファイル サーバにデジタル署名が必要な場合、WAFS はそのデータをキャッシュできません。
新しいファイル サーバは、この自動ディスカバリのモードによりポリシー エンジンのダイナミック マップに追加されるので、 show policy-engine application dynamic EXEC コマンドを使用して、これらのファイル サーバを確認することができます。ファイル サーバは、最後の接続が閉じてから 3 分間ダイナミック マップに残っています。
事前配置
事前配置機能を使用すると、システム管理者は、頻繁に使用するファイルを中央のストレージから選択した Edge WAE のキャッシュに「事前に」配置できます。これにより、ユーザは最初からファイルに高速アクセスでき、使用可能な帯域幅の使用効率が上昇します。WAAS Central Manager GUI から、事前配置ディレクティブを作成します。
エンド ユーザが Edge WAE キャッシュにないファイルを開こうとすると、Edge WAE は、ファイルが保存されているファイル サーバから WAN 経由でファイルを取得します。事前配置は、管理者が、定義済みのスケジュールに従って、頻繁にアクセスされる大型ファイルをファイル サーバから選択した Edge WAE キャッシュへ保存できる機能です。管理者が事前配置を正しく使用することで、ユーザは、これらのファイルに初めてアクセスするときでも、キャッシュ レベルのパフォーマンスを利用できます。事前配置は、ネットワークがアイドル状態にあるときに(夜間など)重い内容を転送し、日中は他のアプリケーションに帯域幅を解放して、WAN 帯域の利用率を改善します。
WAAS Central Manager GUI を使用すると、管理者は、(それぞれのスケジュールが設定された)相互に重なる複数の事前配置ポリシー、対象 Edge WAE のリスト、および定義された時間とサイズの制約を作成できます。
(注) 事前配置には、複数のルートを設定する機能も含まれます。「新しい事前配置ディレクティブの作成」を参照してください。
データ一貫性
WAAS ソフトウェアは、相互に関係のある 2 つの機能を使用して、システム全体のデータ整合性を保証します。その 1 つは、データの最新性を管理する 一貫性 です。もう 1 つは、複数のクライアントによるデータ アクセスを制御する 並列性 です。
複数の位置で複数のコピーを維持すると、そのうちのいくつかのファイルが変更される可能性が増し、他のファイルとの一貫性が失われます。一貫性の意味は、最新性(コピーが最新であるかどうか)と元のファイル サーバと交換されるアップデートの伝搬の保証のために使用されます。
WAAS ソフトウェアは、組み込み一貫性ポリシーに次の一貫性の意味を適用します。
• サイト内での厳格な CIFS 動作 ― 同じキャッシュのユーザは、常に標準の厳格な CIFS 一貫性の意味が保証されます。
• CIFS を開くときのキャッシュ検証 ― CIFS では、ファイルを開く操作は、ファイル サーバへパススルーされます。一貫性を守るため、WAAS ソフトウェアは、ファイルを開くたびにファイルの最新性を検証し、ファイル サーバのファイルが更新されている場合、キャッシュされたファイルを無効にします。
WAAS ソフトウェアは、キャッシュ内のファイルのタイム スタンプとファイル サーバ上のファイルのタイム スタンプを比較して、データを検証します。タイム スタンプが同一の場合、Edge WAE 上のキャッシュされたコピーは有効と見なされ、ユーザは Edge WAE キャッシュからファイルを開くことを許可されます。
タイム スタンプが異なる場合、Edge WAE は、キャッシュからファイルを削除し、ファイル サーバに最新のコピーを要求します。
• キャッシュの予防的アップデート ― WAAS ソフトウェアは、Edge WAE でキャッシュされているデータの最新性を維持するために、CIFS 環境での変更通知の使用をサポートしています。
クライアントがディレクトリまたはファイルを変更すると、Edge WAE は、ファイル サーバへ変更通知を送信します。次に、ファイル サーバは、変更されたディレクトリとファイルのリストを含む変更通知をすべての Edge WAE へ送信します。変更通知を受信すると、各 Edge WAE は、キャッシュ内の通知にリストされているディレクトリとファイルを無効にし、最新バージョンでキャッシュをアップデートします。
たとえば、ユーザが既存の Word 文書を編集し、Edge WAE キャッシュに変更を保存すると、Edge WAE は、ファイルが変更されたことを知らせる変更通知をファイル サーバへ送信します。次に、Edge WAE は、変更されたセクションをファイル サーバへ送信し、ファイル サーバは予防的に変更通知をネットワーク内の他の Edge WAE へ送信します。次に、これらの Edge WAE は、すべてのアクセス ポイント全体でファイルが一貫するようにキャッシュをアップデートします。
このプロセスは、ディレクトリの名前を変更する、新しいサブディレクトリを追加する、ファイルの名前を変更する、またはキャッシュされたディレクトリに新しいファイルを作成するときにも適用されます。
• CIFS を閉じるときのフラッシュ ― CIFS では、ファイルを閉じる操作は、すべての書き込みバッファをファイル サーバにフラッシュし、すべてのアップデートがファイル サーバに伝達されたあとでは、閉じる要求だけが許可されます。一貫性の観点からは、ファイルを開くときの有効性とファイルを閉じるときのフラッシュとの組み合せが、Microsoft Office のような良好なアプリケーションがセッションの意味で動作することを保証します。WAAS ネットワークでは、開く、ロック、編集、ロック解除、および閉じるコマンドが正しく動作することが保証されます。
• 経過時間に基づくディレクトリの検査(CIFS) ― ディレクトリは、設定済みの経過時間に関連付けられています。経過時間が経過すると、Edge WAE キャッシュはディレクトリを再検査します。
ユーザが初めてディレクトリの内容を表示しようとすると、Edge WAE は、ファイル サーバがユーザとグループのアクセス権を含むディレクトリの Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)を使用して、許可検査を実行できるようにします。Edge WAE は、ユーザがどのディレクトリにアクセスし、ファイル サーバがそのアクセスを許可したかどうかを監視します。ユーザが短い期間(経過時間)に同じディレクトリに再びアクセスしようとすると、Edge WAE はファイル サーバにアクセスせず、その代わりにキャッシュされたアクセス権を使用して、ユーザにアクセスを提供するかを決定します。経過時間が経過すると、Edge WAE はファイル サーバにアクセスして、キャッシュされたユーザのアクセス権をリフレッシュします。
この許可プロセスは、ユーザがファイル サーバでアクセスする許可を持っていないキャッシュ内のディレクトリやファイルにアクセスすることを防止します。
データ並列性
並列性制御は、複数のユーザがキャッシュされた同じデータに読み取り、書き込み、またはその両方のアクセスを行うときに重要です。並列性制御は、ファイル システム ロックを確立および削除して、このアクセスを同期化します。このファイル ロック機能は、データ整合性を保証し、次の利点を提供します。
• クライアントは、リモート ファイル サーバからデータを取得しなくてもよいように、積極的にファイル データをキャッシュできます。
• 既存の CIFS クライアント実装で動作する多くのアプリケーションのパフォーマンスを改善します。
• 一度に 1 人のユーザだけがファイルのセクションを変更できるので、データ整合性が維持されます。
WAAS ソフトウェアは、ネットワーク帯域幅を使用して WAN 経由でファイル サーバでデータの読み取りや書き込みを実行する代わりに、ローカル キャッシュで安全にデータの読み取りや書き込みを実行できるように、ユーザがファイルをロックできる CIFS oplock 機能をサポートしています。oplock を使用すると、ユーザは、他のユーザがファイルにアクセスしていないことが分かっているため、キャッシュされたデータが古くなることなく、事前に先行読み出しデータをキャッシュできます。また、ユーザは、ローカル キャッシュにデータを書き込むことができ、ファイルを閉じるまで、または別のユーザが同じファイルを開くように要求するまで、ファイル サーバをアップデートする必要がありません。
oplock は、ファイルだけに適用されます。ファイル サーバは、ディレクトリと名前付きパイプに oplock 要求を許可しません。
ファイル ロック プロセス
ユーザがファイルを開くと、ロック要求がファイル サーバへ送信されます。Edge WAE は、ユーザからファイル サーバへのすべてのロック要求とファイル サーバからユーザへのすべての応答を代行受信し、転送します。他のユーザがファイルにロックを設定していない場合、ファイル サーバは、ユーザが安全にファイルをキャッシュできるように排他ロック要求を許可します。
2 番めのユーザが同じファイルを開くように要求すると、次の処理が実行されます。
1. ファイル サーバは、最初のユーザが取得した排他的ファイル ロックを取り消します。
2. 最初のユーザは、次の処理を実行します。
–キャッシュに保存されたファイルの変更をファイル サーバにフラッシュします。この処理により、ファイルを開く 2 番めのユーザがファイル サーバから最新の情報を受信することが保証されます。
–2 番めのユーザがファイルを開いたためにそのデータの最新性が保証されないため、ファイル用の先行読み出しバッファを削除します。
3. ファイル サーバは、2 番めのユーザにファイルを開くことを許可します。
Microsoft との相互運用性
WAAS ファイル サービス機能は、次の Microsoft CIFS 機能と相互運用できます。
• ユーザ認証と許可用の Active Directory
• Microsoft CIFS のオフライン フォルダ
• Microsoft DFS インフラストラクチャ
• 「共有フォルダ用の Windows シャドウ コピー」の説明に従う共有フォルダ用の Windows シャドウ コピー
共有フォルダ用の Windows シャドウ コピー
WAAS ファイル サービスは、Windows Server 2003/2008 オペレーティング システムの一部である共有フォルダ用のシャドウ コピー機能をサポートしています。この機能は、Microsoft Volume Shadow Copy Service を使用して、ユーザが前バージョンのフォルダやファイルを簡単に表示できるように、ファイル システムのスナップショットを作成します。
WAAS 環境では、ユーザは、ネイティブ Windows 環境と同様に、Edge WAE からフォルダまたはファイルを右クリックし、 [Properties] > [Previous Version] プロパティを選択して、シャドウ コピーを表示します。
機能の制限事項を含む共有フォルダ用のシャドウ コピーの詳細については、Microsoft Windows Server 2003/2008 の資料を参照してください。
ユーザは、Edge WAE 上のシャドウ コピー フォルダにアクセスするとき、ファイル サーバ上のネイティブ環境と同じ作業を実行できます。これらの作業は、次のとおりです。
• シャドウ コピー フォルダの参照
• シャドウ コピー フォルダの内容のコピーまたは復元
• シャドウ コピー フォルダ内のファイルの表示およびコピー
共有フォルダ機能用のシャドウ コピーは、次の作業をサポートしていません。
• シャドウ コピー ディレクトリの名前の変更または削除
• シャドウ コピー ディレクトリ内のファイルの名前の変更、作成、または削除
サポートされるサーバおよびクライアント
WAAS は、次のファイル サーバで共有フォルダ用のシャドウ コピーをサポートしています。
• Windows 2008
• Windows 2003(SP1 付き、SP1 なし)
• NetApp Data OPTap バージョン 6.5.2、6.5.4 および 7.0
• EMC Celerra バージョン 5.3 および 5.4
WAAS は、次のクライアント用の共有フォルダ用のシャドウ コピーをサポートしています。
• Windows Vista
• Windows XP Professional
• Windows 2000(SP3 以降)
• Windows 2003
(注) Windows 2000 および Windows XP(SP2 なし)クライアントでは、共有フォルダ用のシャドウ コピーをサポートするために、前バージョンのクライアントをインストールする必要があります。
ファイル サービスの設定
WAAS バージョン 4.1.1 では、設定される方法が異なる相互に排他的な 2 つの WAFS モードをサポートしています。
• 透過的 CIFS アクセラレータ モード ― このモードでは、コア、エッジ、または接続の設定が不要です。このモードは自動ディスカバリに依存し、設定する必要はなく、CIFS トラフィックを透過的に加速します。使いやすさという点から、このモードを推奨します。
表11-2 に、透過的 CIFS アクセラレータ モードを設定するために完了する必要がある手順の概要を提供します。このモードを使用することにより、この章にあるほとんどの設定手順を省略できます。
• レガシー モード ― このモードでは、Core クラスタ、Edge ファイル サービス、および Core デバイスと Edge デバイス間の接続を設定する必要があります。複数の WAAS 4.0.x デバイスを相互運用する必要がある場合、または切断モードでの動作が必須である場合は、このモードを使用します。
表11-3 に、ファイル サービスを設定するために完了する必要がある手順の概要を提供します。
表11-2 透過的モードのファイル サービスを設定するためのチェックリスト
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1. ファイル サービスを準備する。 |
WAAS デバイスでファイル サービスを有効にし、設定する前に、完了する必要がある作業を提供します。詳細については、「ファイル サービスの準備」を参照してください。 |
2. CIFS アクセラレーションを有効化する。 |
透過的 CIFS アクセラレータを有効化する。詳細については、「グローバル最適化機能の有効化と無効化」を参照してください。 |
3. (任意)ダイナミック共有を識別する。 |
エクスポートされたファイル サーバで、ダイナミック共有を識別します。ファイル サーバにダイナミック共有がない場合は、この手順を省略できます。 詳細については、「ダイナミック共有の作成」を参照してください。 |
4. (任意)事前配置ディレクティブを作成する。 |
エクスポートされたファイル サーバから Edge WAE キャッシュへどのファイルを予防的にコピーするかを定義します。詳細については、「事前配置ディレクティブの作成」を参照してください。 |
表11-3 レガシー モードのファイル サービスを設定するためのチェックリスト
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1. ファイル サービスを準備する。 |
WAAS デバイスでファイル サービスを有効にし、設定する前に、完了する必要がある作業を提供します。詳細については、「ファイル サービスの準備」を参照してください。 |
2. WAFS コア クラスタを設定する。 |
WAFS コア クラスタは、エクスポートされたファイル サーバから Edge WAE のキャッシュへデータをコピーする必要があります。詳細については、「コア クラスタの設定」を参照してください。 |
3. エッジ デバイスを設定する。 |
デフォルトで、ファイル サービスは、WAAS デバイスで有効になっていません。エッジ デバイスでファイル サービスを有効にし、開始するには、「エッジ デバイスの設定」を参照してください。 |
4. (任意)ファイルサーバを WAAS Central Manager に登録する。 |
どのファイル サーバをエクスポートするかを WAAS システムに指定します。また、この手順は、コア クラスタと登録したファイル サーバ間のリンクを作成します。詳細については、「Edge WAE キャッシュへエクスポートするためのファイル サーバの設定」を参照してください。自動ディスカバリを使用している場合、この手順はオプションです。 |
5. (任意)ダイナミック共有を識別する。 |
エクスポートされたファイル サーバで、ダイナミック共有を識別します。ファイル サーバにダイナミック共有がない場合は、この手順を省略できます。 詳細については、「ダイナミック共有の作成」を参照してください。 |
6. コア クラスタとエッジ デバイス間の接続を作成する。 |
コア クラスタが Edge WAE キャッシュへデータをコピーできるようにします。詳細については、「コア クラスタと Edge WAE 間の接続の作成」を参照してください。 |
7. (任意)事前配置ディレクティブを作成する。 |
エクスポートされたファイル サーバから Edge WAE キャッシュへどのファイルを予防的にコピーするかを定義します。詳細については、「事前配置ディレクティブの作成」を参照してください。 |
コア クラスタの設定
レガシー モードでファイル サービスを設定する最初の手順では、デバイスでコア サービスを有効にし、デバイスをコア クラスタに割り当てます。コア クラスタには、エクスポートされたファイル サーバ(または複数のファイル サーバ)から Edge WAE のキャッシュへデータをコピーする役割があります。後続の各セクションで、クラスタがどのファイル サーバをエクスポートし、どのエッジ デバイスをキャッシュされたデータで満たすかが分かるように、エッジ デバイスとファイル サーバ(任意)をこのコア クラスタに割り当てます。
手順 1 ~ 7 で、コア サーバ サービスを有効にし、デバイスをコア クラスタに割り当てます。手順 8 ~ 12 で、新しいコア クラスタを設定します。この手順の最後の手順で、デバイスが Core WAE として機能するために必要なデバイスをリロードする方法について説明します。
WAFS コア クラスタを作成するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインで、 [My WAN] > [Manage Devices] を選択します。
[Devices] ウィンドウに、WAAS システムに作成されているデバイスのリストが表示されます。
ステップ 2 新しいコア クラスタに入れたいデバイスの横にある [Edit] ボタンをクリックします。
[Device Dashboard] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 ナビゲーション ペインで、 [Configure] > [Acceleration] > [Legacy Service] > [File Services] > [Core Configuration] を選択します。
[Enable Core Server Services] ウィンドウが表示されます(図11-2 を参照)。
図11-2 コア サーバ サービスの有効化
ステップ 4 [Enable Core Server] チェック ボックスを選択します。
ステップ 5 次のいずれかの方法を使用して、このデバイスをコア クラスタに割り当てます。
• このデバイス用の新しいコア クラスタを作成するには、空の [Core Cluster] フィールドの横にあるオプション ボタンを選択し、この空のフィールドに新しいコア クラスタの名前を入力します。この名前にはスペースや特殊文字を入れることができません。
• このデバイスを既存のコア クラスタに参加させるには、そのコア クラスタの横にあるオプション ボタンを選択します。既存のコア クラスタがない場合は、このデバイス用の新しいコア クラスタを作成します。
ステップ 6 [Submit] をクリックします。
デバイスがコア サーバとして機能するために、手動でデバイスをリブートする必要があることを知らせるポップアップ メッセージが表示されます。
ステップ 7 ポップアップ メッセージを読んだら、 [OK] をクリックします。
デバイスでコア サーバ サービスが有効になり、デバイスが指定したコア クラスタに参加します。この手順の最後で、コア サービスをアクティブにするために必要なデバイスをリブートする方法について説明します。
ポップアップ メッセージで [Cancel] をクリックすると、[Enable Core Server window] ウィンドウへ戻り、変更は送信されません。
ファイル サーバを明示的に登録する代わりに自動ディスカバリ機能に依存していて、オプションの Differentiated Services Code Point(DSCP; DiffServ コード ポイント)を設定する必要がない場合、ステップ 14 に移ることができます。
ステップ 8 WAAS Central Manager GUI の右上部にある [Home] リンクをクリックして、グローバル コンテキストに戻り、ナビゲーション ペインから、 [My WAN] > [Manage Device Groups] を選択します。
ステップ 9 新しいコア クラスタの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
ステップ 10 ナビゲーション ペインで、 [Cluster Name] > [Core Server Settings] を選択します。[Configure Core Server Settings] ウィンドウが表示されます(図11-3 を参照)。
図11-3 コア クラスタの設定例
ステップ 11 [File Server access username]、[File Server access password]、および [Confirm password] フィールドに、このコア クラスタがエクスポートする CIFS ファイル サーバに関するアクセス情報を入力します。ファイル サーバを明示的に登録する代わりに自動ディスカバリ機能に依存している場合、これらのフィールドは必要ありません。
「Edge WAE キャッシュへエクスポートするためのファイル サーバの設定」で、このコア クラスタがどのファイル サーバにエクスポートするかを指定します。
ステップ 12 (任意)次のように、優先順位の高いメッセージ用の DSCP 値を設定します。
a. [Set DSCP value for high priority messages] チェックボックスを選択します。
b. 次のいずれかのオプションを選択します。
– [Match Edge] ― このコア クラスタに接続している Edge WAE の DSCP 値と照合します。この照合は、「コア クラスタと Edge WAE 間の接続の作成」の説明に従ってエッジ デバイスとコア デバイス間の接続を作成するときに実行されます。
– [DSCP Value] ― このコア クラスタ用の DSCP 値を指定できます。
ドロップダウン リストから値を選択し、サポートされている値の説明について表11-4 を参照します。ドロップダウン リストから [Please Make a Choice] を選択する場合は、対応するフィールドに 0 ~ 63 の値を入力します。
DSCP は、ネットワーク トラフィックに異なるレベルのサービスを割り当てることができる IP パケットのフィールドです。ネットワーク上の各パケットに( 表11-4 に示す)DSCP コードを付け、対応するサービスのレベルを関連付けて、サービスのレベルを割り当てます。DSCP は、[IP precedence] フィールドと [Type of Service (ToS)] フィールドの組み合せです。詳細については、RFC 2474 を参照してください。
システムのパフォーマンスを改善するために、WAFS 制御トラフィック用の DSCP 値を設定することを推奨します。それには、QoS マーキングを実施するようにルータを設定する必要があります。
ステップ 13 [Submit] をクリックします。
ステップ 14 タスクバーの [Reload WAE] アイコンをクリックするか、次の手順を実行して、デバイスをリロードします。
a. WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインで、 [My WAN] > [Manage Devices] を選択します。
b. コア サービスを有効にしたデバイスの横にある [Edit] アイコンをクリックします。[Device Dashboard] ウィンドウが表示されます。
c. タスクバーの [Reload WAE ] アイコンをクリックします。デバイスがリブートし、デバイスでコア サービスがアクティブになります。
エッジ デバイスの設定
コア クラスタを作成し、設定したら、次の手順で(レガシー モードの場合)、キャッシュにエクスポートされたファイル サーバ データを含むエッジ デバイスを設定します。
デバイスまたはデバイス グループでエッジ サーバを有効にするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインで、 [My WAN] > [Manage Devices] (または [Manage Device Groups] )を選択します。
(注) ネットワークで Web Cache Communication Protocol(WCCP; Web キャッシュ通信プロトコル)が有効になっている場合は、エッジ デバイス グループでファイル サービスを有効にすることを推奨します。WCCP が無効になっている場合は、名前の競合を防止するために、個々のエッジ デバイスでファイル サービスを有効にする必要があります。
ステップ 2 ファイル サービスを有効にするデバイスまたはデバイス グループの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
選択したオプションに応じて、[Device Dashboard] ウィンドウまたは [Modifying Device Group] ウィンドウが表示されます。
WAAS Central Manager デバイスでは、エッジ サービスを有効にできません。
ステップ 3 ナビゲーション ペインで、 [Configure] > [Acceleration] > [Legacy Services] > [File Services] > [Edge Configuration] を選択します。
[Enable Edge Server Services] ウィンドウが表示されます(図11-4 を参照)。
図11-4 エッジ デバイス上のファイル サービスの有効化
ステップ 4 [Enable Edge Server] チェック ボックスを選択します。
ウィンドウの他のフィールドが有効になります。
ステップ 5 ネットワークで WCCP または PBR が有効になっている場合、またはインライン モードを使用している場合は、 [Enable Transparent Mode] チェック ボックスを選択します。
透過モードが有効になっているかどうかに基づいて、ポート 139 と 445 を有効にするためのオプションが自動的にアップデートされます。
透過モードを有効にすると、TCP ポート 139 とポート 445 を有効にするためのオプションが自動的に選択されます。透過モードを無効にすると([Enable Transparent Mode] を選択しないと)、TCP ポート 139 を有効にするオプションは選択され、ポート 445 は透過モードだけで使用されるため、TCP ポート 445 を有効にするオプションは選択されません。
ステップ 6 提供されるフィールドに、Active Directory サイトの名前を入力します。
ステップ 7 次のオプションを選択して(少なくとも 1 つは選択する必要がある)、Edge WAE で関連するポートを有効にします。
• [Enable CIFS over NETBIOS connections (tcp port 139)] ― クライアントと Edge WAE 間およびコア クラスタとファイル サーバ間でポート 139 が開いている場合、このオプションを選択します。
セキュリティ上の理由から、ネットワークでポート 139 が開いていない場合は、このオプションの選択を解除し、次の作業を実行します。
–ルータ と Edge WAE で WCCP を有効にするか、または Edge WAE でインライン モードを有効にします。詳細については、「トラフィック代行受信の設定」を参照してください。
– [Enable CIFS Over TCP/IP Connections] チェック ボックスを選択して、Edge WAE 上のポート 445 を有効にします。
• [Enable CIFS over TCP/IP connections (tcp port 445, requires Transparent Mode)] ― ネットワークでポート 445 が開いている場合は、このオプションを選択します。
ネットワークでポート 445 が閉じている場合は、Edge WAE がこのポートで接続を確立しようと試みないようにこのオプションの選択を解除し、[Enable CIFS over NETBIOS connections] チェック ボックスを選択します。
ポート 445 を無効にすると、すべてのクライアントが Edge WAE のポート 139 に直接接続し、コア クラスタはファイル サーバのポート 139 に接続します。
(注) ポート 139 とポート 445 上の接続を有効または無効にしても、既存のクライアントは Edge WAE との接続を失いません。
ステップ 8 日本語のような 2 バイト言語をサポートする必要がある Windows 98 クライアントがある場合は、 [Enable Double-byte Language Support] チェック ボックスを選択します。
次の状況では、このオプションを選択しないでください。
• 環境に Windows 98 クライアントが存在しない。
• 環境に Windows 98 クライアントが存在するが、1 バイト言語をサポートするだけでよい。
このオプションの設定に関係なく、英語は常にサポートされています。
ステップ 9 (任意)次の手順に従って、優先順位の高いメッセージ用の DSCP 値を設定します。
a. [Set DSCP value for high priority messages] チェックボックスを選択します。
b. ドロップダウン リストから値を選択します。サポートされている値の説明については、 表11-4 を参照してください。
ドロップダウン リストから [Please Make a Choice] を選択する場合は、対応するフィールドに 0 ~ 63 の値を入力します。
DSCP は、ネットワーク トラフィックに異なるレベルのサービスを割り当てることができる IP パケットのフィールドです。ネットワーク上の各パケットには DSCP コード( 表11-4 に示す)が付き、対応するサービスのレベルが割り当てられます。DSCP は、[IP precedence] フィールドと [Type of Service (ToS)] フィールドの組み合せです。詳細については、RFC 2474 を参照してください。
システムのパフォーマンスを改善するために、WAFS 制御トラフィック用の DSCP 値を設定することを推奨します。それには、QoS マーキングを実施するようにルータを設定する必要があります。
表11-4 DSCP コード
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af11 |
AF11 dscp(001010)でパケットを設定します。 |
af12 |
AF11 dscp(001100)でパケットを設定します。 |
af13 |
AF13 dscp(001110)でパケットを設定します。 |
af21 |
AF21 dscp(010010)でパケットを設定します。 |
af22 |
AF22 dscp(010100)でパケットを設定します。 |
af23 |
AF23 dscp(010110)でパケットを設定します。 |
af31 |
AF31 dscp(011010)でパケットを設定します。 |
af32 |
AF32 dscp(011100)でパケットを設定します。 |
af33 |
AF33 dscp(011110)でパケットを設定します。 |
af41 |
AF41 dscp(100010)でパケットを設定します。 |
af42 |
AF42 dscp(100100)でパケットを設定します。 |
af43 |
AF43 dscp(100110)でパケットを設定します。 |
cs1 |
CS1(優先順位 1)dscp(001000)でパケットを設定します。 |
cs2 |
CS2(優先順位 2)dscp(010000)でパケットを設定します。 |
cs3 |
CS3(優先順位 3)dscp(011000)でパケットを設定します。 |
cs4 |
CS4(優先順位 4)dscp(100000)でパケットを設定します。 |
cs5 |
CS5(優先順位 5)dscp(101000)でパケットを設定します。 |
cs6 |
CS6(優先順位 6)dscp(110000)でパケットを設定します。 |
cs7 |
CS7(優先順位 7)dscp(111000)でパケットを設定します。 |
デフォルト |
デフォルトの dscp(000000)でパケットを設定します。 |
ef |
EF dscp(101110)でパケットを設定します。 |
ステップ 10 [Submit] をクリックします。デバイスがエッジ サーバとして機能するために、手動でデバイスをリブートする必要があることを知らせるポップアップ メッセージが表示されます。
ステップ 11 ポップアップ メッセージを読んだら、 [OK] をクリックします。デバイスでエッジ サーバ サービスが有効になります。
ポップアップ メッセージで [Cancel] をクリックすると、[Edge Configuration] ウィンドウへ戻り、変更は送信されません。
ステップ 12 タスクバーの [Reload WAE] アイコンをクリックするか、次の手順を実行して、デバイスをリロードします。
a. WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインで、 [My WAN] > [Manage Devices] (または [Manage Device Groups] )を選択します。
b. エッジ サービスを有効にしたデバイスまたはデバイス グループの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
c. タスクバーの [Reload WAE] または [Reboot All Devices] アイコンをクリックします。デバイスがリブートし、デバイスでエッジ サービスがアクティブになります。
Edge WAE キャッシュへエクスポートするためのファイル サーバの設定
レガシー モードの場合は、コア クラスタと Edge WAE でファイル サービスを有効にしたら、オプションで WAAS Central Manager GUI を使用して、エクスポートするファイル サーバを設定できます。ネットワークに WAAS ネットワークに定義する必要がある多くのファイル サーバが存在する(たとえば 10 台以上)場合は、プロセスを高速化するために、comma-separated values(CSV; カンマ区切り形式)ファイルを作成し、インポートできます。
ファイル サーバを設定せずにレガシー モードを使用する場合は、レガシー モードの自動ディスカバリ機能を依存することにより、ユーザがファイル サーバにアクセスしたときに WAFS が自動的にファイルサーバを検出できます。ファイル サーバを明示的に登録しない場合は、このセクションを省略できます。
このセクションには、WAAS Central Manager GUI でファイル サーバを設定するための次の項目があります。
• 「WAAS Central Manager へのファイル サーバの登録」
• 「CSV ファイルを使用したファイル サーバ定義のインポート」
• 「登録したファイル サーバへのコア クラスタの割り当て」
• 「ダイナミック共有の作成」
WAAS Central Manager へのファイル サーバの登録
WAAS Central Manager にファイル サーバを登録するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインから、 [Configure] > [File Services] > [File Servers] を選択します。[File Servers] ウィンドウが表示されます。
このウィンドウから、次の作業を実行できます。
• ファイル サーバの横にある [Edit] アイコンをクリックして、既存ファイルサーバの設定を編集します。次に、ファイル サーバ設定を削除したり、任意のファイル サーバ設定を変更できます。
• タスク バーの [Import from CSV] アイコンをクリックし、CSV ファイルから複数のファイル サーバ定義をインポートします(CSV ファイルを使用したファイル サーバ定義のインポートを参照してください)。
• 次の手順の説明に従って、エクスポートする新しいファイル サーバを識別します。
ステップ 2 タスクバーの [Create New File Server] アイコンをクリックして、エクスポートする新しいファイル サーバを識別します。[Registering New File Server] ウィンドウが表示されます(図11-5 を参照)。
図11-5 [Registering New File Server] ウィンドウ
ステップ 3 [File Server Name] フィールドに、エクスポートするファイル サーバのホスト名を入力します。サーバの NetBIOS 名、DNS 名、または IP アドレスを入力できます。
(注) ファイル サーバに複数の NetBIOS 名または DNS 名がある場合は、ファイル サーバをそれぞれの名前で別々に登録する必要があります。そうでない場合、未登録の NetBIOS 名を使用するクライアントは、接続できません(ただし、TCP ポート 445 で CIFS を使用するクライアントは、正常に動作します)。
ステップ 4 [Allow Access on WAN Failure] チェック ボックスを選択して、CIFS クライアントが WAN 障害時にこの Edge WAE にキャッシュされたデータに読み取り専用でアクセスできるようにします。
このオプションを有効にすると、WAN 障害が発生した場合に、CIFS クライアントは、キャッシュされるディレクトリ構造を参照し、キャッシュされたファイル全体を読み取ることができます。その間、認証と許可は維持されます。
詳細については、「WAN 障害に対する WAAS ネットワークの準備」を参照してください。
ステップ 5 [Submit] をクリックします。
ファイル サーバが WAAS システムに登録され、ナビゲーション ペインが追加オプションでリフレッシュされます。
ステップ 6 「登録したファイル サーバへのコア クラスタの割り当て」に進み、登録したファイル サーバにコア クラスタを割り当てます。
CSV ファイルを使用したファイル サーバ定義のインポート
ネットワークに WAAS ネットワークに定義する必要がある多くのファイル サーバが存在する(たとえば 10 台以上)場合は、プロセスを高速化するために、CSV ファイルを作成し、インポートできます。Excel または別の表計算アプリケーションを使用して、CSV ファイルを作成できます。
ここでは、次の内容について説明します。
• 「CSV ファイル作成要件」
• 「CSV ファイルに関する留意事項」
• 「CSV ファイルのインポート」
CSV ファイル作成要件
表11-5 に、CSV ファイルの要件を示します。
表11-5 CSV ファイルの要件
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名前 |
ファイル サーバの名前を指定します。[Registering New File Server] ウィンドウの [File Server Name] フィールド(図11-5)に対応しています。 |
必須。 「WAAS Central Manager へのファイル サーバの登録」のステップ 3 と同じ制約。 |
AllowDisconnected |
[Registering New File Server] ウィンドウの [Allow access on WAN Failure] チェック ボックス(図11-5)に対応しています。適用する場合は「true」に、適用しない場合は「false」に設定します。 |
オプション。 指定しないと、「false」になります。 |
Cluster |
ファイル サーバを割り当てる既存のコア クラスタの名前を指定します。 |
オプション。 指定しないと、ファイル サーバはコア クラスタに割り当てられません。 クラスタ名が複数回ファイル サーバに割り当てられている場合、エラー報告されません。 |
CSV ファイルに関する留意事項
CSV ファイルを作成するときは、次の点に注意してください。
• 最初の行には、指定する列見出しを列挙する必要があります。
• 少なくとも、ファイルには「Name」列が必要です(他の列はオプションです)。
• 列見出しは大文字と小文字を区別せず、任意の順序で指定できます。
• ファイル サーバを複数のコア クラスタに割り当てるには、複数の「Cluster」列を指定できます。データ行に複数のクラスタを指定する場合は、カラム見出し行に複数の「Cluster」列が必要です。
• 行を指定するときは、各列に値を入れる必要はありません。ただし、正しい数の列を指定する必要があります。すなわち、列の数は、見出し行に定義されるオブジェクトの数と対応する必要があります。次の例は、有効な CSV ファイル エントリを示しています(コア クラスタ c-1、c-2、および c-5 が存在すると仮定しています)。カンマが連続する位置は、デフォルト値が使用されることを示します。
例:
name,allowdisconnected,cluster,cluster
s71,TRUE,c-1,
s72,,c-2,c-5
CSV ファイルのインポート
CSV ファイルを作成したら、WAAS Central Manager GUI を使用してファイルをインポートします。
CSV ファイルをインポートするには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインから、 [Configure] > [File Services] > [File Servers] を選択します。
ステップ 2 タスク バーの [Import from CSV] アイコン( )をクリックします。
[Importing File Server Definitions] ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 [Browse] をクリックします。
[Choose File] ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 インポートする CSV ファイルまでナビゲートし、選択し、 [Open] をクリックします。[Path to File Server Definitions] フィールドに、パスとファイル サーバ名が表示されます。
ステップ 5 [Importing File Server Definitions] ウィンドウで、 [Submit] をクリックします。
CSV ファイルがインポートされ、「successfully imported」メッセージが表示されます。
WAAS Central Manager は、次の事項を確認します。
• ファイル見出しが正しい。
• 各行にファイル サーバ名がある。
• ファイルに少なくとも 1 台のファイル サーバが指定されている。
• すべての行に正しい数の列があり、各行の構文が正しい。
ファイルが上記の条件に適合しない場合、WAAS Central Manager にエラー メッセージが表示され、ファイル サーバはインポートされません。エラー メッセージは、最大 10 行のエラーの説明を提供できます。ただし、エラーが見出しやファイルの読み取り不能に関係している場合、それ以上のチェックは行われません。
登録したファイル サーバへのコア クラスタの割り当て
ファイルサーバを WAAS Central Manager に登録したら、少なくとも 1 つのコア クラスタをファイル サーバに割り当てる必要があります。コア クラスタには、Edge WAE のキャッシュへファイル サーバをエクスポートする役割があります。ファイル サーバを明示的に登録する代わりに自動ディスカバリ機能に依存している場合は、この手順を行う必要はありません。
登録したファイル サーバにコア クラスタを割り当てるには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインから、 [Configure] > [File Services] > [File Servers] を選択します。
[File Servers] ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 コア クラスタに割り当てたいファイル サーバの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
ステップ 3 [Core Cluster] タブをクリックします[Core Cluster Assignments] ウィンドウが表示されます。
[Core Cluster Assignments] ウィンドウは、WAAS ネットワークに設定されているデバイス グループを表示します。デフォルトで、10 のデバイス グループが表示されます。
ステップ 4 次のいずれかを実行して、コア クラスタをファイル サーバに割り当てます。
• タスクバーの をクリックして、使用できるすべてのコア クラスタをファイル サーバに割り当てます。
• ファイル サーバに割り当てたい各コア クラスタの横にある をクリックします。選択すると、アイコンは に変化します。
(注) ファイル サーバには、コア クラスタだけを割り当てることができます。ファイル サーバには、(で識別される)通常のデバイス グループを割り当てることができません。
ステップ 5 選択した WAFS コア クラスタ用の [Resolve File Server Name] アイコン( )をクリックします。このアイコンは [Type] 列の横にあり、ファイル サーバ用に入力した名前が IP アドレスに解決ができることを確認します。
このアイコンは、WAFS コア クラスタだけに使用できます。ファイル サーバ名を解決できない場合、[Comments] 列にエラー メッセージが表示されます。その場合は、ファイル サーバの正しい名前を入力したことを確認します。
ステップ 6 [Submit] をクリックします。
選択したコア クラスタの横にあるアイコンが に変化します。
ステップ 7 (任意)追加したファイル サーバにダイナミック共有が含まれる場合は、「ダイナミック共有の作成」を参照してください。
ファイル サーバにダイナミック共有が含まれるときは、WAAS Central Manager GUI でダイナミック共有を指定する必要があります。
ダイナミック共有の作成
多くのファイル サーバが、複数ユーザがユーザのクレデンシャルに基づいて自動的に別のディレクトリにマップされる同じ共有にアクセスできるダイナミック共有を使用します。一般に、ダイナミック共有は、ファイル サーバでユーザ ホーム ディレクトリを設定するために使用されます。
たとえば、ファイル サーバでダイナミック共有として Home という名前のディレクトリを設定できます。この共有にアクセスする各ユーザは、自動的にそれぞれの個人用ディレクトリへリダイレクションされます。
ファイル サーバにダイナミック共有が含まれる場合は、このセクションの説明に従って、そのダイナミック共有を WAAS Central Manager に登録する必要があります。
ダイナミック共有を追加する前に、次の制限事項に注意してください。
• 各ダイナミック共有は、ファイル サーバで一意でなければなりません。
• 事前配置ディレクティブを持つダイナミック共有は、追加できません。ダイナミック共有を追加する前に、事前配置ポリシーを削除する必要があります。
• WAAS Central Manager GUI を使用すると、ダイナミック共有として任意のディレクトリを定義できます。ただし、ファイル サーバでダイナミック共有としてディレクトリを設定しないと、すべてのユーザが同じディレクトリから同じ内容を読み取り、または書き込み、クレデンシャルに基づいて異なるディレクトリへリダイレクションされません。
• レガシー モードを使用している場合、同じファイル サーバ名および同じ共有名を持つ 2 つの異なるダイナミック共有を追加できますが、それぞれを別のコア クラスタに関連付ける必要があります。共有ごとに異なる ID を持ちます。
• レガシー モードを使用している場合、ダイナミック共有は、明示的に登録されたファイル サーバにのみ追加できます。透過的 CIFS アクセラレータ モードを使用している場合のみ、ダイナミック共有は自動検出されたファイル サーバでサポートされます。
ダイナミック共有を追加するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 ダイナミック共有を追加する前に、次の点を確認してください(レガシー モードを使用している場合のみ)。
• ダイナミック共有が、すでに CIFS ファイル サーバに設定されている。
• WAAS Central Manager GUI でファイル サーバを設定した。ファイル サーバを識別する方法の詳細については、「Edge WAE キャッシュへエクスポートするためのファイル サーバの設定」を参照してください。
ステップ 2 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインから、 [Configure] > [File Services] > [Dynamic Shares] を選択します。
ダイナミック共有のリストが表示されます。[Dynamic Shares] ウィンドウに設定されているすべてのダイナミック共有が示されます。このウィンドウから、次の作業を実行できます。
• 共有の横にある [Edit] アイコンをクリックして、既存のダイナミック共有の設定を編集します。ダイナミック共有を削除したり、任意のダイナミック共有設定を変更できます。
• 次の手順の説明に従って、新しいダイナミック共有定義を追加します。
ステップ 3 タスクバーの [Create New Dynamic Share] アイコンをクリックして、新しいダイナミック共有を追加します。[Creating a new Dynamic Share] ウィンドウが表示されます
ステップ 4 [Name] フィールドに、ダイナミック共有の名前を入力します。この名前は、ユーザが Edge WAE キャッシュ上の共有にアクセスするとき、ユーザに表示されます。
ダイナミック共有名では、次の文字は使用できません。/ \ : * ? " < > |
ステップ 5 [Assigned Domain] ドロップダウン リストから、ダイナミック共有に割り当てたい WAAS ドメインを選択します。このドメインにも割り当てられているユーザだけが、ダイナミック共有へのアクセス権を持ちます。
この種類の WAAS ドメインはエンティティを使用しません(ドメインを定義するとき、[Entity Type] で [None] を選択します)。ドメインの詳細については、「ドメインの操作」を参照してください。
ステップ 6 (任意)レガシー モードを使用している場合、 [CIFS - Use WAFS transport mode] チェック ボックスを選択します。
このチェック ボックスを選択した場合、透過的 CIFS アクセラレータ モードにだけ該当するフィールドがあるため、このウィンドウ内の特定のフィールドは表示されません。
ステップ 7 [File Server] フィールドで、ダイナミック共有を持つファイル サーバの名前を入力します。
[CIFS - Use WAFS transport mode] チェック ボックスを選択した場合、テキスト フィールドは表示されません。その代わり、ドロップダウン リストには登録したファイル サーバが表示されます。ファイル サーバを登録する方法の詳細については、「WAAS Central Manager へのファイル サーバの登録」を参照してください(透過的 CIFS モードでは、ファイル サーバの登録は不要です)。
ステップ 8 [User Name]、[Password]、および [Confirm] フィールドでは、ファイル サーバのユーザ名およびパスワードのクレデンシャルを入力します。ユーザ名が Windows ドメイン内に存在する場合、次のように [User name] フィールドの一部としてドメイン名を指定しますdomain\username([CIFS - Use WAFS transport mode] チェック ボックスを選択した場合、これらのフィールドは表示されません)。
ステップ 9 [Share Name] フィールドで次のいずれかの作業を実行して、ダイナミック共有の位置を指定します。
• ファイル サーバでダイナミック共有の名前を入力します。共有名には、次の文字は使用できません。\ / : * ? " < > |
• [Share Name] フィールドの横にある [Browse] をクリックして、正しいルート ディレクトリまでナビゲートします。
(注) レガシー モードで [Browse] ボタンを表示するには、ファイル サーバがコア クラスタに割り当てられ、クラスタに少なくとも 1 つの Core WAE が含まれる必要があります。この 2 つの条件に適合しない場合、レガシー モードで [Browse] ボタンは表示されません。透過的 CIFS アクセラレータ モードでは、WAAS Central Manager に登録済みで、有効な CIFS アクセラレータが搭載された WAE デバイスが 1 つ以上存在している場合のみ、[Browse] ボタンが表示されます。
ステップ 10 共有のステータスが enabled(有効)に設定されていることを確認します。ステータスを disabled(無効)に変更すると、共有は WAAS 環境でのダイナミック共有として設定されません。
ステップ 11 [Submit] をクリックします。
これで、指定したディレクトリは、Edge WAE キャッシュ上のダイナミック共有として機能します。
コア クラスタと Edge WAE 間の接続の作成
WAAS システムにファイル サーバを登録したら、コア クラスタと Edge WAE 間の接続を作成する必要があります(レガシー モードの場合)。この接続により、コア クラスタは、Edge WAE 上のキャッシュにファイルをコピーできます。
複数のコア クラスタと Edge WAE を含む接続を定義する前に、コア クラスタと Edge WAE の各リンクが、割り当て帯域幅や往復遅延のような同じ接続パラメータと同じエイリアス方式を持っていることを確認してください。このようになっていない場合は、リンクごとに個別の接続を定義する必要があります。
コア クラスタと 1 台または複数の Edge WAE 間の接続を作成するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインから、 [Configure] > [File Services] > [Connectivity] を選択します。
[Connectivity] ウィンドウが表示されます。
このウィンドウから、次の作業を実行できます。
• 接続の横にある [Edit] アイコンをクリックして、既存の接続の設定を編集します。接続を削除したり、任意の接続設定を変更できます。
• 次の手順の説明に従って、新しい接続を追加します。
ステップ 2 タスクバーの [Create New Connection] アイコンをクリックして、新しい接続を追加します。
[Creating a New Connection] ウィンドウが表示されます(図11-6 を参照)。
図11-6 [Creating a New Connectivity Directive] ウィンドウ
ステップ 3 接続の名前を入力します。
ステップ 4 この接続に入れたいコア クラスタの横にあるオプション ボタンを選択します。
ステップ 5 [Submit] をクリックします。
この接続用にファイル サーバをエクスポートしたくない場合は、エッジ デバイスやグループをこの接続に割り当てる前に、[File Server Settings] ウィンドウで各ファイル サーバの選択を解除する必要があることを知らせるメッセージが表示されます。
ステップ 6 メッセージを読んだら、 [OK] をクリックします。
ファイル サーバを明示的に登録する代わりに自動ディスカバリ機能に依存している場合、ファイル サーバを設定する必要がないので、ステップ 12 に進みます。
ステップ 7 [File Server Settings] タブをクリックします。
[Configure File Server Aliases] ウィンドウが表示されます(図11-7 を参照)。
図11-7 ファイル サーバのエイリアスの設定
このウィンドウを使用すると、各ファイル サーバの命名方法を定義できます。元のファイル サーバ名、ファイル サーバ名 + プレフィクスまたは拡張子、または独自方式のエイリアスを使用できます。たとえば、プレフィクスとして as- を指定し、ファイル サーバの名前が win3srv の場合、このファイル サーバはユーザに as-win3svr として表示されます。
また、このウィンドウで、コア クラスタにエクスポートさせたいファイル サーバを選択できます。
ステップ 8 次のいずれかのオプションを選択して、プレフィクスまたは拡張子の値を指定します。
• [Prefix] ― エクスポートされたファイル サーバのエイリアスの先頭に、入力したプレフィクスを追加します。
• [Suffix] ― エクスポートされたファイル サーバのエイリアスの末尾に、入力した拡張子を追加します。
デフォルトで、WAAS は、ファイル サーバのエイリアスの先頭に AS- というプレフィクスを追加します。ブランクのプレフィクスや拡張子は、入力できません。ステップ 10 の説明に従ってエイリアスを指定すると、プレフィクスと拡張子の設定が上書きされます。
ステップ 9 この接続でエクスポートする各ファイル サーバの横にあるチェック ボックスを選択します(少なくとも 1 つを選択する必要があります)。デフォルトで、すべてのファイル サーバが選択されます。
(注) このウィンドウのファイル サーバが表示されない場合は、「登録したファイル サーバへのコア クラスタの割り当て」の説明のように、このコア クラスタがファイル サーバに割り当てられていないことになります。先に進む前に、該当するセクションの手順を完了する必要があります。
ステップ 10 (任意)[Alias] 列に、選択したファイル サーバのエイリアスを入力します。
エイリアスには最大 15 文字の自由な名前を使用できますが、エイリアスはステップ 8 で定義したプレフィクスと拡張子のデフォルト設定を上書きします。
ステップ 11 [Submit] をクリックします。
[Exported As] 列に、エクスポートされた各ファイル サーバの名前が、エンド ユーザに表示されるように表示されます。
ステップ 12 次のいずれかのタブを実行します。
• [Assign Edge Devices] ― 個々のエッジ デバイスをこの接続に割り当てます。
• [Assign Edge Groups] ― エッジ デバイス グループをこの接続に割り当てます。
選択したオプションに応じて、[Edge Device Assignments] ウィンドウまたは [Edge Group Assignments] ウィンドウが表示されます。
ステップ 13 次のいずれかを実行して、この接続に入れるエッジ デバイスを選択します。
• タスクバーの をクリックして、使用できるすべてのエッジ デバイスまたはグループをこの接続に割り当てます。
• この接続に割り当てたい各エッジ デバイスまたはデバイス グループの横にある をクリックします。選択すると、アイコンは に変化します。
(注) エッジ サービスが有効になっているエッジ デバイスまたはデバイス グループだけを割り当てることができます。通常のコア クラスタやオフライン デバイス(で識別される)は、接続に割り当てることができません。エッジ サービスを有効にする方法については、「エッジ デバイスの設定」を参照してください。
ステップ 14 [Submit] をクリックします。
選択した各エッジ デバイスまたはデバイス グループの横にあるアイコンが に変化します。
ステップ 15 (任意)この接続用の WAN 利用率設定を設定するには、次の作業を実行します。
a. [WAN Utilization] タブをクリックします。[WAN Utilization] ウィンドウが表示されます。
b. Edge WAE と Core WAE 間の WAFS トラフィックで使用される帯域幅を制御する次の WAN 利用率設定を定義します。
– [Maximum allocated bandwidth] ― 接続に割り当てる最大帯域幅(キロビット/秒)を入力します。この値は、この接続での WAE 間の物理 WAN リンクの最大帯域幅以下でなければなりません。デフォルト設定は、1544 KB/秒です。WAFS は、帯域幅の使用をこの設定値の 1.5 倍に制限します。
– [Minimum roundtrip delay] ― リンクがアイドル状態のときに、1 ビットが、ある WAE と相手側の間の往復にかかる時間(ミリ秒)を入力します。デフォルト設定は、80 ミリ秒です。
(注) あとでこの接続用の WAN 利用率設定を変更する場合は、新しい値を有効にするために、Edge WAE を再起動する必要があります。
ステップ 16 [Submit] をクリックします。
事前配置ディレクティブの作成
事前配置ディレクティブを使用すると、どのファイルを CIFS ファイル サーバから選択した Edge WAE のキャッシュへ事前にコピーする必要があるかを決定できます。事前配置を使用すると、WAN のアイドル時間を利用して、頻繁にアクセスされるファイルを選択した WAE へ転送できます。そのため、ユーザは、これらのファイルに初めてアクセスするときでも、キャッシュ レベルのパフォーマンスを利用できます。
レガシー モードの場合、事前配置ディレクティブは明示的に登録されたファイル サーバにのみ追加できます。事前配置は、透過的 CIFS アクセラレータ モードの場合のみ自動検出されたファイル サーバでサポートされます。
事前配置ディレクティブを定義するときは、ファイル サーバからの内容を事前に配置する Edge WAE を選択し、事前に配置するファイル サーバ上のルート ディレクトリを指定します。当初、事前配置ディレクティブは、未スケジュール状態にあります。また、内容を事前に配置する日時と周期を決定するスケジュールを作成する必要があります。内容を定期的に事前配置できるため、作業の反復ごとに指定したすべてのファイルをコピーするか、指定した周期の間に変更されたファイルだけをコピーするかを指定できます。
さらに、事前配置作業が WAN 帯域幅や Edge WAE キャッシュ空間を過剰に使用しないように、時間とサイズの制限を指定できます。これらの制限を使用して、ネットワーク効率を最適化し、この機能の誤用を防止することを強く推奨します。
事前配置ディレクティブがアクティブになる時刻になると、Edge WAE で事前配置作業が開始します。WAAS Central Manager GUI で、処理中および処理後に各事前配置作業を監視できます。必要に応じて、アクティブな事前配置作業を停止することもできます。
事前配置では、ファイル サーバにアクセスするために必要なユーザ名とパスワードを [Configure Core Server Settings] ウィンドウで指定する必要があります。詳細については、「コア クラスタの設定」のステップ 11 を参照してください。
事前配置には、複数のルートを設定する機能も含まれます。「新しい事前配置ディレクティブの作成」を参照してください。
(注) 事前配置ディレクティブを定義するために必要な接続が存在しない場合、警告メッセージが表示されます。
次の項目で、事前配置ディレクティブを作成する方法について説明します。
• 「新しい事前配置ディレクティブの作成」
• 「事前配置ディレクティブへのエッジ デバイスの割り当て」
• 「新しい事前配置スケジュールの作成」
新しい事前配置ディレクティブの作成
事前配置ディレクティブを作成するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインから、 [Configure] > [File Services] > [Preposition] を選択します。
[Preposition Directives] ウィンドウが表示されます。このウィンドウは、システムに存在する事前配置ディレクティブに関する次の情報を表示します。
• [Preposition Directive] ― 事前配置ディレクティブの名前。
• [Type] ― 事前配置ディレクティブがすべてのファイルに影響する(Full)か、最後の事前配置作業の後で変更されたファイルだけに影響する(Differential)か。
–Full の場合、作業のフィルタと一致するすべてのファイルおよびファイル サーバで検出されたすべてのファイルが Edge に送信され、キャッシュと比較されます。
–Differential の場合、最後に正しく事前配置された後に変更されたファイルだけが Edge キャッシュに送信されます。最後に正しく事前配置された時刻は Edge デバイスから取得されるので、Edge デバイスのクロックとファイル サーバのクロックが同期していることを確認してください。最初は常に完全スキャンされます。事前配置作業を変更すると、最後に正しくスキャンされた時刻がリセットされます。
–Since の場合、指定された期間内で変更されたファイルだけが Edge キャッシュに送信されます。
• [Status] ― 事前配置ディレクティブが有効であるか、無効であるか。
• [File Server] ― エクスポートされたファイル サーバの名前。
[Preposition Directive] ウィンドウから、次の作業を実行できます。
• ディレクティブの横にある [Edit] アイコンをクリックして、既存の事前配置ディレクティブの設定を編集します。次に、事前配置ディレクティブを削除したり、任意の設定を変更できます。
• 次の手順の説明に従って、新しい事前配置ディレクティブを追加します。
ステップ 2 新しい事前配置ディレクティブを作成するには、新規作成事前配置ディレクティブタスクバーの [Create New Preposition Directive] アイコンをクリックします。
[Creating New Preposition Directive] ウィンドウが表示されます(図11-8 を参照)。
図11-8 新しい事前配置ディレクティブの作成
ステップ 3 ディレクティブの名前を入力します。
ステップ 4 (任意)レガシー モードを使用している場合、 [CIFS - Use WAFS transport mode] チェック ボックスを選択します。
このチェック ボックスを選択した場合、透過的 CIFS アクセラレータ モードにだけ該当するフィールドがあるため、このウィンドウ内の特定のフィールドは表示されません。
ステップ 5 [Status] ドロップダウン リストから、 [enabled] または [disabled] を選択します。無効にしたディレクティブは、有効になりません。
ステップ 6 [File Server] フィールドで、エクスポートするファイル サーバの名前を入力します。
[CIFS - Use WAFS transport mode] チェック ボックスを選択した場合、テキスト フィールドは表示されません。その代わり、ドロップダウン リストには登録したファイル サーバが表示されます。ファイル サーバを登録する方法の詳細については、「WAAS Central Manager へのファイル サーバの登録」を参照してください(透過的 CIFS モードでは、ファイル サーバの登録は必要ありません)。
ステップ 7 [Location] ドロップダウン リストから、ファイル サーバにブラウジング サービスを提供するデバイスの位置を選択します。最高のブラウジング パフォーマンスを得るため、ファイル サーバに近接する位置を指定します。位置を定義する詳細については、「デバイス位置の操作」を参照してください([CIFS - Use WAFS transport mode] チェック ボックスを選択した場合、[Location] は表示されません)。
ステップ 8 [User Name]、[Password]、および [Confirm] フィールドでは、ファイル サーバのユーザ名およびパスワードのクレデンシャルを入力します。ユーザ名が Windows ドメイン内に存在する場合、次のように [User name] フィールドの一部としてドメイン名を指定しますdomain\username([CIFS - Use WAFS transport mode] チェック ボックスを選択した場合、これらのフィールドは表示されません)。
ステップ 9 (任意)事前配置トラフィックに DSCP マーキングを割り当てる場合、 [DSCP value for high priority messages] チェック ボックスを選択します。ドロップダウン リストから DSCP 値を選択するか、テキスト フィールドに 0 ~ 63 の数を入力します。サポートされている値の説明については、表11-4 を参照してください([CIFS - Use WAFS transport mode] チェック ボックスを選択した場合、DSCP 設定は表示されません)。
DSCP は、ネットワーク トラフィックに異なるレベルのサービスを割り当てることができる IP パケットのフィールドです。ネットワーク上の各パケットに DSCP コードを付け、対応するサービスのレベルを関連付けて、サービスのレベルを割り当てます。DSCP は、[IP precedence] フィールドと [Type of Service (ToS)] フィールドの組み合せです。詳細については、RFC 2474 を参照してください。
ステップ 10 (任意)提供されるフィールドを使用して、時間とサイズの制限を定義します。
表11-6 で、時間とサイズを制限するフィールドについて説明します。
表11-6 事前配置の時間とサイズの制限
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Total Size as % of Cache Volume |
ファイルを事前配置する Edge WAE キャッシュ全体が消費できる比率(%)。たとえば、この事前配置ディレクティブの使用量を WAE キャッシュの 30% に制限するには、このフィールドに 30 と入力します。デフォルト値は 5% です。 事前配置で定義したキャッシュの比率により、キャッシュに保存されているサイズにかかわらず 1 回の作業で事前配置できる最大サイズが定義されます。 キャッシュが満杯の場合は、理由を問わず、オンデマンド キャッシングのような事前配置が行われます。つまり除去プロセスが開始され、ファイルは、最後のアクセス時刻が古い順にキャッシュから削除されます。 |
Max File Size |
エクスポートできる最大ファイル サイズ。この値を超えるファイルは、WAE キャッシュへエクスポートされません。 |
Min File Size |
エクスポートできる最小ファイル サイズ。この値より小さいファイルは、WAE キャッシュへエクスポートされません。通常の WAAS を通じて WAN 経由で迅速に取得できるため、20 KB 未満のファイルを事前に配置することは効率的でありません。 デフォルト値は 20KB です。 |
Duration |
WAAS がファイル サーバをエクスポートする最大時間。WAAS がファイル サーバをエクスポートするのにこの時間を超えると、すべてのファイルが Edge WAE キャッシュへコピーされる前に、WAAS はエクスポート プロセスを停止します。 事前配置作業が予定時刻に開始されない場合(たとえば Edge と Core が接続されていない場合)、この時間中は開始が試行されます。 このフィールドに値を指定しないと、WAAS は、必要な時間をかけてこのファイル サーバをエクスポートします。 |
Type |
スキャン プロセスの時間フィルタ。[Type] ドロップダウン リストから、次のいずれかのオプションを選択します。 • [All Files] ― すべてのファイルを Edge WAE キャッシュへエクスポートします。これは、デフォルトの設定です。 • [Files changed since last preposition] ― 最後の事前配置以後に変更されたファイルだけを Edge WAE キャッシュへエクスポートします。この遅延フィルタは、2 回目以降の作業に適用されます。 このオプションを指定すると、新しいディレクトリが最後の修正時刻が変更されずに事前配置済みのディレクトリに移動された場合、次の事前配置セッションではこの新しいディレクトリは事前配置されません。 • [Files changed since last] ― 指定した時間内に変更されたファイルだけをエクスポートします。過去 2 時間にファイル サーバで行われたファイル アップデートをエクスポートする場合は、提供されるフィールドに 2 を入力し、ドロップダウン リストから [hour] を選択します。 |
(注) 事前配置作業中にいずれかの制限値を超えると、作業が停止し、メッセージが管理者ログへ送信されます。残っているファイルは、次回の作業中にエクスポートされます。その前にユーザが残っているファイルの 1 つを要求すると、通常のように WAAS ソフトウェアを通じて WAN 経由で取得されます。
ステップ 11 (任意)ファイル サーバに表示されないディレクトリを事前配置しない場合は、 [Ignore Hidden Directories] チェック ボックスをチェックします。デフォルトでは、このチェック ボックスは選択されていません。このチェック ボックスが未選択のままであれば、表示されないディレクトリは事前配置されます。
(注) レガシー モードを使用していて、ファイル サーバを明示的に登録する代わりに自動ディスカバリ機能を使用している場合、レガシー モードの自動検出されたファイル サーバでは事前配置がサポートされていないため、このチェックボックスは適用されません。
ステップ 12 [Root Share and Directory] フィールドに、エクスポートするファイル サーバ上のディレクトリを入力します。次の任意の方法を使用して、ディレクトリを識別します。
• 次の形式で、1 つまたは複数のディレクトリ パスを手動で入力します。 プロトコル :// サーバ / 共有 またはサーバ\共有。たとえば、cifs://win12srv/home または win12srv\home。複数のディレクトリを複数の行で入力することもできます。その場合は、それぞれの行にそれぞれのフル ディレクトリ パスを入力します。
複数ルートの共有を定義する場合は、単一のルート設定を行う一連の事前配置をルートごとに反復します。
• [Browse] ボタンをクリックして、ファイル サーバ上のディレクトリを参照します。ディレクトリの中に移動するには、ディレクトリ名の左にあるファイル フォルダ アイコンをクリックします。エクスポートしたいディレクトリの横にあるチェック ボックスをチェックし、 [Select Directory] ボタンをクリックします。ウィンドウが表示され、複数のディレクトリが選択できます。
レガシー モードでは、[Browse] ボタンは、[Configure Core Server Settings] ウィンドウで [File Server access username] および [File Server access password] フィールドを設定した場合にだけ表示されます。(図11-3 を参照)。透過的 CIFS モードでは、[Location] ドロップダウン リストからファイル サーバに最も近接する CIFS アクセラレータの位置を選択した場合に、ブラウズ機能が最高の動作を行います。位置を選択しない場合、CIFS アクセラレータが有効であるすべてのデバイスにブラウズ要求が送信され、要求がタイムアウトとなる可能性があります。
• [Include Sub Directories] チェック ボックスを選択して、指定したルート ディレクトリの下にあるすべてのサブディレクトリを含めます。このオプションを指定しない場合は、指定したルート ディレクトリのフィールドだけが事前配置され、表示中にサブディレクトリを指定できません。
• [File Name] ドロップダウン リストからパターン演算子を選択し、隣接するテキスト ボックスにパターンを記述する文面を入力して、特定のファイルの種類までポリシー定義を絞り込みます。たとえば、 ends with .doc と入力します。
ステップ 13 [Submit] をクリックします。
ディレクティブがシステムに保存され、ナビゲーション ペインに追加オプションが表示されます。
事前配置ディレクティブへのエッジ デバイスの割り当て
事前配置ディレクティブを作成したら、Edge WAE またはデバイス グループをディレクティブに割り当てる必要があります。この作業は、どの Edge WAE が事前配置内容をキャッシュに保存するかを決定します。
(注) 事前配置には、複数のルートを設定する機能も含まれます。「新しい事前配置ディレクティブの作成」を参照してください。
Edge WAE またはデバイス グループを事前配置ディレクティブに割り当てるには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインから、 [Configure] > [File Services] > [Preposition] を選択します。
[Preposition Directives] ウィンドウが表示され、システムに存在する事前配置ディレクティブが表示されます。
ステップ 2 Edge WAE またはデバイス グループに割り当てたい事前配置ディレクティブの横にある [Edit] アイコンをクリックします。
ステップ 3 ウィンドウの一番上にある次のタブのうち、いずれかをクリックします。
• [Assign Edge Devices] ― このディレクティブに割り当てる 1 つまたは複数の Edge WAE を選択できます。
• [Assign Edge Groups] ― このディレクティブに割り当てるデバイス グループを選択できます。
選択したオプションに応じて、[Edge Device Assignments] ウィンドウまたは [Device Groups Assignments] ウィンドウが表示されます。
ステップ 4 次のいずれかを実行して、この事前配置ディレクティブに割り当てる Edge WAE またはデバイス グループを選択します。
• タスクバーの をクリックして、使用できるすべての Edge WAE またはデバイス グループをこのディレクティブに割り当てます。
• このディレクティブに割り当てたい各 Edge WAE またはデバイス グループの横にある をクリックします。選択すると、アイコンは に変化します。
(注) デバイスまたはデバイス グループはオフラインである(で識別される)場合、そのデバイスまたはグループをこのディレクティブに割り当てることができません。デバイス グループに割り当てられた事前配置ディレクティブは、そのデバイス グループの接続先 Edge デバイスにだけ適用されます。
ステップ 5 [Submit] をクリックします。
選択した各エッジ デバイスまたはデバイス グループの横にあるアイコンが に変化します。
新しい事前配置スケジュールの作成
事前配置ディレクティブを作成し、WAE をディレクティブに割り当てたら、いつ何回事前配置を実行するかを決定するスケジュールを作成することを推奨します。
たとえば、営業時間内のトラフィック量を最小限に抑えるために、事前配置スケジュールを夜間に設定する場合があります。あるいは、エクスポートされるデータがよく変更される場合、事前配置スケジュールを反復実行に設定する場合があります。これにより、このディレクティブに割り当てられた WAE のキャッシュに、最新のファイル アップデートが存在することを保証できます。
Edge WAE の事前配置作業を異なる時間帯で同時に開始するスケジュールの場合、Edge WAE の作業は Core WAE の時間帯に基づいて開始されます。Edge WAE と Core WAE のクロックが同期していない場合、作業は予定通りに開始されません。
事前配置スケジュールを作成するには、次の手順に従ってください。
ステップ 1 WAAS Central Manager GUI ナビゲーション ペインから、 [Configure] > [File Services] > [Preposition] を選択します。
[Preposition Directives] ウィンドウが表示され、システムに存在する事前配置ディレクティブが表示されます。
ステップ 2 スケジュールを作成する事前配置ディレクティブの横にある 「Edit」 アイコンをクリックします。
ステップ 3 ウィンドウの一番上にある [Schedule] タブをクリックします。
[Creating New Preposition Schedule] ウィンドウが表示されます。デフォルトでは、スケジュールは設定されていません。
ステップ 4 次のいずれかのスケジュール オプションを選択します。
• [Not Scheduled] ― この時点で事前配置はスケジューリングされていません。
• [Now] ― このスケジュールを送信してから数分以内に事前配置を実行します。
事前配置ディレクティブを変更して [Submit] ボタンをクリックするたびに、[Now] スケジュールが開始されます。リロードされたエッジ デバイスがオンラインに復帰した場合も、すぐに [Now] スケジュールが開始されます。
• [Daily] ― 毎日の指定した時刻に事前配置を実行します。
• [Date] ― 指定した日時に事前配置を実行します。
• [Weekly] ― 選択した曜日の指定した時刻に事前配置を実行します。
• [Monthly Days] ― 毎月、選択した日の指定した時刻に事前配置を実行します。
• [Monthly Weekdays] ― 毎月、選択した曜日の指定した時刻に事前配置を実行します。たとえば、毎月の第 2 火曜日に事前配置を実行するスケジュールを作成できます。
ステップ 5 事前配置作業の開始時刻を指定します。
時刻は 24 時間形式で表し、00:00 は深夜の 0 時を表します。
(注) [Now] オプションでは、開始時刻を指定できません。
ステップ 6 [Submit] をクリックします。
スケジュールが保存されたことを確認する「Changes Submitted」メッセージが、ウィンドウの一番下に表示されます。
ステップ 7 事前配置ステータスを確認して、事前配置ディレクティブが正常に完了したことを確認します。詳細については、「事前配置ステータスの確認」を参照してください。