Flexible NetFlow のフロー レコードおよびフロー モニタのカスタマイズ方法
この項のタスクでは、次の作業の実行方法について説明します。
• Flexible NetFlow フロー レコードをカスタマイズする。
• Flexible NetFlow フロー モニタをカスタマイズする。
• Flexible NetFlow をイネーブルにする。
(注) 次の作業では、これらのタスクで使用される Flexible NetFlow コマンドに必要なキーワードおよび引数のみについて説明します。これらの Flexible NetFlow コマンドで使用可能なその他のキーワードと引数については、『Cisco IOS Flexible NetFlow Command Reference』を参照してください。
Flexible NetFlow のフロー レコードおよびフロー モニタをカスタマイズして、Flexible NetFlow をイネーブルにするには、次の作業を実行します。
• 「カスタマイズしたフロー レコードの設定」(必須)
• 「フロー レコードの現在のステータスの表示」(任意)
• 「フロー レコード設定の確認」(任意)
• 「カスタマイズしたフロー モニタの作成」(必須)
• 「フロー モニタの現在のステータスの表示」(任意)
• 「フロー モニタ設定の確認」(任意)
• 「インターフェイスへのフロー モニタの適用」(必須)
• 「インターフェイスで Flexible NetFlow がイネーブル化されていることの確認」(任意)
• 「フロー モニタ キャッシュ内のデータの表示」(任意)
カスタマイズしたフロー レコードの設定
カスタマイズしたフロー レコードは、特定の目的でトラフィック データを分析するために使用します。カスタマイズしたフロー レコードには、key フィールドとして使用する 1 つ以上の match 基準が必須で、通常は nonkey フィールドとして使用する 1 つ以上の collect 基準があります。
カスタマイズしたフロー レコードの順列は、数百もの可能性があります。このタスクでは、可能性のある順列の 1 つを作成するための手順について説明します。必要に応じてこれらのタスクの手順を変更し、要件に合わせてカスタマイズしたフロー レコードを作成します。
カスタマイズしたフロー レコードを設定するには、次のタスクを実行します。
• 「IPv4 トラフィックのカスタマイズしたフロー レコードの設定」
IPv4 トラフィックのカスタマイズしたフロー レコードの設定
このタスクでは、IPv4 トラフィックのカスタマイズしたフロー レコードを作成するために使用される手順を説明します。これは、IPv4 トラフィックから特定のデータを収集するために使用されます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. flow record record-name
4. description descrription
5. match ipv4 destination { address | { mask | prefix } [ minimum-mask mask ]}
6. 必要に応じてステップ 5 を繰り返し、レコードの追加 key フィールドを設定します。
7. collect ipv4 source { address | { mask | prefix } [ minimum-mask mask ]}
8. 必要に応じてステップ 7 を繰り返し、レコードの追加 nonkey フィールドを設定します。
9. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
flow record record-name
Router(config)# flow record FLOW-RECORD-1 |
フロー レコードを作成し、Flexible NetFlow フロー レコード コンフィギュレーション モードを開始します。 • このコマンドでは、既存のフロー レコードを変更することもできます。 |
ステップ 4 |
description description
Router(config-flow-record)# description Used for basic traffic analysis |
(任意)フロー レコードの説明を作成します。 |
ステップ 5 |
match ipv4 destination { address | { mask | prefix } [ minimum-mask mask ]}
Router(config-flow-record)# match ipv4 destination address |
フロー レコードの key フィールドを設定します。 』を参照してください。 |
ステップ 6 |
必要に応じてステップ 5 を繰り返し、レコードの追加 key フィールドを設定します。 |
-- |
ステップ 7 |
collect ipv4 source { address | { mask | prefix } [ minimum-mask mask ]}
Router(config-flow-record)# collect ipv4 source address |
フロー内の 1 つ以上の IPv4 送信元フィールドをレコードの nonkey フィールドとして設定します。 』を参照してください。 |
ステップ 8 |
必要に応じてステップ 7 を繰り返し、レコードの追加 nonkey フィールドを設定します。 |
-- |
ステップ 9 |
end
Router(config-flow-record)# end |
Flexible NetFlow フロー レコード コンフィギュレーション モードを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。 |
フロー レコードの現在のステータスの表示
フロー レコードの現在のステータスを表示するには、次のオプション作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. show flow record
手順の詳細
ステップ 1 enable
enable コマンドによって、特権 EXEC モードを開始します(プロンプトが表示されたらパスワードを入力します)。
ステップ 2 show flow record
show flow record コマンドでは、指定するフロー モニタの現在のステータスを表示します。
flow record FLOW-RECORD-1:
Description: Used for basic IPv4 traffic analysis
Total field space: 29 bytes
match ipv4 destination address
collect ipv4 source address
collect transport source-port
collect transport destination-port
collect timestamp sys-uptime first
collect timestamp sys-uptime last
フロー レコード設定の確認
入力したコンフィギュレーション コマンドを確認するには、次のオプション作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. show running-config flow record
手順の詳細
ステップ 1 enable
enable コマンドによって、特権 EXEC モードを開始します(プロンプトが表示されたらパスワードを入力します)。
ステップ 2 show running-config flow record
show running-config flow record コマンドでは、指定するフロー モニタのコンフィギュレーション コマンドを表示します。
Router# show running-config flow record
flow record FLOW-RECORD-1
description Used for basic IPv4 traffic analysis
match ipv4 destination address
collect ipv4 source address
collect transport source-port
collect transport destination-port
collect timestamp sys-uptime first
collect timestamp sys-uptime last
カスタマイズしたフロー モニタの作成
カスタマイズしたフロー モニタを設定するには、次の必須タスクを実行します。
フロー モニタ
各フロー モニタには、専用のキャッシュが割り当てられています。フロー モニタごとに、キャッシュ エントリの内容およびレイアウトを定義するレコードが必要です。これらのレコード フォーマットは、事前定義済みのレコード フォーマットのいずれかにすることもできますが、上級のユーザであれば flow record コマンドを使用して、カスタマイズしたフォーマットを作成することもできます。このタスクでは、「カスタマイズしたフロー レコードの設定」で作成したレコードを使用します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. flow monitor monitor-name
4. description string
5. record { record-name | netflow-original | netflow ipv4 record [ peer ]}
6. cache { entries number | timeout { active | inactive | update } seconds | type { immediate | normal | permanent }}
7. 必要に応じてステップ 6 を繰り返して、このフロー モニタのキャッシュ パラメータの変更を完了します。
8. statistics packet protocol
9. statistics packet size
10. exporter exporter-name
11. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
flow monitor monitor-name
Router(config)# flow monitor FLOW-MONITOR-1 |
フロー モニタを作成し、Flexible NetFlow フロー モニタ コンフィギュレーション モードを開始します。 • このコマンドでは、既存のフロー モニタを変更することもできます。 |
ステップ 4 |
description string
Router(config-flow-monitor)# description Used for basic ipv4 traffic analysis |
(任意)フロー モニタの説明を作成します。 |
ステップ 5 |
record { record-name | netflow-original | netflow { ipv4 } record [ peer ]}
Router(config-flow-monitor)# record FLOW-RECORD-1 |
フロー モニタのレコードを指定します。 |
ステップ 6 |
cache { entries number | timeout { active | inactive | update } seconds | type { immediate | normal | permanent }}
Router(config-flow-monitor)# cache entries 1000 |
(任意)フロー モニタ キャッシュ パラメータ(タイムアウト値、キャッシュ エントリ数、キャッシュ タイプなど)を変更します。 • timeout キーワードに関連するキーワードの値は、キャッシュ タイプが immediate に設定されている場合には反映されません。 |
ステップ 7 |
必要に応じてステップ 6 を繰り返して、このフロー モニタのキャッシュ パラメータの変更を完了します。 |
-- |
ステップ 8 |
statistics packet protocol
Router(config-flow-monitor)# statistics packet protocol |
(任意)Flexible NetFlow モニタのプロトコル分散統計情報の収集をイネーブルにします。 |
ステップ 9 |
statistics packet size
Router(config-flow-monitor)# statistics packet size |
(任意)Flexible NetFlow モニタのサイズ分散統計情報の収集をイネーブルにします。 |
ステップ 10 |
exporter exporter-name
Router(config-flow-monitor)# exporter EXPORTER-1 |
(任意)事前に作成されたエクスポータの名前を指定します。 • フロー エクスポータの設定およびその方法については、「 Configuring Data Export for Cisco IOS XE Flexible NetFlow with Flow Exporters 」モジュールを参照してください。 |
ステップ 11 |
end
Router(config-flow-monitor)# end |
Flexible NetFlow フロー モニタ コンフィギュレーション モードを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。 |
フロー モニタの現在のステータスの表示
フロー モニタの現在のステータスを表示するには、次のオプション作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. show flow monitor monitor-name
手順の詳細
ステップ 1 enable
enable コマンドによって、特権 EXEC モードを開始します(プロンプトが表示されたらパスワードを入力します)。
ステップ 2 show flow monitor monitor-name
show flow monitor コマンドでは、指定するフロー モニタの現在のステータスを表示します。
Router# show flow monitor FLOW-MONITOR-1
Flow Monitor FLOW-MONITOR-1:
Description: Used for basic ipv4 traffic analysis
Flow Record: FLOW-RECORD-1
Flow Exporter: EXPORTER-1
Size: 1000 entries / 50052 bytes
Inactive Timeout: 15 secs
Active Timeout: 1800 secs
Update Timeout: 1800 secs
フロー モニタ設定の確認
入力したコンフィギュレーション コマンドを確認するには、次のオプション作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. show running-config flow monitor monitor-name
手順の詳細
ステップ 1 enable
enable コマンドによって、特権 EXEC モードを開始します(プロンプトが表示されたらパスワードを入力します)。
ステップ 2 show running-config flow monitor
show running-config flow monitor コマンドでは、指定したフロー モニタのコンフィギュレーション コマンドを表示します。
Router# show running-config flow monitor FLOW-MONITOR-1
flow monitor FLOW-MONITOR-1
description Used for basic ipv4 traffic analysis
statistics packet protocol
インターフェイスへのフロー モニタの適用
フロー モニタをアクティブ化する前に、1 つ以上のインターフェイスに適用する必要があります。フロー モニタをアクティブ化するには、次の必須タスクを実行します。
制約事項
事前定義済みレコード「NetFlow original」、または「NetFlow IPv4 original input」をフロー モニタに指定して、以前の NetFlow をエミュレートする場合は、Flexible NetFlow フロー モニタを入力(受信)トラフィックの分析だけに使用できます。
事前定義済みレコード「NetFlow IPv4 original output」をフロー モニタに指定して、出力 NetFlow アカウンティング機能をエミュレートする場合は、Flexible NetFlow フロー モニタを出力(発信)トラフィックの分析だけに使用できます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. ip flow monitor monitor-name { input | output }
5. ステップ 3 および 4 を繰り返して、トラフィックを監視するルータの他のインターフェイスでフロー モニタをアクティブ化します。
6. end
手順の詳細
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ステップ 1 |
enable
Router> enable |
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 • プロンプトが表示されたら、パスワードを入力します。 |
ステップ 2 |
configure terminal
Router# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
interface type number
Router(config)# interface fastethernet 0/0/0 |
インターフェイスを指定し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 4 |
ip flow monitor monitor-name { input | output }
Router(config-if)# ip flow monitor FLOW-MONITOR-1 input |
作成済みのフロー モニタを、トラフィックの分析対象となるインターフェイスに割り当てることで、そのフロー モニタをアクティブにします。 |
ステップ 5 |
ステップ 3 および 4 を繰り返して、トラフィックを監視するルータの他のインターフェイスでフロー モニタをアクティブ化します。 |
-- |
ステップ 6 |
end
Router(config-if)# end |
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC モードに戻ります。 |
インターフェイスで Flexible NetFlow がイネーブル化されていることの確認
インターフェイスで Flexible NetFlow がイネーブルになっていることを確認するには、次のオプション作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. show flow interface type number
手順の詳細
ステップ 1 enable
enable コマンドによって、特権 EXEC モードを開始します(プロンプトが表示されたらパスワードを入力します)。
ステップ 2 show flow interface type number
show flow interface コマンドでは、インターフェイスで Flexible NetFlow がイネーブルになっていることを確認します。
Router# show flow interface fastethernet 0/0/0
Interface FastEthernet0/0/0
FNF: monitor: FLOW-MONITOR-1
Router# show flow interface fastethernet 1/0/0
Interface FastEthernet1/0/0
FNF: monitor: FLOW-MONITOR-1
フロー モニタ キャッシュ内のデータの表示
フロー モニタ キャッシュのデータを表示するには、次のオプション作業を実行します。
前提条件
フロー モニタ キャッシュ内のフローを表示するためには、NetFlow original レコードで定義された基準に適合するトラフィックを受信するインターフェイスに、入力フロー モニタを適用する必要があります。
手順の概要
1. enable
2. show flow monitor name monitor-name cache format record
手順の詳細
ステップ 1 enable
enable コマンドによって、特権 EXEC モードを開始します(プロンプトが表示されたらパスワードを入力します)。
ステップ 2 show flow monitor name monitor-name cache format record
show flow monitor name monitor-name cache format record コマンド文字列では、フロー モニタのステータス、統計情報、およびキャッシュ内のフロー データを表示します。
Router# show flow monitor name FLOW-MONITOR-1 cache format record
- Active timeout ( 1800 secs) 3
- Inactive timeout ( 15 secs) 94
IPV4 DESTINATION ADDRESS: 172.16.10.5
ipv4 source address: 10.10.11.1
trns destination port: 25
timestamp first: 21237828
IPV4 DESTINATION ADDRESS: 172.16.10.2
ipv4 source address: 10.10.10.2
trns destination port: 20
timestamp first: 21238788
IPV4 DESTINATION ADDRESS: 172.16.10.200
ipv4 source address: 192.168.67.6
trns destination port: 3073
timestamp first: 21239228