FLOGIの概要
ファイバ チャネル ファブリックでは、ホストまたはディスクごとにファイバ チャネル ID が必要です。FLOGI テーブルにストレージ デバイスが表示されるかどうかを確認するには、次の項で説明するように show flogi database コマンドを使用します。必要なデバイスが FLOGI テーブルに表示されていれば、FLOGI が正常に行われます。ホスト Host Bus Adapter(HBA)および接続ポートに直接接続されているスイッチ上の FLOGI データベースを検査します。
FLOGI スケール最適化
FLOGI スケール最適化機能により、MDS スイッチは、モジュールおよびシャーシに関して増やされた FLOGI の数をサポートできます。FLOGI スケール最適化は、スイッチまたはモジュールのリロード後にデバイスのルーティング情報をプリロードします。これにより、FLOGI 承認にかかる時間が短縮されます。Cisco MDS NX-OS リリース 8.1(1) 以降では、この機能が Cisco MDS 9250i マルチサービス ファブリック スイッチおよび Cisco MDS 9148S 16G マルチレイヤ ファブリック スイッチを除くすべての MDS スイッチでサポートされ、デフォルトで有効になります。Cisco MDS リリース 8.2(2) 以降では、MDS 9718 についてのみ、FLOGI スケールのさらに高い上限がパブリッシュされます。詳細については、FLOGI の制限に関する資料の『Cisco MDS NX-OS Configuration Limits』を参照してください。
FLOGI 休止タイムアウト
FLOGI 休止タイムアウト機能により、デバイスがファブリックからログアウトしたときやインターフェイスが停止したときに、ルーティング情報やファイバ チャネル ネーム サーバーなどの他のファイバチャネルサービス FLOGI プロセスによる通知を遅らせることができます。デバイスが FLOGI 休止タイムアウト値以内にファブリックにログバックすると、他のファイバ チャネル サービスに通知されずに FLOGI 承認がただちに返されます。フェールオーバー状況でファブリック内の異なるスイッチにログインすることによって pWWN を異なる時点で共有できるデバイスがファブリック内に存在する場合は、タイムアウト値をゼロに設定することにより、この機能を無効にする必要があります。
[Restrictions(機能制限)]
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FLOGI スケール最適化が有効になっている場合、Cisco MDS NX-OS リリース 8.1(1) からそれ以前のリリースへのダウングレードはサポートされません。ダウン グレードの前にこの機能を無効にする必要があります。この機能の無効化の詳細については、「FLOGI スケール最適化の無効化」の項を参照してください。
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Cisco MDS NX-OS リリース 8.1 およびリリース 8.2 では、デフォルトの FLOGI 休止タイムアウト値は 2000 ミリ秒です。
ただし、Cisco MDS NX-OS リリース 8.3(1) 以降では、デフォルトの FLOGI 休止タイムアウト値が 2000 ミリ秒から 0 ミリ秒に変更されています。設定された FLOGI 休止タイムアウト値はアップグレード時に保持されます。Cisco MDS NX-OS リリース 8.3(1) 以降へのアップグレード時に FLOGI 休止タイムアウト値が設定されていないと、新しいデフォルト値の 0 ミリ秒が使用されます。
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この機能は Cisco MDS 9250i マルチサービス ファブリック スイッチおよび Cisco MDS 9148S 16G マルチレイヤ ファブリック スイッチを除くすべての MDS スイッチでサポートされています。
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この機能では Cisco DCNM および SNMP のサポートを使用できません。
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この機能は、Cisco MDS 24/10 ポート SAN 拡張モジュールのファイバ チャネル ポートでのみサポートされます。
FLOGI スケール最適化および休止タイムアウトの有効化
FLOGI スケール最適化および休止タイムアウトを有効にするには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 switch# configure terminal |
ステップ 2 |
FLOGI スケール最適化を有効にします。 switch(config)# flogi scale enable |
ステップ 3 |
FLOGI 休止タイムアウト値を設定してデバイス ログイン情報を保持します。 switch(config)# flogi quiesce timeout milliseconds デフォルトの FLOGI 休止タイムアウト値については、「制限事項」の項を参照してください。 |
ステップ 4 |
グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。 switch(config)# exit |
ステップ 5 |
(任意) FLOGI スケール最適化が有効になっていることを確認します。 switch# show flogi internal info | i scale switch# show flogi internal info | i quiesce |
例:FLOGI スケール最適化の有効化
次の実行コンフィギュレーションは、FLOGI スケール最適化を有効にして、休止タイムアウト値を 2000 ミリ秒に設定する方法を示しています。
configure terminal
flogi scale enable
flogi quiesce timeout 2000
exit
(注) |
FLOGI スケール番号の詳細については、『Cisco MDS NX-OS Configuration Limits』を参照してください。 |
show flogi internal info | i scale コマンドと show flogi internal info | i quiesce コマンドからの次の出力例には、FLOGI スケール最適化に関する詳細情報が示されています。
switch# show flogi internal info | i scale
Stats: fs_flogi_scale_enabled: 1
switch# show flogi internal info | i quiesce
Stats: fs_flogi_quiesce_timerval: 2000
FLOGI スケール最適化および休止タイムアウトの無効化
FLOGI スケール最適化および休止タイムアウトを無効にするには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 switch# configure terminal |
ステップ 2 |
FLOGI スケール最適化を無効にします。 switch(config)# no flogi scale enable |
ステップ 3 |
FLOGI 休止タイムアウト値を 0 に設定します。 switch(config)# flogi quiesce timeout 0 デフォルトの休止タイムアウト値は 2000 ミリ秒です。 |
ステップ 4 |
グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。 switch(config)# exit |
ステップ 5 |
(任意) FLOGI スケール最適化が無効になっていることを確認します。 switch# show flogi internal info | i scale switch# show flogi internal info | i quiesce |
例:FLOGI スケール最適化の無効化
次の実行コンフィギュレーションは、FLOGI スケール最適化を無効にして、休止タイムアウト値を 0 ミリ秒に設定する方法を示しています。
configure terminal
no flogi scale enable
flogi quiesce timeout 0
exit
show flogi internal info | i scale コマンドと show flogi internal info | i quiesce コマンドからの次の出力例には、FLOGI スケール最適化に関する詳細情報が示されています。
switch# show flogi internal info | i scale
Stats: fs_flogi_scale_enabled: 0
switch# show flogi internal info | i quiesce
Stats: fs_flogi_quiesce_timerval: 0
FLOGI の詳細の表示
FLOGI データベースの詳細を表示するには、show flogi database コマンドを使用します。例 FLOGI データベースの詳細の表示 ~ FC ID 別の FLOGI データベースの表示 を参照してください。
FLOGI データベースの詳細の表示
switch# show flogi database
---------------------------------------------------------------------------
INTERFACE VSAN FCID PORT NAME NODE NAME
---------------------------------------------------------------------------
sup-fc0 2 0xb30100 10:00:00:05:30:00:49:63 20:00:00:05:30:00:49:5e
fc9/13 1 0xb200e2 21:00:00:04:cf:27:25:2c 20:00:00:04:cf:27:25:2c
fc9/13 1 0xb200e1 21:00:00:04:cf:4c:18:61 20:00:00:04:cf:4c:18:61
fc9/13 1 0xb200d1 21:00:00:04:cf:4c:18:64 20:00:00:04:cf:4c:18:64
fc9/13 1 0xb200ce 21:00:00:04:cf:4c:16:fb 20:00:00:04:cf:4c:16:fb
fc9/13 1 0xb200cd 21:00:00:04:cf:4c:18:f7 20:00:00:04:cf:4c:18:f7
Total number of flogi = 6.
インターフェイス別の FLOGI データベースの表示
switch# show flogi database interface fc1/11
INTERFACE VSAN FCID PORT NAME NODE NAME
---------- ------ --------- ----------------------- ---------------------
fc1/11 1 0xa002ef 21:00:00:20:37:18:17:d2 20:00:00:20:37:18:17:d2
fc1/11 1 0xa002e8 21:00:00:20:37:38:a7:c1 20:00:00:20:37:38:a7:c1
fc1/11 1 0xa002e4 21:00:00:20:37:6b:d7:18 20:00:00:20:37:6b:d7:18
fc1/11 1 0xa002e2 21:00:00:20:37:18:d2:45 20:00:00:20:37:18:d2:45
fc1/11 1 0xa002e1 21:00:00:20:37:39:90:6a 20:00:00:20:37:39:90:6a
fc1/11 1 0xa002e0 21:00:00:20:37:36:0b:4d 20:00:00:20:37:36:0b:4d
fc1/11 1 0xa002dc 21:00:00:20:37:5a:5b:27 20:00:00:20:37:5a:5b:27
fc1/11 1 0xa002da 21:00:00:20:37:18:6f:90 20:00:00:20:37:18:6f:90
fc1/11 1 0xa002d9 21:00:00:20:37:5b:cf:b9 20:00:00:20:37:5b:cf:b9
fc1/11 1 0xa002d6 21:00:00:20:37:46:78:97 0:00:00:20:37:46:78:97
Total number of flogi = 10.
VSAN 別の FLOGI データベースの表示
switch# show flogi database vsan 1
---------------------------------------------------------------------------
INTERFACE VSAN FCID PORT NAME NODE NAME
---------------------------------------------------------------------------
fc1/3 1 0xef02ef 22:00:00:20:37:18:17:d2 20:00:00:20:37:18:17:d2
fc1/3 1 0xef02e8 22:00:00:20:37:38:a7:c1 20:00:00:20:37:38:a7:c1
fc1/3 1 0xef02e4 22:00:00:20:37:6b:d7:18 20:00:00:20:37:6b:d7:18
fc1/3 1 0xef02e2 22:00:00:20:37:18:d2:45 20:00:00:20:37:18:d2:45
fc1/3 1 0xef02e1 22:00:00:20:37:39:90:6a 20:00:00:20:37:39:90:6a
fc1/3 1 0xef02e0 22:00:00:20:37:36:0b:4d 20:00:00:20:37:36:0b:4d
fc1/3 1 0xef02dc 22:00:00:20:37:5a:5b:27 20:00:00:20:37:5a:5b:27
fc1/3 1 0xef02da 22:00:00:20:37:18:6f:90 20:00:00:20:37:18:6f:90
fc1/3 1 0xef02d9 22:00:00:20:37:5b:cf:b9 20:00:00:20:37:5b:cf:b9
fc1/3 1 0xef02d6 22:00:00:20:37:46:78:97 20:00:00:20:37:46:78:97
Total number of flogi = 10.
FC ID 別の FLOGI データベースの表示
switch# show flogi database fcid 0xef02e2
---------------------------------------------------------------------------
INTERFACE VSAN FCID PORT NAME NODE NAME
---------------------------------------------------------------------------
fc1/3 1 0xef02e2 22:00:00:20:37:18:d2:45 20:00:00:20:37:18:d2:45
Total number of flogi = 1.
詳細については、デフォルトの企業 ID リストと『Cisco MDS 9000 Family Troubleshooting Guide』の「Loop Monitoring」の項を参照してください。