仮想 SAN
仮想 SAN(VSAN)テクノロジーは、単一の物理 SAN を複数の VSAN に分割します。VSAN 機能を使用すると、Cisco NX-OS ソフトウェアで、大規模な物理ファブリックを個々の分離された環境に論理的に分割して、ファイバ チャネル SAN のスケーラビリティ、アベイラビリティ、管理性、およびネットワーク セキュリティを高めることができます。FICON の場合、VSAN により、FICON およびオープン システムのハードウェアベースの分離が容易になります。
それぞれの VSAN は、独自の一連のファイバ チャネル ファブリック サービスを持つ論理的および機能的に別個の SAN です。ファブリック サービスのこの分割は、個々の VSAN 内にファブリック設定およびエラー条件を含めることにより、ネットワークの不安定さを大幅に軽減します。VSAN が実現する厳密なトラフィック分離は、特定の VSAN の制御およびデータ トラフィックを VSAN 独自のドメイン内に限定することにより、SAN セキュリティを高めるために役立ちます。VSAN は、アベイラビリティを低下させることなく、分離された SAN アイランドを共通のインフラストラクチャに容易に統合できるようにすることで、コスト削減に貢献します。
ユーザーは、特定の VSAN の範囲内に限定される管理者ロールを作成できます。たとえば、ネットワーク管理者ロールは、すべてのプラットフォーム固有の機能を設定できるように設定できます。一方、その他のロールは、特定の VSAN 内だけで設定および管理を行えるように設定できます。この手法は、スイッチ ポートまたは接続されたデバイスのWWN(World Wide Name)に基づいてメンバーシップを割り当てることができる、特定の VSAN に対するユーザー操作の効果を分離することにより、SAN の管理性を高め、人為的エラーを原因とする中断を減らします。
VSAN は、離れた場所にあるデバイスを含めるために VSAN を拡張する、SAN 間の FCIP リンク全体にわたりサポートされます。Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチは、VSAN のトランキングも実装します。トランキングでは、ISL(スイッチ間リンク)によって、同じ物理リンク上で複数の VSAN のトラフィックを伝送できます。