IGMP スヌーピングについて
(注) |
デバイスの IGMP スヌーピングはディセーブルにしないことを推奨します。IGMP スヌーピングをディセーブルにすると、デバイス内で誤ったフラッディングが過度に発生し、マルチキャストのパフォーマンスが低下する場合があります。 |
IGMP スヌーピング ソフトウェアは、VLAN 内のレイヤ 2 IP マルチキャスト トラフィックを調べて、該当する受信側が入っているポートを検出します。IGMP スヌーピングではポート情報を利用することにより、マルチアクセス LAN 環境における帯域幅消費量を削減し、VLAN 全体へのフラッディングを回避します。IGMP スヌーピングは、マルチキャスト対応ルータに接続されたポートを追跡して、ルータによる IGMP メンバーシップ レポートの転送機能を強化します。トポロジの変更通知には、IGMP スヌーピング ソフトウェアが応答します。デバイスでは、IGMP スヌーピングがデフォルトでイネーブルになっています。
この図に、ホストと IGMP ルータ間に設置された IGMP スヌーピング スイッチを示します。IGMP スヌーピング スイッチは、IGMP メンバーシップ レポートおよび Leave メッセージをスヌーピングして、必要な場合にだけ接続された IGMP ルータに転送します。
(注) |
{Vlan,Mac} ルックアップにより、IGMPv2 のレポートはすでにアタッチされている受信者にフラッド/転送され、この結果は report-suppression に表示されます。これは、Cisco Nexus 3550-T 10.1(2t) リリースのみに固有のものです。 |
IGMP スヌーピング ソフトウェアは、IGMPv1、IGMPv2、および IGMPv3 コントロール プレーン パケットの処理に関与し、レイヤ 3 コントロール プレーン パケットを代行受信して、レイヤ 2 の転送処理を操作します。
Cisco NX-OS IGMP スヌーピング ソフトウェアには、次のような独自機能があります。
-
MAC アドレスに基づいたマルチキャスト転送
IGMP スヌーピングの詳細については、「RFC4541」を参照してください。
IGMPv1 および IGMPv2
IGMPv1 と IGMPv2 は両方とも、メンバーシップ レポート抑制をサポートします。つまり、同一サブネット上の 2 つのホストが同一グループのマルチキャスト データを受信する場合、他方のホストからメンバー レポートを受信するホストは、そのレポートを送信しません。メンバーシップ レポート抑制は、同じポートを共有しているホスト間で発生します。
各 VLAN スイッチ ポートに接続されているホストが 1 つしかない場合は、IGMPv2 の高速脱退機能を設定できます。高速脱退機能を使用すると、最終メンバーのクエリー メッセージがホストに送信されません。ソフトウェアは IGMP Leave メッセージを受信すると、ただちに該当するポートへのマルチキャスト データ転送を停止します。
IGMPv1 では、明示的な IGMP Leave メッセージが存在しないため、特定のグループについてマルチキャスト データを要求するホストが存続しないことを示すために、メンバーシップ メッセージ タイムアウトが利用されます。
(注) |
高速脱退機能がイネーブルになっている場合、他のホストの存在は確認されないため、最終メンバーのクエリー インターバル設定が無視されます。 |
IGMPスヌーピングクエリア
マルチキャスト トラフィックをルーティングする必要がないために、Protocol-Independent Multicast(PIM)がインターフェイス上でディセーブルになっている場合は、メンバーシップ クエリーを送信するように IGMP スヌーピング クエリアを設定する必要があります。このクエリアは、マルチキャスト送信元と受信者を含み、その他のアクティブ クエリアを含まない VLAN で定義します。
VLAN で任意の IP アドレスを使用するようにクエリアを設定できます。
ベスト プラクティスとして、簡単にクエリアを参照できるようにするには、一意の IP アドレス(スイッチ インターフェイスまたはホット スタンバイ ルータ プロトコル(HSRP)仮想 IP アドレスでまだ使用されていないもの)を設定するべきです。
(注) |
クエリアの IP アドレスは、ブロードキャスト IP アドレス、マルチキャスト IP アドレス、または 0(0.0.0.0)にしないでください。 |
IGMP スヌーピング クエリアがイネーブルな場合は、定期的に IGMP クエリーが送信されるため、IP マルチキャスト トラフィックを要求するホストから IGMP レポート メッセージが発信されます。IGMP スヌーピングはこれらの IGMP レポートを待ち受けて、適切な転送を確立します。
IGMP スヌーピング クエリアは、RFC 2236 に記述されているようにクエリア選択を実行します。クエリア選択は、次の構成で発生します。
-
異なるスイッチ上の同じ VLAN に同じサブネットに複数のスイッチ クエリアが設定されている場合。
-
設定されたスイッチ クエリアが他のレイヤ 3 SVI クエリアと同じサブネットにある場合。