レイヤ 3 仮想化の設定

この章では、Cisco NX-OS デバイスでレイヤ 3 仮想化を設定する方法について説明します。

この章は、次の項で構成されています。

レイヤ 3 仮想化について

Cisco NX-OS は、複数の仮想ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスをサポートしています。各 VRF には、IPv4 および IPv6 に対応するユニキャストおよびマルチキャスト ルート テーブルを備えた、独立したアドレス空間が 1 つずつあり、他の VRF と無関係にルーティングを決定できます。

ルータごとに、デフォルト VRF および管理 VRF があります。

管理 VRF

  • 管理 VRF は管理専用です。

  • mgmt 0 インターフェイスのみが、管理 VRF にいることができます。

  • mgmt 0 インターフェイスは、異なる VRF に割り当てられることはできません。

  • ルーティング プロトコルは、管理 VRF(スタティックのみ)で動作できません。

デフォルト VRF

  • すべてのレイヤ 3 インターフェイスは、別の VRF に割り当てられるまでデフォルト VRF に存在します。

  • 異なる VRF コンテキストが指定されない限り、ルーティング プロトコルはデフォルトの VRF コンテキストで実行されます。

  • デフォルト VRF は、すべての show コマンドに対してデフォルトのルーティング コンテキストを使用します コマンドにも表示されません。

  • デフォルト VRF は、Cisco IOS のグローバル ルーティング テーブルの概念に似ています。

VRF およびルーティング

すべてのユニキャストおよびマルチキャスト ルーティング プロトコルは VRF をサポートします。VRF でルーティング プロトコルを設定する場合は、同じルーティング プロトコル インスタンスの別の VRF のルーティング パラメータに依存しないルーティング パラメータをその VRF に設定します。

VRF にインターフェイスおよびルーティング プロトコルを割り当てることによって、仮想レイヤ 3 ネットワークを作成できます。インターフェイスが存在する VRF は 1 つだけです。次の図は、1 つの物理ネットワークが 2 つの VRF からなる 2 つの仮想ネットワークに分割されている例を示しています。ルータ Z、A、および B は、VRF Red にあり、1 つのアドレス ドメインを形成しています。これらのルータは、Router C が含まれないルート更新を共有します。Router C は別の VRF で設定されているからです。

図 1. ネットワーク内の VRF


デフォルトで、着信インターフェイスの VRF を使用して、ルート検索に使用するルーティング テーブルを選択します。ルート ポリシーを設定すると、この動作を変更し、Cisco NX-OS が着信パケットに使用する VRF を設定できます。

Cisco NX-OS は VRF 間のルート リーク(インポートまたはエクスポート)をサポートします。

デフォルトの VRF からのルート リークとルートのインポート

Cisco NX-OS は VRF 間のルート リーク(インポートまたはエクスポート)をサポートします。

インポートポリシーを使用して、グローバルルーティングテーブル(デフォルトVRF)から他のVRFにIPプレフィックスをインポートできます。VRF インポート ポリシーはルート マップを使用して、VRF にインポートされるプレフィックスを指定します。ポリシーは、IPv4およびIPv6ユニキャストプレフィックスをインポートできます。


(注)  

BGPデフォルトVRFのルートは直接インポートできます。デフォルトVRFの他のルートは、最初にBGPに再配布する必要があります。


IP プレフィックスは、標準のルート ポリシー フィルタリング メカニズムでインポート ルート マップの一致基準として定義されます。たとえば、IPプレフィックスリストまたはas-pathフィルタを作成してIPプレフィックスまたはIPプレフィックス範囲を定義し、そのプレフィックスリストまたはas-pathフィルタをルートマップのmatch句で使用できます。ルート マップを通過したプレフィックスは、インポート ポリシーを使用して指定された VRF にインポートされます。このインポートポリシーによってVRFにインポートされた IP プレフィックスは、別の VRF に再インポートできません。

詳細については、「VRF ルート リーキングの注意事項および制約事項」セクションを参照してください。

VRF 認識サービス

Cisco NX-OS アーキテクチャの基本的な特徴として、すべての IP ベースの機能が VRF を認識することがあげられます。

次の VRF 認識サービスは、特定の VRF を選択することにより、リモート サーバへの接続や、選択した VRF に基づいた情報のフィルタリングを可能にします。

各サービスで VRF サポートを設定する詳細については、各サービスの適切なコンフィギュレーション ガイドを参照してください。

Reachability

到達可能性は、サービスを提供するサーバに到達するために必要なルーティング情報がどの VRF にあるかを示します。たとえば、管理 VRF で到達可能な SNMP サーバを設定できます。ルータにサーバ アドレスを設定する場合は、サーバに到達するために Cisco NX-OS が使用すべき VRF も設定します。

次の図は、管理 VRF を介して到達可能な SNMP サーバを示しています。SNMP サーバ ホスト 192.0.2.1 には管理 VRF を使用するように、ルータ A を設定します。

図 2. サービス VRF の到達可能性


フィルタリング

フィルタリングにより、VRF に基づいて VRF 認識サービスに渡される情報のタイプを制限できます。たとえば、Syslog サーバが特定の VRF をサポートするように設定できます。下に示す 2 つの Syslog サーバは、それぞれ 1 つの VRF をサポートしています。Syslog サーバ A は VRF Red で設定されているので、Cisco NX-OS は VRF Red で生成されたシステム メッセージだけを Syslog サーバ A に送信します。

図 3. サービス VRF のフィルタリング


到達可能性とフィルタリングの組み合わせ

VRF 認識サービスの到達可能性とフィルタリングを組み合わせることができます。サービスに接続するために Cisco NX-OS が使用する VRF とともに、そのサービスがサポートする VRF も設定できます。デフォルト VRF でサービスを設定する場合は、任意で、すべての VRF をサポートするようにサービスを設定できます。

次の図は、管理 VRF を介して到達可能な SNMP サーバを示しています。たとえば、SNMP サーバが VRF Red からの SNMP 通知だけをサポートするように設定できます。

図 4. サービス VRF の到達可能性とフィルタリング


VRF の前提条件

デフォルト VDC 以外の VDC を使用するには、Advanced Services ライセンスをインストールする必要があります。

VRF の注意事項および制約事項

VRF 設定時の注意事項と制約事項は次のとおりです。

  • プレフィックス リスト内の名前は、大文字と小文字が区別されません。一意の名前を使用することを推奨します。大文字と小文字を変更しただけの名前は使用しないでください。たとえば、CTCPrimaryNetworks と CtcPrimaryNetworks は 2 つの異なるエントリではありません。

  • インターフェイスを既存の VRF のメンバにすると、Cisco NX-OS はあらゆるレイヤ 3 設定を削除します。VRF にインターフェイスを追加したあとで、すべてのレイヤ 3 パラメータを設定する必要があります。

  • 管理 VRF に mgmt0 インターフェイスを追加し、そのあとで mgmt0 の IP アドレスおよびその他のパラメータを設定します。

  • VRF が存在しないうちに VRF のインターフェイスを設定した場合は、VRF を作成するまで、そのインターフェイスは運用上のダウンになります。

  • Cisco NX-OS はデフォルトで、デフォルトと管理 VRF を作成します。mgmt0 は管理 VRF のメンバにする必要があります。

  • この項で説明している write erase boot コマンドを実行しても、管理 VRF の設定は削除されません。write erase を使用する必要があります コマンドを使用し、 write erase boot コマンドを使用する必要があります。

  • ルート ターゲットには、次の注意事項と制約事項があります。

    • レイヤ 2 とレイヤ 3 に異なるルート ターゲットを割り当てるのがベスト プラクティスです。

    • 自動ルート ターゲット生成では、ルート ターゲットは EVI から生成されます。レイヤ 2 とレイヤ 3 で異なる EVI 範囲を使用して、レイヤ 2 とレイヤ 3 の EVI が同じ識別子を使用しないようにすることをお勧めします。

VRF ルート リークの注意事項と制約事項

VRF ルート リークには次の設定注意事項と制限があります。

  • ルート リークは、任意の 2 つのデフォルト以外の VRF間、およびデフォルト VRF からデフォルト以外の VRF にサポートされます。


    (注)  

    VRF 間のルート リークは、MPLS セグメント ルーティング(SR-MPLS)ではサポートされません。

    VRF 間のルートリークは BGP ではサポートされません。BGP スピーカーは、異なる VRF を介してルーティングされるピア IP には接続できません。


  • デフォルト VRF へのルート リークは、グローバル VRF であるため使用できません。

  • 指定した IP アドレスにマッチするルート マップのフィルタを使用して、特定のルートに対してルート リークを制限できます。

  • デフォルトでは、デフォルト VRF からデフォルト以外の VRF にインポートできる IP プレフィックスの最大数は 1000 ルートです。

  • 2 つの非デフォルト VRF間でリークできるルートの数に制限はありません。

デフォルト設定

次の表に、VRF パラメータのデフォルト設定値を示します。

表 1. デフォルトの VRF パラメータ

パラメータ

デフォルト

設定されている VRF

デフォルト、管理

ルーティング コンテキスト

デフォルト VRF

VRF の設定


(注)  

Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能に対応する Cisco NX-OS コマンドは通常使用する Cisco IOS コマンドと異なる場合があるので注意してください。


VRF の作成

VRF を作成できます。


(注)  

グローバル設定モードで使用できるコマンドはすべて、VRF 設定モードでも使用できます。


手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

[no] vrf context name

例:

switch(config)# vrf context Enterprise
switch(config-vrf)#

新しい VRF を作成し、VRF 設定モードを開始します。name には最大 32 文字の英数字を使用できます。大文字と小文字は区別されます。

このコマンドで no オプションを使用すると、VRF と、関連するすべての設定が削除されます。

ステップ 3

(任意) ip route {ip-prefix | ip-addr ip-mask} {[next-hop | nh-prefix] | [interface next-hop | nh-prefix]} [tag tag-value [preference]

例:

switch(config-vrf)# ip route 192.0.2.0/8
ethernet 1/2 192.0.2.4
(任意)

スタティック ルートおよびこのスタティック ルート用のインターフェイスを設定します。任意でネクスト ホップ アドレスを設定できます。preference 値でアドミニストレーティブ ディスタンスを設定します。範囲は 1 ~ 255 です。デフォルトは 1 です。

ステップ 4

(任意) show vrf [vrf-name]

例:

switch(config-vrf)# show vrf Enterprise
(任意)

VRF 情報を表示します。

ステップ 5

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-vrf)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

次に、VRF を作成し、VRF にスタティック ルートを追加する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# vrf context Enterprise
switch(config-vrf)# ip route 192.0.2.0/8 ethernet 1/2
switch(config-vrf)# exit
switch(config)# copy running-config startup-config

インターフェイスへの VRF メンバーシップの割当て

インターフェイスを VRF のメンバにできます。

始める前に

VRF 用のインターフェイスを設定したあとで、インターフェイスに IP アドレスを割り当てます。

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface interface-type slot/port

例:

switch(config)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)#

インターフェイス設定モードを開始します。

ステップ 3

vrf member vrf-name

例:

switch(config-if)# vrf member
RemoteOfficeVRF

このインターフェイスを VRF に追加します。

ステップ 4

ip address ip-prefix/length

例:

switch(config-if)# ip address
192.0.2.1/16

このインターフェイスの IP アドレスを設定します。このステップは、このインターフェイスを VRF に割り当てたあとに行う必要があります。

ステップ 5

(任意) show vrf vrf-name interface interface-type number

例:

switch(config-vrf)# show vrf Enterprise
interface ethernet 1/2
(任意)

VRF 情報を表示します。

ステップ 6

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-vrf)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

次に、VRF にインターフェイスを追加する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# vrf member RemoteOfficeVRF
switch(config-if)# ip address 192.0.2.1/16
switch(config-if)# copy running-config startup-config

ルーティング プロトコル用の VRF パラメータの設定

1 つまたは複数の VRF にルーティング プロトコルを関連付けることができます。ルーティング プロトコルに関する VRF の設定については、該当する章を参照してください。ここでは、詳細な設定手順の例として、OSPFv2 プロトコルを使用します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

router ospf instance-tag

例:

switch (config-vrf)# router ospf 201
switch(config-router)#

インスタンスタグが設定された新しい OSFPv2 インスタンスを作成します。

ステップ 3

vrf vrf-name

例:

switch(config-router)# vrf
RemoteOfficeVRF
switch(config-router-vrf)#

VRF 設定モードを開始します。

ステップ 4

(任意) maximum-paths paths

例:

switch(config-router-vrf)# maximum-paths
4
(任意)

この VRF のルート テーブル内の宛先への、同じ OSPFv2 パスの最大数を設定します。このコマンドはロード バランシングに使用されます。

ステップ 5

exit

例:

switch(config-router-vrf)# exit
switch(config-router)#

VRF設定モードを終了します。

ステップ 6

exit

例:

switch(config-router)# exit
switch(config)#

ルータ設定モードを終了します。

ステップ 7

interface interface-type slot/port

例:

switch(config)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)#

インターフェイス設定モードを開始します。

ステップ 8

vrf member vrf-name

例:

switch(config-if)# vrf member
RemoteOfficeVRF

このインターフェイスを VRF に追加します。

ステップ 9

ip address ip-prefix/length

例:

switch(config-if)# ip address
192.0.2.1/16

このインターフェイスの IP アドレスを設定します。このステップは、このインターフェイスを VRF に割り当てたあとに行う必要があります。

ステップ 10

ip router ospf instance-tag area area-id

例:

switch(config-if)# ip router ospf 201
area 0

このインターフェイスを OSPFv2 インスタンスおよび設定エリアに割り当てます。

ステップ 11

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-if)# copy running-config
startup-config
(任意)

実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーします

次に、VRF を作成して、その VRF にインターフェイスを追加する例を示します。

switch# configure terminal
switch(config)# vrf context RemoteOfficeVRF
switch(config-vrf)# exit
switch(config)# router ospf 201
switch(config-router)# vrf RemoteOfficeVRF
switch(config-router-vrf)# maximum-paths 4
switch(config-router-vrf)# interface ethernet 1/2
switch(config-if)# vrf member RemoteOfficeVRF
switch(config-if)# ip address 192.0.2.1/16
switch(config-if)# ip router ospf 201 area 0
switch(config-if)# exit
switch(config)# copy running-config startup-config

VRF 認識サービスの設定

VRF 認識サービスの到達可能性とフィルタリングを設定できます。

ここでは、サービスの詳細な設定手順の例として、SNMP および IP ドメイン リストを使用します。

手順

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

snmp-server host ip-address [filter-vrf vrf-name] [use-vrf vrf-name]

例:

switch(config)# snmp-server host
192.0.2.1 use-vrf Red

グローバル SNMP サーバを設定し、サービスに到達するために Cisco NX-OS が使用する VRF を設定します。選択した VRF からこのサーバへの情報をフィルタリングするには、filter-vrf キーワードを使用します。

ステップ 3

vrf context vrf-name

例:

switch(config)# vrf context Blue
switch(config-vrf)#

新しい VRF を作成します。

ステップ 4

ip domain-list domain-name [all-vrfs] [use-vrf vrf-name]

例:

switch(config-vrf)# ip domain-list List
all-vrfs use-vrf Blue

VRF でドメイン リストを設定し、必要に応じて、リスト内のドメイン名に到達するために Cisco NX-OS が使用する VRF を設定します。

ステップ 5

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-vrf)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

次の例は、VRF Red 上の到達可能な SNMP ホスト 192.0.2.1 に、すべての VRF の SNMP 情報を送信する方法を示しています。

switch# configure terminal
switch(config)# snmp-server host 192.0.2.1 for-all-vrfs use-vrf Red
switch(config)# copy running-config startup-config

次の例は、VRF Red 上の到達可能な SNMP ホスト 192.0.2.12 に対して、VRF Blue の SNMP 情報をフィルタリングする方法を示しています。

switch# configure terminal
switch(config)# vrf context Blue
switch(config-vrf)# snmp-server host 192.0.2.12 use-vrf Red
switch(config)# copy running-config startup-config

VRF スコープの設定

すべての EXEC コマンド(show コマンドなど)の VRF スコープを設定できます。そうすることで、EXEC コマンド出力のスコープが設定された VRF に自動的に限定されます。このスコープは、一部の EXEC コマンドで使用できる VRF キーワードによって上書きできます。

手順

コマンドまたはアクション 目的

routing-context vrf vrf-name

例:

switch# routing-context vrf red
switch%red#

すべての EXEC コマンドに対応するルーティング コンテキストを設定します。デフォルトのルーティング コンテキストはデフォルト VRF です。

(注)   
routing-context vrf default コマンドを使用し、 コマンドを使用して、デフォルトの VRF スコープに戻ります。

デフォルトの VRF スコープに戻すには、EXEC モードで次のコマンドを使用します。

コマンド

目的

routing-context vrf default

例:

switch%red# routing-context vrf default
switch#

デフォルトのルーティング コンテキストを設定します。

VRF の設定の確認

VRF 設定情報を表示するには、次のいずれかの作業を実行します。

コマンド

目的

show bgp process vrf [ vrf-name ]

すべてまたは 1 つの VRF の情報を表示します。

show vrf [vrf-name]

すべてまたは 1 つの VRF の情報を表示します。

show vrf [vrf-name] detail

すべてまたは 1 つの VRF の詳細情報を表示します。

show vrf [vrf-name] [interface interface-type slot/port]

インターフェイスの VRF ステータスを表示します。

VRF の設定例

次に、VRF Red を設定して、その VRF に SNMP サーバを追加し、VRF Red に OSPF インスタンスを追加する例を示します。


vrf context Red
    snmp-server host 192.0.2.12 use-vrf Red
    router ospf 201

vrf Red
    interface ethernet 1/2
    vrf member Red
    ip address 192.0.2.1/16
    ip router ospf 201 area 0

次に、VRF Red および Blue を設定し、各 VRF に OSPF インスタンスを追加して、各 OSPF インスタンスの SNMP コンテキストを作成する例を示します。


vrf context Red
vrf context Blue
vrf context Green

feature ospf
    router ospf Lab
    vrf Red

router ospf Production
    vrf Blue
    router-id 1.1.1.1
    vrf Green
    router-id 2.2.2.2

interface ethernet 1/2
    vrf member Red
    ip address 192.0.2.1/16
    ip router ospf Lab area 0
    no shutdown

interface ethernet 10/2
    vrf member Blue
    ip address 192.0.2.1/16
    ip router ospf Production area 0
    no shutdown

interface ethernet 10/3
    vrf member Green
    ip address 192.0.2.1/16
    ip router ospf Production area 0
    no shutdown

snmp-server user admin network-admin auth md5 nbv-12345
    snmp-server community public ro

snmp-server context lab instance Lab vrf Red
    snmp-server context production instance Production vrf Blue

この例で、VRF Red の OSPF インスタンス Lab の OSPF-MIB 値にアクセスするには、SNMP コンテキスト lab を使用します。

次に、デフォルト以外の 2 つの VRF 間、およびデフォルト VRF からデフォルト以外の VRF にルート リークを設定する例を示します。

feature bgp 
vrf context Green 
    ip route 33.33.33.33/32 35.35.1.254
    address-family ipv4 unicast
    route-target import 3:3
    route-target export 2:2
    export map test
    import map test
    import vrf default map test

interface Ethernet1/7 
    vrf member Green
    ip address 35.35.1.2/24

vrf context Shared 
    ip route 44.44.44.44/32 45.45.1.254
    address-family ipv4 unicast
    route-target import 1:1
    route-target import 2:2
    route-target export 3:3
    export map test
    import map test
    import vrf default map test

interface Ethernet1/11 
    vrf member Shared
    ip address 45.45.1.2/24

router bgp 100
    address-family ipv4 unicast
    redistribute static route-map test
    vrf Green
    address-family ipv4 unicast
    redistribute static route-map test
    vrf Shared
    address-family ipv4 unicast
    redistribute static route-map test

ip prefix-list test seq 5 permit 0.0.0.0/0 le 32 
    route-map test permit 10
    match ip address prefix-list test

ip route 100.100.100.100/32 55.55.55.1
    switch# show ip route vrf all 
    IP Route Table for VRF "default"
    '*' denotes best ucast next-hop
    '**' denotes best mcast next-hop
    '[x/y]' denotes [preference/metric]
    '%<string>' in via output denotes VRF <string>

55.55.55.0/24, ubest/mbest: 1/0, attached
    *via 55.55.55.5, Lo0, [0/0], 00:07:59, direct
    55.55.55.5/32, ubest/mbest: 1/0, attached
    *via 55.55.55.5, Lo0, [0/0], 00:07:59, local
    100.100.100.100/32, ubest/mbest: 1/0
    *via 55.55.55.1, [1/0], 00:07:42, static

IP Route Table for VRF "management"
    '*' denotes best ucast next-hop
    '**' denotes best mcast next-hop
    '[x/y]' denotes [preference/metric]
    '%<string>' in via output denotes VRF <string>

0.0.0.0/0, ubest/mbest: 1/0
    *via 10.29.176.1, [1/0], 12:53:54, static
    10.29.176.0/24, ubest/mbest: 1/0, attached
    *via 10.29.176.233, mgmt0, [0/0], 13:11:57, direct
    10.29.176.233/32, ubest/mbest: 1/0, attached
    *via 10.29.176.233, mgmt0, [0/0], 13:11:57, local

IP Route Table for VRF "Green"
    '*' denotes best ucast next-hop
    '**' denotes best mcast next-hop
    '[x/y]' denotes [preference/metric]
    '%<string>' in via output denotes VRF <string>
    33.33.33.33/32, ubest/mbest: 1/0
    *via 35.35.1.254, [1/0], 00:23:44, static
    35.35.1.0/24, ubest/mbest: 1/0, attached
    *via 35.35.1.2, Eth1/7, [0/0], 00:26:46, direct
    35.35.1.2/32, ubest/mbest: 1/0, attached
    *via 35.35.1.2, Eth1/7, [0/0], 00:26:46, local
    44.44.44.44/32, ubest/mbest: 1/0
    *via 45.45.1.254%Shared, [20/0], 00:12:08, bgp-100, external, tag 100
    100.100.100.100/32, ubest/mbest: 1/0
    *via 55.55.55.1%default, [20/0], 00:07:41, bgp-100, external, tag 100

IP Route Table for VRF "Shared" 
    '*' denotes best ucast next-hop
    '**' denotes best mcast next-hop
    '[x/y]' denotes [preference/metric]
    '%<string>' in via output denotes VRF <string>

33.33.33.33/32, ubest/mbest: 1/0
    *via 35.35.1.254%Green, [20/0], 00:12:34, bgp-100, external, tag 100
    44.44.44.44/32, ubest/mbest: 1/0
    *via 45.45.1.254, [1/0], 00:23:16, static
    45.45.1.0/24, ubest/mbest: 1/0, attached
    *via 45.45.1.2, Eth1/11, [0/0], 00:25:53, direct
    45.45.1.2/32, ubest/mbest: 1/0, attached
    *via 45.45.1.2, Eth1/11, [0/0], 00:25:53, local
    100.100.100.100/32, ubest/mbest: 1/0
    *via 55.55.55.1%default, [20/0], 00:07:41, bgp-100, external, tag 100
switch(config)#

次に、「export vrf default」コマンドで導入されたインポート済みルートの再インポートを許可し、VPN インポート済みルートを default-VRF に再インポートできるようにする例を示します。

vrf context vpn1
    address-family ipv4 unicast
        export vrf default [<prefix-limit>] map <route-map> [allow-vpn]
    address-family ipv6 unicast
        export vrf default [<prefix-limit>] map <route-map> [allow-vpn]

次に、border-leaf 設定例を示します。

ip prefix-list DEFAULT_ROUTE seq 5 permit 0.0.0.0/0
route-map NO_DEFAULT_ROUTE deny 5
  match ip address prefix-list DEFAULT_ROUTE
route-map NO_DEFAULT_ROUTE permit 10
route-map allow permit 10

vrf context vni100
  vni 100
  ip route 0.0.0.0/0 Null0
  rd auto
  address-family ipv4 unicast
    route-target import 100:200
    route-target import 100:200 evpn
    route-target both auto
    route-target both auto evpn
    import vrf default map allow
    export vrf default map NO_DEFAULT_ROUTE allow-vpn
vrf context vni200
  vni 200
  ip route 0.0.0.0/0 Null0
  rd auto
  address-family ipv4 unicast
    route-target import 100:100
    route-target import 100:100 evpn
    route-target both auto
    route-target both auto evpn
    import vrf default map allow
    export vrf default map NO_DEFAULT_ROUTE

router bgp 100
    address-family ipv4 unicast
    redistribute direct route-map allow
  address-family ipv6 unicast          
    redistribute direct route-map allow
  neighbor 101.101.101.101
    remote-as 100
    update-source loopback0
    address-family l2vpn evpn
      send-community extended
  neighbor 30.0.0.2
    remote-as 300
    address-family ipv4 unicast
  vrf vni100
    address-family ipv4 unicast
      network 0.0.0.0/0
      advertise l2vpn evpn
      redistribute direct route-map allow
  vrf vni200
    address-family ipv4 unicast
      network 0.0.0.0/0
      advertise l2vpn evpn
      redistribute direct route-map allow

次に、BGP IPv4 ユニキャスト設定の例を示します。

bl1(config-vrf)# show bgp ipv4 unicast 11.11.11.11/32
BGP routing table information for VRF default, address family IPv4 Unicast
BGP routing table entry for 11.11.11.11/32, version 14             
Paths: (1 available, best #1)
Flags: (0x08041a) on xmit-list, is in urib, is best urib route, is in HW

  Advertised path-id 1
  Path type: internal, path is valid, is best path, in rib
             Imported from 3.3.3.3:3:11.11.11.11/32 (VRF vni100)
  AS-Path: 150 , path sourced external to AS
    1.1.1.1 (metric 81) from 101.101.101.101 (101.101.101.101)
      Origin incomplete, MED 0, localpref 100, weight 0
      Received label 100
      Extcommunity:
          RT:100:100
          ENCAP:8
          Router MAC:5254.004e.a437
      Originator: 1.1.1.1 Cluster list: 101.101.101.101

  Path-id 1 advertised to peers:
    30.0.0.2

bl1(config-vrf)# show bgp vrf vni100 ipv4 unicast 11.11.11.11/32
BGP routing table information for VRF vni100, address family IPv4 Unicast
BGP routing table entry for 11.11.11.11/32, version 8                    
Paths: (1 available, best #1)                                            
Flags: (0x08041e) on xmit-list, is in urib, is best urib route, is in HW 
  vpn: version 19, (0x100002) on xmit-list                               

  Advertised path-id 1, VPN AF advertised path-id 1
  Path type: internal, path is valid, is best path, in rib
             Imported from 1.1.1.1:3:[5]:[0]:[0]:[32]:[11.11.11.11]:[0.0.0.0]/224
  AS-Path: 150 , path sourced external to AS
    1.1.1.1 (metric 81) from 101.101.101.101 (101.101.101.101)
      Origin incomplete, MED 0, localpref 100, weight 0
      Received label 100
      Extcommunity:
          RT:100:100
          ENCAP:8
          Router MAC:5254.004e.a437
      Originator: 1.1.1.1 Cluster list: 101.101.101.101

  VRF advertise information:
  Path-id 1 not advertised to any peer

  VPN AF advertise information:
  Path-id 1 not advertised to any peer

次に、BGP IPv6 ユニキャスト設定の例を示します。

bl1(config-vrf)# show bgp ipv6 unicast 11::11/128
BGP routing table information for VRF default, address family IPv6 Unicast
BGP routing table entry for 11::11/128, version 13               
Paths: (1 available, best #1)
Flags: (0x08041a) on xmit-list, is in u6rib, is best u6rib route, is in HW

  Advertised path-id 1
  Path type: internal, path is valid, is best path
             Imported from 3.3.3.3:3:11::11/128 (VRF vni100)
  AS-Path: 150 , path sourced external to AS
    ::ffff:1.1.1.1 (metric 81) from 101.101.101.101 (101.101.101.101)
      Origin incomplete, MED 0, localpref 100, weight 0
      Received label 100
      Extcommunity:
          RT:100:100
          ENCAP:8
          Router MAC:5254.004e.a437
      Originator: 1.1.1.1 Cluster list: 101.101.101.101

  Path-id 1 advertised to peers:
    30::2

bl1(config-vrf)# show bgp vrf vni100 ipv6 unicast 11::11/128
BGP routing table information for VRF vni100, address family IPv6 Unicast
BGP routing table entry for 11::11/128, version 6                        
Paths: (1 available, best #1)                                            
Flags: (0x08041e) on xmit-list, is in u6rib, is best u6rib route, is in HW
  vpn: version 7, (0x100002) on xmit-list                                 

  Advertised path-id 1, VPN AF advertised path-id 1
  Path type: internal, path is valid, is best path
             Imported from 1.1.1.1:3:[5]:[0]:[0]:[128]:[11::11]:[0::]/416
  AS-Path: 150 , path sourced external to AS
    ::ffff:1.1.1.1 (metric 81) from 101.101.101.101 (101.101.101.101)
      Origin incomplete, MED 0, localpref 100, weight 0
      Received label 100
      Extcommunity:
          RT:100:100
          ENCAP:8
          Router MAC:5254.004e.a437
      Originator: 1.1.1.1 Cluster list: 101.101.101.101

  VRF advertise information:
  Path-id 1 not advertised to any peer

  VPN AF advertise information:
  Path-id 1 not advertised to any peer

次に、show route isis コマンドの出力例を示します。

bl1(config-if)# show ip route
IP Route Table for VRF "default"
'*' denotes best ucast next-hop 
'**' denotes best mcast next-hop              
'[x/y]' denotes [preference/metric] 
'%<string>' in via output denotes VRF <string>                         
   
0.0.0.0/0, ubest/mbest: 1/0
    *via vrf vni100, Null0, [20/0], 1d04h, bgp-100, external, tag 100 
1.1.1.1/32, ubest/mbest: 1/0 
    *via 103.0.0.1, Eth1/1, [110/81], 1d04h, ospf-100, intra
2.2.2.2/32, ubest/mbest: 1/0
    *via 103.0.0.1, Eth1/1, [110/81], 1d04h, ospf-100, intra 
3.3.3.3/32, ubest/mbest: 2/0, attached
    *via 3.3.3.3, Lo0, [0/0], 1d04h, local
    *via 3.3.3.3, Lo0, [0/0], 1d04h, direct
9.9.9.9/32, ubest/mbest: 1/0, attached
    *via 9.9.9.9%vni100, Lo9, [20/0], 1d03h, bgp-100, external, tag 100 
10.0.0.0/24, ubest/mbest: 1/0 
    *via 1.1.1.1, [200/0], 1d04h, bgp-100, internal, tag 100 (evpn) segid: 100 tunnelid: 0x1010101 encap: VXLAN                    
11.11.11.11/32, ubest/mbest: 1/0  
    *via 1.1.1.1, [200/0], 1d04h, bgp-100, internal, tag 150 (evpn) segid: 100 tunnelid: 0x1010101 encap: VXLAN 
20.0.0.0/24, ubest/mbest: 1/0 
    *via 2.2.2.2, [200/0], 1d04h, bgp-100, internal, tag 100 (evpn) segid: 200 tunnelid: 0x2020202 encap: VXLAN 
22.22.22.22/32, ubest/mbest: 1/0 
    *via 2.2.2.2, [200/0], 1d04h, bgp-100, internal, tag 250 (evpn) segid: 200 tunnelid: 0x2020202 encap: VXLAN 
30.0.0.0/24, ubest/mbest: 1/0, attached
    *via 30.0.0.1, Eth1/2, [0/0], 1d04h, direct 
30.0.0.1/32, ubest/mbest: 1/0, attached 
    *via 30.0.0.1, Eth1/2, [0/0], 1d04h, local 
33.33.33.33/32, ubest/mbest: 1/0 
    *via 30.0.0.2, [20/0], 1d04h, bgp-100, external, tag 300 
100.0.0.0/24, ubest/mbest: 1/0, attached 
    *via 100.0.0.3%vni100, Vlan100, [20/0], 1d04h, bgp-100, external, tag 100 
101.0.0.0/24, ubest/mbest: 1/0 
    *via 103.0.0.1, Eth1/1, [110/80], 1d04h, ospf-100, intra 
101.101.101.101/32, ubest/mbest: 1/0  
    *via 103.0.0.1, Eth1/1, [110/41], 1d04h, ospf-100, intra
102.0.0.0/24, ubest/mbest: 1/0
    *via 103.0.0.1, Eth1/1, [110/80], 1d04h, ospf-100, intra
103.0.0.0/24, ubest/mbest: 1/0, attached 
    *via 103.0.0.2, Eth1/1, [0/0], 1d04h, direct 
103.0.0.2/32, ubest/mbest: 1/0, attached


show ipv6 route コマンドの出力例を示します。

bl1(config-vrf)# show bgp ipv6 unicast 11::11/128
BGP routing table information for VRF default, address family IPv6 Unicast
BGP routing table entry for 11::11/128, version 13               
Paths: (1 available, best #1)
Flags: (0x08041a) on xmit-list, is in u6rib, is best u6rib route, is in HW

  Advertised path-id 1
  Path type: internal, path is valid, is best path
             Imported from 3.3.3.3:3:11::11/128 (VRF vni100)
  AS-Path: 150 , path sourced external to AS
    ::ffff:1.1.1.1 (metric 81) from 101.101.101.101 (101.101.101.101)
      Origin incomplete, MED 0, localpref 100, weight 0
      Received label 100
      Extcommunity:
          RT:100:100
          ENCAP:8
          Router MAC:5254.004e.a437
      Originator: 1.1.1.1 Cluster list: 101.101.101.101

  Path-id 1 advertised to peers:
    30::2

bl1(config-vrf)# show bgp vrf vni100 ipv6 unicast 11::11/128
BGP routing table information for VRF vni100, address family IPv6 Unicast
BGP routing table entry for 11::11/128, version 6                        
Paths: (1 available, best #1)                                            
Flags: (0x08041e) on xmit-list, is in u6rib, is best u6rib route, is in HW
  vpn: version 7, (0x100002) on xmit-list                                 

  Advertised path-id 1, VPN AF advertised path-id 1
  Path type: internal, path is valid, is best path
             Imported from 1.1.1.1:3:[5]:[0]:[0]:[128]:[11::11]:[0::]/416
  AS-Path: 150 , path sourced external to AS
    ::ffff:1.1.1.1 (metric 81) from 101.101.101.101 (101.101.101.101)
      Origin incomplete, MED 0, localpref 100, weight 0
      Received label 100
      Extcommunity:
          RT:100:100
          ENCAP:8
          Router MAC:5254.004e.a437
      Originator: 1.1.1.1 Cluster list: 101.101.101.101

  VRF advertise information:
  Path-id 1 not advertised to any peer

  VPN AF advertise information:
  Path-id 1 not advertised to any peer

その他の参考資料

仮想化の実装に関連する詳細情報については、次の項を参照してください。

VRF の関連資料

関連項目

マニュアル タイトル

VRF

Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide

『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS System Management Configuration Guide』

標準

標準

タイトル

この機能でサポートされる新規の標準または変更された標準はありません。また、既存の標準のサポートは変更されていません。