IPv4 の設定

この章では、Cisco NX-OS デバイス上でのインターネット プロトコル バージョン 4(IPv4)(アドレス指定を含む)、アドレス解決プロトコル(ARP)および Internet Control Message Protocol(ICMP)の設定方法を説明します。

この章は、次の項で構成されています。

IPv4 の概要

デバイス上で IP を設定し、ネットワーク インターフェイスに IP アドレスを割り当てることができます。IP アドレスを割り当てると、インターフェイスがイネーブルになり、そのインターフェイス上のホストと通信できるようになります。

IP アドレスは、デバイス上でプライマリまたはセカンダリとして設定できます。インターフェイスには、1 つのプライマリ IP アドレスと複数のセカンダリ アドレスを設定できます。デバイスが生成したパケットは、常にプライマリ IPv4 アドレスを使用するため、インターフェイス上のすべてのネットワーキング デバイスは、同じプライマリ IP アドレスを共有する必要があります。各 IPv4 パケットは、送信元または宛先 IP アドレスからの情報に基づいています。詳細については、「複数 IP アドレス」の項を参照してください。

サブネットを使用して、IP アドレスをマスクできます。マスクは、IP アドレスがどのサブネットに属するかを決定するために使用されます。IP アドレスは、ネットワーク アドレスとホスト アドレスで構成されています。マスクで、IP アドレス中のネットワーク番号を示すビットが識別できます。マスクを使用してネットワークをサブネット化した場合、そのマスクはサブネット マスクと呼ばれます。サブネット マスクは 32 ビット値で、これにより IP パケットの受信者は、IP アドレスのネットワーク ID 部分とホスト ID 部分を区別できます。

IP 機能には、スーパーバイザ モジュールで終端する IPv4 パケットを取り扱い、また同様に、IPv4 ユニキャスト/マルチキャスト ルート ルックアップとソフトウェア アクセス コントロール リスト(ACL)の転送を含む IPv4 パケットの転送を行う役割があります。また、IP 機能は、ネットワーク インターフェイス IP アドレス設定、重複アドレス チェック、スタティック ルート、および IP クライアントのパケット送信/受信インターフェイスも管理します。


(注)  


Nexusの動作ではnull0インターフェイス宛てのパケットがドロップされるため、IPv4またはIPv6パケットがnull0インターフェイスに送信された場合、Cisco Nexus 3000スイッチはICMPまたはICMPv6パケットで応答しません。


複数の IPv4 アドレス

Cisco NX-OS は、インターフェイスごとに複数の IP アドレスをサポートします。さまざまな状況に備え、いくつでもセカンダリ アドレスを指定できます。最も一般的な状況は次のとおりです。

  • 特定のネットワーク インターフェイスのホスト IP アドレスの数が不足している場合。たとえば、サブネット化により、論理サブネットごとに 254 までのホストを使用できるが、物理サブネットの 1 つに 300 のホスト アドレスが必要な場合は、ルータ上またはアクセス サーバ上でセカンダリ IP アドレスを使用して、1 つの物理サブネットで 2 つの論理サブネットを使用できます。

  • 1 つのネットワークの 2 つのサブネットは、別の方法で、別のネットワークにより分離できる場合があります。別のネットワークによって物理的に分離された複数のサブネットから、セカンダリ アドレスを使用して、1 つのネットワークを作成できます。このような場合、最初のネットワークは、2 番めのネットワークの上に拡張されます。つまり、上の階層となります。サブネットは、同時に複数のアクティブなインターフェイス上に表示できません。


(注)  


ネットワーク セグメント上のいずれかのデバイスがセカンダリ IPv4 アドレスを使用している場合は、同じネットワーク インターフェイス上の他のすべてのデバイスも、同じネットワークまたはサブネットからのセカンダリ アドレスを使用する必要があります。ネットワーク セグメント上で、一貫性のない方法でセカンダリ アドレスを使用すると、ただちにルーティング ループが発生する可能性があります。


LPMルーティングモード

デフォルトでは、Cisco NX-OSは、デバイス上で最長プレフィックス一致(LPM)を許可するように階層的にルーティングします。ただし、より多くの LPM ルート エントリをサポートするために、異なるルーティング モード用にデバイスを設定できます。

次の表に、Cisco Nexus 9300 シリーズおよび 9500 シリーズ スイッチでサポートされている LPM ルーティング モードを示します。

表 1. Cisco Nexus 9200 シリーズ スイッチ用の LPM ルーティング モード

LPM ルーティング モード

CLI コマンド

デフォルトのシステム ルーティング モード

LPM デュアルホスト ルーティング モード

system routing template-dual-stack-host-scale

LPM ヘビー ルーティング モード

system routing template-lpm-heavy


(注)  


Cisco Nexus 9200 プラットフォーム スイッチは、IPv4 マルチキャスト ルートの system routing template-lpm-heavy モードをサポートしていません。LPM の上限を 0 にリセットしてください。


表 2. Cisco Nexus 9300 シリーズ スイッチ用の LPM ルーティング モード

LPM ルーティング モード

Broadcom T2モード

CLI コマンド

デフォルトのシステム ルーティング モード

3

ALPM ルーティング モード

4

system routing max-mode l3

表 3. Cisco Nexus 9300-EX/FX/FX2/FX3/GX プラットフォーム スイッチ用の LPM ルーティング モード

LPM ルーティング モード

CLI コマンド

LPM デュアルホスト ルーティング モード

system routing template-dual-stack-host-scale

LPM ヘビー ルーティング モード

system routing template-lpm-heavy

LPM インターネットピアリング モード)

system routing template-internet-peering

表 4. 9700-EX および 9700-FX ラインカ ードを搭載した Cisco Nexus 9500 プラットフォーム スイッチ用 LPM ルーティング モード

LPM ルーティング モード

Broadcom T2モード

CLI コマンド

デフォルトのシステム ルーティング モード

3(ラインカード用)。

4(ファブリック モジュール用)

最大-ホスト ルーティング モード

2(ラインカード用)。

3(ファブリック モジュール用)

system routing max-mode host

非階層ルーティング モード

3(ラインカード用)。

max-l3-modeオプション付き4(ラインカード用)

system routing non-hierarchical-routing [max-l3-mode]

64 ビット ALPM ルーティング モード

モード4のサブモード(ファブリックモジュール用)

system routing mode hierarchical 64b-alpm

LPM ヘビー ルーティング モード

system routing template-lpm-heavy

(注)  

 

このモードは、9732C-EX ライン カードを搭載した Cisco Nexus 9508 スイッチでのみサポートされます。

LPM インターネットピアリング モード)

system routing template-internet-peering

(注)  

 

このモードは、次の Cisco Nexus 9500 プラットフォーム スイッチでのみサポートされています。

  • 9700-EX ライン カード搭載の Cisco Nexus 9500 プラットフォーム スイッチ

  • Cisco Nexus 9500-FX プラットフォーム スイッチ(Cisco NX-OS リリース 7.0(3)I7(4) 以降)

  • Cisco 9500-R プラットフォーム スイッチ(Cisco NX-OS リリース 9.3(1) 以降)

LPM デュアルホスト ルーティング モード

表 5. 9600-R ライン カードを搭載した Cisco Nexus 9500-R プラットフォーム スイッチの LPM ルーティング モード

LPM ルーティング モード

CLI コマンド

LPM インターネットピアリング モード)

system routing template-internet-peering

(Cisco NX-OS リリース 9.3(1) 以降 )

ホストから LPM へのスピルオーバー

Cisco NX-OS リリース 7.0(3)I5(1) 以降では、ホストルートを LPM テーブルに保存して、より大きなホスト スケールを実現できます。ALPM モードでは、スイッチはより少ないホスト ルートを許可します。サポートされるスケールよりも多くのホスト ルートを追加すると、ホスト テーブルからこぼれたルートは LPM テーブルの LPM ルートのスペースを使用します。このモードで許可される LPM ルートの総数は、保存されているホスト ルートの数だけ減少します。この機能は、Cisco Nexus 9300 および 9300 プラットフォーム スイッチではサポートされていません。

デフォルトのシステム ルーティング モードでは、Cisco Nexus 9300 プラットフォーム スイッチは、より高いホスト スケールとより少ない LPM ルート用に設定され、より多くのホスト ルートを保存するために LPM スペースを使用できます。Cisco Nexus 9500 プラットフォーム スイッチでは、デフォルトのシステム ルーティング モードと非階層型ルーティング モードのみがライン カードでこの機能をサポートします。ファブリック モジュールはこの機能をサポートしていません。

アドレス解決プロトコル

ネットワーキング デバイスおよびレイヤ 3 スイッチは ARP を使用して、IP(ネットワーク層)アドレスを物理(Media Access Control(MAC)レイヤ)アドレスにマッピングし、IP パケットがネットワーク上に送信されるようにします。デバイスは、他のデバイスにパケットを送信する前に自身の ARP キャッシュを調べて、MAC アドレスまたは対応する宛先デバイスの IP アドレスがないかを確認します。エントリがまったくない場合、送信元のデバイスは、ネットワーク上の全デバイスにブロードキャスト メッセージを送信します。

各デバイスは、問い合わせられた IP アドレスを自身のアドレスと比較します。一致する IP アドレスを持つデバイスだけが、デバイスの MAC アドレスを含むパケットとともにデータを送信したデバイスに返信します。送信元デバイスは、あとで参照できるよう、宛先デバイスの MAC アドレスをその ARP テーブルに追加し、データリンク ヘッダーおよびトレーラを作成してパケットをカプセル化し、データの転送へと進みます。次の図は、ARP ブロードキャストと応答プロセスを示しています。

図 1. ARP 処理


宛先デバイスが、別のデバイスを挟んだリモート ネットワーク上にあるときは、同じ処理が行われますが、データを送信するデバイスが、デフォルト ゲートウェイの MAC アドレスを求める ARP 要求を送信する点が異なります。アドレスが解決され、デフォルト ゲートウェイがパケットを受信した後に、デフォルト ゲートウェイは、接続されているネットワーク上で宛先の IP アドレスをブロードキャストします。宛先デバイスのネットワーク上のデバイスは、ARP を使用して宛先デバイスの MAC アドレスを取得し、パケットを配信します。ARP はデフォルトでイネーブルにされています。

デフォルトでシステム定義された CoPP ポリシー レートは、スーパーバイザ モジュールにバインドされた ARP ブロードキャスト パケットを制限します。デフォルトのシステム定義 CoPP ポリシーは、ARP ブロードキャスト ストームによるコントロール プレーン トラフィックへの影響を防止し、ブリッジド パケットに影響しません。

ARP キャッシング

ARP キャッシングにより、ブロードキャストが最小になり、ネットワーク リソースの浪費が抑制されます。IP アドレスの MAC アドレスへのマッピングは、ネットワーク間でパケットが送信されるたびに、ネットワーク上の各ホップ(デバイス)で行われるため、ネットワークのパフォーマンスに影響する場合があります。

ARP キャッシングでは、ネットワーク アドレスとそれに関連付けられたデータリンク アドレスが一定の期間メモリ内に保存されるため、パケットが送信されるたびに同じアドレスにブロードキャストするための貴重なネットワーク リソースの使用が最小限に抑えられます。キャッシュ エントリは、定期的に失効するよう設定されているため、保守が必要です。これは、古い情報が無効となる場合があるためです。ネットワーク上のすべてのデバイスは、アドレスのブロードキャストに従ってアドレス テーブルを更新します。

ARP キャッシュのスタティックおよびダイナミック エントリ

スタティック ルーティングは、手動で各デバイスの各インターフェイスに対応する IP アドレス、サブネット マスク、ゲートウェイ、および対応する MAC アドレスを設定する必要があります。スタティック ルーティングでは、ルート テーブルを維持するために、より多くの処理が必要です。ルートを追加または変更するたびに、テーブルの更新が必要となるためです。

ダイナミック ルーティングは、ネットワーク上のデバイスが相互にルーティング テーブル情報を交換できるプロトコルを使用します。ダイナミック ルーティングは、キャッシュに制限時間を追加しない限り、ルート テーブルが自動更新されるため、スタティック ルーティングより効率的です。デフォルトの制限時間は 25 分ですが、キャッシュから追加および削除されるルートがネットワークに数多く存在する場合は、制限時間を変更します。

ARP を使用しないデバイス

ネットワークが 2 つのセグメントに分割されると、ブリッジによりセグメントが結合され、各セグメントへのトラフィックが MAC アドレスに基づいてフィルタリングされます。ブリッジは MAC アドレスだけを使用する独自のアドレス テーブルを作成します。デバイスが IP アドレスおよび対応する MAC アドレスの両方を含む ARP キャッシュを持っています。

パッシブ ハブは、ネットワーク内の他のデバイスを物理的に接続する集中接続デバイスです。パッシブ ハブはそのすべてのポートでデバイスにメッセージを送信し、レイヤ 1 で動作しますが、アドレス テーブルを保持しません。

レイヤ 2 スイッチは、デバイス上のどのポートがそのポートだけに送信されたメッセージを受信するかを決定します。ただし、レイヤ 3 スイッチは、ARP キャッシュ(テーブル)を作成するデバイスです。

Reverse ARP

RFC 903 で定義された Reverse ARP(RARP)は、ARP と同じように動作しますが、RARP 要求パケットは MAC アドレスではなく IP アドレスを要求する点が異なります。RARP は多くの場合、ディスクレス ワークステーションで使用されます。これは、このタイプのデバイスには、起動時に使用する IP アドレスを格納する手段がないためです。認識できるアドレスは MAC アドレスだけで、これはハードウェアに焼き付けられているためです。

RARP を使用するには、ルータ インターフェイスとして、同じネットワーク セグメント上に RARP サーバが必要です。次の図に、RARP の仕組みを示します。

図 2. Reverse ARP


RARP には、いくつかの制限があります。これらの制限により、ほとんどのビジネスでは、DHCP を使用してダイナミックに IP アドレスを割り当てています。DHCP は、RARP よりコスト効率が高く、必要な保守作業も少ないためです。最も重要な制限は次のとおりです。

  • RARP はハードウェア アドレスを使用するため、多くの物理ネットワークを含む大規模なネットワークの場合は、各セグメント上に、冗長性のための追加サーバを備えた RARP サーバが必要です。各セグメントに 2 台のサーバを保持すると、コストがかかります。

  • 各サーバは、ハードウェア アドレスと IP アドレスのスタティック マッピングのテーブルで設定する必要があります。IP アドレスの保守は困難です。

  • RARP は、ホストの IP アドレスだけを提供し、サブネット マスクもデフォルト ゲートウェイも提供しません。

プロシキ ARP

プロキシ ARP を使用すると、物理的に 1 つのネットワーク上に存在するデバイスが、論理的に、同じデバイスまたはファイアウォールに接続された別の物理ネットワークの一部として表示されます。プロキシ ARP で、プライベート ネットワーク上のパブリック IP アドレスを持つデバイスをルータの背後に隠すと同時に、このデバイスを、ルータの前のパブリック ネットワーク上に表示できます。ルータはそのアイデンティティを隠すことにより、実際の宛先までパケットをルーティングする役割を担います。プロキシ ARP を使用すると、サブネット上のデバイスは、ルーティングもデフォルト ゲートウェイも設定せずにリモート サブネットまで到達できます。

複数のデバイスが同じデータリンク層のネットワークでなく、同じ IP ネットワーク内にある場合、これらのデバイスは相互に、ローカル ネットワーク上にあるかのようにデータを送信しようとします。ただし、これらのデバイスを隔てるルータは、ブロードキャスト メッセージを送信しません。これは、ルータがハードウェア レイヤのブロードキャストを渡さず、アドレスが解決されないためです。

デバイスでプロキシ ARP をイネーブルにし、ARP 要求を受信すると、プロキシ ARP はこれを、ローカル LAN 上にないシステムに対する要求と見なします。デバイスは、ブロードキャストの宛先であるリモートの宛先であるかのように、自身の MAC アドレスをリモートの宛先の IP アドレスに関連付ける ARP 応答で応答します。ローカル デバイスは、自身が宛先に直接、接続されていると認識していますが、実際には、そのパケットは、ローカル デバイスによりローカル サブネットワークから宛先のサブネットワークへと転送されています。デフォルトでは、プロキシ ARP はディセーブルになっています。

ローカル プロキシ ARP

ローカル プロキシ ARP を使用して、通常はルーティングが不要なサブネット内の IP アドレスを求める ARP 要求に対して、デバイスが応答できるようにすることができます。ローカル プロキシ ARP を有効にすると、ARP は、サブネット内の IP アドレスを求めるすべての ARP 要求に応答し、サブネット内のホスト間ですべてのトラフィックを転送します。この機能は、ホストが接続されているデバイスの設定により意図的に、ホストの直接通信が禁止されているサブネットだけで使用してください。

Gratuitous ARP

Gratuitous ARP は、送信元 IP アドレスと宛先 IP アドレスが同じである要求を送信し、重複する IP アドレスを検出します。Cisco NX-OSは Gratuitous ARP 要求または ARP キャッシュの更新の有効または無効をサポートします。

収集スロットル

着信 IP パケットがラインカードに転送されたときに、ネクスト ホップのアドレス解決プロトコル(ARP)の要求が解決されない場合、ラインカードはパケットをスーパーバイザに転送します(収集スロットル)。スーパーバイザはネクスト ホップの MAC アドレスを解決し、ハードウェアをプログラミングします。

ARP 要求が送信されると、ソフトウェアは、同じネクストホップ IP アドレスへのパケットがスーパーバイザに転送されないようにするために、ハードウェア内に /32 ドロップ隣接関係を追加します。ARP が解決されると、そのハードウェア エントリは正しい MAC アドレスで更新されます。タイムアウト期間が経過するまでに ARP エントリが解決されない場合、そのエントリはハードウェアから削除されます。


(注)  


Glean スロットリングは IPv4 および IPv6 でサポートされますが、IPv6 リンクローカル アドレスはサポートされません。

パス MTU ディスカバリ

パス最大伝送ユニット(MTU)ディスカバリは、TCP 接続のエンドポイント間のネットワーク内で使用可能な帯域幅の使用を最大化するための方法です。これは RFC 1191 で規定されています。この機能を有効または無効にしても、既存の接続に影響しません。

ICMP

Internet Control Message Protocol(ICMP)を使用して、IP 処理に関連するエラーおよびその他の情報を報告するメッセージ パケットを提供できます。ICMP は、ICMP 宛先到達不能メッセージ、ICMP エコー要求(2 つのホスト間でパケットを往復送信する)、およびエコー返信メッセージなどのエラー メッセージを生成します。ICMP は多くの診断機能も備えており、ホストへのエラー パケットの送信およびリダイレクトが可能です。デフォルトでは、ICMP がイネーブルにされています。

次に示すのは、ICMP メッセージ タイプの一部です。

  • ネットワーク エラー メッセージ

  • ネットワーク輻輳メッセージ

  • トラブルシューティング情報

  • タイムアウト告知


(注)  


ICMP リダイレクトは、ローカル プロキシ ARP 機能がイネーブルになっているインターフェイスではディセーブルになります。


IPv4 の仮想化のサポート

IPv4 は、仮想ルーティング/転送(VRF)インスタンスをサポートします。

IPv4の前提条件

IPv4 には、次の前提条件があります。

  • IPv4 はレイヤ 3 インターフェイス上だけで設定可能です。

IPv4 の注意事項および制約事項

IPv4 設定時の注意事項および制約事項は、次のとおりです。

  • インターネット ピアリング モードに設定された Cisco Nexus 9300-EX および Cisco Nexus 9300-FX2 プラットフォーム スイッチには、完全な IPv4 および IPv6 インターネット ルートを同時にインストールするための十分なハードウェア容量がない場合があります。

  • セカンダリ IP アドレスは、プライマリ IP アドレスの設定後にだけ設定できます。

  • ローカル プロキシ ARP は、複数のサブネットに属する複数の HSRP グループを持つインターフェイスではサポートされません。

  • ip proxy-arp コマンドは、 fabric forwarding mode anycast-gateway で有効になっている SVI の VXLAN EVPN ファブリックではサポートされていません。

  • -R ライン カードを搭載した Cisco Nexus 9500-R プラットフォーム スイッチの場合、インターネット ピアリング モードは、グローバル インターネット ルーティング テーブルで配信されるプレフィックス パターンでのみ使用されます。このモードでは、他のプレフィックス配布/パターンは動作できますが、予測できません。その結果、プレフィックス パターンが実際のインターネット プレフィックス パターンである場合にのみ、達成可能な最大 LPM/LEM スケールが信頼できます。インターネット ピアリング モードでは、グローバル インターネット ルーティング テーブル内のルート プレフィックス パターン以外のルート プレフィックス パターンが使用されている場合、スイッチは文書化されたスケーラビリティの数値を正常に達成できない可能性があります。

  • LPM の重いルーティングモードは、9700-EX、-FX、および-GX シリーズモジュールを搭載した Cisco Nexus 9500 シリーズスイッチでサポートされます。

  • Cisco NX-OS リリース 10.2(3)F 以降、設定された間隔に基づいて IPv4 リダイレクト メッセージがトリガーされると、syslog が出力されます。

  • Cisco NX-OS リリース 10.3(1)F 以降、スタティック ルーティングが Cisco Nexus 9808 スイッチでサポートされます。

  • Cisco NX-OS リリース 10.3(1)F 以降、ダイナミック ルーティングが Cisco Nexus 9808 プラットフォーム スイッチでサポートされます。

デフォルト設定

次の表に、IP パラメータのデフォルト設定値を示します。

パラメータ

デフォルト

ARP タイムアウト

1500 秒

『Proxy ARP』

ディセーブル

IPv4 の設定


(注)  


Cisco IOS の CLI に慣れている場合、この機能に対応する Cisco NX-OS コマンドは通常使用する Cisco IOS コマンドと異なる場合があるので注意してください。


IPv4 アドレス指定の設定

ネットワーク インターフェイスにプライマリ IP アドレスを割り当てることができます。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. interface ethernet number
  3. ip address ip-address/length [secondary]
  4. (任意) show ip interface
  5. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface ethernet number

例:

switch(config)# interface ethernet 2/3
switch(config-if)#

インターフェイス設定モードを開始します。

ステップ 3

ip address ip-address/length [secondary]

例:

switch(config-if)# ip address
192.2.1.1 255.0.0.0

インターフェイスに対するプライマリ IPv4 アドレスまたはセカンダリ IPv4 アドレスを指定します。

  • 4 分割ドット付き 10 進表記のアドレスでネットワーク マスクを指定します。たとえば、255.0.0.0 は、1 に等しい各ビットが、ネットワーク アドレスに属した対応するアドレス ビットを意味することを示します。

  • ネットワーク マスクは、スラッシュ(/)および数字、つまり、プレフィックス長として示される場合もあります。プレフィックス長は、アドレスの高次の連続ビットのうち、何個がプレフィックス(アドレスのネットワーク部分)を構成しているかを指定する 10 進数値です。スラッシュは 10 進数値の前に置かれ、IP アドレスとスラッシュの間にスペースは入りません。

ステップ 4

(任意) show ip interface

例:

switch(config-if)# show ip interface
(任意)

IPv4 に設定されたインターフェイスを表示します。

ステップ 5

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-if)# copy running-config
startup-config
(任意)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

複数の IP アドレスの設定

セカンダリ IP アドレスは、プライマリ IP アドレスの設定後にのみ追加できます。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. interface ethernet number
  3. ip address ip-address/length [secondary]
  4. (任意) show ip interface
  5. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface ethernet number

例:

switch(config)# interface ethernet 2/3
switch(config-if)#

インターフェイス設定モードを開始します。

ステップ 3

ip address ip-address/length [secondary]

例:

switch(config-if)# ip address
192.168.1.1 255.0.0.0 secondary

設定したアドレスをセカンダリ IPv4 アドレスとして指定します。

ステップ 4

(任意) show ip interface

例:

switch(config-if)# show ip interface
(任意)

IPv4 用に設定されたインターフェイスを表示します。

ステップ 5

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-if)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

最大ホスト ルーティング モードの設定

デフォルトでは、Cisco NX-OS は階層方式で(モード 4 になるように設定されたファブリック モジュールとモード 3 になるように設定されたラインカード モジュールで)ルートをプログラミングし、デバイス上での最長プレフィクス照合(LPM)とホスト スケールが可能になります。

デフォルトの LPM およびホスト スケールを変更してシステム内のホストをさらにプログラミングできます。これは、ノードをレイヤ 2 ~ レイヤ 3 の境界ノードとして位置付けるときに必要になる場合があります。


(注)  


LPM テーブルのエントリをさらに拡大したい場合は、「 非階層ルーティング モードの設定(Configuring Nonhierarchical Routing Mode (Cisco Nexus 9500 シリーズ スイッチのみ)」の項を参照して、ライン カード上のレイヤ 3 IPv4 および IPv6 ルートすべてをプログラミングしてファブリック モジュール上のルートはそのままにするようデバイスを設定します。



(注)  


この設定は、IPv4 および IPv6 両方のアドレス ファミリに影響を及ぼします。



(注)  


最大ホスト ルーティング モードのスケール数については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Verified Scalability Guide』を参照してください。


手順の概要

  1. configure terminal
  2. [no] system routing max-mode host
  3. (任意) show forwarding route summary
  4. copy running-config startup-config
  5. reload

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル設定モードを開始します。

ステップ 2

[no] system routing max-mode host

例:

switch(config)# system routing max-mode host

ライン カードを Broadcom T2 モード 2 に、ファブリック モジュールを Broadcom T2 モード 3 にして、サポートされるホスト数を増やします。

ステップ 3

(任意) show forwarding route summary

例:

switch(config)# show forwarding route summary
(任意)

LPM ルーティング モードを表示します。

ステップ 4

copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config startup-config

この設定変更を保存します。

ステップ 5

reload

例:

switch(config)# reload

デバイス全体をリブートします。

非階層ルーティング モードの設定(Cisco Nexus 9500 プラットフォーム スイッチのみ)

ホストの規模が小さい場合(純粋なレイヤ 3 配置の場合など)、コンバージェンス パフォーマンスを向上させるために、ラインカードの最長プレフィクス照合(LPM)のルートをプログラミングすることを推奨します。そうすることによって、ラインカードのルートおよびホストがプログラミングされ、ファブリック モジュールのルートはプログラミングされません。


(注)  


この設定は、IPv4 および IPv6 両方のアドレス ファミリに影響を及ぼします。


手順の概要

  1. configure terminal
  2. [no] system routing non-hierarchical-routing [max-l3-mode]
  3. (任意) show forwarding route summary
  4. copy running-config startup-config
  5. reload

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

[no] system routing non-hierarchical-routing [max-l3-mode]

例:

switch(config)# system routing 
non-hierarchical-routing max-l3-mode

ラインカードを Broadcom T2モード 3(または max-l3-mode オプションを使用している場合は Broadcom T2 モード 4)にし、より大きな LPM スケールをサポートします。その結果、IPv4 および IPv6 ルートのすべてが、ファブリック モジュールではなくラインカードでプログラミングされます。

ステップ 3

(任意) show forwarding route summary

例:

switch(config)# show forwarding route
summary
Mode 3:
120K IPv4 Host table
16k LPM table (> 65 < 127 1k entry
reserved)
Mode 4:
16k V4 host/4k V6 host
128k v4 LPM/20K V6 LPM
(任意)

LPM モードを表示します。

ステップ 4

copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config
startup-config

この設定変更を保存します。

ステップ 5

reload

例:

switch(config)# reload

デバイス全体をリブートします。

64 ビット ALPM ルーティング モードの設定(Cisco Nexus 9500 プラットフォーム スイッチのみ)

64 ビットアルゴリズム最長プレフィックス一致(ALPM)機能を使用して、IPv4 および IPv6 ルートテーブルエントリを管理できます。64 ビット ALPM ルーティング モードでは、デバイスに保存できるルート エントリの数が増加します。このモードでは、次のいずれかをプログラムできます。

  • 80,000 IPv6 エントリ、IPv4 エントリなし

  • IPv6 エントリなし、128,000 の IPv4 エントリ

  • x 個の IPv6 エントリと IPv4 エントリ(2x + y の場合)


(注)  


この設定は、IPv4 および IPv6 両方のアドレス ファミリに影響を及ぼします。



(注)  


64 ビット ALPM ルーティング モードのスケール数については、『Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS 検証済みスケーラビリティ ガイド』を参照してください。


手順の概要

  1. configure terminal
  2. [no] system routing mode hierarchical 64b-alpm
  3. (任意) show forwarding route summary
  4. copy running-config startup-config
  5. reload

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル設定モードを開始します。

ステップ 2

[no] system routing mode hierarchical 64b-alpm

例:

switch(config)# system routing mode
hierarchical 64b-alpm

マスク長が 64 以下のすべての IPv4 および IPv6 LPM ルートをファブリックモジュールにプログラミングします。IPv4 および IPv6 のすべてのホスト ルート、およびマスク長が 65 ~ 127 であるすべての LPM ルートがライン カードでプログラミングされます。

ステップ 3

(任意) show forwarding route summary

例:

switch(config)# show forwarding route
summary
(任意)

LPM モードを表示します。

ステップ 4

copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config
startup-config

この設定変更を保存します。

ステップ 5

reload

例:

switch(config)# reload

デバイス全体をリブートします。

ALPM ルーティング モードの設定(Cisco Nexus 9300 プラットフォーム スイッチのみ)

Cisco Nexus 9300 プラットフォーム スイッチは、多数の LPM ルート エントリをサポートするように設定できます。


(注)  


この設定は、IPv4 および IPv6 両方のアドレス ファミリに影響を及ぼします。



(注)  


ALPM ルーティング モードのスケール数については、『Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS 検証済みスケーラビリティ ガイド』を参照してください。


手順の概要

  1. configure terminal
  2. [no] system routing max-mode l3
  3. (任意) show forwarding route summary
  4. copy running-config startup-config
  5. reload

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)# 

グローバル設定モードを開始します。

ステップ 2

[no] system routing max-mode l3

例:

switch(config)# system routing max-mode
l3

デバイスを Broadcom T2 モード 4にして、より大きな LPM スケールをサポートします。

ステップ 3

(任意) show forwarding route summary

例:

switch(config)# show forwarding
route summary
(任意)

LPM モードを表示します。

ステップ 4

copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config
startup-config

この設定変更を保存します。

ステップ 5

reload

例:

switch(config)# reload

デバイス全体をリブートします。

LPM ヘビー ルーティング モードの設定(Cisco Nexus 9200 および 9300-EX プラットフォーム スイッチおよび 9732C-EX ライン カードのみ)

Cisco NX-OS リリース 7.0(3)I4(4) 以降では、より多くの LPM ルート エントリをサポートするために LPM のヘビー ルーティング モードを設定できます。このルーティング モードをサポートするのは、Cisco Nexus 9200 および 9300-EX プラットフォーム スイッチと、9732C-EX ライン カードを搭載した Cisco Nexus 9508 スイッチだけです。


(注)  


この設定は、IPv4 および IPv6 両方のアドレス ファミリに影響を及ぼします。



(注)  


LPM ヘビー ルーティング モードのスケール数については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Verified Scalability Guide』を参照してください。


手順の概要

  1. configure terminal
  2. [no] system routing template-lpm-heavy
  3. (任意) show system routing mode
  4. copy running-config startup-config
  5. reload

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル設定モードを開始します。

ステップ 2

[no] system routing template-lpm-heavy

例:

switch(config)# system routing template-lpm-heavy

デバイスを LPM ヘビー ルーティング モードにして、より大きな LPM スケールをサポートします。

ステップ 3

(任意) show system routing mode

例:

switch(config)# show system routing mode
Configured System Routing Mode: LPM Heavy
Applied System Routing Mode: LPM Heavy
(任意)

LPM ルーティング モードを表示します。

ステップ 4

copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config startup-config

この設定変更を保存します。

ステップ 5

reload

例:

switch(config)# reload

デバイス全体をリブートします。

LPM インターネット ピアリング ルーティング モードの設定

Cisco NX-OS リリース7.0(3)I6(1) 以降では、IPv4 および IPv6 LPM インターネット ルート エントリをサポートするために LPM インターネット ピアリング ルーティング モードを設定できます。このモードは、IPv4 プレフィックス(/32 までのプレフィックス長)および IPv6 プレフィックス(/83 までのプレフィックス長)のダイナミック トライ(ツリー ビット ルックアップ)をサポートします。

Cisco NX-OS リリース 9.3(1) 以降、Cisco Nexus 9500-R プラットフォーム スイッチはこのルーティング モードをサポートします。


(注)  


この設定は、IPv4 および IPv6 両方のアドレス ファミリに影響を及ぼします。



(注)  


LPM インターネット ピアリング ルーティング モードのスケール数については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Verified Scalability Guide』を参照してください。LPM インターネット ピアリング モードの Cisco Nexus 9500-R プラットフォーム スイッチは、インターネット ピアリング プレフィックスを使用する場合にのみ、予測どおりにスケールアウトします。Cisco Nexus 9500-R プラットフォーム スイッチが他のプレフィックス パターンを使用している場合は、文書化されたスケーラビリティの数値を達成できない可能性があります。


手順の概要

  1. configure terminal
  2. [no] system routing template-internet-peering
  3. (任意) show system routing mode
  4. copy running-config startup-config
  5. reload

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル設定モードを開始します。

ステップ 2

[no] system routing template-internet-peering

例:

switch(config)# system routing template-internet-peering

デバイスを LPM インターネット ピア ルーティング モードにして、IPv4 および IPv6 LPMインターネット ルート エントリをサポートします。

ステップ 3

(任意) show system routing mode

例:

switch(config)# show system routing mode
Configured System Routing Mode: Internet Peering
Applied System Routing Mode: Internet Peering
(任意)

LPM ルーティング モードを表示します。

ステップ 4

copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config startup-config

この設定変更を保存します。

ステップ 5

reload

例:

switch(config)# reload

デバイス全体をリブートします。

LPM デュアルホスト ルーティング モードの構成

Cisco NX-OS リリース 7.0(3)I5(1) 以降では、ARP/ND スケールをデフォルト モード値の 2 倍に増やすために LPM デュアル ホスト ルーティング モードを設定できます。このルーティング モードをサポートするのは、Cisco Nexus 9200 および 9300-EX プラットフォーム スイッチだけです。

Cisco NX-OS リリース 10.3(1)F 以降、system routing template-dual-stack-host-scale プロファイルは、Cisco Nexus 9300-FX3/GX/GX2B ToR スイッチおよび Nexus 9408 スイッチでマルチキャストと VXLAN をサポートします。


(注)  


system routing template-dual-stack-host-scale プロファイルが BGW で使用されていないことを確認します。



(注)  


この設定は、IPv4 および IPv6 両方のアドレス ファミリに影響を及ぼします。



(注)  


LPM ルーティング モードのスケール数については、『』『Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS 検証済みスケーラビリティ ガイド』を参照してください。


手順の概要

  1. configure terminal
  2. [no] system routing template-dual-stack-host-scale
  3. (任意) show system routing mode
  4. copy running-config startup-config
  5. reload

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル設定モードを開始します。

ステップ 2

[no] system routing template-dual-stack-host-scale

例:

switch(config)# system routing template-dual-stack-host-scale
Warning: The command will take effect after next reload.
Note: This requires copy running-config to startup-config before switch reload.

デバイスを LPM デュアルホスト ルーティング モードにして、より大きな ARP/ND スケールをサポートします。

ステップ 3

(任意) show system routing mode

例:

switch(config)# show system routing mode
(任意)

LPM ルーティング モードを表示します。

ステップ 4

copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config startup-config

この設定変更を保存します。

ステップ 5

reload

例:

switch(config)# reload

デバイス全体をリブートします。

スタティック ARP エントリの設定

デバイス上でスタティック ARP エントリを設定して、IP アドレスをスタティック マルチキャスト MAC アドレスを含む MAC ハードウェア アドレスにマッピングできます。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. interface ethernet number
  3. ip arp address ip-address mac-address
  4. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface ethernet number

例:

switch(config)# interface ethernet 2/3
switch(config-if)#

インターフェイス設定モードを開始します。

ステップ 3

ip arp address ip-address mac-address

例:

switch(config-if)# ip arp 192.168.1.1
0019.076c.1a78

IP アドレスを MAC アドレスにスタティック エントリとして関連付けます。

ステップ 4

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-if)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

プロキシ ARP の設定

デバイス上でプロキシ ARP を設定して、他のネットワークまたはサブネット上のホストのメディア アドレスを決定します。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. interface ethernet number
  3. ip proxy arp
  4. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface ethernet number

例:

switch(config)# interface ethernet 2/3
switch(config-if)#

インターフェイス設定モードを開始します。

ステップ 3

ip proxy arp

例:

switch(config-if)# ip proxy arp

インターフェイス上でプロキシ ARP を有効にします。

ステップ 4

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-if)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

イーサネット インターフェイスでのローカル プロキシ ARP の設定

イーサネット インターフェイス上でローカル プロキシ ARP を設定することができます。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. interface ethernet number
  3. [no]ip local-proxy-arp
  4. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface ethernet number

例:

switch(config)# interface ethernet 2/3
switch(config-if)#

インターフェイス設定モードを開始します。

ステップ 3

[no]ip local-proxy-arp

例:

switch(config-if)# ip local-proxy-arp

インターフェイス上でローカル プロキシ ARP をイネーブルにします。

ステップ 4

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-if)# copy running-config startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

SVI でのローカル プロキシ ARP の設定

SVI でローカル プロキシ ARP を設定できます。CiscoNX-OS リリース 7.0(3)I7(1) 以降では、対応する VLAN で ARP ブロードキャストを抑制することができます。

始める前に

ARP ブロードキャストを抑制する場合は、hardware access-list tcam region arp-ether 256 double-wide コマンドを使用して、ARP/レイヤ 2 Ethertype の倍幅 ACL TCAM リージョン サイズを設定し、設定を保存して、スイッチをリロードします。(詳細については『Cisco Nexus 9000 シリーズ NX-OS セキュリティ設定ガイド』の「ACL TCAM リージョン サイズの設定」のセクションを参照してください。)

手順の概要

  1. configure terminal
  2. interface vlan vlan-id
  3. [no] ip local-proxy-arp [no-hw-flooding]
  4. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface vlan vlan-id

例:

switch(config)# interface vlan 5
switch(config-if)#

VLAN インターフェイスを作成し、SVI の設定モードを開始します。

ステップ 3

[no] ip local-proxy-arp [no-hw-flooding]

例:

switch(config-if)# ip local-proxy-arp no-hw-flooding

SVI でローカル プロキシ ARP をイネーブルにします。no-hw-flooding オプションは、対応する VLAN での ARP ブロードキャストを抑制します。

(注)  

 

no-hw-flooding オプションを設定し、SVI で ARP ブロードキャストを許可するように設定を変更する場合は、まず no ip local-proxy-arp no-hw-flooding コマンドを使用してこの機能を無効にして、ip local-proxy-arp コマンドを開始する必要があります。

ステップ 4

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-if)# copy running-config startup-config
(任意)

実行コンフィギュレーションを、スタートアップ コンフィギュレーションにコピーします。

無償 ARP の設定

インターフェイス上で Gratuitous ARP を設定できます。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. interface ethernet number
  3. ip arp gratuitous {request | update]
  4. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

interface ethernet number

例:

switch(config)# interface ethernet 2/3
switch(config-if)#

インターフェイス設定モードを開始します。

ステップ 3

ip arp gratuitous {request | update]

例:

switch(config-if)# ip arp gratuitous
request

インターフェイス上で無償 ARP をイネーブルにします。無償 ARP はデフォルトで有効になっています。

ステップ 4

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config-if)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

パス MTU ディスカバリの設定

パス MTU ディスカバリを設定できます。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. ip tcp path-mtu-discovery
  3. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

ip tcp path-mtu-discovery

例:

switch(config)# ip tcp
path-mtu-discovery

パス MTU ディスカバリをイネーブルにします。

ステップ 3

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

IP ダイレクト ブロードキャストの設定

IP ダイレクト ブロードキャストは、宛先アドレスが何らかの IP サブネットの有効なブロードキャスト アドレスであるにもかかわらず、その宛先サブネットに含まれないノードから発信される IP パケットです。

宛先サブネットに直接接続されていないデバイスは、そのサブネット上のホストを宛先とするユニキャスト IP パケットを転送する場合と同じ方法で IP ダイレクト ブロードキャストを転送します。ダイレクト ブロードキャスト パケットが、宛先サブネットに直接接続されたデバイスに到着すると、そのパケットはその宛先サブネット上でブロードキャストされます。パケットの IP ヘッダー内の宛先アドレスはそのサブネットに設定された IP ブロードキャスト アドレスに書き換えられ、パケットはリンク層ブロードキャストとして送信されます。

あるインターフェイスでダイレクト ブロードキャストがイネーブルになっている場合、着信した IP パケットが、そのアドレスに基づいて、そのインターフェイスが接続されているサブネットを対象とするダイレクト ブロードキャストとして識別されると、そのパケットはそのサブネット上でブロードキャストされます。アクセス リストを通じて渡すこれらパケットのみがサブネット上でブロードキャストされるように、IP アクセス リストを通じてこれらブロードキャストを任意でフィルタリングすることができます。

IP ダイレクト ブロードキャストをイネーブルにするには、インターフェイス コンフィギュレーション モードで次のコマンドを使用します。

手順の概要

  1. ip directed-broadcast [acl]

手順の詳細

コマンドまたはアクション 目的

ip directed-broadcast [acl]

例:

switch(config-if) # ip directed-broadcast

ダイレクト ブロードキャストの物理ブロードキャストへの変換をイネーブルにします。IP アクセス リスト上のこれらのブロードキャストを任意でフィルタリングできます。

IP 収集スロットルの設定

IP 収集スロットルを設定して、到達できないかまたは存在しないネクスト ホップの ARP 解決のためにスーパーバイザに送信される不要な収集パケットをフィルタリングすることを推奨します。IP 収集スロットルは、ソフトウェアのパフォーマンスを向上させ、トラフィックをより効率的に管理します。


(注)  


Glean スロットリングは IPv4 および IPv6 でサポートされますが、IPv6 リンクローカル アドレスはサポートされません。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. [no] hardware ip glean throttle
  3. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

[no] hardware ip glean throttle

例:

switch(config) # hardware ip glean
throttle

IP 収集スロットルをイネーブルにします。

ステップ 3

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

ハードウェア IP 収集スロットルの最大値の設定

転送情報ベース(FIB)にインストールされている隣接関係の最大ドロップ数を制限できます。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. [no] hardware ip glean throttle maximum count
  3. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

[no] hardware ip glean throttle maximum count

例:

switch(config) # hardware ip glean
throttle maximum 2134

FIB にインストールされるドロップ隣接関係の数を設定します。

ステップ 3

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

ハードウェア IP 収集スロットルのタイムアウトの設定

インストールされたドロップ隣接関係が FIB 内に残る時間のタイムアウトを設定できます。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. [no] hardware ip glean throttle maximum timeout timeout-in-seconds
  3. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

[no] hardware ip glean throttle maximum timeout timeout-in-seconds

例:

switch(config)# hardware ip glean
throttle maximum timeout 300

インストールされたドロップ隣接関係が FIB 内に残る時間のタイムアウトを設定します。

範囲は 300 秒(5 分)~ 1800 秒(30 分)です。

(注)  

 

タイムアウト期間を超えた後、ドロップ隣接関係は FIB から削除されます。

ステップ 3

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

ICMP 送信元 IP フィールドのインターフェイス IP アドレスの設定

ICMP エラー メッセージを処理するように ICMP ソース IP フィールドのインターフェイス IP アドレスを設定できます。

手順の概要

  1. configure terminal
  2. [no] ip source {ethernet slot/port | loopback number | port-channel number} icmp-errors
  3. (任意) copy running-config startup-config

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

ステップ 2

[no] ip source {ethernet slot/port | loopback number | port-channel number} icmp-errors

例:

switch(config)# ip source loopback 0
icmp-errors

ICMP 送信元 IP フィールドのインターフェイス IP アドレスを設定し、ICMP エラー メッセージをルーティングします。

ステップ 3

(任意) copy running-config startup-config

例:

switch(config)# copy running-config
startup-config
(任意)

この設定変更を保存します。

IPv4 リダイレクト Syslog の構成

IPv4 リダイレクト Syslog を有効/無効にするか、ログ間隔を変更するには、次の CLI を使用します。


(注)  


デフォルトでは、syslog のリダイレクトが有効になっています。


手順の概要

  1. configure terminal
  2. ip redirect syslog [<value>]
  3. (任意) no ip redirect syslog

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的

ステップ 1

configure terminal

例:

switch# configure terminal
switch(config)#

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します

ステップ 2

ip redirect syslog [<value>]

例:

switch(config)# ip redirect syslog 60
switch(config)#

過剰な IP リダイレクト メッセージの syslog を設定します。

  • ip redirect syslog : IPv4 リダイレクト メッセージの syslog を有効にします。

  • value : ログ間隔を設定します。範囲は最小 30 秒から最大 1800 秒です。デフォルト インターバルは 60 秒です。

ステップ 3

(任意) no ip redirect syslog

例:

switch(config)# no ip redirect syslog
(任意)

過剰な IPv4 リダイレクト メッセージの syslog を無効にします。

IPv4 設定の確認

IPv4 の設定情報を表示するには、次のいずれかの作業を行います。

コマンド 目的
show ip adjacency

隣接関係テーブルを表示します。

show ip adjacency summary

スロットル隣接関係の数のサマリーを表示します。

show ip arp

ARP テーブルを表示します。

show ip arp summary

スロットル隣接関係の数のサマリーを表示します。

show ip interface

IP に関連するインターフェイス情報を表示します。

show ip arp statistics [vrf vrf-name]

ARP 統計情報を表示します。