signal
音声ポートのシグナリングタイプを指定するには、音声ポート コンフィギュレーション モードで signal コマンドを使用します。デフォルトにリセットするには、このコマンドの no 形式を使用します。
Foreign Exchange Office(FXO)音声ポートおよび Foreign Exchange Station(FXS)音声ポート
signal {groundstart | loopstart [live-feed]}
no signal {groundstart | loopstart}
Ear and mouth(EandM)音声ポート
signal {delay-dial | immediate | lmr | wink-start}
no signal {delay-dial | immediate | lmr | wink-start}
Centralized Automatic Message Accounting(CAMA)ポート
signal {cama {kp-0-nxx-xxxx-st | kp-0-npa-nxx-xxxx-st | kp-2-st | kp-npd-nxx-xxxx-st | kp-0-npa-nxx-xxxx-st-kp-yyy-yyy-yyyy-st} | groundstart | loopstart}
no signal {cama {kp-0-nxx-xxxx-st | kp-0-npa-nxx-xxxx-st | kp-2-st | kp-npd-nxx-xxxx-st | kp-0-npa-nxx-xxxx-st-kp-yyy-yyy-yyyy-st} | groundstart | loopstart}
構文の説明
groundstart |
グラウンドスタート シグナリングを使用するよう指定します。FXO インターフェイスおよび FXS インターフェイス用です。グラウンドスタート シグナリングでは、接続の両側がコールの発信および終了を行えます。
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loopstart |
ループ スタート シグナリングを使用するよう指定します。FXO インターフェイスおよび FXS インターフェイス用です。ループスタート シグナリングでは、接続の片側のみがコールの終了を行えます。FXO 音声ポートおよび FXS 音声ポートでは、これがデフォルトとして設定されています。
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live-feed |
(任意)ライブフィードからの MOH オーディオストリームを、FXO ポートを介してルータに直接接続できるようにします。 |
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delay-dial |
発信側が E リード線でオフフックになることで回線を捕捉します。時間指定された間隔が経過すると、発信側は着信側からの監視を調べます。監視がオンフックの場合、発信側は情報をデュアルトーン多重周波数(DTMF)として送信開始します。監視がオフフックの場合は、発信側は着信側がオンフックになるまで待機してからアドレス情報の送信を開始します。E&M タイ トランク インターフェイス用です。 |
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immediate |
発信側が E リード線でオフフックになることで回線を捕捉し、アドレス情報を DTMF 番号として送信します。E&M タイ トランク インターフェイス用です。 |
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lmr |
陸上移動無線シグナリングを使用するよう指定します。 |
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wink-start |
発信側は、E リード線でオフフックになることで回線を捕捉し、M リード線で着信側からの短いオフフック「wink」表示を受信するまで待機した後、アドレス情報を DTMF 番号として送信します。E&M タイ トランク インターフェイス用です。E&M 音声ポートでは、これがデフォルトとして設定されています。 |
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cama |
911 コール用のポートを選択および設定します。 |
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kp-0-npa-nxx-xxxx-st |
10 桁送信。E.164 番号は完全に送信されます。 |
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kp-0-npa-nxx-xxxx-st-kp-yyy-yyy-yyyy-st |
ANI/疑似 ANI(PANI)による CAMA シグナリングをサポートします。 |
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kp-0-nxx-xxxx-st |
7 桁の自動番号識別(ANI)送信。番号計画エリア(NPA)コードまたはエリアコードは、トランクグループによって暗黙的に示されるため、送信されません。 |
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kp-2-st |
CAMA トランクがルックアップテーブルで対応する番号計画桁(NPD)番号を取得できない場合、または発信番号の長さが 10 桁未満の場合におけるデフォルト送信。(NPA 番号は使用できません。) |
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kp-npd-nxx-xxxx-st |
8 桁の ANI 送信。1 桁の多重周波数(MF)で表され、NPA へと展開される NPD が含まれます。NPD テーブルは、たとえば 0 = 415、1 = 510、2 = 650、3 = 916 といったように、送信側機器および受信側機器(MF トランクの両端)で事前にプログラムされています。 05550100 = (415) 555-0100、15550100 = (510) 555-0100 など。NPD の範囲は 0 ~ 3 です。 |
コマンド デフォルト
FXO インターフェイスおよび FXS インターフェイスの場合は loopstart 、E&M インターフェイスの場合は wink-start 、CAMA インターフェイスの場合は loopstart です。
コマンド モード
音声ポート コンフィギュレーション(config-voiceport)
コマンド履歴
リリース |
変更内容 |
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11.3(1)T |
このコマンドが Cisco 3600 シリーズに導入されました。 |
12.2(11)T |
このコマンドが変更され、ANI 送信をサポートするようなりました。 |
12.3(4)XD |
lmr キーワードが追加されました。 |
12.3(7)T |
このコマンドが、Cisco IOS リリース 12.3(7)T に統合されました。 |
12.3(14)T |
このコマンドが Cisco 2800 および Cisco 3800 シリーズ に導入されました。 |
12.4(9)T |
ANI/疑似 ANI(PANI)を使用した CAMA シグナリングをサポートするため、kp-0-npa-nxx-xxxx-st-kp-yyy-yyy-yyyy-st キーワードが追加されました。 |
12.4(11)XJ |
live-feed キーワードが追加されました。 |
12.4(15)T |
live-feed キーワードが Cisco IOS リリース 12.4(15)T に統合されました。 |
使用上のガイドライン
このコマンドは、アナログ音声ポートのみに適用されます。設定値を有効にするには、音声ポートをシャットダウンしてからアクティブにする必要があります。
E&M 音声ポートの場合、このコマンドでは、選択した音声ポートの signal 値のみが変更されます。
FXO 音声ポートまたは FXS 音声ポートの場合、このコマンドでは、音声ポート モジュール(VPM)にある両方の音声ポートの signal 値が変更されます。Cisco 3600 シリーズ ルータにある FXO 音声ポートの信号タイプを変更する場合は、音声ネットワークモジュールの音声インターフェイスカード内にある適切なジャンパを移動する必要があります。音声ネットワークモジュールの物理的特性に関する詳細については、ご使用の音声ネットワークモジュールに付属している設置マニュアルを参照してください。
E&M 音声ポートで即時スタートシグナリングを設定した場合、一部の PBX では最初の桁が欠落します。即時スタートシグナリングは、遠端が捕捉後数ミリ秒以内に桁を受け入れるよう設定されている回線でのみ、かつダイヤルパルスのアウトパルス用途のみで使用する必要があります。遅延ダイヤルシグナリングは、回線ではなくトランクでの使用を目的としています。遅延ダイヤルシグナリングは、回線が捕捉されるとすぐに、遠端から M リードにオフフック表示が返されるのを待機します。レシーバが接続されると、遠端はオフフック表示を削除して、桁受信の準備ができたことを示します。正しく機能させるには、両端で遅延ダイヤルを設定しておく必要があります。一部の非シスコ製デバイスでは、DTMF レシーバの数が限られています。このタイプの機器では、DTMF レシーバが使用可能になるまで、発信側を遅らせる必要があります。
緊急 911 コール専用の CAMA ポートとして使用する VIC-2CAMA ポートを指定するには、signal cama コマンドを使用します。E911 コールがサポートされている既存の北米テレフォニー インフラストラクチャでは、実装されているサービスが各サービスエリアごとにそれぞれ異なるとともに、緊急コール処理設計を決定づける要因の多くは現地の方針に依存するため本文書の範囲外とします。特定の物理サービスアクセスポイント(PSAP)場所においてどの ANI 形式が適切であるかは、現地の方針に準拠します。
次に示す 4 種類の ANI 送信スキームは、E911 タンデムに送信される実際の桁数に基づいています。いずれの場合も、実際の発信番号はキーパルス(KP)から始まって、その後に情報(I)フィールドまたは NPD が続き、その後に ANI 発信番号、そして最後に PSTN のトランクグループタイプおよび伝送されるトラフィックの構成に応じて、スタートパルス(ST) 、STP、ST2P または ST3P が続きます。
情報フィールドは、回線の元の順序に応じて 1 桁または 2 桁で表示されます。1 桁の情報フィールドの場合、値 0 は、当該発信番号が使用可能であることを示します。値 1 は、当該発信番号が使用できないことを示します。値 2 は、ANI が失敗したことを示します。2 桁の情報フィールドに表示される各値をすべて確認するには、www.telcordia.com で『SR-2275: Telcordia Notes on the Networks』を参照してください。
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7 桁送信(kp 0 nxx xxxx st ):
発信側電話番号が送信されますが、NPA はトランクグループで暗黙的に示されるため送信されません。
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8 桁送信(KP npd nxx xxxx st ):
I フィールドは、1 桁の NPD から NPA へのマッピングで構成されます。発信番号 415-555-0122 が 911 コールを発信し、Cisco 2600 シリーズまたは Cisco 3600 シリーズに NPD(0)から NPA(415)へのマッピングが設定されている場合、この NPA シグナリングフォーマットがセントラル オフィス(CO)の選択ルータによって受信されます。
(注) |
4 以上の NPD 値は、エラー状態を示す専用数値です。 |
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10 桁送信(kp 0 npa nxx xxxx st)
E.164 番号は完全に送信されます。
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20 桁送信(kp-0-npa-nxx-xxxx-st-kp-yyy-yyy-yyyy-st ):
FGD-OS では、「KP+II+10 桁の ANI+ST+KP+7/10 桁の PANI+ ST」フォーマットの 20 桁(2 つの 10 桁番号)がサポートされています。
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kp-2-st 送信(kp -2 -st ):
kp-2-st 送信は、PBX が ANI をアウトパルスできない場合に使用されます。Cisco ルータで受信された ANI が設定値と異なる場合、kp-2-st が送信されます。たとえば、10 桁の ANI をアウトパルスするよう設定されている音声ポートで、7 桁の発信番号を含む 911 コールが受信された場合、ルータが kp-2-st を送信します。
(注) |
緊急 911 コールは、ANI の不一致があっても拒否されません。コールによって音声パスが確立されます。ただし、E911 ネットワークは ANI を受信しません。 |
例
次の例は、Cisco 3600 シリーズの単一の音声ポートにおいて、シグナリングタイプをグラウンドスタート シグナリングに設定したものです。つまりこの場合、接続の両側がコールの発信およびコールの終了を行えます。
voice-port 1/1/1
signal groundstart
次の例は、10 桁の ANI 送信を設定したものです。
Router(config)#
voice-port 1/0/0
Router(config-voiceport)# signal cama kp-0-npa-nxx-xxxx-st
次の例は、ANI/疑似 ANI を使用した 20 桁の CAMA シグナリングを設定したものです。
Router(config-voiceport)# signal cama KP-0-NPA-NXX-XXXX-ST-KP-YYY-YYY-YYYY-ST