トラフィック クラスの要素
トラフィック クラスの目的は、ルータのトラフィックを分類することです。class-map class-map コマンドを使用して、トラフィック クラスを定義します。
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名前
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パケットを分類するための各種基準を指定するための、一連の match コマンド。
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これらの match コマンドを評価する方法の手順(トラフィック クラスに複数の match コマンドが存在する場合)
パケットは、match コマンドで指定された基準に合っているかどうかを判断するためにチェックされます。指定された基準に合っていれば、パケットはクラスのメンバーと見なされ、トラフィック ポリシーで設定された QoS 仕様に従って転送されます。一致基準を満たさないパケットは、デフォルトのトラフィック クラスのメンバーとして分類されます。
次の表に、Cisco NCS 540 シリーズ ルータCisco NCS 540 シリーズ ルータでサポートされている一致タイプの詳細を示します。
サポートされている一致タイプ |
最小、最大 |
エントリの最大数 |
一致 NOT のサポート |
範囲のサポート |
インターフェイスでサポートされる方向 |
---|---|---|---|---|---|
IPv4 DSCP IPv6 DSCP DSCP |
(0、63) |
64 |
○ |
○ |
入力 |
IPv4 Precedence IPv6 Precedence Precedence |
(0、7) |
8 |
○ |
× |
入力 |
MPLS Experimental Topmost |
(0、7) |
8 |
○ |
× |
入力 |
Access-group |
N/A |
8 |
× |
N/A |
入力 |
QoS-group |
(1、7) |
7 |
× |
× |
出力 |
CoS |
(0、7) |
8 |
× |
○ |
入力 |
プロトコル |
(0、255) |
1 |
○ |
N/A |
入力 |
(注) |
出力キューの統計情報は、出力で対応する一致基準があるクラスにのみ表示されます。したがって、入力に set qos-group x を設定した場合、出力に対応する match qos-group x を設定して出力側で統計情報が表示されるようにする必要があります。また、QoS-group の使用とキューの選択も参照してください。 |
デフォルト トラフィック クラス
未分類のトラフィック(トラフィック クラスで指定された一致条件を満たさないトラフィック)は、デフォルト トラフィック クラスに属するものとして扱われます。
ユーザがデフォルト クラスを設定しない場合でも、パケットはデフォルト クラスのメンバとして扱われます。ただし、デフォルトでは、デフォルト クラスにイネーブルな機能はありません。そのため、機能が設定されていないデフォルト クラスに属するパケットには QoS 機能は適用されません。この後、これらのパケットは、ファーストイン ファーストアウト(FIFO)キューに配置され、使用可能な下位リンクの帯域幅で決められたレートで転送されます。
出力分類の場合、qos-group (1-7)での一致がサポートされます。一致 qos-group 0 は設定できません。出力ポリシーの class-default は qos-group 0 にマッピングします。
次に、デフォルト クラスにトラフィック ポリシーを設定する例を示します。
configure
policy-map ingress_policy1
class class-default
police rate percent 30
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トラフィック クラスの作成
一致基準が含まれるトラフィック クラスを作成するには、class-map コマンドを使用してトラフィック クラス名を指定し、必要に応じて、match コマンドをクラスマップ コンフィギュレーション モードで使用します。
ガイドライン
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ユーザは、設定の単一行において一致タイプに対し複数の値を提供できます。つまり、最初の値が一致基準を満たさない場合は、一致ステートメントに示された次の値が分類のために検討されます。
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not キーワードを match コマンドに使用すると、指定していないフィールドの値に基づいて照合を行います。
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この設定作業で指定するすべての match コマンドの使用は任意ですが、1 つのクラスに少なくとも 1 つの一致基準を設定する必要があります。
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match-any を指定すると、トラフィック クラスで受信したトラフィックがトラフィック クラスの一部と分類されるには、一致基準の 1 つを満たす必要があります。これはデフォルトです。match-all を指定した場合は、トラフィックがすべての一致基準を満たす必要があります。
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match access-group コマンドの場合、IPv4 および IPv6 ヘッダーのパケット長または TTL(パケット存続時間)フィールドに基づいた QoS 分類はサポートされていません。
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match access-group コマンドの場合、ACL リストがクラス マップ内で使用されると、ACL の拒否アクションは無視され、トラフィックは指定された ACL の一致パラメータに基づいて分類されます。
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match qos-group 、traffic-class 、および discard-class は出力方向でのみサポートされますが、これらは出力方向でサポートされる唯一の一致条件です。
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出力のデフォルト クラスは、暗黙的に qos-group 0 に一致します。
設定例
トラフィック クラスの設定を完了するには、以下を完全に行う必要があります。
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クラス マップの作成
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パケットをその特定のクラスのメンバとして分類するための一致基準の指定
サポートされる一致タイプの一覧については、トラフィック クラスの要素 を参照してください。
Router# configure
Router(config)# class-map match-any qos-1
Router(config-cmap)# match qos-group 1
Router(config-cmap)# end-class-map
Router(config-cmap)# commit
実行コンフィギュレーション も参照してください。
確認 も参照してください。