スマート ライセンスは、時間のかかる手動のライセンスタスクを自動化できるクラウドベースのソフトウェアライセンス管理ソリューションです。このソリューションを使用すると、ライセンスのステータスとソフトウェアの使用傾向を簡単に追跡できます。

シスコ スマート ライセンスを使うと次の 3 つのコア機能が簡素化されます。

• 購入：ネットワークにインストールされているソフトウェアを製品アクティベーションキー（PAK）を指定せずに自動的に登録できます。

• 管理：ライセンス権限の有効化を自動的に追跡できます。また、すべてのノードにライセンス ファイルをインストールする必要はありません。組織構造に合わせたライセンス プール（ライセンスの論理的なグループ）を作成できます。Smart Licensing には、すべての Cisco ソフトウェア ライセンスを 1 つの一元化された Web サイトで管理できる集中型ポータルである Cisco Smart Software Manager が用意されています。

• レポート：Cisco スマート ソフトウェア マネージャにより、スマートライセンスでは、ポータルを使用することで、購入したライセンスとネットワークに展開された製品を統合して表示できます。このデータを使用すると、購入の意思決定を実際の使用状況に基づいてより適切に行うことができます。

（注）	デフォルトでは、スマート ライセンスが有効になっています。

スマートライセンスは、次の図に示す 3 つのステップで構成されています。

1. スマート ライセンスの設定：スマートライセンスを注文します。ライセンスは Cisco.com ポータルで管理します。Smart Software Manager ポータルでのスマートライセンスの使用およびアクセスについて規定した利用規約に同意します。

2. スマートライセンスの有効化と使用：スマート ライセンスのワークフローの項の図に示すように、スマートライセンスを有効にする手順を実行します。

   スマート ライセンスを有効にしたら、次のいずれかのオプションを使用して通信できます。

   • Smart Call Home：Smart Call Home 機能は、スマート ライセンスが有効になった後に自動的に設定されます。Smart Call Home は、シスコのライセンス サービスとの通信用メディアとしてスマート ライセンスで使用されます。Call Home 機能を使用すると、シスコ製品が定期的に call-home を実行し、ソフトウェアの使用状況情報を監査および調整できるようになります。この情報により、シスコは、インストール ベースを効率的に追跡し、それらを継続的に維持および稼働させることができます。また、お客様の手を煩わせることなく、サービスの提供および契約更新に関するサポートをより効果的に行えるようになります。Smart Call Home 機能の詳細については、『Smart Call Home Deployment Guide』を参照してください。

   • スマート ライセンス サテライト：スマート ライセンス サテライト オプションは、スマート ライセンスの使用状況を統合および管理するために使用できるオンプレミス コレクタを提供し、Cisco.com でのシスコ ライセンス サービスとの通信を促進します。

3. ライセンスの管理およびレポート：Smart Software Manager ポータルで、ソフトウェア全体の使用状況に関するレポートを管理および表示できます。

次の図は、スマート ライセンスの導入に使用できるさまざまなオプションを示しています。

1. ダイレクトクラウドアクセス：ダイレクトクラウドアクセスによる導入方法では、シスコ製品からインターネット経由で http://www.cisco.com のシスコのライセンスサービスに使用状況情報が直接送信されます。導入に必要なその他のコンポーネントはありません。

2. HTTP プロキシによるダイレクト クラウド アクセス：HTTP プロキシによるダイレクト クラウド アクセスの導入方法では、シスコ製品から、プロキシ サーバ（Smart Call Home Transport Gateway または市販のプロキシ（Apache など）のいずれか）を介して、インターネット経由で http://www.cisco.com のシスコ ライセンス サービスに使用状況情報を送信します。

3. 接続状態のオンプレミス コレクタを介した間接アクセス：接続状態のオンプレミス コレクタを介した間接アクセスによる導入方法では、シスコ製品から、現地のライセンス認証局として機能するローカルに接続されたコレクタに使用状況情報を送信します。データベースの同期を保つため、周期的に情報が交換されます。

4. 非接続状態のオンプレミス コレクタを介した間接アクセス：非接続状態のオンプレミス コレクタを介した間接アクセスによる導入方法では、シスコ製品から、現地のライセンス認証局として機能するローカルの接続が解除されたコレクタに使用状況情報を送信します。データベースの同期を保つため、不定期に（月に 1 回）人による読み取りが可能な情報が交換されます。

オプション 1 と 2 には簡単な導入オプションを、オプション 3 と 4 にはセキュアな環境展開オプションを提供します。オプション 3 および 4 には、スマート ソフトウェア サテライトによるサポートが提供されます。

シスコ製品とシスコ ライセンス サービスとの間の通信は、Smart Call Home ソフトウェアが対応します。

スマート ライセンスでは、柔軟な消費ライセンス モデルを使用します。このライセンス モデルは、設定されているポートの容量に基づきます。柔軟な消費モデル ライセンスをサポートするシャーシを購入する場合は、柔軟な消費モデル ライセンスを設定してライセンス機能を有効にする必要があります。柔軟な消費モデル ライセンスは、システムのすべてのポートの使用状況を毎日確認し、結果を Cisco.com の Smart Licensing Manager に報告します。

ハードウェアまたはソフトウェアで柔軟な消費モデル ライセンスを有効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードでライセンスの smart flexible-consumption enable コマンドを使用します。ハードウェアまたはソフトウェアで柔軟な消費モデル ライセンスを無効にするには、グローバル コンフィギュレーション モードで no license smart flexible-consumption enable コマンドを使用します。

次の表に、NCS 560 のさまざまな柔軟な消費モデル ライセンスの消費パターンを示します。

スマート ライセンスのワークフローを、次のフローチャートに示します。

ライセンス

すべてのシスコ製品ライセンスが、その製品に応じて、次のタイプのいずれかになります。

すべての製品ライセンスは、バーチャル アカウントに存在します。

製品インスタンス（Product Instances）

製品インスタンスとは、製品インスタンス登録トークン（または登録トークン）を使用して登録される、一意のデバイス ID（UDI）を使用した個々のデバイスです。1 つの登録トークンで 1 つの製品のインスタンスをいくつでも登録できます。各製品インスタンスで、同じバーチャル アカウント内に存在する 1 つ以上のライセンスを使用できます。製品インスタンスは、特定の更新期間中 Cisco Smart Software Manager サーバに定期的に接続する必要があります。製品インスタンスが接続に失敗するとライセンス不足であるとマークされますが、そのライセンスは引き続き使用されます。製品インスタンスを削除すると、そのライセンスがリリースされ、バーチャル アカウント内で使用可能になります。

製品インスタンスの登録トークン

製品は、登録するまで登録トークンが必要です。登録トークンは、エンタープライズ アカウントに関連付けられた製品インスタンス登録トークン テーブルに格納されます。製品を登録すると登録トークンは不要になるため、そのテーブルから取り消したり、削除したりしても影響はありません。登録トークンの有効日数は、1 ～ 365 日間に設定できます。

（注）

設定済みの秘密鍵がタイプ 8、9、または 10 の場合は、6.6.3 以前のバージョンにダウングレードする前に次のいずれかの対応策を実行してください。 パスワードのプレーン テキストではなく、秘密タイプと暗号化キーの組み合わせを入力します。例： username root group root-lr group cisco-support secret 10 $6$Mwaqg/jdBPOn4g/.$PrJP2KjsCbL6bZqmYOej5Ay67S/sSWJNlkiYhCTc/B/35E1kJBqffmBtn.ddQEH0O2CU7V.ZEMmqIg7uE8cfz0 これは、6.6.3 以前のバージョンではタイプ 8、9、または 10 のキー タイプがサポートされていないためです。 システムに秘密タイプ 5 のユーザが存在することを確認します。